JP3583767B2 - メッセージ配信システム及びメッセージ配信方法 - Google Patents
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【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動通信において、移動端末の在圏する特定エリアに対するメッセージの配信を実施するメッセージ配信システム及びメッセージ配信方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、移動端末に関するサービスとして、例えば着信があった旨をメッセージで通知する着信通知サービスがある。このサービスは、各移動端末の在圏エリアをサーバ装置において管理し、着信のあった移動端末の在圏エリアを照合し、特定の在圏エリアに属する加入者系パケット処理装置を通じて、メッセージを移動端末に向けて配信する。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では、特定のエリアにおいて多数の移動端末が集中して在圏している場合には、関門中継装置や加入者系パケット処理装置の負荷が増大し、メッセージの配信が円滑に行えないという問題があった。
【０００４】
そこで、本発明は、以上の点に鑑みてなされたもので、特定エリアに在圏する移動端末に対してメッセージを配信する際に、移動端末の在圏状況に応じてメッセージの配信を制御することにより、サーバ装置が特定エリアの通信に必要なリソースを意識することなく、円滑にメッセージの配信を行うことを可能とするメッセージ配信システム及びメッセージ配信方法を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、サーバ装置から移動端末へメッセージを配信する際に、各エリア毎にしきい値を設定し、各エリア内に在圏する移動端末数を計測し、計数部による計測結果についてしきい値を照合して、各エリア毎にメッセージを配信するか否かを判断し、この判断結果に基づいて、所定のエリアに在圏する移動端末に向けて、サーバ装置からのメッセージを中継する。
【０００６】
このような本発明によれば、エリア毎に接続数のしきい値を設定し、しきい値を超えるか否かに応じてメッセージの配信を制御するため、在圏する携帯端末が特定のエリアに集中している場合には、メッセージの配信が制限され、通信負荷を軽減することができる。
【０００７】
上記発明において、中継制御部は、配信しないと判断されたメッセージを保留状態とし、所定時間経過後、保留状態となったメッセージを配信する機能を備えることが好ましい。この場合には、移動端末が集中して在圏しているエリアに対するメッセージの配信を保留状態とすることにより、メッセージを配信するタイミングを分散させ、通信負荷の平坦化を図ることができる。
【０００８】
上記発明において、移動端末からの信号に基づいて、移動端末の在圏エリアを特定し、各移動端末を識別する端末番号と、それぞれの移動端末が在圏するエリアとを対応付けて蓄積する移動端末蓄積装置を備え、計数部は、移動端末蓄積装置内のデータ数を計測することによって、各エリア内に在圏する移動端末数を計測することが好ましい。この場合には、移動端末蓄積装置内に、在圏状況を蓄積しておくことにより、メッセージ送信の際の在圏移動端末数の計測を迅速に行うことができる。
【０００９】
上記発明において、移動端末の在圏エリアが変更された場合に、移動端末蓄積装置内のデータを更新するデータベース管理部を有することが好ましい。この場合には、移動端末蓄積装置内のデータを逐次更新しておき、メッセージを配信する際、この移動端末蓄積装置を照合することによって、刻々と変化する移動端末の在圏状況に対して、リアルタイムに対応した負荷分散を行うことができる。
【００１０】
上記発明において、移動端末は、メッセージの配信を許容するか否かを通知する通知信号を送信する機能を有し、サーバ装置は、通知信号に基づき、移動端末を識別する端末番号に対応付けて、メッセージの配信をするか否かをテーブルデータに登録し、テーブルデータを照合して、メッセージの配信を許容する旨の登録がある移動端末にのみメッセージを配信する機能を有することが好ましい。
【００１１】
