JP3594559B2 - クライストロン用アノード変調器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は大出力のパルスマイクロ波を増幅するクライストロンの動作パルス幅を制御するクライストロン用アノード変調器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子、陽子などを高エネルギーに加速し物理研究などを行う加速器科学の分野においては加速用の高周波電界を得るためにクライストロンというマイクロ波電子管が用いられる。クライストロンは一種の真空管であってカソードとコレクタからなる2極管タイプのものとそれに中間電極のアノードの加わった3極管タイプのものがある。
【0003】
図7に3極管タイプのクライストロンの制御を行うクライストロン用アノード変調器の回路構成例を示す。本例ではクライストロン1のカソードKに、カソード電源30からの負極性の高電圧を印加し、コレクタCは接地する。またカソードKとコレクタCの間に分圧抵抗Rd、Rdからなる抵抗分圧回路とスイッチ10、負バイアス電源20、およびアノード抵抗Raからなるアノード変調器2を接続する。本図においてスイッチ10がオフの時、クライストロン1のアノードAはカソードKに対して負にバイアスされるためカソード電流は流れない。またスイッチ10がオンになると、アノードAはほぼ抵抗分圧比で決まる電位になるためカソード−アノード間に電圧がかかり、カソード電流が流れる。
【0004】
このように、クライストロン用アノード変調器では、スイッチ10のオンオフによりクライストロン電流の制御を行うことができる。
【0005】
ところで、従来のクライストロン用アノード変調器においては、図8に示すように、クライストロン高電圧部(図7において1aで示す部分)はクライストロン高電圧部収納タンク100に収納されるとともに、アノード変調器2(アノード変調器2全体、またはアノード変調器2のうち少なくとも分圧抵抗Rd、Rdからなる抵抗分圧回路とスイッチ10の部分)はクライストロン高電圧部収納タンク100とは別置きのアノード変調器収納タンク200に封入され、アノード変調器収納タンク200とクライストロン高電圧部収納タンク100との間は、図7に示す接続線L、Lがそれぞれ20D−2Vなどの高電圧同軸ケーブル31で接続されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このようなクライストロン用アノード変調器の問題点は、スイッチ10とアノードAとの間の浮遊静電容量のためにアノード変調電圧波形の立ち上がりが鈍るという点にあった。
【0007】
すなわち従来のクライストロン用アノード変調器においては、上述のように、アノード変調器収納タンク200とクライストロン高電圧部収納タンク100との間は、20D−2Vなどの高電圧同軸ケーブル31で接続されており、同軸ケーブルは1m当たり100pF程度の大きな静電容量を持っているので、スイッチ10のオンオフ動作のたびに静電容量の充放電を伴っていた。この充放電電流の大きさをスイッチ10の定格内に抑制するためにアノード抵抗Raが接続されているが、アノード抵抗Raと静電容量の積で決まる充放電時定数のためにアノード電圧の立ち上がりが悪くなっていた。
【0008】
アノード抵抗Raを小さくすることによってアノード電圧の立ち上がりを改善することはできるが、その場合スイッチ10がターンオンした時に過渡的に流れる電流が大きくなりスイッチの責務が増大して好ましくない。
【0009】
本発明は、このような従来のクライストロン用アノード変調器の欠点を解消するためになされたものであって、スイッチの責務を増加させることなくアノード電圧の立ち上がりを改善したクライストロン用アノード変調器を得ることを目的としたものである。
【0010】
また、本発明は、信頼性が高くメンテナンス性に優れたクライストロン用アノード変調器を得ることも目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載のクライストロン用アノード変調器は、クライストロンのカソードとコレクタとの間に第1の分圧抵抗、スイッチ、及び第2の分圧抵抗からなる直列回路を接続するとともに、第1の分圧抵抗とスイッチの接続点とクライストロンのアノードとをアノード抵抗と負バイアス回路を介して接続し、スイッチの開閉によってクライストロンのアノードとカソードとの間の電圧を制御するアノード変調器を有するクライストロン用アノード変調器において、アノード変調器の少なくとも第1の分圧抵抗、スイッチ、及び第2の分圧抵抗からなる直列回路の部分を絶縁油と共にアノード変調器収納タンクに封入し、アノード変調器収納タンクを、クライストロンの高電圧部を収納するクライストロン高電圧部収納タンクと一体化したことを特徴とする。
