JP3571003B2 - 通信装置及びfpgaのコンフィグレーション方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ルータ等の通信装置に関し、特にプロセッサ等を有する共通部と拡張機能に応じて設けられる拡張部とに分かれ、内部にFPGA(Field Programmable Gate Arrays)を備えた通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通信装置等の各種装置に組み込まれるプリント基板では、装置に要求される多くの機能を実現するために、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)等の集積回路装置が使用されている。しかしながら、ASICの開発には3〜6ヶ月の長期日数が必要であり、激変する市場ニーズに対応して開発期間の短縮が求められる昨今では、高性能で大規模なプログラマブル・ロジック・ソリューションであるFPGAの使用が増大している。
【0003】
FPGAは、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等に記録されたプログラム(コンフィグレーションデータ)にしたがって所定の論理回路を構成するものであり、プログラムを変えることで様々な機能を実現することができる。
【0004】
一方、近年のインターネットでは、そのインフラ(WAN PHY)として、POS(Packet Over Sonet)、ATM(Asynchronous Transfer Mode)、Ethernet等の様々な伝送方式が知られている。さらには各伝送方式において、100MHz、155MHz、622MHz、1GHz、2.4GHz等の伝送帯域が規格化されているため、これらの伝送方式や伝送帯域に対応するためにルータ等の通信装置には多数のラインインターフェース(ラインアグリゲーション)が要求される。
【0005】
したがって、近年の通信装置は、フォワーディング(ルーティング)処理等を行う共通部と、拡張機能に応じて設けられる拡張部とに分かれた構成が一般的であり、拡張部のみを交換することで様々なラインアグリゲーションに対応できるようにしている。具体的には、共通部はCPUやメモリが搭載されたマザーボード等のプリント基板であり、拡張部はPOS、ATMあるいはEthernet等により外部とデータを送受信するための通信用ボードである。
【0006】
図3は従来の通信装置の構成を示すブロック図である。
【0007】
図3に示すように、従来の通信装置は、共通部4と、送受信データの終端処理を行う複数の拡張部5とを有し、共通部4と拡張部5とがデータ伝送ラインである拡張部−共通部インターフェース6を介してそれぞれ接続された構成である。なお、図3では、POSのOC−3(155MHz)、及びFast Ethernet(100MHz)に対応して2つの拡張部5が設けられた構成を示している。拡張部−共通部インターフェース6は複数の種類が存在し、ラインインターフェースは拡張部−共通部インターフェース6よりも多数の種類が存在する。
【0008】
共通部4は、拡張部5と送受信するデータのフォワーディング処理等を行うネットワークプロセッサ(以下、NPと称す)41と、拡張部5とNP41間で送受信されるデータをそれぞれの処理形態に応じたフォーマットに変換するFPGAから成る複数の拡張−NPインターフェース部42と、拡張−NPインターフェース部42を所定の論理回路として動作させるためのコンフィグレーションデータが格納された複数のコンフィグレーション用EEPROM44と、送信用バッファ機能及び受信用バッファ機能をそれぞれ備え、拡張部と共通部間でデータを送受信する際のデータ破損防止用デバイスである複数のドライバ/レシーバ部(Drv/Rcv)43とを有する構成である。なお、拡張−NPインターフェース部42、ドライバ/レシーバ部43、及びコンフィグレーション用EEPROM44は、複数の拡張部5に対応してそれぞれ設けられている。
【0009】
また、拡張部5は、ラインインターフェースに応じて送受信されるデータを終端するラインインターフェース部51と、共通部4とラインインターフェース間で送受信されるデータをそれぞれの処理形態に応じたフォーマットに変換するFPGAから成るライン−共通インターフェース部54と、送信用バッファ機能及び受信用バッファ機能をそれぞれ備え、拡張部5と共通部4間でデータを送受信する際のデータ破損防止用デバイスであるドライバ/レシーバ部(Drv/Rcv)53と、ライン−共通インターフェース部54を所定の論理回路として動作させるためのコンフィグレーションデータが格納されたコンフィグレーション用EEPROM52とを有する構成である。
