JP3538753B2 - アジャスト駒用連結ピン及びこれを用いた時計バンド・装身具 - Google Patents

アジャスト駒用連結ピン及びこれを用いた時計バンド・装身具

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JP3538753B2 JP2000291048A JP2000291048A JP3538753B2 JP 3538753 B2 JP3538753 B2 JP 3538753B2 JP 2000291048 A JP2000291048 A JP 2000291048A JP 2000291048 A JP2000291048 A JP 2000291048A JP 3538753 B2 JP3538753 B2 JP 3538753B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本件発明は、駒(ブロック)
を組み合わせ、或いは駒と板とを組み合わせて構成され
る時計バンドや装身具のアジャスト駒において、特別な
工具を使わずに簡易にアジャスト駒の取り付けや取り除
きのできるアジャスト駒用連結ピン及びそれを用いた時
計バンド、装身具の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、駒を組み合わせて構成される時
計バンドや装身具のサイズをその装着部分に合わせて調
整するためには、アジャスト駒といわれる調整駒を取り
除き、または取り付けることによって行われる。従来、
このアジャスト駒を取り除くには、取り除くアジャスト
駒と他の駒とを連結させている連結ピンを外さなければ
ならず、この連結ピンを外すために目打ちなどの特別の
工具が必要であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】時計バンドや装身具を
購入する際、専門店でそのサイズを調整してもらう場合
には、このような調整作業は格別の問題がない。しか
し、サイズの合わない装身具を個人的に調整しようとす
る場合には、前記のように工具を使う必要があるため
に、適切な工具がないとアジャスト駒の取り除き作業が
できなく、不便である。また、工具があっても、細かい
面倒な作業であるために自分では作業ができず、専門店
で調整してもらう場合も多い。
【0004】特に、近年のテレビやインターネットなど
を利用した通信販売、専門店以外での装身具販売の普及
に伴い、未調整の装身具を購入する場合も多くなり、特
別の工具を使わずに、簡易に時計バンドや装身具のサイ
ズを調整できる構造が求められている。そこで、本件発
明の請求項1と2は、特別の工具を使わずに簡易にアジ
ャスト駒の取り付け及び取り除きのできるアジャスト駒
用連結ピンの構造を提供することを目的とする。また、
請求項3と4は、そのアジャスト駒用連結ピンを用いた
時計バンド、装身具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、アジャスト駒を他の駒と連
結させる連結ピンであって、アジャスト駒と他の駒との
ピン穴を一致させ、そのピン穴に挿通されるピン本体
と、ピン本体の両端部に切り溝を形成し、その切り溝に
表面を膨出するように巻装された弾性体からなる係止体
とを備え、その係止体がピン穴の内壁に圧接することで
ピン穴内で固定され、アジャスト駒と他の駒とが連結さ
れるとともに、この連結ピンの端部を少しの力で他方の
ピン穴方向へ押圧することで、ピン穴に固定されている
連結ピンは、他方のピン穴から抜き出され、アジャスト
駒と他の駒とが分離されることを特徴とする。
【0006】ここで、「アジャスト駒」とは、時計バン
ドや装身具のサイズをその装着部分に合わせて調整する
ための取り除き可能な駒をいう。「他の駒」とは、アジ
ャスト駒であってもよいし、時計バンドや装身具を構成
するその他のツナギ駒であってもよい。また、「係止
体」はシリコンゴムが好ましいが、その他のゴムやプラ
スチック、ウレタンなどの高分子系素材も挙げられる。
「ピン本体」は、従来通りステンレス鋼などの金属材で
構成されている。
【0007】請求項2記載の発明は、アジャスト駒を他
の駒と連結させる連結ピンであって、アジャスト駒と他
の駒とのピン穴を一致させ、そのピン穴に挿通されるピ
ン本体と、表面を膨出させ且つ外端を小径にした弾性体
で一体構成され、ピン本体の両端に取り付けられる係止
体とを備え、その係止体がピン穴の内壁に圧接すること
でピン穴内で固定され、アジャスト駒と他の駒とが連結
されるとともに、この連結ピンの端部を少しの力で他方
のピン穴方向へ押圧することで、ピン穴に固定されてい
る連結ピンは、他方のピン穴から抜き出され、アジャス
ト駒と他の駒とが分離されることを特徴とする。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項1又は2に
記載のアジャスト駒用連結ピンを用いた時計バンドであ
り、請求項4記載の発明は、請求項1又は2に記載のア
ジャスト駒用連結ピンを用いた装身具である。
【0009】
