JP3534665B2 - 音声認識装置、音声認識方法および音声認識プログラムを記録した媒体 - Google Patents

音声認識装置、音声認識方法および音声認識プログラムを記録した媒体

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JP3534665B2
JP3534665B2 JP30818099A JP30818099A JP3534665B2 JP 3534665 B2 JP3534665 B2 JP 3534665B2 JP 30818099 A JP30818099 A JP 30818099A JP 30818099 A JP30818099 A JP 30818099A JP 3534665 B2 JP3534665 B2 JP 3534665B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音声認識技術に関
し、特に、隠れマルコフモデル(以下、HMM(Hidden
Markov Model)と呼ぶ)を用いた音声認識装置、音
声認識方法および音声認識プログラムを記録した媒体に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パーソナルコンピュータやワード
プロセッサ等の情報処理装置において、音声によって文
章の入力等を可能とするために音声認識装置の開発が盛
んに行われている。音声認識の中でも、話者の個人差等
に起因するスペクトルそのものの変動に対しても高い認
識精度が得られるHMMを用いた音声認識が特に盛んに
研究・開発されている。
【0003】HMMを用いた音声認識においては、大量
の音声データから得られる音声の統計的特徴をモデル化
したものが使用される。このHMMを用いた音声認識に
ついては、中川聖一著“確率モデルによる音声認識”等
に詳細に説明されているので、これらの参考書を参照さ
れたい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】HMMを用いた音声認
識装置の開発において、多くは大語彙、不特定話者およ
び連続音声の認識を目指しており、ソフトウェア処理の
みによって実時間処理が可能な音声認識装置を構築する
ためには、音声認識処理の高速化が必要である。
【0005】連続分布HMMを用いた音声認識装置にお
いて、HMMの出力確率の計算は、言語空間探索と同様
に多くの計算量を要する処理である。このHMMの出力
確率の計算は、総分布数(=(HMMの数)×(HMM
の状態数)×(状態内混合分布数))に比例する。一般
に、連続分布HMMを用いた音声認識においては、学習
データが十分であれば、分布数が多いほど認識率が高く
なるが計算量が多くなる。逆に、分布数が少ないほど認
識率が低くなるが計算量は少なくなる。したがって、認
識率を低下させずに、実際に計算する総分布数を削減し
て計算量を少なくする手法が重要となる。
【0006】本発明の第1の目的は、尤度計算の計算量
を削減して、処理速度を向上させることが可能な音声認
識装置、音声認識方法および音声認識プログラムを記録
した媒体を提供することである。
【0007】第2の目的は、認識性能が高い音声認識装
置、音声認識方法および音声認識プログラムを記録した
媒体を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のある局面に従え
ば、音声認識装置は、部分空間毎に作成された予備選択
辞書と、入力ベクトルと予備選択辞書に格納された内容
とに基づいてHMMの状態を構成する各分布の近似尤度
を計算し、近似尤度を用いて選択された分布について入
力ベクトルとの尤度を計算するための尤度計算手段と、
尤度計算手段によって計算された尤度に基づいて音声の
認識を行う認識手段とを含む。
【0009】尤度計算手段は、近似尤度を用いて選択さ
れた分布についてのみ入力ベクトルとの尤度を計算する
ので、尤度計算の計算量を削減することができ、音声認
識の処理速度を向上させることが可能となる。
【0010】本発明の別の局面に従えば、予備選択辞書
は特徴空間毎に作成される。予備選択辞書は特徴空間毎
に作成されるので、より詳細な近似尤度を計算すること
ができ、認識性能が高い音声認識装置を提供することが
可能となる。
【0011】本発明のさらに別の局面に従えば、予備選
択辞書は、部分空間毎に作成されたクラスタ代表分布を
正規分布で表現し、平均値および分散が格納される。
【0012】予備選択辞書は、部分空間毎に作成された
