JP3592824B2 - 軸流タービン翼列 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、蒸気タービン及びガスタービン等における翼ブレンドアールを有する軸流タービン翼列に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のものを、図5及び図6に基づいて説明する。図5に従来のブレンドアール付翼列の立体図を、また図6に従来のブレンドアールと翼列損失の関係を示す。
【0003】
図5に示すように、通常ブレンドアール1は翼端壁2及び翼プロファイル3を滑らかに接続して、応力の集中を回避するために設けられている。このブレンドアール1は、翼幅に応じ2〜3mmより10数mmまでの値をとり、図6に示すようにスロート幅4とブレンドアール1との比率が大きくなるに従いタービン段落の損失は増加傾向にある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記したようにブレンドアールとスロート幅の比率が大きくなると、即ち、ブレンドアールが大きくなるとタービン性能は低下傾向にある。従って、ブレンドアールを小さくすればよいのであるが、小さなブレンドアールは、加工に多くの時間を要するため製作コストが高くなり、コスト削減のためにはブレンドアールの拡大が好ましいこととなる。
【0005】
そこで、コストと性能を両立させるブレンドアールの大きさが求められることとなるが、十分なコストダウン効果を有するブレンドアールの拡大は性能劣化を伴うため、実現し難いという問題があった。
【0006】
本発明はこのような問題点を解消し、コストと性能を両立させた、新規なブレンドアールを備えた軸流タービン翼列を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するべくなされたもので、翼プロファイルと翼端壁とをつなぐブレンドアールを翼プロファイル周り全周に設け、同ブレンドアールの形状は、翼通路長に沿って翼後縁からスロートまでの第1区間と、同スロートから分岐点までの第2区間と、同分岐点から翼前縁までの第3区間とで大きさをそれぞれ異らせ、前記ブレンドアールの曲率半径Rと翼スロート巾Oの無次元値R/Oを、前記第1区間ではほぼ0.4に維持し、前記第2区間ではほぼ0.4〜0.7と連続的に変化させ、前記第3区間ではほぼ0.7に維持して形成した軸流タービン翼列を提供する。
【0008】
本発明の発明者等は、度重なる翼列試験を繰り返した結果、前記構成の翼列により損失の要因となるボルテックスコアの減少とウォールバウンダリィの増加抑制を行って、製作コストを低く抑えてかつ高性能を維持した翼列を得ることができたものである。
【0009】
なお、本発明において第2区間を規制する分岐点とは、スロートより計って、ほぼスロート長の距離上流側の位置を指すものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図1ないし図4に基づいて説明する。なお、従来の技術として先に説明したものと同一の部分については同一の符号を付して示し、必要に応じて従来の技術も適宜参照しつつ重複する説明はできるだけ省略した。
【0011】
図1は、翼の前縁を省略し、上流側から分岐点、及びスロートを経て後縁に至るブレンドアールの形状を立体的に示したものである。
【0012】
図1のものを図2と対応させ、また図5を参照して説明すれば、翼プロファイル3の後縁1aからスロート4までの区間A(これを第1区間という)は、ブレンドアールの曲率半径Rとスロート巾Oとの無次元値R/Oは、ほぼ0.4の値を維持して形成され、同スロート4から上流側へ向って、スロート長とほぼ等距離の分岐点7までの区間B(これを第2区間という)は、ブレンドアールの曲率半径Rとスロート巾Oとの無次元値R/Oをほぼ0.4からほぼ0.7へ連続して直線的に変化させて形成し、さらに同分岐点7から翼プロファイル3の前縁3aまでの区間C(これを第3区間という)では、ブレンドアールの曲率半径Rとスロート巾Oとの無次元値R/Oをほぼ0.7に維持して全体のブレンドアールが形成されている。
【0013】
前記第1区間A、第2区間B、及び第3区間Cにおける各ブレンドアールを夫々アールA、アールB、及びアールCとして翼列損失との関係を図3に示した。
【0014】
図3においてアールAに対しアールCは大きなアールをもつ。たとえば、アールAとアールCの大きさは図4に示すようにアールCはアールAに対し約1.5〜2倍の大きさを有するものとする。この場合、図3のように損失分布は、翼中央より壁の間で2次流れによりヴォルテックスコア5と呼ばれる2次流渦、及びウォールバウンダリィ6と呼ばれる壁側の境界層により構成される。
【0015】
アール値の小さなアールAの場合、ヴォルテックスコア5は大きいがウォールバウンダリィ6は小さい。一方、アール値の大きなアールCではヴォルテックスコア5が小さくなりウォールバウンダリィ5が厚く発達している。
【0016】
アール値が大きくなるに従いウォールバウンダリィ6が厚くなる理由は、図5を参照して示せば、アール1を有する後縁端1aの厚さが増加することにより、後流側での混合損失が増加するためである。
【0017】
