JP3593427B2 - Camera shutter - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型化に適した電動のセット機構を備えているカメラ用シャッタに関する。
【0002】
【従来の技術】
通常のカメラにおいては、撮影が終了した後、次の撮影を行うのに先立って、シャッタ機構を撮影準備状態にセットする必要がある。古くは、このセット操作を手動で行っていたが、最近では、フィルムの巻き上げと同時にモータで行うのが普通になっている。その場合、モータは1個であって、フィルムの巻き上げ機構の作動に連動してシャッタ機構もセットしてしまう方法と、フィルムの巻き上げ機構のモータとは別の独自のモータによってシャッタ機構をセットする方法とが知られている。
【0003】
しかしながら、最近におけるカメラの小型化に対する要求は極めて強く、特にIX240カートリッジフィルム(アドバンストフォトシステムフィルム)の出現によって一段と拍車がかかっている。他方、フィルムの巻き上げやシャッタ機構のセットのほかに、焦点調節装置の駆動なども電動で行うようになってきたため、消費電力を極力抑えることが要求されている。
【0004】
ところが、上記したように、シャッタ機構のセットを、フィルムの巻き上げ機構の作動に連動させるものの場合には、連動機構が必要であることから、カメラ内のレイアウトに大きな制約を受け、且つ小型化が困難である。また、連動機構を設けた分だけどうしても負荷が大きくなって高トルクのモータが必要になり、全体の消費電力を少なくすることも困難である。他方、シャッタ機構のセットを、独自のモータによって行うものの場合には、そのモータを複雑なシャッタ機構内、又はその近辺に配置することが極めて難しく、そのことが小型化の大きな妨げになってしまい、コンパクトに纏めるためにはシャッタの基本構成から考え直さざるを得なくなってしまう。
【0005】
そこで、シャッタをセットするのに、上記した連動機構や独自のモータを設ける必要がなく、それによってカメラの小型化が可能となり、且つ消費電力の点でも有利なカメラ用シャッタの構成が、既に出願人によって出願されている。そして、その構成には、電圧の印加により長さの収縮するワイヤ状の形状記憶合金がアクチュエータとして用いられていて、その一端をシャッタ地板に取り付け、他端をシャッタのセット部材に取り付けるようにしたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のような形状記憶合金を用いた場合には、形状記憶合金の両端にリード線を接続することになるから、上記のように、形状記憶合金の一端がセット部材に取り付けられている場合には、その電気的接続部が、常にセット部材と共に動かされることになる。最近のカメラにおいては、このような場合、ワイヤのリード線に接続することもあるが、むしろフレキシブルプリント配線板のリードに接続することが多くなっている。そのため、そのようなリード線やフレキシブルプリント配線板が、その都度、狭いスペース内で往復作動することになる。このことから、リード線の他端の固定位置やフレキシブルプリント配線板の固定位置を、上記の電気的接続部の作動方向,作動量に応じて適切に設定しないと、リード線やフレキシブルプリント配線板のリードが弛み過ぎて他の部材に接触したり、つれて断線したり、電気的接続部が破壊するという問題が起きてしまう。しかも、このような固定位置を狭いスペース内に設定することは、そんなに簡単なことではない。また、適切な位置に固定されたとしても、電気的接続部が常にセット部材と動き、セット部材の作動停止時における衝撃を直接に受けることになるので、その電気的接続部の耐久性にも問題が生じてくる。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、形状記憶合金の一端を可動部材であるセット部材に取り付けず、形状記憶合金の両端ともシャッタ装置の地板に取り付けるようにしたことによって、小型化が可能であり且つ耐久性に優れたカメラ用シャッタを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明におけるカメラ用シャッタは、露光用開口部を有する地板と、往復作動が可能であって初期位置から作動して少なくとも一つの羽根駆動部材を駆動ばねに抗してセット位置へ作動させるセット部材と、両端が前記地板に取り付けられ且つ両端間が前記セット部材に掛けられていて該両端に電圧が印加されたとき前記セット部材を初期位置からセット位置へ作動させる形状記憶合金とを備えている。
【0009】
また、上記の目的を達成するために、本発明におけるカメラ用シャッタは、露光用開口部を有する地板と、往復作動が可能であって露光作動時に先羽根用駆動ばねによって一方へ作動され先羽根に前記露光用開口部を開かせる先羽根用駆動部材と、往復作動が可能であって露光作動時に後羽根用駆動ばねによって一方へ作動され後羽根に前記露光用開口部を閉じさせる後羽根用駆動部材と、往復作動が可能であって初期位置から作動して前記先羽根用駆動部材と前記後羽根用駆動部材とを前記各駆動ばねに抗してセット位置へ作動させるセット部材と、両端が前記地板に取り付けられ且つ両端間が前記セット部材に掛けられていて該両端に電圧が印加されたとき前記セット部材を初期位置からセット位置へ作動させる形状記憶合金とを備えている。
【0010】
また、本発明のカメラ用シャッタにおいては、好ましくは、前記セット部材がセット位置に達したあと前記形状記憶合金に対する電圧印加が断たれても前記セット部材をセット位置に留めておく保持部材を備えており、前記セット部材は露光作動の直前に初期位置へ復帰するように構成する。
また、本発明のカメラ用シャッタにおいては、好ましくは、前記セット部材は、前記先羽根用駆動部材と前記後羽根用駆動部材とが、それらのセット位置で先羽根用保持部材と後羽根用保持部材に保持されたあと直ちに初期位置へ復帰するように構成する。
【0011】
更に、本発明のカメラ用シャッタにおいては、好ましくは、前記形状記憶合金が前記セット部材に設けられた貫通孔に挿通されているように構成する。
