JP3560411B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、装置本体の上面に原稿を押える圧板をヒンジ部材により開閉可能に設けた複写機等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばアナログ複写機では、原稿を装置本体の上面に設けたコンタクトガラス上にセットし、それを装置本体に対して開閉可能な圧板で上から押えた状態で、その原稿に露光ランプからの光を照射して原稿全面を露光走査し、それによって複写画像を得るようにしている。
このような原稿を押える圧板は、通常のものでは、その開閉方向が1方向に限られているが、中にはその圧板の開閉方向を複数の方向から開閉できるようにしたものがある(例えば特開昭57−86863号及び特開昭59−9651号公報参照)。
【0003】
また、本出願人は先に特願平7−213983号(原稿押さえ部材の枢支装置)を出願し、その中で圧板(原稿押さえ部材)を樹脂で形成したヒンジにより装置本体に対して開閉可能に支持し、そのヒンジを樹脂の弾性力を利用して装置本体に対して容易に着脱できるようにすると共に、そのヒンジの装置本体に対する取り付け位置を変更することによって圧板の開閉方向を2方向に変えることができるようにした複写機を提案している。
【0004】
すなわち、図17に示すように、装置本体50の上面に互いに対向する係合側縁部51aと51bとを有する角状のヒンジ係合孔51を形成し、そのヒンジ係合孔51内にヒンジ52を、押圧突起52eを強制的に矢示A方向に押圧して弾性フック部52bを非弾性フック部52a側に撓ませ、その状態で弾性フック部52bと非弾性フック部52aとをヒンジ係合孔51に図19に示すように嵌入させ、非弾性フック部52aを係合側縁部51bに、弾性フック部52bを係合側縁部51aにそれぞれ係合させるようにしている。
【0005】
そのヒンジ52には、一対のピン部52d,52dが形成されていて、そこに図18に示すように圧板54のフック54aが回動可能に係合することによって、圧板54が一対のヒンジ52により回動可能に支持されるようになっている。そして、そのヒンジ52を係合させる図17に示すヒンジ係合孔51を、装置本体50の上面の2辺に沿ってそれぞれ2個所ずつ形成している。したがって、その一対のヒンジ52,52の装置本体50の各ヒンジ係合孔51への係合位置を変更すれば、圧板54を2方向に開閉方向を自由に変えることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図19に示したような支持構造で圧板54をヒンジ52により開閉可能に支持している場合には、図20に示すように圧板54を開放すると、その圧板54の重量の全てをヒンジ52の腕部52fが受けるようになる。
そのため、圧板54を図示の開放限まで回動させると、ヒンジ52の側面下端54bがそのヒンジ52の腕部52fに当接することによってその回動が規制されて、その腕部52fの側面下端54bが当接する部分には回転モーメントによって大きな加重が集中する。
【0007】
したがって、ヒンジ52を安価に形成するために、それを樹脂による成形で形成している場合には、圧板54を図示の開放限まで回動させると、その腕部52fに加わる集中加重によりそれが大きく撓んだり、勢いよく圧板54を開いたときにはそれが折れてしまう恐れもあった。
そして、圧板54の開き角度が図示のように大きくなるため(90゜よりもかなり大きな鈍角)、その圧板54の開放限では圧板54の重心Gの位置が、回動支点となるヒンジ52のピン部52dから離れることによって(距離L)回転モーメントが大きくなるため、誤って矢示B方向に無理な力を加えてしまった場合にはヒンジ52の腕部52fが簡単に破損してしまう恐れがあった。
【0008】
この発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、圧板を開き過ぎることなしにその開放角度を狙いとする角度に規制することができ、その開放位置では安定感のある開放状態を保つことができるようにし、さらに圧板の開閉操作で圧板を回動可能に支持するヒンジ部材が簡単に破損したりしないようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、所定の位置にセットされた原稿を上から押える圧板が装置本体に対してヒンジ部材により開閉可能に支持された画像形成装置において、上記圧板の開放時にその圧板の上記ヒンジ部材側の側面に当接した状態でその圧板の開放角度を規制する圧板開放角規制部材を装置本体の上面に設け、上記圧板開放角規制部材に圧板を開放した際にその開放過程でその圧板の上記ヒンジ部材側の端部を圧板が上記開放角度が規制される位置まで連続して摺接させる傾斜面を形成したものである。
このようにすれば、圧板を開放状態にすると、その圧板のヒンジ部材側の側面が装置本体の上面に設けられた圧板開放角規制部材に当接して、その開放角度が規制される。
【0010】
したがって、その開放状態で圧板の重量は圧板開放角規制部材を介して装置本体で受けられるので、その圧板の重量がヒンジ部材だけで受けられるときに比べて安定感のある保持状態で開放角度規制ができると共に、その開放角度を狙いとする角度に規制することができる。
さらに、圧板の重量を圧板開放角規制部材で受けることにより、圧板を支持するヒンジ部材の回動支点を中心とする回転モーメントの発生を抑えることができるので、圧板の開閉操作でヒンジ部材が簡単に破損したりするようなことがない。
【0011】
また、圧板開放角規制部材に、圧板を開放した際にその開放過程で圧板のヒンジ部材側の端部を圧板が開放角度が規制される位置まで連続して摺接させる傾斜面を形成しているので、圧板を開放した際に、その圧板のヒンジ部材側の端部が圧板開放角規制部材の傾斜面上を摺接しながら開放される。したがって、円滑な圧板開放操作ができると共に急激な圧板開放による衝撃でヒンジ部材や圧板の一部を破損させてしまうのも防止することができる。
【0012】
さらに、圧板開放角規制部材は、圧板を閉じたときにその圧板の下側に略全体が隠れる位置に配設するとよい。そうすれば、圧板開放角規制部材は圧板を閉じればその下側に略全体が隠れるので、外観上の見栄えがよくなる。
また、その圧板開放角規制部材を、圧板の開放角度を90度に近い鈍角に規制する高さに形成するとよい。