【0012】
請求項1に記載のクライストロン用アノード変調器では、アノード変調器収納タンクをクライストロン高電圧部収納タンクと一体化したので、接続ケーブルが不要になり浮遊静電容量が低減できる。
【0013】
請求項2に記載のクライストロン用アノード変調器は、請求項1に記載のクライストロン用アノード変調器において、アノード変調器収納タンクとクライストロン高電圧部収納タンクの間に隔壁を設け、アノード変調器収納タンクとクライストロン高電圧部収納タンクの絶縁油の出し入れを独立してできるようにしたことを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載のクライストロン用アノード変調器では、アノード変調器収納タンクとクライストロン高電圧部収納タンクとの間に隔壁を設け、アノード変調器収納タンクとクライストロン高電圧部収納タンクの絶縁油の出し入れを独立してできるようにしたのでメンテナンス性が向上する。
【0015】
請求項3に記載のクライストロン用アノード変調器は、請求項1または請求項2に記載のクライストロン用アノード変調器において、スイッチのオフ時の漏れ電流を検出する漏れ電流検出手段と、この漏れ電流検出手段により検出された漏れ電流の大きさによってスイッチの劣化を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載のクライストロン用アノード変調器では、スイッチオフ時の漏れ電流を検出しその大きさによってスイッチの劣化を判定するので、スイッチの故障によるクライストロンの破壊を未然に予防でき信頼性が向上する。
【0017】
請求項4に記載のクライストロン用アノード変調器は、請求項3に記載のクライストロン用アノード変調器において、漏れ電流検出手段が、コレクタ側に接続された分圧抵抗の電圧を測定する電圧測定手段を備えたものであることを特徴とする。
【0018】
請求項4に記載のクライストロン用アノード変調器においては漏れ電流検出手段としてコレクタ側に接続された分圧抵抗の電圧を測定する電圧測定手段を用いるので、容易に漏れ電流を検出することができる。
【0019】
請求項5に記載のクライストロン用アノード変調器は、請求項4に記載のクライストロン用アノード変調器において、電圧測定手段が、分圧抵抗と並列に接続された、ダイオードと抵抗と直流電源の直列回路を有し、抵抗の電圧と直流電源の電圧の合成電圧を測定し、この測定結果を用いて分圧抵抗の電圧を測定するものであることを特徴とする。
【0020】
請求項5に記載のクライストロン用アノード変調器においては、分圧抵抗の電圧を測定する電圧測定手段として、分圧抵抗と並列にダイオードと抵抗と直流電源の直列回路を接続し、抵抗の電圧と直流電源の電圧の合成電圧を測定するので電圧検出の精度が向上する。
【0021】
請求項6に記載のクライストロン用アノード変調器は、請求項1または請求項2に記載のクライストロン用アノード変調器において、スイッチのオン時間幅を検出するオン時間幅検出手段と、このオン時間幅検出手段によって検出されたオン時間幅を所定の値と比較することによってスイッチの短絡故障を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0022】
請求項6に記載のクライストロン用アノード変調器においては、スイッチのオン時間幅を検出し、これを指令値などの所定の値と比較することによってスイッチの短絡故障を判定するので、スイッチが故障した時にもクライストロンヘの故障拡大を防止することができる。
【0023】
請求項7に記載のクライストロン用アノード変調器は、請求項6に記載のクライストロン用アノード変調器において、オン時間幅検出手段が、クライストロンのカソード電流のパルス幅もしくはコレクタ側に接続された分圧抵抗の電圧パルス幅を検出し、この検出結果を用いてスイッチのオン時間幅を検出するものであることを特徴とする。
【0024】
請求項7に記載のクライストロン用アノード変調器においては、スイッチのオン時間幅を検出するオン時間幅検出手段としてクライストロンのカソード電流のパルス幅もしくはコレクタ側に接続された分圧抵抗の電圧パルス幅を検出し、この検出結果を用いてスイッチのオン時間幅を検出するので、容易にスイッチの短絡故障を判定することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の図において、従来例を示す図を含めて、同符号は同一部分または対応部分を示す。