この場合には、移動端末のユーザー側の意思に基づいて、メッセージの配信の可否を設定するため、不要なメッセージを送信する必要がなく、ユーザー側の状況に応じたメッセージの配信を行うことができる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
（メッセージ配信システムの基本構成）
以下に本発明の第１実施形態に係るメッセージ配信システムについて詳細に説明する。図１は、本実施形態に係るメッセージ配信システムの全体を示す。
【００１３】
同図に示すように、本実施形態に係るメッセージ配信システムは、ユーザーが使用する移動端末１０と、この移動端末１０とパケットの送受信を行う加入者系パケット処理装置２０と、加入者系パケット処理装置２０に接続され、パケットの中継を行うパケット関門中継装置３０と、移動端末１０に対してメッセージの配信を行うサーバ装置４０と、移動端末を特定する識別子（端末番号）と当該移動端末の在圏位置とを関連付けて蓄積する移動端末蓄積装置５０とを備えている。
【００１４】
移動端末１０は、パケット関門中継装置３０を通じて無線通信を行う通信端末装置であり、特に、パケット関門中継装置３０を介して、サーバ装置４０に対して、メッセージの受信の可否を通知する機能を有する。
【００１５】
加入者系パケット処理装置２０は、移動端末１０が在圏しているエリアを管轄するパケット処理装置であり、移動端末１０からの信号をパケット関門中継装置３０に対して送信するとともに、パケット関門中継装置３０からの信号を移動端末１０に対して送信する機能を有する。また、この加入者系パケット処理装置２０は、各移動端末の在圏位置を算出し、この算出された在圏位置と当該移動端末の端末番号を対応付けて、パケット関門中継装置３０に通知する機能を有する。
【００１６】
サーバ装置４０は、各移動端末に対して着信通知等のメッセージを配信する通信サーバであり、各移動端末の端末番号と在圏位置とを関連付ける在圏端末テーブル４０ａを有し、メッセージを配信する際には、在圏端末テーブル４０ａを参照し、メッセージを配信するエリアを選定する。また、本実施形態にかかる在圏端末テーブル４０ａには、ユーザーが設定したメッセージの配信の可否を登録する項目が設けられている。
【００１７】
パケット関門中継装置３０は、移動端末１０からの接続要求を受けサーバ装置４０に接続することにより、移動端末１０とサーバ装置４０を接続し、サーバ装置４０からのメッセージ配信を可能とするゲートウェイ装置である。図２は、パケット関門中継装置３０の構成を示すブロック図である。
【００１８】
同図に示すように、本実施形態に係るパケット関門中継装置３０は、各エリア毎に接続数のしきい値を設定するしきい値設定部３７と、各エリア内に在圏する移動端末数を計測する計数部３５と、計数部３５による計測結果についてしきい値を照合し、各エリア毎にメッセージを配信するか否かを判断する判断部３６と、判断部３６による判断結果に基づいて、所定のエリアに在圏する移動端末に向けて、サーバ装置４０からのメッセージを中継する中継制御部３３とを備えている。
【００１９】
中継制御部３３は、サーバ装置４０側に設けられたデータ送受信部３２と、加入者系パケット処理装置２０側に設けられたデータ送受信部３１との間に配置され、これらデータ送受信部３１，３２間のデータの送受信を規制するものであり、本実施形態では、配信しないと判断されたメッセージを保留状態とし、タイマー部３８で経過時間を測定し、所定時間経過後、保留状態となったメッセージを配信する機能を備える。
【００２０】
また、このパケット関門中継装置３０には、移動端末１０からの信号に基づいて、移動端末１０の在圏エリアＡを特定し、各移動端末１０を識別する端末番号と、それぞれの移動端末が在圏するエリアとを対応付けて蓄積する移動端末蓄積装置５０が接続されている。移動端末蓄積装置５０は、パケット関門中継装置３０内のデータベース管理部３４によって、データの入出力が管理されている。このデータベース管理部３４は、移動端末１０の在圏エリアが変更された場合に、移動端末蓄積装置５０内のデータを更新する。
【００２１】
計数部３５は、データベース管理部３４に接続されており、移動端末蓄積装置５０内のデータ数を計測することによって、各エリア内に在圏する移動端末数を計測する。
【００２２】
