JP3578230B2 - 燃焼状態監視方法およびその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば火力発電所の燃焼炉の燃焼状態を監視するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば火力発電所の燃焼炉の燃焼状態を監視する方法として、燃焼炉内の温度を光学的に検知して監視しており、赤外線温度測定装置等により燃焼炉の温度監視を行っている。また、大気汚染の防止の目的で排気中の一酸化炭素やNOX、SOXが測定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、燃焼炉内の温度を監視することは、燃焼状態以外の要因、例えば外気温や流量変化に影響されることもあり、必ず燃焼状態を表しているとはいえない。また、炉内を光学的に温度測定するためには、窓を設ける必要があり、耐熱性等の問題から非常に面倒である。また、炎にはゆらぎがあるため、安定した数値を得ることは困難である。
【0004】
このような点から、本発明は、燃焼状態を簡便に監視することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、燃焼部からの排気を分析装置へ導入し、該分析装置により前記排気中の特定物質を検知して不完全燃焼を判別する方法であり、分析装置は、質量分析法または赤外分光分析法のいずれか一つまたは組合せであり、特定物質は、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、インデンまたはナフタレンのいずれか一つまたは組合せであることを特徴とするものであり、さらに、完全燃焼状態においても排気される物質と特定物質との割合から不完全燃焼を判別するものである。
【0006】
【作用】
燃焼状態の変化に基づく排気中の物質や燃焼生成物質を分析装置により監視することにより、外気温や流量変化等の外部の要因に影響されることなく、燃焼反応に基づく不完全燃焼を確実に検知することができる。そして、排気を監視することは、燃焼部からの排気管から分析装置に排気を導入すればよく、設備として簡便に構成することができる。
【0007】
また、煤や煙は、排気管中にトラップされたり、集塵装置の影響を受けるが、排気の成分は、そのような影響を受けにくい。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を説明する。
【0009】
図1は、本発明が利用される設備としての火力発電所を概略的に示したものである。図において、1は燃焼炉であり、LNGタンク2のLNG(液化天然ガス)が気化器3により気化されて、炭化水素系燃料として導入されるとともに、空気が排気を混合する押込通風機4から供給される。従って、この燃焼炉1は、排気混合方式により燃料を低い温度で緩慢に燃焼させている。そして、燃焼炉1の排気は、排気管5を介して高煙突6から放出される。
【0010】
また、7は発電機であり、燃焼炉1の熱を受けて発生する蒸気が蒸気管8を介してタービン9を回し、タービン9の回転により発電機7から電気が発生する。タービンを回した蒸気は、復水器10により水に戻され、繰り返し蒸気を発生させるために燃焼炉1外周側に供給される。
【0011】
上記の排気管5には、燃焼炉1からの排気が導入されるように分岐管5aを介して分析装置としての質量分析装置11が接続されている。この質量分析装置11は、図2に示すように、基本的にはイオン化部14、質量分離部15、イオン検出部16から構成される。また、この質量分析装置11は、スペースの関係等で排気管5の煙突6近傍に設けられているが、燃焼炉1の近傍であってもよい。また、分岐管5aを介することにより、質量分析装置11への排気の熱の影響を緩和することができるが、排気管5内の熱が十分放出されていれば、排気管5内に直接設けてもよい。
【0012】
2ステージ油回転ポンプ18に引かれて排気管5からの分岐管5aによって導入された排気は、導入管としてのキャピラリ12からフィルタ13を介して例えば10−6トールに減圧された質量分析装置11内に導入され、まずEIイオン源等によるイオン化部14において高電圧による電界によりイオン化される。イオン化された排気は、四重極等による質量分離部15の磁界により排気中の成分の分子量(質量)に基づいて曲げられ、分離された成分が電子倍増管等によるイオン検出部16に到達し、燃焼生成物が分子量ごとに分離されて検出される。
