JP3595831B2 - Cyclic ether compound - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な光学活性環状エーテル化合物及び環状エーテル化合物、その製造方法およびその使用方法に関するものである。また、本発明は、新規な光学活性環状ポリエーテル化合物及び環状ポリエーテル化合物、それらの製造方法、それらを脱塩剤として用いる脱塩溶媒の製法、保持されたイオンの溶出法(再生法)、ならびにラセミ体の光学分割および不斉反応への利用に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
生命が生存するために最も必要な水は、これまで簡単に得られるものと思われてきた。ところが、様々な環境破壊が行われてきた結果、地球温暖化が進み異常気象をもたらし、水不足、水飢饉となる地域が急速に増えて来た。生活用水や工業用水の確保が大変厳しくなっており、一時的に水不足が解消されても再び水不足になることが十分予想される現状である。
【0003】
これまでの水の確保は、自然降雨に頼ることがほとんどであったが、1960年頃から海水を淡水化して生活用水や工業用水に利用する研究が本格的に始められた。現在、実用化されている海水の淡水化法には、蒸発法と膜法があり、膜法にはさらに、電気透析法と逆浸透法がある。蒸発法は、大量の淡水が得られるメリットがあるが、水蒸気をつくる際に大量のエネルギーを消費しなくてはならず、運転温度が100℃-120℃と高いため、海水によるプラントの腐食やスケールの付着が起こりやすいのが欠点である。また、蒸発法で得られた淡水はミネラル含有量が少ないため、飲料水のプラントではミネラルの添加を行わなくてはならないという問題もある。電気透析法は、造水能力がまだまだ低く、透析電力が大量を要するためコスト高である。逆浸透法は、最も造水能力が高いが、膜の老化や水温の変化などにより水質が変動すること、半透膜を使う関係上、海水中の濁質などを除去するための前処理を十分に行う必要があるなどの問題点が残されている。
【0004】
その他の淡水化法として、冷熱利用淡水化法、透過気化淡水化法、太陽熱利用淡水化法などがあるが、まだ実用化には至っていない。
【0005】
一方、これまでの光学分割剤および不斉反応試薬は多数開発されているが、電気陰性度が高い原子と結合するルイス酸基(ホウ素原子) と電気陰性度が低い原子と結合する環状エーテル基(酸素原子)を両方持ち合わせた光学分割剤および不斉反応試薬はほとんど知られていない。光学分割剤については、産業に利用されているものが多いが、その分割能はラセミ体の分子構造に依存するものがほとんどであり、一般性は低い。不斉反応試薬については、開発されても技術面および生産コストの面で難点が多く実用化されているものは極めて少ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、簡便な操作で水溶液および有機溶媒中の塩分を除去し脱塩溶媒を安価に大量につくることができる化学物質およびこれを用いた脱塩水および脱塩有機溶媒を提供することにある。
【0007】
さらに、本発明は、ラセミ体の分子構造に依存しない一般性が高い光学分割剤および不斉反応試薬を提供することにある。
【0008】
【課題を解決する手段】
本発明者は、海水などの塩分を含んだ溶液から脱塩溶媒を製造することができる優れた化学物質ならびに脱塩溶媒の製造方法について鋭意研究した結果、クラウンエーテル化合物を化学修飾して得られる特殊な化学物質に脱塩作用があることを見出し、この化学物質により海水などの塩分を含んだ溶液から脱塩溶媒を製造することを考案した。さらに、この化学物質にラセミ化合物の光学分割および不斉反応における有用性を見出して、本発明を完成させるに至った。
【0009】
一方、これまでの光学分割剤および不斉反応試薬は多数開発されているが、電気陰性度が高い原子と結合するルイス酸基(ホウ素原子) と電気陰性度が低い原子と結合する環状エーテル基(酸素原子)を両方持ち合わせた光学分割剤および不斉反応試薬はほとんど知られていない。光学分割剤については、産業に利用されているものが多いが、その分割能はラセミ体の分子構造に依存するものがほとんどであり、一般性は低い。不斉反応試薬については、開発されても技術面および生産コストの面で難点が多く実用化されているものは極めて少ない。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明に係る環状エーテル化合物は、一般式[I]:
【0011】
【化16】
【0012】
{式中、R1 は、水素原子、一般式[II]:
【0013】
【化17】
(式中、aは0または1から6までの整数を意味する)
で表される基、一般式[III]::
【0014】
【化18】
(式中、bは30から100までの整数を意味し、aは前記と同じ意味を有する)
で表される基、一般式[IV]:
【0015】
【化19】
(式中、aは前記と同じ意味を有する)
で表される基または一般式[V]:
【0016】
【化20】
(式中、cは30ないし100の整数を意味し、aは前記と同じ意味を有する)
で表される基を意味し、
R2は、水素原子、一般式[VI]:
【0017】
【化21】
(式中、Phはベンゼン環を意味し、dは0または1ないし7の整数を意味する)
で表される基、または一般式[VII]:
【0018】
【化22】
[式中、R3およびR4は、同じであっても異なっていてもよく、それぞれC1−C6アルキル基、C3-C6シクロアルキル基、C7−C11アラルキル基またはC6−C10アリール基を意味し、また、R3およびR4が互いに結合する場合には、C2−C3アルキレン基、光学活性置換基−CHAr−(CH2)v−CHAr−(式中、Arはtert−ブチル基、フェニル基またはナフチル基を意味し、vは0または1を意味する)もしくは芳香環またはボランエーテル残基を意味する];およびPhならびにdは前記と同じ意味を有する]
で表される基を意味し、
mは、1または2の整数を意味し、
nは、0または1から7までの整数を意味する}
で表される。
【0019】
一般式[VII]において、C1−C6アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、tert−ブチル、n-ペンチル、n-へキシル等が挙げられる。
C3-C6 シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。
C7−C11アラルキル基は、例えば、ベンジル、o-メチルベンジル、m-メチルベンジル、p-メチルベンジル、p-クロロベンジル、1-メチルベンジル、フェネチル、o-、m-またはp-メチルフェネチル、3-フェニルプロピル、3-(o-メチルフェニル)プロピル、3-(m- メチルフェニル) プロピル、3-(p- メチルフェニル) プロピル、4-フェニルブチル、o-ナフチルメチル、3-ナフチルメチル等が挙げられる。
C6−C10アリール基は、例えば、フェニル、o-、m-またはp-トリル、2,3-ジメチルフェニル、2,4-ジメチルフェニル、2,5-ジメチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル、3,4-ジメチルフェニル、3,5-ジメチルフェニル、2,3,4-トリメチルフェニル、2,3,5-トリメチルフェニル、2,3,6-トリメチルフェニル、3,4,5-トリメチルフェニル、3,4,6-トリメチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、α-ナフチル、β-ナフチル等が挙げられる。
【0020】
また、R3とR4とが互いに結合して形成される芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環等が挙げられ、これらは前記のC1-C6アルキル基などや、フッ素原子、塩素原子などのハロゲン原子などの置換基で置換されていてもよい。
【0021】
本発明に係る光学活性環状エーテル化合物は種々の方法で製造することができ、例えば、下記に示すような方法Aに従って製造することができる。
【0022】
【化23】
【0023】
【化24】
[式中、R1aは、前記一般式[II]:
【0024】
【化25】
(式中、aは前記と同じ意味を有する)
で表される基または前記一般式[IV]:
【0025】
【化26】
(式中、aは前記と同じ意味を有する)
で表される基を意味し、
nおよびmは前記と同じ意味を有する]。
【0026】
上記方法Aにおいては、まず、A1工程において、一般式[X]で表されるジアザクラウンエーテル化合物を出発物質として、酸ハライドまたは酸無水物などのアシル化剤でアシル化して、一般式[XI]で表されるアシル化体を得る。
このアシル化反応は、反応溶媒中、塩基の存在下でアシル化剤を反応させて、一般式[I]における1つのアミノ基に対してアシル化剤を用いてアシル化を行うものである。
【0027】
このアシル化反応に使用することができるアシル化剤としては、例えば、各種酸ハライド、酸無水物などが使用できる。かかる酸ハライドとしては、例えば、メタクリロイルクロライド、メタクリロイルブロマイド、メタクリロイルヨーダイドなどのメタクリロイルハライド、o-、m-もしくはp-カルバモイルベンゾイルクロライド、o-、m-もしくはp-カルバモイルベンゾイルブロマイド、o-、m-もしくはp-カルバモイルベンゾイルヨーダイドなどのo-、m-もしくはp-カルバモイルベンゾイルハライド、o-、m-もしくはp-イソシアノベンゾイルクロライド、o-、m-もしくはp-イソシアノベンゾイルブロマイド、o-、m-もしくはp-イソシアノベンゾイルヨーダイドなどのo-、m-もしくはp-イソシアノベンゾイルハライド、2,3-もしくは3,4-ジイソシアノベンゾイルクロライド、2,3-もしくは3,4-ジイソシアノベンゾイルブロマイド、2,3-もしくは3,4-ジイソシアノベンゾイルヨーダイドなどの2,3-もしくは3,4-ジイソシアノベンゾイルハライドなどが挙げられる。また、酸無水物としては、例えば、無水メタクリル酸等が使用される。好ましいアシル化剤としては、例えば、メタクリロイルクロライド、m-もしくはp-カルバモイルベンゾイルクロライド、m-もしくはp-イソシアノベンゾイルクロライド、2,3-もしくは3,4-ジイソシアノベンゾイルクロライドなどが挙げられる。
【0028】