（メッセージ配信システムの動作）
（１）メッセージ許容／非許容の設定
図３は、移動端末１０が、サーバ装置４０に移動通信網からのメッセージの受信を許容とするか非許容とするかを設定する際の動作を示す説明図である。
【００２３】
同図に示すように、移動端末１０は、メッセージの受信を許容とする場合、加入者系パケット処理装置２０及びパケット関門中継装置３０を通じて、サーバ装置４０に対し、メッセージ受信許容要求信号を送信する。この信号を受信したサーバ装置４０は、移動端末１０の端末番号と在圏エリアとを対応付けるとともに、各端末毎に許容／非許容を在圏端末テーブル４０ａに設定する。
【００２４】
（２）位置情報通知
図４は、移動端末１０がサーバ装置４０に対し位置情報を通知する動作を示す説明図である。
【００２５】
同図に示すように、加入者系パケット処理装置２０は、移動端末１０の位置情報であるエリアＡを、制御信号或いはユーザデータに付加して、パケット関門中継装置３０に通知し、これを受信したパケット関門中継装置３０は、当該移動端末１０の在圏位置及び端末番号を、移動端末蓄積装置５０に登録するとともにサーバ装置４０に通知する（Ｓ９８）。
【００２６】
そして、同図に示すように、移動端末１０が、エリアＡからエリアＢに移動した場合、移動したことを契機にエリアＢを同一の方法により、サーバ装置４０に通知する（Ｓ９９）。すなわち、移動端末１０が移動したことを検知した加入者系パケット処理装置２０は、移動端末１０の新たな在圏位置であるエリアＢを検出し、移動端末１０の端末番号とを関連付けて、サーバ装置４０に通知する。サーバ装置４０は、この通知に基づいて、在圏端末テーブル４０ａを更新する。
【００２７】
（３）メッセージ配信
図５は、サーバ装置４０が端末番号をキーとし、メッセージを配信する際の、動作を示した説明図である。なお、ここでは、着信通知をメッセージとして配信する。
【００２８】
先ず、サーバ装置４０は、端末番号１２３４，５６７８の移動端末１０及び移動端末１１に対し、パケット関門中継装置３０及び加入者系パケット処理装置２０を通じて、着信通知を送信する（Ｓ１００）。この際、本信号を中継したパケット関門中継装置３０は、移動端末蓄積装置５０から在圏位置Ａ及びＢを取得する（Ｓ２００）。
【００２９】
パケット関門中継装置３０は、他サーバ装置からの着信通知に応答した移動端末の在圏位置を集計した在圏位置を一定時間保持しており（Ｓ３００）、端末番号１２３４により特定される移動端末１０が在圏する在圏エリアＡは、しきい値を超えていないため、そのまま着信を行い（Ｓ４００）、端末番号５６７８により特定される移動端末１１が在圏する在圏エリアＢは、しきい値を超えているため、一定時間保留し、しきい値を超えていないことを確認した後、該当する在圏位置に対して着信を行う（Ｓ５００）。
【００３０】
一定時間を超えて保留が行われた場合、該当移動端末１１へのメッセージの配信は行わず、パケット関門中継装置３０は、メッセージの送達が完了した端末番号１２３４のみを付与した送達確認通知をサーバ装置４０に通知する（６００）。
【００３１】
（メッセージ配信システム及びメッセージ配信方法による作用・効果）
以上説明した、本実施形態に係るメッセージ配信システム及びメッセージ配信方法によれば、しきい値設定部３７によりエリア毎に接続数のしきい値を設定し、判断部３６により、しきい値を超えるか否かに応じてメッセージの配信を制御するため、在圏する携帯端末が特定のエリアに集中している場合には、メッセージの配信が制限され、通信負荷を軽減することができる。
【００３２】
また、本実施形態では、配信しないと判断されたメッセージを保留状態とし、所定時間経過後、保留状態となったメッセージを配信するため、移動端末が集中して在圏しているエリアに対するメッセージの配信を保留状態とすることにより、メッセージを配信するタイミングを分散させ、通信負荷の平坦化を図ることができる。
【００３３】
さらに、本実施形態では、移動端末１０からの信号に基づいて、移動端末１０の在圏エリアを特定し、端末番号とそれぞれの移動端末が在圏するエリアとを対応付けて移動端末蓄積装置５０に蓄積しておき、計数部３５は、移動端末蓄積装置５０内のデータ数を計測することによって、各エリア内に在圏する移動端末数を計測するため、メッセージ送信の際の在圏移動端末数の計測を迅速に行うことができる。