【0013】
このキャピラリ12からのフィルタ13は、質量分析装置11内を大気圧からターボポンプ17による減圧状態へ落とすために設けられているが、大きな分子がフィルタ13に吸着される影響がある。従って、アントラセンのような大きな分子を監視する場合には、このフィルタ13を用いずに、ホール(例えば約1μ)を有するプレートやスキマー(円錐形の頂部に通孔を設けたもので、複数重ねることにより窒素や酸素等の軽い分子をはじいて濃縮する効果がある)を利用してもよい。
【0014】
この質量分析装置11による結果は、警報部20に出力され、警報部20において、不完全燃焼状態であるかどうかが判別され、不完全燃焼状態であると判別される場合に、設備全体の監視センタ等に警報を発する。
【0015】
上記実施例において、燃焼炉の燃焼状態の監視を分析装置によって常時監視するための実験結果について、以下に示す。
【0016】
分析装置として、図2に示す質量分析装置を用い、燃焼炉1の燃焼状態を調整して、完全燃焼状態(空気rich)、半不完全燃焼状態(空気poor)、不完全燃焼状態(空気very poor )として、3段階の燃焼状態とブランク状態(炎のない状態)とで測定した。
【0017】
燃焼状態ごとの質量分析装置の測定結果および状態変化に伴う生成物質のピーク変化を図3から図6に示す。完全燃焼状態のチャート(図3)と不完全燃焼状態のチャート(図5)を比較すると、そのピークの数から不完全燃焼時に多様な物質が生成されていることは明らかであるが、その中で完全燃焼状態時と異なる物質として、ベンゼン(イオン強度m/e=78のピーク)、ブタジエン(m/e=50)、トルエン(m/e=92)が検出されている。これらの物質は、燃焼における煤煙の形成過程における中間生成物であり、不完全燃焼に基づいて発生している。
【0018】
図6は、燃焼状態変化に伴う生成物質のピークの変化を示すものである。ブランク−完全燃焼−半不完全燃焼−不完全燃焼と約3分程度ごとに連続的に変化させたときのそれぞれスキャン番号が1から26、27から50、51から76、77から100の同一分子量のピークの強度を示している。
【0019】
その結果から、ベンゼンやブタジエン、トルエンが半不完全燃焼状態から発生している。そして、トルエンの場合には、半不完全燃焼状態でわずかに表れ、不完全燃焼状態において大きく表れている。
【0020】
また、燃焼反応に関わる酸素や二酸化炭素等について着目してみると、酸素は、完全燃焼状態に比べて不完全燃焼状態で、増加している。そして、二酸化炭素は、完全燃焼状態に比べて、半不完全燃焼状態において減少している。これらのことは、生成物として完全燃焼時に消費される酸素量および生成する二酸化炭素量が燃焼状態の変化に基づいて変化することを示している。それに対して水は、燃焼反応によって生成するが、燃焼状態の変化に対してほとんど変わっていない。また、図6には示さなかったが、窒素(m/e=28)のピークもほとんど変化しておらず、この燃焼反応に関わらない物質のピークを基準とすることにより、導入される排気の量とすることができる。
【0021】
ここで、質量分析装置による各成分の濃度について説明すると、質量分析装置の検出するイオン強度(Intensity)は、検出部に印加する電圧によって変化するが、通常の大気中において、酸素を10−8オーダー、二酸化炭素を10−10 オーダーに調整すると、燃焼炉中においては、酸素が10−11 〜10−9オーダーに減少し、逆に二酸化炭素が10−9〜10−7オーダーに増加する。この量は、燃焼炉中の燃料と空気の量に応じて決まり、ほぼ一定の値となる。そして、不完全燃焼によって生成する成分、ブタジエン、ベンゼン、トルエン等のイオン強度(Intensity)は、燃焼炉中の燃料と空気の量にによって決まり、空気が十分であると、10−13 オーダーであるが、空気の量を減らしていくに従って、10−9オーダーまで増加する。これは煤の量の関係と同じで、空気の量が十分であると、煤はほとんど出ないが、空気の量を減らしていくに従って、発生する煤の量が多くなる。
【0022】
