JP3522525B2 - 光スイッチ - Google Patents

光スイッチ

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JP3522525B2
JP3522525B2 JP05039798A JP5039798A JP3522525B2 JP 3522525 B2 JP3522525 B2 JP 3522525B2 JP 05039798 A JP05039798 A JP 05039798A JP 5039798 A JP5039798 A JP 5039798A JP 3522525 B2 JP3522525 B2 JP 3522525B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光利用技術の基本
的要素の一つである、光スイッチに関するものである。
本発明の光スイッチは、半導体レーザ発振光の光路を、
制御光の偏光特性に応じて切り替え得る機能を有し、か
つ該制御光の広い波長範囲にわたって動作可能であるこ
とを特徴とするものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種の光スイッチを図6に示
す。光スイッチの構成および動作は文献「Z. George Pa
n, et al., Applied Physics Letters, Vol.63, No.22,
pp.2999-3001, 1993」に述べられているように、半導
体レーザとして直線偏光の発振光11を出射する面発光
型の半導体レーザ12を用い、かつ該面発光型半導体レ
ーザの発振光の光子エネルギーと等しい大きさの光子エ
ネルギーで直線偏光を発振する制御レーザ13から出射
する制御光14を、1/2波長板15を用いて、面発光
型レーザの発振光の偏光とは直交するように調整して面
発光型レーザに照射すると、注入同期現象により、該面
発光型の半導体レーザから出射する発振光11の偏光が
元の状態から、照射した制御光14の偏光状態と一致す
るように変化することを利用している。これにより、半
導体レーザから出射する発振光11は、偏光ビームスプ
リッターから成る偏光分離器16により、発振光11の
直線偏光の方向に応じて、光路を切り替えることができ
る。なお17は横方向の直線偏光の出力であり、18は
縦方向の直線偏光の出力である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この種
の光スイッチを動作せしめるには、面発光型半導体レー
ザの発振光の光子エネルギーと制御光の光子エネルギー
を厳密に一致させる必要があり、スイッチ動作を可能と
するための制御光の波長範囲が1nm程度と狭いことが
問題であった。
【0004】本発明の目的はかかる問題を解決し、スイ
ッチ動作可能な制御光の波長範囲が広い光スイッチを提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の光スイッチにおいては、半導体レーザから
出射する発振光の光子エネルギーよりも大きい光子エネ
ルギーを有する円偏光特性の光を照射して、該半導体レ
ーザの活性層中で光励起される電子のスピン状態を制御
することにより、半導体レーザから出射する発振光の偏
光状態を制御することを最も主要な特徴とする。
【0006】すなわち請求項1に記載し、例えば図1に
示すように、本発明光スイッチは、半導体レーザと、該
半導体レーザに、該半導体レーザの発振光よりも光子エ
ネルギーが大きい円偏光特性の制御光を照射する手段
と、該円偏光特性の制御光の偏光方向を切り替える手段
とから構成される。
【0007】また請求項2に記載し、例えば図1に示す
ように、本発明光スイッチは、前記半導体レーザの発振
光の光路上に配置された、該発振光の偏光状態を変換す
る手段、および該発振光の偏光状態に応じて光路を切り
替える手段を有することを特徴とする。偏光状態を変換
し光路を切り替える手段は、例えば偏光変換器(例えば
1/4波長板)と偏光分離器(例えば偏光ビームスプリ
ッター)により構成される。
【0008】さらに請求項3に記載し、例えば図2、図
3および図4に示すように、前記円偏光特性の制御光を
