JP3522366B2 - 質量分析装置 - Google Patents

質量分析装置

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JP3522366B2 JP31196594A JP31196594A JP3522366B2 JP 3522366 B2 JP3522366 B2 JP 3522366B2 JP 31196594 A JP31196594 A JP 31196594A JP 31196594 A JP31196594 A JP 31196594A JP 3522366 B2 JP3522366 B2 JP 3522366B2
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集 平林
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、質量分析装置に関し、
特に混合物の分離分析に有効な液体クロマトグラフィー
(Liquid Chromatography:LC)と質量分析法(Mass S
pectrometry:MS)とを結合した液体クロマトグラフィ
ー/質量分析法(Liquid Chromatography /Mass Spectr
ometry、以下LC/MSという)や、キャピラリー電気
泳動法(Capillary Electrophoresis)の検出器に質量分
析計を用いたキャピラリー電気泳動/質量分析法(Capi
llary Electrophoresis/Mass Spectrometry、以下CE
/MSという)に用いられる質量分析装置に関し、さら
に詳細には、液体中に存在する混合試料を分離した後、
イオン化して質量分析計に導入するためのインターフェ
イス技術に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、分析の分野では、揮発性または不
揮発性化合物の新しい分離分析法としてLC/MSやC
E/MSが有望視されている。その一例として、図10
に、アナリティカルケミストリー、1991年、63巻、375
頁(Anal. Chem.,63, 375)に記載されているイオントラ
ップ質量分析計を用いたLC/MSの構成を示す。
【0003】液体クロマトグラフ1から溶出してくる溶
液中の試料は、配管2によりLC/MSのインターフェ
イスに導入される。図10のようなエレクトロスプレー
型大気圧イオン源では、インターフェイスは主に高電圧
が印加された金属製キャピラリー3からなる。この金属
製キャピラリー3に高電圧が印加されると、ここを通過
した試料溶液は静電噴霧され、帯電液滴に変化する。こ
のとき、金属製キャピラリー3のまわりからガスを流し
て噴霧を促進することができる。このインターフェイス
で生成された試料に関するイオンは、ノズル5、差動排
気部用収束レンズである32a,32bを通過して高真
空下の質量分析部に導入される。
【0004】スキマー9を通過したイオンは、収束効果
とゲート効果を有する静電レンズ33a,33b,33
cにより、エンドキャップ電極16a、リング電極1
7、エンドキャップ電極16bよりなるイオントラップ
型質量分析部にイオン取り込み口18を通して導入され
る。イオントラップ型質量分析部は他の質量分析計と異
なり、高周波電場を用いてエンドキャップ電極16a、
リング電極17、エンドキャップ電極16bからなるイ
オントラップ質量分析部内にイオンを一定時間閉じこ
め、その後、電圧を走査することによって、イオントラ
ップ質量分析部内に閉じこめられたイオンをイオン取り
出し口19より取り出し、それを検出器及び増幅器34
で検出する。イオントラップ型質量分析計で質量分析さ
れたイオンの検出信号は、増幅されてデータ処理装置に
転送される。データ処理装置では、得られた情報を通常
マススペクトルとして表示する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】LC/MSやCE/M
Sでは完全に気化していない液滴も存在するため、上記
のような方法でエレクトロスプレー型大気圧イオン源で
生成したイオンをイオントラップ質量分析部に取り込も
うとすると、イオンとともに液滴を含む大量の中性分子
がイオントラップ質量分析部内にまで入り込むことにな
