JP3573590B2 - 遠心ポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は遠心ポンプに係り、特に発電プラント、産業プラントなどで用いられる多段の遠心ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
火力発電プラントに用いられるボイラ給水ポンプ、原子力発電プラントに用いられる原子炉給水ポンプ、産業プラントに用いられるデスケーリングポンプなどは、流路内に複数枚の羽根車を嵌合した軸を配した構造であり、吸込んだ水を回転する羽根車によって昇圧して外周に設けたデイフューザに吐き出し、次いで次段の羽根車に導く昇圧行程を繰返して加圧する多段遠心ポンプである。従って、これらの遠心ポンプでは昇圧の進む羽根車間のシール、すなわちローターである羽根車とステーターとの間のシールが漏れると性能が著しく低下し、軸の支持剛性が低下するため軸振動が発生する。通常、羽根車とステーターとの間は微小なすき間を介して対向する構造として、各羽根車間のシールをしている。
【0003】
通常の運転では、羽根車とステーターとの間には水膜が形成され、両者は接触しない。しかし、ポンプ運転の起動、停止時では両面は摺動し摩耗を生じる。摩耗によるシールすき間の増加は軸の支持剛性を著しく低下させ、軸の振動を発生させる。その結果、シール間の摩耗は一層促進され、シールすき間の増加がすすみ、著しい吐出圧低下を引き起こすため、両面には優れた耐摩耗性が求められる。
【0004】
なお、ボイラ給水ポンプの高速流水面に、耐エロージョン性に優れる皮膜を溶射法で被覆して、耐食性と耐エロージョン性とを付与する方法として特開平7−151097号公報に記載されるものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
定常運転時は羽根車とステーターとの間には水膜が存在し、両者の固体接触はない。従って定常運転だけであれば原理的には摩耗も生じることはない。しかし上記したように、遠心ポンプの起動、停止時には十分な水膜が形成されず、両者は固体接触しており摺動、摩耗を生じる。
【0006】
さらに起動、停止時以外でも、取り扱い水中に酸化鉄等の硬質粒子が含まれる場合、特に硬質粒子がシール面より硬い場合、シールすき間にかみ込まれてシール面に摩耗を発生させる。若しくは、シール面付近に衝突し、エロージョンを発生させる。
【0007】
あるいは、取り扱い水の流入量、吐出量の変動等によって軸が振動した場合、羽根車とステーターとが強く固体接触し、摺動、摩耗が生じる。
【0008】
従って、羽根車とステーター間のシール面は、摩耗を抑制することが求められる。
【0009】
上記、特開平7−151097号公報記載の発明は耐食性と耐エロージョン性とについてのみ検討されており、羽根車とステーターとの間の固体接触による摩耗、硬質粒子のかじり込みによる摩耗については検討されていない。
【0010】
本発明の目的は、羽根車とステーターとが強く接触、摺動する場合でも、或いは取り扱い水中に硬質粒子が存在する場合でも耐摩耗性、耐食性に優れ、長寿命を発揮できる遠心ポンプを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の特徴は、軸に多段に設けられた羽根車と、この羽根車の外周側に配置されたディフューザ及びステージと、前記羽根車の側板側に設けられた円筒部とを備え、この円筒部の外周面と対向する前記ディフューザの内周面との間に微小なすき間のシール面を形成すると共に、前記羽根車の心板側の外周面と対向するステ−ジ内周面との間にも微小なすき間のシール面を形成した多段の遠心ポンプにおいて、
前記羽根車側板円筒部の外周面、この円筒部の外周面と対向する前記ディフューザの内周面、前記羽根車の心板側の外周面、この外周面と対向するステ−ジ内周面のそれぞれに、炭化物と金属とを含む皮膜で被覆し、この皮膜を形成する前記炭化物は、WCまたはCr の少なくともいずれかを含み、前記皮膜を形成する前記金属は、Ni,Crの少なくともいずれかを含むことにある。
