JP3522895B2 - アレイアンテナシステムおよびアレイアンテナシステムの駆動方法 - Google Patents

アレイアンテナシステムおよびアレイアンテナシステムの駆動方法

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JP3522895B2
JP3522895B2 JP11753895A JP11753895A JP3522895B2 JP 3522895 B2 JP3522895 B2 JP 3522895B2 JP 11753895 A JP11753895 A JP 11753895A JP 11753895 A JP11753895 A JP 11753895A JP 3522895 B2 JP3522895 B2 JP 3522895B2
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q1/00Details of, or arrangements associated with, antennas
    • H01Q1/27Adaptation for use in or on movable bodies
    • H01Q1/28Adaptation for use in or on aircraft, missiles, satellites, or balloons
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  • Aviation & Aerospace Engineering (AREA)
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  • Details Of Aerials (AREA)
  • Use Of Switch Circuits For Exchanges And Methods Of Control Of Multiplex Exchanges (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は地表の主要部を照射す
る衛星通信システムに使用される複数ビームアンテナに
関し、特に高利得強度の領域の間の区域をより均一に照
射するように、ビームを取り囲む通路に沿って複数の高
利得ビームを連続的にずらし、離間配置された高利得ビ
ームによる広域有効範囲のアレイアンテナシステムに関
する。
【0002】
【従来の技術】広域の高利得有効範囲を得るために複数
ビームアンテナアレイが用いられる。限られたビーム数
でより多くの領域をカバーするようにビームは空間的に
間隔を置いて配置される。しかしながら、衛星通信を受
信する受信機が設置された地上領域のような領域で得ら
れる照射は電磁力の強度が変化する。最大強度はビーム
の中央線に位置する領域で受信される。一般にビームが
交叉する領域では利得が低くなる。上述した通信システ
ムはアンテナからの電磁力の送信を例示したものであ
り、この場合照射強度はアンテナの放射パターン(アン
テナ指向性)の関数として変化する。
【0003】しかしながら、複数ビームアンテナの動作
は相互的であるので上述した照射強度の変化は地上局か
らの送信に対する衛星での受信にもあてはまる。この場
合、衛星で受信した信号の強度はアンテナ放射パターン
内の地上局の場所により変化する。
【0004】ポイントツウマルチポイント(1対多)通
信リンクにおいては複数の選択された方向に同時に最大
アンテナ利得を供給する必要がある。おのおののマルチ
ポイント通信端末装置が最小の無線周波リンク能力しか
有しない場合には特にそうである。このような例として
は地球全体をカバーする領域にわたって多くの小型端末
装置が点在する衛星通信システムがある。
【0005】1つの衛星アンテナビームはリンクを介し
て通信するのに必要な利得しか有していないので、カバ
ーする必要のある範囲の一部しかカバーできない。この
場合、高利得スポットビームを用いて必要な範囲をカバ
ーするための複数のビームを実現できる。
【0006】例えば、複数ビームを構成する要素として
の各ビームを、照準が合っているときにピーク利得が得
られるように、かつ照準からはずれる角度になるに従い
利得が減少するように環状に構成することができる。
【0007】所定領域を継続的にカバーするために、各
ビームがカバーする範囲と隣接するビームがカバーする
範囲とが一般にピーク値より数デシベル下がったとこ
ろ、すなわち交叉等高線で交差するようにビームが配置
される。例えば、静止軌道サテライトシステムは109