照射する手段は、パルス発振レ−ザによって、右回り円
偏光特性および左回り円偏光特性のパルス制御光を発生
する手段、および該右回り円偏光特性と該左回り円偏光
特性パルス制御光の間に時間差を生じさせるための光遅
延回路から構成されることを特徴とする。
【0009】さらに請求項4に記載するように、前記制
御光の光子エネルギーは、前記半導体レーザの光共振器
が前記制御光に対して反射性を呈する光子エネルギー領
域の高エネルギー端よりも大きく、かつ前記光共振器が
前記制御光に対して吸収性を呈する光子エネルギー領域
の吸収端よりも小さい条件下において、広範囲の光子エ
ネルギー領域で動作可能であることを特徴とする。
【0010】さらに請求項5に記載するように、前記半
導体レーザが例えばGaAsを活性層とし、AlGaA
s層とAlAs層の多重層で光共振器を構成する半導体
レーザである場合には、前記制御光の波長が820nm
から770nmの広い範囲で動作可能であることを、本
発明光スイッチの特徴とする。
【0011】このように、本発明技術は従来の光スイッ
チと比べて、スイッチ動作が可能な制御光の波長範囲が
大幅に拡大されるという利点がある。また上述の従来例
と異なり、制御光と発振光の偏光方向の関係に制限が無
くなり、装置の製作と調整が簡略化されるという利点も
得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】半導体レーザとして、活性層にG
aAsを用い、該GaAs活性層の両側を、AlGaA
s層とAlAs層を交互に20層積み重ねた構造の光反
射器2枚で挾んだ構造の面発光型レーザを例として実施
の形態を説明する。このような面発光型半導体レーザか
ら出射する発振光は、制御光を照射しない場合、通常は
直線偏光状態にある。このような面発光型半導体レーザ
に、制御光として、該半導体レーザから出射する発振光
の光子エネルギーよりも大きい光子エネルギーを有す
る、右回り円偏光特性の光を照射すると、選択的に下向
きのスピンを有する電子が励起される。下向きのスピン
を有する電子は、制御光の入射方向と逆の方向に進む光
に関しては、左回りの偏光のみを光増幅する特性がある
ため、発振光を制御光の入射方向と逆の方向に取り出す
場合、発振光は左回りの円偏光となる。
【0013】また逆に、面発光型半導体レーザに、該半
導体レーザから出射する発振光の光子エネルギーよりも
大きい光子エネルギーを有する左回り円偏光特性の光を
制御光として照射すると、選択的に上向きのスピンを有
する電子が励起される。上向きのスピンを有する電子
は、制御光の入射方向と逆方向に進む光に関しては、右
回りの偏光のみを光増幅するため、発振光を制御光の入
射方向と逆方向に取り出す場合には、発振光は右回りの
偏光となる。このような作用により、円偏光特性の制御
光を照射することにより、面発光型半導体レーザから出
射する発振光の偏光状態を、直線偏光から円偏光に切り
替えることができる。
【0014】なお、右回りの光を照射して、下向きスピ
ンを有する多数の電子を光励起しても、GaAs活性層
中の不純物による散乱等により、スピンの向きが上向き
に反転するため、時間の経過とともに、上向きスピンの
電子の個数と下向きスピンの電子の個数の差は小さくな
る。この現象は電子のスピン緩和と呼ばれており、電子
のスピンの方向が反転する時間はスピン緩和時間と呼ば
れている。GaAsを活性層とする面発光型半導体レー
ザについて、偏光分光実験により電子のスピン緩和時間
を測定した結果、室温において、電子のスピン緩和時間
が40ピコ秒程度であることが判明している。偏光制御
による光スイッチ動作を可能とするためには、電子のス
ピンの反転が生じる前に、いわゆる誘導放出による電子
から光へのエネルギー変換がなされなければならないと
いう要件がある。電子から光へのエネルギー変換の時間
はレーザ共振器の寿命時間で決まるが、GaAsを活性
層とする面発光型半導体レーザでは、レーザ共振器の寿
命時間が10ピコ秒程度であり、電子のスピン緩和時間
より十分短いため、上記要件を満たす。
【0015】さらに、照射する制御光がGaAs活性層
において効率よく電子を励起するためには、制御光の光
子エネルギーは、面発光型半導体レーザの光共振器特性