そうすれば、圧板の重心が圧板開放角規制部材のほとんど真上に位置するようになるので、ヒンジ部材の回動支点の回りに作用して圧板を更に開こうとする回転モーメントがほとんど作用しなくなる。したがって、圧板にさらに開放側に力が加えられにくくなるので、その無理開きによるヒンジ部材や圧板の破損を起きにくくすることができる。
【0013】
さらに、上記ヒンジ部材に、それを圧板へ取り付けた状態でその圧板の上面及びヒンジ部材側の側面に平行する方向に延びる支軸を突設し、その主軸が圧板に形成された係合孔に上記側面に平行する横方向から嵌入されて圧板がヒンジ部材に回動可能に支持されるようにするとよい。
このようにすれば、ヒンジ部材の圧板に形成された係合孔への取付方向が圧板の開放方向と異なる方向になるので、圧板の開閉操作時にその圧板がヒンジ部材から脱落しにくくなるため、堅固な圧板支持ができる。
【0014】
また、そのヒンジ部材の支軸の先端部に、その支軸を圧板側の係合孔に嵌入させた状態でその支軸の上記係合孔からの脱落を防止する凸部を設けるとよい。そうすれば、ヒンジ部材を圧板に取り付けた状態で、それを装置本体の上面に取り付ける際に圧板を傾けるようなことがあっても、ヒンジ部材は先端部に形成された凸部により圧板の係合孔から脱落しないので、ヒンジ部材の装置本体への取付作業を簡単に行なうことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図3はこの発明の一実施形態例を示す画像形成装置であるアナログ複写機を示す分解斜視図、図4は同じくそのアナログ複写機の全体の構成を示す概略構成図である。
この画像形成装置であるアナログ複写機は、図3に示す装置本体1の上面1aに固定されたコンタクトガラス6上にセットされた原稿を上から押える圧板21を、装置本体1に対してヒンジ22A,22Bにより開閉可能に支持している。
【0016】
その圧板21は、装置本体1に対して矢示Bと矢示Cの2方向からそれぞれ開閉できるようになっており、そのため装置本体1の上面1aには、圧板21に取り付けたヒンジ22A,22Bをそれぞれ嵌入させるためのヒンジ係合孔31A,31Bと31C,31Dを形成している。
なお、この4個のヒンジ係合孔31A,31B及び31C,31Dは、そのうち使用しない側の2個については外観上の見栄えをよくするため、そこに図示しないヒンジキャップをスナップフィット(パッチン止め)で取り付けることができるようになっている。
【0017】
圧板21には、その開閉方向をいずれの方向に変えても、その圧板21を開閉可能に支持する支持位置から最も離れた位置になる角部23に、圧板開閉用の取っ手24を樹脂の一体成形により形成している。
その圧板21は、2つのヒンジ22A,22Bにより装置本体1に簡単に取り付けることができ、その取付後はそれが開閉動作程度では容易に外れないようになっている。
【0018】
また、このアナログ複写機は、圧板21の開閉が可能な2辺41,42にそれぞれ対応する装置本体1の各外面1b,1cに、複写動作をスタートさせるスタートキー43を含む各種の操作キー44等を備えた1つの操作部40を選択的にネジ45により装着可能に設けている。
そして、スタートキー43を、図示のように操作部40上で取っ手24から離れた位置となる操作部40の長手方向の略中央に配設し、操作部40の装置本体1への取付位置を変更したときに、共に取っ手24から最も離れるようにしている。
【0019】
このようにすることによって、圧板21の開閉方向を矢示Bから矢示C方向へ、あるいはその逆の矢示Cから矢示B方向へ変えた際には、その開閉方向に応じて操作部40の装着位置を変えることができるので操作がしやすい。
また、スタートキー43はその操作部40上で取っ手24から離れた位置になるので、その取っ手24を持って圧板21を開閉した際に誤ってスタートキー43を押して誤動作させてしまうのを防止できる。
【0020】
このアナログ複写機は、装置本体1の後部側(図3で左方側)に用紙排出部10を設けている。そして、図4に示すように給紙カセット3から給紙されて画像が形成された用紙Pを、その用紙排出部10に排出するようにしている。
その用紙排出部10は、装置本体1内の作像部2で画像が形成された後に排出される用紙Pを、装置本体1内の後部で排紙トレイ5,9上に先端側が略直立した状態で積載するものである。
そして、装置本体1に、排紙トレイ5,9に積載された用紙Pの上端側の一部を装置本体1の上面1aから突出可能にする開口部4を設け、用紙排出部10の排紙トレイ5の下端から開口部4までの長さLを、給紙カセット3から通常給紙される用紙Pの給紙方向の長さL1 よりも短くしている。
【0021】
この複写機は、装置本体1内の作像部2にドラム状の感光体11を有しており、その回りには帯電装置12と、現像装置16と、転写・分離チャージャ17と、クリーニングユニット18がそれぞれ配設されている。
そして、コンタクトガラス6上にセットされて、矢示B方向に開閉可能な圧板21により押えられた原稿を照射した光の反射光が、光学系19により感光体11の表面に入射して、帯電装置12によって一様に帯電された帯電面が露光されてそこに静電潜像が形成され、それが現像装置16によって供給されるトナーにより現像されてトナー像(可視像)となる。
【0022】
一方、給紙カセット3内の用紙Pは、所定のタイミングで回転する給紙ローラ7により1枚ずつ送り出され、それがレジストローラ対13で一旦停止されてタイミング調整された後に、感光体11上のトナー像と一致する正確なタイミングで転写・分離チャージャ17が設けられている転写部に向けて搬送される。
その用紙Pは、図4で上面側にトナー像が転写され、それが感光体11から分離されて定着装置15へ搬送され、そこでトナーが定着された後に装置本体1の後部に配設されている用紙排出部10の排紙トレイ5,9上に排出されて、そこに積載される。
そして、その転写終了後に感光体11上に残った残留トナーは、クリーニングユニット18により取り除かれ、その感光体11上に残った残留電位は図示しない除電ランプにより取り除かれて、次の帯電装置12による帯電に備える。
【0023】
ところで、このアナログ複写機は、図3で説明したように圧板21を2つのヒンジ22A,22Bで装置本体1に対して開閉可能に支持している。そして、そのヒンジ22Aは図5及び図6に示すような形状をしており、そこには図7に示すようにそのヒンジ22Aを圧板21へ取り付けた状態でその圧板21の上面21a(図3)及び側面21bに平行する方向(図で左右方向)に延びる支軸25,25が突設されていて、その主軸25が図示のように圧板21に形成された各支軸係合孔28,28に、側面21bに平行する横方向(矢示E方向)から嵌入されて圧板21がヒンジ22Aに回動可能に支持されるようになっている。