【0026】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に関わるクライストロン用アノード変調器の構成を示す図である。本実施形態では、クライストロン1の高電圧部(図7において1aで示す部分)とアノード変調器2(図7に示すアノード変調器2全体、またはアノード変調器2のうち少なくとも分圧抵抗Rd、Rdからなる抵抗分圧回路とスイッチ10の部分)とを共通のタンク300に収納する。
【0027】
このように、本実施形態においてはアノード変調器2とクライストロン1の高電圧部とを共通のタンク300に収納したので、図7に示す接続線L、Lはタンク300の内部で配線することができるため、接続のための同軸ケーブル(図8に示す高電圧同軸ケーブル31)などが不要である。従って、ケーブルのシールド導体などに起因する静電容量の増加がない。
【0028】
以上説明したように、本実施形態によればアノードAの静電容量が小さくなるので、アノード変調器2の動作時におけるアノード電圧の立ち上がり時間が改善される。
【0029】
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に関わるクライストロン用アノード変調器の構成を示す図である。本実施形態では、クライストロン1の高電圧部(図7において1aで示す部分)を収納するクライストロン高電圧部収納タンク100とアノード変調器2(図7に示すアノード変調器2全体、またはアノード変調器2のうち少なくとも分圧抵抗Rd、Rdからなる抵抗分圧回路とスイッチ10の部分)を収納するアノード変調器収納タンク200とを双方に設けたダクトフランジ101、201を介して結合して両タンク100、200を一体化し、電気的接続(図7に示す接続線L、L)はダクト内において行う。
【0030】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様、同軸ケーブルなどに起因する静電容量の増加がなく、アノード電圧の立ち上がりが改善される。
【0031】
(第3の実施形態)
図3は、本発明の第3の実施形態に関わるクライストロン用アノード変調器の構成を示す図である。本実施形態では、(図7において1aで示す部分)を収納するクライストロン高電圧部収納タンク100とアノード変調器2(図7に示すアノード変調器2全体、またはアノード変調器2のうち少なくとも分圧抵抗Rd、Rdからなる抵抗分圧回路とスイッチ10の部分)を収納するアノード変調器収納タンク200とを双方に設けたダクトフランジ101、201を介して接続して両タンク100、200を一体化するのは第2の実施形態と同様であるが、ダクトフランジ101、201の間に絶縁ディスクスペーサ150を挟む。電気的接続(図7に示す接続線L、L)はダクト内において行うが、絶縁ディスクスペーサ150の箇所においても、絶縁ディスクスペーサ150を貫通する導体により接続する。
【0032】
このように構成すると、クライストロン1の高電圧部を収納するクライストロン高電圧部収納タンク100の油とアノード変調器2を収納するアノード変調器収納タンク200の油を分離することができる。さらに各タンク100、200の油の出し入れを完全に独立して行うことができる。
【0033】
クライストロン1は電子管であるので定期的にクライストロン高電圧部収納タンク100の油を抜いて交換する必要が生じる。一方、アノード変調器2は高電圧回路であり回路部品の絶縁保守という観点からすると、アノード変調器収納タンク200の油の出し入れを行うと絶縁性能を維持するために乾燥、脱泡などの工程が必要となり工程が複雑となる。本実施形態では、各タンク100、200の油の出し入れを完全に独立して行うことができるので、クライストロン高電圧部収納タンク100の油を抜いても、アノード変調器収納タンク200の油は保持されるので、メンテナンス性が向上する。
【0034】
(第4の実施形態)
図4は、本発明の第4の実施形態に関わるクライストロン用アノード変調器の回路構成を示す図である。本実施形態では、コレクタ側に接続される分圧抵抗Rdの両端に電圧測定回路21を接続し、その出力信号を制御装置22の入力とする。
【0035】
スイッチ(高電圧半導体スイッチ)10がオフ状態の時スイッチ10の両端には略カソード電源30の出力電圧に等しい電圧が印加され、スイッチ10のオフ時漏れ電流が分圧抵抗Rdを介してアースに流れる。従って、分圧抵抗Rdの両端にはオームの法則にしたがって漏れ電流の大きさに比例した電圧が発生し、この電圧によって漏れ電流の大きさを判定することができる。スイッチ10が経年変化によって劣化すると漏れ電流が増加する。
【0036】