或いは、前記形状記憶合金が前記セット部材に設けられた鉤部に掛けられているように構成する。
或いは、前記形状記憶合金がその両端間において前記セット部材に固定されているように構成する。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図1〜図6に示した第1実施例と、図7に示した第2実施例で説明する。尚、図1は第1実施例の撮影終了直後におけるセット前状態を示す平面図である。図2は図1のA−A線断面図であり、図3は要部の拡大部分側面図である。図4はセット後の状態を示す平面図であり、図5は第1実施例の作動を説明するためのタイミングチャートである。また、図6は要部の変形例を示した拡大部分側面図である。そして、図7は第2実施例の撮影終了直後におけるセット前状態を示す平面図である。
【0013】
先ず、第1実施例の構成から説明するが、本実施例は、本発明をフォーカルプレンシャッタに適用したものである。合成樹脂製のシャッタ地板1には、周知のように略中央部に露光用開口部1aが形成されているが、図面上では、その左方の一部だけが示されている。このシャッタ地板1の背面側には、周知のように、所定の間隔を空けて、図示していない中間板とカバー板が順に取り付けられている。中間板とカバー板にも上記開口部1aと類似の形状の開口部が形成されており、それらの三つの開口部の合成によってシャッタユニットとしての露光用開口が決められている。そして、本実施例の場合には、シャッタ地板1と中間板の間には先羽根が配置され、中間板とカバー板の間には後羽根が配置されている。
【0014】
このシャッタ地板1の表面側には、軸1b,1c,1dが立設されており、このうち軸1b,1cはシャッタ地板1の背面側にも突き出ていて、その部分は細く形成されている。周知であるため図示していないが、本実施例における先羽根及び後羽根は、夫々、シャッタ地板1の背面側に枢着された二つのアームに複数の分割羽根を枢支した構成をしていて、夫々の一方のアーム(以下、主アームという)は、軸1bと軸1cに枢着されている。また、シャッタ地板1には、貫通した円弧状の孔1e,1fが形成され、更に、上記した露光用開口部1aの縁に略平行となるように溝1gが形成されている。この溝1gは途中から二つの溝に分かれており、夫々、略L字形に屈曲している。そして、この溝1g内の略直線部には、蒲鉾状の複数のガイド部1hが形成され、夫々の屈曲部には、曲率半径を大きくするように円弧面をもった軸状のガイド部1iが形成されている。また、図2から分かるように、各屈曲部の表面側にはガイド部1iを覆うようにして夫々張出部1jが形成され、背面側には夫々孔1kが形成されている。更に、各張出部1jの近辺には、その反対側から溝1gの一部を覆うようにして、夫々もう一つの張出部1mが形成されている。
【0015】
シャッタ地板1の表面側において、軸1b,1cに、合成樹脂製の先羽根用駆動部材2,後羽根用駆動部材3が回転可能に取り付けられている。これらの駆動部材2,3には、夫々、作動ピン2a,3a、取付部2b,3bが設けられ、且つローラ2c,3cが回転可能に取り付けられている。このうち作動ピン2a,3aは、円弧状の孔1e,1fを貫通して、先羽根及び後羽根の各主アームに形成された孔に嵌合している。そのため、先羽根用駆動部材2が反時計方向へ回転したときには、作動ピン2aは主アームを反時計方向へ作動させて分割羽根を展開させ、時計方向へ回転したときには、作動ピン2aは主アームを時計方向へ作動させて分割羽根を重畳させるようになっている。他方、後羽根用駆動部材3が反時計方向へ回転したときには、作動ピン3aは主アームを反時計方向へ作動させて分割羽根を重畳させ、作動ピン3aが主アームを時計方向へ作動させたときには分割羽根を展開させるようになっている。
【0016】
また、各駆動部材2,3の取付部2b,3bは、図1において手前側に隆起したようにして形成されており、夫々、鉄片部材4,5を取り付けているが、その具体的な取り付け構成を明示するために、図1及び図3においてはその部分を断面で示してある。鉄片部材4,5は、電磁石に吸着される鉄片部4a,5aと、該取付部2b,3bに形成された孔に緩く嵌合している軸部4b,5bと、更には鍔部4c,5cとで構成されており、該軸部4b,5bの軸方向へも移動し得るようになっている。そして、該鉄片部4a,5aと該取付部2b,3bとの間には圧縮ばね6,7が介在しており、該鍔部4c,5cが取付部2b,3bに接触するように付勢している。また、先羽根用駆動部材2と後羽根用駆動部材3は、夫々、先羽根用駆動ばね8と後羽根用駆動ばね9によって時計方向へ回転するように付勢されており、各駆動ばね8,9の一端は上記した取付部2b,3bの根元に掛けられ、他端はシャッタ地板1のばね掛け1n,1pに掛けられている。
【0017】
シャッタ地板1の軸1cには、更に、係止レバー10が回転可能に取り付けられている。この係止レバー10は、操作部10aとフック部10bを有していて、ばね11によって反時計方向へ回転するように付勢され、その回転をストッパ1qによって阻止されるようになっている。また、シャッタ地板1の軸1dには、合成樹脂製のセット部材12が回転可能に取り付けられており、ばね13によって反時計方向へ回転するように付勢されている。そして、このばね13は、一端をセット部材12のばね掛け12aに掛け、他端をシャッタ地板1に設けられたばね掛け1rに掛けている。また、このセット部材12には、カム形状をした二つの押動部12b,12cが形成されており、更に押動部12bの端を肉厚にして係合部12dを形成している。
【0018】
このセット部材12の背面側には、上記したシャッタ地板1の溝1g内に臨ませているピン12eが立設されている。図3の拡大部分側面図から分かるように、このピン12eには径方向に貫通した孔12fが形成され、両方の出口には面取り部が形成されている。溝1g内には、ワイヤ状の形状記憶合金14が配置されている。この形状記憶合金14は、前記の孔12fに挿通されており、両端は溝1g内に取り付けられている。そして、その取り付け方、夫々の端部を止め具15,16に巻き込むようにしてかしめ止めし、その止め具15,16をビス17,18によって固定している。周知のように、この種の形状記憶合金はその両端に電圧を印加すると、その長さが収縮し、冷却すると元へ戻るという性質を有している。従って、この形状記憶合金14の両端に、リード線19,20が接続されている。その場合、リード線19,20を止め具15,16に半田で接合してもよいが、本実施例の場合には、形状記憶合金14と一緒に止め具15,16にかしめ止めされている。
