JP3555529B2 - Rotary drum device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転するドラムに設けた磁気ヘッドで磁気テープにヘリカルに信号を記録再生する回転型磁気記録再生装置の回転ドラム装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、回転ドラム装置は、高帯域のデジタル信号や高精細度なテレビジョン信号等、多量の情報を、小型カセットに収納したテープに高密度に記録しなければならず、使用するテープはますます薄くなる方向にある。よってドラムにテープをヘリカルに巻き付けて記録再生する回転ドラム装置においては、特にテープの端部に相当するヘッド入り側あるいは出側でのヘッドとテープの接触力が著しく低下し、記録再生信号の出力低下が発生していた。従来この問題を解決する手段としてテープの入り側、出側領域の固定ドラムに凹部を設けたドラムが知られている。
【0003】
従来の回転ドラム装置は特開平8−306101号公報に記載されているものが知られている。
【0004】
以下に、従来の回転ドラム装置について説明する。
【0005】
図10(a)(b)は、この従来の回転ドラム装置の平面図と斜視図である。同図において、磁気テープ1は螺旋状のガイド2を持つ固定ドラム3のテープ走行面9と回転ドラム4に螺旋状に巻き付き矢印イ方向に走行する。また、矢印ロ方向に回転する回転ドラム4には、この回転ドラム4から所定量突出した磁気ヘッド5、6が組み込まれていて、磁気テープ1に信号を記録または再生する。また、ガイドポスト7、8は磁気テープ1が固定ドラム3の外周に螺旋状に設けたガイド2に沿って安定走行するよう規制する。さらに、固定ドラム3のヘッド出側には、テープ走行面9の回転ドラム4側端部に凹状の切り欠き10が設けてあり、この切り欠き10は図11に示す如くテープ走行面9の外周との交差部に面取り加工が施されたエッジ11、12がある。
【0006】
以上のように構成された従来の回転ドラム装置について、以下その動作について説明する。
【0007】
まず、回転ドラム4を図の矢印ロ方向に回転させるとともに磁気テープ1を矢印イ方向に走行させ、磁気ヘッド5、6に交互に記録信号を供給すると図14に示す如く磁気テープ1に傾斜した記録信号トラック13が形成される。次に、磁気テープ1を巻き戻した後に記録時と同条件で走行させると磁気ヘッド5、6が前記記録信号トラック13を再生する。しかし、磁気ヘッド5、6が磁気テープ1の幅方向端部で記録再生する時、磁気ヘッド5、6のギャップ14(図15に示す)と磁気テープ1間のスペーシングが増加し、記録再生性能が悪化するという問題が発生する。この問題は固定ドラム3に凹状の切り欠き10を設けない場合において顕著である。
【0008】
以下この問題の更なる説明と、解決策である凹状の切り欠き10の作用について説明する。
【0009】
固定ドラム3への巻き付け中央付近における磁気ヘッド5、6と磁気テープ1の接触状態は、図16の二点鎖線に示す如く磁気ヘッド5、6の前面に上下バランス良く接触し、ギャップ領域全体に良好に接触する。これがテープ巻き付け端部(テープ幅方向端部)に移動するとテープ端側の幅方向圧力が減少し、相対的に磁気ヘッド5、6の上部側の接触力が急激に減少する。この状態をテープ巻き付け出側(テープ幅方向上端部)で確認すると図16の実線の状態となり、ギャップ領域の上部側のスペーシングが増加して記録再生とも性能が悪化し、図13のヘッド出力波形に実線で示す如くヘッド出側の再生出力が減少する。この問題に対し固定ドラム3のテープ走行面9に図11の如く切り欠き10を設けると、図12の如く磁気テープ1がこの切り欠き10内に落ち込み、磁気テープ1から突出する磁気ヘッド5の相対突出量が切り欠き無し時のH1からH2に増加する。よって、磁気へッド5に接触する磁気テープ1の圧力が相対的に増加して図12の如く磁気ヘッド5のギャップ領域の全域に渡ってスペーシングの少ない安定した接触を確保でき、図13の二点鎖線に示す如く磁気ヘッド5のテープからの離脱まで安定した出力を得ることができる。なお、この問題はテープ巻き付け入り側(テープ幅方向下端部)でも同様に発生するため入り側に設けても効果がある。しかし、回転ドラム装置のテープ走行を安定化するために、固定ドラムのガイド側の磁気テープ張力を反対側より相対的に強くするのが一般的であり、テープ張力の弱いヘッド出側(巻き付け出側)の方が問題が顕著であって効果が大きい。