る。このとき、次のような問題が発生する。
【0006】(1)イオントラップ内に入り込んだ中性
分子や液滴がイオントラップ質量分析部のエンドキャッ
プ電極などに付着することによってこれらの電極が汚染
され、内部での高周波電場が乱れ、イオンがトラップさ
れなくなったり、正確な質量分析ができなくなったりす
る。 (2)イオントラップ内に入り込んだ中性分子や液滴の
ために、イオントラップ質量分析部内で試料分子のイオ
ンから液滴の方に電荷が移動したり、イオントラップ質
量分析部から出た液滴が検出器に到達したりして、ノイ
ズが大幅に増加する。
【0007】LC/MSやCE/MSでは、大気圧イオ
ン源において試料溶液を帯電液滴に変化させ、加熱等に
よりこの帯電液滴を気化させる。しかし、帯電液滴を完
全に気化させることはできないので、当然のことなが
ら、完全に気化されなかった液滴が、2つのエンドキャ
ップ電極と1つのリング電極で囲まれたイオントラップ
質量分析部内に入り込んでしまい、上記のような問題が
発生してしまう。このような問題を起こさないために
は、大気圧イオン源で気化されない液滴の数をできるだ
け少なくする必要がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明においては、差動
排気部中でノズルからジェットが吹き出して生成される
超音速流領域を小さくすることによって帯電液滴の気化
効率を向上させる。図6(a)に略示するように、両側
の圧力がP0 、P1 (P0 >P1 )である直径Dのノズ
ル5からジェットが吹き出すとき、次式で表される距離
Lの範囲が超音速流領域29となる。 L=0.67×D×(P0 /P1 1/2
【0009】超音速流領域29では、断熱膨張によりジ
ェットの温度が急激に低下する。換言すると、超音速流
領域では分子間の衝突が少なくなるため、効率的に液滴
を気化することはできない。従って、ノズル両側の圧力
比とノズルの径に関係したこの超音速流領域をできるだ
け小さくすることで液滴を効率的に気化することができ
る。本発明では、図6(b)に略示するように、イオン
を通過させるための小さな孔を設けた遮蔽板30で差動
排気部を分割することによって圧力を調整し、超音速流
領域29の長さを全体として小さくした。
【0010】具体的には、本発明による質量分析装置
は、大気圧またはこれに準じた圧力下で試料溶液をイオ
ン化するイオン化手段と、イオン化手段によって生成さ
れたイオンを加熱された第1のノズルを通して導入する
ための差動排気部と、差動排気部に加熱されたスキマー
を介して接続された高真空室と、スキマーを通して高真
空室中に導入されたイオンを質量分析して検出するため
のイオントラップ型質量分析部からなる質量分析装置に
おいて、差動排気部内に、直線的な流路を有する第2の
ノズルを備える遮蔽板を、第2のノズルの出口がイオン
トラップ質量分析部のエンドキャップ電極に対向するよ
うに設けたことを特徴とする。
【0011】このとき、図9(a)に示すように、第1
のノズル5の中心軸とスキマー9の中心軸を一致させ、
第2のノズル7の流路をその中心軸上に位置させること
ができる。あるいは、図9(b)に示すように、第1の
ノズル5の中心軸とスキマー9の中心軸をずらし、第1
のノズル5の出口と第2のノズル7の入口を対向させ、
第2のノズル7の出口とスキマー9の入口を対向させて
もよい。
【0012】液滴の気化を促進するためには、加熱され
た第2のノズルの孔内での液滴の滞留時間を長くする必
要がある。そのためには、孔の内径を小さくし、孔の長
さを長くして、孔を通過するガス量を少なくする必要が
ある。この観点からすると、第2のノズルの孔は、その
径より長さの方が長いことが好ましい。遮蔽板に設ける
第2のノズルの流路は屈曲していても、あるいは第1の
ノズルの中心軸に対して斜行していてもよい。その際、
図9(c)に示すように、第1のノズル5の中心軸とス
キマー9の中心軸を一致させ、第1のノズル5の出口と
第2のノズル7の入口を対向させ、第2のノズル7の出
口とスキマー9の入口を対向させることができる。ま
た、図9(d)に示すように、第1のノズル5の中心軸
とスキマー9の中心軸をずらし、第1のノズル5の出口
と第2のノズル7の入口を対向させ、第2のノズル7の