【0019】
周知のため図示していないが、シャッタ地板1の表面側には、該シャッタ地板1と平行になるようにして取付け板(上地板と称されることもある)が取り付けられている。そして、その下面、即ちシャッタ地板1側の面には先羽根用電磁石21と後羽根用電磁石22とが取り付けられている。そのため、図1及び図4には、それらの電磁石21,22を一点鎖線で示してある。本実施例における電磁石21,22は、鉄芯部材21a,22aが、夫々二つの磁極部で鉄片部材4,5を吸着するようにするためにU字形をしており、各々一方の磁極部にコイル21b,22bを巻回した構成をしている。しかしながら、鉄芯部材21a,22aは、各々の二つの磁極部が、シャッタ地板1に対して垂直となるように配置されているので、図面上には各々一方の磁極部だけが見えている。
【0020】
次に、図5も参照しながら本実施例の作動を説明する。図1は、撮影終了直後の状態を示している。従って、先羽根用駆動部材2と後羽根用駆動部材3とは、各駆動ばね8,9によって露光作動を完了した状態にあり、撮影者は、未だカメラのレリーズボタンを押したままの状態である。この状態においては、図示していない先羽根の各分割羽根は重畳して露光用開口部1aの下方位置に格納されており、後羽根の分割羽根は展開して露光用開口部1aを覆っていて、セット部材12は、ばね13によって初期位置に復帰している。尚、このセット部材12の初期位置はストッパによって規制されるようにしてもよいが、本実施例においては、形状記憶合金14の長さによって規制されている。
【0021】
この状態から、レリーズボタンの押下げ力を解除すると電源スイッチSWがオフになる。但し、電源スイッチSWがオフになっても、所定の時間だけ、フィルムの巻上げ用モータMoと形状記憶合金14(図4においては符号SMA)に電力の供給が可能になっているので、その電源スイッチSWのオフ信号でフィルムの巻き上げが行われ、それと同時に形状記憶合金14に電圧が印加される。そのため、形状記憶合金14は、急速に収縮して短くなり、セット部材12を、ばね13に抗して時計方向へ回転させる。この回転によって、セット部材12は、先ず、その押動部12bが被押動部であるローラ2cを押す。そのため、先羽根用駆動部材2は先羽根用駆動ばね8に抗して反時計方向へ回転し、作動ピン2aによって、図示していない先羽根の主アームを、軸1bで反時計方向へ回転させる。その結果、図示していない分割羽根が展開しながら上方へ作動を開始するが、そのスリット形成羽根の一部が、後羽根のスリット形成羽根に所定量重なった段階で、セット部材12の他方の押動部12cが、後羽根用駆動部材3のローラ3cを押し始める。
【0022】
このようにして、ローラ3cが押動部12cに押され、後羽根用駆動部材3が、駆動ばね9に抗して反時計方向へ回転すると、作動ピン3aが、図示していない後羽根の主アームを、軸1cで反時計方向へ回転させる。その結果、後羽根の分割羽根は、重畳しながら上方へ作動する。セット部材12が更に回転すると、その係合部12dが、係止レバー10のフック部10bの背中を押し、係止レバー10をばね11に抗して時計方向へ回転させる。その直後に、鉄片部材4,5の鉄片部4a,5aが相次いで鉄芯部材21a,22aに接触する。その後、セット部材12の係合部12dと、係止レバー10のフック部10bの背中の接触が外れた段階で、形状記憶合金14の収縮が終わり(セット部材12の時計方向の回転に対しストッパを設けてもよい)、セット部材12は停止する。従って、係止レバー10のフック部10bは、ばね11によって係合部12dの作動軌跡内に復帰する。そのときの状態が図4に示されている。
【0023】
このとき、鉄片部材4,5の鉄片部4a,5aは、鉄芯部材21a,22aに密接され、圧縮ばね6,7が圧縮されているため、鉄片部材4,5の鍔部4c,5cと取付部2b,3bとは非接触状態となっている。また、先羽根は展開状態となって露光用開口部1aを覆っており、後羽根は重畳状態となって露光用開口部1aの上方位置に格納されている。このようにしてシャッタのセットが完了した後、形状記憶合金14に対する電圧の印加が断たれ、続いてフィルムの巻き上げ作動が終了すると、カメラは、次の撮影の準備状態となる。
【0024】
尚、電圧の印加が断たれると、形状記憶合金14は延伸するが、セット部材12は、係止レバー10に係止されているので反時計方向へは回転しない。また、それによって、形状記憶合金14は延伸した分だけ弛むことになるが、張出部1j,1mが近接位置において反対側から形成されているので、形状記憶合金14がガイド部1iから外れるようなことはない。また、形状記憶合金14が溝1gから外へ出ないようにするために、必要に応じてこのような張出部1j,1mの数を増やしても構わない。
【0025】
次に、レリーズ作動について説明する。カメラのレリーズボタンを押すと、その初期段階で電源スイッチSWが閉じ、測光回路が働くと共に先羽根用電磁石21と後羽根用電磁石22の両コイル21b,22bに通電され、鉄芯部材21a,22aが励磁される。そのため、各鉄片部材4,5の、鉄片部4a,5aは鉄芯部材21a,22aに磁気的に吸着される。この段階で撮影者は、周知の表示装置によって撮影条件の適否等を確認することができる。その後、更にレリーズボタンを押すと、係止レバー10が、図示していない電磁石Mgによって操作部10aを吸引され、ばね11に抗して時計方向へ回転する。その結果、係止レバー10のフック部10bが係合部12dから外れ、セット部材12は、ばね13によって図1に示されている初期位置へ復帰する。そして、このセット部材12の復帰作動に連動して露光時間制御回路がトリガーされる。従って、セット部材12の係止が解除される前にレリーズボタンの押し下げ力を解除すれば、撮影を止めることが可能となる。