【0010】
ここで、図15に示す如くギャップ領域に対してコア幅を広く構成しているのは、ヘッド摩耗に対して実用的な寿命を確保するためであり、例えばコア幅をギャップ幅に近づければギャップ領域の前記スペーシングは減少するが寿命が短くなり、実用的で無い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来の構成では、切り欠き10のエッジ処理に問題があり、以下その内容を具体的に説明する。
【0012】
図11に示す切り欠き10のエッジ11、12は切り欠き10の機械加工と同時に容易に面取り加工できる。しかしエッジ15は同時に加工できず、別工程で複雑な後加工が必要となる。また、エッジ15とエッジ11、12の交わるコーナ部の面取りは極めて困難で、さらに複雑な後加工が必要となる。これはエッジ11、12を傾斜させてコーナを鈍角にしても根本的な解決にはならない。また、コーナをR形状にすると切り欠き10自体の加工と合わせて極めて複雑な加工が必要になる。さらに、エッジ15の傾きを磁気テープ1を案内するガイド2と平行に構成すれば、通常モードで走行する磁気テープ1に対してはエッジ15とテープ移動方向とが一致することから、エッジ処理が不十分でもダメージは軽減される。しかし磁気テープ1の張力が強い場合には極めて危険である。さらに、テープをガイドポスト7、8に装着する時、あるいは解除する時は通常モードとは異なった走行をする場合が多く、容易にダメージが発生する。また、エッジ11、12の面取り加工と切り欠き10の加工はテープ走行面9側への加工バリの発生を避けるため、テープ走行面9の加工前に実施する必要があり、初期的には完全なR面を確保できても、ガイド2を含むその後のテープ走行面9の加工でシャープなエッジが発生しテープダメージを発生させる。後加工の削り量はガイド2の幅に相当し、磁気テープ1がテープ走行面9から浮き上がった時、ガイド2を乗り越えない十分な量が必要であって一般的には0.1mm以上設ける。上記のように、完全なエッジ処理を実現するには複雑な機械加工やバフ研削等の後処理が必要となり、コストアップが避けられない。
【0013】
また、上記エッジ処理を行わないとテープダメージが発生するとともに、エッジを含む切り欠き10内へ磁性粉や異物が堆積し、ドロップアウトやヘッド目詰まりを発生させる。
また、さらにテープが薄くなってテープ自体の剛性が低下すると上記ダメージはより深刻になるとともに、エッジ処理にもより精密さが要求され、さらにコストアップとなる。
【0014】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、簡単な機械加工でテープダメージの発生し難い傾斜面から成る陥没部を形成し、安定なヘッド出力を得ることのできる安価な回転ドラム装置の提供を第一の目的とする。
【0015】
さらに本発明は、簡単な機械加工でテープダメージの発生し難い傾斜面から成る陥没部を形成するとともに、隣接する突起でテープ振動を抑制し、高精度で安定はヘッド出力を低騒音で得ることのできる安価な回転ドラム装置の提供を第二の目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明は、固定ドラムに設けたテープ走行面の回転ドラム側端部を、回転ドラム側へ低く傾斜する傾斜面に形成し、テープ走行面と前記傾斜面とが交差する稜の全長を鈍角で構成したものある。これにより前記稜がテープから受ける集中的な圧力を低くできる。さらにヘッド出側のヘッドとテープの接触圧を増加できる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0022】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における回転ドラム装置の斜視図を示し、例えばHDデジタルVCR協議会で合意された民生用デジタルVCR(SD仕様)規格、あるいはそれをベースに展開される製品の回転ドラム装置を例に説明する。