【0010】
このような構成において、電源投入時、共通部4では、複数のコンフィグレーション用EEPROM44からそれぞれに対応する拡張−NPインターフェース部42にコンフィグレーションデータがダウンロードされ、各拡張−NPインターフェース部42は、拡張部5からNP41、あるいはNP41から拡張部5にデータを転送する際に、該データを転送先のフォーマットへ変換するための変換回路として動作する。
【0011】
一方、拡張部5では、コンフィグレーション用EEPROM52からライン−共通インターフェース部54にコンフィグレーションデータがダウンロードされ、各拡張−NPインターフェース部54は、共通部4からラインインターフェース、あるいはラインインターフェースから共通部4にデータを転送する際に、該データを転送先のフォーマットへ変換するための変換回路として動作する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の通信装置では、多種類のラインインターフェースからのデータをそれぞれ終端し、共通インターフェースへの変換を行うためにインターフェースの両端にFPGAやASICを使用している。ラインインターフェースは複数種類存在するため、拡張部と共通部間のデータフォーマットの統一は困難である。
【0013】
データフォーマットを変換するためには、図3で示した構成だけでなく、データフォーマットを変換するための変換回路を、共通部あるいは拡張部のいずれか一方にのみ実装する構成も考えられる。
【0014】
しかしながら、共通部あるいは拡張部のいずれか一方にのみ変換回路を実装した場合は変換回路の回路規模が大きくなってしまうという問題がある。特に、共通部にのみ変換回路を実装した場合は、拡張部を追加する度に共通部のコンフィグレーション用EEPROMの内容を書き換えなければならないため、拡張が容易に行えないという問題が発生する。
【0015】
したがって、従来の通信装置では、図3に示すように変換回路(回路規模が中程度)を共通部及び拡張部にそれぞれに実装していた。
【0016】
近年、競争が激化する通信分野においては、通信装置の原価低減や低消費電力化は必須であり、回路規模や消費電力の増大あるいは拡張性の悪化は極力避けなければならない課題である。
【0017】
本発明は上記したような従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、性能や信頼性、あるいは拡張性を悪化させることなく回路規模を低減することが可能な通信装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の通信装置は、プロセッサを有する共通部と、拡張機能に応じて設けられる拡張部と、
を有する通信装置であって、
前記共通部に、
前記拡張部と前記プロセッサ間で送受信されるデータをそれぞれの処理形態に応じたフォーマットに変換するFPGAから成る拡張−NPインターフェース部を備え、
前記拡張部に、
前記FPGAを所定の論理回路として動作させるためのコンフィグレーションデータが格納されたコンフィグレーション用メモリを備えた構成である。
【0019】
このとき、前記拡張−NPインターフェース部は、
複数の前記拡張部に対応してそれぞれ設けられてもよく、
前記コンフィグレーションデータを伝送するための伝送ラインである拡張部−共通部インタフェースを複数の前記拡張部毎にそれぞれ有していてもよい。
【0020】
一方、本発明のFPGAのコンフィグレーション方法は、
プロセッサを有する共通部と、
拡張機能に応じて設けられる拡張部と、
を有する通信装置の内部に備えるFPGAをコンフィグレーションするためのコンフィグレーション方法であって、
予め、前記共通部に、前記FPGAから成る、前記拡張部と前記プロセッサ間で送受信されるデータをそれぞれの処理形態に応じたフォーマットに変換するための拡張−NPインターフェース部を備えておき、
前記拡張部を起動したら、該拡張部のラインインタフェースの種別に応じたコンフィグレーションデータを前記拡張−NPインターフェース部にダウンロードする方法である。
【0021】
このとき、前記拡張−NPインターフェース部を、
複数の前記拡張部に対応してそれぞれ設けてもよく、
前記共通部と拡張部とを、
前記コンフィグレーションデータを伝送するための伝送ラインである拡張部−共通部インタフェースでそれぞれ接続してもよい。
【0022】