反応溶媒としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒を用いることができる。好ましい反応溶媒としては、例えば、ジクロロメタン又はクロロホルムなどを挙げることができる。
【0029】
塩基としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、N,N-ジメチルアニリンなどの3 級アミン系塩基を用いることができる。好ましい塩基としては、例えば、ピリジン又はトリエチルアミンなどを用いるのがよい。このアシル化反応は、-10℃〜+40℃の範囲、好ましくは0 ℃〜+20 ℃の範囲の反応温度で行うのがよい。
【0030】
上記アシル化反応に続くA2工程においては、上記アシル化反応で得られたアシル体[XI]は、更に、アシル化剤またはアルキル化剤でアシル化またはアルキル化されて、それぞれ一般式[XII]で表されるアシル化体[XIIa]またはアルキル化体[XIIb]が得られる。このアシル化反応およびアルキル化反応は、通常、反応溶媒中で、塩基の存在下で行われる。
【0031】
A2工程におけるアシル化反応に使用されるアシル化剤としては、無水フタル酸、フタリドなどの酸無水物、フタル酸モノクロライド、フタル酸モノブロマイド、フタル酸モノヨーダイドなどの酸ハライドなどを用いることができる。好ましいアシル化剤としては、無水フタル酸、フタリドなどを挙げることができる。一方、アルキル化剤としては、3−クロロアセチル安息香酸、2−(3−クロロプロピオニル)安息香酸を用いることができる。好ましいアルキル化剤としては、2−クロロアセチル安息香酸などを挙げることができる。反応溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタンなどのハロゲン系溶媒を用いることができる。好ましい反応溶媒としては、ジクロロメタン又はクロロホルムを用いるのがよい。塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、N,N-ジメチルアニリンなどの3級アミン系塩基を用いることができる。好ましい塩基としては、ピリジン又はトリエチルアミンを用いるのがよい。反応温度は、-10℃〜+40 ℃の範囲、好ましくは、0℃〜+20 ℃の範囲であるのがよい。
【0032】
A3工程においては、上記アシル化反応またはアルキル化反応によって得られた一般式[XII]で表されるアシル化体[XIIa ]またはアルキル化体[XIIb]を、カップリング化剤によってカップリングして、それぞれ一般式[Ia]:
【0033】
【化27】
(式中、R1a、R3、R4、d、mおよびnは前記と同じ意味を有する)で表されるボレート体のモノマーを得ることができる。
【0034】
このカップリング反応は通常反応溶媒中でカップリング化剤を用いて行われる。使用されるカップリング化剤としては、例えば、ジアルコキシボランなどのボラン化合物が使用される。ジアルコキシボランとしては、例えば、カテコールボラン、エチレングリコールボラン、プロピレングリコールボラン、ジメトキシボラン、(1S,2S) もしくは(1R, 2R) 1,2-ジフェニルエチレングリコールボラン、(1S, 3S) もしくは(1R, 3R)-1,3-ジフェニルプロピレングリコールボランなどを挙げるができる。好ましいジアルコキシボランとしては、カテコールボラン又は(1S,2S)もしくは(1R,2R)-1,2-ジフェニルエチレングリコールボランなどが挙げられる。反応溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、1,4-ジオキサン、1,3-ジオキサンなどのエーテル系溶媒を用いることができる。好ましい反応溶媒としては、テトラヒドロフラン又はジエチルエーテルなどが挙げられる。反応温度は、-10℃〜十20℃の範囲、好ましくは、0℃〜+10 ℃の範囲であるのがよい。
【0035】
次いで、A4工程において、上記カップリング反応で得られたボレート体[Ia]は、不斉付加重合反応に付されて、一般式[Ib]:
【0036】
【化28】
【0037】
(式中、R1bは、一般式[III]:
【0038】
【化29】
(式中、aおよびbは前記と同じ意味を有する)
で表される基または前記一般式[V]:
【0039】
【化30】
(式中、aおよびcは前記と同じ意味を有する)
で表される基を意味し、
R3、R4、d、mおよびnは前記と同じ意味を有する)
で表される環状エーテル化合物がポリマーとして得られる。
【0040】
この不斉付加重合反応は、不斉配位子を使用して金属化合物の存在下反応溶媒中で行われる。この不斉付加重合反応に使用される不斉配位子としては、例えば、(+)-もしくは(-)-スパルテイン、(+)-もしくは(-)-2,3-ジメトキシ-1,4-ビス(ジメチルアミノ)ブタン、(+)-もしくは(-)-1-(2-ピロリジニルメチル) ピロリジン、(R)-(+)-もしくは(S)-(-)-2,2'-(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチル等が挙げられる。好ましい不斉配位子としては、例えば、(+)-もしくは(-)-スパルテイン、(R)-(+)-もしくは(S)-(-)-2,2'-(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチルなどが挙げられる。金属化合物としては、例えば、9-フルオレニルリチウム、メチルリチウム、ブチルリチウムなどのアルキルリチウム、フェニルリチウムなどのアリールリチウム、塩化ニッケル(II)、臭化ニッケル(II)、ヨウ化ニッケル(II)などのハロゲン化ニッケル(II)、塩化パラジウム(II)、臭化パラジウム(II)、ヨウ化パラジウム(II)などのハロゲン化パラジウム(II)などを用いることができる。好ましい金属化合物としては、例えば、9-フルオレニルリチウム、塩化ニッケル(II)、塩化パラジウム(II)などが挙げられる。反応溶媒としては、トルエン、m-キシレン、へキサン、ベンゼン、ジエチルエーテル、クロロベンゼン、酢酸エチル、クロロホルムなどを用いることができる。好ましい反応溶媒としてはトルエンを用いるのがよい。反応温度は、-100℃〜+20℃の範囲、好ましくは、-80℃〜0 ℃の範囲、更に好ましくは、-78 ℃〜-50 ℃の範囲であるのがよい。
【0041】
また、下記に示すような本発明に係る光学活性環状エーテル化合物[Ic](一般式[I]において、dが0である)は、例えば、次のようなB方法によって製造することができる。
【0042】
【化31】
(式中、R1a、R3、R4、d、mおよびnは前記と同じ意味を有する)
【0043】
【化32】
【0044】
【化33】
【0045】
この方法Bでは、上記A1工程において、例えば、一般式[X]で表されるジアザクラウンエーテルを、酸ハライドまたは酸無水物などのアシル化剤で一方のアミノ基をアシル化して得られた一般式[XIa]で表されるアシル化体の他方のアミノ基を更にアシル化する。つまり、第B1工程においては、このアシル化体[XIa]に、例えば、無水フタル酸などのアシル化剤を反応させて、一般式[XIIa]で表されるカルボン酸体を得ることができる。得られたカルボン酸体[XIIa]は次いで、ボラン化合物と反応され、一般式[Ic]で表されるボレート体をモノマーとして得ることができる。
【0046】
この方法で得られたモノマーであるボレート体[Ic]は、更に、上記方法AのA4工程と同様にして、例えば、(-)-スパルテインなどの不斉配位子と反応して、本発明に係る光学活性環状エーテル化合物、つまり一般式[Id]で表される光学活性環状エーテル化合物を得ることができる。
【0047】
なお、方法BのB1工程におけるアシル化反応は、上記方法AのA2工程におけるアシル化反応と実質的には同じであるので、アシル化反応の条件等は該A2工程におけるアシル化反応の条件等と同様に適用することができる。方法Bにおけるその他の工程は、上記方法のそれぞれの工程と実質的には同じであるので、上記方法Aのそれぞれの工程における反応条件等が同様に適用できる。
【0048】
次ぎに、上記各方法にて得ることができる光学活性環状エーテル化合物[I]を脱塩剤として用いて脱塩溶媒を製造する脱塩溶媒の製造方法について説明する。
本発明において、脱塩水または脱塩有機溶媒を製造する方法は、光学活性環状エーテル化合物[I]に、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジンなどの極性有機溶媒中で陽イオンと陰イオンの両方を同時に保持させることによって行うことができる。
【0049】
この脱塩溶媒の製造方法においては、環状エーテル化合物[I]を、例えば、カラムクロマトグラフィー用のガラス管に充填し、塩類が溶解した水溶液又は有機溶媒を展開して、そのフラクションを集めることにより脱塩溶媒を製造することができる。
【0050】
使用できる塩類の種類としては、無機塩に限らず有機塩も使用することができる。保持される無機塩の陽イオンとしては、例えば、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオンなどのアルカリ金属イオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンなどのアルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオンなどが挙げられる。また、無機塩の陰イオンとしては、例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、炭酸イオン、炭酸水素イオン、水酸化物イオン、アミドイオンなどが挙げられる。他方、有機塩の陽イオンとしては、例えば、4級アンモニウムイオン、ジアゾニウムイオン、オキソニウムイオンなどが挙げられる。また、有機塩の陰イオンとしては、例えば、ギ酸イオン、酢酸イオンなどの脂肪族カルボン酸イオン、安息香酸イオンなどの芳香族カルボン酸イオン、メトキシドイオン、エトキシドイオンなどのアルコキシドイオン、フェノキシドイオンなどの芳香族アルコラート、ナトリウムアミドなどのアミドイオンなどが挙げられる。
【0051】
次ぎに、保持されたイオンの溶出法、つまり脱塩剤の再生法について説明する。つまり、本発明に係る環状エーテル化合物[I]に保持された前述したようなイオンは、加温した脱塩水、加温した脱塩有機溶媒(例えば、ジクロロメタンなどの脱塩有機溶媒)、加温した非脱塩水、加温した非脱塩有機溶媒(例えば、メタノールなどの非脱塩有機溶媒)などを展開させることによって、保持したイオンを溶出させて、簡単に再生することができる。加温した脱塩水または加温した脱塩有機溶媒の温度条件としては、20℃〜50℃の範囲、好ましくは30℃〜40℃の範囲であるのがよい。他方、加温した非脱塩水または加温した非脱塩有機溶媒の温度条件としては、40℃〜80℃の範囲、好ましくは50℃〜60℃の範囲であるのがよい。
