JP3521455B2 - ガラス熔解槽の温度制御システム - Google Patents

ガラス熔解槽の温度制御システム

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JP3521455B2
JP3521455B2 JP28870793A JP28870793A JP3521455B2 JP 3521455 B2 JP3521455 B2 JP 3521455B2 JP 28870793 A JP28870793 A JP 28870793A JP 28870793 A JP28870793 A JP 28870793A JP 3521455 B2 JP3521455 B2 JP 3521455B2
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B5/00Melting in furnaces; Furnaces so far as specially adapted for glass manufacture
    • C03B5/16Special features of the melting process; Auxiliary means specially adapted for glass-melting furnaces
    • C03B5/24Automatically regulating the melting process

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ガラス熔解槽の温度
制御システムに係り、特に、蓄熱式ガラス熔解槽におい
て槽窯温度を安定化させる上で有効な温度制御システム
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ガラス熔解槽の槽窯運転におい
ては、槽窯温度が変動すると、泡等のガラス欠点が観測
されることから、槽窯温度を安定化させてガラス素地の
流れを安定させ、ガラス欠点を減少させることが必要で
ある。従来の槽窯運転においては、現場オペレータの勘
と経験(ノウハウ)に依存した職人芸的な操作によっ
て、槽窯温度を安定化させるようにしていたが、現場オ
ペレータによって槽窯温度を常時監視することは作業上
極めて面倒であるばかりか、現場オペレータが未熟であ
ると、槽窯温度が不安定になり易い。
【0003】このような事態を回避するという観点か
ら、現場オペレータによる人手作業をなくし、槽窯温度
を自動的に監視する温度制御システムが提案されてい
る。この種のガラス熔解槽の温度制御システムとして
は、例えば蓄熱式ガラス熔解槽(蓄熱室に連通接続され
る複数の燃焼・排気用ポートが両側壁に設けられ、一定
時間毎に片側のポートで燃焼を行うと共に反対側のポー
トで排気を行いながらガラスの原料混合物を均一熔解し
て冷却槽へ送出するガラス熔解槽)において、熔解槽内
のガラス原料混合物の分布状態に応じて各ポートのオイ
ル供給量を制御し、熔解槽内に投入されたガラス原料混
合物を単位当り同一熱量にて均一に溶融するものがある
(例えば特開昭61−183126号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このタ
イプにあっては、現時点のガラス原料混合物の分布状態
に対してオイル供給量を制御したとしても、現時点のガ
ラス原料混合物に対して直ちに単位当り同一熱量が与え
られるとは言えず、熱量伝達に時間遅れ(むだ時間)が
あることから、槽窯温度を常時安定化させることが極め
て困難であった。
【0005】このような技術的課題を解決するための先
行技術としては、ガラス熔解槽のガラス熔解プロセスの
ようなむだ時間のあるプロセスにおいて、むだ時間まで
の未来の観測系列を入出力系列に基づくファジィ推論に
て推定するようにしたものが知られている(例えば特開
平2−138602号公報)。しかしながら、このタイ
プにあっては、槽窯温度の変動要因パラメータとしてど
