JP3542314B2 - 地域冷暖房運転システム及びその運転方法 - Google Patents

地域冷暖房運転システム及びその運転方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は地域冷房運転システム及びその運転方法に係り、特に、地域側の負荷需要を満足できる地域冷房運転システム及びその運転方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ある地域の建物全ての冷房および暖房、さらには給湯などを、1個所の熱発生施設であるエネルギシステムでまかなう各種の地域冷暖房システムが開発されている。地域冷暖房システムは、エネルギ効率がよく、公害や都市災害の防止に役立ち、都市景観の向上に貢献するなどの多くの利点を備えているので、都市再開発やいわゆるウォーターフロント開発などで積極的に導入されている。特に大空間を有するイベントホールや空港設備等を1式の空調設備で空調できることは、省スペースにもなり、今後ともその使用が増える見通しである。
【0003】
ところで、地域冷暖房に用いられる冷凍機として、吸収式冷凍機が使用されることが多い。吸収式冷凍機は、運転開始時から定常運転状態に達するまで30分程度の立上り時間を要するので、冷凍機を効率よく運転するには、設定時間、たとえば30分先の冷水負荷を予測して、吸収式冷凍機を運転または停止している。そのため、冷凍負荷または暖房負荷の予測が重要な要因となっている。
【0004】
このような空調負荷の変動による不快感を防止するために、従来から空調負荷を予測して吸収式冷凍機を運転する方法が用いられてきた。この一例が、特開平7−43000号公報、特開平7−43001号公報、特開平5−26480号公報及び特開平8−271018号公報に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
地域冷房装置における冷凍機の運転を効率的に制御するために、前述のように種々の手法が試みられているが、いまだにこれといった決定的な方法がない。それは、空調負荷を実用的なレベルで予測するのが困難なためである。
【0006】
例えば、特開平7−43000号公報には、冷房負荷を安定に予測し、冷凍機を効率的に運転するために、予め日間予測バターンと実績パターンを準備してこれらを所定時間毎に比較して冷凍機の運転を制御することが記載されている。しかしながら、この方法は、日間予測パターンに依存するので、日間予測パターンを準備する必要があり、地域毎や季節毎に多大の空調負荷データを必要とするという不具合がある。
【0007】
また、特開平7−43001号公報には、冷暖房負荷の変動を精度よく予測し、地域冷暖房装置の省エネルギ化と省力化を図るために、空調する日以前の数日間の空調負荷データを、当日の空調制御に利用することが記載されている。この公報に記載のものは、空調負荷データが比較的少なくて済むという利点を有しているが、空調負荷の急激な変動には対応しにくいという不具合がある。
【0008】
さらに、特開平5−26480号公報には、熱負荷に対処する一括熱源の発停を低減するために、一括熱源から熱が分配供給される地域内の複数の需要部のいくつかに補助熱源を設けることが記載されている。この公報に記載のものは、確かにきめ細かな空調が可能になるが、さらに補助熱源が必要になるから、高価になる。さらにまた、特開平8−271018号公報には、低負荷時や需要熱量が変化したときには冷凍機の稼動台数を制御して、冷却水と蒸気を供給する地域冷暖房システムの自動運転と省エネルギ運転を可能にするため、蒸気量、熱量及び冷却水量の測定データを平滑化して圧縮機やボイラを制御することが記載されている。この公報に記載のものは、システムが複数台の圧縮機やボイラを備えることを前提としているので、システムがそれらを複数台備えていない場合には適用できない。
【0009】
ところで、上記いずれの公報においても、地域冷暖房運転システムの一つの特殊性である熱源機から空調環境までの距離が長いことについては考慮されていない。地域冷暖房システムでは、集中して設置された熱源機からの熱源を用いて地域全体を空調するので、空調環境と熱源機間の距離が長くなる。例えば、空港設備に地域冷暖房運転システムを用いたときには、熱源機から空調環境までの距離が2kmにも達することがある。この間を配管で接続したときに、配管内を流れる冷水や温水の流速を1m/sとすれば、30分以上にもなる。その結果、空調環境側で空調需要が変化しても、即応できない。
【0010】
