JP3535889B2 - ゴミ箱 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本発明はゴミ箱に関し、詳しくは
前面にクランプバーを一体に具備し、このクランプバー
を塵埃収集車のチャックに把持させて自動的にゴミを投
入することが可能なゴミ箱に関する。 【０００２】 【従来の技術】従来から、一般の家庭を始めとし、工
場、公園など様々な場所でゴミの収集が行われている。 【０００３】このうち、一般家庭、あるいはマンション
等の集合住宅地で生活上のゴミを処理するには、各家庭
で比較的小型なゴミ箱を用意し、このゴミ箱内にゴミを
収納するとともに、塵の収集日には定められた場所にゴ
ミ箱を持ち寄り、さらに人手によりゴミ箱を持ち上げ、
内部のゴミを塵芥収集車のテールゲート内に投入するよ
うにしている。 【０００４】一方、公園、もしくは工場などでは、比較
的大型なゴミ箱を用意し、このゴミ箱内にゴミを収納す
るとともに、塵芥収集車が収集に来た際には、塵埃収集
車がゴミ箱を持ち上げて、さらに傾動させて内部のゴミ
を自動投入させる方法が採用されている。この方法によ
れば、衛生上好ましいばかりか安全であり、また軽作業
で済むという利点がある。このような利点を有すること
から、今日では一般家庭においても公園等のゴミ箱と同
様に、自動でゴミを投入できる要望が高まっている。 【０００５】そこで、今日の塵埃収集車にあっては、家
庭用の比較的小型なゴミ箱を持ち上げて傾動させる機能
が具備されている。 【０００６】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに比較的小型なゴミ箱を自動的に持ち上げて傾動させ
る手段は、塵芥収集車の開発メーカーによって構造がま
ちまちで、使用されているゴミ箱も各メーカーの使用に
合わせて作られているため、規格が統一されていないの
が現状である。 【０００７】したがって、例えば、収集にくる塵埃収集
車に具備されたチャックによる把持可能位置が、このチ
ャックで把持されるゴミ箱側のクランプバーの取付け位
置と対応していないと、ゴミ箱を持ち上げることができ
ない場合があった。 【０００８】また、クランプバーでゴミ箱を持ち上げる
場合には、クランプバーを支持する箱体の支持部に大き
な力が作用する。したがって、重量のあるゴミを収容し
ているゴミ箱では、クランプバーを支持する箱体の一部
が破損されてしまうという問題があった。 【０００９】本発明は上記実情に鑑み、ゴミ箱に具備さ
れたクランプバーを把持できる塵埃収集車が一義的に決
められてしまうことがなく、クランプバーを把持できる
高さが異なる範囲に設定された異種の塵埃収集車であっ
ても、このゴミ箱を傾動させて排出させることが可能
で、しかもクランプバーの支持部分が堅牢で破損の虞が
少ないゴミ箱を提供することを目的としている。 【００１０】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明に係るゴミ箱では、略直方体形状の箱体本体の
前面に、上方部から下方部に向かって垂下するように２
本の脚部を突出形成し、これらの脚部間に略水平方向に
クランプバーを差し渡して設置するとともに、塵芥収集
車のテールゲートに設けられた開閉可能なチャック内に
前記クランプバーを着脱自在に装着することにより、前
記箱体本体を前記塵芥収集車の前面に一体的に取付け
し、前記クランプバーを係止した前記チャックにより、
前記箱体本体が前記塵芥収集車の前面に一体的に取付け
られた状態から、前記塵芥収集車に設けられた上下動お
よび回動移動可能な傾動手段を駆動操作することによ
り、前記箱体本体を一方向に回動させるゴミ箱におい
て、前記箱体本体に形成された前記一対の脚部に、略格
子状の複数のリブによるクランプバーの支持領域を形成
するとともに、この支持領域内に、上下方向に所定間隔