【0024】
そして、もう一方のヒンジ22Bは、一対の支軸25,25の位置がヒンジ22Aに対して逆側に形成されている点のみが異なる。
ヒンジ22Aには、図8に示すように一方の支軸25の先端部に、その支軸25を圧板21側の支軸係合孔28に嵌入させた状態で、その支軸25の支軸係合孔28からの脱落を防止する半球状の凸部34(樹脂による一体成形)が形成されている。
【0025】
また、その凸部34を形成した側の支軸25の先端部に、軸方向にすり割り36を形成し、支軸25を支軸係合孔28に対して図8の矢示E1 方向に嵌入させた際に、その嵌入の過程で凸部34が支軸係合孔28に当接し、支軸25の先端部分がすり割り36によって撓んで、凸部34が支軸係合孔28内を通過した後に樹脂の持つ弾性力により復帰して、支軸25がその凸部34により容易に支軸係合孔28から抜けないようにしている。
なお、この凸部34は、ヒンジ22Bの一方の支軸25にも同様に形成されている。
【0026】
ヒンジ22A,22Bは、共に樹脂で一体成形により形成されており、ヒンジ22Aは図5に示すように、装置本体1のヒンジ係合孔31A,31Cにそれぞれ形成されている一方の係合側縁部31aに係合する弾性を有さない非弾性フック部32と、他方の係合側縁部31bに係合する弾性変形可能な弾性フック部33とを有している。
同様に、ヒンジ22Bは、装置本体1のヒンジ係合孔31B,31Dにそれぞれ形成されている係合側縁部31aに係合する弾性を有さない非弾性フック部32と、他方の係合側縁部31bに係合する弾性変形可能な弾性フック部33とを有している。
【0027】
そして、その弾性フック部33を、図6に示すように圧板21の開閉側の端部(図で右方)から非弾性フック部32よりも離れた位置(図で左側)になるように配置して、ヒンジ22Aをヒンジ係合孔31A又は31Cに、ヒンジ22Bをヒンジ係合孔31B又は31Dにそれぞれ選択的に嵌入させて、その嵌入させる際に弾性フック部33側を非弾性フック部32側に撓ませて、図示のように所定の位置まで挿入したときに非弾性フック部32が係合側縁部31aに、弾性フック部33が係合側縁部31bにそれぞれ係合するようにしている。
【0028】
このように、ヒンジ22A,22Bは、ヒンジ係合孔31A,31B又は31C,31Dへの取り付けを、上述したような向きにしているので、装置本体1から外れにくい。
すなわち、圧板21を図6で矢示B方向に開いたときに、その際の力がヒンジ22A,22Bを装置本体1から外す方向の矢示F方向に作用するようなことがあっても、そのヒンジ22A,22Bは装置本体1のヒンジ係合孔31A〜31Dのうち選択された2つのヒンジ係合孔に、弾性変形する弾性フック部33を圧板21の開閉側の端部(図で右方)から非弾性フック部32よりも離れた位置に係合させてあるので、上記のヒンジに作用する力は弾性変形しない非弾性フック部32に大部分が加わるようになるため、ヒンジ22A,22Bがヒンジ係合孔31A〜31Dのうち係合されている2つのヒンジ係合孔から外れる恐れがほとんどない。
【0029】
そのヒンジ22A,22Bには、薄肉部35が形成されており、その薄肉部35は圧板21の開閉時に第2の支点として折曲されたり、ブック原稿等の厚い原稿を使用したときに圧板21の開閉支点となって折曲されたりする。
ところで、2個のヒンジを圧板に取り付ける際に、その各ヒンジに図8で説明したヒンジ22Aの主軸25の先端部に形成されているような凸部34が無かった場合には、図9に示す2個のヒンジ22A′,22B′のように、それらを圧板21の各支軸係合孔28に嵌入させた状態で、それらを装置本体1のヒンジ係合孔31A,31B(図3参照)に押し込もうとすると、その作業の途中でヒンジ22A′や22B′が各支軸係合孔28から抜け落ちやすい。
【0030】
したがって、この場合には、図10に示すように先に一方のヒンジ22B′を装置本体1のヒンジ係合孔31Bに係合(パッチン止め)させた後、図11に示すように圧板21を矢示Gの横方向にスライドさせてヒンジ22B′の各主軸25,25を圧板21の各支軸係合孔28,28内に嵌入させて枢着する。
その後、図12に示すように、もう一方のヒンジ22A′の各主軸25,25を圧板21の各支軸係合孔28,28に嵌入させて枢着し、そのヒンジ22A′を装置本体1のヒンジ係合孔31Aに係合させる。
このようにすれば、ヒンジ22A′と22B′を使用して、圧板21を装置本体1に確実に取り付けることができるが、この取付方法の場合は、かなり手間がかかってしまう。
【0031】
しかしながら、図8で説明したヒンジ22Aを使用する実施の形態では、そのヒンジ22A及び22Bのそれぞれ一方の支軸25の先端部には凸部34を設けているので、そのヒンジ22Aと22Bを圧板21に枢着した状態でそれらが落下するようなことがないので、それを簡単に装置本体1に組み付けることができる。
すなわち、圧板21をヒンジ22Aと22Bを使用して装置本体1に取り付けるには、まず最初にヒンジ22Aと22Bの各支軸25をそれぞれ圧板21の各支軸係合孔28に図7に示したように矢示Eの横方向から嵌入させ、その支軸25の先端部に形成されている凸部34(図8)が支軸係合孔28から抜け出るまで押し込む。
【0032】
その状態で、ヒンジ22Aと22Bを図3に示した装置本体1のヒンジ係合孔31A,31B(あるいは31C,31D)に、図6で説明したようにそれぞれ押し込んで係合固定する。
このように、この実施の形態によれば、ヒンジ22A,22Bのそれぞれ支軸25の先端部に凸部34を形成しているので、2個のヒンジ22A,22Bを圧板21に取り付けた状態で、それを装置本体1に簡単に取り付けることができる。
【0033】
ところで、このアナログ複写機は、図1に示すように装置本体1の上面1aに、圧板21の開放時にその圧板21のヒンジ22A,22B側の側面21bに当接した状態でその圧板21の開放角度θを規制する圧板開放角規制部材46を設けている。
その圧板開放角規制部材46は、図13及び図14に示すように装置本体1の上面1aの例えばヒンジ22Aと22Bにそれぞれ近接した位置に、所定の厚さで4個ずつ(その数は適宜増減できる)形成するが、それらをブロック状に形成してヒンジ22Aと22Bの付近に1つずつ配設するようにしてもよい。
【0034】
その圧板開放角規制部材46は、圧板21を図2に示すように開放した際に、その開放過程で圧板21のヒンジ側の側面下端21cを摺接させる傾斜面46aを有している。