上記のような通信装置及びFPGAのコンフィグレーション方法では、共通部のみにFPGAを実装し、拡張部のコンフィグレーション用EEPROMから共通部のFPGAにコンフィグレーションデータを転送することで、通信装置の性能や信頼性、あるいは拡張性を悪化させることなく、部品点数を削減することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
次に本発明について図面を参照して説明する。
【0024】
上述したように、従来の通信装置では共通部と拡張部とにFPGA及びコンフィグレーション用メモリ(EEPROM)がそれぞれ実装されていた。本発明の通信装置では、共通部にFPGAを実装し、拡張部にコンフィグレーション用メモリを実装し、拡張部のコンフィグレーション用メモリから共通部のFPGAにコンフィグレーションデータを転送(ダウンロード)する構成である。
【0025】
図1は本発明の通信装置の一構成例を示すブロック図である。
【0026】
図1に示すように、本発明の通信装置は、共通部1と、送受信データの終端処理を行う複数の拡張部2とを有し、共通部1と拡張部2とがデータ伝送ラインである拡張部−共通部インターフェース3を介してそれぞれ接続された構成である。なお、図1では、POSのOC−3(155MHz)、及びFast Ethernet(100MHz)に対応して2つの拡張部2が設けられた構成を示している。拡張部2の数は2つに限定されるものではなく、上述したように通信装置に接続される複数種類のラインインターフェースに応じてそれぞれ設けられる。
【0027】
共通部1は、拡張部2と送受信するデータのフォワーディング処理等を行うNP11と、拡張部2とNP11間で送受信されるデータをそれぞれの処理形態に応じたフォーマットに変換するFPGAから成る複数の拡張−NPインターフェース部12と、送信用バッファ機能及び受信用バッファ機能をそれぞれ備え、拡張部と共通部間でデータを送受信する際のデータ破損防止用デバイスである複数のドライバ/レシーバ部(Drv/Rcv)13とを有する構成である。なお、拡張−NPインターフェース部12は複数の拡張部2に対応してそれぞれ設けられている。また、ドライバ/レシーバ部13は、複数の拡張部2毎にそれぞれ2つずつ設けられている。
【0028】
拡張部2は、ラインインターフェースに応じて送受信されるデータを終端するラインインターフェース部21と、送信用バッファ機能及び受信用バッファ機能をそれぞれ備え、拡張部2と共通部1間でデータを送受信する際のデータ破損防止用デバイスであるドライバ/レシーバ部(Drv/Rcv)23と、共通部1が有する拡張−NPインターフェース部12を所定の論理回路として動作させるためのコンフィグレーションデータが格納された複数のコンフィグレーション用EEPROM22とを有する構成である。
【0029】
なお、ドライバ/レシーバ部23は、複数の拡張部2毎にそれぞれ2つずつ備え、一方はフォワーディング処理対象のデータを共通部1と送受信するために使用され、他方はコンフィグレーションデータを共通部1に送信するために使用される。
【0030】
このような構成において、共通部1に実装される拡張−NPインターフェース部12は、拡張部2に実装されるコンフィグレーション用EEPROM22に格納されたコンフィグレーションデータにしたがってラインインターフェースとNP間で送受信されるデータのフォーマットの変換を行う。
【0031】
拡張部2はラインインターフェース毎に複数種類存在し、各種類毎に設けられた専用のコンフィグレーション用EEPROM22から共通部1の拡張−NPインターフェース部12の内容を書き換える。
【0032】
拡張部2は通信装置に接続されるラインインターフェースの種別により複数の種類が存在する。ラインインターフェースの種類は、例えば、POS(155MHz、622MHz、2.4GHz、…)、ATM(155MHz、622MHz)、Ethernet(10MHz、100MHz、1GHz、10GHz、…)等がある。
【0033】
このように、共通部1のみにFPGAを実装し、拡張部2にコンフィグレーション用EEPROMを実装し、拡張部1のコンフィグレーション用EEPROMから共通部1のFPGAにコンフィグレーションデータを転送することで、通信装置の性能や信頼性、あるいは拡張性を悪化させることなく、部品点数を削減して回路の簡易化が可能であり、低価格化、及び低消費電力化を実現することができる。
【0034】
次に、本発明の通信装置の動作について図2を用いて説明する。
【0035】
図2は図1に示した通信装置の処理手順を示すフローチャートである。
【0036】