【0023】
図1において、磁気テープ16は螺旋状のガイド17を持つ固定ドラム18に巻き付き矢印ハ方向に走行する。また、矢印ニ方向に回転する回転ドラム19には、この回転ドラム19から約0.02mm突出した磁気ヘッド20(180度対向位置に2個)が組み込まれていて、磁気テープ16に信号を記録または再生する。また、固定ドラム18のヘッド出側には、テープ走行面21の回転ドラム19側端部に、回転ドラム19側へ低くなる方向の平面で構成された第1の陥没部22(図2に拡大斜視図を示す)が設けてあり、この第1の陥没部22の巻き付け後方にはテープ走行面21より約0.03mm突出した突起23が設けてある。この突起23はガイド17及びテープ走行面21の加工時に削り残す形態で設けてある。
【0024】
上記のように構成された本発明の実施の形態1について、以下その動作を説明する。
【0025】
まず、回転ドラム19を図1の矢印ニ方向に回転させるとともに磁気テープ16を矢印ハ方向に走行させ、磁気ヘッド20に記録信号を供給すると、図14の従来例同様磁気テープ16に傾斜した記録信号トラックが形成される。次に、磁気テープ16を巻き戻した後に記録時と同条件で走行させると磁気ヘッド20が前記記録信号トラックを再生する。
【0026】
次に磁気ヘッド20が第1の陥没部22領域を走査する時の動作を詳細に説明する。図3は磁気ヘッド20が第1の陥没部22を通過する位置の断面図であり、磁気テープ16は、傾斜した第1の陥没部22に図3の如く落ち込んで走行する。この時の磁気テープ16の落ち込み位置から磁気ヘッド20先端までの相対突出量H3が第1の陥没部22の突出量となり、第1の陥没部22が無い時の突出量H4より増加する。よって、磁気へッド20に接触する磁気テープ16の圧力が相対的に増加して図3の如く磁気ヘッド20のギャップ領域の全域に渡ってスペーシングの少ない安定した接触を確保でき、図13の二点鎖線に示す出力波形と同様の安定した出力を得ることができる。
【0027】
次に、陥没部22と磁気テープ16の接触によるテープダメージについて説明する。
【0028】
磁気テープ16はテープ張力により図3の如く陥没部22内に落ち込み走行するため、図2に示す稜25が磁気テープ16と最も強く接触し、テープダメージを無くすにはこの稜25を180度に近い鈍角に構成する必要がある。ここで稜25のテープ走行面21との角度をポイントA、B、Cで説明する。まず、ポイントA、Bは図5(a)に示す角度θが稜角であり、本構成ではドラム径を21.7mm、テープ走行面からの陥没量Sを約0.1mmに設定してあるため稜角θは約172度である。また、ポイントCは図5(b)に示す角度αであり、本構成では図17に示す如くテープ走行面21の表面形状角δと第1の陥没部22の傾斜角εをほぼ一致させて約5度(α=約175度)に設定してある。よって稜25は全域に渡り172度〜175度の鈍角で構成されている。また、加工手順は陥没部22を加工した後にテープ走行面21を加工し、しかも仕上げ加工は0.01mm程度の少ない削り量に設定してあるので加工バリの発生も極めて少なく、しかもテープ走行面21側には全く発生しないため実用上全く問題の無いレベルである。この仕様の陥没部設けた回転ドラムを試作し、0.006mm厚のテープを1000パス以上繰り返し走行させてもテープダメージ、陥没部22への脱落磁性粉の付着、ドロップアウト増加、ヘッド目詰まりは全く発生せず、実用上全く問題の無いことを確認済みである。また、前記テープ走行面21の表面を凹凸状に構成してあるのは多湿環境等でのテープ付着を防止するためであり、この面でテープダメージが発生しないことも実験で確認してある。
【0029】
また、前記第1の陥没部22は平面で構成してあるが、ヘッドとテープの接触改善範囲を広くしたい場合平面の切り込みを深くしなくてはならず、図5(a)に示す稜角θが小さくなってテープダメージが発生し易くなる。この時は図6の如く陥没面を曲面26で構成し、テープ走行面21と交差する稜角βを図5(a)のθと等しく設定すればテープダメージの発生を防止できる。