したがって、圧板21を開放すると、その圧板21のヒンジ部材側の側面下端21cが圧板開放角規制部材46の図2で左側の傾斜面46a上を摺接しながら圧板21が開放されていき、途中でその側面下端21cが頂上部46bを越えて図15に示すように圧板開放角規制部材46の図で右側の傾斜面46c上に移動した後、図16に示すように圧板21の側面21bが頂上部46bに当接することによって、その開放角度θが規制される。
【0035】
そして、この開放位置では、それ以上圧板21を開放しようとしても、圧板21はその側面21bが頂上部46bに当接してそれ以上の回動が規制されているので、その開放角度θのまま安定した状態で静止される。
このように、この圧板開放角規制部材46を設けることによって、圧板21の円滑な開放操作ができると共に、その圧板21を急激に開放した際の衝撃でヒンジ22Aや22B、あるいは圧板21の一部を破損させてしまうのも防止することができる。
なお、圧板21を開放したときには、その開放過程においてヒンジ22A及び22Bの薄肉部35も、図2及び図15に示すように第2の回動支点として機能する。
【0036】
また、この実施の形態では、圧板開放角規制部材46の装置本体1上の配設位置を、図1及び図13に示したように圧板21を閉じたときにその圧板21の下側に略全体が隠れる位置にしている。
したがって、その圧板開放角規制部材46は、圧板21を閉じればその下側に略全体が隠れるので、外観上の見栄えがよい。
【0037】
また、この圧板開放角規制部材46は、図16に示すように圧板21のヒンジ部材側の側面21bに当接する頂上部46bの高さHを、圧板21の開放角度θを90度に近い鈍角(例えば95度)に規制する高さにしている。
それによって、圧板21の重心Gが圧板開放角規制部材46のほとんど真上に位置するようになるので、ヒンジ22A,22Bの支軸(回動支点)25の回りに圧板21を更に開こうとする回転モーメントがほとんど作用しなくなる。また、圧板21にさらに開放側に力が加えられにくくなるので、その圧板21を無理開きした際に生じるヒンジ22A,22Bや圧板21の破損を起こりにくくすることができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、圧板を開放状態にすると、その圧板のヒンジ部材側の側面が装置本体の上面に設けた圧板開放角規制部材に当接することによってその開放角度が規制され、その開放状態では圧板の重量が圧板開放角規制部材を介して装置本体で受けられるので、その圧板の重量がヒンジ部材だけで受けられる場合に比べて安定感のある開放角度規制ができると共に、その開放角度を狙いとする角度に規制することができる。
また、圧板の重量を圧板開放角規制部材で受けることによって圧板を支持するヒンジ部材の回動支点に大きな回転モーメントが発生しないので、圧板の開閉操作でヒンジ部材が簡単に破損したりするようなことがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態例を示す画像形成装置の圧板を開閉可能に支持するヒンジ付近を示す概略図である。
【図2】同じくその画像形成装置で圧板をヒンジを支点として開放する途中の状態を示す概略図である。
【図3】同じくその画像形成装置であるアナログ複写機を示す分解斜視図である。
【図4】同じくそのアナログ複写機の全体の構成を示す概略構成図である。
【図5】図1のヒンジ22Aを示す斜視図である。
【図6】同じくそのヒンジ22Aを装置本体に取り付けた状態を示す図である。
【図7】同じくそのヒンジ22Aと22Bが圧板に取り付けられた状態を圧板の内側から見た下面図である。
【図8】同じくそのヒンジ22Aの一方の支軸の先端部に凸部34が形成されている様子を示す下面図である。
【図9】2個のヒンジ22Aと22Bに図8に示したような凸部34が形成されていない場合には組み付け途中でそれらが圧板の取付部から落下しやすい様子を説明するための概略図である。
【図10】先端部に凸部34の無いヒンジを装置本体に取り付ける際の組み付け例を説明するために最初に一方のヒンジを装置本体に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図11】同じくその装置本体に取り付けたヒンジの支軸に圧板を横方向にスライドさせて取り付けた状態を示す斜視図である。
【図12】同じくその圧板にもう一方のヒンジを取り付ける状態を示す斜視図である。
【図13】圧板を支持する一対のヒンジの付近に設けられている圧板開放角規制部材の配設位置を説明するために圧板の一部を切断して示す平面図である。
【図14】同じくその側面図である。
【図15】図2の圧板をさらに開放した状態を示す概略図である。
【図16】同じくその圧板をさらに開放限まで開放した状態を示す概略図である。
【図17】従来の圧板を回動可能に支持するヒンジとそれを取り付ける装置本体のヒンジ係合孔を示す斜視図である。
【図18】同じくそのヒンジを圧板に取り付けた状態を部分的に示す斜視図である。
【図19】同じくそのヒンジを装置本体のヒンジ係合孔に取り付けてそのヒンジに圧板を取り付けた状態を示す縦断面図である。
【図20】同じくその圧板を開放限まで開放した状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1:装置本体 1a:上面
21:圧板 21b:側面
22A,22B:ヒンジ 25:支軸
28:支軸係合孔 34:凸部
46:圧板開放角規制部材 46a,46c:傾斜面
【発明の属する技術分野】
この発明は、装置本体の上面に原稿を押える圧板をヒンジ部材により開閉可能に設けた複写機等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばアナログ複写機では、原稿を装置本体の上面に設けたコンタクトガラス上にセットし、それを装置本体に対して開閉可能な圧板で上から押えた状態で、その原稿に露光ランプからの光を照射して原稿全面を露光走査し、それによって複写画像を得るようにしている。
このような原稿を押える圧板は、通常のものでは、その開閉方向が1方向に限られているが、中にはその圧板の開閉方向を複数の方向から開閉できるようにしたものがある(例えば特開昭57−86863号及び特開昭59−9651号公報参照)。
【0003】