れに着目すればよいのか具体的でなく、様々な変動要因
パラメータに対して制御要因パラメータのチューニング
を行わなければならず、その分、制御要因パラメータの
チューニングが困難になってしまう。このため、このタ
イプにあっては、個々のガラス熔解槽に対して個々的に
ファジィ推論システムを構築しなければならず、汎用性
に欠けるという技術的課題を生ずる。
【0006】この発明は以上の技術的課題を解決するた
めに開発されたものであって、槽窯温度の安定化を簡単
且つ確実に実現することができ、しかも、汎用性に優れ
たガラス熔解槽の温度制御システムを提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
図1に示すように、蓄熱室2に連通接続される複数の燃
焼・排気用ポート3が両側壁に設けられ、一定時間毎に
片側のポート3で燃焼を行うと共に反対側のポート3で
排気を行いながらガラスの原料混合物を均一熔解して冷
却槽4へ送出する蓄熱式ガラス熔解槽1を前提とする。
そして熔解槽1内のガラス熔解進行状態に応じて熔解槽
1を複数セクションS(例えばS1〜S3)に機能分割
し、熔解槽1の各セクションS(例えばS1〜S3)毎
に熔解槽温度検出手段5を一若しくは複数設けると共
に、熔解槽1外部の雰囲気温度が検出される外部雰囲気
温度検出手段6を設け、少なくとも熔解槽温度検出手段
5及び外部雰囲気温度検出手段6から検出される温度情
報が槽窯温度の変動要因パラメータとして取り込まれ、
これらの変動要因パラメータと制御要因パラメータとし
ての各ポート3に供給されるオイル流量あるいは冷却槽
4へ至る前準備としての冷却用空気量との間の相関関係
が予め定義された制御ロジック8に基づいて、変動要因
パラメータに対応する制御要因パラメータが熔解槽の各
セクションS毎に予測される槽窯温度安定予測手段7を
設け、この槽窯温度安定予測手段7からの制御要因パラ
メータに基づいてオイル供給手段10からのオイル供給
量あるいは冷却用空気供給手段11からの冷却用空気供
給量が制御されるプロセス制御手段9を設けたことを特
徴とする。
【0008】このような技術的手段において、熔解槽1
を機能分割する際のセクション数としては、ガラス溶融
進行状態を考慮し、通常3セクション、小型の熔解槽1
にあっては2セクションであってもよい。ここで、3セ
クションの選定基準としては、第1セクションS1がガ
ラス原料混合物投入口付近で、投入量の影響を最も受け
易く最も安定し難い区域、第2セクションS2が熔解槽
1中心部で、ガラス素地温度が最も高温で対流の激しい
区域、第3セクションS3が冷却槽4に通じる熔解槽1
の手前側で、完全に溶融したガラスを冷却準備し始める
区域である。そして、2セクションの場合には、3セク
ションの場合の第1セクションS1及び第3セクション
S3が機能的に割り付けられるが、夫々のセクションに
は3セクションの場合の第2セクションS2が一部機能
的に含まれる。
【0009】また、槽窯温度の変動要因パラメータとし
ては、少なくとも熔解槽温度及び外部雰囲気温度が選定
される。熔解槽温度としては、大迫温度、横壁温度、種
瓦温度、敷温度が選定される。以下の説明では、熔解槽
温度として大迫温度をもちいる。ここで、大迫温度は熔
解槽1の大迫(天井)部分の温度であり、また、外部雰
囲気温度とは熔解槽1外部の雰囲気温度を広く指し、例
えば蓄熱室2を通過して窯内に流入される2次空気温度
で代用させることも可能である。
【0010】また、大迫温度及び外部雰囲気温度を指標
とする理由は、以下の通りである。 指標は多ければ良いものではなく、ある程度絞り込ん
だ選択が必要である。 熟練オペレータが槽窯運転する際に、槽窯温度を代表
とするデータとして実際に、あるいは、参考値として使
用するものであること。 システムとして取り込み可能なデータであること。 系の異常に対してある程度敏感に反応するデータであ
ること。
【0011】更に、変動要因パラメータとしては、大迫
