JP3580899B2 - キー複製装置におけるキーの切り込み形状認識決定冶具 - Google Patents
キー複製装置におけるキーの切り込み形状認識決定冶具 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、キー複製装置におけるキーの切り込み形状認識決定冶具に関するものである。
ここで、キー複製装置とは、元キー(複製しようとする元のキー)のキーの切り込み形状外周をガイド部材(キーの切り込み形状認識治具)がなぞることにより、カッター刃が前記ガイドと同じ軌道で動作するよう構成され、切削前のいわゆるノーカットのキーを元キーのキーの切り込み形状通りに切削して複製キーを製作する装置を指標するものである。
【0002】
そして、該キー複製装置においては、前記元キーのキー形状外周をガイド部材が正確になぞれる様にするために、該元キーを正確に掴んで固定すると共に、切削前のいわゆるノーカットのキーを元キーのキー形状通りに切削すべく、該ノーカットキーを正確に掴んで固定する治具を一般に有している。
【0003】
【従来の技術】
図6に図示された本発明によるキー複製装置を参考に従来の技術を説明する。該キー複製装置は前述のように、まず元キー30(複製しようとする元のキー図9に示す)を固定する元キー及びガイドキー固定治具1と、切削前のいわゆるノーカットキーを固定するノーカットキー固定治具2とを有している。
【0004】
そして、元キー及びガイドキー固定治具1に対向する位置には該元キーのキー形状外周をガイドするガイド部材3が設けられ、ノーカットキー固定治具2に対向する位置には前記ガイド部材3が元キーの形状外周をなぞった通りに切削するよう切削治具4が設けられている。
しかして、元キー30を元キー及びガイドキー固定治具1で固定し、そのキーの切り込み形状をガイド部材3でなぞるとともに、ノーカットキー固定治具2に固定されたノーカットキーを切削治具4で元キーと同一の軌道でなぞり、同一の形状外周にするよう切削し、もって複製キーを製作するものとしている。
【0005】
しかしながら、複製しようとする元キー30が原品でなく既に数回複製されたものである場合には、その元キー30の切り込み形状が微妙にずれていたり、狂っていたりしていることがあり、そのような元キー30からさらに複製キーを作ると、解錠できないキーを製作してしまうおそれがある。
ところで、従来、ガイド部材3は図7に示すように構成されている。
【0006】
すなわち、ガイド杆5と、このガイド杆5を先端方向に突出して付勢させるバネ部材6と、ガイド杆5を突出可能に保持する保持部材7と、保持部材7の後端で前記ガイド杆5の突出幅を調節するつまみ部材8と、を有して構成されているのである。
そして、通常、ガイド部材3においてガイド杆5の突出幅は通常は基準値(例えばつまみの表示で0の位置)に設定されており、この基準値に設定されたガイド杆5の先端でいわゆる元キー30の切り込み形状外周をなぞることにより、切削治具4が同一軌道で作動し、もって複製すべきキーに切り込み形状を形成して複製キーが作られるのである。
【0007】
しかして従来は、複製しようとする元キー30が原品でなく既に数回複製されたものである場合には、図8に図示するような、所定のガイドキー31を元キー及びガイドキー固定治具1に固定して基準のキーとし、次いで、原品でなく既に数回複製された元キー30をも参考にして、キーの長手方向の各ピッチ毎に存する正確な切り込み深さを求め、前記ガイド部材3におけるガイド杆5の突出幅を変更できるようにしていた。
【0008】
すなわち、前述のように元キー30が原品でなく既に数回複製されて、キーの切り込み形状が微妙にずれていたり、狂っていたりしているものである場合には、元キー30を使用せず、図8に示すようないわゆるガイドキー31を基準のキーとし、作業者によってガイド部材3のつまみ部材8を回転させてあらかじめキーの長手方向の各ピッチ毎に存する切り込み深さ深さを求め、もってノーカットキー固定治具2に固定された複製すべきノーカットキーを切削して複製キーを製作していたのである。
【0009】
例えば、元キー及びガイドキー固定治具1に、複数種類あるガイドキー31の中から前記元キー30に対応するようなガイドキー31を選択して固定し、前記元キー30についての切り込み形状から正しい切り込み形状を割り出し、次につまみ部材8を回転させながらキーの長手方向に存するピッチ間における切り込み深さを求め、その求められた切り込み形状に基づいてノーカットキーを切削し複製キーを製作するのである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の装置であると、いちいち前記つまみ部材8を右左方向に廻しながら各ピッチ間における切り込み深さを割り出さなければならず、そのため熟練した操作が必要とされると共に、その操作が極めて面倒であるとの課題があった。