【0026】
露光時間制御回路がトリガーされ、所定の遅延時間が経過すると、先羽根用電磁石21のコイル21bに対する通電が断たれる。それによって、先羽根用駆動部材2は、先羽根用駆動ばね8の力によって時計方向へ回転し、作動ピン2aによって先羽根の主アームを時計方向へ作動させる。そのため、先羽根を構成する複数の分割羽根は重畳されてゆき、露光用開口部1aを開いていく。そして、開き終わった直後に、作動ピン2aが孔1eの下端縁に衝突し、図示していない手段によってバウンドを防止され、露光用開口部1aの下方位置に格納され、停止する。
【0027】
先羽根用電磁石21のコイル21aに対する通電が断たれてから、測光結果に対応した所定時間後に、後羽根用電磁石22のコイル22bに対する通電が断たれる。そのため、後羽根用駆動ばね9の付勢力によって、後羽根用駆動部材3が時計方向へ回転し、作動ピン3aが、後羽根の主アームを時計方向へ作動させる。その結果、後羽根群を構成する複数の分割羽根は展開されてゆき、露光用開口部1aを閉じていく。そして、閉じ終わった直後に、作動ピン3aが孔1fの下端縁に衝突し、図示していない手段によってバウンドを防止され、露光用開口部1aを覆った状態で停止する。このときの状態が、図1に示した状態である。
【0028】
このように、本実施例によれば、シャッタをセットするとき、従来のようにフィルムの巻き上げ機構に機械的に連動させておらず、且つ独自のモータを使用してもいないので、カメラ内のスペース活用が自由となり、カメラの小型化に適した構成となっている。また、形状記憶合金14は、シャッタ地板1の溝1g内に配置されているので、従来のシャッタ構成の配置及び作動に殆ど影響を与えることがない。更に、形状記憶合金14は、溝1g内に形成されたガイド部1h,1iによって、抵抗力が小さい条件の下で伸縮するので、モータに比較して消費電力が少なくて済むという特徴がある。更にまた、形状記憶合金14の両端がシャッタ地板1に取り付けられているので、リード線19,20は、いずれも不動であり、断線とか耐久性についての心配がない。
【0029】
尚、上記のようなガイド部の数は、必要に応じて決めることになる。また、形状記憶合金14の収縮率によっては、設置に要する長さが異なってくる。その場合には、溝1gの屈曲部を複数箇所に増やしてもよいし、シャッタ機構の構成次第では、全く設けなくても差し支えない。また、本実施例においては、セット部材12の操作部(ピン12eの位置)が、露光用開口部1aの側方位置中央部に配置されているが、シャッタ機構によっては、セット部材を複数の部品で構成し、その操作部を露光用開口部1aの上端辺又は下端辺の延長線上よりも上方位置又は下方位置に配置したものが周知である。本発明は、そのようなものにも適用することができる。また、本実施例においては、形状記憶合金14を、セット部材12に立設されたピン12eの孔12fに挿通させているが、図6の拡大部分側面図に示すように、セット部材12に一体的に鉤部12e′を形成し、そこに掛けるようにしてもよい。また、場合によっては適宜な手段によってセット部材12に固定しても構わない。
【0030】
更に、本実施例のフオーカルプレンシャッタは、所謂ダイレクトタイプと称されているシャッタであって、各駆動部材2,3は鉄片部材4,5を備えていて、電磁石に直接吸着されるように構成されたシャッタである。露光作動のタイミングを電気的に制御するフオーカルプレンシャッタには、このほかに係止タイプと称されているシャッタがあり、本発明は、そのようなタイプのシャッタにも適用することができる。即ち、このタイプのシャッタは、各駆動部材2,3がセットされると、その位置で専用の係止部材によって保持され、露光時には、夫々の係止部材を順次電磁石の作動によって外し、その保持力を解除するようにしたものである。従って、このタイプのシャッタに本発明を適用した場合には、セット作動が終了したとき、セット部材12を直ちに初期位置に復帰させても構わないようになり、係止部材10が不要となり且つ形状記憶合金14の弛み状態を考慮しなくてよいことになる。また、上記の係止部材をガバナーの機械的制御によって外すようにしたシャッタにも本発明を適用することが可能である。
【0031】
次に、図7を用いて本発明の第2実施例を説明する。上記した第1実施例が、ダイレクトタイプのフォーカルプレンシャッタに適用した例であったのに対して、本実施例は、レンズシャッタに適用した場合の例である。そして、本実施例の構成は、原理的には、上記した係止タイプのフォーカルプレンシャッタと同一視することができる。先ず、本実施例の構成から説明する。シャッタ地板31には、円形状の露光用開口部31aが形成されている。このシャッタ地板31の背面側には、周知のように、所定の間隔を空けて、順に、図示していない中間板とカバー板が取り付けられており、シャッタ地板31と中間板との間に先羽根32の羽根室を、また中間板とカバー板の間に後羽根33の羽根室を形成している。
【0032】
更に、中間板とカバー板にも上記開口部31aと同心的に開口部が形成されているが、開口部31aの口径の方が小さく、シャッタユニットとしての露光用開口は開口部31aによって規制されている。尚、カバー板の外形はシャッタ地板31の外形と略同じ形状をしているが、中間板は、先羽根32と後羽根33が作動上干渉しないようにするために配置されているので、それと関係のないシャッタ地板31の外周方向位置には、取り付け部を除き存在していない。先羽根32,後羽根33は、長孔32a,33aを有していて、夫々、シャッタ地板31の軸31b,31cに回転可能に取り付けられている。
【0033】
シャッタ地板31の表面側には、軸31d,31e,31f,31g,31hが立設されている。そして、軸31dには先羽根用駆動部材34が回転可能に取り付けられている。この先羽根用駆動部材34には、被押動部34aと嘴部34bが形成されており、背面側には作動ピン34cが立設されている。そのうち、嘴部34bは被係止面34b1 とカム面34b2 を有しており、また、作動ピン34cは、シャッタ地板31に形成された図示していない孔を貫通して、先羽根32の長孔32aに嵌合している。そして、この先羽根用駆動部材34は、先羽根用駆動ばね35によって時計方向へ回転するように付勢されているが、その回転をストッパ31iによって停止されている。