また、本出願人は先に特願平7−213983号(原稿押さえ部材の枢支装置)を出願し、その中で圧板(原稿押さえ部材)を樹脂で形成したヒンジにより装置本体に対して開閉可能に支持し、そのヒンジを樹脂の弾性力を利用して装置本体に対して容易に着脱できるようにすると共に、そのヒンジの装置本体に対する取り付け位置を変更することによって圧板の開閉方向を2方向に変えることができるようにした複写機を提案している。
【0004】
すなわち、図17に示すように、装置本体50の上面に互いに対向する係合側縁部51aと51bとを有する角状のヒンジ係合孔51を形成し、そのヒンジ係合孔51内にヒンジ52を、押圧突起52eを強制的に矢示A方向に押圧して弾性フック部52bを非弾性フック部52a側に撓ませ、その状態で弾性フック部52bと非弾性フック部52aとをヒンジ係合孔51に図19に示すように嵌入させ、非弾性フック部52aを係合側縁部51bに、弾性フック部52bを係合側縁部51aにそれぞれ係合させるようにしている。
【0005】
そのヒンジ52には、一対のピン部52d,52dが形成されていて、そこに図18に示すように圧板54のフック54aが回動可能に係合することによって、圧板54が一対のヒンジ52により回動可能に支持されるようになっている。そして、そのヒンジ52を係合させる図17に示すヒンジ係合孔51を、装置本体50の上面の2辺に沿ってそれぞれ2個所ずつ形成している。したがって、その一対のヒンジ52,52の装置本体50の各ヒンジ係合孔51への係合位置を変更すれば、圧板54を2方向に開閉方向を自由に変えることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図19に示したような支持構造で圧板54をヒンジ52により開閉可能に支持している場合には、図20に示すように圧板54を開放すると、その圧板54の重量の全てをヒンジ52の腕部52fが受けるようになる。
そのため、圧板54を図示の開放限まで回動させると、ヒンジ52の側面下端54bがそのヒンジ52の腕部52fに当接することによってその回動が規制されて、その腕部52fの側面下端54bが当接する部分には回転モーメントによって大きな加重が集中する。
【0007】
したがって、ヒンジ52を安価に形成するために、それを樹脂による成形で形成している場合には、圧板54を図示の開放限まで回動させると、その腕部52fに加わる集中加重によりそれが大きく撓んだり、勢いよく圧板54を開いたときにはそれが折れてしまう恐れもあった。
そして、圧板54の開き角度が図示のように大きくなるため(90゜よりもかなり大きな鈍角)、その圧板54の開放限では圧板54の重心Gの位置が、回動支点となるヒンジ52のピン部52dから離れることによって(距離L)回転モーメントが大きくなるため、誤って矢示B方向に無理な力を加えてしまった場合にはヒンジ52の腕部52fが簡単に破損してしまう恐れがあった。
【0008】
この発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、圧板を開き過ぎることなしにその開放角度を狙いとする角度に規制することができ、その開放位置では安定感のある開放状態を保つことができるようにし、さらに圧板の開閉操作で圧板を回動可能に支持するヒンジ部材が簡単に破損したりしないようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は上記の目的を達成するため、所定の位置にセットされた原稿を上から押える圧板が装置本体に対してヒンジ部材により開閉可能に支持された画像形成装置において、上記圧板の開放時にその圧板の上記ヒンジ部材側の側面に当接した状態でその圧板の開放角度を規制する圧板開放角規制部材を装置本体の上面に設け、上記圧板開放角規制部材に圧板を開放した際にその開放過程でその圧板の上記ヒンジ部材側の端部を圧板が上記開放角度が規制される位置まで連続して摺接させる傾斜面を形成したものである。
このようにすれば、圧板を開放状態にすると、その圧板のヒンジ部材側の側面が装置本体の上面に設けられた圧板開放角規制部材に当接して、その開放角度が規制される。
【0010】
したがって、その開放状態で圧板の重量は圧板開放角規制部材を介して装置本体で受けられるので、その圧板の重量がヒンジ部材だけで受けられるときに比べて安定感のある保持状態で開放角度規制ができると共に、その開放角度を狙いとする角度に規制することができる。
さらに、圧板の重量を圧板開放角規制部材で受けることにより、圧板を支持するヒンジ部材の回動支点を中心とする回転モーメントの発生を抑えることができるので、圧板の開閉操作でヒンジ部材が簡単に破損したりするようなことがない。
【0011】
また、圧板開放角規制部材に、圧板を開放した際にその開放過程で圧板のヒンジ部材側の端部を圧板が開放角度が規制される位置まで連続して摺接させる傾斜面を形成しているので、圧板を開放した際に、その圧板のヒンジ部材側の端部が圧板開放角規制部材の傾斜面上を摺接しながら開放される。したがって、円滑な圧板開放操作ができると共に急激な圧板開放による衝撃でヒンジ部材や圧板の一部を破損させてしまうのも防止することができる。
【0012】
さらに、圧板開放角規制部材は、圧板を閉じたときにその圧板の下側に略全体が隠れる位置に配設するとよい。そうすれば、圧板開放角規制部材は圧板を閉じればその下側に略全体が隠れるので、外観上の見栄えがよくなる。
また、その圧板開放角規制部材を、圧板の開放角度を90度に近い鈍角に規制する高さに形成するとよい。
そうすれば、圧板の重心が圧板開放角規制部材のほとんど真上に位置するようになるので、ヒンジ部材の回動支点の回りに作用して圧板を更に開こうとする回転モーメントがほとんど作用しなくなる。したがって、圧板にさらに開放側に力が加えられにくくなるので、その無理開きによるヒンジ部材や圧板の破損を起きにくくすることができる。
【0013】
さらに、上記ヒンジ部材に、それを圧板へ取り付けた状態でその圧板の上面及びヒンジ部材側の側面に平行する方向に延びる支軸を突設し、その主軸が圧板に形成された係合孔に上記側面に平行する横方向から嵌入されて圧板がヒンジ部材に回動可能に支持されるようにするとよい。
このようにすれば、ヒンジ部材の圧板に形成された係合孔への取付方向が圧板の開放方向と異なる方向になるので、圧板の開閉操作時にその圧板がヒンジ部材から脱落しにくくなるため、堅固な圧板支持ができる。
【0014】