出口とスキマー9の入口を対向させてもよい。
【0013】また、第2のノズルは、内部に複数の通過
孔を有する金属板を内包していてもよい。その際、図9
(e)に示すように、第1のノズル5の中心軸とスキマ
ー9の中心軸を一致させ、第1のノズル5の出口と第2
のノズル7の入口を対向させ、第2のノズル7の出口と
スキマー9の入口を対向させ、かつ金属板28に設けた
複数の通過孔を前記中心軸から外れた位置に設けること
ができる。あるいは図9(f)に示すように、第1のノ
ズル5の中心軸とスキマー9の中心軸をずらし、第1の
ノズル5の出口と第2のノズル7の入口を対向させ、第
2のノズル7の出口とスキマー9の入口を対向させ、か
つ金属板28に設けた複数の通過孔を第2のノズルの中
心軸から外れた位置に設けてもよい。
【0014】また、質量分析部は磁場型質量分析部又は
四重極型質量分析部としてもよい。遮蔽板で分離された
差動排気部の前記第1のノズル側の領域は、差動排気部
に設けられた荒引き用真空ポンプで排気されるように少
なくともひとつの排気口を有し、排気口の大きさを変え
るように構成することもできる。遮蔽板で分離された差
動排気部の第1のノズル側の領域の圧力は、超音速流領
域を第1ノズルの所からあまり長くしないために1〜1
00Torrの範囲とするのが好ましく、また、スキマ
ー側の領域の圧力は、イオンと中性分子との衝突による
イオン透過率の低下を防ぐため0.1〜10Torrの
範囲とするのが好ましい。
【0015】
【作用】図6(b)に示すように、差動排気部をイオン
を通過させる小さな孔を設けた遮蔽板30で分割するこ
とによって、ノズル直後に発生する超音速流領域29は
2つに分割され、全体としての超音速流領域の長さ(L
1 +L2 )は、遮蔽板を設けないときの長さLより短く
なる。そのため、中性分子や液滴が、温度の低下した超
音速流領域を通過する時間が短くなり、液滴の気化を阻
害する要因がそれだけ小さくなり、結果として液滴の気
化効率が高まる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。ここでは、混合試料の分離手段として、カ
ラムに詰まった充填剤を利用する液体クロマトグラフを
使用する例によって説明するが、毛細管を用いて電気泳
動により分離を行うキャピラリー電気泳動を用いること
も可能である。また、本発明は、試料溶液を連続的に導
入するフローインジェクション分析にも同様に適用可能
である。
【0017】図1は本発明による装置の一実施例を示す
図である。液体クロマトグラフ1から流出した試料溶液
は、配管2を通って、金属製キャピラリーが設けられ
たエレクトロスプレー型大気圧イオン源3に送られ、帯
電液滴が生成される。ここでは、大気圧イオン源とし
て、静電噴霧現象を利用した、帯電液滴が直接生成する
エレクトロスプレー型大気圧イオン源を示したが、針電
極によるコロナ放電を利用した大気圧化学イオン化法な
どの別の大気圧イオン源を用いてもよい。
【0018】エレクトロスプレー型大気圧イオン源3で
生成した帯電液滴は、第1フランジ6に保持されヒータ
ー12aで100℃以上の高い温度に加熱されたノズル
5、第2フランジ8に保持されヒーター12bで100
℃程度に加熱された第2ノズル7、及び第3フランジ1
0に保持されヒーター12cで100℃程度に加熱され
たスキマー9を通過する過程で気化され、イオンが生成
する。第1フランジ6、第2フランジ8、第3フランジ
10は、絶縁リング13a,13b,13cにより互い
に電気的に絶縁され、それぞれ独立した電圧が印加され
るようになっている。また、第2ノズル7とスキマー9
で囲まれた領域は、荒引き用真空ポンプ23によって1
0〜0.1Torrの範囲に排気される。
【0019】スキマー9を通過したイオンは、収束用静
電レンズ14a,14b,14c及びゲート電極15を
通過して、イオン取り込み口18より、エンドキャップ
電極16a、リング電極17、エンドキャップ電極16
b、及び2つの絶縁リング20a,20bで囲まれたイ
オントラップ質量分析部に導入される。ここで一定時間
トラップされたイオンは、イオン取り出し口19よりイ
オントラップ質量分析部の外に引き出され、収束レンズ
21で収束後、検出器22で検出される。通常、イオン
トラップ質量分析部の存在するチャンバー25は、真空