本のスポットビームを用いて地球上の半球をカバーする
ことができる。この場合、各ビームは−4デシベル(ピ
ーク電力に対して)の利得等高線により定義した場合、
1.9度のビーム直径を有する。この場合、カバーする
領域内のいずれの点においても利得レベルはビームのピ
ーク電力に対して4デシベル以下になることはない。
【0008】複数のマルチポイント端末装置がカバーす
る範囲が複数の場所に分散配置されている場合には、一
部の受信局では照射強度が相対的に高くなり、ピークビ
ーム利得に近いシングルポイントビーム利得となり、他
の受信局では上述した最小交差利得となる。
【0009】このような利得の差あるいは照射強度の差
は、状況によっては受信回路では十分補償できず、最小
アンテナ利得しか得られない受信機ではそのシステム性
能が劣化するという問題を生じる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、複数
のマルチポイント端末装置がカバーする範囲が複数の場
所に分散配置されている場合には、ビームの照射強度が
均一でなくなり、受信回路では十分に補償できず、アン
テナシステムの性能が劣化するという不具合を生じる。
【0011】この発明の目的は、上記欠点を除去し、ビ
ームに位置オフセットを与えてビームとビームの間にビ
ームを通すことにより均一な照射強度を得ることのでき
るアレイアンテナシステムを提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段および作用】本願発明のア
ンテナシステムによれば、利得の低い、あるいは照射強
度の低い領域の利得を高め、カバーする領域内のすべて
の点において、スポットビームのピーク利得に近いアン
テナ利得レベルが得られる。
【0013】この発明のアンテナシステムは、ビームの
中心部の回りをビームが円運動する際のビーム位置オフ
セットを連続的に与える手段を有している。例えば、各
ビームは初めにその中心部に送信され、次にその中心部
の回りの環状または方形状の通路に配置された隣接ビー
ムの方向に順次段階的に送信される。その後、ビームは
中心方向に戻り、再び上述したビームのオフセット位置
(ビームの中心位置からずれた位置)に順次放射され
る。
【0014】上述したビームを順次段階的に円運動させ
る際のタイミングは、受信領域内のセル(1つの領
域)、あるいは地球に照射する衛星の場合には地表、を
均一に照射するために各ビームが留まる時間が等しくな
るようにタイミングが取られる。この発明の特徴である
ビームをオフセット位置に順次移動させるという原理は
衛星通信に適したものであるが、複数ビームアンテナを
使用したシステムによる他の受信領域への照射にも適用
可能である。
【0015】また、本願発明は複数ビームアンテナから
の電磁力の送信を例にあげて説明しているが、複数ビー
ムアンテナによる電磁力の受信の場合にも適用できるこ
とはもちろんである。この発明の一実施例によれば、ビ
ームをランダムに移動させるのではなく、上述したビー
ム方向のオフセット位置にしたがってビームを順次円運
動させる。この結果、受信領域のすべての領域がビーム
のピーク値に近い利得を周期的に得られるようなタイミ
ングでアレイのオフセットを与えることにより、時分割
多重アクセス(TDMA)のようなタイムバースト信号
フォーマットを用いた通信を実現可能である。本願発明
を簡単に実施するためには、並列路のすべてのビームに
オフセット位置を与えることが望ましい。
【0016】上記オフセット位置を与える方法として
は、例えば、アンテナを物理的に移動させてビームの指
向角を変えるようにすることが考えられる。しかし、こ
のような機械的な実現方法はアンテナ構造にかかる応力
とひずみにより、比較的低速でオフセット位置を変化さ
せる場合に限られる。本願発明の実施例によれば、電子
的に操作されるフェーズアレイアンテナを用いることに
より電子的にビームのオフセットが取られる。
【0017】フェーズアレイアンテナを用いてビームを
形成する場合には、ビームの形成に使用するアンテナの
種々の放射器により伝搬する信号の位相や遅延量を変え
ることによりビームを形成することが知られている。一
般的には、デジタルまたはアナログのコマンド信号をフ
ェーズシフタに与え、放射器を介して伝搬させる信号の
位相あるいは遅延量を変えることである。特に、放射器
アレイ間の位相のテーパを変えることにより、ビームを
照準位置から傾けることができる。
【0018】この発明によれば、上述した位相シフトコ
マンドにさらに追加の位相シフトコマンドを加算してそ
れぞれの位相シフタに与えて照準位置からずれた指示方