【0030】
次に固定ドラム18に設けてある突起23について説明する。図4は固定ドラム18のヘッド出側部を拡大した平面図であり、固定ドラム18を離脱した磁気テープ16は、ガイドポスト24へと走行する。まず突起23が無い場合、テープ走行面21から約0.02mm突出した磁気ヘッド20がテープ巻き付け領域を通過する時、磁気テープ16が同量持ち上げられ、磁気ヘッド20が磁気テープ16から回転方向に離脱した直後に図4の二点鎖線の位置まで一気に復帰する。その後も磁気テープ16には振動が残り自然に減衰して消滅する。この一連の現象で発生するテープ振動のテープ長手方向成分は、記録信号の時間軸誤差を誘発し、テープ長手と直角方向成分はヘッドとテープの接触を悪化させるとともに、騒音を発生する。突起23はこの問題を解決するものであり、以下その動作を詳細に説明する。
【0031】
突起23と高さ方向に異なった位置の磁気テープ16は図4の二点鎖線の経路となり、突起23位置の磁気テープ16は実線の如く突起23により約0.03mm持ち上げられた経路となる。この状態で突起23より若干テープ上端側に配置してある磁気ヘッド20が、テープ走行面21から約0.02mm突出して通過する時、磁気テープ16を突出量分持ち上げ、磁気ヘッド20が磁気テープ16から離脱した直後に復帰しようとするが、磁気ヘッド20に隣接する突起23が磁気テープ16を常時0.03mm持ち上げた状態に保持しているため、磁気テープ16から離脱した後のテープ変化量が著しく少なくなり、変化も短期間で安定する。これにより、テープ振動レベルの低下と持続時間の短縮を実現でき、記録再生信号の時間軸誤差の発生、及びヘッドとテープの接触の悪化、さらには騒音の発生を軽減できる。また、本実施例の形態では、ヘッド出側に第1の陥没部22を配置したが、同様の陥没部をヘッド入り側に設けても同様の作用があり効果が得られる。しかし、回転ドラム装置のテープ走行を安定化するためには、固定ドラム18のガイド17側の磁気テープ張力を反対側より相対的に強くするのが一般的であり、テープ張力の弱いヘッド出側(巻き付け出側)の方が問題が顕著であって効果が大きい。よって、ヘッド出側にのみ設けるだけでも実用的である。
【0032】
また、本実施の形態では良好なヘッド出力を確保する第1の陥没部22と、テープ振動を抑制する突起23の両方を設けているが、テープ振動の発生が小さい場合、又はテープ振動自体を問題としない場合には、第1の陥没部22だけの構成で良い。
【0033】
このように本実施の形態は、固定ドラム18の回転ドラム19側テープ走行面端部に、回転ドラム側に低下する方向の傾斜を有した平面あるいは曲面で構成された第1の陥没部を、前記テープ巻き付けの端部領域に形成したことにより、ヘッドとテープの接触が悪化するテープ巻き付け端部領域のヘッドとテープの接触圧を増加でき、テープ巻き付け中央部と同等な安定したヘッド出力を確保できる。また、テープ走行面21と第1の陥没部22の傾斜面が交差する稜25を全長に渡り175度以上の鈍角に構成したことにより、テープ張力が稜25に及ぼす集中的な圧力を著しく低下でき、最も簡単な機械加工のみでテープダメージ、ドロップアウト、目詰まりの発生を防止できる。また、第1の陥没部22のさらにテープ巻き付け端部側に突起23を設けたことにより、磁気テープ16の振動を抑制でき、記録再生信号の時間軸誤差の発生、及びヘッドとテープの接触の悪化、さらには騒音の発生を軽減できる。
【0034】
しかし、下記の問題がある。
【0035】
磁気ヘッド20と磁気テープ16の接触はテープ端になる程悪化し、前記第1の陥没部22はテープ巻き付け端部ぎりぎりまで設ける方が好ましい。しかし、テープ巻き付け端部にはテープ振動を抑制する突起23が設けられているため、両者が接近しすぎると図7に示す如く第1の陥没部22を加工する時、突起23の先端領域ホをを切削してしまいテープ振動抑制作用が減少する。それを解決するには前記第1の陥没部22を巻き付け内部側にシフトして設定しなければならず、接触改善領域が狭くなるという問題がある。