また、そのヒンジ部材の支軸の先端部に、その支軸を圧板側の係合孔に嵌入させた状態でその支軸の上記係合孔からの脱落を防止する凸部を設けるとよい。そうすれば、ヒンジ部材を圧板に取り付けた状態で、それを装置本体の上面に取り付ける際に圧板を傾けるようなことがあっても、ヒンジ部材は先端部に形成された凸部により圧板の係合孔から脱落しないので、ヒンジ部材の装置本体への取付作業を簡単に行なうことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図3はこの発明の一実施形態例を示す画像形成装置であるアナログ複写機を示す分解斜視図、図4は同じくそのアナログ複写機の全体の構成を示す概略構成図である。
この画像形成装置であるアナログ複写機は、図3に示す装置本体1の上面1aに固定されたコンタクトガラス6上にセットされた原稿を上から押える圧板21を、装置本体1に対してヒンジ22A,22Bにより開閉可能に支持している。
【0016】
その圧板21は、装置本体1に対して矢示Bと矢示Cの2方向からそれぞれ開閉できるようになっており、そのため装置本体1の上面1aには、圧板21に取り付けたヒンジ22A,22Bをそれぞれ嵌入させるためのヒンジ係合孔31A,31Bと31C,31Dを形成している。
なお、この4個のヒンジ係合孔31A,31B及び31C,31Dは、そのうち使用しない側の2個については外観上の見栄えをよくするため、そこに図示しないヒンジキャップをスナップフィット(パッチン止め)で取り付けることができるようになっている。
【0017】
圧板21には、その開閉方向をいずれの方向に変えても、その圧板21を開閉可能に支持する支持位置から最も離れた位置になる角部23に、圧板開閉用の取っ手24を樹脂の一体成形により形成している。
その圧板21は、2つのヒンジ22A,22Bにより装置本体1に簡単に取り付けることができ、その取付後はそれが開閉動作程度では容易に外れないようになっている。
【0018】
また、このアナログ複写機は、圧板21の開閉が可能な2辺41,42にそれぞれ対応する装置本体1の各外面1b,1cに、複写動作をスタートさせるスタートキー43を含む各種の操作キー44等を備えた1つの操作部40を選択的にネジ45により装着可能に設けている。
そして、スタートキー43を、図示のように操作部40上で取っ手24から離れた位置となる操作部40の長手方向の略中央に配設し、操作部40の装置本体1への取付位置を変更したときに、共に取っ手24から最も離れるようにしている。
【0019】
このようにすることによって、圧板21の開閉方向を矢示Bから矢示C方向へ、あるいはその逆の矢示Cから矢示B方向へ変えた際には、その開閉方向に応じて操作部40の装着位置を変えることができるので操作がしやすい。
また、スタートキー43はその操作部40上で取っ手24から離れた位置になるので、その取っ手24を持って圧板21を開閉した際に誤ってスタートキー43を押して誤動作させてしまうのを防止できる。
【0020】
このアナログ複写機は、装置本体1の後部側(図3で左方側)に用紙排出部10を設けている。そして、図4に示すように給紙カセット3から給紙されて画像が形成された用紙Pを、その用紙排出部10に排出するようにしている。
その用紙排出部10は、装置本体1内の作像部2で画像が形成された後に排出される用紙Pを、装置本体1内の後部で排紙トレイ5,9上に先端側が略直立した状態で積載するものである。
そして、装置本体1に、排紙トレイ5,9に積載された用紙Pの上端側の一部を装置本体1の上面1aから突出可能にする開口部4を設け、用紙排出部10の排紙トレイ5の下端から開口部4までの長さLを、給紙カセット3から通常給紙される用紙Pの給紙方向の長さL1 よりも短くしている。
【0021】
この複写機は、装置本体1内の作像部2にドラム状の感光体11を有しており、その回りには帯電装置12と、現像装置16と、転写・分離チャージャ17と、クリーニングユニット18がそれぞれ配設されている。
そして、コンタクトガラス6上にセットされて、矢示B方向に開閉可能な圧板21により押えられた原稿を照射した光の反射光が、光学系19により感光体11の表面に入射して、帯電装置12によって一様に帯電された帯電面が露光されてそこに静電潜像が形成され、それが現像装置16によって供給されるトナーにより現像されてトナー像(可視像)となる。
【0022】
一方、給紙カセット3内の用紙Pは、所定のタイミングで回転する給紙ローラ7により1枚ずつ送り出され、それがレジストローラ対13で一旦停止されてタイミング調整された後に、感光体11上のトナー像と一致する正確なタイミングで転写・分離チャージャ17が設けられている転写部に向けて搬送される。
その用紙Pは、図4で上面側にトナー像が転写され、それが感光体11から分離されて定着装置15へ搬送され、そこでトナーが定着された後に装置本体1の後部に配設されている用紙排出部10の排紙トレイ5,9上に排出されて、そこに積載される。
そして、その転写終了後に感光体11上に残った残留トナーは、クリーニングユニット18により取り除かれ、その感光体11上に残った残留電位は図示しない除電ランプにより取り除かれて、次の帯電装置12による帯電に備える。
【0023】
ところで、このアナログ複写機は、図3で説明したように圧板21を2つのヒンジ22A,22Bで装置本体1に対して開閉可能に支持している。そして、そのヒンジ22Aは図5及び図6に示すような形状をしており、そこには図7に示すようにそのヒンジ22Aを圧板21へ取り付けた状態でその圧板21の上面21a(図3)及び側面21bに平行する方向(図で左右方向)に延びる支軸25,25が突設されていて、その主軸25が図示のように圧板21に形成された各支軸係合孔28,28に、側面21bに平行する横方向(矢示E方向)から嵌入されて圧板21がヒンジ22Aに回動可能に支持されるようになっている。
【0024】
そして、もう一方のヒンジ22Bは、一対の支軸25,25の位置がヒンジ22Aに対して逆側に形成されている点のみが異なる。
ヒンジ22Aには、図8に示すように一方の支軸25の先端部に、その支軸25を圧板21側の支軸係合孔28に嵌入させた状態で、その支軸25の支軸係合孔28からの脱落を防止する半球状の凸部34(樹脂による一体成形)が形成されている。
【0025】
また、その凸部34を形成した側の支軸25の先端部に、軸方向にすり割り36を形成し、支軸25を支軸係合孔28に対して図8の矢示E1 方向に嵌入させた際に、その嵌入の過程で凸部34が支軸係合孔28に当接し、支軸25の先端部分がすり割り36によって撓んで、凸部34が支軸係合孔28内を通過した後に樹脂の持つ弾性力により復帰して、支軸25がその凸部34により容易に支軸係合孔28から抜けないようにしている。