【0052】
更に、本発明に係る光学活性環状エーテル化合物[I]を光学分割剤として用いるラセミ体の光学分割法について、以下に説明する。
本発明に係る光学活性環状エーテル化合物[I]を、例えば、カラムクロマトグラフィー用のガラス管に充填し、ラセミ化合物を吸着させた後、適当な溶媒で展開し、得られたフラクションを集めることにより光学分割することができる。
【0053】
使用することができるラセミ化合物としては、例えば、フェニルグリシンなどのアミノ酸類、プロリノールなどのアミノアルコール類、α- フェネチルアルコールなどのアルコール類、α-フェネチルアミンなどのアミン類、3-メチルヘキサンなどのアルカン、トランス-1,2-ジメチルシクロヘキサンなどのシクロアルカン、3-メチル-1- ペンテンなどのアルケン、3-メチル-1-ペンチンなどのアルキン、2-フェニルブタンなどの芳香族炭化水素、2-クロロペンタンなどのハロゲン化アルキル、3-クロロペンテンなどのハロゲン化アルケニル、3-クロロ-1-ペンチンなどのハロゲン化アルキニル、α-フェネチルクロリドなどのハロゲン化芳香族炭化水素、トランス-1,2- シクロペンタンジオールなどのC2キラリティー化合物、ビナフトールなどの軸不斉化合物、ヘキサヘリセンなどの面不斉化合物、ポリメタクリル酸トリフェニルメチルなどのラセン構造の化合物などが挙げられる。また、使用できる溶媒としては、ラセミ化合物は溶解するが、光学活性環状エーテル化合物[I]を溶解しないかまたはほとんど溶解しないものであればいずれも使用することができる。かかる溶媒としては、例えば、水またはヘキサンなどが挙げられる。
【0054】
また他の光学分割法として、優先晶出法を用いることができる。この方法では、光学活性環状エーテル化合物[I]と塩や錯体を形成することができるラセミ化合物を光学分割することができる。このようなラセミ化合物としては、例えば、フェニルグリシンなどのアミノ酸類、プロリノールなどのアミノアルコール類、α-フェネチルアルコールなどのアルコール類、α- フェネチルアミンなどのアミン類、3-メチルヘキサンなどのアルカン、トランス−1,2-ジメチルキクロヘキサンなどのシクロアルカン、3-メチル−1−ペンテンなどのアルケン、3-メチル−1−ペンチンなどのアルキン、2-フェニルブタンなどの芳香族炭化水素、2-クロロペンタンなどのハロゲン化アルキル、3-クロロペンテンなどのハロゲン化アルケニル、3-クロロ−1−ペンチンなどのハロゲン化アルキニル、α-フェネチルクロリドなどのハロゲン化芳香族炭化水素、トランス-1,2-シクロペンタンジオールなどのC2キラリティー化合物、ビナフトールなどの軸不斉化合物、ヘキサヘリセンなどの面不斉化合物、ポリメタクリル酸トリフェニルメチルなどのラセン構造の化合物などが挙げられる。この優先晶出法による光学分割法に使用できる溶媒としては、ラセミ化合物を溶解し、かつ、光学活性環状エーテル化合物[I]をも溶解するものが用いられる。かかる溶媒としては、例えば、ジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素、イソプロパノールなどのアルコール類)などを挙げることができる。
【0055】
本発明に係る光学活性環状エーテル化合物[I]は高い光学分割能を有している。というのは、本発明に係る光学活性環状エーテル化合物[I]は、分子構造中に陰性が大きい原子と相互作用する部位と、陽性が大きい原子と相互作用する部位との両方を持ち、更にその不斉点がその相互作用する部位と極めて近い位置に存在するためである。
【0056】
以下に、本発明に係る光学活性環状エーテル化合物[I]の不斉反応への利用法について説明する。本発明に係る光学活性環状エーテル化合物[I]は、不斉還元反応、不斉アルキル化反応、不斉アルドール反応、不斉マイケル付加反応、不斉脱離反応などの一般的な不斉反応に利用することが可能である。また、光学活性環状エーテル化合物[I]を触媒量用いることで不斉触媒反応も可能である。一般式[I]で表される本発明に係る光学活性環状エーテル化合物は、前述したように、分子構造中に陰性が大きい原子と相互作用する部位と、陽性が大きい原子と相互作用する部位との両方を持ち、更にその不斉点がその相互作用する部位と極めて近い位置に存在するために、前述したような種々の不斉反応に利用することができることによって、高い立体選択性を有している。
【0057】
【発明の効果】
一般式[I]で表される本発明に係る環状エーテル化合物又は光学活性環状エーテル化合物は、水溶液又は有機溶媒中の塩類を保持することができ、脱塩水及び脱塩有機溶媒を製造するために使用することができる。前述した各種のイオンを保持させた環状エーテル化合物又は光学活性環状エーテル化合物[I]は、それを加温した脱塩水、加温した脱塩有機溶媒、加温した非脱塩水または加温した非脱塩有機溶媒で処理することによって、簡単に再生することができる。また、一般式[I]で表される光学活性環状エーテル化合物を光学分割剤として用いることによって、ラセミ化合物を光学分割することができる。更にまた、一般式[I]で表される光学活性環状エーテル化合物を不斉反応へ利用することによって高い立体選択性を得ることができる。
【0058】
【実施例】
実施例1:光学活性環状エーテル化合物[I]の合成
(1R, 2R)-0-[(1,2- ジフェニル-1,2- エタンジオキシ) ボラン], N-[(N'-メタクリロイル)-7,13- ジアザ-15-クラウン-5]-フタルアミドエステル[Ie]
【化34】
【0059】
上記化合物[Ie]は下記の方法で製造することができる。
【0060】
【化35】
【0061】
【化36】
【0062】
ジアザ−15−クラウン-5[Xa]を9.81 g (45 mmol)秤量してジクロロメタン300 mlに溶解し、ピリジン1O.7 gを加えて撹拌した。得られた溶液を氷冷後、メタクリロイルクロライド[XL]4.7g(45 mmol) を徐々に加え、10分間撹拌した後、室温に戻して、更に3 時間撹拌した。得られた反応液に精製水30 ml を加えて2-3 分間撹拌し、ジクロロメタン2Lで抽出した。抽出液を飽和食塩水(150mlx3)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥し、ろ過した。次いで、得られたろ液を減圧留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製すると、アミド体[XIa]が11.O7gの収量で定量的に得られた。
【0063】
次ぎに、上記工程で得られたアミド体[XIa]を2.86 g (10 mmol)秤量してジクロロメタン1O ml に溶解し、得られた溶液を氷冷した。次いで、氷冷した無水フタル酸[XLI]1.78 g (12 mmol) を徐々に加え、10分間撹拌した後、室温に戻し、更に3 時間撹拌した。得られた反応液に精製水30 ml を加えて2-3 分間撹拌して、ジクロロメタン700mlで抽出した。得られた抽出液を飽和食塩水(50mlx3)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥し、ろ過した後、ろ液を減圧留去した。得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して力ルボン酸体[XIIa]を3.95gの収量で定量的に得た。
【0064】
この力ルボン酸体[XIIa ]を4.34 g (10 mmol)秤量して、テトラヒドロフラン(THF) 150 mlに溶解して、得られた溶液を氷冷した。次いで、撹拌しながら1M(1R,2R)-1,2-ジフェニルエチレングリコールボラン[XLII]のTHF溶液10 mlを注意しながら少しずつ添加した。得られた混合液を30分間撹拌した後、反応液に精製水3mlを加えて2-3 分間撹拌し、THF を減圧留去した。次いで、その残査をジクロロメタン1Lで抽出し、得られた抽出液を飽和食塩水(50mlx3)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで3O分間乾燥し、ろ過した後、ろ液を減圧留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して、(1R,2R)-O-[(1,2-ジフェニル-1,2-エタンジオキシ) ボラン], N [(N'-メタクリロイル)-7,13-ジアザ-15-クラウン-5]- フタルアミドエステル[Ie]を5.25gの収量で定量的に得た。
【0065】
実施例2:光学活性環状エーテル化合物の合成
ポリ[N-(0- カテコールボラン) フタロイル-7,13-ジアザ-15-クラウン-5]-N'- メタクリルアミド[Ig]
【化37】
【0066】
この光学活性環状エーテル化合物[I g]も、上記方法に従って製造することができる。
【0067】
【化38】
【0068】
つまり、実施例1において得られたカルボン酸体[XIIa ]を4.34 g(1O mmol)秤量して、テトラヒドロフラン(THF)15 mlに溶解し、その溶液を氷冷した。その後、その溶液を撹拌しながら1Mカテコールボラン[XLIII]のTHF溶液10 ml を注意しながら少しずつ添加した。その混合物を30分間撹拌した後、反応液に精製水30 ml を加えて2-3分間撹拌し、THF を減圧留去した後、残査をジクロロメタンILで抽出した。得られた抽出液を飽和食塩水(50mlx 3)で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥し、ろ過した後、ろ液を減圧留去した。得られた残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製して、ボレート体[If]を5.08gの収量で定量的に得た。
【0069】