【0034】
軸31eには、先羽根用係止部材36が回転可能に取り付けられている。この先羽根用係止部材36には、嘴部36aと鉄片部36bが形成されており、その嘴部36aは、係止面36a1 とカム面36a2 を有している。そして、この先羽根用係止部材36は、ばね37によって時計方向へ回転するように付勢されているが、その回転をストッパ31jによって停止されている。また、シャッタ地板31には先羽根用電磁石38が取り付けられている。この先羽根用電磁石38は鉄芯部材38aとコイル38bで構成され、コイル38bに通電されたとき、鉄芯部材38aが、先羽根用係止部材36の鉄片部36bを吸引するようになっている。
【0035】
軸31fには後羽根用駆動部材39が回転可能に取り付けられている。この後羽根用駆動部材39には、被押動部39aと嘴部39bが形成されており、背面側には作動ピン39cが立設されている。その嘴部39bは被係止面39b1 とカム面39b2 を有しており、また、作動ピン39cは、シャッタ地板31に形成された図示していない孔を貫通して、後羽根33の長孔33aに嵌合している。また、この後羽根用駆動部材39は、後羽根用駆動ばね40によって時計方向へ回転するように付勢されているが、その回転をストッパ31kによって停止されている。
【0036】
軸31gには、後羽根用係止部材41が回転可能に取り付けられている。この後羽根用係止部材41には、嘴部41aと鉄片部41bが形成されており、その嘴部41aは、係止面41a1 とカム面41a2 を有している。また、この後羽根用係止部材41は、ばね42によって時計方向へ回転するように付勢されているが、その回転をストッパ31mによって停止されている。また、シャッタ地板31には後羽根用電磁石43が取り付けられている。この後羽根用電磁石43は鉄芯部材43aとコイル43bで構成され、コイル43bに通電されたとき、鉄芯部材43aが、後羽根用係止部材41の鉄片部41bを吸引するようになっている。
【0037】
軸31hには、セット部材44が回転可能に取り付けられており、ばね45によって反時計方向へ回転するように付勢されている。そして、その回転をストッパ31nによって停止されている。また、このセット部材44には、先羽根用駆動部材34の被押動部34aを押す押動部44aと、後羽根用駆動部材39の被押動部39aを押す押動部44bが形成され、更に、背面側にはピン44cが立設されている。このピン44cは、第1実施例におけるピン12eと実質的に同じであって、ピン12eに形成された孔12fと同じような孔を有している。
【0038】
シャッタ地板31に形成された屈曲形状の溝31pの中に、ワイヤ状の形状記憶合金46が配置されている。この形状記憶合金46は、ピン44cに挿通されていて、その両端が、溝31p内でシャッタ地板31に取り付けられている。また、その取り付け方が明示されていないが、適宜な方法でよく、第1実施例で説明した方法と同じにすると好都合である。そして、その両端にはリード線47,48が接続されている。尚、溝31pの屈曲部にはガイド部31q,31rが形成されているが、このほかにも溝31pの底部に第1実施例に示したようなガイド部を形成することが好ましく、また、溝31pの屈曲部に、形状記憶合金46が溝31pから外れないようにするため、第1実施例のような張出部を設けることが必要になる。
【0039】
次に、本実施例の作動を説明するが、図7に示した状態は、撮影終了後であって、且つセット作動が行われる前の状態を示している。そのため、先羽根32は露光用開口部31aから退いた状態にあり、後羽根33が露光用開口部31aを閉鎖している。本実施例においては、シャッタがこの状態になると、一方ではフィルムの巻上げがモータによって開始され、他方では形状記憶合金46の両端間に電圧が印加される。そのため、形状記憶合金46は、急速に収縮して短くなり、セット部材44を、ばね45に抗して時計方向へ回転させる。
【0040】
この回転によって、セット部材44は、先ず、その押動部44aが被押動部34aを押し、先羽根用駆動部材34を先羽根用駆動ばね35に抗して反時計方向へ回転させる。そのため、先羽根用駆動部材34は、作動ピン34cによって、先羽根32を軸31bで反時計方向へ回転させ、露光用開口部31aを閉鎖させていく。その後、先羽根用駆動部材34の嘴部34bに形成されたカム面34b2 が、先羽根用係止部材36の嘴部36aに形成されたカム面36a2 に接触し、該カム面36a2 を押すと、両カム面34b2 ,36a2 の摺接作用によって、先羽根用係止部材36は、ばね37に抗して反時計方向へ回転する。
【0041】
そして、やがて、両カム面34b2 ,36a2 の摺接関係が解かれると、先羽根用係止部材36は、ばね37によって時計方向へ回転する。その直後に、上記した押動部44aが被押動部34aから離れるので、先羽根用駆動部材34は、先羽根用駆動ばね35によって時計方向へ回転するが、ほんの僅か回転したところで被係止面34b1 が係止面36a1 に当接し、その回転を阻止される。それによって、先羽根32は、その一部を一点鎖線で示すように、露光用開口部31aを閉鎖させた状態に保持される。
【0042】
セット部材44は、更に時計方向へ回転されると、今度は、その押動部44bが被押動部39aを押し、後羽根用駆動部材39を後羽根用駆動ばね40に抗して反時計方向へ回転させる。そのため、後羽根用駆動部材39は、作動ピン39cによって、後羽根33を軸31cで時計方向へ回転させ、露光用開口部31aを開かせていく。その後、嘴部39bに形成されたカム面39b2 が、後羽根用係止部材41の嘴部41aに形成されたカム面41a2 を押すと、摺接作用によって、後羽根用係止部材41は、ばね42に抗して反時計方向へ回転する。
【0043】