のいわゆるストップバンド、すなわち制御光を100%
近く反射する領域の高エネルギー端よりも大きく、かつ
光反射鏡を構成するAlGaAsの光吸収端のエネルギ
ーよりも小さい必要がある。GaAs活性層の両側を、
Al0.15Ga0.85As層とAlAs層を交互に20層積
み重ねた構造の光反射器2枚で挾んだ構造の面発光型レ
ーザの場合、制御光の波長が820nmから770nm
までの、幅50nmの広い波長範囲内で上記要件を満足
し得る。
【0016】図1は本発明の第一の実施の形態を説明す
る図であって、21は面発光型の半導体レーザ、22は
該面発光型半導体レーザからの出射光、23は円偏光を
直線偏光に変換する偏光変換器であって、通常は1/4
波長板などの位相板によって構成される。同等の機能を
有するものとしては、バビネソレイユ偏光素子、電気光
学(EO)変調器などの複屈折素子がある。また16
は、入射する直線偏光の偏光方向に応じて光路を切り替
えるための偏光ビームスプリッターから成る偏光分離
器、17は横方向の直線偏光の出力、18は縦方向の直
線偏光の出力、27は直線偏光の制御光28を出射する
制御レーザ、29は直線偏光を右回りまたは左回りの円
偏光特性の光に変換する偏光変換器で、上述のように1
/4波長板や電気光学(EO)変調器などの複屈折率素
子で構成することができる。
【0017】以上の説明において、横方向直線偏光ある
いは縦方向直線偏光という表現を用いたが、これは横波
である光波の、互いに独立な2つの偏光成分を意味し、
空間の特定の方向を意味するものではない。また1/4
波長板や同等の光学素子は、それを配置する方位角によ
り、直線偏光を右または左回りのいずれかの円偏光に変
換可能であり、また円偏光を、縦または横の直線偏光に
変換可能である。
【0018】この構成の光スイッチの動作を説明する。
制御光28を照射しない場合、面発光型レーザ21から
の発振出射光22は、一般に直線偏光である。この直線
偏光の出射光は偏光変換器23によって円偏光に変換さ
れるため、偏光分離器16における横方向の直線偏光の
出力17および縦方向の偏光の出力18は強度が等しく
なる。
【0019】制御光28を偏光変換器29で右回り円偏
光特性の光に変換したものを面発光型レーザ21に照射
すると、下向きのスピンを有する電子が選択的に光励起
されるため、前記のように、発振光22としては左回り
円偏光の光が出射する。左回り円偏光は、偏光変換器2
3により縦方向の直線偏光に変換されるため、横方向の
直線偏光の出力17は縦方向の偏光の出力18と比較し
て小さくなる。逆に、制御光28を偏光変換器29で左
回り円偏光の光に変換したものを面発光型レーザ21に
照射すると、上向きのスピンを有する電子が選択的に光
励起されるため、発振光22は右回り円偏光になる。右
回り円偏光の出射光は、偏光変換器23により横方向の
直線偏光に変換されるため、横方向の直線偏光の出力1
7は、縦方向の偏光の出力18と比較して大きくなる。
実験では、制御光28の波長が770nmから820n
mの範囲にある場合、その全波長領域で、横方向偏光の
出力17と縦方向偏光の出力18の強度比として、1
0:1以上の値が得られた。
【0020】このように本発明の光スイッチは、半導体
レーザから出射する発振光の光子エネルギーよりも大き
い光子エネルギーを有する円偏光特性の制御光を照射す
ることにより、光励起される電子のスピン状態を制御
し、半導体レーザから出射する発振光の偏光状態を変え
るという方法を用いることにより、半導体レーザの発振
光の主要な出力先を制御できるという特徴がある。
【0021】図2は本発明の第二の実施の形態を説明す
る図である。この図で、21は面発光型の半導体レー
ザ、22は該面発光型半導体レーザからの出射光、23
は円偏光を直線偏光に変換する1/4波長板から成る偏
光変換器、16は入射する直線偏光の偏光方向に応じて
光路を変える偏光ビームスプリッターから成る偏光分離
器、17は横方向の直線偏光の出力、18は縦方向の直
線偏光の出力、37および38は、それぞれ直線偏光で
時間幅1ピコ秒のパルス制御光39および40を出射す
るパルスレーザ、41、42は直線偏光を円偏光特性の
光に変換する1/4波長板から成る偏光変換器、43、