【0012】
好ましくは、皮膜のビッカース硬さを800以上とする。
【0013】
さらに好ましくは、前記皮膜は、WC−27%NiCrまたはCr −20%NiCrを溶射法によって被覆されたものであり、前記皮膜を形成する溶射法は高速フレーム溶射法にすると良い。
【0014】
また、前記羽根車側板円筒部の外周面と対向する前記ディフューザの内周面はステ−ジブッシュで構成され、前記羽根車の心板側の外周面と対向する前記ステ−ジ内周面はケ−シングリングで構成され、これらステ−ジブッシュ及びケ−シングリングの内周面に前記皮膜が形成されるように構成すると良い。
【0015】
更に、前記羽根車側板円筒部の外周面の皮膜は、前記ディフューザ内周面のステージブッシュ及び前記ステージ内周面のケーシングリングの皮膜より高硬度にすると良く、この場合、羽根車側板円筒部の外周面の皮膜を、高硬度のWC−27%NiCr溶射膜とし、前記ディフューザ内周面のステージブッシュ及び前記ステージ内周面のケーシングリングの皮膜を、Cr −20%NiCr溶射膜にすると良い。
なお、前記皮膜の厚さは0.2〜0.6mmの範囲で形成するようにするのが好適である。
【0016】
本発明は上記構成をし、次の作用によって羽根車とステーターとの間の摩耗を抑制する。
【0017】
羽根車の外周側に固定して配置される部材、特に羽根車の吸い込み側に固定して配置されるステ−ジに嵌めこまれるリング(以下、ケーシングリングという)の内周面および吐き出し側に配置されるディフューザに嵌めこまれるリング(以下、ステージブッシュという)の内周面と、羽根車の外周面とは微小なすき間を介して対向し、シール面を形成する。このシール面に被覆する炭化物と金属とを含む皮膜、特に炭化物としてWC、Cr3C2のいずれか若しくは両方を含み、金属としてNi,Crのいずれか若しくは両方を含む皮膜は、極めて高硬度の炭化物粒子WC、Cr3C2が、耐食性に優れるNi,Crに保持されて皮膜を形成するため、皮膜硬さが高く優れた耐摩耗性を有する。また耐食性に優れるため水中での使用に適している。従って、シール面同士が固体接触した場合でも、凝着が生じがたく、優れた耐摩耗性を発揮する。
【0018】
また、横軸式の多段遠心ポンプの使用条件では、取り扱い水中にFe3O4,Fe2O3等の酸化鉄が含まれる。これらの粒子径は約5〜25μmであり、粒子硬さはビッカース硬さ(以後Hvと略記する)は約Hv400〜600である。従って、サンドエロージョンおよび粒子のかじり込みが生じた場合、シール面の硬さがHv800以上であれば十分な耐摩耗性を発揮できる。
【0019】
羽根車と、ケーシングリング、ステージブッシュを比較した場合、ケーシングリング、ステージブッシュの方が交換、製作が羽根車よりも容易である。従って、ケーシングリング、ステージブッシュの内周面に、羽根車の外周面よりも硬さの低い皮膜を被覆することで、メンテナンスの作業が容易となる。しかしながら、それでもFe3O4,Fe2O3等の酸化鉄による摩耗は防がねば成らず、Hv800以上は必要である。
【0020】
従って、組み合わせとして、ケーシングリング、ステージブッシュ側がCr3C2、且つNi,Crのいずれか、若しくは両方を含む皮膜、羽根車側がWC、且つNi、Crいずれか、若しくは両方を含む皮膜とすることで、耐摩耗性、耐食性を満足し、さらにケーシングリング、ステージブッシュの内周面硬さを羽根車の外周面硬さより低い状態にすることができる。
【0021】
さらに、耐摩耗性を考慮すると、被覆する皮膜の膜厚は厚い方が有利である。しかし、厚すぎると皮膜形成時に発生する歪みによって、皮膜に亀裂が発生する。あるいは皮膜の母材への密着力が低下する。そのため、最大値として0.6mmまでが良好であり、耐摩耗性のためには最小値として0.2mmが必要である。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施例を図1から図3によって説明する。