この不完全燃焼の監視方式には、先ず第1の方式に、上記実験結果に基づいて、完全燃焼状態では排気されないが、不完全燃焼状態によって排気される物質を特定物質として、その特定物質のイオン強度のピークが所定レベルを越えるときに、不完全燃焼と判別することができる。このときの特定物質として、後述の実験結果からベンゼン(イオン強度m/e=78のピーク)、ブタジエン(m/e=50)、トルエン(m/e=92)が検知対象とされるが、更に、煤煙の形成過程を考慮すると、キシレンや、インデン、ナフタレン、アントラセン等も発生すると考えられる。これらのように分子量が大きくなると、分岐後の管壁やフィルタにおいてトラップされることが考えられるが、管壁の保温やフィルタに代わるスキマーの利用等すれば検出可能である。
【0023】
第2の方式に、上記実験結果に基づいて、不完全燃焼状態のみでなく、通常の完全燃焼状態においても排気される物質を特定物質として、そのピークの相対的増減によって不完全燃焼と判別することができる。このときの特定物質として、後述の実験結果から二酸化炭素(m/e=44)や酸素(m/e=32)が検知対象とできる。ここで水(m/e=18)を水を検知対象とすることも考えられるが、後述の実験結果からは、燃焼状態によるピーク変化はほとんどなかった。従って、設置する燃焼炉に基づく排気を実際に測定してピークが変化すれば検知対象とすることができる。
【0024】
第3の方式に、上記実験結果に基づいて、燃焼に関わらない排気中の物質、例えば窒素を基準として、上記第1の方式または第2の方式の特定物質のピークの相対的増減によって不完全燃焼と判別することができる。これは、換言すれば、排気流の状態等の変化に基づくピーク変化を補正するため、窒素などの燃焼に関わらない物質を基準に、気流の量の増減を補正しようとするものである。
【0025】
具体的な特定物質の割合として、上記実験結果から、特定物質の割合が二酸化炭素に対してベンゼンの比率が、ベンゼン/二酸化炭素=10−6〜1のとき、または、ブタジエンの比率がブタジエン/二酸化炭素=10−6〜1のときに、不完全燃焼状態であると判別することができる。
【0026】
上記のように、質量分析装置11による不完全燃焼の監視は、単純には特定物質一つのピークの増減で不完全燃焼を判別できるが、質量分析法のピークは、分子量に基づくので異なる物質が同じピークに検出される可能性があるので、複数のピークを同時に監視することで確実な不完全燃焼を判別できる。また、そのときに質量分析装置11に導入される排気量が変化しない条件以外では、排気の導入量を検出して補正することが好ましい。さらに、上記各方式において、質量分離部15にセクタ方式や複数段に設けること等により高分解能として、分子量を少数点以下まで分離検出することも可能であり、同一分子量の物質を詳細に区別して、特定物質を検出することが可能である。そして、上記各方式による判別は、警報部20によって行われる。
【0027】
また、上記の質量分析装置11以外に用いられる分析装置として、図7に示すような、赤外分光光度装置がある。この赤外分光光度装置は、図7に示すように、基本的には光源26、測定セル25、分光器30、赤外検出部22から構成される。
【0028】
排気管5から分岐管5aによって導入された排気は、導入口23を介して測定セル25に送られ、排気口24から排気され、常に新しい排気が取り込まれている。それに対して補償セル27は、測定セル25に通じているが、小さな通孔を有する遮蔽板31、32を設けてあるので、その内部の雰囲気はほとんど変わらない。これらの遮蔽板31、32は、当初外しておき燃焼炉1が完全燃焼を行っている状態において装着すれば、監視開始時から燃焼状態の変化を検出することができる。
【0029】
この測定セル25および補償セル27には、赤外波長帯域の発光が行える炭化ケイ素棒やネルンスト灯等の光源26からの光がセパレータ21によりそれぞれ照射される。測定セル25および補償セル27を通過した2つの光は、セクタ部28において交互に遮蔽され、分光器30により各波長に分光され、熱電対やボロメータ等の赤外検出部22に集光されて検出される。分光器30では、詳細に示さないが、導入用のスリットを介したセクタ部28からの光をプリズムで分光し、各波長ごとに放出用のスリットを介して赤外検出部22に向けて放出される。
【0030】
そして、測定セル25および補償セル27の通過光の強度差から各波長の燃焼物質による吸収を測定する。ここで、測定セル25には、上記のように、排気管5から分岐された排気が導入されるが、補償セル27内は、ほとんど完全燃焼時の排気のままであり、通過光の各波長ごとの強度差は、燃焼状態の変化に基づく生成物質の変化の特徴を表している。