クラスタ代表分布が正規分布で表現されているので、近
似尤度の計算が容易となり、さらに処理速度の向上を図
ることが可能となる。
【0013】本発明のさらに別の局面に従えば、予備選
択辞書は、部分空間毎に作成された多層の辞書を含む。
【0014】たとえば、予備選択辞書は、第1層の辞書
と第2層の辞書とを含み、第1層の辞書を用いて近似尤
度を計算した後、第2層の辞書を用いてさらに詳細に近
似尤度を計算することによって、近似尤度の計算量を削
減することが可能となる。
【0015】本発明のさらに別の局面に従えば、尤度計
算手段は、音声データを学習して得られた各分布の出力
確率分布が格納される詳細辞書と、入力ベクトルと予備
選択辞書に格納された内容とに基づいてHMMを構成す
る各分布の近似尤度を計算するための近似尤度計算手段
と、近似尤度計算手段によって計算された近似尤度に基
づいて、詳細尤度を計算する分布を選択するための分布
選択手段と、分布選択手段によって選択された分布の詳
細尤度を詳細辞書を用いて計算するための詳細尤度計算
手段とを含む。
【0016】詳細尤度計算手段は、分布選択手段によっ
て選択された分布の詳細尤度を詳細辞書を用いて計算す
るので、詳細尤度を計算する分布数を削減することがで
き、音声認識の処理速度を向上させることが可能とな
る。
【0017】本発明のさらに別の局面に従えば、予備選
択辞書は、詳細辞書に格納される各分布が特徴空間毎に
分類されて作成される。
【0018】予備選択辞書は、詳細辞書に格納される各
分布が特徴空間毎に分類されて作成されるので、詳細な
近似尤度を計算することができ、認識性能が高い音声認
識装置を提供することが可能となる。
【0019】本発明のさらに別の局面に従えば、予備選
択辞書は、詳細辞書に格納される各分布が部分空間毎に
分類された後に、音声データがどのクラスタに属するか
を分類し、各クラスタに属する音声データの特徴パラメ
ータの値から計算して作成される。
【0020】予備選択辞書は、詳細辞書に格納される各
分布が部分空間毎に分類された後に、音声データがどの
クラスタに属するかを分類し、各クラスタに属する音声
データの特徴パラメータの値から計算して作成されるの
で、各分布の分類がさらに正確に行なわれるようにな
り、認識性能の高い音声認識装置を提供することが可能
となる。
【0021】本発明のさらに別の局面に従えば、分布選
択手段は、近似尤度計算手段によって計算された近似尤
度の中から尤度の大きい近似尤度を有する分布を選択す
る。
【0022】分布選択手段は、近似尤度計算手段によっ
て計算された近似尤度の中から尤度の大きい近似尤度を
有する分布を選択するので、詳細尤度の計算が必要な分
布を正確に選択することが可能となる。
【0023】本発明のさらに別の局面に従えば、分布選
択手段は、部分空間の最大尤度と閾値とから基準尤度を
算出し、基準尤度より近似尤度が大きい分布を選択す
る。
【0024】分布選択手段は、部分空間の最大尤度と閾
値とから基準尤度を算出し、基準尤度より近似尤度が大
きい分布を選択するので、詳細尤度の計算が必要な分布
を正確に選択することが可能となる。
【0025】本発明のさらに別の局面に従えば、音声認
識方法は、入力ベクトルと部分空間毎に作成された予備
選択辞書の内容とに基づいてHMMを構成する各分布の
近似尤度を計算するステップと、近似尤度を用いて選択
された分布について入力ベクトルとの尤度を計算するス
テップと、計算された尤度に基づいて音声の認識を行う
ステップとを含む。
【0026】近似尤度を用いて選択された分布について
のみ入力ベクトルとの尤度を計算するので、尤度計算の
計算量を削減することができ、音声認識の処理速度を向
上させることが可能となる。
【0027】本発明のさらに別の局面に従えば、コンピ
ュータ読取可能な媒体に記録された音声認識プログラム
は、入力ベクトルと部分空間毎に作成された予備選択辞
書の内容とに基づいてHMMを構成する各分布の近似尤
度を計算するステップと、近似尤度を用いて選択された
分布について入力ベクトルとの尤度を計算するステップ
と、計算された尤度に基づいて音声の認識を行うステッ
プとを含む。
【0028】近似尤度を用いて選択された分布について
のみ入力ベクトルとの尤度を計算するので、尤度計算の
計算量を削減することができ、音声認識の処理速度を向
上させることが可能となる。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の形態にお
ける音声認識装置の機能構成を示すブロック図である。