【0036】
そこで、実施の形態2は、陥没部を突起に近接させて設けることができるよう構成したものである。
【0037】
(実施の形態2)
図8は本発明の実施の形態2における回転ドラム装置の斜視図を示す。図8において回転ドラム27には磁気へッド28(180度対向位置にさらに1個)が取り付けられている。また、テープ走行面29のヘッド出側(巻き付け出側)には、回転ドラム27側へ低くなる方向の第1の傾斜面30と逆に高くなる方向の第2の傾斜面31で構成された第2の陥没部32が設けてある。この第1の傾斜面30は実施の形態1で説明した第1の陥没部22を形成する傾斜平面(図2に示す)と同寸法で構成している。また、この第2の陥没部32の巻き付け後方には、テープ走行面29より約0.03mm突出した突起33が設けてある。この突起33は実施の形態1と同様、テープ走行面29の加工時に削り残す形態で設けてある。
【0038】
上記のように構成された本発明の実施の形態2について、以下その動作を説明する。
【0039】
まず、回転ドラム27を回転させるとともに磁気テープ(図示せず)走行させ、磁気ヘッド28に記録信号を供給すると、磁気テープ(図示せず)に傾斜した記録信号トラックが形成される。次に、磁気テープ(図示せず)を巻き戻した後に記録時と同条件で走行させると磁気ヘッド28が前記記録信号トラックを再生する。
【0040】
次に磁気ヘッド28が第2の陥没部32領域を走査する時の動作を詳細に説明する。第1の傾斜面30は、図3に示す傾斜面22と同寸法であるため、テープ走行面29に巻き付く磁気テープは、傾斜した第1の傾斜面30に図3と同様落ち込んで走行し、この時の磁気テープと磁気ヘッド28との突出関係も図3と同様になる。よって、磁気へッド28に接触する磁気テープの圧力が相対的に増加して、図3と同様、磁気ヘッド28のギャップ領域の全域に渡ってスペーシングの少ない安定した接触を確保でき、図13の二点鎖線に示す出力波形と同様の安定した出力を得ることができる。
【0041】
また、第1の傾斜面30が図3に示す傾斜面22と同寸法であるため、第2の陥没部32とテープ走行面29との交差する稜34の角度も実施の形態1と同じ172度〜1755度となり、磁気テープとの接触によるテープダメージは発生しない。よって陥没部への脱落磁性粉の付着、ドロップアウト増加、ヘッド目詰まりについても発生しない。また、前記第2の陥没部32は平面で構成してあるが、実施の形態1と同様、ヘッドとテープの接触改善範囲を広くしたい場合には曲面で構成すれば良い。
【0042】
次に、突起33について説明する。第2の傾斜面31は図3の二点鎖線で示す如く、磁気ヘッド28の通過時において磁気テープが接触しない領域に設けてあり、磁気ヘッド28と磁気テープとの接触改善作用が阻害されないように設けてある。また、回転ドラム27側へ高く傾斜させることで、第2の陥没部31の機械加工時のテープ走行面上端部切削量を少なくし、突起33の先端領域(図7のホ領域)が最大限残るよう構成してある。これにより、磁気テープの振動抑制作用を損なう事無く、テープ巻き付け端部いっぱいまでスペーシングの少ない安定した接触を確保でき、図13の二点鎖線に示す出力波形と同様の安定した出力を得ることができる。
【0043】
また、本実施の形態では第2の傾斜面31を回転ドラム27側へ高くなる傾向の傾斜面で構成したが、テープ振動抑制量との関係で傾斜量を決定すれば良く、例えばテープ走行面29と平行な面、あるいは第1の傾斜面30と同方向で傾斜量の緩やか傾斜面であってもかまわない。
【0044】
また、第2の陥没部32の加工は、図9に示す如くエンドミルの外周面を、陥没部を構成するそれぞれの傾斜面と等しい角度に整形し、加工範囲を設定して加工すれば、極めて安価にかつ高精度に機械加工できる。
【0045】
また、本実施の形態では、ヘッド出側に第2の陥没部32を配置したが、同様の陥没部をヘッド入り側に設けても同様の作用があり効果が得られる。しかし、回転ドラム装置のテープ走行を安定化するためには、固定ドラムのガイド側の磁気テープ張力を反対側より相対的に強くするのが一般的であり、テープ張力の弱いヘッド出側(巻き付け出側)の方が問題が顕著であって効果が大きい。よって、ヘッド出側にのみ設けるだけでも実用的である。