温度が最も大きく影響することから、大迫温度の重み付
けを他の変動要因パラメータよりも大きくすることが好
ましい。更にまた、制御要因パラメータのチューニング
等の簡略化という観点からすれば、変動要因パラメータ
としては必要最小限の大迫温度及び外部雰囲気温度を用
いるようにすればよく、また、槽窯温度安定予測手段7
の予測精度をより高めるという観点からすれば、変動要
因パラメータとして大迫温度、外部雰囲気温度に加えて
大迫温度偏差を用いることが好ましい。
【0012】また、槽窯温度安定予測手段7の制御ロジ
ック8としては、所定の変動要因パラメータと所定の制
御要因パラメータとの間の相関関係が予め定義されたも
のであれば、モデル制御(制御対象及びその周辺挙動を
理論的、物理的に解明し、それを数値式で説明したロジ
ックの組み合わせからなるモデルを構築し、このモデル
を前提に出力データを算出する制御)を構築する等適宜
選定して差し支えないが、槽窯温度安定予測手段7の予
測精度をより高めるという観点からすれば、ファジィ制
御(制御対象及びその周辺挙動を理論的、物理的に解明
しようとせずに、経験的、感覚的に出力データを求めよ
うとする制御)を構築するのが好ましく、制御ロジック
8は槽窯温度の変動要因パラメータの時系列変化パター
ンを考慮したファジィルール関数で定義される。この場
合において、ファジィ推論としては、熟練オペレータが
種々の現象から総合判断する際の思考過程を考慮すれ
ば、代数理論型を採用するのが好ましい。
【0013】また、槽窯温度安定予測手段7において
は、熔解槽1の各セクションS内で複数の制御要因パラ
メータを出力する場合があり得るが、同一セクションS
内で制御要因パラメータが極端に相違すると、却って槽
窯温度が不安定になる懸念があるので、熔解槽1の同一
セクションS内で予測された制御要因パラメータ間に規
格値を超える差が生じた場合に、相互の制御要因パラメ
ータを規格値内に収める補正処理が行われるセクション
内バランス調整手段12を具備させることが好ましい。
【0014】また、熔解槽1の異なるセクションS間に
おいて制御要因パラメータが極端に相違しても、却って
槽窯温度が不安定になる懸念があるので、異なるセクシ
ョンS間で予測された制御要因パラメータ間に規格値を
超える差が生じた場合に、相互の制御要因パラメータを
規格値内に収める補正処理が行われるセクション間バラ
ンス調整手段13を具備させることが好ましい。
【0015】また、槽窯温度安定予測手段7の制御要因
パラメータの変更タイミングについては適宜選定して差
し支えないが、最も槽窯に影響を与え難い熔解槽のポー
トの燃焼・排気交換動作時に行うことが好ましい。
【0016】更に、槽窯温度安定予測手段7に対し、槽
窯温度の変動要因パラメータに対する重み付けが任意に
設定される重み付け設定手段14を具備させるようにす
れば、変動要因パラメータの影響度合の微調整を任意の
時点で行うことが可能になり、また、例えば熔解槽温度
検出手段5の一つが故障したような状態であっても、当
該故障した熔解槽温度検出手段5からの温度情報に対す
る重み付けを0にし、ガラス熔解槽の温度制御システム
を続行させることが可能である。
【0017】
【作用】上述したような技術的手段によれば、熔解槽1
はガラス熔解進行状態に応じて複数セクションS(例え
ばS1〜S3)に機能分割されている。そして、熔解槽
温度検出手段5が熔解槽1の大迫の各セクションS(例
えばS1〜S3)の一若しくは複数箇所の温度を検出
し、一方、外部雰囲気温度検出手段6が外部雰囲気温度
を検出する。すると、槽窯温度安定予測手段7は、少な
くとも熔解槽温度検出手段5及び外部雰囲気温度検出手
段6から検出される温度情報を槽窯温度の変動要因パラ
メータとして取り込み、これらの変動要因パラメータと
制御要因パラメータとしての各ポート3に供給されるオ
イル流量あるいは冷却槽4へ至る前準備としての冷却用
空気量との間の相関関係が予め定義された制御ロジック