ポンプ24で5×10-5Torr以下に排気される。
【0020】ここでは超音速流領域を圧縮する方法とし
て、第2ノズル7を備えた第2フランジ8、すなわち遮
蔽板をノズル5とスキマー9の間に、イオントラップ質
量分析部のエンドキャップ電極に対向するように設けて
いる。ノズル5と第2ノズル7で囲まれた領域は、少な
くとも1つ設けられた排気口11を通して、荒引き用真
空ポンプ23により100〜1Torrの間に排気され
る。
【0021】これに対して、図2に示すように、ノズル
5を備えた第1フランジ6とスキマー9を備えた第3フ
ランジ10の間にあって、排気口11を備えた円筒26
に保持された第4フランジ27に、第2ノズル7をイオ
ントラップ質量分析部のエンドキャップ電極に対向する
ように設けてもよい。この場合にも、ノズル5と第2ノ
ズル7で囲まれた領域は、少なくとも1つ設けられた排
気口11を通して、荒引き用真空ポンプ23により10
0〜1Torrの間に排気される。
【0022】第2ノズル7は、図3(a)に示すよう
に、イオンを通過させるための孔がまっすぐで、しかも
ノズル5とスキマー9を結ぶ中心軸上に設けることがで
きる。この場合、第2ノズル7の孔の直径は0.1mm
〜2mm程度、長さは0.1mm〜20mm程度とする
ことができる。長さの長い孔を用いるのは、この加熱さ
れた孔の中での液滴の滞在時間を長くし、気化を促進す
るためである。
【0023】第2ノズル7のイオンを通過させる孔は、
図3(b)に示すように曲がっていてもよい。これは、
ノズル5と第2ノズル7で囲まれた領域における流れは
まだ分子流ではなく、粘性流に近く、経路が曲がってい
たとしても流れでイオンが輸送されるためである。しか
も、このような曲がった経路にすることによって、液滴
は加熱された第2ノズル7に衝突して気化が促進される
ことになる。ただし、ノズル5側の孔の位置及びスキマ
ー9側の孔の位置は、ノズル5とスキマー9を結ぶ中心
軸上にある必要がある。
【0024】また、図4のように、第2ノズルのイオン
通過の経路上に、複数の孔を持つ金属板28〔図4
(b),(c)参照〕を設けておいてもよい。この場合
にも、第2ノズル7での液滴の気化を促進するため、い
ったん液滴をこの複数の孔を持つ金属板28の中心に当
てるようにするのが好ましい。そのために、図4
(b),(c)に示す金属板28では、ノズル5とスキ
マー9を結ぶ中心軸上には孔を設けないようにしてあ
る。金属板28は、図4(b)に示すように、その内部
領域に孔を設けてもよいし、図4(c)に示すように、
その周縁部に切り欠きを設けてもよい。さらに、図5に
示すように、ノズル5と第2ノズル7を結ぶ軸と第2ノ
ズル7とスキマー9を結ぶ軸をずらし、斜めの孔を第2
ノズル7に設けてもよい。この場合にも、上記と同様な
効果を期待できる。
【0025】上記のいずれのタイプの第2ノズル7を設
けた遮蔽板30を用いても、図6(b)に示すように、
ノズル5の直後に発生する超音速流領域29は遮蔽板3
0を設けない図6(a)の場合に比較して圧縮され、ジ
ェットの温度低下を軽減することができる。図7は、
(a)第2ノズルを設けていない場合と、(b)第2ノ
ズルを設けた場合のグラミシジンSと呼ばれるペプチド
のマススペクトルの比較を示したものである。試料には
いずれも同じ試料(グラミシジンS)を用い、イオン源
にはいずれも同じエレクトロスプレー型大気圧イオン源
を用いた。イオン源から差動排気部にイオンを導入する
第1のノズルには内径0.2mm、長さ0.5mmのも
のを用い、差動排気部から高真空室にイオンを導入する
スキマーには内径0.2mm、長さ0.5mmのものを
用いた。差動排気部の真空ポンプの排気速度は800l
/分であり、質量分析部の真空ポンプの排気速度は20
0l/秒である。これらの条件は前記(a),(b)に
共通である。
【0026】第2ノズルを用いない(a)の場合、ノズ
ルとスキマー間の距離を15mmとした。この距離15
mmは、質量分析部の圧力を5×10-5Torr以下に
保つために必要な距離であった。このとき、差動排気部
の圧力は0.4Torr、質量分析部の圧力は4×10
-5Torrであり、差動排気部に形成される超音速流領
域の長さLは、下式で計算されるように5.8mmであ
った。 L=0.67×0.2×(760/0.4)1/2 =5.