向にそれぞれのビームを傾斜させることによりビームを
操作する。このため、位相シフトコマンド群を格納して
おき、この位相シフトコマンド群を、ビームを形成する
ための放射器に与えることにより、すべてのビームを指
示された方向にずらすことができる。
【0019】この位相シフトコマンド群を順次アクティ
ブにすることにより、ビームのそれぞれのオフセット位
置に沿ってビームが順次段階的に放射され、複数ビーム
アンテナにより照射される受信領域のそれぞれのセルあ
るいは地表に段階的に照射が行われる。
【0020】
【実施例】図1は地球24を周回する衛星22を用いた
衛星通信システム20を示す。多くの送信局を代表して
表す2つの送信局26、28は地球に設置され、アップ
リンクデータチャンネル30を介して衛星22に電磁信
号を送信する。また、多くの受信局を代表して表す2つ
の受信局32、34は地球に設置されダウンリンクデー
タチャンネル36を介して衛星22からの電磁信号を受
信する。衛星22に搭載された電子機器が、ダウンリン
クデータチャンネルを介して再送信するためのアップリ
ンクデータを受信する。衛星22にはアップリンク部と
ダウンリンク部を有した概略図示されたアンテナシステ
ム40が含まれる。アンテナシステム40は電子機器3
8と接続されアップリンクデータチャンネル30の信号
を受信するとともに、ダウンリンクデータチャンネル3
6の信号を送信する。
【0021】図2に示すように、アンテナシステム40
は並列に配列された複数の放射器44から成るアレイア
ンテナ42で構成され、基材46に支持されている。説
明を簡単にするために、放射器44がダウンリンクデー
タチャンネル36を発生するための送信放射器であると
する。図示しない同様の配列のアレイ放射器がアップリ
ンクデータチャンネルにも使用される。あるいは広域放
射器の場合には、同じ放射器をアップリンクデータチャ
ンネルとダウンリンクデータチャンネルの両方に使用し
てもよい。いずれの場合にも、アンテナ放射パターン
(空中線指向性図)の特徴は、地球24の一部を照射す
る送信ビーム48のような多重化された発散ビームにな
ることである。この場合、各ビーム48により照射され
る最も強度の高い領域を利得等高線50により示してい
る。
【0022】例えば、空間的に間隔を置いて配置され
た、各ビーム48の相対的に照射強度の高い中心部を照
射するためには、利得等高線50は約−0.2デシベル
の利得等高線となる。後述するように、放射器群44に
接続された電子機器38により与えられる相対的な位相
シフトあるいはディレイを有する信号を用いて放射器群
44を励磁することにより複数ビーム48が発生され
る。説明を簡単にするために、以下の説明では、ダウン
リンクデータチャンネルのための衛星からの放射エネル
ギー信号の送信の場合を例にあげて説明するが、アップ
リンクデータチャンネルの放射エネルギー信号の受信も
同様に行われる。
【0023】図3は図2の利得等高線50を示す。図2
に示すそれぞれのビーム48の利得等高線50は、図3
において各ビーム48のディザー(オフセット)位置の
利得等高線52により囲まれている。図3にはさらに図
1で示した2つの受信局32、34が示されている。図
3を簡単にするために、いくつかの等高線52は削除さ
れている。方形ブロック54は中心等高線50を囲むよ
うに配置された8つの等高線52を示している。さらに
図3には、等高線50により示されるビームの中心部、
および等高線52により示されるビームの各オフセット
位置をビーム48が巡回移動するための連続した段階5
8をビーム48が進む可能経路が示されている。
【0024】この発明によれば、アンテナ42の放射パ
ターンはアンテナ42からの各ビーム48軸をずらし
て、複数のビーム48が地表面で互いに間隔をあけるよ
うに構成される。各ビームにおいて、地表面で最大利得
および最大照射強度が得られる領域のビームの中心部分
を円形状の利得等高線50により示す。等高線50から
はずれた部分はビームの利得と照射強度が低くなる。低
下した照射強度を補償するために、中心等高線50によ
り表される中心ビームの回りのビーム位置を拡散させる
(オフセットを与える)。地表面に沿ったビーム位置の
拡散の様子は図3の通路56により示される。この通路
56はビームが連続する段階58を進む軌跡を示してい
る。各段階58はビーム48がそのビームの中心部を取
り囲むとともに通過する際のビーム48の軸の位置を表
す。
【0025】各ビームのオフセット位置の通路はそれぞ
れのビームの中心部間の照射レベルが低下した領域を通