このボレート体[If]を5.52 g (10 mmol)秤量して、トルエン120 mlに溶解し、-78 ℃に冷却した後、(-)-スバルテイン40mg(0.17 mmol) と9-フルオレニルリチウム29 mg (0.17 mmol) の錯体(トルエン溶液) を加えて、20時間撹拌した。反応液に精製水30mlを加えて2-3 分間撹拌し、トルエン層を精製水(30 mlx3) で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥し、ろ過した。得られたろ液を減圧留去して得られた残査を再結晶すると、ポリ[N-(0-カテコールポラン) フタロイル-7,13-ジアザ15-クラウン-5]-N'-メタクリルアミド[Ig]が4.14 gの収量で得られた。
【0070】
実施例3:[N-(0- カテコールボラン) フタロイル-7,13-ジアザ-15-クラウン-5-N' ]- フェニルイソシアナート[Ih]の合成
【0071】
【化39】
【0072】
【化40】
【0073】
【化41】
【0074】
(J1 工程)
ジアザ-15-クラウン-5[Xa](100 mmol)をジクロロメタン 300 ml に溶解し、水洗後、無水フタル酸[PA] 14.8 g(100mmol)を徐々に加え、10分間撹拌した後、室温に戻し3時間撹拌した。得られた反応液に精製水 100 ml を加えて、2 −3 分間撹拌し、ジクロロメタン3Lで抽出した。この抽出液を飽和食塩水 (100 ml x 2) で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで3O分間乾燥し、ろ過した後、ろ液を減圧留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、アミドカルボン酸体[XIII](32.2g)を定量的に得た。
【0075】
(J2 工程)
アミドカルボン酸体[XIII]17.5 g (50 mmol)をテトラヒドロフラン (THF)400 ml に溶解し、氷冷後、撹拌しながら 1M カテコールボラン[XLIII]-THF溶液50ml を注意しながら少しずつ加えた。30分間撹拌した後、反応液に精製水30 mlを加えて2 −3分間撹拌し、THF を減圧留去した後、残査をジクロロメタン2Lで抽出した。この抽出液を飽和食塩水 (100 ml x 2) で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで30分乾燥し、ろ過した後、そのろ液を減圧留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、ボレート体[XVIII](20.4g)を定量的に得た。
【0076】
(J3 工程)
4-フェニルイミノ安息香酸[PIB]( ベンズアルデヒドと4-アミノ安息香酸の脱水縮合反応により得た) 9 g (40 mmol) をジクロロメタン300ml に溶解し、氷冷後、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド) 8.24 g (40 mmol)を加えて、30分間撹拌した。その後、前記J2工程で得たボレート体[XVIII]18.72g(40mmol)を加えて3 時間撹拌した。得られた反応液に精製水 10O ml を加えて2 〜3 分撹拌し、ジクロロメタン 1 Lで抽出した。得られた抽出液を飽和食塩水100mlで2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで30分間乾燥し、ろ過した後、そのろ液を減圧留去し、残査をシリカゲル力ラムクロマトグラフィーに付し、アミド体[XV](24.6g)を定量的に得た。
【0077】
(J4 工程)
得られたアミド体[XV]20.25 g(30 mmol)をテトラヒドロフラン(THF) 200mlに溶解し、1M 塩酸水溶液 150 ml を加えて室温で4時間撹拌した。THFを減圧留去した後、水層を飽和炭酸ナトリウムで中和し、ジクロロメタン 1L で抽出した。得られた抽出液を水洗後、無水硫酸マグネシウムで30分乾燥し、ろ過した後、ろ液を減圧留去し、残査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーに付し、アミン体[XVI](16.7g)を定量的に得た。
【0078】
(J5 工程)
アミン体[XVI]11.74 g(20 mmol)を塩化水素を飽和させたトルエン溶液250 ml に溶解し、撹拌しながらホスゲンガスを1 時間溶液に通じた。さらに1時間撹拌した後、溶媒を減圧留去した。減圧留去は、ドラフト中で慎重に行いホスゲンガスおよび塩化水素ガスが外に漏れないに注意しながら行った。この結果、純粋な[N-(O-カテコールルボラン)フタロイル-7,13-ジアザ-15-クラウン-5]-N' -4- フェニルイソシアナート[Ih](10.9 g)をほぼ定量的に得た。
【0079】
実施例4:ポリ[N-(O- カテコールルボラン) フタロイル-7,13-ジアザ-15-クラウン-5]-N'-4-フェニルイソシアナート[Ii]の合成
【化42】
【0080】
実施例3で得た[N-(O- カテコールルボラン) フタロイル-7,13-ジアザ-15-クラウン-5]N'-4- フェニルイソシアナート[Ih]6.13g(10mmol) をトルエン120 mlに溶解し、78℃に冷却した後、(-)-スパルテイン 40 mg(0.17 mmol)と9 ーフルオレニルリチウム29 mg(0.17 mmol)の錯体(トルエン粉液)を加え20時間撹拌した。反応液に精製水 30 mlを加えて2 〜 3分撹拌し、トルエン層を精製水(30ml x3) で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで30分乾燥し、ろ過した後、ろ液を減圧留去した。その残査を再結晶したところ、光学活性ポリ[N-(0- カテコールボラン)フタロイル-7,13ージアザ-15-クラウン-5]-N'-フェニルイソシアナート[Ii]5.39 gを得た。
【0081】
実施例5:脱塩効果
ポリ[N-(O- カテコールボラン) フタロイル7,13- ジアザ-15-クラウン-5]-N'-メタクリルアミド[Ig]5.52 gをカラムクロマトグラフィー用ガラス管に充填し、室温で、その上から0.5M塩化ナトリウム水溶液10mlを静かに注ぎ、ゆっくりと(1秒間に2 、3 滴) 滴下し、三角フラスコで受けた。この溶液中の塩化ナトリウム量を日本薬局方の塩化ナトリウム定量法に従い測定を行った結果、溶液中の塩化ナトリウム量は著しく減少し充分な脱塩効果が確認された。
【0082】
実施例6:再生法の実施例
脱塩に使用して、脱塩効果が見られなくなったポリ[N-(O- カテコールボラン) フタロイル7,13- ジアザ-15-クラウン-5]-N'-メタクリルアミド[Ig]6.1gをカラムクロマトグラフィー用ガラス管に充填し、5O℃に加熱した精製水5mlまたは50℃に加熱した0.5M塩化ナトリウム水溶液 10 mlを静に注ぎ、ゆっくりと(1秒間に2、3 滴) 滴下し、三角フラスコで受けた。カラムクロマトグラフィー用ガラス管と充填剤が室温まで冷えるまで放置した後、その上から0.5M塩化ナトリウム水溶液10mlを静かに注ぎ、ゆっくりと(1秒間に2 、3 滴) 滴下し、三角フラスコで受けた。この溶液中の塩化ナトリウム量を日本薬局方の塩化ナトリウム定量法に従い測定を行った結果、溶液中の塩化ナトリウム量は著しく減少し充分な脱塩効果が確認された。従って、加温した精製水または加温した0.5M塩化ナトリウム水溶液を流すことにより再生できることが明らかになった。
【0083】
実施例7:光学分割の実施例
ポリ[N-(O- カテコールボラン) フタロイル7,13- ジアザ-15-クラウン-5]-N'- メタクリルアミド[Ig]6.1 g をカラムクロマトグラフィー用ガラス管に充填した。その上から、室温で、0.1MD,L- トリプトファン水溶液100 m1を静かに注ぎ、ゆっくりと(1秒間に2 、3 滴) 滴下し、5 mlづつフラクションを取った。各フラクションについて溶媒を留去した後、残査の旋光度を測定し、文献値と比較した結果、D,L-トリプトファン(ラセミ体)をD-トリプトファンとL-トリプトファンとに光学分割できたことを確認した。
文献値[α]20 D 測定値[α]20 D D-トリプトファン-31.5°(C=1, H2O) -31.4°(C=1, H2O)L-トリプトファン +31.5 °(C=1,H2O)+31.1°(C=1, H2O)[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel optically active cyclic ether compound and a cyclic ether compound, a method for producing the same, and a method for using the same. The present invention also provides a novel optically active cyclic polyether compound and a cyclic polyether compound, a method for producing them, a method for producing a desalting solvent using them as a desalting agent, a method for eluting retained ions (regeneration method), And the use of racemates for optical resolution and asymmetric reactions.
[0002]
[Prior art]
The waters most needed for life to survive have been thought to be readily available. However, as a result of various environmental destructions, global warming has led to abnormal weather, resulting in a rapid increase in water shortages and water famines. Securing domestic and industrial water is becoming very strict, and it is now fully anticipated that even if water shortages are temporarily resolved, water shortages will again occur.