【0011】
かくして本発明はこのような従来の装置の特に操作上の欠点を解消するために創案されたものであり、元キーが原品でなく既に数回複製されて、キーの切り込み形状が微妙にずれていたり、狂っていたりしているものである場合には、当該元キーを使用せず、該元キーを参照して正確な切り込み形状を割り出し、迅速にその切り込み形状通りに切削作業ができ、もって正確な複製キーを製作し得るようしたキー複製装置におけるキーの切り込み形状認識決定治具を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によるキー複製装置におけるキーの切り込み形状認識決定治具は、
キーの切り込み面に当接し、キーの切り込み深さ幅を認識する切り込み深さ幅認識杆10と、
該切り込み深さ幅認識杆10を前記キーの切り込み面側へ付勢させる付勢部材11と、
前記切り込み深さ幅認識杆10で認識されたキーの切り込み形状を、略同一形状になぞって複製用キーを切削する切削部材12と、
を備えたキー複製装置において、
キーの切り込みを認識する側での掴み部を有する固定装置1に握持された切り込み認識用キーと、
切り込み深さ幅認識杆10で当接した切り込み認識用キーの切り込み面箇所を所定の切り込み深さ幅とする切り込み深さ生成スペーサ14と、
切り込み深さ幅認識杆10の後端側に設けられた収納空間13と、
を有し、
該収納空間13に前記切り込み深さ生成スペーサ14を収納可能とすると共に、該切り込み深さ生成スペーサ14は複製すべきキーの切り込み形状にあわせて交換可能として構成されている。
【0013】
【作用】
本発明では元キーが原品でなく既に数回複製されて、キーの切り込み形状が微妙にずれていたり、狂っていたりしているものである場合には、そのキーの切り込み形状をなぞっての複製キーの製作はしない。
複製キーの繰り返し複製は精度が悪化し、施解錠できないキーをもたらすからである。
【0014】
よって、なぞり複製できない元キーに対応するガイドキーを複数種類のガイドキーの中から選択して用意すると共に、前記元キーから正確な切り込み形状をキーの長手方向各ピッチ毎に割り出し、その切り込み形状にあった切り込み形状生成スペーサ14を用意するのである。
そして、該切り込み形状生成スペーサ14を収納空間13内に装着して、正確な切り込み形状を作り出し、その切り込み形状に沿ってキーを切削するものとしてある。
【0015】
【実施例】
以下、本発明を図に示す好適な実施例に基づいて説明する。
図6に本発明によるキー複製装置を示す。
そして該キー複製装置を構成する部材は従来の技術の項で説明したものとほぼ同様の部材が使用されている。
【0016】
しかして、本発明ではガイド部材3の代わりにキーの切り込み形状認識決定治具9が交換可能に取り付けられている。
キーの切り込み形状認識決定治具9は、図1に示すように、キーの切り込み面に当接し、キーの切り込みの深さ幅を認識する切り込み深さ幅認識杆10を有している。
【0017】
さらに切り込み深さ幅認識杆10をキーの切り込み面側へ押しつける、すなわち該切り込み深さ幅認識杆10を突出させる付勢力を有する様にした付勢部材11を有している。
そして、前記切り込み深さ幅認識杆10をキーの切り込み面に当接して認識されたキーの切り込み形状と略同一の軌道になぞって複製すべきノーカットキーが切削部材12(図6参照)により切削される。
【0018】
また、本発明によるキーの切り込み形状認識決定治具9は前記切り込み深さ幅認識杆10をその先端側に突出させる突出幅が変更できるよう構成されており、かつその後端側には略方形状をなす収納空間13が設けられている。
ここで、この収納空間13には切り込み深さ生成スペーサ14が交換可能にして収納されている。
【0019】
該切り込み深さ生成スペーサ14は図3乃至図5に示すごとく形成されており、各種キーの切り込み形状の違いに合わせ、それぞれの種類のものが交換可能に用意されている。
尚、図3乃至図5で示す各切り込み深さ生成スペーサ14の数字7.0で示す切り込み15については基準位置とされるものであり、この位置に切り込み深さ認識杆10の後端を当接させ、切り込み深さ認識杆10の先端で元キー30のキーの切り込み形状外周をなぞり、その同一軌道で切削して複製キーが製作できるものとされている。
【0020】