るように構成され、それにより各ビームの中心部のみな
らず、オフセット位置での照度レベルも最大となるよう
に通路が形成される。このため、通路56は等高線52
により表されるオフセット位置を通るとともに、等高線
50で表されるビームの中心部を通るように構成されて
いる。この発明の実施例によれば、各ビームのオフセッ
ト位置の通路は上述した方形ブロック54内に配置され
た9つのセルアレイをたどる。中央のセルは等高線50
により表され、残りのセルは等高線52により表され
る。
【0026】他の実施例として、図4の通路56Aに示
すように通路を構成して、中心ビーム位置を、六角形の
アレイを構成する6つのセルにより取り囲むように構成
してもよい。図4においても図3と同様に、ビームの中
心部は実線の等高線50により表され、ビームのオフセ
ット位置は破線の等高線52により表される。図4にお
いて、枠60は、中心等高線50を取り囲む6つのオフ
セット位置の等高線52の六角形状を取り囲んでいる。
図3および4に示すビームのオフセット位置の例はいず
れも、方形枠54あるいは六角形枠60で示される枠内
の連続するビーム位置の領域が地上において実質的に均
一な照射強度の領域となる。
【0027】TDMA送信の場合には、枠54あるいは
60内の各ビーム位置配列のそれぞれのセルは一度に異
なる時分割多重信号を受け取ることが可能である。従っ
て、図3に示す枠54内の9つのセルの場合には、9つ
の異なる時分割チャンネルが存在し,1つのセルに対し
て1つのチャンネルを割り当てることが可能である。こ
の場合ダウンリンク送信のためのキャリア周波数は各ビ
ームにより異なるが、いずれのビームにおいてもそのオ
フセット位置のキャリア周波数はすべて同じである。そ
れゆえ、受信局32、34の受信機のような地上の受信
機は受信機の場所に応じて特定のダウンリンク周波数に
同調可能であるとともに、オフセットビーム位置のアレ
イ内の受信機の位置にもとずいて、連続するシーケンシ
ャルTDMAバースト信号の特定の1つに同調可能であ
る。
【0028】なお、図3に示す通路56は連続したビー
ム位置を形成するための1つの例である。第1ステージ
(段階)58により示される第1ビーム位置は9つのビ
ーム位置の方形アレイの左上隅に位置する。次に、ビー
ムは右側に進み、第2、第3ステージを通過し、通路5
6のうちの3つのオフセットビーム位置の1行が完成さ
れる。ステージの参照符合が図3に示されている。次
に、ビームは第4ステージ58の次の行に進み、左方向
に進んで第5ステージの中心部を通り、第6ステージの
オフセット位置に進んで2行目のビーム位置が完成す
る。次に、ビームは3行目に位置する第7ステージに進
み、右方向に進んで第8および第9ステージに進み、オ
フセットビーム位置の最下行を完成する。第9ステージ
においてバースト送信を完了すると、通路56の第1ス
テージに戻り、次のサイクルにおいて、上述した経路を
再びたどる。図4の場合にも同様に、通路56Aの7つ
のステージ58をビームがたどる。
【0029】 図5において、図2に示すビーム48の
交差を多くの利得等高線のうちのいずれか1つにより表
すことができる。このうち、2つの等高線を図5に示
す。図5に示す例では、最大利得を有する中心点に対し
て−0.5デシベルの内側利得等高線と、−4デシベル
の電力レベルの外側等高線が示されている。図2、3、
4のビーム離間位置を簡単に示すために、図2、3、4
の等高線50は図5の−0.5デシベル等高線よりも小
さい値、例えば−0.2デシベルを有しているものとす
る。−4デシベルの等高線は図6に示すように便宜的に
有効範囲の重なり部分を示し、−0.5デシベル等高線
は図7に示すように照射強度の変化を示す。
【0030】図6は109本のビ−ムにより地上のカバ
ーされる範囲を示している。−4デシベルの利得等高線
により測定した場合、1本のビームは1.9度のビーム
幅を有する。図6はマトリクス状に配列された複数の高
利得スポットビームを用いてどのように地上の目標領域
をカバーするかを示している。なお、この地表面をカバ
ーする原理は、地上以外の、放射エネルギーで照射され
る他の表面にも使用できる。与えられた領域を連続的に
カバーするために、1本のビームがカバーする範囲とそ
のビームに隣接するビーム群がカバーする範囲とが交わ
るように各ビームが配置され、各ビームの利得は隣接す
るビームと交わる部分において減衰する。本願発明を適
用しない場合、交差領域の利得はビームの中心軸におけ
るピーク値よりも数デシベル下がる。一方、本願発明に
よれば、図3および図4に示すように、ビームの中心部
からはずれた部分をビームが通るので、交差領域におい