従って、本実施形態では分圧抵抗Rdの電圧を測定することにより、容易に漏れ電流の大きさを検出することができ、スイッチ10の劣化を判定することができる。即ち、分圧抵抗Rdの電圧が所定値以上となったことにより、即ち漏れ電流が所定値以上となったことにより、スイッチ10が劣化したと判定することができる。
【0037】
本実施形態によれば、スイッチオフ時の漏れ電流を検出することにより、スイッチ10の故障前に劣化を判定することができ、劣化したスイッチ10を交換することによりスイッチ故障にともなう不意のシステム停止を防止することができ、信頼性が向上する。
【0038】
なお、この第4の実施形態は、上述の第1乃至第3の実施形態のように、クライストロン高電圧部収納タンクとアノード変調器収納タンクとを一体化したクライストロン用アノード変調器に適用して実施することができる。
【0039】
(第5の実施形態)
図5は、本発明の第5の実施形態に関わるクライストロン用アノード変調器の主要部の回路構成を示す図である。
【0040】
本実施形態は、第4の実施形態における電圧測定回路21の具体的構成例に関するものである。即ち、第4の実施形態における分圧抵抗Rdの電圧を測定する回路として、本実施形態では、分圧抵抗Rdと並列に、ダイオード40と抵抗41と直流電圧源42の直列回路を接続し、抵抗41と直流電圧源42の両端の電圧、即ち抵抗41の電圧と直流電圧源42の電圧の合成電圧を電圧測定手段21aによって測定する。
【0041】
スイッチ(図5においては図示せず。図4におけるスイッチ10)がオンの時、分圧抵抗Rdの両端には分圧比で決まる電圧が発生するがこれは通常数キロボルト以上の高電圧である。このような高電圧に対してはダイオード40がオフ状態となり電圧測定手段21aには略直流電圧源42の電圧に等しい電圧が入力される。
【0042】
またスイッチがオフ状態ではRdの両端にはスイッチの漏れ電流によって決まる電圧が発生するがこれは高々十数ボルトである。そこで直流電圧源42の電圧をこれ以上に選んでおくと、ダイオード40は順バイアスされてオン状態となる。従って、電圧測定手段21aには分圧抵抗Rd2の両端電圧とダイオード40の順電圧降下の合計に等しい電圧が入力される。ダイオード40の順電圧降下は事前に調べておくことができるから、これを差し引くことにより分圧抵抗Rdの両端電圧を求めることができる。
【0043】
このようにして、スイッチのオンオフによって分圧抵抗Rd2の両端電圧が数キロボルトから十数ボルトまで大きく変化しても、スイッチオフ時の低い電圧を正確に、精度よく測定することができ、測定の信頼性が向上する。
【0044】
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態に関わるクライストロン用アノード変調器について説明する。本実施形態は、スイッチ(高電圧半導体スイッチ)のオン時間幅を検出し、これを指令値と比較することによって、スイッチの短絡故障を判定するものである。
【0045】
スイッチのオン時間幅を検出するには、クライストロンのコレクタ電流のパルス幅、もしくはコレクタ側に接続された分圧抵抗の電圧のパルス幅を検出することにより、検出することができる。
【0046】
図6は、本実施形態において、クライストロンのコレクタ電流のパルス幅を検出する場合の回路構成例を示す図である。即ち、クライストロン1のコレクタCとアースとの間に、例えばカレントトランスなどからなる電流検出手段23を挿入し、その出力信号を制御装置22の入力として、電流のパルス幅からスイッチ10のオン時間幅を判定する。さらに、このオン時間幅を制御装置22の入力値と比較し、オン時間幅が入力値よりも長い場合にはスイッチ10に短絡故障が発生したと判定し、電源を遮断する。
【0047】
パルス動作のクライストロンでは電流パルス幅が設計上限よりも長くなると電極が過熱する。アノード変調器2のスイッチ10が短絡故障を起こした場合には、クライストロン1は直流動作をすることになるので故障に陥る。本実施形態によれば、スイッチ10のオン時間幅を制御指令値と比較することによって、スイッチ10の短絡故障を判定することができ、電源供給を停止するのでクライストロンの故障を防止することができる。
【0048】
なお、コレクタ側に接続された分圧抵抗の電圧のパルス幅を検出する場合は、図6において、電流検出手段23の代わりに、コレクタ側に接続された分圧抵抗Rdの電圧を検出する電圧検出手段(図示せず)を設け、その出力信号を制御装置22の入力として、電圧のパルス幅からスイッチ10のオン時間幅を判定し、このオン時間幅を制御装置22の入力値と比較して、オン時間幅が入力値よりも長い場合にはスイッチ10に短絡故障が発生したと判定し、電源を遮断するように構成すればよい。
【0049】