【作用】請求項1及び2記載の発明は、ピン本体と係止
体とを備えたアジャスト駒用連結ピン(以下「連結ピ
ン」)である。ピン本体がアジャスト駒と他の駒とのピ
ン穴を一致させたピン穴内に挿通され、ピン本体の両端
部に切り溝を形成し、その切り溝に表面を膨出するよう
に巻装された弾性体からなる係止体、或いは表面を膨出
させ且つ外端を小径にした弾性体で一体構成され、ピン
本体の両端に取り付けられる係止体が、その弾性力によ
ってピン穴内の内壁に圧接する。これにより、本件発明
の連結ピンがピン穴内で固定され、アジャスト駒と他の
駒とが連結される。このとき、ピン本体の両端部が係止
体を介してピン穴の内壁に当接するので、連結ピンの固
定がより安定する。また、こうしてピン穴内に固定され
ている連結ピンに対し、その一方のピン穴に、例えばシ
ャープペンシルの先端軸筒のような極細体を差し込み、
この連結ピンの端部を少しの力で他方のピン穴方向へ押
圧することで、ピン穴に固定されている連結ピンは、他
方のピン穴から抜き出され、アジャスト駒と他の駒とが
分離される。このとき、係止体はピン本体の両端部にあ
るので、連結ピンを一方のピン穴から他方のピン穴方向
へ極細体で押圧すると、すぐに一方の係止体がピン穴か
ら外れ、素速い抜き出し作業が行える。さらに、この連
結ピンを一方のピン穴から指などで押し込むようにする
と、弾性体からなる係止体は圧縮し、ピン穴内に挿通さ
れる。
【0010】また、請求項記載の発明は、係止体がピ
ン本体を巻装するように取り付けられているので、ピン
本体の外周が係止体を介してピン穴の内壁と密着し、連
結ピンがピン穴内でより強固に固定される。
【0011】
【発明の実施の形態】本件発明の実施形態を図面を参照
して説明する。図1は、本件発明に係るアジャスト駒用
連結ピンの基本構成を示す説明用一部切欠断面図、図2
は、変形例1を示す説明用一部切欠断面図、図3は、変
形例2を示す説明用一部切欠断面図、図4は、他の実施
形態を示す斜視図。図5は、アジャスト駒を含んで構成
された時計バンドの一部分を示す斜視図、図6は、同分
解した拡大斜視図である。
【0012】図1に示すアジャスト駒用連結ピン10a
(以下「連結ピン10a」)は、ステンレス鋼で構成さ
れた円柱状のピン本体1の両端部にシリコンゴムで構成
された係止体3が巻装するように取り付けてある。この
構成の連結ピン10aの変形例1として、図2に示すア
ジャスト駒用連結ピン10b(以下「連結ピン10
b」)は、ピン本体1において、その両端部に切り溝
2,2を形成してある。この切り溝2は、図示では角状
に切り込んであるが、これに限らず円弧状や底面に歯状
の刻みなどを設けてもよい。そして、この切り溝2,2
に表面を膨出させたシリコンゴムで構成された係止体3
0が強固に巻装されている。
【0013】また、変形例2として、図3に示すアジャ
スト駒用連結ピン10c(以下「連結ピン10c」)
は、ピン本体1の両端に表面を膨出させ、且つ外端を小
径にしたシリコンゴムで一体構成の係止体31が、強固
に取り付けられ、例えば、接着剤と図示する補強片32
によりピン本体1の両端に固着してある。
【0014】ここで、係止体は、ピン本体1の両端部で
はなく、図4(ア)〜(エ)に示すような取り付け方で
あってもよい。なお、係止体の取り付け方は、これに限
られるものではない。図4(ア)は係止体33をピン本
体1の中央部に幅広く巻装したものであり、図4(イ)
は係止体34を複数並列に巻装した例である。この他、
図4(ウ)は係止体35がピン本体1の外周を巻装する
のではなく、ピン本体1を挟むように対に取り付けたも
のであり、図4(エ)は係止体36を規則的または不規
則的に散点的に取り付けたものである。要するに、係止
体はピン本体がピン穴に挿通された場合に、ピン穴の内
壁に圧接されるようにピン本体に取り付けられていれば
よい。
【0015】図5は、アジャスト駒4を含んで構成され
た時計バンド5の一部分を示し、このアジャスト駒4の
連結方法の一例を図6を参照して説明する。ここでは、
連結ピン10aを使用して説明するが、連結ピン10
b,10cや図4に示す連結ピンについても同様であ
る。
【0016】互いに隣合うアジャスト駒4a,4bにお
いて、一方のアジャスト駒4aの凸部41を他方のアジ
ャスト駒4bの凹部42に嵌め合って、それぞれのピン
穴40,43を一致させて、このピン穴40,43内に
連結ピン10aを通すと、連結ピン10aを介して隣合
うアジャスト駒4a,4bは連結する。このようにし
て、順次隣合うアジャスト駒は連結されて時計バンド5
が構成される。
【0017】すなわち、連結ピン10aにおける係止体
3の外径の直径をφAとし、ピン本体1の直径をφBと
する。また、各アジャスト駒4a,4bのピン穴40,
43の直径をφCとするとき、φA>φC>φBの関係
を満足することにより、係止体3はピン穴43の内壁に
密に圧接し、連結ピン10aはピン穴43内で強固に固
定される。その結果、互いに隣合うアジャスト駒4a,
4bは、強固な連結状態を確保できる。
【0018】また、連結ピン10aの固定されている連
結用ピン穴43の一方に先端が極細体のもの、例えば、