この音声認識装置は、マイクによって集音されたアナロ
グの音声信号をディジタル信号に変換し、音声認識の対
象となる音声区間を切り出して出力する音声入力部1
と、音声入力部1から出力されたディジタルの音声信号
を分析し、音響パラメータ(入力ベクトル)を抽出して
出力する音響分析部2と、音響分析部2から出力された
音響パラメータに基づいてHMMの状態を構成する各分
布の尤度を計算する尤度計算部3と、尤度計算部3によ
る尤度計算の際に使用されるHMMを格納するHMM格
納部4と、単語辞書6と、尤度計算部3によって計算さ
れた尤度に基づいて単語辞書6を探索して認識結果を出
力する辞書探索部5と、辞書探索部5から出力された認
識結果を表示する表示部7とを含む。
【0030】入力部1は、ユーザによって音声が入力さ
れるマイク1aと、マイク1aを介して入力された音声
信号をアナログ信号からディジタル信号に変換するA/
D(Analog/Digital)コンバータ1bとを含む。
【0031】HMM格納部4は、大量の音声データから
学習したHMMの状態を構成する各分布を格納する詳細
辞書部4bと、詳細辞書4bに格納される音声データの
各分布を特徴空間毎にクラスタリングして作成したクラ
スタ代表分布を格納する予備選択辞書4aとを含む。H
MMの学習は、Baum-Welchアルゴリズムによって行われ
る。なお、この予備選択辞書4aおよび詳細辞書4bの
詳細については後述する。
【0032】尤度計算部3は、音響分析部2によって抽
出された音響パラメータおよび予備選択辞書4aに格納
されるクラスタ代表分布とを比較して尤度を計算し、各
分布毎のインデックス情報を用いて各分布の近似尤度を
計算する近似尤度計算部3aと、近似尤度計算部3aに
よって計算された近似尤度の上位から所定数の分布、ま
たは予め定められた基準尤度より大きい近似尤度の分布
を選択する分布選択部3bと、分布選択部3bによって
選択された分布について詳細辞書4bを用いて尤度を再
計算する詳細尤度計算部3cとを含む。
【0033】辞書探索部5は、尤度計算部3によって計
算された各分布の尤度および単語辞書6に登録された単
語に対してビタビアルゴリズムを用いてスコアを算出
し、この算出されたスコアが最大となる単語を認識結果
として出力する。
【0034】なお、以上の説明においては、音声特徴ベ
クトル系列をHMMで表現した場合についてのものであ
ったが、HMMの代わりに、フレームベクトルの時系列
で表現した標準パターンを用いても良い。この標準パタ
ーンを用いて認識を行う場合には、音響パラメータとH
MMの状態を構成する各分布とを比較して尤度を計算す
る尤度計算部3に代えて、音響パラメータと標準パター
ンのフレームベクトルとの距離を計算して評価する構成
を採用すれば良い。また、辞書探索部5は、標準パター
ンのフレームベクトルの距離および単語辞書6に登録さ
れた単語に対してDP(Dynamic Programming)マッチ
ングを用いてスコアを算出し、この算出されたスコアが
最小となる単語を認識結果として出力する構成を採用す
れば良い。
【0035】図2は、本実施の形態における音声認識装
置の処理手順を説明するためのフローチャートである。
まず、ユーザがマイク1aを介して音声を入力すると、
このアナログの音声信号がA/Dコンバータ1bによっ
てディジタル信号に変換される(S11)。音響分析部
2は、線形予測分析等を用いて音声信号の特徴である音
響パラメータ(入力ベクトル)を抽出する(S12)。
なお、本実施の形態においては、この音響パラメータと
して、LPC(Linear Predictive Coding)ケプスト
ラム1次〜16次、LPCΔケプストラム1次〜16
次、パワーおよびΔパワーの4種類の特徴を用いるもの
とする。
【0036】次に、近似尤度計算部3aは、音響分析部
2によって抽出された音響パラメータと各特徴毎に作成
された予備選択辞書4aとを比較し、部分空間別尤度テ
ーブルを作成する。そして、インデックステーブル内の
分布番号と各特徴毎のクラスタへのインデックス情報を
用いて部分空間別尤度テーブルを参照し、各分布の近似
尤度を計算する(S13)。
【0037】ここで、予備選択辞書4a、インデックス
テーブルおよび部分空間別尤度テーブルの作成方法につ
いて説明する。
【0038】図3は予備選択辞書4aの内容の一例を示
す図であり、図4はインデックステーブルおよび部分空
間別尤度テーブルの一例を示す図である。また、図5は
予備選択辞書4aの作成方法を説明するためのフローチ