また、アール値が大きくなるに従いヴォルテックスコア5が減少する理由は、アール1により翼腹背面の圧力分布が翼端で滑らかに変化することにより、損失の翼背面側への集中が回避できるためである。
【0018】
このような理由により、ブレンドアールを拡大しても後縁近傍をある程度小さなアール値にしておけば、ヴォルテックスコアの減少とウォールバウンダリィの増加抑制効果により高性能が期待できる。
【0019】
なお図3に以上述べたような異なる2種のアールA,Cを組合せたアールBの損失分布を示すが、ヴォルテックスコア5がアールC並みに減少し、ウォールバウンダリィ6はアールAレベルになっており、高性能化が図られている。
【0020】
以上、本発明を図示の実施の形態について説明したが、本発明はかかる実施の形態に限定されず、本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えてよいことはいうまでもない。
【0021】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、図4に大小2種のアールA,C及びA,Cを組合せたアールBの翼列損失を示すように、アールAに対しアールCは損失が大きいが、アールA,Cを組合せたアールBをもつ翼列にすればヴォルテックスコアに代表される2次流れ損失低減によりアールA,Cのいずれよりも高性能となり、その量は効率にして0.2〜0.3%となる。
【0022】
このような性能向上を図ると共にアールを拡大(A→C)することにより加工費を削減できるなど、本発明は高性能とコストダウンを両立させる効果を奏することができたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る翼ブレンドアールを示す立体図。
【図2】図1のブレンドアールの翼通路長に沿う変化を示す説明図。
【図3】図2の各ブレンドアールのものの翼高さ方向損失分布関係を示す説明図。
【図4】図1のもののブレンドアールと翼列損失増加関係を示す説明図。
【図5】従来のブレンドアールを示す翼立体図。
【図6】従来のブレンドアールと翼列損失増加関係を示す説明図。
【符号の説明】
1 ブレンドアール
1a 後縁
2 翼端壁
3 翼プロファイル
3a 前縁
4 スロート
7 分岐点
Claims (1)
- 翼プロファイルと翼端壁とをつなぐブレンドアールを翼プロファイル周り全周に設け、同ブレンドアールの形状は、翼通路長に沿って翼後縁からスロートまでの第1区間と、同スロートから分岐点までの第2区間と、同分岐点から翼前縁までの第3区間とで大きさをそれぞれ異らせ、前記ブレンドアールの曲率半径Rと翼スロート巾Oの無次元値R/Oを、前記第1区間ではほぼ0.4に維持し、前記第2区間ではほぼ0.4〜0.7と連続的に変化させ、前記第3区間ではほぼ0.7に維持して形成したことを特徴とする軸流タービン翼列。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04462096A JP3592824B2 (ja) | 1996-03-01 | 1996-03-01 | 軸流タービン翼列 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04462096A JP3592824B2 (ja) | 1996-03-01 | 1996-03-01 | 軸流タービン翼列 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09242503A JPH09242503A (ja) | 1997-09-16 |
JP3592824B2 true JP3592824B2 (ja) | 2004-11-24 |
Family
ID=12696486
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04462096A Expired - Lifetime JP3592824B2 (ja) | 1996-03-01 | 1996-03-01 | 軸流タービン翼列 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3592824B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US6511294B1 (en) * | 1999-09-23 | 2003-01-28 | General Electric Company | Reduced-stress compressor blisk flowpath |
JP7406920B2 (ja) * | 2019-03-20 | 2023-12-28 | 三菱重工業株式会社 | タービン翼およびガスタービン |
-
1996
- 1996-03-01 JP JP04462096A patent/JP3592824B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09242503A (ja) | 1997-09-16 |
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