て高い照射レベルが得られ、アンテナで照射される領域
全体にわたって実質的に均一な照射強度が得られる。図
7に示す地上のカバー範囲およびビーム群は図6と同じ
であるが、図7に示すビームは−0.5デシベルの利得
等高線により表されている図7は複数の離間したビーム
が発散することにより照射強度の均一性が得られないこ
とを示しており、この場合本願発明を使用することによ
り不均一性を補償することができる。
【0031】図8は図3と同様のビームのカバー範囲を
示している。図8では、各ビームを表す利得等高線は図
3のそれよりも大きく図示されており、それによりビー
ムが交差する領域の照射強度が均一であることが明瞭で
ある。図8において、各ビームは−4デシベルの等高線
62により測定した場合、1.9度のビーム幅を有す
る。これは図6に示す等高線と同じである。さらに、9
本の等高線64は図3の枠54内の9本の連続するビー
ム位置を表している。図8の等高線64は図7に示した
等高線64と同じである。ただし、図8に示す等高線6
4は、−0.5デシベルで測定した場合のビーム幅が
0.65度になることを示している。図7は広範囲に離
間したビームの等高線64が不均一な照射強度であるこ
とを示している。図8では、ビームのオフセット位置が
連続しているので等高線64の間隔が相対的に近接して
おり、実質的に均一な照射強度が得られる。図8から明
らかなように、−0.5デシベルの電力レベルを表す等
高線64が交差しているため、ビームのピーク振幅値か
らのずれは相対的に小さいことがわかる。
【0032】図9は衛星22に搭載されるアンテナシス
テム40の一部を示し、図2に示すアレイアンテナと電
子機器38を有している。図2のアンテナ42のうちの
4つの放射器44が図9に44A−44Dとして例示さ
れている。この発明を用いた一例として、時分割多重ア
クセス(TDMA)タイミング回路66、および複数
(この例では3台)の送受信端末67A−Cが地上に設
置される。送受信端末67Cは通信ハブとして動作す
る。複数の受信機(この例では3台)68A−Cが衛星
の電子機器38に搭載され、アンテナシステム40によ
り送信される信号源として動作する。
【0033】送受信端末67A−Cと対応する受信機6
8A−Cとの間の通信は、各送受信端末67A−C内の
アンテナ69と各受信機68A−Cに接続されたアンテ
ナ69Aにより示される通信リンクにより行われる。こ
の例では3つのアンテナ69Aが例示されているが、必
要に応じて複数の受信機68A−Cが1つのアンテナ
(図9には示されていない)を共有するように構成して
もよい。TDMAタイミング回路66はハブ送受信端末
67Cに設置され、システム20(図1)のフレームレ
ートおよびスロットタイムを発生する。送受信端末67
A−Cはバースト信号を衛星上の受信機68A−Cに送
信する。
【0034】衛星に搭載された電子機器38はさらに電
力分割器70A−Cを有し、それぞれ受信機68A−C
により出力された信号を受信し、各受信機68A−Cの
電力を分割して、4台の放射器44A−Dに供給する。
第1乃至第4の加算器72A−Dはそれぞれ第1乃至第
4の増幅器74A−Dを介して第1乃至第4の放射器4
4A−Dに接続され、電力分割器70A−Cからの電力
が放射器44A−Dに印加され、アンテナ42から3つ
の放射ビームが出力される。この3つの放射ビームはビ
ーム1、ビーム2、およびビーム3として図示されてい
る。電力分割器70A−Cは重み付けユニット76を介
して加算器72A−Dの入力ポートに接続されている。
【0035】4つの放射器により3つのビームを出力す
る場合、合計12台の重み付けユニットが必要になる
が、図面を簡単にするために、図9ではそのうちの一部
を示している。第1ビームを出力するために、電力分割
器70Aは4つの出力ポートを有し、受信機68Aの電
力の1/4を4つの重み付けユニットを介して各加算器
72A−Dの第1入力ポートに供給する。同様に、電力
分割器70Bは受信機68Bの電力の1/4を重み付け
ユニット76を介して各加算器72A−Dの第2入力ポ
ートに供給する。さらに、電力分割器70Cの4つの出
力ポートから出力された電力を第3グループの4つの重
み付けユニット76を介して加算器70A−Dの第3入
力ポートに供給する。加算器72A−Dは各ビーム信号
を重畳して放射器44A−Dに供給する。
【0036】図9−11において、ビーム形成メモリ7
8は、重み付けユニット76により、加算器72A−D
の各入力ポートの信号に供給される位相シフト量と振幅
テーパ量を記憶し、図2に示す異なるビーム48を発生