ャートである。まず、詳細辞書4bに格納されたHMM
の状態を構成する各分布が、部分空間毎にM個のクラス
タに分類される(S21)。分布の各特徴をM個のクラ
スタに分類する方法として、たとえば、K−means
法を使うことができる。
【0039】次に、このクラスタリングの結果から、各
分布とクラスタとの関係を表すインデックステーブルが
作成される(S22)。このインデックステーブルは、
各分布の各特徴がいずれのクラスタ(1〜M)に分類さ
れているかを示している。たとえば、図4において分布
番号“1”の分布のパワーがクラスタ番号“2”のクラ
スタに分類され、LPCケプストラムがクラスタ番号
“1”のクラスタに分類され、Δパワーがクラスタ番号
“1”のクラスタに分類され、LPCΔケプストラムが
クラスタ番号“2”のクラスタに分類されていることを
示している。
【0040】次に、大量の音声データ(詳細辞書4bを
生成する際に使用された音声データ)と詳細辞書4b内
の各分布とを比較し、音声データがどのクラスタに属す
るかを再度分類する(S23)。すなわち、音声データ
を詳細辞書4bの内容を用いて認識を行いマッチング経
路をとることにより、入力ベクトルに対して最も尤度の
高い分布を求め、インデックステーブルを参照して各特
徴がどのクラスタに属するかを分類する。
【0041】そして、各クラスタに属している音声デー
タの音響パラメータの値から平均値および分散を計算し
てクラスタ代表分布を作成する(S24)。図3に示す
予備選択辞書は、この作成された各クラスタ代表分布が
特徴毎に格納されているところを示している。また、予
備選択辞書4aを簡易に作成するために、ステップS2
1において作成されたクラスタリングの結果から平均値
と分散とを計算してクラスタ代表分布としても良い。
【0042】なお、図3には部分空間別の予備選択辞書
が1層だけ作成される場合を示しているが、図6に示す
ような多層構造にしても良い。この場合、たとえば図4
に示す予備選択辞書4aを第2層と考え、部分空間毎に
第2層のM2個のクラスタ代表分布をクラスタリングし
てM1個のクラスタ代表分布が作成され、第1層と第2
層との対応がインデックステーブルに格納される。予備
選択辞書をこのような構成にすることにより、認識対象
の音響パラメータに基づいて第1層の各クラスタ代表分
布との尤度を計算して尤度が高いクラスタを選択し、こ
のクラスタが指し示す第2層の各クラスタ代表分布との
尤度を再計算するとともに、選択されなかったクラスタ
が指し示す第2層のクラスタについては第1層のクラス
タ代表分布の尤度を近似尤度として使用することによ
り、尤度計算の計算量を削減することができる。
【0043】次に、図4に示す部分空間別尤度テーブル
の算出および詳細尤度を算出する必要がある分布の抽出
について、図7(a)および図7(b)を参照しながら
説明する。図7(a)に示すように、まず、近似尤度計
算部3aは、部分空間毎に認識対象の音響パラメータと
予備選択辞書4aに格納されるクラスタ代表の分布とを
比較して尤度を計算し、図4に示すように部分空間別尤
度テーブルを作成する(S31)。
【0044】次に、近似尤度計算部3aは、インデック
ステーブルの分布番号順にインデックスを参照して部分
空間別尤度テーブル内の各特徴の尤度を抽出し、それら
を加算することによって近似尤度を算出する(S3
2)。図4に示すように、部分空間別尤度テーブルの内
容は対数によって表されているので、加算のみによって
近似尤度を算出することができる。
【0045】次に、分布選択部3bは、近似尤度算出部
3aによって算出された各分布の近似尤度をソーティン
グし、近似尤度の大きい上位T個の分布を抽出する(S
33)。そして、詳細尤度計算部3cは、分布選択部3
bによって抽出された上位T個の分布に対応する出力確
率分布を詳細辞書4bから抽出し、認識対象の音響パラ
メータと上位T個の分布に対応する出力確率分布とを比
較して詳細尤度を計算する(S34)。
【0046】また、別の方法として図7(b)に示すよ
うに、まず、近似尤度計算部3aは、部分空間毎に認識
対象の音響パラメータと予備選択辞書4aに格納される
クラスタ代表の分布とを比較して尤度を計算し、図4に
示すように部分空間別尤度テーブルを作成する(S4
1)。
【0047】次に、近似尤度計算部3aは、インデック
ステーブルの分布番号順にインデックスを参照して部分
空間別尤度テーブル内の各特徴の尤度を抽出し、それら
を加算することによって近似尤度を算出する(S4
2)。
【0048】次に、分布選択部3bは、各部分空間の最