この理由から、従来においても、需要を見越して冷凍機を事前に始動停止していた。しかしながら、供給が需要に追い付かないと、空調能力不足となり需要家が不快感を感じることになる。一方、供給が多すぎると、エネルギーの浪費となり、地球環境の保全の面から望ましくない。そこで、空調需要の事前予測が必要になるが、空調負荷は外気温度、湿度、日照および機器や人間が発生する熱である内部負荷などが複雑に影響して変動するので予測が困難であり、熱供給システムを操作する人間の経験に頼っていた。
【0011】
本発明は、上記従来の技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は空調需要の変化に対応できる地域冷暖房運転システムを実現することにある。本発明の他の目的は、簡単な構成で快適な地域冷暖房運転システムを実現することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の第1の特徴は、複数の区画された空調空間を、熱源機を有する熱供給システムで発生した冷熱または温熱で空調する地域冷暖房運転システムにおいて、各空調空間における冷熱または温熱の需要量を計測する計測手段と、この計測手段が計測した各空調空間の熱需要量から各空調空間の負荷を予測し、この予測した負荷と、熱供給システムから各空調空間までの配管距離を用いて得られた熱供給システムから各空調空間までの冷熱または温熱の到達遅れ時間に基づいて、熱供給システムが供給する冷熱または温熱量の変化タイミングを制御する制御手段とを設けることにある。
【0013】
そして好ましくは、冷熱または温熱量の変化タイミングを、熱源機の始動または停止に要する時間に基づいて制御するものである。また、複数の区画された空調空間は複数のビルであってもよい。
【0014】
上記目的を達成するための本発明の第2の特徴は、複数の建物を吸収式冷凍機で発生した温水または冷水で空調する地域冷暖房運転システムの運転方法において、各建物の使用末端の熱需要実績を求め、この使用実績に基づいて将来の負荷を予測し、吸収式冷凍機から各建物までの配管距離と温水または冷水の流速とに基づいて求めた吸収式冷凍機から各建物までの到達時間遅れと、予測した負荷とに基づいて記吸収式冷凍機の出力変化のタイミングを変化させるものである。
【0015】
そして、吸収式冷凍機の出力変化のタイミングをこの吸収式冷凍機の始動または停止に要する時間により変化させるのが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
上述したように、地域全体を集中して設けた熱源機において発生した冷温熱で空調する地域冷暖房システムでは、冷房運転の場合、熱源機である冷凍機で水を冷却し、この冷却した冷水を地域に供給している。地域内には、1個の大規模ビルまたは複数の建物があり、この建物に集中して冷温水や蒸気を供給している。このシステムは、熱供給システムとよばれる。
【0017】
熱供給システムでは、冷凍機やボイラを用いて冷温水や蒸気を発生させる。発生した冷温水や蒸気は、配管により熱供給システムから各建物に送られる。そして、建物内に設けられた空調機において周囲の空気と熱交換して建物内を空調し、再び配管を経由して熱源機へと戻る。熱源機では、空調機において熱交換した分及び配管途中の熱損失分を補償した熱量を発生して再度各建物に送る。以下このサイクルが繰り返される。
【0018】
このように配置した熱供給システムでは、図2に示すように、過去の供給実績データ1を複数収集し(ステップ71)、これを基に日間変化変動パターン78を作成していた(ステップ72)。そして、この作成した空調負荷の変動パターン78から仮の空調供給パターンを求めている。さらに、現在の供給量、気温および湿度などの補正データを測定し(ステップ73)、この補正データを用いて仮の空調供給パターンを補正してtn分後の負荷を予測する。この予測した負荷に見合う供給熱量Qnを求め、空調供給パターンとしていた(ステップ74)。
【0019】
ところで、地域冷暖房運転システムでは、熱源機から空調すべき建物へ冷温水や蒸気が到達するのに数十分の時間を必要とし、さらに、各建物は地域内に点在するので熱源機から各建物までの距離がそれぞれ異なり、冷温水や蒸気の到達時間も異なる。この場合の負荷変化と供給熱量変化の一例を図3、図4に示す。
【0020】
図3、4は、各需要側の負荷変動がどのように熱源機に伝わり、この変動に対して供給熱量を変化させたときに、供給熱量の変化が需要側にどのように伝わるかを模式的に示す図である。冷房運転の場合、Aビルに到達した冷水はビル内各所に設置された空調機2、2…まで流れていき、空調機内の熱交換器において周囲空気と熱交換して温度が上昇する。温度上昇した冷水は、ふたたび熱源機60へ戻る。
【0021】