【００３４】
また、本実施形態では、移動端末１０がエリア間を移動し、移動端末１０の在圏エリアがＡからＢに変更された場合などに、データベース管理部３４により、移動端末蓄積装置５０内のデータを逐次更新しておくことにより、刻々と変化する移動端末の在圏状況に対して、リアルタイムに負荷分散を行うことができる。
【００３５】
さらに、本実施形態において、移動端末１０は、メッセージの配信を許容するか否かを通知する通知信号を送信する機能を有し、サーバ装置４０は、通知信号に基づき、端末番号に対応付けて、メッセージの配信をするか否かを在圏端末テーブル４０ａに登録してき、在圏端末テーブル４０ａを照合して、メッセージの配信を許容する旨の登録がある移動端末にのみメッセージを配信するため、移動端末１０のユーザー側の意思に基づいて、メッセージの配信の可否を設定することができ、ユーザー側の状況に応じたメッセージの配信を行うことができる。
【００３６】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、サーバ装置は、目的とするエリアサービス上有効と考えられるメッセージを配信する場合、移動通信網における在圏位置のリソース利用状況を意識することなく配信することが可能となる。一方、メッセージを受信する移動端末においても、メッセージを予め受信するか否か設定可能であるため不要なメッセージを受信することがない。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施形態に係るメッセージ配信システムの全体構造を示す概略構成図である。
【図２】実施形態に係るメッセージ配信システムにおけるパケット関門中継装置の内部構成を示すブロック図である
【図３】実施形態に係るメッセージ配信システムにおけるメッセージ許容／非許容の設定操作を示す説明図である。
【図４】実施形態に係るメッセージ配信システムにおいて、移動端末からサーバ装置に対し位置情報を通知する動作を示す説明図である。
【図５】実施形態に係るメッセージ配信システムにおいて、サーバ装置が端末番号をキーとし、メッセージを配信する動作を示した説明図である。
【符号の説明】
Ａ，Ｂ…在圏エリア
１０，１１…移動端末
２０…加入者系パケット処理装置
３０…パケット関門中継装置
３１，３２…データ送受信部
３３…中継制御部
３４…データベース管理部
３５…計数部
３６…判断部
３７…値設定部
３８…タイマー部
４０…サーバ装置
４０ａ…在圏端末テーブル
５０…移動端末蓄積装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動通信において、移動端末の在圏する特定エリアに対するメッセージの配信を実施するメッセージ配信システム及びメッセージ配信方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、移動端末に関するサービスとして、例えば着信があった旨をメッセージで通知する着信通知サービスがある。このサービスは、各移動端末の在圏エリアをサーバ装置において管理し、着信のあった移動端末の在圏エリアを照合し、特定の在圏エリアに属する加入者系パケット処理装置を通じて、メッセージを移動端末に向けて配信する。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では、特定のエリアにおいて多数の移動端末が集中して在圏している場合には、関門中継装置や加入者系パケット処理装置の負荷が増大し、メッセージの配信が円滑に行えないという問題があった。
【０００４】
そこで、本発明は、以上の点に鑑みてなされたもので、特定エリアに在圏する移動端末に対してメッセージを配信する際に、移動端末の在圏状況に応じてメッセージの配信を制御することにより、サーバ装置が特定エリアの通信に必要なリソースを意識することなく、円滑にメッセージの配信を行うことを可能とするメッセージ配信システム及びメッセージ配信方法を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、サーバ装置から移動端末へメッセージを配信する際に、各エリア毎にしきい値を設定し、各エリア内に在圏する移動端末数を計測し、計数部による計測結果についてしきい値を照合して、各エリア毎にメッセージを配信するか否かを判断し、この判断結果に基づいて、所定のエリアに在圏する移動端末に向けて、サーバ装置からのメッセージを中継する。