【0046】
このように本実施の形態は、第2の陥没部32を回転ドラム側に低下する方向の傾斜を有した平面あるいは曲面で構成された第1の傾斜面30と、回転ドラム27側に高く傾斜する第2の傾斜面31とに分割して構成したことにより、突起33に近接させることができ、磁気テープの振動抑制作用を損なう事無く、ヘッドとテープが接触する広領域に渡り安定した出力を得ることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、固定ドラムの回転ドラム側テープ走行面端部に、回転ドラム側に低下する方向の傾斜を有した平面あるいは曲面で構成された第1の陥没部を、テープ巻き付けの端部領域に形成した構成により、極めて安価な加工でテープダメージ、ドロップアウト、目詰まりが発生を防止できるとともに、テープ巻き付けの端部まで良好なヘッド出力を確保できる。
【0048】
また、本発明によれば、固定ドラムの回転ドラム側テープ走行面端部に、テープ走行面より突出した突起をテープ巻き付け端近傍に設けるとともに、この突起よりテープ巻き付け内側に回転ドラム側へ低下する方向の傾斜を有した平面あるいは曲面で構成された第1の陥没面と、この第1の陥没面から回転ドラム側に連続して構成されかつ第1の陥没面より傾斜の緩やかな、又はテープ走行面と平行な、又は回転ドラム側へ高くなる方向の傾斜を有した平面あるいは曲面で構成された第2の陥没面とから成る第2の陥没部を形成した構成により、第2の陥没部を突起に近接して設けてあるため、テープ巻き付けのさらに端部まで良好なヘッド出力を安価に確保できるとともに、磁気テープの振動を確実に抑制でき、記録再生信号の時間軸誤差の発生、及びヘッドとテープの接触を悪化、さらには騒音の発生を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による回転ドラム装置の斜視図
【図2】本発明の実施の形態1による回転ドラム装置の第1の陥没部拡大斜視図
【図3】本発明の実施の形態1による回転ドラム装置の第1の陥没部拡大断面図
【図4】本発明の実施の形態1による回転ドラム装置の突起23の構成を示す拡大平面図
【図5】本発明の実施の形態1による回転ドラム装置の稜25の構成を示す拡大平面図と拡大断面図
【図6】本発明の実施の形態1による回転ドラム装置の、改善構成による稜構成を示す拡大平面図
【図7】本発明の実施の形態1による回転ドラム装置の、問題点を示す拡大斜視図
【図8】本発明の実施の形態2による回転ドラム装置の斜視図
【図9】本発明の実施の形態2による回転ドラム装置の、第2の陥没部32を加工するエンドミル形状を示す側面図
【図10】従来の回転ドラム装置を示す平面図と斜視図
【図11】従来の回転ドラム装置の切り欠き10を示す拡大斜視図
【図12】従来の回転ドラム装置の切り欠き10位置の磁気テープ状態を示す拡大断面図
【図13】従来の回転ドラム装置のヘッド出力波形図
【図14】従来の回転ドラム装置の磁気テープへの信号トラック記録状態を平面図
【図15】従来の回転ドラム装置の磁気ヘッド5の前面を示す平面図
【図16】従来の回転ドラム装置の磁気ヘッド5に接触する磁気テープ1の状態を示す平面図
【図17】本発明の実施の形態1による回転ドラム装置のテープ走行面微細形状を示す拡大断面図
【符号の説明】
16 磁気テープ
17 ガイド
18 固定ドラム
19 回転ドラム
20 磁気ヘッド
21 テープ走行面
22 第1の陥没部
23 突起[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a rotary drum device of a rotary magnetic recording / reproducing apparatus for recording / reproducing a signal helically on / from a magnetic tape with a magnetic head provided on a rotating drum.