いまかりにAビル51の負荷がステップ状に上昇したとすると、熱源機60へ戻る冷水温度である還水温度もT1からT2にステップ状に上昇して還水配管19を経て熱源機60へ戻ってくる。熱源機60では、冷水が建物51から熱源機60に戻ってくるまでの移動時間Dta分だけ遅れて冷水の温度上昇を検出する。同様に、Bビル52やCビル53における還水の温度変化も、それぞれ各ビルから熱源機60までの移動時間Dtb、Dtc分だけ遅れて熱源機で検出される。
【0022】
つまり、上記構成の熱供給システムでは、各ビルで同時に負荷が変化しても、熱源機側がこの負荷変化を検出して供給熱量を追従させるのに時間遅れが生じる。そしてこの時間遅れは各ビル毎に異なっている。したがって、時間遅れを生じながら、熱供給量はQ1からQ2に段階的に変化する。この熱供給量の変化は、往水配管12、13、14を経て各ビル51、52、53に伝わるが、その際、負荷変化の場合と同様に、到達時間ta,tb,tcにも遅れが生じる。
【0023】
この不具合を解決するためには、需要側末端の負荷を計測し、その計測結果に基づいて今後の負荷を予測すればよい。その際、冷温水の到達時間を考慮して供給側の負荷予測をすれば、時間遅れを補償できる。この時間遅れを補償した本発明に係る地域冷暖房運転システムの概要を図5ないし図7に示す。
【0024】
図5は、上記時間遅れ補償の概要を示す図である。Aビル、BビルおよびCビルからなる地域冷暖房運転システムの場合である。例えば、Aビルの空調負荷がQaaになると負荷予測をする。Qaaは、熱源機からAビルまで冷温水が到達する時間Ta分だけ経過した後の負荷である。同様に、BビルとCビルについても、それぞれの冷温水の到達時間Tb,Tc分だけ経過した後の空調負荷をQbb、Qccと予測する。
【0025】
つまり、Qaa、Qbb、Qccに相当する熱を熱源機が現時点で供給すれば、Aビル、Bビル及びCビルには、各ビル毎の予測した冷温水の熱量が到達時間Ta、Tb、Tcだけ遅れて供給できるので、各ビルの空調が適正になる。なお、熱源機に吸収式冷凍機を用いると、能力発揮に時間がかかるので各ビルの負荷予測の際には、この吸収式冷凍機が能力を発揮するための時間を考慮する。
【0026】
熱源機に吸収式冷凍機を用いたときの、負荷予測の概要を図6に示す。この図6においては、各ビルの空調負荷を予測するときに、冷温水の到達時間に吸収式冷凍機の始動時間Tnを加えた時間分だけ経過した後における空調負荷を予測している。つまり、現在時刻tにおいて、Aビルについては吸収式冷凍機の始動時間Tnと冷温水の到達時間Taを加えた時間tx分だけ先の時間における空調負荷をQanと予測する。同様にBビルについては、Tn+Tb分だけ先の時間tyにおける負荷をQbn、CビルについてはTn+Tc分だけ先の時間tzにおける負荷をQcnとそれぞれ予測する。吸収式冷凍機を始動してからTnだけ経過した時間における空調負荷は、Qan+Qbn+Qcnだけであるから、現在運転している冷凍機の供給能力がこの負荷量より不足するのであれば、他の冷凍機を追加始動させる。
【0027】
図7は、地域冷暖房運転システムに図6で示した負荷予測を適用した場合を説明する図である。Aビル51に冷温水が到達するまでの時間Taと冷凍機の始動に要する時間Tnとを合計した時間が経過したときの負荷Qan(ダイアグラム81参照)、Bビル52における同様の時間Tn+Tb経過後の負荷Qbn(ダイアグラム82参照)、およびCビル53における同様の時間Tn+Tc経過後の負荷Qcn(ダイアグラム83参照)をそれぞれ求め、現在時刻tからTn時間経過後の供給熱量Qn(Qn=Qan+Qbn+Qcn)(ダイアグラム84参照)を求める。この供給熱量分だけ熱源機60を事前運転して、時間遅れを補償する。
【0028】
この際、各建物の到達時間に差異があるので、供給変動があると、その変動を受ける時間も各建物毎に異なる。その結果、各建物において冷温水の供給過剰や供給減少が起こるおそれがある。この不具合を解消するため、各建物には後述するように冷温水の制御弁が設けられており、各建物の負荷状況に応じて冷温水量を制御し、各建物を最適空調環境にする。
【0029】
ところで、各ビルの末端負荷を予測するには、種々の方法が考えられる。ここでは、一例としてニューラルネットワークを用いる場合を説明する。なお、この末端負荷予測方法としては、従来用いられている方法を踏襲してもよい。ニューラルネットワークでは、前回実績、前々回実績、気温および湿度などを入力し、学習済みネットワークを用いて1時間後の負荷を予測する。ニューラルネットワークを用いた末端負荷予測法に、特開平9−16555号公報に記載の発明を用いることも可能である。
【0030】