44は光遅延回路、45および46は制御光39、40
を同一の位置に照射するための、反射鏡方式の光結合器
である。
【0022】この構成の光スイッチの動作を説明する。
パルス制御光39と40をともに照射しない場合、面発
光型レーザ21は発振しないように、レーザの注入バイ
アス電流を調整する。パルス制御光39は、偏光変換器
41で右回りの円偏光特性に変換され、パルス制御光4
0は偏光変換器42で左回りの円偏光特性に変換され
る。これらの光パルスを、それぞれ光遅延回路43、4
4により遅延させて、面発光型レーザ21に照射する。
パルス制御光39と40の強度が等しい場合、光遅延回
路43、44を調整して、パルス制御光39と40によ
る面発光型レーザ21の照射を時間的に一致させると、
面発光型レーザ21の活性層には上向きスピンを有する
電子と下向きスピンを有する電子が同数励起されるた
め、面発光型レーザ21の出力発振光22には左回りの
円偏光と右回りの円偏光が同じ割合で混在し、偏光分離
器16からの横方向の直線偏光の出力17および縦方向
の偏光の出力18は強度が等しくなる。
【0023】遅延回路43、44の調整により、偏光変
換器41で右回りの円偏光特性に変換したパルス制御光
39が、偏光変換器42で左回りの円偏光特性に変換し
たパルス制御光40よりも時間的に遅れて面発光型レー
ザ21を照射するように調整すると、面発光型レーザ2
1の出力発振光22は、右回り円偏光と比較して左回り
円偏光が主要となり、偏光分離器16からの横方向の直
線偏光の出力17は縦方向の偏光の出力18と比較して
小さくなる。これは、時間的に先に面発光型レーザ21
に照射される、左回りの円偏光特性のパルス制御光40
によって光励起された上向きスピンを有する電子は、時
間の経過とともに、下向きスピンを持つ電子に緩和する
ため、遅れて右回り円偏光特性のパルス制御光39が照
射され、それにより下向きのスピンを持つ電子が励起さ
れた時点では、面発光型レーザ21の活性層には上向き
スピンを有する電子と比較して、より多くの数の下向き
スピンを有する電子が励起されているためである。この
ため半導体レーザ出力発振光22は、右回りの円偏光と
比較して左回りの円偏光が主要となる。
【0024】なお逆に、遅延回路43、44の調整によ
り、偏光変換器41で右回り円偏光特性に変換したパル
ス制御光39が、偏光変換器42で左回り円偏光特性に
変換したパルス制御光40よりも時間的に早く面発光型
レーザ21を照射するように調整すると、面発光型レー
ザ21の出力発振光22は、左回りの円偏光と比較して
右回りの円偏光が主要となり、偏光分離器16から出射
する横方向の直線偏光の出力17は、縦方向の偏光の出
力18と比較して大きくなる。
【0025】図3は本発明の第三の実施の形態を示す図
であって、前記の図2および第二の実施の形態で説明し
た光スイッチと比べて、動作原理と機能は同じである
が、下記のような構成上の違いがある。すなわち図3の
実施の形態においては、光結合器として広く用いられ、
かつ偏光依存性が少ないという意味で一般に無偏光の光
合成器と呼ばれている光学素子45aを用いている。こ
の方法により、右回り円偏光と左回り円偏光を、高精度
で同一の光路に合成することができる。
【0026】図4は本発明の第四の実施の形態を示す図
であって、前記の第二および第三の実施の形態と動作原
理と機能は同じであるが、下記のような構成上の違いが
ある。すなわち図4の実施の形態においては、光結合器
45bとして、偏光依存性を有する光結合器を用いてい
る。このような目的の素子として、偏光ビームスプリッ
ターを利用することができる。また制御光の偏光変換器
としては、単一の変換器41を、光結合器45bと半導
体レーザ21の中間に設置する。制御光39と40の直
線偏光の方位を互いに直交する方向に設定し、かつ偏光
変換器41の方位角を、制御光39および40の直線偏
光と45度の方位に設定することにより、偏光変換器4
1を通過した後の制御光39および40が、互いに左右
逆方向の円偏光特性となるようにすることができる。こ
のような構成により、半導体レーザ21に、右回りおよ
び左回り円偏光特性の光を照射することができる。この
構成の利点は、光結合器45bを通過するときの光損失