なお、この凸部34は、ヒンジ22Bの一方の支軸25にも同様に形成されている。
【0026】
ヒンジ22A,22Bは、共に樹脂で一体成形により形成されており、ヒンジ22Aは図5に示すように、装置本体1のヒンジ係合孔31A,31Cにそれぞれ形成されている一方の係合側縁部31aに係合する弾性を有さない非弾性フック部32と、他方の係合側縁部31bに係合する弾性変形可能な弾性フック部33とを有している。
同様に、ヒンジ22Bは、装置本体1のヒンジ係合孔31B,31Dにそれぞれ形成されている係合側縁部31aに係合する弾性を有さない非弾性フック部32と、他方の係合側縁部31bに係合する弾性変形可能な弾性フック部33とを有している。
【0027】
そして、その弾性フック部33を、図6に示すように圧板21の開閉側の端部(図で右方)から非弾性フック部32よりも離れた位置(図で左側)になるように配置して、ヒンジ22Aをヒンジ係合孔31A又は31Cに、ヒンジ22Bをヒンジ係合孔31B又は31Dにそれぞれ選択的に嵌入させて、その嵌入させる際に弾性フック部33側を非弾性フック部32側に撓ませて、図示のように所定の位置まで挿入したときに非弾性フック部32が係合側縁部31aに、弾性フック部33が係合側縁部31bにそれぞれ係合するようにしている。
【0028】
このように、ヒンジ22A,22Bは、ヒンジ係合孔31A,31B又は31C,31Dへの取り付けを、上述したような向きにしているので、装置本体1から外れにくい。
すなわち、圧板21を図6で矢示B方向に開いたときに、その際の力がヒンジ22A,22Bを装置本体1から外す方向の矢示F方向に作用するようなことがあっても、そのヒンジ22A,22Bは装置本体1のヒンジ係合孔31A〜31Dのうち選択された2つのヒンジ係合孔に、弾性変形する弾性フック部33を圧板21の開閉側の端部(図で右方)から非弾性フック部32よりも離れた位置に係合させてあるので、上記のヒンジに作用する力は弾性変形しない非弾性フック部32に大部分が加わるようになるため、ヒンジ22A,22Bがヒンジ係合孔31A〜31Dのうち係合されている2つのヒンジ係合孔から外れる恐れがほとんどない。
【0029】
そのヒンジ22A,22Bには、薄肉部35が形成されており、その薄肉部35は圧板21の開閉時に第2の支点として折曲されたり、ブック原稿等の厚い原稿を使用したときに圧板21の開閉支点となって折曲されたりする。
ところで、2個のヒンジを圧板に取り付ける際に、その各ヒンジに図8で説明したヒンジ22Aの主軸25の先端部に形成されているような凸部34が無かった場合には、図9に示す2個のヒンジ22A′,22B′のように、それらを圧板21の各支軸係合孔28に嵌入させた状態で、それらを装置本体1のヒンジ係合孔31A,31B(図3参照)に押し込もうとすると、その作業の途中でヒンジ22A′や22B′が各支軸係合孔28から抜け落ちやすい。
【0030】
したがって、この場合には、図10に示すように先に一方のヒンジ22B′を装置本体1のヒンジ係合孔31Bに係合(パッチン止め)させた後、図11に示すように圧板21を矢示Gの横方向にスライドさせてヒンジ22B′の各主軸25,25を圧板21の各支軸係合孔28,28内に嵌入させて枢着する。
その後、図12に示すように、もう一方のヒンジ22A′の各主軸25,25を圧板21の各支軸係合孔28,28に嵌入させて枢着し、そのヒンジ22A′を装置本体1のヒンジ係合孔31Aに係合させる。
このようにすれば、ヒンジ22A′と22B′を使用して、圧板21を装置本体1に確実に取り付けることができるが、この取付方法の場合は、かなり手間がかかってしまう。
【0031】
しかしながら、図8で説明したヒンジ22Aを使用する実施の形態では、そのヒンジ22A及び22Bのそれぞれ一方の支軸25の先端部には凸部34を設けているので、そのヒンジ22Aと22Bを圧板21に枢着した状態でそれらが落下するようなことがないので、それを簡単に装置本体1に組み付けることができる。
すなわち、圧板21をヒンジ22Aと22Bを使用して装置本体1に取り付けるには、まず最初にヒンジ22Aと22Bの各支軸25をそれぞれ圧板21の各支軸係合孔28に図7に示したように矢示Eの横方向から嵌入させ、その支軸25の先端部に形成されている凸部34(図8)が支軸係合孔28から抜け出るまで押し込む。
【0032】
その状態で、ヒンジ22Aと22Bを図3に示した装置本体1のヒンジ係合孔31A,31B(あるいは31C,31D)に、図6で説明したようにそれぞれ押し込んで係合固定する。
このように、この実施の形態によれば、ヒンジ22A,22Bのそれぞれ支軸25の先端部に凸部34を形成しているので、2個のヒンジ22A,22Bを圧板21に取り付けた状態で、それを装置本体1に簡単に取り付けることができる。
【0033】
ところで、このアナログ複写機は、図1に示すように装置本体1の上面1aに、圧板21の開放時にその圧板21のヒンジ22A,22B側の側面21bに当接した状態でその圧板21の開放角度θを規制する圧板開放角規制部材46を設けている。
その圧板開放角規制部材46は、図13及び図14に示すように装置本体1の上面1aの例えばヒンジ22Aと22Bにそれぞれ近接した位置に、所定の厚さで4個ずつ(その数は適宜増減できる)形成するが、それらをブロック状に形成してヒンジ22Aと22Bの付近に1つずつ配設するようにしてもよい。
【0034】
その圧板開放角規制部材46は、圧板21を図2に示すように開放した際に、その開放過程で圧板21のヒンジ側の側面下端21cを摺接させる傾斜面46aを有している。
したがって、圧板21を開放すると、その圧板21のヒンジ部材側の側面下端21cが圧板開放角規制部材46の図2で左側の傾斜面46a上を摺接しながら圧板21が開放されていき、途中でその側面下端21cが頂上部46bを越えて図15に示すように圧板開放角規制部材46の図で右側の傾斜面46c上に移動した後、図16に示すように圧板21の側面21bが頂上部46bに当接することによって、その開放角度θが規制される。
【0035】
そして、この開放位置では、それ以上圧板21を開放しようとしても、圧板21はその側面21bが頂上部46bに当接してそれ以上の回動が規制されているので、その開放角度θのまま安定した状態で静止される。
このように、この圧板開放角規制部材46を設けることによって、圧板21の円滑な開放操作ができると共に、その圧板21を急激に開放した際の衝撃でヒンジ22Aや22B、あるいは圧板21の一部を破損させてしまうのも防止することができる。