[0003]
In the past, most of the water was relied on natural rainfall, but from around 1960, research on desalinizing seawater and using it for domestic and industrial water began in earnest. Currently, seawater desalination methods that are in practical use include an evaporation method and a membrane method, and the membrane method further includes an electrodialysis method and a reverse osmosis method. The evaporation method has the advantage that a large amount of fresh water can be obtained.However, a large amount of energy must be consumed when producing steam, and the operating temperature is as high as 100 ° C-120 ° C. The disadvantage is that the scale tends to adhere. In addition, since fresh water obtained by the evaporation method has a low mineral content, there is also a problem that minerals must be added in a drinking water plant. The electrodialysis method has a low fresh water production capacity and requires a large amount of dialysis power, so that it is expensive. The reverse osmosis method has the highest water production capacity, but the water quality fluctuates due to aging of the membrane and changes in the water temperature.Because of the use of a semipermeable membrane, pretreatment to remove turbidity in seawater is required. There are still problems, such as the need to perform it sufficiently.
[0004]
Other desalination methods include cold water desalination, pervaporation desalination, and solar heat desalination, but have not yet been put to practical use.
[0005]
On the other hand, a large number of optical resolving agents and asymmetric reagents have been developed so far, but a Lewis acid group (boron atom) that binds to an atom with high electronegativity and a cyclic ether group that binds to an atom with low electronegativity Little is known about an optical resolving agent and an asymmetric reaction reagent having both (oxygen atom). Many optical resolving agents are used in industry, but their resolving power mostly depends on the molecular structure of the racemic body, and their generality is low. As for asymmetric reaction reagents, even if developed, there are many difficulties in terms of technology and production cost, and very few of them have been put to practical use.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a chemical substance capable of removing salt in an aqueous solution and an organic solvent by a simple operation and producing a large amount of a desalted solvent at a low cost, and a desalinated water and a desalted organic solvent using the same. It is in.
[0007]
Another object of the present invention is to provide an optical resolving agent and an asymmetric reaction reagent which are highly general and do not depend on the molecular structure of a racemic body.
[0008]
[Means to solve the problem]
The inventor of the present invention has conducted extensive studies on excellent chemical substances capable of producing a desalted solvent from a solution containing salt such as seawater and a method for producing a desalted solvent, and as a result, the crown ether compound is obtained by chemical modification. He discovered that a special chemical substance has a desalting effect, and devised to produce a desalting solvent from a solution containing salt such as seawater using this chemical substance. Furthermore, the present inventors have found usefulness of this chemical substance in optical resolution of a racemic compound and asymmetric reaction, and have completed the present invention.
[0009]
On the other hand, a large number of optical resolution agents and asymmetric reagents have been developed so far, but a Lewis acid group (boron atom) that bonds to an atom with high electronegativity and a cyclic ether group that bonds to an atom with low electronegativity. Little is known about an optical resolving agent and an asymmetric reaction reagent having both (oxygen atom). Many optical resolving agents are used in industry, but their resolving power mostly depends on the molecular structure of the racemic body, and their generality is low. As for asymmetric reaction reagents, even if developed, there are many difficulties in terms of technology and production cost, and very few of them have been put to practical use.
[0010]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The cyclic ether compound according to the present invention has the general formula [I]:
[0011]
Embedded image
[0012]
中 where R1Is a hydrogen atom, general formula [II]:
[0013]
Embedded image
(Where a represents 0 or an integer from 1 to 6)
A group represented by the general formula [III]:
[0014]
Embedded image
(Where b represents an integer from 30 to 100, and a has the same meaning as described above)
A group represented by the general formula [IV]:
[0015]
Embedded image
(Wherein a has the same meaning as described above)
Or a group represented by the general formula [V]:
[0016]
Embedded image
(Wherein, c represents an integer of 30 to 100, and a has the same meaning as described above)
Means a group represented by
RTwoIs a hydrogen atom, general formula [VI]:
[0017]
Embedded image
(In the formula, Ph means a benzene ring, and d means 0 or an integer of 1 to 7.)
Or a group represented by the general formula [VII]:
[0018]
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Wherein R3 and R4 may be the same or different and each represent a C1-C6 alkyl group, a C3-C6 cycloalkyl group, a C7-C11 aralkyl group or a C6-C10 aryl group; , R3 and R4 bond to each other, a C2-C3 alkylene group, an optically active substituent -CHAr- (CH2) v-CHAr- (wherein, Ar represents a tert-butyl group, a phenyl group or a naphthyl group) And v represents 0 or 1) or an aromatic ring or a borane ether residue]; and Ph and d have the same meanings as described above.
Means a group represented by
m represents an integer of 1 or 2,
n represents 0 or an integer from 1 to 7}
Is represented by
[0019]
In the general formula [VII], examples of the C1-C6 alkyl group include methyl, ethyl, n-propyl, iso-propyl, n-butyl, iso-butyl, sec-butyl, tert-butyl, n-pentyl, n -Hexyl and the like.
CThree-C6Examples of the cycloalkyl group include cyclopropyl, cyclobutyl, cyclopentyl, cyclohexyl and the like.
C7-C11 aralkyl groups include, for example, benzyl, o-methylbenzyl, m-methylbenzyl, p-methylbenzyl, p-chlorobenzyl, 1-methylbenzyl, phenethyl, o-, m- or p-methylphenethyl, 3 -Phenylpropyl, 3- (o-methylphenyl) propyl, 3- (m-methylphenyl) propyl, 3- (p-methylphenyl) propyl, 4-phenylbutyl, o-naphthylmethyl, 3-naphthylmethyl, etc. No.
A C6-C10 aryl group is, for example, phenyl, o-, m- or p-tolyl, 2,3-dimethylphenyl, 2,4-dimethylphenyl, 2,5-dimethylphenyl, 2,6-dimethylphenyl, 3 , 4-dimethylphenyl, 3,5-dimethylphenyl, 2,3,4-trimethylphenyl, 2,3,5-trimethylphenyl, 2,3,6-trimethylphenyl, 3,4,5-trimethylphenyl, 3 , 4,6-trimethylphenyl, 2,4,6-trimethylphenyl, α-naphthyl, β-naphthyl and the like.
[0020]
Examples of the aromatic ring formed by bonding R3 and R4 to each other include a benzene ring and a naphthalene ring.1-C6It may be substituted with a substituent such as an alkyl group or a halogen atom such as a fluorine atom or a chlorine atom.
[0021]
The optically active cyclic ether compound according to the present invention can be produced by various methods, for example, according to the following method A.
[0022]
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[0023]
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[Wherein, R1a is the aforementioned general formula [II]:
[0024]
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(Wherein a has the same meaning as described above)
Or a group represented by the above general formula [IV]:
[0025]
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(Wherein a has the same meaning as described above)
Means a group represented by
n and m have the same meaning as described above].
[0026]
In the above method A, first, in step A1, a diaza crown ether compound represented by the general formula [X] is used as a starting material,acidThe acylated product is acylated with an acylating agent such as a halide or an acid anhydride to obtain an acylated product represented by the general formula [XI].
In this acylation reaction, an acylating agent is reacted in a reaction solvent in the presence of a base to effect acylation of one amino group in the general formula [I] using the acylating agent.
[0027]
As the acylating agent that can be used in this acylation reaction, for example, variousacidHalides, acid anhydrides and the like can be used. TakeacidAs the halide, for example, methacryloyl chloride, methacryloyl bromide, methacryloyl halide such as methacryloyl iodide, o-, m- or p-carbamoylbenzoyl chloride, o-, m- or p-carbamoylbenzoyl bromide, o-, m- or o-, m- or p-carbamoylbenzoyl halides such as p-carbamoylbenzoyl iodide, o-, m- or p-isocyanobenzoyl chloride, o-, m- or p-isocyanobenzoyl bromide, o-, m O-, m- or p-isocyanobenzoyl halides such as -or p-isocyanobenzoyl iodide, 2,3- or 3,4-diisocyanobenzoyl chloride, 2,3- or 3,4-diisocyanate 2,3- or 2,3-, such as nobenzoyl bromide, 2,3- or 3,4-diisocyanobenzoyl iodide Include 3,4-diisocyanobenzoyl halide and the like. As the acid anhydride, for example, methacrylic anhydride or the like is used. Preferred acylating agents include, for example, methacryloyl chloride, m- or p-carbamoylbenzoyl chloride, m- or p-isocyanobenzoyl chloride, 2,3- or 3,4-diisocyanobenzoyl chloride, and the like.
[0028]
As the reaction solvent, for example, a halogen-based solvent such as dichloromethane, chloroform, carbon tetrachloride, dichloroethane and the like can be used. Preferred reaction solvents include, for example, dichloromethane and chloroform.
[0029]
As the base, for example, a tertiary amine base such as pyridine, triethylamine, trimethylamine, and N, N-dimethylaniline can be used. Preferable bases include, for example, pyridine and triethylamine. This acylation reaction is carried out at a reaction temperature in the range of -10 ° C to + 40 ° C, preferably in the range of 0 ° C to + 20 ° C.
[0030]
In the step A2 following the acylation reaction, the acyl compound obtained in the acylation reaction [XI] Is further acylated or alkylated with an acylating agent or an alkylating agent to obtain an acylated compound represented by the general formula [XII] [XIIaOr an alkylated form [XIIb]. The acylation reaction and the alkylation reaction are usually performed in a reaction solvent in the presence of a base.