そして、両カム面39b2 ,41a2 の摺接関係が解かれると、後羽根用係止部材41は、ばね42によって時計方向へ回転するが、この時点で、セット部材44の時計方向への回転が、図示していないストッパによって停止され、形状記憶合金46に対する電圧の印加が断たれる。そのため、セット部材44は、ばね45によって反時計方向へ回転するが、その初期段階で、後羽根用駆動部材39は、ほんの僅か時計方向へ回転し、その被係止面39b1 が係止面41a1 に当接し、停止する。そのとき、後羽根33は、その一部を一点鎖線で示しているように、露光用開口部31aから完全に退いている。セット部材44は、その後の回転で、先羽根用駆動部材34の被押動部34aを一時的に僅かに押すが、先羽根用駆動部材34の係止状態を解くことなく、図5の位置に復帰する。その状態がセット完了状態である。
【0044】
次に、レリーズ作動について説明する。カメラのレリーズボタンを押すと、その初期段階で電源スイッチが閉じ、測光回路が働く。レリーズボタンを更に押し下げると、先羽根用電磁石38のコイル38bに通電され、鉄芯部材38aが先羽根用係止部材36の鉄片部36bを吸引する。それによって、先羽根用係止部材36は、ばね37に抗して反時計方向へ回転し、嘴部36aによる先羽根用駆動部材34の係止を解く。そのため、先羽根用駆動部材34は、先羽根用駆動ばね35によって急速に時計方向へ回転し、先羽根32を露光用開口部31aから退かせる。
【0045】
先羽根用電磁石38のコイル38bに通電してから、測光結果に対応した所定時間後に、後羽根用電磁石43のコイル43bに通電され、鉄芯部材43aが後羽根用係止部材41の鉄片部41bを吸引する。そのため、後羽根用係止部材41は、ばね42に抗して反時計方向へ回転し、嘴部41aによる後羽根用駆動部材39の係止を解く。その結果、後羽根用駆動部材39は、後羽根用駆動ばね40によって急速に時計方向へ回転し、後羽根33に、露光用開口部31aを閉じさせる。その状態が、図7に示された状態であって、その後、直ちに上記したセット作動が行われる。
【0046】
このように、本実施例においても、シャッタをセットするに際し、従来のようにフィルムの巻き上げ機構に機械的に連動させておらず、また、独自のモータを使用してもいないので、カメラ内のスペース活用が自由となり、カメラの小型化に適した構成となっている。また、形状記憶合金46は、シャッタ地板31の溝31p内に配置されているので、従来のシャッタ構成の配置及び作動に殆ど影響を与えることがない。更に、形状記憶合金46は、モータに比較して消費電力が少なくて済むという特徴がある。更にまた、本実施例においても、形状記憶合金46の両端をシャッタ地板31に取り付けているので、リード線47,48は、いずれも不動であり、断線とか耐久性についての心配はない。
【0047】
尚、本実施例においても、ピン44cに代えて、図6に示すような鉤部12e′を、セット部材44に設けるようにしてもよく、また、場合によっては適宜な手段によって形状記憶合金46を固定するようにしても差し支えない。また、本実施例においては、各係止部材36,41の係止を電磁石38,43によって解除しているが、本発明は、上記の係止をガバナーの機械的制御によって、順次、解除するようにしたシャッタにも適用することが可能である。更に本実施例においては、先羽根が露光用開口31aの開き作動を行い、後羽根が閉じ作動を行っているが、本発明はこのようなシャッタに限定されず、露光作動時に、往復作動して露光用開口31aを開閉するようにしたシャッタにも適用することが可能である。
【0048】
【発明の効果】
上記のように、本発明によれば、シャッタをセットするに際して、従来のように、フィルムの巻き上げ機構に連動させるための機構や、独自のモータを設ける必要がなくなるため、カメラ内のレイアウト設計に自由度が増し、カメラの小型化と消費電力に有利なカメラ用シャッタが得られる。しかも、形状記憶合金に電圧を印加するための両端子部が不動であるように構成しているので、配線の運動空間を考慮する必要がなく、また断線や接続部の破壊の心配がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の平面図であり、撮影終了直後におけるセット前状態を示している。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】第1実施例の要部の拡大部分側面図である。
【図4】第1実施例の平面図であり、セット後の状態を示している。
【図5】第1実施例の作動を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】第1実施例の要部の変形例を示した拡大部分側面図である。
【図7】第2実施例の平面図であり、撮影終了直後におけるセット前状態を示している。
【符号の説明】
1,31 シャッタ地板
1g,31p 溝
1h,1i,31q,31r ガイド部
1j,1m 張出部
2,34 先羽根用駆動部材
2a,3a,34c,39c 作動ピン
3,39 後羽根用駆動部材
4,5 鉄片部材
6,7 圧縮ばね
8,35 先羽根用駆動ばね
9,40 後羽根用駆動ばね
10 係止レバー
11,13,37,42,45 ばね
12,44 セット部材
12d 係合部
12e,44c ピン
12e′ 鉤部
12f 孔
12g 面取り部
14,46 形状記憶合金
15,16 止め具
17,18 ビス
19,20,47,48 リード線
21,38 先羽根用電磁石
22,43 後羽根用電磁石
32 先羽根
33 後羽根
34a,39a 被押動部
34b,36a,39b,41a 嘴部
34b1 ,39b1 被係止面
34b2 ,36a2 ,39b2 ,41a2 カム面
36 先羽根用係止部材
36a1 ,41a1 係止面
26b,31b,36b,41b 鉄片部
41 後羽根用係止部材[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a camera shutter provided with an electric setting mechanism suitable for miniaturization.