大尤度を算出し、この各部分空間の最大尤度と予め定め
られた閾値とから基準尤度(基準尤度<最大尤度)を算
出する。そして、分布選択部3bは、基準尤度よりも近
似尤度が大きい分布を選択する(S43)。そして、詳
細尤度計算部3cは、分布選択部3bによって選択され
た分布に対応する出力確率分布を詳細辞書4bから抽出
し、認識対象の音響パラメータと抽出された分布に対応
する出力確率分布とを比較して詳細尤度を計算する(S
44)。
【0049】再び、図2に示すフローチャートの説明に
戻る。上述したように、予備選択辞書4aおよび詳細辞
書4bを参照しながら分布の選択を行い(S14)、選
択された分布の詳細尤度を算出する(S15)。
【0050】次に、辞書探索部5は、ステップS15に
おいて算出された各分布の尤度と、単語辞書6に登録さ
れた単語毎のモデルとに対してビタビアルゴリズムを用
いてスコアを算出し(S16)、スコアが最大となる単
語を認識結果として表示部7に表示する(S17)。
【0051】たとえば、分布数Nを1500、各部分空
間のクラスタ数Mを50、詳細尤度を算出する分布数T
を100とすると、50(クラスタ数M)+100(分
布T)=150の分布についての尤度計算と、各分布の
近似尤度の計算と、上位100個の分布の選択とが必要
になる。この中で、各分布の近似尤度の計算と、上位1
00個の分布の選択とに要する時間は、尤度計算と比較
して短いものである。したがって、従来のHMMを用い
た音声認識においては分布数N=1500に対応する尤
度計算が必要であるのに対し、本実施の形態における音
声認識装置においては150の分布についての尤度計算
が必要であり、従来と比べて約1/10の計算量で尤度
計算が行えることになる。
【0052】また、全特徴空間でクラスタリングして作
成した予備選択辞書を用いて尤度計算を行う場合、その
尤度計算に要する計算量は本実施の形態における予備選
択辞書を用いた場合の計算量と同じである。しかし、全
特徴空間でクラスタリングして作成した予備選択辞書を
用いた場合にはM通りの近似尤度しか表現できないのに
対し、本実施の形態の予備選択辞書においては、各特徴
空間毎にクラスタリングされるので、M×M×M×M通
りの近似尤度を表現できる。したがって、より詳細な近
似尤度を算出することができ、音声の認識性能が高くな
る。
【0053】なお、本実施の形態における音声認識装置
においては、特徴空間としてパワー、Δパワー、LPC
ケプストラムおよびLPCΔケプストラムの4つが用い
られたが、他の特徴空間が用いられても良い。また、各
特徴空間において、各部分空間のクラスタ数を同一とし
て説明したが、特徴空間毎に異なる部分空間のクラスタ
数を設定しても良い。
【0054】図8は、本発明の音声認識装置の外観例を
示す図である。この音声認識装置は、音声入力部1、コ
ンピュータ本体11、グラフィックディスプレイ装置1
2、磁気テープ14が装着される磁気テープ装置13、
キーボード15、マウス16、CD−ROM(Compact
Disc-Read Only Memory)18が装着されるCD−R
OM装置17および通信モデム19を含む。音声認識プ
ログラムは、磁気テープ14またはCD―ROM18等
の記録媒体によって供給される。音声認識プログラムは
コンピュータ本体11によって実行され、操作者はグラ
フィックディスプレイ装置12を見ながらキーボード1
5またはマウス16を操作することによって音声認識の
指示等を行う。また、音声認識プログラムは他のコンピ
ュータより通信回線を経由し、通信モデム19を介して
コンピュータ本体11に供給されてもよい。
【0055】図9は、本発明の音声認識装置の構成例を
示すブロック図である。図8に示すコンピュータ本体1
1は、CPU(Central Processing Unit)20、R
OM(Read Only Memory)21、RAM(Random Acc
ess Memory)22およびハードディスク23を含む。
CPU20は、グラフィックディスプレイ装置12、磁
気テープ装置13、キーボード15、マウス16、CD
−ROM装置17、通信モデム19、ROM21、RA
M22またはハードディスク23との間でデータを入出
力しながら処理を行う。磁気テープ14またはCD−R
OM18に記録された音声認識プログラムは、CPU2
0により磁気テープ装置13またはCD−ROM装置1
7を介して一旦ハードディスク23に格納される。CP
U20は、ハードディスク23から適宜音声認識プログ
ラムをRAM22にロードして実行することによって音