しかして、図3に示す切り込み深さ生成スペーサ14では、数字7.7で示す切り込み16、8.4で示す切り込み17、9.1で示す切り込み18及び9.5で示す切り込み19はそれぞれある所定のキーで使用される切り込み深さと対応させた切り込みを示すものであり、これらの切り込み部を切り込み深さ認識杆10と直交する方向へ移動させて切り込み深さ認識杆10の後端に当接させることにより元キーの切り込み形状が不正確な切り込み深さであったとしても簡単な作業で正常な切り込み深さのキーを複製できることになる。
【0021】
すなわち、これら切り込み深さ生成スペーサ14は図2に示すようにキーの切り込み形状認識決定治具9の左側からその収納空間13へ交換可能に収納できる。
そして、この切り込み深さ生成スペーサ14にはノブ20が設けられており、このノブ20をつまんで予め収納空間13の上端側に記載されている数字、例えば0、1、2、3、4の位置にノブ20を合わせることにより各ピッチ毎の所定の切り込み深さを決定できる様構成されているのである。
【0022】
ここで、図3に示す切り込み深さ生成スペーサ14では使用すべき切り込みピッチが5つのものであり、図4に示す切り込み深さ生成スペーサ14は使用すべき切り込みピッチが6個使用するタイプのキー用である。
この様に、複製できるキーについては、通常使用すべき切り込み形状がある程度解っており、それらを予め組み込んでおいた切り込み深さ生成スペーサ14を複数種類用意しておけば、複数の中から選択されたガイドキー31と共に、これらを交換するだけで各種類のキー複製に対応させることができるのである。
【0023】
ところで、従来はこの切り込み深さの変更については前述したように、図7に示すつまみ部材8を左右に回転することにより、ガイド杆5の後端に形成された雄ネジとつまみ部材8の雌ネジとの螺合幅を変更し、これによりガイド杆5の先端側突出幅を調整していた。
しかしながら、当該つまみ回転調節では正確に突出幅を調整するにはかなりの熟練作業を要する。
【0024】
すなわち、次の切り込みピッチについてはどの程度回転させればよいかを正確に認識することは極めて面倒で困難なものだからである。
これに対して本発明では予め形成された切り込み深さ生成スペーサ14を各種類のものから選択するだけでよく、これによって熟練した者でなくても簡単に精密なキーが複製できることとなる。
【0025】
【発明の効果】
本発明は以上の構成よりなる。
そして本発明によるキー複製装置におけるキーの切り込み形状認識決定治具であれば、複数種類用意された切り込み深さ生成スペーサを選択して取り付けるだけで、精度の高いキー複製ができる。
【0026】
すなわち、切り込み深さ生成スペーサを収納空間上端側に記載された数値に合わせて左右に移動するだけで、たとえ複製精度の悪い元キーであっても簡単、迅速に精度の高い複製キーを製作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるキーの切り込み認識決定治具を示す一部断面した説明図である。
【図2】本発明によるキーの切り込み認識決定治具を示す概略斜視図である。
【図3】切り込み深さ生成スペーサの構成を説明する説明図(その1)である。
【図4】切り込み深さ生成スペーサの構成を説明する説明図(その2)である。
【図5】切り込み深さ生成スペーサの構成を説明する説明図(その3)である。
【図6】キー複製装置の概略を説明する概略説明図である。
【図7】従来例のガイド部材の構成を示す構成説明図である。
【図8】ガイドキーの構成を示す説明図である。
【図9】元キーの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 元キー及びガイドキー固定治具
2 ノーカットキー固定治具
3 ガイド部材
4 切削治具
5 ガイド杆
6 バネ部材
7 保持部材
8 つまみ部材
9 キーの切り込み形状認識決定治具
10 切り込み深さ幅認識杆
11 付勢部材
12 切削部材
13 収納空間
14 切り込み深さ生成スペーサ
15 切り込み
16 切り込み
17 切り込み
18 切り込み
19 切り込み
20 ノブ
30 元キー
31 ガイドキー
【産業上の利用分野】
本発明は、キー複製装置におけるキーの切り込み形状認識決定冶具に関するものである。
ここで、キー複製装置とは、元キー(複製しようとする元のキー)のキーの切り込み形状外周をガイド部材(キーの切り込み形状認識治具)がなぞることにより、カッター刃が前記ガイドと同じ軌道で動作するよう構成され、切削前のいわゆるノーカットのキーを元キーのキーの切り込み形状通りに切削して複製キーを製作する装置を指標するものである。
【0002】