【0031】
この赤外分光光度装置による結果は、質量分析装置と同様に警報部33に出力され、警報部33において、不完全燃焼状態であるかどうかが判別され、不完全燃焼状態であると判別される場合に、設備全体の監視センタ等に警報を発する。
【0032】
この不完全燃焼の監視方式は、質量分析装置による監視と同様に、まず第1の方式に、後述する実験結果に基づいて、完全燃焼状態では排気されない物質を特定物質として、その特定物質の分子構造の特徴に基づく赤外吸収波長の強度が所定レベルを越えるときに、不完全燃焼と判別することができる。このときの特定物質として、後述の実験結果からベンゼン、ブタジエン、トルエンが検知対象とされるが、更に、キシレンやインデン、ナフタレン、アントラセン等も発生すると考えられる。これらのように分子量が大きくなると、分岐後の管壁において多少トラップされることが考えられるが、保温すればトラップを防止できる。
【0033】
そして、例えばベンゼンを特定物質と考えると、芳香環の=C−H伸縮振動に基づく吸収が3000cm−1付近に、芳香環の=C−H面外変角振動に基づく特有の小波状吸収が2000cm−1から1660cm−1に、芳香環のC=C伸縮振動を含む環振動に基づく強い吸収が1600cm−1から1450cm−1に、芳香環の=C−H面内変角振動に基づくやや強い吸収が1250cm−1から1000cm−1に、芳香環の=C−H面外変角振動に基づく強い吸収が1000cm−1から650cm−1に表れる。また、ブタジエンでは、1597cm−1に共役しているC=C伸縮振動の吸収が表れる。さらに、トルエン等、孤立した芳香環を有しているものはベンゼンとほぼ同様の吸収が得られ、インデンやナフタレン等の縮合環芳香族炭化水素も基本的には芳香環に近い特徴を示す。このように、個々の物質の赤外吸収波長は、公知であるが、排気中には、複数の物質が混在しているので、実際の排気から燃焼状態の変化に基づくスペクトル変化を測定してから監視する波長を決定することが好ましい。
【0034】
第2の方式に、上記実験結果に基づいて、完全燃焼状態においても排気される物質を特定物質として、その赤外吸収波長の吸収率の相対的増減によって不完全燃焼と判別することができる。このときの特定物質として、後述の実験結果から二酸化炭素(2350cm−1等)や水(3625cm−1等)を検知対象とすることも考えられるが、設置する燃焼炉に基づく排気を実際に測定してピークが変化すれば検知対象とすることができると考えられる。ここで、酸素や窒素について同一の2原子分子は、固定双極子能率を有しないので、赤外線に不活性であり検出できない。
【0035】
上記のように、赤外分光光度装置による不完全燃焼の監視は、単純には芳香環による波長の吸収率の増減で不完全燃焼を判別できるが、各波長の吸収率は、異なる物質の小さな吸収波長が重なる可能性があるので、複数の波長を同時に監視することで確実な不完全燃焼を判別できる。そして、上記各方式による判別は、警報部33によって行われる。
【0036】
また、図1の質量分析装置11に代わる分析装置として、赤外分光光度装置以外に、紫外分光光度装置やガスクロマトグラフ装置等が挙げられる。そして、これらの装置を組み合わせて用いれば、特定物質の検知を異なる物性から行え、さらに確実な不完全燃焼状態を判別することができる。
【0037】
次に、本発明が利用される設備として清掃工場を図8に概略的に示す。図において、51は焼却炉であり、ごみ収集車がプラットホーム53から落としたバンカ52のごみがクレーン54により運ばれてホッパ55から導入される。この焼却炉51の排気は、誘引ファン60により引っ張られ、まずボイラ56において発電などに熱利用され、電気集塵機57や窒素酸化物除去装置58、塩化水素除去装置59により有害物質等を除去した後に、煙突61から放出される。
【0038】
また、62はクレーン操作室、63は灰バンカであり、焼却炉51の灰が電気集塵機57の飛灰とともに収集される。そして、窒素酸化物除去装置58から誘引ファン60に続く排気管64から分岐管64aによって排気を分岐して、フィルタ装置65を介して分析装置としての質量分析装置66に導入されるように接続されている。この質量分析装置66については、質量分析装置11と同様のものであり、基本的にはイオン化部、質量分離部、イオン検出部から構成され、同様の不完全燃焼の監視が行える。