する。図10ではビーム48Aおよび48Bが示されて
いる。各重み付けユニット76はメモリ78から受信し
たコマンド信号に応答して動作する位相シフタ80と、
メモリ78からのコマンド信号に応答して動作し、放射
器44A−Dの1つの放射器に印加された信号の利得
を、他の放射器に印加された信号利得に対して調整する
利得制御素子82とを有する。
【0037】図11に示すように、この発明によれば、
メモリシステム84を用いて、重み付けユニット76に
より、加算器72A−Dに入力される信号に印加される
位相シフト量を調整する。これにより、図3の通路56
により述べたディザー機構に従って、ビーム48A、4
8B(図10)のオフセット位置(ディザリング)を得
る。図10は3つのビーム位置、すなわち、図3に示す
通路56の第4ステージ、第5ステージ、および第6ス
テージを示している。図10では図面を簡単にするため
に、アンテナ42は放射器44がライン状に配列されて
いるように示され、放射器44Aはアンテナ42の左端
に位置し、実線で示すビーム48を、中心部から破線で
示される第4ディザー(オフセット)ビーム位置方向へ
傾ける制御は図11に示すように放射器44A−Dの信
号に印加する位相量を増加させることにより行われる。
【0038】ビーム48Aの場合と同様に、ビーム48
Bの場合にも、中心部から破線で示される第4ディザー
ビーム位置方向へ傾ける制御はビーム48Aの場合と同
量の位相ラグ(遅れ)が印加される。また、ビーム48
Aおよびビーム48Bの第6ディザビーム位置へのシフ
トは図11に示すように放射器48A−Dの信号に印加
する位相ラグを減少させることにより行う。ビーム48
Aおよび48Bを中央部に配置するには、メモリシステ
ム84により供給される位相ラグは放射器44A−Dの
すべての信号に対して同じである。
【0039】図11に示すように、位相シフトに加え
て、加算器72A−Dの入力ポートにメモリシステム8
4から位相ラグが印加される。すなわち、図9に示すよ
うにメモリシステム84は図3の通路56の9つのステ
ージに対応した9個のリードオンリメモリ(ROM)8
6を有している。各ROM86は9つのディザビーム位
置へビームをずらすのに必要な位相ラグを記憶してい
る。
【0040】加算器88はビーム形成メモリ78の出力
端子とディザーメモリ86との間に接続され、ディザ位
相コマンドとビーム形成位相コマンドとの加算を行う。
ROM86は加算器88にそれぞれ接続された出力ポー
トを持つように構成してもよいし、データバス90を介
して加算器88にデータを出力するように構成してもよ
い。
【0041】アンテナシステム40の電子機器38はさ
らにタイミングユニット92を有し、このタイミングユ
ニット92はクロック回路94と2つのカウンタ96、
98を有している。カウンタ96はクロック回路94の
クロックパルスにより駆動され、メモリ86をアドレス
するためのアドレスカウンタとして動作する。これによ
り放射器44A−Dの信号に印加する位相コマンドがメ
モリ86から出力される。ディザービームカウンタ98
はクロック回路94のクロックパルスにより駆動され、
1から9までカウントすることにより図3の通路56の
第1乃至第9ステージに従って順次対応するROM86
を選択する。これにより、通路56の各ステージ58に
対応した特定のディザー(オフセット)位置が対応する
ROM86から出力される。
【0042】図2に示すビーム48のディザリングを受
信機68A−Cにより供給されるビームの時分割多重信
号と同期させるために、タイミング回路66により出力
され、受信機68Cにより受信されたTDMAタイミン
グ信号が受信機68Cによりタイミングユニット92に
印加される。それにより、例えば受信機68Aから第1
ビームを介して図3に示す受信局34に送信された特定
周波数のバースト送信は、送信されたビームが第7ディ
ザー位置にあるときに行われる。受信機68Bから第2
ビームを介して送信された時分割バースト信号を図3で
示す受信局32で受信する場合、この時分割バースト信
号の受信は第2ビームが第4ディザー位置にあるときに
行われる。
【0043】上述したように、この発明によれば、受信
機68A−Cがそれぞれの周波数で信号を送信すること
が可能であり、放射器44A−Dによりビームが出力さ
れ、受信局32、34および図示しない他の多くの受信
局に印加される。同時に、それらのビームのディザー位
置(オフセット位置)にあるビームにより信号が受信局
に印加されるので、地上の受信局がある地域に均一な照
射強度で送信が行われる。