そして、該キー複製装置においては、前記元キーのキー形状外周をガイド部材が正確になぞれる様にするために、該元キーを正確に掴んで固定すると共に、切削前のいわゆるノーカットのキーを元キーのキー形状通りに切削すべく、該ノーカットキーを正確に掴んで固定する治具を一般に有している。
【0003】
【従来の技術】
図6に図示された本発明によるキー複製装置を参考に従来の技術を説明する。該キー複製装置は前述のように、まず元キー30(複製しようとする元のキー図9に示す)を固定する元キー及びガイドキー固定治具1と、切削前のいわゆるノーカットキーを固定するノーカットキー固定治具2とを有している。
【0004】
そして、元キー及びガイドキー固定治具1に対向する位置には該元キーのキー形状外周をガイドするガイド部材3が設けられ、ノーカットキー固定治具2に対向する位置には前記ガイド部材3が元キーの形状外周をなぞった通りに切削するよう切削治具4が設けられている。
しかして、元キー30を元キー及びガイドキー固定治具1で固定し、そのキーの切り込み形状をガイド部材3でなぞるとともに、ノーカットキー固定治具2に固定されたノーカットキーを切削治具4で元キーと同一の軌道でなぞり、同一の形状外周にするよう切削し、もって複製キーを製作するものとしている。
【0005】
しかしながら、複製しようとする元キー30が原品でなく既に数回複製されたものである場合には、その元キー30の切り込み形状が微妙にずれていたり、狂っていたりしていることがあり、そのような元キー30からさらに複製キーを作ると、解錠できないキーを製作してしまうおそれがある。
ところで、従来、ガイド部材3は図7に示すように構成されている。
【0006】
すなわち、ガイド杆5と、このガイド杆5を先端方向に突出して付勢させるバネ部材6と、ガイド杆5を突出可能に保持する保持部材7と、保持部材7の後端で前記ガイド杆5の突出幅を調節するつまみ部材8と、を有して構成されているのである。
そして、通常、ガイド部材3においてガイド杆5の突出幅は通常は基準値(例えばつまみの表示で0の位置)に設定されており、この基準値に設定されたガイド杆5の先端でいわゆる元キー30の切り込み形状外周をなぞることにより、切削治具4が同一軌道で作動し、もって複製すべきキーに切り込み形状を形成して複製キーが作られるのである。
【0007】
しかして従来は、複製しようとする元キー30が原品でなく既に数回複製されたものである場合には、図8に図示するような、所定のガイドキー31を元キー及びガイドキー固定治具1に固定して基準のキーとし、次いで、原品でなく既に数回複製された元キー30をも参考にして、キーの長手方向の各ピッチ毎に存する正確な切り込み深さを求め、前記ガイド部材3におけるガイド杆5の突出幅を変更できるようにしていた。
【0008】
すなわち、前述のように元キー30が原品でなく既に数回複製されて、キーの切り込み形状が微妙にずれていたり、狂っていたりしているものである場合には、元キー30を使用せず、図8に示すようないわゆるガイドキー31を基準のキーとし、作業者によってガイド部材3のつまみ部材8を回転させてあらかじめキーの長手方向の各ピッチ毎に存する切り込み深さ深さを求め、もってノーカットキー固定治具2に固定された複製すべきノーカットキーを切削して複製キーを製作していたのである。
【0009】
例えば、元キー及びガイドキー固定治具1に、複数種類あるガイドキー31の中から前記元キー30に対応するようなガイドキー31を選択して固定し、前記元キー30についての切り込み形状から正しい切り込み形状を割り出し、次につまみ部材8を回転させながらキーの長手方向に存するピッチ間における切り込み深さを求め、その求められた切り込み形状に基づいてノーカットキーを切削し複製キーを製作するのである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の装置であると、いちいち前記つまみ部材8を右左方向に廻しながら各ピッチ間における切り込み深さを割り出さなければならず、そのため熟練した操作が必要とされると共に、その操作が極めて面倒であるとの課題があった。
【0011】
かくして本発明はこのような従来の装置の特に操作上の欠点を解消するために創案されたものであり、元キーが原品でなく既に数回複製されて、キーの切り込み形状が微妙にずれていたり、狂っていたりしているものである場合には、当該元キーを使用せず、該元キーを参照して正確な切り込み形状を割り出し、迅速にその切り込み形状通りに切削作業ができ、もって正確な複製キーを製作し得るようしたキー複製装置におけるキーの切り込み形状認識決定治具を提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明によるキー複製装置におけるキーの切り込み形状認識決定治具は、