8に基づいて、変動要因パラメータに対応する制御要因
パラメータを熔解槽1の各セクションS毎に予測する。
そして、槽窯温度安定予測手段7からの制御要因パラメ
ータがプロセス制御手段9に送出され、このプロセス制
御手段9が前記制御要因パラメータに基づいてオイル供
給手段10からのオイル供給量あるいは冷却用空気供給
手段11からの冷却用空気供給量を制御する。このよう
な処理過程において、槽窯温度の安定化が実現される。
【0018】
【実施例】以下、添付図面に示す実施例に基づいてこの
発明を詳細に説明する。 目次 1.蓄熱式ガラス熔解槽の概要 2.ガラス熔解槽の温度制御システムの全体構成 (2−1)ハードウエア構成 (2−2)データインタフェース 3.制御システム (3−1)全体概要とその特徴 (3−2)入力パラメータ、出力パラメータとその選定 (3−3)オイル流量算出ロジックとそのポイント (3−4)制御ブロック (3−5)システムの特徴 (3−6)オンラインモニタ 4.自動制御の評価
【0019】1.蓄熱式ガラス熔解槽の概要 図2はこの発明が適用される蓄熱式ガラス熔解槽の概要
を示す。同図において、20はガラス熔解槽であり、こ
のガラス熔解槽20の後部側にガラス原料混合物の投入
口21が設けられており、ガラス熔解槽20の手前側に
はくびれ22を介して連通する冷却槽23が設置されて
いる。そして、上記熔解槽20の両側壁には夫々一対の
蓄熱室24,25に連通する6個ずつの燃焼・排気用ポ
ート26(#1〜#6で示す),27(#1〜#6で示
す)が設けられており、一定時間(この実施例では20
分)毎に片側のポート26で燃焼(オイル供給)が行わ
れると共に反対側のポート27で排気が行われ、ガラス
原料混合物が均一に熔解されて冷却槽23へ送出される
ようになっている。また、冷却槽23寄りのガラス熔解
槽20には冷却用エア(スタグナントエア:以下図等に
おいてSTGエアと略記する)が適量供給され、冷却槽
23へ向かう溶融ガラスが適宜冷却される。
【0020】2.ガラス熔解槽の温度制御システムの全
体構成 (2−1)ハードウエア構成 図3はこの実施例で用いられるガラス熔解槽の温度制御
システムのハードウエア構成を示す。同図において、ガ
ラス熔解槽の温度制御システムは、大きく2台のコンピ
ュータからなる分散システムの体制を採る。具体的に
は、熔解工程専用のデータ管理及び監視用の熔解コント
ローラ31と、その上位に位置するプラント管理用コン
ピュータ32とからなる。熔解コントローラ31は、 コントロールの機能性、信頼性向上 運転状態の監視性向上 省スペース化 等を目的として導入されたDCS(Distribut
ed ControlSystemの略)であり、ルー
プコントロール(PID機能)、集中監視機能、アラー
ム処理機能等を有している。一方、プラント管理用コン
ピュータ32は、 全体工程管理 長期的データの蓄積 プログラム開発 等を目的として導入されたコンピュータであり、熔解工
程においては熔解データベース機能、知識処理機能、ト
レンド画面表示機能等を有している。
【0021】そして、2台のコンピュータ31,32は
互いにゲートウエイ33,34を介して所定の通信回線
で結ばれている。この通信回線を通じて熔解工程のプロ
セスデータ等(熔解コントローラ31がサーモカップル
等の各種検出端36から取り込む)が、熔解コントロー
ラ31からプラント管理用コンピュータ32へ伝送され
る。そして、プラント管理用コンピュータ32は、定期
的に伝送されるこれらのデータを利用して熔解データベ
ースを構築している。また、種々のモデル制御や知識制
御といった開発をプラント管理コンピュータ32上で
行い、これを遠隔出力(オイル制御用SV値(設定値)
等)として熔解コントローラ31へ伝送し、熔解コント
ローラ31上でPID制御を行い、現場の各種コントロ
ール弁35が変更できるモードを設けている。今回利用
しようとしているオイル流量、スタグナントエア流量等
が各種コントロール弁35で制御される。更に、熔解コ