次に、本発明の地域冷暖房運転システムの詳細を、図1に示す。各ビル51、52、53には、空調機2が複数台設置されている。空調機2では、外気4を送風機6により取込む。そして、冷温水の往水配管12、13、14内を流通した冷温水と取り込んだ外気を熱交換器5で熱交換し、室内空調風7として各部屋に送風する。このとき、室内空調風7の温度が所定の温度となるように、流量調節弁3を制御器9で制御し、冷温水の流量を需要に合わせて変化させる。
【0031】
冷温水は、熱供給システム60が備える吸収冷凍機11に付属した冷温水ポンプ10により往水配管12、13、14を経て、各建物51、52、53に送られる。各空調機2、2…を出た冷温水は、各建物51、52、53から還水配管19を経て、熱供給システム60の熱源機である吸収冷凍機11へ戻される。
【0032】
各建物51、52、53には、消費熱量を計測するいわゆるカロリーメータと呼ばれる計測手段1aが設けられている。この計測手段1aは、流量計と一体になっており、各建物51、52、53に流入した冷温水温度を測定する温度センサー25と各建物から流出する冷温水の温度を測定する温度センサー26と接続されている。
【0033】
各空調機2、2…毎にも熱量を計測する同様のカロリーメータと呼ばれる計測手段1bが設けられている。この計測手段1bには、各空調機へ流入する冷温水の温度を検出する温度センサーと各空調機から流出する冷温水の温度を検出する温度センサー26とが接続されている。なお、各空調機へ流入する冷温水の温度が各ビル51、52、53に流入する冷温水の温度と実質的に同じである場合には、空調機の入口温度センサーを各ビルの入口温度センサー25で代用できる。本実施例では、この代用した場合を示している。
【0034】
これらの消費熱量計測手段1a、1bが計測した消費熱量値および温度センサ21が測定した還水温度は、入力装置15に取り込まれる。各ビル51、52、53へ流入する冷温水量を制御するために、冷温水の各建物からの出口部には、流量制御弁27が設置されている。この流量制御弁27は、各建物の負荷状況データを示す熱量検出装置1aの出力が接続された入力装置15の指令に基づいて負荷状況に応じて制御される。
【0035】
熱供給システム60は、冷凍機11や冷温水ポンプ10の供給熱量を制御するために、出力装置16と制御装置18を備えている。この制御装置18には、外気温度や外気の湿度を計測するための温度センサ22、23の出力が入力され、制御装置18が備える記憶手段24に記憶される。また、入力装置15、出力装置16および制御装置間18を信号接続し、各装置間で情報を授受可能にする情報伝送路17も熱供給システム60に設けられている。
【0036】
上記のように構成した各装置の作用を、以下に説明する。制御装置18は、
1)各ビル51、52、53の消費熱量を熱量検出装置1aから入力装置を介して取込み、1時間後の負荷を予測する。
【0037】
2)各ビル51、52、53の単位負荷予測値と、ビル51、52、53と熱源機60間の配管距離と、設計流速とに基づいて求めた熱源機60から各ビル51、52、53までの到達時間に基づいて、供給端のトータル負荷予測値を演算する。この時、到達時間については測定値を用いてもよいし、予め設定した値を用いてもよい。
【0038】
3)予測したトータル負荷量を出力可能な吸収冷凍機の台数を求め、その台数については運転を、その他の冷凍機には停止を、冷凍機の始動または停止に要する時間遅れを見込んで指令する。
【0039】
この詳細を、図8を用いて説明する。本実施例では、ビルの数をN個(Nは1以上の整数)としている。初めに、各ビルA〜N毎の負荷を5分毎に1時間後まで予測する(ステップ91)。この予測演算には、上述したニューラルネットワークを用いてもよい。予測した5分毎の負荷の予測値Q1t〜QNtを、各ビル毎または全ビル纏めて予測値格納ファイルFQに格納する(ステップ92)。予測値格納ファイルFQには、それまで5分毎に予測した予測値が格納されている。そして、1時間経過後を推定した今回の予測値から、すでに1時間前に予測し終えた現在時刻の予測値までを、常に更新して格納する。
【0040】
ステップ92で格納された予測値に基づいて、現在から1時間先までの予測値を1分毎に求め、予測値ファイルFQ1に記憶する(ステップ93)。5分刻みの予測値から1分刻みの予測値を求めるときは、5分刻みに求めた予測値を一次式で近似して補間している。
【0041】
熱供給プラント60が有する制御装置18内、またはこの制御装置18とは別体に設けられた制御装置には、各ビルA〜N毎の熱到達時間設定値定義ファイルFTbと熱源機器始動停止時間設定値定義ファイルFTrを備えた記憶手段があり、熱供給プラント60から各ビルA〜Nまでの熱到達時間Ta〜Tn、および熱源機器11を始動または停止させるのに要する時間Tnが予め記憶されている。