はなして少なくとも２つの筒状支持部を形成し、これら
の筒状支持部内に前記クランプバーの両端部を差し渡し
て、前記箱体本体に少なくとも２本のクランプバーを配
設したことを特徴としている。 【００１１】 【作用】上記構成による本発明に係るゴミ箱によれば、
クランプバーを把持することのできる範囲が異なる異種
の塵埃収集車がゴミの収集に来た場合であっても、ゴミ
箱には高さの異なる位置に２本以上のクランプバーが設
置されているので、いずれかを選択することにより、ゴ
ミ箱を持ち上げて傾動させることができる。さらに、ク
ランプバーの支持部の周囲には複数のリブが形成されて
いるので、多量のゴミが収容されていても、その重量は
これらのリブで分散して支えることができ、クランプバ
ーの支持部を破損させることはない。 【００１２】 【実施例】以下、図面を参照しながら本発明に係るゴミ
箱の一実施例について説明する。図１は本発明の一実施
例に係るゴミ箱の側断面図である。 【００１３】図２はこのゴミ箱を一部破断して示す正面
図である。このゴミ箱１は、高さが１ｍ程のもので、Ｆ
ＲＰ、ポリエチレン、ポリスチレン等の合成樹脂から形
成されている。また、本体１ａの下面には２つの車輪
２、２が設置されている。このゴミ箱１は、車輪２、２
が設置されているため、箱体本体１ａを若干、後方に傾
けることにより床面を走行させることが可能になってい
る。 【００１４】また、ゴミ箱１の箱体本体１ａには、回動
操作により開閉することが可能な蓋３が具備され、蓋３
はヒンジ４、４を介して本体１ａに取付けられている。
このようなゴミ箱１は、例えば、マンションの入口付近
などに設置される。そして、ゴミの排出が必要なときに
は、塵埃収集車の後方に搬送され、蓋３を開けた状態で
塵埃収集車に自動で排出される。 【００１５】ゴミ箱１の箱体本体１ａの前面５には、上
方部から二股状に分かれて２本の脚部６、６が突出形成
されている。これら脚部６、６の略中央域より下方のＬ
字状の範囲には、多数のリブ７、７…７が格子状に形成
されている。 【００１６】そして、これらリブ７により、脚部６、６
の下方部位には後述するクランプバー８の支持領域９、
９が形成されている。一方、これら支持領域９、９内に
は、クランプバー８の端部を直接、支持する一対の筒状
支持部１０、１０が同一高さに対向して形成されてい
る。クランプバー８は、両端部がこれら左右一対の筒状
支持部１０、１０により支持されるが、本実施例では、
このような一対の筒状支持部１０、１０が上下方向に所
定間隔はなして２組形成されている。そして、これら２
組の筒状支持部１０を設けることにより、クランプバー
８、８が上下方向に所定間隔はなして２本配設されてい
る。 【００１７】クランプバー８は、例えば鋼製のパイプか
らなるもので、Ｌ字状の支持領域９、９の間隔より幅が
長く形成されている。なお、クランプバー８と箱体本体
１ａとの間には適宜な抜け止め手段および回り止め手段
が介在され、これによりクランプバー８の横方向への抜
けが防止されるとともに、クランプバー８の回転が防止
されている。 【００１８】一方、このようなゴミ箱１から自動でゴミ
を投入することが可能な塵埃収集車には、図３に示した
ような傾動手段１１が設置されている。以下に、塵埃収
集車に設置された傾動手段１１について説明する。 【００１９】塵埃収集車のテールゲート側方には、ブラ
ケット１２が固定設置されている。また、このブラケッ
ト１２の上端部には支持体１３が横方向に突出して取付
けられている。一方、支持体１３にはヒンジ１４により
リフトアーム１５の上端部が回動自在に支持されてい
る。また、車体側に設置されたブラケット１２の下端部
には、油圧で作動するリフトシリンダ１６が軸１７によ
って回動自在に支承されている。 【００２０】このようにブラケット１２に支承されたリ
フトシリンダ１６のロッド１６ａは、軸１８によりリフ