ントローラ31は、上位のプラント管理用コンピュータ
32が停止している時でも、現場のオペレータが不自由
なく、工程の集中監視及びデータの設定等が行えるよう
な閉ループ構造(ローカルゲートウエイ37,シーケン
サ38)が採られている。熔解コントロール31をヘッ
ドにしたローカルゲートウエイ37,シーケンサ38,
PI/O39,PI/O40,各種コントロール弁3
5,各種検出端36からなるループ構造が採られてい
る。
【0022】3.制御システム (3−1)全体概要とその特徴 この制御システムは、槽窯温度の変動要因と制御要因の
因果関係にファジイ理論を応用したものであり、この実
施例では、制御システムの作成、チューニングに当り、
以下の〜を基本概念としている。 系の特徴を率直に表現すること。 入力に対してある程度の感度を持ち、また、異常値入
力に対して安全であること。 パラメータに自由度があること。 チューニングが容易であること。 できる限り単純なものであること。 これらの概念を前提に制御システムを構築し、オンライ
ン自動化を実現した。このシステムの特徴は以下のよう
である。
【0023】◎フェールセーフ、フェールプルーフの原
則の踏襲 オイル流量設定値等を誤出力すると熔解工程に悪影響を
及ぼすばかりでなく、設備的にも危険である。本システ
ムではデータの入力部、演算部、データの出力部におい
て、独立に種々のチェック機構を持ち、オンライン自動
化に際して安全性を重視している。表1にデータチェッ
ク機構の具体例を示す。尚、表1においてPVは測定
値、SVは設定値を表す。
【0024】
【表1】
【0025】◎大迫温度安定化を目標とした制御システ
ム 槽窯温度安定化の指標として大迫温度に着目し、これを
安定化させることを目的としている。 ◎時系列的に考慮されたフィードバックシステム データベースを背景として、時系列的にある程度パラメ
ータの選択に自由度が与えられる。特に、次空気(蓄
熱室24,25からの燃焼用空気)の温度変化要因に対
しては、時遅れ要素の大きいフィードバック系が確立さ
れている。 ◎オイル流量にセクションの概念を導入 ポート26,27(#1〜#6)に供給される#1〜#
6オイルの使用上の特質や熔解槽内環境を考慮し、熔解
槽20が3つのセクションに機能分割されている。オイ
ル流量に対しては、セクション内のバランス(重み付
け)及びセクション間のバランス(補填)を考慮した多
変数入力、多変数出力のモデルが構築されている。 ◎大迫温度変化に対して感度のよいチューニング オイル流量変更量を決定付ける要因のうち、特に大迫温
度の単位時間当りの変化量要因に対して感度がよい(敏
感な)システムとしてチューニングされている。 ◎パラメータの変更操作が容易 オンライン制御中でも、製造担当者がパラメータを容易
にチューニング操作できるような画面を提供している。
実際に季節により変化するパラメータ等は、この画面か
ら製造担当者が変更している。
【0026】(3−2)入力パラメータ、出力パラメー
タとその選定 制御ロジックで使用する入力時系列データ及び制御ロジ
ックからDCSへ出力される設定値データの関係を図4
に示す。同図において、#1〜#8大迫温度は図2の熔
解槽20のポジション#1〜#8(投入口21側から所
定間隔毎に割り付けられるポジション名)の大迫温度で
あり、#1〜#6オイル流量はポート#1〜#6(熔解
槽20のポジション#1〜#6に相当)に供給されるオ
イル流量、PVは交換平均データベースに基づくDCS
通信データのマスク平均データ(測定値)、SVはオペ
レータの手入力による大迫温度の設定値データである。
尚、この実施例において、ガラス原料混合物の投入量は
一定とした。
【0027】(3−3)オイル流量算出ロジックとその
ポイント ◎セクションの概念 この実施例においては、熔解槽20内のガラス溶融進行
状態に応じて熔解槽20を大きく3つに機能分割した。
そして、それぞれを第1セクション、第2セクション、
第3セクションと呼ぶことにする(図2参照)。各セク