【0044】図12はこの発明の他の実施例を示す図で
ある。図12において、放射器44に設けられたアレイ
アンテナ42Aはビーム48を発生する構造が第1実施
例と異なる。アンテナ42Aの照準は回転軸100に対
して中心にある。アンテナ42Aは基材104に取り付
けられた中空のシャフト102により支持される。シャ
フト102に固定されたプーリ106はピニオン12に
より駆動されるベルト100を有したベルトドライブ1
08により回転される。ピニオン112は基材104に
より支持された電気モータ114により回転される。ア
ンテナ42Aの底部116はロータリカップリング11
8を介して中空シャフト102の上部と接続される。回
転しないロッド120がシャフト102内を貫通してア
ンテナ底部116を基材104に接続してアンテナ42
Aの回転を抑制し、シャフト102の回転に伴いアンテ
ナ42Aが旋回する。すなわち、シャフト102が回転
すると、アンテナ42Aが軸100に対して旋回し、こ
れにより図4の通路56Aと同様の通路に沿ってビーム
がずれる。図4に示す通路は中心に対して偏位した六角
形であるが、図12のビーム48の通路は円形となる。
図12に示すアンテナも均一な照射強度を得ることがで
きる。
【0045】なお、この発明は上述した実施例に限定さ
れることなく種々の態様で変形および実施可能である。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、放射器を機械的あるいは電子的に操作して、ビーム
の中心を取り囲むオフセット位置にビームをずらすこと
により、そのビームによりカバーされる範囲のどのエリ
アにおいても均一な照射強度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明のアンテナシステムが搭載された、地
球を回る衛星の概念図。
【図2】図1に示すアンテナの構成例を示す図であり、
種々の照射強度で地表の領域を照射するために、地表へ
の経路途中において発散する複数ビームの電磁力を発生
する放射素子アレイを示す図。
【図3】図2のアンテナにより照射される地表上のビー
ムの中心位置を実線で示し、各ビームの中心位置を取り
囲む拡散ビーム(オフセット位置に照射されるビー
ム)。
【図4】ビームの中心位置を取り囲む拡散ビーム位置の
配列の他の例を示す図。
【図5】ビーム照射される地表の1本のビームの種々の
電磁力の強度を表すグラフ。
【図6】109本のビームにより地球の半球を照射する
場合の照射範囲を示す概略図であり、各ビームはピーク
利得よりも4デシベル減衰した利得等高線に対して1.
9度の発散角を有し、各ビームの−4デシベル等高線を
円で表した図。
【図7】図6に示す地表面に照射するビームの配列と同
様の配列であり、各ビームの−0.5デシベル等高線を
円で表した図。
【図8】各ビームを円形状の−4デシベル利得等高線に
より表した図6の有効範囲領域の一部であり、ビームの
1本に、その1本のビームの領域をカバーする9本の時
間的に連続したビームを重畳させ、この時間的に連続し
た9本のビームを−0.5デシベルの利得等高線の円に
より表した図。
【図9】複数ビームを形成するとともに連続したオフセ
ットビーム位置を発生する図2のアンテナの放射器に接
続されるビーム形成システムのブロック図。
【図10】図2のアンテナにより生成される複数のビー
ムを示す図であり、ビームのオフセット(デイザー)位
置を示す図。
【図11】オフセットビーム位置を得るために、図2の
放射器のうちの4つの放射器(図9にも示される)に印
加される位相シフトの図。
【図12】アンテナを機械的に移動させてビーム群のオ
フセットをとるための装置を示す斜視図。
【符号の説明】
20・・・衛星通信システム、22・・・衛星、24・
・・地球、30・・・アップリンンクデータチャンネ
ル、32、34・・・受信局、36・・・ダウンリンク
データチャンネル、38・・・電子機器、40・・・ア
ンテナシステム、44・・・放射器、46・・・基材、
48・・・ビーム、50、52、64・・・利得等高
線、56、56A・・・通路、58・・・ステージ、6
6・・・時分割多重アクセスタイミング回路、67A−
C・・・送受信端末、68A−C・・・受信機、69,
69A・・・アンテナ、70A−C・・・電力分割器、
72A−D・・・加算器、74A−D・・・増幅器、7
6・・・重み付けユニット、78・・・ビーム形成メモ
リ、84・・・メモリシステム、86・・・ROM、8
8・・・加算回路、92・・・タイミングユニット、9
4・・・クロック回路、96・・・アドレスカウンタ、