【０００６】
このような本発明によれば、エリア毎に接続数のしきい値を設定し、しきい値を超えるか否かに応じてメッセージの配信を制御するため、在圏する携帯端末が特定のエリアに集中している場合には、メッセージの配信が制限され、通信負荷を軽減することができる。
【０００７】
上記発明において、中継制御部は、配信しないと判断されたメッセージを保留状態とし、所定時間経過後、保留状態となったメッセージを配信する機能を備えることが好ましい。この場合には、移動端末が集中して在圏しているエリアに対するメッセージの配信を保留状態とすることにより、メッセージを配信するタイミングを分散させ、通信負荷の平坦化を図ることができる。
【０００８】
上記発明において、移動端末からの信号に基づいて、移動端末の在圏エリアを特定し、各移動端末を識別する端末番号と、それぞれの移動端末が在圏するエリアとを対応付けて蓄積する移動端末蓄積装置を備え、計数部は、移動端末蓄積装置内のデータ数を計測することによって、各エリア内に在圏する移動端末数を計測することが好ましい。この場合には、移動端末蓄積装置内に、在圏状況を蓄積しておくことにより、メッセージ送信の際の在圏移動端末数の計測を迅速に行うことができる。
【０００９】
上記発明において、移動端末の在圏エリアが変更された場合に、移動端末蓄積装置内のデータを更新するデータベース管理部を有することが好ましい。この場合には、移動端末蓄積装置内のデータを逐次更新しておき、メッセージを配信する際、この移動端末蓄積装置を照合することによって、刻々と変化する移動端末の在圏状況に対して、リアルタイムに対応した負荷分散を行うことができる。
【００１０】
上記発明において、移動端末は、メッセージの配信を許容するか否かを通知する通知信号を送信する機能を有し、サーバ装置は、通知信号に基づき、移動端末を識別する端末番号に対応付けて、メッセージの配信をするか否かをテーブルデータに登録し、テーブルデータを照合して、メッセージの配信を許容する旨の登録がある移動端末にのみメッセージを配信する機能を有することが好ましい。
【００１１】
この場合には、移動端末のユーザー側の意思に基づいて、メッセージの配信の可否を設定するため、不要なメッセージを送信する必要がなく、ユーザー側の状況に応じたメッセージの配信を行うことができる。
【００１２】
【発明の実施の形態】
（メッセージ配信システムの基本構成）
以下に本発明の第１実施形態に係るメッセージ配信システムについて詳細に説明する。図１は、本実施形態に係るメッセージ配信システムの全体を示す。
【００１３】
同図に示すように、本実施形態に係るメッセージ配信システムは、ユーザーが使用する移動端末１０と、この移動端末１０とパケットの送受信を行う加入者系パケット処理装置２０と、加入者系パケット処理装置２０に接続され、パケットの中継を行うパケット関門中継装置３０と、移動端末１０に対してメッセージの配信を行うサーバ装置４０と、移動端末を特定する識別子（端末番号）と当該移動端末の在圏位置とを関連付けて蓄積する移動端末蓄積装置５０とを備えている。
【００１４】
移動端末１０は、パケット関門中継装置３０を通じて無線通信を行う通信端末装置であり、特に、パケット関門中継装置３０を介して、サーバ装置４０に対して、メッセージの受信の可否を通知する機能を有する。
【００１５】
加入者系パケット処理装置２０は、移動端末１０が在圏しているエリアを管轄するパケット処理装置であり、移動端末１０からの信号をパケット関門中継装置３０に対して送信するとともに、パケット関門中継装置３０からの信号を移動端末１０に対して送信する機能を有する。また、この加入者系パケット処理装置２０は、各移動端末の在圏位置を算出し、この算出された在圏位置と当該移動端末の端末番号を対応付けて、パケット関門中継装置３０に通知する機能を有する。
【００１６】
サーバ装置４０は、各移動端末に対して着信通知等のメッセージを配信する通信サーバであり、各移動端末の端末番号と在圏位置とを関連付ける在圏端末テーブル４０ａを有し、メッセージを配信する際には、在圏端末テーブル４０ａを参照し、メッセージを配信するエリアを選定する。また、本実施形態にかかる在圏端末テーブル４０ａには、ユーザーが設定したメッセージの配信の可否を登録する項目が設けられている。