[0031]
As the acylating agent used in the acylation reaction in the step A2, acid anhydrides such as phthalic anhydride and phthalide, acid halides such as phthalic acid monochloride, phthalic acid monobromide and phthalic acid monoiodide can be used. . Preferred acylating agents include phthalic anhydride, phthalide and the like. On the other hand, as the alkylating agent, 3-chloroacetylbenzoic acid, 2- (3-chloropropionyl))Benzoic acid can be used. Preferred alkylating agents include 2-chloroacetylbenzoic acid and the like. As a reaction solvent, a halogen-based solvent such as dichloromethane, chloroform, carbon tetrachloride, and dichloroethane can be used. As a preferred reaction solvent, dichloromethane or chloroform is preferably used. As the base, a tertiary amine base such as pyridine, triethylamine, trimethylamine, and N, N-dimethylaniline can be used. As a preferred base, pyridine or triethylamine is preferably used. The reaction temperature is in the range of -10 ° C to + 40 ° C, preferably in the range of 0 ° C to + 20 ° C.
[0032]
In step A3, the acylated product [XIIa] or the alkylated product [XIIb] represented by the general formula [XII] obtained by the above acylation reaction or alkylation reaction is coupled with a coupling agent. , Each of the general formula [Ia]:
[0033]
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(Wherein R1a, R3, R4, d, m and n have the same meanings as described above).
[0034]
This coupling reaction is usually performed using a coupling agent in a reaction solvent. As the coupling agent to be used, for example, a borane compound such as dialkoxyborane is used. Examples of the dialkoxyborane include catechol borane, ethylene glycol borane, propylene glycol borane, dimethoxy borane, (1S,2S) or (1(R, 2R) 1,2-diphenylethylene glycol borane, (1S, 3S) or (1R, 3R) -1,3-diphenylpropylene glycol borane. Preferred dialkoxyboranes include catechol borane or (1S, 2S) or (1R, 2R) -1,2-diphenylethylene glycol borane. As the reaction solvent, for example, ether solvents such as tetrahydrofuran, diethyl ether, dipropyl ether, 1,4-dioxane, and 1,3-dioxane can be used. Preferred reaction solvents include tetrahydrofuran or diethyl ether. The reaction temperature is in the range of -10 ° C to tens ° C, preferably in the range of 0 ° C to + 10 ° C.
[0035]
Next, in step A4, the borate [Ia] obtained by the above coupling reaction is subjected to an asymmetric addition polymerization reaction to obtain a compound of the general formula [Ib]:
[0036]
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[0037]
(Wherein R1b is a group represented by the general formula [III]:
[0038]
Embedded image
(Wherein a and b have the same meaning as described above)
Or a group represented by the above general formula [V]:
[0039]
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(Wherein a and c have the same meaning as described above)
Means a group represented by
R3, R4, d, m and n have the same meaning as described above)
Is obtained as a polymer.
[0040]
This asymmetric addition polymerization reaction is carried out in a reaction solvent using an asymmetric ligand in the presence of a metal compound. As the asymmetric ligand used in the asymmetric addition polymerization reaction, for example, (+)-or (-)-sparteine, (+)-or (-)-2,3-dimethoxy-1,4 -Bis (dimethylamino) butane, (+)-or (-)-1- (2-pyrrolidinylmethyl) pyrrolidine, (R)-(+)-or (S)-(-)-2,2 ' -(Diphenylphosphino) -1,1'-binaphthyl and the like. Preferred asymmetric ligands include, for example, (+)-or (-)-sparteine, (R)-(+)-or (S)-(-)-2,2 '-(diphenylphosphino) -1,1'-binaphthyl and the like. As the metal compound, for example, 9-fluorenyllithium, methyllithium, alkyllithium such as butyllithium, aryllithium such as phenyllithium, nickel chloride (II), nickel bromide (II), nickel (II) iodide Nickel (II) halide, palladium (II) chloride, palladium (II) bromide, and palladium (II) halide such as palladium (II) iodide can be used. Preferred metal compounds include, for example, 9-fluorenyllithium, nickel (II) chloride, palladium (II) chloride and the like. As a reaction solvent, toluene, m-xylene, hexane, benzene, diethyl ether, chlorobenzene, ethyl acetate, chloroform and the like can be used. As a preferred reaction solvent, toluene is preferably used. The reaction temperature is in the range of -100 ° C to + 20 ° C, preferably in the range of -80 ° C to 0 ° C, and more preferably in the range of -78 ° C to -50 ° C.
[0041]
The optically active cyclic ether compound [Ic] (d in the general formula [I], wherein d is 0) according to the present invention as shown below can be produced, for example, by the following method B.
[0042]
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(Wherein, R1a, R3, R4, d, m and n have the same meaning as described above)
[0043]
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[0044]
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[0045]
In the method B, in the step A1, for example, a diaza crown ether represented by the general formula [X] isacidThe other amino group of the acylated product represented by the general formula [XIa] obtained by acylating one amino group with an acylating agent such as a halide or an acid anhydride is further acylated. That is, in the step B1, the acylated compound [XIa] can be reacted with an acylating agent such as phthalic anhydride to obtain a carboxylic acid compound represented by the general formula [XIIA]. The obtained carboxylic acid compound [XIIa] is then reacted with a borane compound to obtain a borate compound represented by the general formula [Ic] as a monomer.
[0046]
The borate [Ic], which is a monomer obtained by this method, is further reacted with an asymmetric ligand such as (-)-sparteine in the same manner as in the step A4 of the above method A, to give the present compound. An optically active cyclic ether compound according to the present invention, that is, an optically active cyclic ether compound represented by the general formula [Id] can be obtained.
[0047]
In addition, the acylation reaction in the B1 step of the method B is the acylation reaction in the A2 step of the method A.WhenSince the conditions are substantially the same, the conditions for the acylation reaction and the like can be applied in the same manner as the conditions for the acylation reaction in the step A2. Since the other steps in the method B are substantially the same as the respective steps in the above method, the reaction conditions and the like in the respective steps in the above method A can be similarly applied.
[0048]
Next, a method for producing a desalted solvent using the optically active cyclic ether compound [I] obtained by each of the above methods as a desalting agent will be described.
In the present invention, a method for producing desalinated water or a desalted organic solvent comprises the step of reacting an optically active cyclic ether compound [I] with a cation in a polar organic solvent such as methanol, ethanol, tetrahydrofuran, dimethylformamide, dimethylsulfoxide and pyridine. This can be done by holding both anions simultaneously.
[0049]
In this method for producing a desalted solvent, a cyclic ether compound [I] is filled in, for example, a glass tube for column chromatography, an aqueous solution or an organic solvent in which salts are dissolved is developed, and the fraction is collected. A desalting solvent can be produced.
[0050]
The types of salts that can be used are not limited to inorganic salts, and organic salts can be used. Examples of the cation of the retained inorganic salt include an alkali metal ion such as a lithium ion, a sodium ion, a potassium ion, and a cesium ion; an alkaline earth metal ion such as a magnesium ion and a calcium ion; and an ammonium ion. Examples of the anion of the inorganic salt include a fluorine ion, a chlorine ion, a bromine ion, an iodine ion, a carbonate ion, a hydrogen carbonate ion, a hydroxide ion, an amide ion, and the like. On the other hand, examples of the cation of the organic salt include a quaternary ammonium ion, a diazonium ion, and an oxonium ion. Examples of the anion of the organic salt include an aliphatic carboxylate ion such as a formate ion and an acetate ion, an aromatic carboxylate ion such as a benzoate ion, an alkoxide ion such as a methoxide ion and an ethoxide ion, and a phenoxide ion. And amide ions such as sodium amide.
[0051]
Next, a method for eluting the retained ions, that is, a method for regenerating the desalting agent will be described. In other words, the ions as described above retained in the cyclic ether compound [I] according to the present invention include heated deionized water, a heated desalted organic solvent (for example, a desalted organic solvent such as dichloromethane), By developing non-demineralized water or heated non-demineralized organic solvent (for example, non-demineralized organic solvent such as methanol), the retained ions can be eluted and easily regenerated. The temperature condition of the heated desalted water or the heated desalted organic solvent is in the range of 20 ° C to 50 ° C, preferably in the range of 30 ° C to 40 ° C. On the other hand, the temperature condition of the heated non-desalted water or the heated non-desalted organic solvent is in the range of 40 ° C to 80 ° C, preferably in the range of 50 ° C to 60 ° C.
[0052]
Further, a method for optical resolution of a racemate using the optically active cyclic ether compound [I] according to the present invention as an optical resolution agent will be described below.
The optically active cyclic ether compound [I] according to the present invention is, for example, filled in a glass tube for column chromatography, and after adsorbing the racemic compound, the mixture is developed with an appropriate solvent, and the obtained fraction is collected. Optical splitting is possible.