[0002]
[Prior art]
In a normal camera, it is necessary to set the shutter mechanism to a photographing ready state after photographing is completed and before performing the next photographing. In the past, this setting operation was performed manually, but recently, it has become common to perform this operation with a motor simultaneously with film winding. In this case, there is only one motor and the shutter mechanism is set in conjunction with the operation of the film winding mechanism, and the shutter mechanism is set by a unique motor different from the motor of the film winding mechanism. Methods and are known.
[0003]
However, recent demands for miniaturization of cameras are extremely strong, especially with the advent of the IX240 cartridge film (Advanced Photo System Film). On the other hand, in addition to the film winding and the setting of the shutter mechanism, the driving of the focus adjustment device and the like have also been performed electrically, so that it is required to minimize power consumption.
[0004]
However, as described above, in the case where the set of the shutter mechanism is interlocked with the operation of the film winding mechanism, the interlocking mechanism is required, so that the layout in the camera is greatly restricted, and miniaturization is required. Have difficulty. In addition, the load is inevitably increased by the provision of the interlocking mechanism, and a high-torque motor is required. It is also difficult to reduce the overall power consumption. On the other hand, when the shutter mechanism is set by a unique motor, it is extremely difficult to dispose the motor in or near a complicated shutter mechanism, which greatly hinders miniaturization. However, in order to make the shutter compact, it is necessary to reconsider the basic configuration of the shutter.
[0005]
Therefore, there is no need to provide the above-described interlocking mechanism or a unique motor to set the shutter, which allows the camera to be reduced in size and has a configuration of a camera shutter that is advantageous in terms of power consumption. Filed by a person. In the configuration, a wire-shaped shape memory alloy whose length is contracted by application of a voltage is used as an actuator, one end of which is attached to a shutter base plate, and the other end of which is attached to a shutter set member. Things.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, when the shape memory alloy as described above is used, since lead wires are connected to both ends of the shape memory alloy, one end of the shape memory alloy is attached to the set member as described above. In that case, the electrical connection will always be moved with the set member. In such a case, a recent camera may be connected to a lead of a wire in such a case, but is more often connected to a lead of a flexible printed wiring board. Therefore, such a lead wire or a flexible printed wiring board reciprocates in a narrow space each time. For this reason, unless the fixing position of the other end of the lead wire and the fixing position of the flexible printed wiring board are properly set in accordance with the operation direction and the operation amount of the electrical connection section, the lead wire and the flexible printed wiring board are not set. This leads to the problem that the lead is too loose and comes into contact with other members, breaks, and breaks the electrical connection. Moreover, setting such a fixed position in a narrow space is not so easy. Also, even if it is fixed at an appropriate position, the electrical connection always moves with the set member and receives an impact when the set member stops operating, so the durability of the electrical connection is also reduced. Problems arise.
[0007]
The present invention has been made in order to solve such a problem, and an object of the present invention is not to attach one end of a shape memory alloy to a set member which is a movable member, and to form a shutter at both ends of the shape memory alloy. An object of the present invention is to provide a camera shutter which can be reduced in size and has excellent durability by being attached to a base plate of the apparatus.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a camera shutter according to the present invention includes a main plate having an exposure opening, a reciprocating operation, and at least one blade driving member operating from an initial position to oppose a driving spring. A set member to be moved to the set position, and both ends are attached to the base plate and both ends are hung on the set member, and when a voltage is applied to both ends, the set member is operated from the initial position to the set position. And a shape memory alloy.
[0009]
Further, in order to achieve the above object, a camera shutter according to the present invention includes a base plate having an exposure opening, a reciprocable operation, and a front blade driving spring which is operated to one side during the exposure operation. A driving member for the front blade that opens the exposure opening, and a rear blade that is reciprocally operable and is operated to one side by a driving spring for the rear blade during the exposure operation to cause the rear blade to close the exposure opening. A drive member, a set member capable of reciprocating operation and operating from an initial position to operate the leading blade drive member and the rear blade drive member to a set position against each of the drive springs; Is attached to the base plate and has a shape memory alloy between both ends hung on the set member, and when the voltage is applied to both ends, the shape member is operated from the initial position to the set position. That.
[0010]
In the camera shutter of the present invention, preferably, the camera shutter further includes a holding member for holding the set member at the set position even when the voltage application to the shape memory alloy is stopped after the set member reaches the set position. The setting member is configured to return to the initial position immediately before the exposure operation.
In the camera shutter according to the present invention, preferably, the set member includes a front blade driving member and a rear blade driving member, the front blade holding member and the rear blade holding member being set at their set positions. It is configured to return to the initial position immediately after being held by the member.
[0011]
Further, in the camera shutter of the present invention, preferably, the shape memory alloy is configured to be inserted into a through hole provided in the set member.
Alternatively, the shape memory alloy is configured to be hooked on a hook provided on the set member.
Alternatively, the shape memory alloy is configured to be fixed to the set member between both ends thereof.