【００１７】
パケット関門中継装置３０は、移動端末１０からの接続要求を受けサーバ装置４０に接続することにより、移動端末１０とサーバ装置４０を接続し、サーバ装置４０からのメッセージ配信を可能とするゲートウェイ装置である。図２は、パケット関門中継装置３０の構成を示すブロック図である。
【００１８】
同図に示すように、本実施形態に係るパケット関門中継装置３０は、各エリア毎に接続数のしきい値を設定するしきい値設定部３７と、各エリア内に在圏する移動端末数を計測する計数部３５と、計数部３５による計測結果についてしきい値を照合し、各エリア毎にメッセージを配信するか否かを判断する判断部３６と、判断部３６による判断結果に基づいて、所定のエリアに在圏する移動端末に向けて、サーバ装置４０からのメッセージを中継する中継制御部３３とを備えている。
【００１９】
中継制御部３３は、サーバ装置４０側に設けられたデータ送受信部３２と、加入者系パケット処理装置２０側に設けられたデータ送受信部３１との間に配置され、これらデータ送受信部３１，３２間のデータの送受信を規制するものであり、本実施形態では、配信しないと判断されたメッセージを保留状態とし、タイマー部３８で経過時間を測定し、所定時間経過後、保留状態となったメッセージを配信する機能を備える。
【００２０】
また、このパケット関門中継装置３０には、移動端末１０からの信号に基づいて、移動端末１０の在圏エリアＡを特定し、各移動端末１０を識別する端末番号と、それぞれの移動端末が在圏するエリアとを対応付けて蓄積する移動端末蓄積装置５０が接続されている。移動端末蓄積装置５０は、パケット関門中継装置３０内のデータベース管理部３４によって、データの入出力が管理されている。このデータベース管理部３４は、移動端末１０の在圏エリアが変更された場合に、移動端末蓄積装置５０内のデータを更新する。
【００２１】
計数部３５は、データベース管理部３４に接続されており、移動端末蓄積装置５０内のデータ数を計測することによって、各エリア内に在圏する移動端末数を計測する。
【００２２】
（メッセージ配信システムの動作）
（１）メッセージ許容／非許容の設定
図３は、移動端末１０が、サーバ装置４０に移動通信網からのメッセージの受信を許容とするか非許容とするかを設定する際の動作を示す説明図である。
【００２３】
同図に示すように、移動端末１０は、メッセージの受信を許容とする場合、加入者系パケット処理装置２０及びパケット関門中継装置３０を通じて、サーバ装置４０に対し、メッセージ受信許容要求信号を送信する。この信号を受信したサーバ装置４０は、移動端末１０の端末番号と在圏エリアとを対応付けるとともに、各端末毎に許容／非許容を在圏端末テーブル４０ａに設定する。
【００２４】
（２）位置情報通知
図４は、移動端末１０がサーバ装置４０に対し位置情報を通知する動作を示す説明図である。
【００２５】
同図に示すように、加入者系パケット処理装置２０は、移動端末１０の位置情報であるエリアＡを、制御信号或いはユーザデータに付加して、パケット関門中継装置３０に通知し、これを受信したパケット関門中継装置３０は、当該移動端末１０の在圏位置及び端末番号を、移動端末蓄積装置５０に登録するとともにサーバ装置４０に通知する（Ｓ９８）。
【００２６】
そして、同図に示すように、移動端末１０が、エリアＡからエリアＢに移動した場合、移動したことを契機にエリアＢを同一の方法により、サーバ装置４０に通知する（Ｓ９９）。すなわち、移動端末１０が移動したことを検知した加入者系パケット処理装置２０は、移動端末１０の新たな在圏位置であるエリアＢを検出し、移動端末１０の端末番号とを関連付けて、サーバ装置４０に通知する。サーバ装置４０は、この通知に基づいて、在圏端末テーブル４０ａを更新する。
【００２７】
（３）メッセージ配信
図５は、サーバ装置４０が端末番号をキーとし、メッセージを配信する際の、動作を示した説明図である。なお、ここでは、着信通知をメッセージとして配信する。
【００２８】