[0053]
Examples of racemic compounds that can be used include, for example, amino acids such as phenylglycine, amino alcohols such as prolinol, alcohols such as α-phenethyl alcohol, amines such as α-phenethylamine, and 3-methylhexane. Alkanes, cycloalkanes such as trans-1,2-dimethylcyclohexane, alkenes such as 3-methyl-1-pentene, alkynes such as 3-methyl-1-pentine, aromatic hydrocarbons such as 2-phenylbutane, 2- Alkyl halides such as chloropentane; alkenyl halides such as 3-chloropentene; alkynyl halides such as 3-chloro-1-pentyne; halogenated aromatic hydrocarbons such as α-phenethyl chloride; trans-1,2- C2 chirality compounds such as cyclopentanediol, axially asymmetric compounds such as binaphthol, Examples include planar asymmetric compounds such as hexahelicene, and compounds having a helical structure such as triphenylmethyl methacrylate. As a solvent that can be used, any solvent can be used as long as it can dissolve the racemic compound but does not or hardly dissolve the optically active cyclic ether compound [I]. Examples of such a solvent include water and hexane.
[0054]
As another optical resolution method, a preferential crystallization method can be used. According to this method, a racemic compound capable of forming a salt or a complex with the optically active cyclic ether compound [I] can be optically resolved. Such racemic compounds include, for example, amino acids such as phenylglycine, amino alcohols such as prolinol, alcohols such as α-phenethyl alcohol, amines such as α-phenethylamine, alkanes such as 3-methylhexane, Cycloalkanes such as trans-1,2-dimethylcyclohexane, alkenes such as 3-methyl-1-pentene, alkynes such as 3-methyl-1-pentyne, aromatic hydrocarbons such as 2-phenylbutane, 2-chloro Alkyl halides such as pentane; alkenyl halides such as 3-chloropentene; alkynyl halides such as 3-chloro-1-pentine; halogenated aromatic hydrocarbons such as α-phenethyl chloride; trans-1,2-cyclo C2 chirality compounds such as pentanediol, axially asymmetric compounds such as binaphthol Plane asymmetric compound such hexahelicene, compounds of helical structures, such as polymethyl methacrylate triphenylmethyl, and the like. As a solvent that can be used in the optical resolution method by the preferential crystallization method, a solvent that dissolves a racemic compound and also dissolves an optically active cyclic ether compound [I] is used. Examples of such a solvent include halogenated hydrocarbons such as dichloromethane and alcohols such as isopropanol).
[0055]
The optically active cyclic ether compound [I] according to the present invention has high optical resolution. This is because the optically active cyclic ether compound [I] according to the present invention has both a site interacting with a highly negative atom and a site interacting with a highly positive atom in the molecular structure, and furthermore, This is because the asymmetry point exists at a position very close to the interacting site.
[0056]
Hereinafter, the method of using the optically active cyclic ether compound [I] according to the present invention for an asymmetric reaction will be described. The optically active cyclic ether compound [I] according to the present invention can be used in general asymmetric reactions such as asymmetric reduction, asymmetric alkylation, asymmetric aldol, asymmetric Michael addition, and asymmetric elimination. It is possible to use. Asymmetric catalytic reaction is also possible by using a catalytic amount of the optically active cyclic ether compound [I]. As described above, the optically active cyclic ether compound according to the present invention represented by the general formula [I] has a site interacting with a highly negative atom and a site interacting with a highly positive atom in the molecular structure. And has a high stereoselectivity because it can be used for various asymmetric reactions as described above because its asymmetric point is located very close to the site where it interacts. ing.
[0057]
【The invention's effect】
The cyclic ether compound or optically active cyclic ether compound according to the present invention represented by the general formula [I] can retain salts in an aqueous solution or an organic solvent, and is used for producing deionized water and a desalted organic solvent. Can be used. The above-mentioned cyclic ether compound or optically active cyclic ether compound [I] holding various ions can be obtained by heating deionized water, heated demineralized organic solvent, heated non-demineralized water or heated non-demineralized water. It can be easily regenerated by treating with a desalted organic solvent. The racemic compound can be optically resolved by using the optically active cyclic ether compound represented by the general formula [I] as an optical resolving agent. Furthermore, high stereoselectivity can be obtained by utilizing the optically active cyclic ether compound represented by the general formula [I] for an asymmetric reaction.
[0058]
【Example】
Example 1: Synthesis of optically active cyclic ether compound [I]
(1R, 2R) -0-[(1,2-diphenyl-1,2-ethanedioxy) borane], N-[(N'-methacryloyl) -7,13-diaza-15-crown-5] -phthalamide Ester [Ie]
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[0059]
The above compound [Ie] can be produced by the following method.
[0060]
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[0061]
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[0062]
9.81 g (45 mmol) of diaza-15-crown-5 [Xa] was weighed and dissolved in 300 ml of dichloromethane, and 10.7 g of pyridine was added and stirred. After the resulting solution was cooled on ice, 4.7 g (45 mmol) of methacryloyl chloride [XL] was gradually added, and the mixture was stirred for 10 minutes, returned to room temperature, and further stirred for 3 hours. 30 ml of purified water was added to the obtained reaction solution, stirred for 2-3 minutes, and extracted with 2 L of dichloromethane. The extract was washed with saturated saline (150 ml × 3), dried over anhydrous magnesium sulfate for 30 minutes, and filtered. Next, the obtained filtrate was distilled off under reduced pressure, and the residue was purified by silica gel column chromatography, whereby an amide [XIa] was obtained quantitatively in a yield of 11.7 g.
[0063]
Next, 2.86 g (10 mmol) of the amide [XIa] obtained in the above step was weighed and dissolved in 10 ml of dichloromethane, and the obtained solution was ice-cooled. Then, 1.78 g (12 mmol) of ice-cooled phthalic anhydride [XLI] was gradually added, and the mixture was stirred for 10 minutes, returned to room temperature, and further stirred for 3 hours. 30 ml of purified water was added to the obtained reaction solution, stirred for 2-3 minutes, and extracted with 700 ml of dichloromethane. The obtained extract was washed with saturated saline (50 ml × 3), dried over anhydrous magnesium sulfate for 30 minutes, filtered, and the filtrate was evaporated under reduced pressure. The obtained residue was purified by silica gel column chromatography to quantitatively obtain a carboxylic acid compound [XIIa] in a yield of 3.95 g.
[0064]
4.34 g (10 mmol) of this tetracarboxylic acid [XIIa] was weighed and dissolved in 150 ml of tetrahydrofuran (THF), and the resulting solution was ice-cooled. Next, 10 ml of a THF solution of 1M (1R, 2R) -1,2-diphenylethylene glycol borane [XLII] was carefully added little by little with stirring. After stirring the obtained mixture for 30 minutes, 3 ml of purified water was added to the reaction solution, followed by stirring for 2-3 minutes, and THF was distilled off under reduced pressure. Then, the residue was extracted with 1 L of dichloromethane, and the obtained extract was washed with saturated saline (50 ml × 3), dried over anhydrous magnesium sulfate for 30 minutes, filtered, and the filtrate was evaporated under reduced pressure. The residue was purified by silica gel column chromatography to give (1R, 2R) -O-[(1,2-diphenyl-1,2-ethanedioxy) borane], N [(N'-methacryloyl) -7,13 -Diaza-15-crown-5] -phthalamide ester [Ie] was obtained quantitatively in a yield of 5.25 g.
[0065]
Example 2: Synthesis of optically active cyclic ether compound
Poly [N- (0-catecholborane) phthaloyl-7,13-diaza-15-crown-5] -N'-methacrylamide [Ig]
Embedded image
[0066]
This optically active cyclic ether compound [I g] Also according to the above methodManufacturecan do.
[0067]
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[0068]
That is, 4.34 g (10 mmol) of the carboxylic acid compound [XIIa] obtained in Example 1 was weighed and dissolved in 15 ml of tetrahydrofuran (THF), and the solution was ice-cooled. Thereafter, while the solution was being stirred, 10 ml of a 1 M catecholborane [XLIII] THF solution was carefully added little by little. After stirring the mixture for 30 minutes, 30 ml of purified water was added to the reaction solution, and the mixture was stirred for 2 to 3 minutes. THF was distilled off under reduced pressure, and the residue was extracted with dichloromethane IL. The obtained extract was washed with saturated saline (50 ml × 3), dried over anhydrous magnesium sulfate for 30 minutes, filtered, and the filtrate was evaporated under reduced pressure. The obtained residue was purified by silica gel column chromatography to quantitatively obtain a borate [If] in a yield of 5.08 g.
[0069]
5.52 g (10 mmol) of this borate [If] was weighed, dissolved in 120 ml of toluene, cooled to -78 ° C, and then 40 mg (0.17 mmol) of (-)-subartein and 9-fluorenyllithium were added. 29 mg (0.17 mmol) of the complex (toluene solution) was added, and the mixture was stirred for 20 hours. 30 ml of purified water was added to the reaction solution, followed by stirring for 2-3 minutes. The toluene layer was washed with purified water (30 ml × 3), dried over anhydrous magnesium sulfate for 30 minutes, and filtered. The residue obtained by evaporating the obtained filtrate under reduced pressure was recrystallized to obtain poly [N- (0-catecholporan) phthaloyl-7,13-diaza15-crown-5] -N'-methacrylamide [ Ig] was obtained in a yield of 4.14 g.