なお、この第6の実施形態は、上述の第1乃至第3の実施形態のように、クライストロン高電圧部収納タンクとアノード変調器収納タンクとを一体化したクライストロン用アノード変調器に適用して実施することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、スイッチの責務を増加させることなくアノード電圧の立ち上がりを改善したクライストロン用アノード変調器を得ることができる。また信頼性が高く、メンテナンス性に優れたクライストロン用アノード変調器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に関わるクライストロン用アノード変調器の構成を示す正面図。
【図2】本発明の第2の実施形態に関わるクライストロン用アノード変調器の構成を示す正面図。
【図3】本発明の第3の実施形態に関わるクライストロン用アノード変調器の構成を示す正面図。
【図4】本発明の第4の実施形態に関わるクライストロン用アノード変調器の構成を示す回路図。
【図5】本発明の第5の実施形態に関わるクライストロン用アノード変調器の主要部の構成を示す回路図。
【図6】本発明の第4の実施形態に関わるクライストロン用アノード変調器の構成例を示す回路図。
【図7】従来例及び本発明の実施形態に関わるクライストロン用アノード変調器の構成例を示す回路図。
【図8】従来のクライストロン用アノード変調器のタンク間接続を説明するための正面図。
【符号の説明】
1…クライストロン2…アノード変調回路10…スイッチ20…負バイアス電源Rd、Rd…分圧抵抗Ra…アノード抵抗100…クライストロン高電圧部収納タンク200…アノード変調器収納タンク300…タンク101、201…ダクトフランジ150…絶縁ディスクスペーサ21…電圧測定回路21a…電圧測定手段22…制御装置23…電流検出手段30…カソード電源31…高電圧同軸ケーブル40…ダイオード41…抵抗42…直流電圧源

Claims (7)

  1. クライストロンのカソードとコレクタとの間に第1の分圧抵抗、スイッチ、及び第2の分圧抵抗からなる直列回路を接続するとともに、前記第1の分圧抵抗とスイッチの接続点とクライストロンのアノードとをアノード抵抗と負バイアス回路を介して接続し、前記スイッチの開閉によってクライストロンのアノードとカソードとの間の電圧を制御するアノード変調器を有するクライストロン用アノード変調器において、前記アノード変調器の少なくとも前記第1の分圧抵抗、スイッチ、及び第2の分圧抵抗からなる直列回路の部分を絶縁油と共にアノード変調器収納タンクに封入し、前記アノード変調器収納タンクを、クライストロンの高電圧部を収納するクライストロン高電圧部収納タンクと一体化したことを特徴とするクライストロン用アノード変調器。
  2. 前記アノード変調器収納タンクと前記クライストロン高電圧部収納タンクの間に隔壁を設け、前記アノード変調器収納タンクと前記クライストロン高電圧部収納タンクの絶縁油の出し入れを独立してできるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のクライストロン用アノード変調器。
  3. 前記スイッチのオフ時の漏れ電流を検出する漏れ電流検出手段と、この漏れ電流検出手段により検出された漏れ電流の大きさによって前記スイッチの劣化を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のクライストロン用アノード変調器。
  4. 前記漏れ電流検出手段は、コレクタ側に接続された分圧抵抗の電圧を測定する電圧測定手段を備えたものであることを特徴とする請求項3に記載のクライストロン用アノード変調器。
  5. 前記電圧測定手段は、前記分圧抵抗と並列に接続された、ダイオードと抵抗と直流電源の直列回路を有し、前記抵抗の電圧と前記直流電源の電圧の合成電圧を測定し、この測定結果を用いて前記分圧抵抗の電圧を測定するものであることを特徴とする請求項4に記載のクライストロン用アノード変調器。
  6. 前記スイッチのオン時間幅を検出するオン時間幅検出手段と、このオン時間幅検出手段によって検出されたオン時間幅を所定の値と比較することによってスイッチの短絡故障を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のクライストロン用アノード変調器。
  7. 前記オン時間幅検出手段は、クライストロンのカソード電流のパルス幅もしくはコレクタ側に接続された分圧抵抗の電圧パルス幅を検出し、この検出結果を用いてスイッチのオン時間幅を検出するものであることを特徴とする請求項6に記載のクライストロン用アノード変調器。
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