先ず、サーバ装置４０は、端末番号１２３４，５６７８の移動端末１０及び移動端末１１に対し、パケット関門中継装置３０及び加入者系パケット処理装置２０を通じて、着信通知を送信する（Ｓ１００）。この際、本信号を中継したパケット関門中継装置３０は、移動端末蓄積装置５０から在圏位置Ａ及びＢを取得する（Ｓ２００）。
【００２９】
パケット関門中継装置３０は、他サーバ装置からの着信通知に応答した移動端末の在圏位置を集計した在圏位置を一定時間保持しており（Ｓ３００）、端末番号１２３４により特定される移動端末１０が在圏する在圏エリアＡは、しきい値を超えていないため、そのまま着信を行い（Ｓ４００）、端末番号５６７８により特定される移動端末１１が在圏する在圏エリアＢは、しきい値を超えているため、一定時間保留し、しきい値を超えていないことを確認した後、該当する在圏位置に対して着信を行う（Ｓ５００）。
【００３０】
一定時間を超えて保留が行われた場合、該当移動端末１１へのメッセージの配信は行わず、パケット関門中継装置３０は、メッセージの送達が完了した端末番号１２３４のみを付与した送達確認通知をサーバ装置４０に通知する（６００）。
【００３１】
（メッセージ配信システム及びメッセージ配信方法による作用・効果）
以上説明した、本実施形態に係るメッセージ配信システム及びメッセージ配信方法によれば、しきい値設定部３７によりエリア毎に接続数のしきい値を設定し、判断部３６により、しきい値を超えるか否かに応じてメッセージの配信を制御するため、在圏する携帯端末が特定のエリアに集中している場合には、メッセージの配信が制限され、通信負荷を軽減することができる。
【００３２】
また、本実施形態では、配信しないと判断されたメッセージを保留状態とし、所定時間経過後、保留状態となったメッセージを配信するため、移動端末が集中して在圏しているエリアに対するメッセージの配信を保留状態とすることにより、メッセージを配信するタイミングを分散させ、通信負荷の平坦化を図ることができる。
【００３３】
さらに、本実施形態では、移動端末１０からの信号に基づいて、移動端末１０の在圏エリアを特定し、端末番号とそれぞれの移動端末が在圏するエリアとを対応付けて移動端末蓄積装置５０に蓄積しておき、計数部３５は、移動端末蓄積装置５０内のデータ数を計測することによって、各エリア内に在圏する移動端末数を計測するため、メッセージ送信の際の在圏移動端末数の計測を迅速に行うことができる。
【００３４】
また、本実施形態では、移動端末１０がエリア間を移動し、移動端末１０の在圏エリアがＡからＢに変更された場合などに、データベース管理部３４により、移動端末蓄積装置５０内のデータを逐次更新しておくことにより、刻々と変化する移動端末の在圏状況に対して、リアルタイムに負荷分散を行うことができる。
【００３５】
さらに、本実施形態において、移動端末１０は、メッセージの配信を許容するか否かを通知する通知信号を送信する機能を有し、サーバ装置４０は、通知信号に基づき、端末番号に対応付けて、メッセージの配信をするか否かを在圏端末テーブル４０ａに登録してき、在圏端末テーブル４０ａを照合して、メッセージの配信を許容する旨の登録がある移動端末にのみメッセージを配信するため、移動端末１０のユーザー側の意思に基づいて、メッセージの配信の可否を設定することができ、ユーザー側の状況に応じたメッセージの配信を行うことができる。
【００３６】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、サーバ装置は、目的とするエリアサービス上有効と考えられるメッセージを配信する場合、移動通信網における在圏位置のリソース利用状況を意識することなく配信することが可能となる。一方、メッセージを受信する移動端末においても、メッセージを予め受信するか否か設定可能であるため不要なメッセージを受信することがない。
【図面の簡単な説明】
【図１】実施形態に係るメッセージ配信システムの全体構造を示す概略構成図である。
【図２】実施形態に係るメッセージ配信システムにおけるパケット関門中継装置の内部構成を示すブロック図である
【図３】実施形態に係るメッセージ配信システムにおけるメッセージ許容／非許容の設定操作を示す説明図である。
【図４】実施形態に係るメッセージ配信システムにおいて、移動端末からサーバ装置に対し位置情報を通知する動作を示す説明図である。