シャープペンシルの先端軸筒を差し込み、連結ピン10
aに対して他方のピン穴方向へ少しの押圧力を加えて、
連結ピン10aを他方から押し出せばよく、その取り外
しが簡易に行えるものである。そして、アジャスト駒の
連結を切り離し、装身部分の長さに合うようにアジャス
ト駒の数を調整できる。
【0019】次に互いに隣合うアジャスト駒4a,4b
を連結させるためにそれぞれのピン穴40,43を一致
させて、この一致させたピン穴40,43の一方から連
結ピン10aの一方を挿通する。その挿通時には、弾性
体たるシリコンゴムの係止体3の直径Aは圧縮するの
で、指などの軽い力でピン本体1を押し込むだけで挿通
できる。挿通された連結ピン10aは、係止体3がその
弾力性によってピン穴43の内壁に圧接し、ピン穴43
内で固定される。なお、連結させるアジャスト駒4は、
図示する例に限定されるものではなく、各種のアジャス
ト駒が利用できる。
【0020】この実施形態では、アジャスト駒同志の切
り離し及び連結について説明してあるが、アジャスト駒
とツナギ駒との場合にも応用できること勿論である。
【0021】
【発明の効果】請求項1及び2記載の発明によれば、ア
ジャスト駒と他の駒とを連結している連結ピンをピン穴
から抜き出し及び挿通する作業には専用工具を必要とせ
ずに例えばシャープペンシルの先端軸筒のような極細体
を用いて簡易に行えるため、アジャスト駒の調整が誰に
でも容易にできる。また、係止体はピン本体の両端部
いは両端にあるので、連結ピンを一方のピン穴から他方
のピン穴方向へ極細体で押圧すると、一方の係止体がピ
ン穴から外れ、素速い抜き出し作業となり、簡易に連結
ピンを取り外せる。さらに、ピン本体の両端部或いは両
が係止体を介してピン穴の内壁と当接するので、連結
ピンの固定が安定し、連結ピンがピン穴から脱落するこ
とはなく、アジャスト駒と他の駒とは確実に連結でき
る。
【0022】また、請求項1記載の発明によれば、係止
体はピン本体を巻装するように取り付けられているの
で、ピン本体の外周が係止体を介してピン穴の内壁と密
着し、アジャスト駒用連結ピンをピン穴内でより強固に
固定できる。
【0023】請求項3及び4記載の発明によれば、アジ
ャスト駒の取り付け及び取り除きが簡易に行え、そのサ
イズの調整が容易な時計バンド、装身具を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本件発明に係るアジャスト駒用連結ピンの基
本構成を示す説明用一部切欠断面図。
【図2】 変形例1を示す説明用一部切欠断面図。
【図3】 変形例2を示す説明用一部切欠断面図。
【図4】(ア)他の実施形態を示す斜視図。 (イ)同他の実施形態を示す斜視図。 (ウ)同他の実施形態を示す斜視図。 (エ)同他の実施形態を示す斜視図。
【図5】 アジャスト駒を含んで構成された装身具の一
部分を示す斜視図。
【図6】 同分解した拡大斜視図。
【符号の説明】
1 ピン本体 3 係止体 4a,4b アジャスト駒 10b ア
ジャスト駒用連結ピン 40,43 連結用ピン穴

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アジャスト駒を他の駒と連結させる連結
    ピンであって、 アジャスト駒と他の駒とのピン穴を一致させ、そのピン
    穴に挿通されるピン本体と、 ピン本体の両端部に切り溝を形成し、その切り溝に表面
    を膨出するように巻装された弾性体からなる係止体とを
    備え、 その係止体がピン穴の内壁に圧接することでピン穴内で
    固定され、アジャスト駒と他の駒とが連結されるととも
    に、 この連結ピンの端部を少しの力で他方のピン穴方向へ押
    圧することで、ピン穴に固定されている連結ピンは、他
    方のピン穴から抜き出され、アジャスト駒と他の駒とが
    分離されることを特徴とするアジャスト駒用連結ピン。
  2. 【請求項2】 アジャスト駒を他の駒と連結させる連結
    ピンであって、 アジャスト駒と他の駒とのピン穴を一致させ、そのピン
    穴に挿通されるピン本体と、表面を膨出させ且つ外端を小径にした弾性体で一体構成
    され、ピン本体の両端に取り付けられる 係止体とを備
    え、 その係止体がピン穴の内壁に圧接することでピン穴内で
    固定され、アジャスト駒と他の駒とが連結されるととも
    に、 この連結ピンの端部を少しの力で他方のピン穴方向へ押
    圧することで、ピン穴に固定されている連結ピンは、他
    方のピン穴から抜き出され、アジャスト駒と他の駒とが
    分離されることを特徴とするアジャスト駒用連結ピン。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のアジャスト駒用連
    結ピンを用いた時計バンド。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のアジャスト駒用連
    結ピンを用いた装身具。
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