を抑制できること、および偏光変換器の数を減らせるこ
とである。
【0027】図5は、横方向の直線偏光の出力17と、
縦方向の偏光の出力18の強度の比が、パルス制御光4
0に対するパルス制御光39の遅延時間とともに、どの
ように変化するかを測定した結果である。実験では、パ
ルス制御光39、40の波長は800nmとした。遅延
時間が2ピコ秒以上になると、横方向の直線偏光の出力
35と縦方向の偏光の出力36との差が顕著となる。こ
の実験結果は、本発明光スイッチの動作原理を実証する
ものである。
【0028】第二ないし第四の実施の形態において、パ
ルス制御光39を光信号パルスとして用い、またパルス
制御光40を光ゲートパルスとして用いれば、光信号パ
ルスと光ゲートパルスが存在する場合のみ、面発光型レ
ーザ21は発振光22を出力するため、高速のAND論
理動作が可能である。それのみならず、光信号パルスと
光ゲートパルスの遅延関係を数ピコ秒程度変えることに
より、発振光の主要な出力先を制御することができると
いう特徴がある。なお実験では、制御光39、40各々
の波長が770nmから820nmの範囲にある場合、
その全波長領域で、図5と同等の特性、すなわちパルス
制御光39と40の遅延時間に対する、偏光分離器16
の出力17と出力18との比の関係が得られた。
【0029】なお、パルス制御光39、あるいはパルス
制御光40の、いずれか一方のみが入射すれば半導体レ
ーザが作動するように、半導体レーザの動作条件および
制御光の強度を設定することも可能である。
【0030】以上の実施の形態では、半導体レーザとし
て、活性層にGaAsを用い、GaAs活性層の両側
を、AlGaAs層とAlAs層を交互に20層積み重
ねた構造の光反射器2枚で挾んだ構造の面発光型レーザ
を用いる光スイッチを例として、その動作を説明した。
通常、上記のGaAs面発光レーザは、(001)基板
上に有機金属結晶成長法等により製作されるが、(00
1)基板の様な低指数の結晶面上に製作した面発光レー
ザは、電流注入で発振させた場合、光学異方性が極めて
小さいため、発振光の偏光状態が不安定である。この様
な面発光レーザを上記第一の実施の形態の光スイッチに
用いると、制御光を照射しない場合のレーザ出力に偏光
不安定性に伴う雑音が発生するため、光スイッチが正常
に動作しないという問題が生じる。この問題は、GaA
s(311)面等の高指数の結晶面上に製作した、大き
な光学異方性を有し、決まった方向に偏った直線偏光を
安定に出力するGaAs面発光レーザを用いることによ
って解決できる。また、〔001〕方向から数度傾けた
GaAs基板上、もしくは上記(311)面等の高指数
の結晶面上に製作した、GaAs量子井戸およびAlG
aAs障壁層から構成される量子井戸構造を活性層とし
て使用する面発光レーザ、あるいはAlGaAs障壁領
域で埋め込まれたGaAs量子細線、あるいは量子箱を
活性層として使用する面発光レーザについても、同様
の、決まった方向に偏った直線偏光を安定に出力する効
果を得ることができ、これらの面発光レーザを用いるこ
とにより安定な光スイッチ動作を得ることができる。
【0031】本発明の光スイッチで用いる円偏光特性の
制御光は、必ずしも完全な円偏光状態であることを必要
とするものではなく、楕円偏光状態の制御光であっても
動作は可能である。楕円偏光は振幅の異なる右回り、お
よび左回り円偏光の合成状態であり、右回りと左回りの
円偏光の振幅の差に応じて、いずれかの方向の円偏光の
特性がより強く制御光に現れる。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光スイッ
チは、半導体レーザから出射する発振光の光子エネルギ
ーよりも大きい光子エネルギーを有する円偏光特性の制
御光を半導体レーザに照射して、半導体レーザの活性層
に光励起される電子のスピン状態を制御し、半導体レー
ザから出射する発振光の偏光状態を変えるという方法を
用いることにより、スイッチ動作可能な制御光の波長範
囲が著しく広くなるという、実用上重要な効果を生じ
る。以上の効果は、レーザとして面発光型以外に導波路
型を用いても同様の効果が得られるし、またレーザの活
性層としてGaAs以外の −V族化合物半導体や、II