【図５】実施形態に係るメッセージ配信システムにおいて、サーバ装置が端末番号をキーとし、メッセージを配信する動作を示した説明図である。
【符号の説明】
Ａ，Ｂ…在圏エリア
１０，１１…移動端末
２０…加入者系パケット処理装置
３０…パケット関門中継装置
３１，３２…データ送受信部
３３…中継制御部
３４…データベース管理部
３５…計数部
３６…判断部
３７…値設定部
３８…タイマー部
４０…サーバ装置
４０ａ…在圏端末テーブル
５０…移動端末蓄積装置
Claims (10)
- サーバ装置から移動端末へメッセージを配信するメッセージ配信システムであって、
各エリア毎にしきい値を設定するしきい値設定部と、
前記各エリア内に在圏する移動端末数を計測する計数部と、
前記計数部による計測結果について前記しきい値を照合し、各エリア毎にメッセージを配信するか否かを判断する判断部と、
前記判断部による判断結果に基づいて、所定のエリアに在圏する移動端末に向けて、前記サーバ装置からのメッセージを中継する中継制御部とを備えることを特徴とするメッセージ配信システム。 - 前記中継制御部は、配信しないと判断されたメッセージを保留状態とし、所定時間経過後、該保留状態となったメッセージを配信する機能を備えることを特徴とする請求項１に記載のメッセージ配信システム。
- 前記移動端末からの信号に基づいて、移動端末の在圏エリアを特定し、各移動端末を識別する端末番号と、それぞれの移動端末が在圏するエリアとを対応付けて蓄積する移動端末蓄積装置を備え、
前記計数部は、前記移動端末蓄積装置内のデータ数を計測することによって、各エリア内に在圏する移動端末数を計測する
ことを特徴とする請求項１又は２に記載のメッセージ配信システム。 - 前記移動端末の在圏エリアが変更された場合に、前記移動端末蓄積装置内のデータを更新するデータベース管理部を有することを特徴とする請求項３に記載のメッセージ配信システム。
- 前記移動端末は、前記メッセージの配信を許容するか否かを通知する通知信号を送信する機能を有し、
前記サーバ装置は、前記通知信号に基づき、移動端末を識別する端末番号に対応付けて、メッセージの配信をするか否かをテーブルデータに登録し、該テーブルデータを照合して、メッセージの配信を許容する旨の登録がある移動端末にのみメッセージを配信する機能を有する
ことを特徴とする請求項１乃至４に記載のメッセージ配信システム。 - サーバ装置から移動端末へメッセージを配信するメッセージ配信方法であって、
各エリア毎にしきい値を設定するステップ(1)と、
前記各エリア内に在圏する移動端末数を計測するステップ(2)と、
ステップ(2)における計測結果について前記しきい値を照合し、各エリア毎にメッセージを配信するか否かを判断するステップ(3)と、
前記ステップ(3)による判断結果に基づいて、所定のエリアに在圏する移動端末に向けて、前記サーバ装置からのメッセージを中継するステップ(4)とを備えることを特徴とするメッセージ配信方法。 - 配信しないと判断されたメッセージを保留状態とし、所定時間経過後、該保留状態となったメッセージを配信するステップ（５）を備えることを特徴とする請求項６に記載のメッセージ配信方法。
- 前記移動端末からの信号に基づいて、移動端末の在圏エリアを特定し、各移動端末を識別する端末番号と、それぞれの移動端末が在圏するエリアとを対応付けて移動端末蓄積装置に蓄積するステップを備え、
前記ステップ（２）では、前記移動端末蓄積装置内のデータ数を計測することによって、各エリア内に在圏する移動端末数を計測する
ことを特徴とする請求項６又は７に記載のメッセージ配信方法。 - 前記移動端末の在圏エリアが変更された場合に、前記移動端末蓄積装置内のデータを更新するステップを有することを特徴とする請求項８に記載のメッセージ配信方法。
- 前記移動端末から、前記メッセージの配信を許容するか否かを通知する通知信号を送信するステップを有し、
前記サーバ装置は、前記通知信号に基づき、移動端末を識別する端末番号に対応付けて、メッセージの配信をするか否かをテーブルデータに登録し、該テーブルデータを照合して、メッセージの配信を許容する旨の登録がある移動端末にのみメッセージを配信する
ことを特徴とする請求項６乃至９に記載のメッセージ配信方法。
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