98・・・ディザービームカウンタ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭50−110253(JP,A) 米国特許4315262(US,A) 米国特許5648784(US,A) 米国特許3914768(US,A) 仏国特許出願公開2690010(FR,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01Q 25/00 H01Q 1/28 H01Q 3/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビーム群を発生する複数の放射器(44)
    を有するアンテナ(42)を含み、それぞれのビーム
    (48)が受信地域の離れた領域を照射することが可能
    なように、ビームの軸がそれぞれ他から離れて配置され
    ているアレイアンテナシステム(40)において、前記
    離れた照射領域の間に照射の低下する空間が存在し、 アンテナシステムは連続する位置的なオフセットをビー
    ム群に与えるためアンテナに結合されたオフセット手段
    (76、84、108、118)を含み、位置的なオフ
    セット手段は何れのビームに関しても前記離れた照射領
    域間の区域(52)を照射するためにビームを前記照射
    の低下する空間内でビームの中心部(50)を取り囲む
    ように駆動し、 複数の信号源(68A−C)が複数の放射器に接続され
    ており、前記信号源の各々は他の信号源の周波数と異な
    る周波数で動作し、 前記信号源の各々の信号電力を前記放射器のそれぞれに
    接続されたそれぞれ複数の信号経路に分割するための電
    力分割システム(70A−C)を有し、 前記信号源のそれぞれに関するそれぞれ複数の信号経路
    に重み付け手段(76)が設けられ、前記重み付け手段
    は前記放射器からの放射による複数のビーム間の信号に
    ついて相対的に位相シフトさせ、それぞれのビームは受
    信地域が離れた領域を照射することが可能となるよう
    に、ビームの軸は互いに離れて配置され、前記照射領域
    の間に照射が低下する空間が存在し前記複数のビームの方向をオフセットし前記照射が低下
    する空間内にビームを配置するために、前記オフセット
    手段は位相を進める前記位相シフトと結合するために前
    記重み付け手段と接続され、ここで、前記オフセット手
    段は前記ビームの中心位置の回りで連続的にオフセット
    するように前記複数のビームのそれぞれをオフセットす
    るため連続的に位相を進める手段(84、92)を含
    み、そして、 前記オフセットは、前記ビームによる照射に関し高い均
    一性を提供するために、前記ビーム間の間隔よりも小さ
    いことを特徴とするアレイアンテナシステム。
  2. 【請求項2】前記重み付け手段は前記信号源から前記複
    数の信号経路に出力される信号に振幅重みを与え、それ
    により前記放射器から複数のビームを出力することを特
    徴とする請求項記載のアレイアンテナシステム。
  3. 【請求項3】前記各ビームを同時かつ並列方向にオフセ
    ットすることを特徴とする請求項記載のアレイアンテ
    ナシステム。
  4. 【請求項4】前記複数のビームのオフセット量は同じで
    あることを特徴とする請求項記載のアレイアンテナシ
    ステム。
  5. 【請求項5】前記連続的なオフセットの最大値は1ビー
    ム幅より小さいことを特徴とする請求項記載のアレイ
    アンテナシステム。
  6. 【請求項6】前記連続的なオフセットの最大値は1ビー
    ム幅の1/2より小さいことを特徴とする請求項記載
    のアレイアンテナシステム。
  7. 【請求項7】前記各ビームは約1ビーム幅離間している
    ことを特徴とする請求項記載のアレイアンテナシステ
    ム。
  8. 【請求項8】さらに、前記信号源のそれぞれの信号に関
    するデータチャンネルを時分割多重する手段(66)
    を有し、それにより前記複数のビームにより伝搬される
    信号を時分割多重前記各ビームの位置に対応する
    記データチャネルのそれぞれのチャネルを介するデータ
    送信と同期化するために、前記オフセット手段は前記多
    重化する手段と同期化する(9 8)ことを特徴とする請
    求項記載のアレイアンテナシステム。
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