声認識を行う。
【0056】以上説明したように、本実施の形態におけ
る音声認識装置によれば、部分空間毎に作成された予備
選択辞書4aを用いて各分布の近似的な尤度を算出し、
出力確率を厳密に計算する必要がある分布を抽出し、抽
出された分布のみ出力確率を計算するようにしたので、
認識に要する時間を短縮することが可能となった。ま
た、各特徴空間毎にクラスタリングして予備選択辞書4
aを作成するようにしたので、近似尤度計算部3aは詳
細な近似尤度を算出することができ、認識性能を高くす
ることが可能となった。
【0057】今回開示された実施の形態は、すべての点
で例示であって制限的なものではないと考えられるべき
である。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請
求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味
および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態における音声認識装置の
機能構成の概略を説明するための図である。
【図2】 本発明の実施の形態における音声認識装置の
処理手順を説明するためのフローチャートである。
【図3】 予備選択辞書4aの一例を示す図である。
【図4】 インデックステーブルおよび部分空間別尤度
テーブルの一例を示す図である。
【図5】 部分空間毎の予備選択辞書4aおよびインデ
ックステーブルの作成を説明するためのフローチャート
である。
【図6】 予備選択辞書4aを多層構造にした場合を示
す図である。
【図7】 部分空間別尤度テーブルの作成および詳細尤
度の計算を説明するためのフローチャートである。
【図8】 本発明の実施の形態における音声認識装置の
外観例を示す図である。
【図9】 本発明の実施の形態における音声認識装置の
概略構成を示す図である。
【符号の説明】
1 音声入力部、1a マイク、1b A/Dコンバー
タ、2 音響分析部、3 尤度計算部、3a 近似尤度
計算部、3b 分布選択部、3c 詳細尤度計算部、4
HMM格納部、4a 予備選択辞書、4b 詳細辞
書、5 辞書探索部、6 単語辞書、7 表示部、11
コンピュータ本体、12 グラフィックディスプレイ
装置、13 磁気テープ装置、14 磁気テープ、15
キーボード、16 マウス、17 CD−ROM装
置、18 CD−ROM、19 通信モデム、20 C
PU、21 ROM、22 RAM、23 ハードディ
スク。
フロントページの続き (56)参考文献 渡辺, 篠田, 高木, 山田, 服 部, 礒,木構造確率分布を用いた音声 認識,日本音響学会平成5年度秋季研究 発表会講演論文集,日本,1993年10月 5日,1−8−7,Pages 13−14 Enrico Bocchieri, Vector quantizatio n for the efficien t computation of c ontinuous density likelihoods,Procee dings of the 1993 IE EE International C onference on Acous tics, Speech, and Signal Processing, 米国,1993年 4月27日,Volume 2,Pages 692−695 小森, 山田, 山本, 大洞,少数 分布HMMによる出力確率確定に基づい た効率的な混合連続分布HMM音声認 識,電子情報通信学会技術研究報告[音 声],日本,1994年10月13日,SP94− 52,Pages 31−38 山口 外8名,コンパクトな単語音声 認識,テキスト音声合成,シャープ技 報,日本,2000年 8月10日,第77号, Pages 26−32 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10L 15/00 - 15/28 JICSTファイル(JOIS)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部分空間毎に作成された予備選択辞書
    と、 入力ベクトルと前記予備選択辞書に格納された内容とに
    基づいてHMMの状態を構成する各分布の近似尤度を計
    算し、前記近似尤度を用いて選択された分布について前
    記入力ベクトルとの尤度を計算するための尤度計算手段
    と、 前記尤度計算手段によって計算された尤度に基づいて音
    声の認識を行う認識手段とを含む音声認識装置。