[0012]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described with reference to a first embodiment shown in FIGS. 1 to 6 and a second embodiment shown in FIG. FIG. 1 is a plan view showing a state before setting immediately after the end of photographing in the first embodiment. FIG. 2 is a sectional view taken along line AA of FIG. 1, and FIG. 3 is an enlarged partial side view of a main part. FIG. 4 is a plan view showing a state after setting, and FIG. 5 is a timing chart for explaining the operation of the first embodiment. FIG. 6 is an enlarged partial side view showing a modification of the main part. FIG. 7 is a plan view showing a pre-setting state immediately after the end of shooting in the second embodiment.
[0013]
First, the configuration of the first embodiment will be described. In this embodiment, the present invention is applied to a focal plane shutter. As is well known, the
[0014]
[0015]
On the front side of the
[0016]
The mounting
[0017]
A locking
[0018]
On the back side of the
[0019]
Although not shown because it is well known, a mounting plate (sometimes referred to as an upper base plate) is mounted on the front side of the
[0020]
Next, the operation of this embodiment will be described with reference to FIG. FIG. 1 shows a state immediately after the end of shooting. Therefore, the driving
[0021]
When the pressing force of the release button is released from this state, the power switch SW is turned off. However, even if the power switch SW is turned off, power can be supplied to the film winding motor Mo and the shape memory alloy 14 (indicated by SMA in FIG. 4) for a predetermined time. The film is wound by the OFF signal of the switch SW, and at the same time, a voltage is applied to the
[0022]
In this way, when the
[0023]
At this time, since the
[0024]
When the application of the voltage is cut off, the
[0025]
Next, the release operation will be described. When the release button of the camera is pressed, the power switch SW is closed in the initial stage, the photometric circuit is activated, and both
[0026]
When the exposure time control circuit is triggered and a predetermined delay time elapses, energization of the
[0027]
After a predetermined time corresponding to the photometric result after the energization of the
[0028]
As described above, according to the present embodiment, when the shutter is set, the shutter is not mechanically linked with the film winding mechanism as in the related art, and the original motor is not used. The space can be freely used, and the configuration is suitable for downsizing the camera. Further, since the
[0029]
Note that the number of guide portions as described above is determined as needed. Further, the length required for installation varies depending on the shrinkage ratio of the
[0030]
Further, the focal plane shutter of the present embodiment is a so-called direct type shutter, in which each of the driving
[0031]
Next, a second embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. While the first embodiment described above is an example applied to a direct type focal plane shutter, the present embodiment is an example applied to a lens shutter. In principle, the configuration of the present embodiment can be identified with the above-described locking type focal plane shutter. First, the configuration of the present embodiment will be described. The
[0032]
Further, an opening is formed in the intermediate plate and the cover plate concentrically with the
[0033]
On the front side of the
[0034]
The front
[0035]
A rear
[0036]
A rear
[0037]
A set member 44 is rotatably attached to the
[0038]
A wire-shaped
[0039]
Next, the operation of this embodiment will be described. The state shown in FIG. 7 is a state after the photographing is completed and before the set operation is performed. Therefore, the leading
[0040]
By this rotation, first, the pushing member 44a of the setting member 44 pushes the pushed member 34a, and rotates the leading
[0041]
Then, eventually, both cam surfaces 34b 2 , 36a 2 Is released, the leading
[0042]
When the set member 44 is further rotated clockwise, the pushing portion 44b pushes the pushed
[0043]
And both cam surfaces 39b 2 , 41a 2 Is released, the locking
[0044]
Next, the release operation will be described. When the release button of the camera is pressed, the power switch closes at the initial stage and the photometry circuit works. When the release button is further depressed, the
[0045]
After a predetermined time corresponding to the photometric result after the
[0046]
As described above, also in this embodiment, when the shutter is set, the shutter is not mechanically linked to the film winding mechanism as in the related art, nor is the original motor used, so that the The space can be freely used, and the configuration is suitable for downsizing the camera. Further, since the
[0047]
In this embodiment, a
[0048]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, when setting the shutter, there is no need to provide a mechanism for interlocking with the film winding mechanism or a unique motor as in the related art. The degree of freedom is increased, and a camera shutter advantageous in miniaturization and power consumption of the camera can be obtained. In addition, since both terminals for applying a voltage to the shape memory alloy are configured to be immovable, there is no need to consider the movement space of the wiring, and there is no fear of disconnection or breakage of the connection.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view of a first embodiment of the present invention, showing a state before setting immediately after photographing is completed.
FIG. 2 is a sectional view taken along line AA of FIG.
FIG. 3 is an enlarged partial side view of a main part of the first embodiment.
FIG. 4 is a plan view of the first embodiment, showing a state after setting.
FIG. 5 is a timing chart for explaining the operation of the first embodiment.
FIG. 6 is an enlarged partial side view showing a modification of the main part of the first embodiment.
FIG. 7 is a plan view of the second embodiment, showing a state before setting immediately after the end of photographing.
[Explanation of symbols]
1,31 Shutter base plate
1g, 31p groove
1h, 1i, 31q, 31r Guide part
1j, 1m overhang
2,34 Front blade drive member
2a, 3a, 34c, 39c Working pin
3,39 Rear blade drive member
4,5 Iron piece members
6,7 Compression spring
8,35 Drive spring for tip blade
9,40 Drive spring for rear blade
10 Lock lever
11,13,37,42,45 Spring
12,44 Set members
12d engaging part
12e, 44c pin
12e 'hook
12f hole
12g chamfer
14,46 Shape memory alloy
15, 16 stopper
17,18 screw
19, 20, 47, 48 Lead wire
21,38 Electromagnet for tip blade
22,43 Electromagnet for rear blade
32 tip blade
33 Rear wing
34a, 39a Pushed portion
34b, 36a, 39b, 41a beak
34b 1 , 39b 1 Locked surface
34b 2 , 36a 2 , 39b 2 , 41a 2 Cam surface
36 Locking member for leading blade
36a 1 , 41a 1 Locking surface
26b, 31b, 36b, 41b Iron piece
41 Locking member for rear blade
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