キーの切り込み面に当接し、キーの切り込み深さ幅を認識する切り込み深さ幅認識杆10と、
該切り込み深さ幅認識杆10を前記キーの切り込み面側へ付勢させる付勢部材11と、
前記切り込み深さ幅認識杆10で認識されたキーの切り込み形状を、略同一形状になぞって複製用キーを切削する切削部材12と、
を備えたキー複製装置において、
キーの切り込みを認識する側での掴み部を有する固定装置1に握持された切り込み認識用キーと、
切り込み深さ幅認識杆10で当接した切り込み認識用キーの切り込み面箇所を所定の切り込み深さ幅とする切り込み深さ生成スペーサ14と、
切り込み深さ幅認識杆10の後端側に設けられた収納空間13と、
を有し、
該収納空間13に前記切り込み深さ生成スペーサ14を収納可能とすると共に、該切り込み深さ生成スペーサ14は複製すべきキーの切り込み形状にあわせて交換可能として構成されている。
【0013】
【作用】
本発明では元キーが原品でなく既に数回複製されて、キーの切り込み形状が微妙にずれていたり、狂っていたりしているものである場合には、そのキーの切り込み形状をなぞっての複製キーの製作はしない。
複製キーの繰り返し複製は精度が悪化し、施解錠できないキーをもたらすからである。
【0014】
よって、なぞり複製できない元キーに対応するガイドキーを複数種類のガイドキーの中から選択して用意すると共に、前記元キーから正確な切り込み形状をキーの長手方向各ピッチ毎に割り出し、その切り込み形状にあった切り込み形状生成スペーサ14を用意するのである。
そして、該切り込み形状生成スペーサ14を収納空間13内に装着して、正確な切り込み形状を作り出し、その切り込み形状に沿ってキーを切削するものとしてある。
【0015】
【実施例】
以下、本発明を図に示す好適な実施例に基づいて説明する。
図6に本発明によるキー複製装置を示す。
そして該キー複製装置を構成する部材は従来の技術の項で説明したものとほぼ同様の部材が使用されている。
【0016】
しかして、本発明ではガイド部材3の代わりにキーの切り込み形状認識決定治具9が交換可能に取り付けられている。
キーの切り込み形状認識決定治具9は、図1に示すように、キーの切り込み面に当接し、キーの切り込みの深さ幅を認識する切り込み深さ幅認識杆10を有している。
【0017】
さらに切り込み深さ幅認識杆10をキーの切り込み面側へ押しつける、すなわち該切り込み深さ幅認識杆10を突出させる付勢力を有する様にした付勢部材11を有している。
そして、前記切り込み深さ幅認識杆10をキーの切り込み面に当接して認識されたキーの切り込み形状と略同一の軌道になぞって複製すべきノーカットキーが切削部材12(図6参照)により切削される。
【0018】
また、本発明によるキーの切り込み形状認識決定治具9は前記切り込み深さ幅認識杆10をその先端側に突出させる突出幅が変更できるよう構成されており、かつその後端側には略方形状をなす収納空間13が設けられている。
ここで、この収納空間13には切り込み深さ生成スペーサ14が交換可能にして収納されている。
【0019】
該切り込み深さ生成スペーサ14は図3乃至図5に示すごとく形成されており、各種キーの切り込み形状の違いに合わせ、それぞれの種類のものが交換可能に用意されている。
尚、図3乃至図5で示す各切り込み深さ生成スペーサ14の数字7.0で示す切り込み15については基準位置とされるものであり、この位置に切り込み深さ認識杆10の後端を当接させ、切り込み深さ認識杆10の先端で元キー30のキーの切り込み形状外周をなぞり、その同一軌道で切削して複製キーが製作できるものとされている。
【0020】
しかして、図3に示す切り込み深さ生成スペーサ14では、数字7.7で示す切り込み16、8.4で示す切り込み17、9.1で示す切り込み18及び9.5で示す切り込み19はそれぞれある所定のキーで使用される切り込み深さと対応させた切り込みを示すものであり、これらの切り込み部を切り込み深さ認識杆10と直交する方向へ移動させて切り込み深さ認識杆10の後端に当接させることにより元キーの切り込み形状が不正確な切り込み深さであったとしても簡単な作業で正常な切り込み深さのキーを複製できることになる。
【0021】
すなわち、これら切り込み深さ生成スペーサ14は図2に示すようにキーの切り込み形状認識決定治具9の左側からその収納空間13へ交換可能に収納できる。
そして、この切り込み深さ生成スペーサ14にはノブ20が設けられており、このノブ20をつまんで予め収納空間13の上端側に記載されている数字、例えば0、1、2、3、4の位置にノブ20を合わせることにより各ピッチ毎の所定の切り込み深さを決定できる様構成されているのである。