図1は本発明の一実施例である、産業プラント等に用いられる横軸式の多段遠心ポンプの縦断面図である。多段遠心ポンプ1は、吸込フランジ2aより吸込まれた水が、軸3に固定され共に回転する羽根車4によって昇圧され、羽根車4の外周に設けたデイフューザ5に吐出され、デイフューザ5の外周に設けたステージ6に流入させ、ステージ6によって外向きの流れを内向きに変え、次段の羽根車4に導く昇圧行程を繰返して加圧され、吐出フランジ2bから吐出する構造である。軸3は軸受7によって両端で支持されている。
【0023】
図2は羽根車、デイフューザ、ステージ部分の拡大断面図、図3は羽根車、ステージブッシュ、ケーシングリングの組立て関係図である。
デイフューザ5、ステージ6は羽根車4の外周側に配置されている。より詳しくは、羽根車4の側板側に羽根車4と一体に形成された円筒部4a(以下、羽根車4側板円筒部という)の外周面に対向するデイフューザ5の内周には、ステージブッシュ51が嵌めこまれ、羽根車4の心板側の外周面に対向するステ−ジ6の内周にはケーシングリング61が嵌めこまれている(円筒部4aは羽根車4と別部材で形成し固定手段で両者を固定してもよい)。円筒部4aの外周面とステージブッシュ51の内周面、及び羽根車4の心板側の外周面とステージブッシュ51の内周面との間には微小なすき間が形成され、シールを形成している。
【0024】
羽根車4側板円筒部の外周面とステージブッシュ51、ケーシングリング61の内周面にWC−27%NiCr皮膜を溶射法によって被覆する。若しくはCr3C2−20%NiCr皮膜を溶射法によって被覆する。溶射法としては、高速フレーム溶射法を用いる。
【0025】
両面、同一組成でよいが、好ましくは羽根車4側を保護する意味で羽根車4側板円筒部の外周面に高硬度のWC−27%NiCr溶射膜、ステージブッシュ51、ケーシングリング61の内周面にCr3C2−20%NiCr皮膜を溶射法によって被覆した。
【0026】
本実施例では、WC−27%NiCrを高速フレーム溶射法によって被覆し、皮膜の硬さはHv800以上であった。この皮膜の硬さは、取り扱い水中にFe3O4,Fe2O3等の酸化鉄が含まれる使用条件でも、これらの粒子硬さHv400〜600に対して皮膜の硬さはHv800以上のため、十分な耐摩耗性を発揮できる。なお、皮膜の膜厚は、0.32mmであった。
【0027】
耐摩耗性を確認するため、図4に示す試験機を使用して、13%Crステンレス鋳鋼の母材(固定片A及び可動片A)、この母材の表面に高周波焼入を施した固定片B及び可動片Bと、またこの母材に本実施例を施した固定片C及び可動片Cを製作して、摩耗加速試験を実施した。摩耗条件は、Fe3O4水溶液濃度8000ppm、Fe3O4粒子の硬度Hv370〜600、粒子径5〜25μm、可動片の周速2.8m/s、面圧0.15kg/cm2とした。なお、母材(固定片A及び可動片Aの組み合わせ)の表面の硬さはHv204、母材の表面に高周波焼入を施した固定片B及び可動片Bの組み合わせのものの表面の硬さはHv610、本実施例を施した固定片C及び可動片Cの組み合わせのものの硬さはHv799であった。
【0028】
摩耗加速試験の結果、固定片A及び可動片Aのものは数分、固定片B及び可動片Bのものは2時間で摩擦面にかじり付きが生じたが、固定片C及び可動片Cのものは24時間後にもかじり付きを確認できなかった。
【0029】
この試験結果を、横軸に摺動距離(km)、縦軸に摩耗量(g)をとって両者の関係を図5に示す。固定片A及び可動片Aのものを△印、固定片B及び可動片Bのものを○印、固定片C及び可動片Cのものを●印の直線で示してあり、図より本実施例によるものの耐摩耗性は大幅に向上することは、明らかである。