【0042】
次に、各ビルA〜N毎に、熱の到達時間TNに熱源機器を始動または停止させるのに要する時間Tnを加算した時間経過後の負荷予測値QNtnを、ファイルFQ1から読み込む(ステップ94)。すべてのビルA〜Nについて負荷予測値を求めたら、その総和を取って熱源機11が安定して運転するまでの時間であるTn分後の供給熱量Qnとする(ステップ95)。Tn分後に供給量がQnとなるように、熱源機411の運転、停止、または容量を事前に制御する(ステップ96)。5分経過したら(ステップ97)、ステップ91〜ステップ96までを再度実行する。以後、これらのステップを繰り返す。
【0043】
上記実施例では、熱源機から各ビルまでの配管長を考慮して熱源機の運転、停止、容量制御等を実行したが、各ビルにおいてはビルの入口から空調機までの間も配管が接続されているので、わずかではあるがこの間でも時間遅れが生じる。したがって、ビル単位に負荷を予測するだけでなく、空調機単位に配管長を考慮して負荷を予測すれば、さらに正確な予測が可能になる。なお、上記実施例では、各ビルを1つの単位としたが、ビル内を細区画して複数のビルと同様に扱えば、1つのビルだけのときにも本発明による地域冷暖房運転システムを適用できる。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、需要末端で負荷を予測し、熱源機側から需要側までの到達時間を考慮して冷温水または蒸気を供給するようにしたので、需要側変動に即した供給熱量制御が可能となる。また、供給熱量の過不足がなくなり、地域冷暖房運転システムを最適に運転可能となり、省エネルギーが実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る地域冷暖房運転システムの一実施例の模式図である。
【図2】従来の負荷予測の一例を説明する図である。
【図3】本発明に係る地域冷暖房運転システムにおける冷温水の流通を説明する図である。
【図4】図3に示した実施例における冷温水のタイムチャートである。
【図5】配管長を考慮したときの冷温水のタイムチャートである。
【図6】熱源機の安定運転までの時間を考慮したときの冷温水のタイムチャートである。
【図7】負荷予測を用いて時間遅れを補償するのを説明する図である。
【図8】本発明に係る地域冷暖房運転方法の一実施例のフローチャートである。
【符号の説明】
1a、1b…熱量検出装置(カロリーメータ)、2…空調機、3…流量調節弁、4…外気、5…熱交換器、6…送風機、7…給気、8…温度検出装置、9…流量制御装置、10…冷温水ポンプ、11…吸収式冷凍機、12、13、14…往水配管、15…入力装置、16…出力装置、17…情報伝送路、18…制御装置、19…還水配管、21、22、25…温度センサー、23…湿度センサー、51、52、53…建物(ビル)、60…熱供給システム(熱源機)。

Claims (5)

  1. 複数の区画された空調空間を、熱源機を有する熱供給システムで発生した冷熱または温熱で空調する地域冷暖房運転システムにおいて、各空調空間における冷熱または温熱の需要量を計測する計測手段と、この計測手段が計測した各空調空間の熱需要量から各空調空間の負荷を予測し、この予測した負荷と、熱供給システムから各空調空間までの配管距離を用いて得られた熱供給システムから各空調空間までの冷熱または温熱の到達遅れ時間に基づいて、前記熱供給システムが供給する冷熱または温熱量の変化タイミングを制御する制御手段とを設けたことを特徴とする地域冷暖房運転システム。
  2. 前記冷熱または温熱量の変化タイミングを、熱源機の始動または停止に要する時間に基づいて制御することを特徴とする請求項1に記載の地域冷暖房運転システム。
  3. 前記複数の区画された空調空間は、複数のビルであることを特徴とする請求項1または2に記載の地域冷暖房運転システム。
  4. 複数の建物を吸収式冷凍機で発生した温水または冷水で空調する地域冷暖房運転システムの運転方法において、各建物の使用末端の熱需要実績を求め、この使用実績に基づいて将来の負荷を予測し、吸収式冷凍機から各建物までの配管距離と温水または冷水の流速とに基づいて求めた吸収式冷凍機から各建物までの到達時間遅れと、前記予測した負荷とに基づいて前記吸収式冷凍機の出力変化のタイミングを変化させることを特徴とする地域冷暖房運転システムの運転方法。
  5. 前記吸収式冷凍機の出力変化のタイミングをこの吸収式冷凍機の始動または停止に要する時間により変化させることを特徴とする地域冷暖房運転システムの運転方法。
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