なお、圧板21を開放したときには、その開放過程においてヒンジ22A及び22Bの薄肉部35も、図2及び図15に示すように第2の回動支点として機能する。
【0036】
また、この実施の形態では、圧板開放角規制部材46の装置本体1上の配設位置を、図1及び図13に示したように圧板21を閉じたときにその圧板21の下側に略全体が隠れる位置にしている。
したがって、その圧板開放角規制部材46は、圧板21を閉じればその下側に略全体が隠れるので、外観上の見栄えがよい。
【0037】
また、この圧板開放角規制部材46は、図16に示すように圧板21のヒンジ部材側の側面21bに当接する頂上部46bの高さHを、圧板21の開放角度θを90度に近い鈍角(例えば95度)に規制する高さにしている。
それによって、圧板21の重心Gが圧板開放角規制部材46のほとんど真上に位置するようになるので、ヒンジ22A,22Bの支軸(回動支点)25の回りに圧板21を更に開こうとする回転モーメントがほとんど作用しなくなる。また、圧板21にさらに開放側に力が加えられにくくなるので、その圧板21を無理開きした際に生じるヒンジ22A,22Bや圧板21の破損を起こりにくくすることができる。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、圧板を開放状態にすると、その圧板のヒンジ部材側の側面が装置本体の上面に設けた圧板開放角規制部材に当接することによってその開放角度が規制され、その開放状態では圧板の重量が圧板開放角規制部材を介して装置本体で受けられるので、その圧板の重量がヒンジ部材だけで受けられる場合に比べて安定感のある開放角度規制ができると共に、その開放角度を狙いとする角度に規制することができる。
また、圧板の重量を圧板開放角規制部材で受けることによって圧板を支持するヒンジ部材の回動支点に大きな回転モーメントが発生しないので、圧板の開閉操作でヒンジ部材が簡単に破損したりするようなことがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態例を示す画像形成装置の圧板を開閉可能に支持するヒンジ付近を示す概略図である。
【図2】同じくその画像形成装置で圧板をヒンジを支点として開放する途中の状態を示す概略図である。
【図3】同じくその画像形成装置であるアナログ複写機を示す分解斜視図である。
【図4】同じくそのアナログ複写機の全体の構成を示す概略構成図である。
【図5】図1のヒンジ22Aを示す斜視図である。
【図6】同じくそのヒンジ22Aを装置本体に取り付けた状態を示す図である。
【図7】同じくそのヒンジ22Aと22Bが圧板に取り付けられた状態を圧板の内側から見た下面図である。
【図8】同じくそのヒンジ22Aの一方の支軸の先端部に凸部34が形成されている様子を示す下面図である。
【図9】2個のヒンジ22Aと22Bに図8に示したような凸部34が形成されていない場合には組み付け途中でそれらが圧板の取付部から落下しやすい様子を説明するための概略図である。
【図10】先端部に凸部34の無いヒンジを装置本体に取り付ける際の組み付け例を説明するために最初に一方のヒンジを装置本体に取り付けた状態を示す斜視図である。
【図11】同じくその装置本体に取り付けたヒンジの支軸に圧板を横方向にスライドさせて取り付けた状態を示す斜視図である。
【図12】同じくその圧板にもう一方のヒンジを取り付ける状態を示す斜視図である。
【図13】圧板を支持する一対のヒンジの付近に設けられている圧板開放角規制部材の配設位置を説明するために圧板の一部を切断して示す平面図である。
【図14】同じくその側面図である。
【図15】図2の圧板をさらに開放した状態を示す概略図である。
【図16】同じくその圧板をさらに開放限まで開放した状態を示す概略図である。
【図17】従来の圧板を回動可能に支持するヒンジとそれを取り付ける装置本体のヒンジ係合孔を示す斜視図である。
【図18】同じくそのヒンジを圧板に取り付けた状態を部分的に示す斜視図である。
【図19】同じくそのヒンジを装置本体のヒンジ係合孔に取り付けてそのヒンジに圧板を取り付けた状態を示す縦断面図である。
【図20】同じくその圧板を開放限まで開放した状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1:装置本体 1a:上面
21:圧板 21b:側面
22A,22B:ヒンジ 25:支軸
28:支軸係合孔 34:凸部
46:圧板開放角規制部材 46a,46c:傾斜面
Claims (5)
- 所定の位置にセットされた原稿を上から押える圧板が装置本体に対してヒンジ部材により開閉可能に支持された画像形成装置において、
前記圧板の開放時に該圧板の前記ヒンジ部材側の側面に当接した状態でその圧板の開放角度を規制する圧板開放角規制部材を前記装置本体の上面に設け、前記圧板開放角規制部材に前記圧板を開放した際にその開放過程で該圧板の前記ヒンジ部材側の端部を前記圧板が前記開放角度が規制される位置まで連続して摺接させる傾斜面を形成したことを特徴とする画像形成装置。 - 前記圧板開放角規制部材が、前記圧板を閉じたときに該圧板の下側に略全体が隠れる位置に配設されていることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記圧板開放角規制部材が、前記圧板の開放角度を90度に近い鈍角に規制する高さに形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記ヒンジ部材にはそれを前記圧板へ取り付けた状態でその圧板の上面及び前記ヒンジ部材側の側面に平行する方向に延びる支軸が突設されていて、該主軸が前記圧板に形成された係合孔に前記側面に平行する横方向から嵌入されて前記圧板が前記ヒンジ部材に回動可能に支持されることを特徴とする画像形成装置。
- 請求項4記載の画像形成装置において、前記ヒンジ部材の支軸の先端部に、該支軸を前記圧板側の係合孔に嵌入させた状態で該支軸の前記係合孔からの脱落を防止する凸部を設けたことを特徴とする画像形成装置。
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- 1996-04-08 JP JP08535296A patent/JP3560411B2/ja not_active Expired - Fee Related
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