【0022】
ここで、図3に示す切り込み深さ生成スペーサ14では使用すべき切り込みピッチが5つのものであり、図4に示す切り込み深さ生成スペーサ14は使用すべき切り込みピッチが6個使用するタイプのキー用である。
この様に、複製できるキーについては、通常使用すべき切り込み形状がある程度解っており、それらを予め組み込んでおいた切り込み深さ生成スペーサ14を複数種類用意しておけば、複数の中から選択されたガイドキー31と共に、これらを交換するだけで各種類のキー複製に対応させることができるのである。
【0023】
ところで、従来はこの切り込み深さの変更については前述したように、図7に示すつまみ部材8を左右に回転することにより、ガイド杆5の後端に形成された雄ネジとつまみ部材8の雌ネジとの螺合幅を変更し、これによりガイド杆5の先端側突出幅を調整していた。
しかしながら、当該つまみ回転調節では正確に突出幅を調整するにはかなりの熟練作業を要する。
【0024】
すなわち、次の切り込みピッチについてはどの程度回転させればよいかを正確に認識することは極めて面倒で困難なものだからである。
これに対して本発明では予め形成された切り込み深さ生成スペーサ14を各種類のものから選択するだけでよく、これによって熟練した者でなくても簡単に精密なキーが複製できることとなる。
【0025】
【発明の効果】
本発明は以上の構成よりなる。
そして本発明によるキー複製装置におけるキーの切り込み形状認識決定治具であれば、複数種類用意された切り込み深さ生成スペーサを選択して取り付けるだけで、精度の高いキー複製ができる。
【0026】
すなわち、切り込み深さ生成スペーサを収納空間上端側に記載された数値に合わせて左右に移動するだけで、たとえ複製精度の悪い元キーであっても簡単、迅速に精度の高い複製キーを製作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるキーの切り込み認識決定治具を示す一部断面した説明図である。
【図2】本発明によるキーの切り込み認識決定治具を示す概略斜視図である。
【図3】切り込み深さ生成スペーサの構成を説明する説明図(その1)である。
【図4】切り込み深さ生成スペーサの構成を説明する説明図(その2)である。
【図5】切り込み深さ生成スペーサの構成を説明する説明図(その3)である。
【図6】キー複製装置の概略を説明する概略説明図である。
【図7】従来例のガイド部材の構成を示す構成説明図である。
【図8】ガイドキーの構成を示す説明図である。
【図9】元キーの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1 元キー及びガイドキー固定治具
2 ノーカットキー固定治具
3 ガイド部材
4 切削治具
5 ガイド杆
6 バネ部材
7 保持部材
8 つまみ部材
9 キーの切り込み形状認識決定治具
10 切り込み深さ幅認識杆
11 付勢部材
12 切削部材
13 収納空間
14 切り込み深さ生成スペーサ
15 切り込み
16 切り込み
17 切り込み
18 切り込み
19 切り込み
20 ノブ
30 元キー
31 ガイドキー
Claims (1)
- キーの切り込み面に当接し、キーの切り込み深さ幅を認識する切り込み深さ幅認識杆(10)と、
該切り込み深さ幅認識杆(10)を前記キーの切り込み面側へ付勢させる付勢部材(11)と、
前記切り込み深さ幅認識杆(10)で認識されたキーの切り込み形状を、略同一形状になぞって複製用キーを切削する切削部材(12)と、
を備えたキー複製装置において、
キーの切り込みを認識する側での掴み部を有する固定装置(1)に握持された切り込み認識用キーと、
切り込み深さ幅認識杆(10)で当接した切り込み認識用キーの切り込み面箇所を所定の切り込み深さ幅とする切り込み深さ生成スペーサ(14)と、
切り込み深さ幅認識杆(10)の後端側に設けられた収納空間(13)と、
を有し、
該収納空間(13)に前記切り込み深さ生成スペーサ(14)を収納可能とすると共に、該切り込み深さ生成スペーサ(14)は複製すべきキーの切り込み形状にあわせて交換可能としたことを特徴とするキー複製装置におけるキーの切り込み形状認識決定冶具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11557395A JP3580899B2 (ja) | 1995-05-15 | 1995-05-15 | キー複製装置におけるキーの切り込み形状認識決定冶具 |
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