8(mm)
【0027】一方、第2ノズルを用いた(b)の場合、
第1ノズルと第2ノズル間の距離を7mmとし、第2ノ
ズルとスキマー間の距離を7mmとした。第2のノズル
は内径0.2mm、長さ0.5mmとした。このとき、
差動排気部の第1ノズルと第2ノズル間の領域の圧力は
2Torr、第2ノズルとスキマー間の領域の圧力は
0.2Torr、質量分析部の圧力は2×10-5Tor
rであった。そして、超音速流領域の長さL’は、第1
ノズルの後方に発生する超音速流領域の長さL1と、第
2ノズルの後方に発生する超音速流領域の長さL2 の和
であり、下式で計算されるように3.0mmであった。 L’=L1 +L2 =0.67×0.2×(760/2)
1/2 +0.67×0.2×(2/0.2)1/2 =2.6+0.4=3.0(mm)
【0028】図7に示されているように、(a),
(b)どちらの場合にも、グラミシジンSの2価イオン
(M+2H)2+がm/z(質量数/電荷)571に観測
されている。しかし、遮蔽板を設けていない(a)に比
較して、遮蔽板を設けた(b)の場合には、m/zが5
71のイオン以外のノイズのイオンが大幅に減少してい
ることがわかる。これは、差動排気部を遮蔽板で2分す
ることにより超音速流領域の長さがほぼ半分に圧縮さ
れ、特に第1ノズルと第2ノズル間の超音速流領域の長
さL1 がLの半分以下に圧縮されたため、液滴の気化が
十分に進み、イオントラップ質量分析部内に導入される
液滴が大幅に減少したためと考えられる。
【0029】なお、図8に示すように、ノズル5と第2
ノズル7で囲まれた領域の圧力は、圧力可変機構31に
よって可変できるようにしてもよい。圧力可変機構31
は、それを出し入れすることによって排気口11のコン
ダクタンスを変え、それによってノズル5と第2ノズル
7で囲まれた領域の圧力を調整することができる。圧力
調整機構31を設けることにより、個々の装置による差
動排気部内の圧力の変動を調節することができ、また同
じ大気圧イオン源でも、静電噴霧現象を利用するエレク
トロスプレー型とコロナ放電を利用する大気圧化学イオ
ン源では、それぞれの最適の差動排気部内の圧力が異な
るため、使用するイオン源に合わせて真空度を簡単に調
整することができるようになる。
【0030】これまで質量分析計にイオントラップ質量
分析計を用いた場合の実施例に関して説明してきたが、
本発明は4本のロッドに高周波電場を加えて質量分析を
行う四重極質量分析計や磁場内での質量分散を利用して
質量分析を行う磁場型質量分析計を用いた場合にも同様
に適用でき、上述したのと同様な効果を期待できること
は言うまでもない。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、ノズル直後に発生する
超音速流領域を圧縮できるため、中性分子や液滴が温度
の低下した超音速流領域を通過する時間が短くなり、液
滴の気化効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるLC/MS装置の一実施例を示す
断面図。
【図2】本発明によるLC/MS装置の他の実施例を示
す断面図。
【図3】ノズルと第2ノズルとで囲まれた領域の断面
図。
【図4】第2ノズルの他の実施例の説明図。
【図5】第2ノズルの他の実施例を示す断面図。
【図6】遮蔽板がない場合とある場合の超音速流領域の
模式図。
【図7】遮蔽板がない場合とある場合のマススペクトル
の例を示す図。
【図8】差動排気部内に圧力可変装置を設けた実施例を
示す図。
【図9】第2のノズルを備える遮蔽板の例を示す図。
【図10】従来のLC/MS装置の構成図。
【符号の説明】
1…液体クロマトグラフ、2…配管、3…エレクトロス
プレー型大気圧イオン源、4…金属製キャピラリー、5
…ノズル、6…第1フランジ、7…第2ノズル、8…第
2フランジ、9…スキマー、10…第3フランジ、11
…排気口、12a,12b,12c…ヒーター、13
a,13b,13c…絶縁リング、14a,14b,1
4c…収束用静電レンズ、15…ゲート用レンズ、16
a,16b…エンドキャップ電極、17…リング電極、
18…イオン取り込み口、19…イオン取り出し口、2
0a,20b…イオントラップ用絶縁リング、21…引
き出しレンズ、22…検出器、23…荒引き用真空ポン
プ、24…真空ポンプ、25…チャンバー、26…円
筒、27…第4フランジ、28…複数の孔を持った金属
板、29…超音速流領域、30…超音速流領域遮蔽板、
31…圧力可変機構、32a,32b…差動排気部用収
束レンズ、33a,33b,33c…収束及びゲート作
用を備えた静電レンズ、34…検出器及び増幅器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−50940(JP,A) 特開 平6−331616(JP,A) 特開 平5−52813(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/62 - 27/70 H01J 49/00 - 49/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大気圧でイオンを生成するイオン源と、
    前記イオン源と質量分析部との間に配置される差動排気
    部と、前記イオンを前記差動排気部に導入するノズル
    と、前記差動排気部を経由したイオンを前記質量分析部
    に導入するスキマーと、前記ノズルと前記スキマーの間
    に配置され前記差動排気部を分割する遮蔽板と、を有
    し、前記遮蔽板は前記イオンが通過する孔を有し該孔の
    経路の長さは該孔の内径よりも長いことを特徴とする質
    量分析装置。
  2. 【請求項2】 前記遮蔽板に形成された孔の中心軸と前
    記スキマーの中心軸とは平行ではないことを特徴とする
    請求項1に記載の質量分析装置。
  3. 【請求項3】 前記遮蔽板に形成された孔の経路は前記
    スキマーの中心軸に対し屈曲していることを特徴とする
    請求項1に記載の質量分析装置。
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