[0070]
Example3: Synthesis of [N- (0-catecholborane) phthaloyl-7,13-diaza-15-crown-5-N ']-phenylisocyanate [Ih]
[0071]
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[0072]
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[0073]
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[0074]
(J1 process)
Diaza-15-crown-5 [Xa] (100 mmol) was dissolved in 300 ml of dichloromethane, washed with water, 14.8 g (100 mmol) of phthalic anhydride [PA] was gradually added, and the mixture was stirred for 10 minutes and then returned to room temperature. Stir for 3 hours. 100 ml of purified water was added to the obtained reaction solution, stirred for 2-3 minutes, and extracted with 3 L of dichloromethane. The extract was washed with a saturated saline solution (100 ml x 2), dried over anhydrous magnesium sulfate for 30 minutes, filtered, the filtrate was evaporated under reduced pressure, and the residue was subjected to silica gel column chromatography. Amidocarboxylic acid compound [XIII] (32.2 g) was obtained quantitatively.
[0075]
(J2 process)
Amidocarboxylic acid [XIII17.5 g (50 mmol) was dissolved in 400 ml of tetrahydrofuran (THF), and after cooling with ice, 50 ml of a 1 M catecholborane [XLIII] -THF solution was added with caution while stirring. After stirring for 30 minutes, 30 ml of purified water was added to the reaction solution, followed by stirring for 2 to 3 minutes. THF was distilled off under reduced pressure, and the residue was extracted with 2 L of dichloromethane. The extract was washed with saturated saline (100 ml x 2), dried over anhydrous magnesium sulfate for 30 minutes, filtered, the filtrate was distilled off under reduced pressure, and the residue was subjected to silica gel column chromatography. Then, a borate [XVIII] (20.4 g) was quantitatively obtained.
[0076]
(J3 process)
9 g (40 mmol) of 4-phenyliminobenzoic acid [PIB] (obtained by dehydration-condensation reaction of benzaldehyde and 4-aminobenzoic acid) is dissolved in 300 ml of dichloromethane, cooled with ice, and then cooled with DCC (dicyclohexylcarbodiimide) 8.24 g ( 40 mmol) and stirred for 30 minutes. Thereafter, 18.72 g (40 mmol) of the borate form [XVIII] obtained in the above step J2 was added, and the mixture was stirred for 3 hours. To the obtained reaction solution, 100 ml of purified water was added, stirred for 2 to 3 minutes, and extracted with 1 L of dichloromethane. The obtained extract was washed twice with 100 ml of a saturated saline solution, dried over anhydrous magnesium sulfate for 30 minutes, filtered, and the filtrate was distilled off under reduced pressure. The residue was subjected to silica gel column chromatography. An amide [XV] (24.6 g) was quantitatively obtained.
[0077]
(J4 process)
20.25 g (30 mmol) of the obtained amide [XV] was dissolved in 200 ml of tetrahydrofuran (THF), 150 ml of a 1M aqueous hydrochloric acid solution was added, and the mixture was stirred at room temperature for 4 hours. After THF was distilled off under reduced pressure, the aqueous layer was neutralized with saturated sodium carbonate and extracted with 1 L of dichloromethane. The obtained extract was washed with water, dried over anhydrous magnesium sulfate for 30 minutes, filtered, the filtrate was distilled off under reduced pressure, and the residue was subjected to silica gel column chromatography to obtain an amine [XVI] (16.7 g). Was quantitatively obtained.
[0078]
(J5 process)
11.74 g (20 mmol) of the amine [XVI] was dissolved in 250 ml of a toluene solution saturated with hydrogen chloride, and phosgene gas was passed through the solution for 1 hour while stirring. After further stirring for 1 hour, the solvent was distilled off under reduced pressure. The distillation under reduced pressure was carried out carefully in a fume hood, while taking care not to leak the phosgene gas and the hydrogen chloride gas to the outside. As a result, pure [N- (O-catechololborane) phthaloyl-7,13-diaza-15-crown-5] -N'-4-phenylisocyanate [Ih] (10.9 g) was obtained almost quantitatively. Was.
[0079]
Example4: Synthesis of poly [N- (O-catechololborane) phthaloyl-7,13-diaza-15-crown-5] -N'-4-phenylisocyanate [Ii]
Embedded image
[0080]
Example36.13 g (10 mmol) of [N- (O-catechololborane) phthaloyl-7,13-diaza-15-crown-5] N'-4-phenylisocyanate [Ih] obtained in the above was dissolved in 120 ml of toluene, After cooling to 78 ° C., a complex (toluene powder) of 40 mg (0.17 mmol) of (-)-sparteine and 29 mg (0.17 mmol) of lithium 9-fluorenyl was added, and the mixture was stirred for 20 hours. 30 ml of purified water was added to the reaction solution, and the mixture was stirred for 2 to 3 minutes. The toluene layer was washed with purified water (30 ml x 3), dried over anhydrous magnesium sulfate for 30 minutes, filtered, and the filtrate was distilled off under reduced pressure. . The residue was recrystallized to give 5.39 g of optically active poly [N- (0-catecholborane) phthaloyl-7,13-diaza-15-crown-5] -N'-phenylisocyanate [Ii].
[0081]
Example5: Desalting effect
5.52 g of poly [N- (O-catecholborane) phthaloyl 7,13-diaza-15-crown-5] -N'-methacrylamide [Ig] was filled into a column for column chromatography, and the mixture was placed at room temperature. , 10 ml of a 0.5 M aqueous solution of sodium chloride was gently poured into the flask, and slowly (a few drops per second), and the mixture was placed in an Erlenmeyer flask. The amount of sodium chloride in this solution was measured according to the sodium chloride determination method of the Japanese Pharmacopoeia. As a result, the amount of sodium chloride in the solution was significantly reduced, and a sufficient desalting effect was confirmed.
[0082]
Example6: Example of regeneration method
6.1 g of poly [N- (O-catecholborane) phthaloyl 7,13-diaza-15-crown-5] -N'-methacrylamide [Ig], which has been used for desalination and no longer has a desalting effect, is used. Fill a glass tube for column chromatography, pour 5 ml of purified water heated to 50 ° C or 10 ml of 0.5M aqueous sodium chloride solution heated to 50 ° C gently, and slowly (2 or 3 drops per second), add dropwise. Received in Erlenmeyer flask. Leave the column for column chromatography and the packing material to cool down to room temperature, gently pour 10 ml of 0.5 M sodium chloride aqueous solution from above, drop slowly (2 to 3 drops per second), and collect in an Erlenmeyer flask. Was. The amount of sodium chloride in this solution was measured according to the sodium chloride determination method of the Japanese Pharmacopoeia. As a result, the amount of sodium chloride in the solution was significantly reduced, and a sufficient desalting effect was confirmed. Therefore, it was clarified that regeneration can be performed by flowing heated purified water or a heated 0.5 M aqueous sodium chloride solution.
[0083]
Example7: Example of optical division
6.1 g of poly [N- (O-catecholborane) phthaloyl 7,13-diaza-15-crown-5] -N'-methacrylamide [Ig] was packed in a glass tube for column chromatography. From above, 100 ml of a 0.1 MD, L-tryptophan aqueous solution was gently poured at room temperature, and slowly (2 to 3 drops per second), and 5 ml fractions were collected. After distilling off the solvent for each fraction, the optical rotation of the residue was measured and compared with the literature values. As a result, D, L-tryptophan (racemic) was optically resolved into D-tryptophan and L-tryptophan. It was confirmed.
Literature value [α]20 DMeasured value [α]20 DD-tryptophan-31.5 ° (C = 1, HTwoO) -31.4 ° (C = 1, HTwoO) L-tryptophan +31.5 ° (C = 1, HTwoO) + 31.1 ° (C = 1, HTwoO)
Claims (3)
で表される基、一般式[III]::
で表される基、一般式[IV]:
で表される基または一般式[V]:
で表される基を意味し、
R2は、水素原子、一般式[VI]:
で表される基、または一般式[VII]:
で表される基を意味し、
mは、1または2の整数を意味し、
nは、0または1から7までの整数を意味する}
で表される環状エーテル化合物であることを特徴とする環状エーテル化合物。General formula [I]:
A group represented by the general formula [III]:
A group represented by the general formula [IV]:
Or a group represented by the general formula [V]:
Means a group represented by
R 2 is a hydrogen atom, general formula [VI]:
Or a group represented by the general formula [VII]:
Means a group represented by
m represents an integer of 1 or 2,
n represents 0 or an integer from 1 to 7}
A cyclic ether compound represented by the formula:
R1 は、一般式[II]:
で表される基を意味し、
R2は、水素原子、一般式[VI]:
で表される基、または一般式[VII]:
で表される基を意味する]
で表される環状エ―テル化合物であることを特徴とする環状エ―テル化合物。The cyclic ether compound according to claim 1, wherein the cyclic ether compound is represented by the general formula [I]:
R 1 has the general formula [II]:
Means a group represented by
R 2 is a hydrogen atom, general formula [VI]:
Or a group represented by the general formula [VII]:
Means a group represented by
A cyclic ether compound represented by the formula:
R1 は、一般式[IV]:
で表される基または一般式[V]:
で表される基を意味し、
R2は、一般式[VI]:
で表される基、または一般式[VII]:
で表される化合物であることを特徴とする環状エーテル化合物。The cyclic ether compound according to claim 1, wherein the cyclic ether compound is represented by the general formula [I]:
R 1 has the general formula [IV]:
Or a group represented by the general formula [V]:
Means a group represented by
R 2 has the general formula [VI]:
Or a group represented by the general formula [VII]:
A cyclic ether compound characterized by being a compound represented by the formula:
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