トアーム１５の肩部に固定されている。また、リフトア
ーム１５における支持体１３側の端部には、油圧で作動
するキャッチシリンダ１９の端部が軸２０により取付け
られている。さらに、キャッチシリンダ１９から伸縮す
るロッド２１の先端には、ピン２２が取付けられてい
る。ピン２２はリフトアーム１５に形成された案内溝に
沿って上下動するもので、このピン２２の側方には、ゴ
ミ箱１のクランプバー８を保持するためのＵ字状のキャ
ッチ２３が一体に取付けられている。 【００２１】他方、リフトアーム１５の側壁には、逆Ｕ
字状のピンサポート２４が固定設置されている。このよ
うなキャッチ２３とピンサポート２４とにより、塵埃収
集車のチャック２５が構成されている。 【００２２】傾動手段１１は、上記のように構成されて
いるが、この傾動手段１１は、図示しない制御盤からス
イッチ操作することで作動する。すなわち、チャック２
５の上下方向への移動スイッチを操作すると、キャッチ
シリンダ１９のロッド２１が伸縮し、これに伴ってキャ
ッチ２３が図３において上下動する。また、チャック２
５の回動操作として、他のスイッチを操作すると、リフ
トシリンダ１６のロッド１６ａが伸縮し、これに伴って
リフトアーム１５が軸１４を支点として回動する。 【００２３】以下に、図３および図４を参照しながら上
下動および回動移動する傾動手段１１の実際の作用につ
いて説明する。まず、ゴミを沢山収容したゴミ箱１はゴ
ミ収集の際、塵埃収集車の後ろに回され、蓋３が開成さ
れる。このとき、傾動手段１１におけるキャッチ２３
は、ロッド２１を伸長させることにより、下方に配置さ
れている。 【００２４】したがって、キャッチ２３とピンサポート
２４との間、すなわちチャック２５に間隙が形成され、
この間隙を介して所定の高さにあるクランプバー８が挿
入される。 【００２５】クランプバー８をキャッチ２３とピンサポ
ート２４との間に装着するには、ゴミ箱１を軽く押し付
ければ良い。これにより、クランプバー８がキャッチ２
３とピンサポート２４との間に挿入される。 【００２６】このような状態からキャッチシリンダ１９
を作動させてロッド２１をシリンダ１９内に引き上げ、
キャッチ２３をピンサポート２４に合致させる。こうし
て、キャッチ２３とピンサポート２４とからなるチャッ
ク２５にクランプバー８を把持させたら、リフトシリン
ダ１６を作動させる。すると、このシリンダ１６からロ
ッド１６ａが伸長し、リフトアーム１５の肩部が押圧さ
れる。これにより、リフトアーム１５は軸１４を支点と
して図３において反時計方向に回動し、図４の状態に移
行する。 【００２７】したがって、この状態から内部に収容され
ていたゴミは塵埃収集車のテールゲート内に矢印のよう
に放出される。こうして、ゴミ箱１からゴミが収集され
る。このようにしてゴミの収集が終了したら、再び、リ
フトシリンダ１６を作動させてロッド１６ａをシリンダ
内に収納する。これにより、ゴミ箱１は元の立った姿勢
に復帰する。 【００２８】その後、キャッチシリンダ１９を作動さ
せ、ロッド２１をシリンダ１９から突出させれば、キャ
ッチ２３は図３に示したように、ピンサポート２４から
離反した状態に復帰する。 【００２９】これにより、ゴミ箱１のクランプバー８
は、塵埃収集車の傾動手段１１からの着脱が可能にな
る。なお、上記のようにしてゴミ箱１内のゴミを自動投
入する場合、ゴミ箱１はクランプバー８のみで持ち上げ
られるため、箱体本体側の支持部には多大な力が作用す
るが、本実施例では、多数のリブ７により形成された支
持領域９内の筒状支持部１０、１０にクランプバー８の
両端部が支持されているので、荷重の分散化を図ること
ができる。したがって、筒状支持部１０、１０が破損し
たりすることもない。 【００３０】ここで、異なる高さのクランプバー８を把
持するように構成された他種の塵埃収集車が収集にきた
場合には、前記クランプバー８とは異なる位置にあるク