[0002]
[Prior art]
In recent years, rotary drum devices have to record a large amount of information, such as high-bandwidth digital signals and high-definition television signals, on tapes housed in small cassettes at high density. It is getting thinner. Therefore, in a rotary drum device that records and reproduces a tape by helically winding a tape around a drum, the contact force between the head and the tape at the head entry side or the exit side corresponding to the end of the tape is significantly reduced, and the output of the recording / reproduction signal is reduced. The decline had occurred. Conventionally, as a means for solving this problem, there has been known a drum in which a concave portion is provided in a fixed drum in a tape entrance side and a tape exit side area.
[0003]
2. Description of the Related Art A conventional rotary drum device is disclosed in JP-A-8-306101.
[0004]
Hereinafter, a conventional rotary drum device will be described.
[0005]
FIGS. 10A and 10B are a plan view and a perspective view of the conventional rotary drum device. In the figure, a magnetic tape 1 is spirally wound around a tape running surface 9 of a
[0006]
The operation of the conventional rotary drum device configured as described above will be described below.
[0007]
First, when the rotating drum 4 is rotated in the direction of arrow B in the figure and the magnetic tape 1 is run in the direction of arrow A to supply recording signals to the
[0008]
Hereinafter, a further description of this problem and the operation of the
[0009]
The contact state between the
[0010]
Here, the reason why the core width is widened with respect to the gap region as shown in FIG. 15 is to secure a practical life with respect to head wear, for example, if the core width is close to the gap width. Although the spacing in the gap region is reduced, its life is shortened and is not practical.
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above-described conventional configuration, there is a problem in the edge processing of the
[0012]
The
[0013]
If the edge treatment is not performed, tape damage occurs, and magnetic powder and foreign matter accumulate in the
Further, when the tape becomes thinner and the rigidity of the tape itself is reduced, the above-mentioned damage becomes more serious, and more precision is required for edge processing, which further increases the cost.
[0014]
SUMMARY OF THE INVENTION The present invention solves the above-mentioned conventional problems. An inexpensive rotary drum device that forms a depression formed of an inclined surface where tape damage is unlikely to occur by simple machining and obtains a stable head output. Provision is the primary purpose.
[0015]
Furthermore, the present invention forms a depression formed of an inclined surface where tape damage is unlikely to occur by simple machining, suppresses tape vibration with an adjacent protrusion, and obtains a high-precision and stable head output with low noise. A second object is to provide an inexpensive rotary drum device that can be used.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problem, the present invention is directed to a rotating drum side end of a tape running surface provided on a fixed drum is formed on an inclined surface which is inclined low toward the rotating drum, and the tape running surface and the inclined surface intersect with each other. In some cases, the entire length of the ridge is formed at an obtuse angle. This can reduce the intensive pressure that the ridge receives from the tape. Furthermore, the contact pressure between the head and the tape on the head exit side can be increased.
[0021]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0022]
(Embodiment 1)
FIG. 1 is a perspective view of a rotary drum device according to a first embodiment of the present invention. For example, a consumer digital VCR (SD specification) standard agreed by the HD Digital VCR Council, or a product developed based on the standard. A description will be given of a rotating drum device as an example.
[0023]
In FIG. 1, a
[0024]
The operation of the first embodiment of the present invention configured as described above will be described below.