【0030】
さらに、比摩耗量でこの試験結果を比較したものを図6に示す。図は横軸に比摩耗量(g/kg・m)をとり、ここで、比摩耗量とは、磨耗した重量を、摩擦面に加わっている荷重とすべった距離で割った値である。図から、本実施例による固定片C及び可動片Cのものの耐摩耗性は、他の固定片A及び可動片Aのもの、若しくは固定片B及び可動片Bのものより大幅に向上することは、明らかである。
【0031】
次に、同じく図4の試験機を使用し、可動片の周速を17m/sとして、固定片C及び可動片Cのものについて摩耗加速試験を実施した。48時間後にも固定片C及び可動片Cのものは摩擦面にかじり付きを確認できなかった。可動片の周速が17m/sの結果の摩耗距離と摩耗量の関係を図7に示す。図7より本実施例の固定片C及び可動片Cのものの耐摩耗性は長期間にわたり大幅に向上することは明らかである。
【0032】
図8はシ−ル面の拡大断面図である。円筒部4aの外周面、及びこの外周面4aと対向するディフューザ51の内周面を平行平面に形成したものである。
【0033】
図9はシ−ル面の他の実施例の拡大断面図である。円筒部4aの外周面を平面に形成し、この外周面4aと対向するディフューザ51の内周面にラビリンス溝加工を施したものである。
【0034】
図10にラビリンス溝加工を施したシ−ル面を加工する際の加工工程を示す。まず、ディフューザ51の内周面を平面に加工した後にラビリンス溝加工を行う。次に、ラビリンス溝加工を施した面に皮膜を形成して最後にシ−ル部内面に研磨加工を施すものである。
【0035】
なお、上記実施例はディフューザ内周にステ−ジブッシュを嵌めこみ、ステ−ジ内周にケ−シングリングを嵌めこみ、ステ−ジブッシュ及びケ−シングリングの内周面を皮膜で被覆しているが、ディフューザ内周面及びステ−ジブッシュの内周面に直接、皮膜で被覆してもよい。この場合、皮膜が摩耗した際の皮膜の再被覆の作業性が若干劣る。
【0036】
上述するように、取り扱い水中に酸化鉄等の硬質粒子が含まれる場合、特に硬質粒子がシール面より硬い場合、シールすき間にかみ込み、若しくはシール付近に衝突し、且つシール面同士が固体接触した場合でも、シール面の摩耗・エロージョンの発生を抑制・防止でき、耐摩耗性の向上を図ることができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、羽根車側板円筒部の外周面、この円筒部の外周面と対向する前記ディフューザの内周面、羽根車の心板側の外周面、この外周面と対向するステ−ジ内周面のそれぞれに、炭化物と金属とを含む皮膜で被覆し、この皮膜を形成する前記炭化物は、WCまたはCr の少なくともいずれかを含み、前記皮膜を形成する前記金属は、Ni,Crの少なくともいずれかを含むものとしているので、以下の効果が得られる。
多段の遠心ポンプにおいては、羽根車側板円筒部の外周面と対向するディフューザの内周面との間に微小なすき間のシール面を形成すると共に、羽根車心板側外周面と対向するステ−ジ内周面との間にも微小なすき間のシール面を形成しているため、ポンプの起動、停止時、あるいは取り扱い水の流入量、吐出量の変動等によって軸振動が大きくなり、前記シール面において羽根車側とステータ側が強く固体接触することがある。しかし、前記シール面を構成する前記皮膜は、極めて高硬度の炭化物粒子WC、Cr が、耐食性に優れるNi,Crに保持されて形成されているため、皮膜硬さが高く優れた耐摩耗性を有し、シール面同士が固体接触した場合でも凝着が生じ難く、優れた耐摩耗性を発揮し、更に水中で使用される前記シール面の耐食性も向上できる効果がある。
【0038】