ランプバー８を掴んで傾動させれば良い。 【００３１】このように他機種の塵埃収集車で掴むこと
のできるクランプバー８を選択させるには、実際的に
は、通常、２種の傾動手段が具備されている塵埃収集車
の機能に合致させて、異なる位置にクランプバー８、８
を設置すれば良い。 【００３２】これにより、違う規格の塵埃収集車が収集
にきたとしても、適合するクランプバー８を選択するこ
とができる。したがって、他の塵埃収集車が収集にきた
としても、上記と同様にゴミ箱を自動的に傾動させて内
部のゴミを排出することができる。 【００３３】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に何ら限定されず、種々の変形
が可能である。例えば、以上の実施例では、クランプバ
ー８を２本配設したが、さらに加えて３本以上配設する
こともできる。この場合、一対の筒状支持部１０、１０
をさらに設ければ良い。 【００３４】また、塵埃収集車側に具備される傾動手段
は、勿論上記のものに何ら限定されない。さらには、支
持領域９、９を設ける範囲も上記実施例では略Ｌ字状の
範囲としたが、この範囲も実施例に何ら限定されない。
収容するゴミの重さ等を考慮してさらに広い範囲に設定
することもできる。 【００３５】 【発明の効果】以上、説明したように、本発明に係るゴ
ミ箱によれば、クランプバーを把持することのできる範
囲が異なる塵埃収集車が集塵に来た場合であっても、ゴ
ミ箱には高さの異なる位置に２本以上のクランプバーが
設置されているので、いずれかを選択することにより、
ゴミ箱を持ち上げて傾動させることができる。さらに、
クランプバーの支持部の周囲には複数のリブが形成され
ているので、多量のゴミが収容されていても、その重量
はこれらのリブで支えることができ、クランプバーの支
持部を破損させることはない。

【図面の簡単な説明】 【図１】図１は本発明の一実施例に係るゴミ箱を一部破
断して示す正面図である。 【図２】図２は同ゴミ箱の側断面図である。 【図３】図３は同実施例によるゴミ箱を塵埃収集車に装
着するときの作用を説明する側面図である。 【図４】図４は同実施例によるゴミ箱を傾動させて内部
のゴミを排出するときの作用を説明する側面図である。 【符号の説明】 １ ゴミ箱 １ａ 箱体本体 ５ 前面 ７ リブ ８ クランプバー ９ 支持領域 ２５ チャック

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B65F 1/00 - 1/16 B65F 3/00 - 3/28

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】略直方体形状の箱体本体の前面に、上方部
   から下方部に向かって垂下するように２本の脚部を突出
   形成し、これらの脚部間に略水平方向にクランプバーを
   差し渡して設置するとともに、 塵芥収集車のテールゲートに設けられた開閉可能なチャ
   ック内に前記クランプバーを着脱自在に装着することに
   より、前記箱体本体を前記塵芥収集車の前面に一体的に
   取付けし、 前記クランプバーを係止した前記チャックにより、前記
   箱体本体が前記塵芥収集車の前面に一体的に取付けられ
   た状態から、前記塵芥収集車に設けられた上下動および
   回動移動可能な傾動手段を駆動操作することにより、前
   記箱体本体を一方向に回動 させるゴミ箱において、前記箱体本体に形成された前記一対の脚部に、略格子状
   の複数のリブによるクランプバーの支持領域を形成する
   とともに、この支持領域内に、上下方向に所定間隔はな
   して少なくとも２つの筒状支持部を形成し、これらの筒
   状支持部内に前記クランプバーの両端部を差し渡して、
   前記箱体本体に 少なくとも２本のクランプバーを配設し
   たことを特徴とするゴミ箱。