【0039】
その質量分析装置66による結果は、質量分析装置11と同様に図示されない警報部に出力され、警報部において不完全燃焼状態であるかどうかが判別され、不完全燃焼状態であると判別される場合に、設備全体の制御室等に警報を発する。また、この質量分析装置66は、スペースの関係等で窒素酸化物除去装置58と誘引ファン60との間の排気管64に接続されているが、焼却炉51の近傍や煙突61側に設けてもよい。また、フィルタ装置65は、その設けられる位置によって適当な性能のものを用いればよい。
【0040】
そして、この質量分析装置66に代わる分析装置として、火力発電所と同様に、赤外分光光度装置、紫外分光光度装置やガスクロマトグラフ装置等が挙げられる。そして、これらの装置を組み合わせて用いれば、さらに確実な不完全燃焼状態を判別することができる。そして、監視される特定物質に、塩化水素等の有害物質を加えることにより、燃焼状態のみでなく、有害物質の放出を監視することも可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、燃焼部からの排気を分析装置へ導入し、該分析装置により前記排気中の特定物質を検知して不完全燃焼を判別する方法であって、分析装置は、質量分析法または赤外分光分析法のいずれか一つまたは組合せであり、特定物質は、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、インデンまたはナフタレンのいずれか一つまたは組合せであることから、外気温や流量変化等の燃焼反応以外の要因に影響されることなく、不完全燃焼を確実に検知することが可能である。
【0042】
また、例えば、燃焼部が炭化水素系燃料の燃焼炉やごみ焼却炉等であっても、燃焼部から分析装置に排気を導入すればよく、設備として簡便に構成することができる。
【0043】
さらに、完全燃焼状態においても排気される物質、例えば、実験結果から二酸化炭素、酸素、水、窒素等と特定物質との割合から不完全燃焼を判別することで、燃焼状態の変化を確実に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】火力発電所の概略系統図。
【図2】図1に使用される質量分析装置を示す概略構成図。
【図3】完全燃焼状態における質量分析結果を示す図。
【図4】半不完全燃焼状態における質量分析結果を示す図。
【図5】不完全燃焼状態における質量分析結果を示す図。
【図6】燃焼状態変化による物質ごとのピーク変化を示す図。
【図7】図1に使用される赤外分光光度装置を示す概略構成図。
【図8】清掃工場の概略系統図。
【符号の説明】
1、51 燃焼部
5、64 排気管
11、66 分析装置
20、33 警報部

Claims (4)

  1. 燃焼部からの排気を分析装置へ導入し、該分析装置により前記排気中の特定物質を検知して不完全燃焼を判別する方法であり、
    前記分析装置は、質量分析法または赤外分光分析法のいずれか一つまたは組合せであり、
    前記特定物質は、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、インデンまたはナフタレンのいずれか一つまたは組合せであることを特徴とする燃焼状態監視方法。
  2. 完全燃焼状態においても排気される物質と特定物質との割合から不完全燃焼を判別する請求項1の燃焼状態監視方法。
  3. 燃焼部からの排気を排出する排気管と、該排気管中の排気を導入してその排気中の特定物質を検出する分析装置と、該分析装置による前記特定物質に基づいて不完全燃焼を判別する警報部と、を有し、
    前記分析装置は、質量分析法または赤外分光分析法のいずれか一つまたは組合せであり、
    前記特定物質は、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、インデンまたはナフタレンのいずれか一つまたは組合せであることを特徴とする燃焼状態監視装置。
  4. 警報部は、完全燃焼状態においても排気される物質と特定物質との割合から不完全燃焼を判別する請求項1の燃焼状態監視装置。
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