[0025]
First, when the
[0026]
Next, the operation when the
[0027]
Next, tape damage due to contact between the
[0028]
As shown in FIG. 3, the
[0029]
The
[0030]
Next, the
[0031]
The
[0032]
Further, in the present embodiment, both the first
[0033]
As described above, in the present embodiment, the first recessed portion formed of a flat surface or a curved surface having a slope in a direction of decreasing toward the rotating drum is provided at the end of the tape running surface of the fixed
[0034]
However, there are the following problems.
[0035]
The contact between the
[0036]
Therefore, the second embodiment is configured so that the depression can be provided close to the projection.
[0037]
(Embodiment 2)
FIG. 8 is a perspective view of a rotary drum device according to
[0038]
The operation of the second embodiment of the present invention configured as described above will be described below.
[0039]
First, when the
[0040]
Next, the operation when the
[0041]
Further, since the first
[0042]
Next, the
[0043]
Further, in the present embodiment, the second
[0044]
Further, as shown in FIG. 9, the processing of the
[0045]
Further, in the present embodiment, the
[0046]
As described above, in the present embodiment, the first
[0047]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the first depressed portion formed of a flat surface or a curved surface having a slope in a direction falling toward the rotating drum is provided at the end of the rotating drum side tape running surface of the fixed drum, With the configuration formed in the end region of the winding, it is possible to prevent tape damage, dropout, and clogging by extremely inexpensive processing, and to ensure a good head output up to the end of the winding of the tape.
[0048]
Further, according to the present invention, a protrusion protruding from the tape running surface is provided at the end of the tape running surface on the rotating drum side of the fixed drum near the tape winding end, and is lowered from the protrusion to the rotating drum side inside the tape winding. A first depressed surface formed of a flat surface or a curved surface having an inclination in a direction, and a tape or a tape that is formed continuously from the first depressed surface to the rotary drum side and has a gentler inclination than the first depressed surface. A second depression formed by a second depression formed of a flat surface or a second depression formed of a curved surface parallel to the running surface or inclined in a direction of increasing toward the rotating drum; Is provided in close proximity to the projection, so that a good head output can be secured at low cost even to the end of the tape winding, the vibration of the magnetic tape can be reliably suppressed, and the time axis error of the recording / reproducing signal can be reduced. Generation, and deterioration of the contact between the head and the tape, and further can reduce the generation of noise.
[Brief description of the drawings]
1 is a perspective view of a rotary drum device according to a first embodiment of the present invention; FIG. 2 is an enlarged perspective view of a first recessed portion of a rotary drum device according to a first embodiment of the present invention; FIG. 4 is an enlarged cross-sectional view of a first depressed portion of the rotary drum device according to Embodiment 1. FIG. 4 is an enlarged plan view showing a configuration of a
16
Claims (1)
ヘッドを具備し前記固定ドラムと同軸で回転する回転ドラムとを設け、
前記固定ドラムの回転ドラム側テープ走行面端部にテープ走行面より突出した突起をヘッド出側のテープ巻き付け端近傍に設けるとともに、前記突起にテープ巻き付け内側に近接し、回転ドラム側へ低下する方向の傾斜を有した平面あるいは曲面で構成された第1の陥没面と、この第1の陥没面から回転ドラム側に連続して構成されかつ第1の陥没面より傾斜の緩やかな、又は前記テープ走行面と平行な、又は回転ドラム側へ高くなる方向の傾斜を有した平面あるいは曲面で構成された第2の陥没面とから成る陥没部を形成したことを特徴とする回転ドラム装置。A fixed drum for guiding the tape in a spiral,
A rotating drum having a head and rotating coaxially with the fixed drum,
Provided with a projection which projects from the tape running surface to the rotary drum side tape running surface ends of the fixed drum in the tape winding end near the head exit side, close to the inner winding tape to the projection, the direction to decrease the rotating drum side A first depressed surface formed of a flat surface or a curved surface having an inclination, and a tape that is formed continuously from the first depressed surface to the rotating drum side and has a gentler inclination than the first depressed surface, or the tape. running surfaces and parallel, or rotary drum apparatus and a second recessed surface that is a plane or a curved surface having a higher becomes the direction of inclination to the rotary drum side, characterized in that the formation of the formed Ru recess.
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-
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