図2に示すように、まず、共通部1へ電源を投入し(投入の手段は任意:ステップS1)、共通部1を起動する(ステップS2)。但し、この段階では拡張−NPインターフェース部12(FPGA)に対するコンフィグレーションデータのダウンロードは行われない。
【0037】
次に、共通部1に拡張部2を実装すると(ステップS3)、共通部1に拡張部2が接続されることにより共通部1から拡張部2へ電源が供給される(ステップS4)。拡張部2は電源が供給されることで起動される(ステップS5)。
【0038】
拡張部2が起動されると、拡張部2に実装されたコンフィグレーション用EEPROM22からラインインターフェースの種別毎のコンフィグレーションデータが拡張部−共通部インターフェース3を介して共通部1の拡張−NPインターフェース部12にダウンロードされ(ステップS6)、FPGAから成る拡張−NPインターフェース部が該データにしたがってコンフィグレーションされる(ステップS7)。
【0039】
ここで、コンフィグレーションが成功した場合は、共通部1及び拡張部2はそれぞれ正常に動作を開始する(ステップS8)。
【0040】
一方、コンフィグレーションが失敗した場合、共通部1及び拡張部2は、異常の発生を外部に通知するためのLEDを点灯させ(ステップS9)、異常を表示した状態で動作を停止させる(ステップS10)。
【0041】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように構成されているので、以下に記載する効果を奏する。
【0042】
共通部のみにFPGAを実装し、拡張部のコンフィグレーション用EEPROMから共通部のFPGAにコンフィグレーションデータを転送することで、通信装置の性能や信頼性、あるいは拡張性を悪化させることなく、部品点数を削減することができる。したがって、通信装置の低価格化、及び低消費電力化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の通信装置の一構成例を示すブロック図である。
【図2】図1に示した通信装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】従来の通信装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 共通部
2 拡張部
3 拡張部−共通部インターフェース
11 ネットワークプロセッサ
12 拡張−NPインターフェース部
13、23 ドライバ/レシーバ部
21 ラインインターフェース部
22 コンフィグレーション用EEPROM

Claims (6)

  1. プロセッサを有する共通部と、
    拡張機能に応じて設けられる拡張部と、
    を有する通信装置であって、
    前記共通部に、
    前記拡張部と前記プロセッサ間で送受信されるデータをそれぞれの処理形態に応じたフォーマットに変換するFPGAから成る拡張−NPインターフェース部を備え、
    前記拡張部に、
    前記FPGAを所定の論理回路として動作させるためのコンフィグレーションデータが格納されたコンフィグレーション用メモリを備えた通信装置。
  2. 前記拡張−NPインターフェース部が、
    複数の前記拡張部に対応してそれぞれ設けられた請求項1記載の通信装置。
  3. 前記コンフィグレーションデータを伝送するための伝送ラインである拡張部−共通部インタフェースを複数の前記拡張部毎にそれぞれ有する請求項1または2記載の通信装置。
  4. プロセッサを有する共通部と、
    拡張機能に応じて設けられる拡張部と、
    を有する通信装置の内部に備えるFPGAをコンフィグレーションするためのコンフィグレーション方法であって、
    予め、前記共通部に、前記FPGAから成る、前記拡張部と前記プロセッサ間で送受信されるデータをそれぞれの処理形態に応じたフォーマットに変換するための拡張−NPインターフェース部を備えておき、
    前記拡張部を起動したら、該拡張部のラインインタフェースの種別に応じたコンフィグレーションデータを前記拡張−NPインターフェース部にダウンロードするFPGAのコンフィグレーション方法。
  5. 前記拡張−NPインターフェース部を、
    複数の前記拡張部に対応してそれぞれ設ける請求項4記載のFPGAのコンフィグレーション方法。
  6. 前記共通部と拡張部とを、
    前記コンフィグレーションデータを伝送するための伝送ラインである拡張部−共通部インタフェースでそれぞれ接続する請求項4または5記載のFPGAのコンフィグレーション方法。
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