また、本発明によれば、シール面を構成する部材表面に溶射などの手段で、炭化物と金属とを含む皮膜を形成するようにしているから、母材の材質を変更せずに、羽根車とステ−ジ、ディフューザの耐摩耗性、耐食性の向上を図ることができる。また、多段遠心ポンプの使用条件では、取り扱い水中にFe ,Fe 等の酸化鉄が含まれることが多く、これらは径が約5〜25μmの硬質粒子となり取り扱い水中に含まれるが、本発明により、耐摩耗性及び耐エロージョン性を向上できるので、多段遠心ポンプの信頼性を向上させ、且つ長寿命化も図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の多段遠心ポンプの縦断面図である。
【図2】図1の実施例の羽根車、ディフューザ、ステージ部分の拡大断面図である。
【図3】図1の実施例の羽根車、ケーシングリング、ステージブッシュの組立て関係図である。
【図4】耐摩耗性を試験するための摩耗加速試験機の断面図である。
【図5】図4の摩耗加速試験機による摩耗量の試験結果を示す図である。
【図6】図4の摩耗加速試験機による比摩耗量の試験結果を示す図である。
【図7】図4の摩耗加速試験機による摩耗量の試験結果を示す図である。
【図8】シ−ル面の拡大断面図である。
【図9】シ−ル面の他の実施例の拡大断面図である。
【図10】ラビリンス溝加工を施したシ−ル面を加工する際の加工工程図である。
【符号の説明】
1・・・多段遠心ポンプ、
2a・・吸込フランジ、
2b・・吐出フランジ、
3・・・軸、
4・・・羽根車、
5・・・ディフューザ、
6・・・ステージ、
7・・・軸受、
51・・ステージブッシュ、
61・・ケーシングリング0。

Claims (8)

  1. 軸に多段に設けられた羽根車と、この羽根車の外周側に配置されたディフューザ及びステージと、前記羽根車の側板側に設けられた円筒部とを備え、この円筒部の外周面と対向する前記ディフューザの内周面との間に微小なすき間のシール面を形成すると共に、前記羽根車の心板側の外周面と対向するステ−ジ内周面との間にも微小なすき間のシール面を形成した多段の遠心ポンプにおいて、
    前記羽根車側板円筒部の外周面、この円筒部の外周面と対向する前記ディフューザの内周面、前記羽根車の心板側の外周面、この外周面と対向するステ−ジ内周面のそれぞれに、炭化物と金属とを含む皮膜で被覆し、この皮膜を形成する前記炭化物は、WCまたはCr の少なくともいずれかを含み、前記皮膜を形成する前記金属は、Ni,Crの少なくともいずれかを含むものであることを特徴とする遠心ポンプ。
  2. 請求項1において、前記皮膜は、WC−27%NiCrまたはCr −20%NiCrを溶射法によって被覆されたものであることを特徴とする遠心ポンプ。
  3. 請求項2において、前記皮膜を形成する溶射法は高速フレーム溶射法であることを特徴とする遠心ポンプ。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記羽根車側板円筒部の外周面と対向する前記ディフューザの内周面はステ−ジブッシュで構成され、前記羽根車の心板側の外周面と対向する前記ステ−ジ内周面はケ−シングリングで構成され、これらステ−ジブッシュ及びケ−シングリングの内周面に前記皮膜が形成されていることを特徴とする遠心ポンプ。
  5. 請求項4において、羽根車側板円筒部の外周面の皮膜は、前記ディフューザ内周面のステージブッシュ及び前記ステージ内周面のケーシングリングの皮膜より高硬度にしたことを特徴とする遠心ポンプ。
  6. 請求項5において、羽根車側板円筒部の外周面の皮膜は、高硬度のWC−27%NiCr溶射膜であり、前記ディフューザ内周面のステージブッシュ及び前記ステージ内周面のケーシングリングの皮膜は、Cr −20%NiCr溶射膜であることを特徴とする遠心ポンプ。
  7. 請求項1〜6において、皮膜はビッカース硬さが800以上であることを特徴とする遠心ポンプ。
  8. 請求項1〜7において、前記皮膜の厚さは0.2〜0.6mmであることを特徴とする遠心ポンプ。
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