  2. 【請求項2】 前記予備選択辞書は、特徴空間毎に作成
    される、請求項1記載の音声認識装置。
  3. 【請求項3】 前記予備選択辞書は、部分空間毎に作成
    されたクラスタ代表分布を正規分布で表現し、平均値お
    よび分散が格納される、請求項1または2記載の音声認
    識装置。
  4. 【請求項4】 前記予備選択辞書は、部分空間毎に作成
    された多層の辞書を含む、請求項1〜3のいずれかに記
    載の音声認識装置。
  5. 【請求項5】 前記尤度計算手段は、音声データを学習
    して得られた各分布の出力確率分布が格納される詳細辞
    書と、 前記入力ベクトルと前記予備選択辞書に格納された内容
    とに基づいてHMMの状態を構成する各分布の近似尤度
    を計算するための近似尤度計算手段と、 前記近似尤度計算手段によって計算された近似尤度に基
    づいて、詳細尤度を計算する分布を選択するための分布
    選択手段と、 前記分布選択手段によって選択された分布の詳細尤度を
    前記詳細辞書を用いて計算するための詳細尤度計算手段
    とを含む、請求項1〜4のいずれかに記載の音声認識装
    置。
  6. 【請求項6】 前記予備選択辞書は、前記詳細辞書に格
    納される各分布が特徴空間毎に分類されて作成される、
    請求項5記載の音声認識装置。
  7. 【請求項7】 前記予備選択辞書は、前記詳細辞書に格
    納される各分布が部分空間毎に分類された後、前記音声
    データがどのクラスタに属するかを分類し、各クラスタ
    に属する音声データの特徴パラメータの値から計算して
    作成される、請求項5または6記載の音声認識装置。
  8. 【請求項8】 前記分布選択手段は、前記近似尤度計算
    手段によって計算された近似尤度の中から尤度の大きい
    近似尤度を有する分布を選択する、請求項5〜7のいず
    れかに記載の音声認識装置。
  9. 【請求項9】 前記分布選択手段は、前記部分空間の最
    大尤度と閾値とから基準尤度を算出し、該基準尤度より
    近似尤度が大きい分布を選択する、請求項5〜7のいず
    れかに記載の音声認識装置。
  10. 【請求項10】 入力ベクトルと部分空間毎に作成され
    た予備選択辞書の内容とに基づいてHMMの状態を構成
    する各分布の近似尤度を計算するステップと、 前記近似尤度を用いて選択された分布について前記入力
    ベクトルとの尤度を計算するステップと、 前記計算された尤度に基づいて音声の認識を行うステッ
    プとを含む音声認識方法。
  11. 【請求項11】 入力ベクトルと部分空間毎に作成され
    た予備選択辞書の内容とに基づいてHMMの状態を構成
    する各分布の近似尤度を計算するステップと、 前記近似尤度を用いて選択された分布について前記入力
    ベクトルとの尤度を計算するステップと、 前記計算された尤度に基づいて音声の認識を行うステッ
    プとを含む音声認識プログラムを記録したコンピュータ
    で読み取り可能な記録媒体。
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Enrico Bocchieri,Vector quantization for the efficient computation of continuous density likelihoods,Proceedings of the 1993 IEEE International Conference on Acoustics, Speech, and Signal Processing,米国,1993年 4月27日,Volume 2,Pages 692−695
小森, 山田, 山本, 大洞,少数分布HMMによる出力確率確定に基づいた効率的な混合連続分布HMM音声認識,電子情報通信学会技術研究報告[音声],日本,1994年10月13日,SP94−52,Pages 31−38
山口 外8名,コンパクトな単語音声認識,テキスト音声合成,シャープ技報,日本,2000年 8月10日,第77号,Pages 26−32
渡辺, 篠田, 高木, 山田, 服部, 礒,木構造確率分布を用いた音声認識,日本音響学会平成5年度秋季研究発表会講演論文集,日本,1993年10月 5日,1−8−7,Pages 13−14

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