−VI族化合物半導体を用いても同様の効果が得られるこ
とは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第一の実施の形態の光スイッチの
構成を示す概念図。
【図2】本発明による第二の実施の形態の光スイッチの
構成を示す概念図。
【図3】本発明による第三の実施の形態の光スイッチの
構成を示す概念図。
【図4】本発明による第四の実施の形態の光スイッチの
構成を示す概念図。
【図5】本発明による第二、第三、および第四の実施の
形態において、横方向直線偏光出力17と、縦方向直線
偏光出力18の強度比が、パルス制御光40に対するパ
ルス制御光39の遅延時間とともに、どの様に変化する
かを測定した結果を示す特性図。
【図6】従来の光スイッチの構成を示す概念図。
【符号の説明】
11…直線偏光発振光 12…直線偏光半導体レーザ 13…制御レーザ 14…制御光 15…1/2波長板 16…偏光分離器 17…横方向直線偏光出力 18…縦方向直線偏光出力 21…半導体レーザ 22…半導体レーザ出射光 23…偏光変換器 27…制御レーザ 28…制御光 29…偏光変換器 37、38…パルスレーザ 39、40…パルス制御光 41、42…偏光変換器 43、44…光遅延回路 45、46…光結合器 45a…無偏光の光結合器 45b…偏光依存性を有する光結合器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−246669(JP,A) 特開 平9−219564(JP,A) Applied Physics L etters,Vol.73,No.5 (1998),pp.566−pp.568 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50 JICSTファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体レーザと、該半導体レーザに、該半
    導体レーザの発振光の光子エネルギーよりも大きい光子
    エネルギーを有する円偏光特性の制御光を照射する手段
    と、該円偏光特性の制御光の偏光方向を切り替える手段
    とを有することを特徴とする光スイッチ。
  2. 【請求項2】前記半導体レーザの発振光の光路上に配置
    された、該発振光の偏光状態を変換する手段と、該発振
    光の偏光状態に応じて光路を切り替える偏光分離手段を
    有することを特徴とする請求項1に記載の光スイッチ。
  3. 【請求項3】前記円偏光特性の制御光を照射する手段
    は、右回り円偏光特性のパルス制御光を発生する手段、
    および左回り円偏光特性のパルス制御光を発生する手
    段、ならびに該右回り円偏光特性のパルス制御光と該左
    回り円偏光特性のパルス制御光の間に時間差を生じさせ
    る手段を有することを特徴とする、請求項1あるいは請
    求項2に記載の光スイッチ。
  4. 【請求項4】前記制御光の光子エネルギーは、前記半導
    体レーザの光共振器が前記制御光に対して反射性を呈す
    る光子エネルギー領域の高エネルギー端よりも大きく、
    かつ前記半導体レーザの光共振器が前記制御光に対して
    吸収性を呈する光子エネルギー領域の吸収端よりも小さ
    い光子エネルギーを有することを特徴とする、請求項1
    ないし請求項3のいずれかに記載の光スイッチ。
  5. 【請求項5】前記半導体レーザはGaAsを活性層と
    し、かつAlGaAs層とAlAs層の多重層を光共振
    器の構成要素とする半導体レーザであり、さらに前記制
    御光の波長が820nmから770nmの範囲にあるこ
    とを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに
    記載の光スイッチ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Applied Physics Letters,Vol.73,No.5(1998),pp.566−pp.568

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