ションの特徴とオイル制御の側面からみた考慮をまとめ
ておく。
【0028】第1セクション 熔解槽20投入口付近のエリアを示す。大迫温度につい
ていえば、投入量及び原料の性状変化の影響を受けやす
く最も安定しにくい。また、これは原料の溶け具合や泡
切れにも影響を与え、注意を要する。オイル流量の変更
は比較的多い。大迫温度の指標として#1大迫サーモカ
ップル、#2大迫サーモカップルがあり、#1ポート、
#2ポートオイル流量を用いて大迫温度の安定化を目指
している。 第2セクション 熔解槽20中心部、#3ポート付近から最も窯温の高く
なるポイント(この実施例では#5と#6の間に位置)
付近までのエリアを示す。ガラス素地温度が最も高温で
対流の激しい場所である。大迫温度は比較的安定してい
るが、第1セクションや第3セクションからの大迫温度
の干渉がある。大迫温度の指標として#3〜#5大迫サ
ーモカップルがあり、#3〜#5ポートオイル流量を用
いて大迫温度の安定化を目指している。 第3セクション 熔解槽20の冷却槽23よりのエリアを示す。ガラス素
地流れが大きく隔離されていると想定される。引出量の
変動等で、ガラス素地側の放射熱から大迫温度が変動す
ることがある。大迫温度の指標として#6〜#8大迫サ
ーモカップルがあり、#6ポートオイル流量及びスタグ
ナントエアを用いて大迫温度の安定化を目指している。
【0029】◎ロジック概略 本制御システムは、入力データの安全性やフィードバッ
ク効果の確認の必要性、系としての応答特性、実際のオ
ペレータ操作等を考慮した上で最小20分(1オイル交
換)に1回動作する構造をとっている(20×n(nは
整数)分毎の起動が可能)。制御ロジック概略図を図5
に示す。第1セクションにおいては、入力データとして
#1〜#2大迫温度PV(測定値)、SV(設定値)、
二次空気温度PV、#1〜#2オイル流量前回値SVの
時系列データをもとに、まず#1オイル流量暫定値SV
を算出する。この算出ロジックを「#1ポートオイル流
量算出ロジック」と呼ぶ。#2オイル流量は、#1オイ
ル流量をもとに簡単な算術式にて算出される。この算出
ロジックを「#2ポートオイル流量算出ロジック」と呼
ぶ。「セクション内バランス調整ロジック」では、#1
ポートオイル流量、#2ポートオイル流量の上下限チェ
ックや補正処理を行っている。これと同様の方法で、各
セクションのオイル流量やSTGエア流量の暫定値を算
出している。「セクション間バランス調整ロジック」で
は、オイル流量を対象とし、今まで(前回)のセクショ
ン別オイル流量に比較して、そのオイル流量のバランス
が大きく崩れていないかチェックし、崩れている場合、
これを補正(補填)している。これは各セクションが、
互いに相手を監視しあう効果の他にオイル流量の急激な
変動を押さえる効果を持っている。最後に「最終出力用
データチェック及び出力ロジック」において、各設定値
の変化量等をチェックし出力している。以降「#1ポー
トオイル流量算出ロジック」「セクション間バランス調
整ロジック」を中心に説明する。
【0030】◎オイル流量算出ロジック 第1セクションを例にとり、#1ポートオイル流量、第
2ポートオイル流量算出手順を示す。 (1)ポート別大迫加工データ算出 大迫温度PV値の変化量 各ポートの大迫温度の変化量 大迫温度PVとSVの偏差 各ポートの大迫温度PVとSVの偏差(PV−SV)。
【0031】(2)セクション単位の大迫代表値データ
算出 大迫温度変化量代表値データ #1ポートと#2ポートの大迫温度変化量の重み付け平
均値を算出する。 大迫温度偏差代表値データ #1ポートと#2ポートの大迫温度偏差の重み付け平均
値を算出する。重み付けの比率は外部(画面)から変更
可能である。
【0032】(3)二次空気温度の時系列変化(二次空
気温度変化量) 一般に外部雰囲気温度(外気温)の変動が大迫温度に与
える影響は大きい。但し、外気温では、その変動が大き
過ぎ、かつ瞬時変化(ノイズに近いもの)が乗りやすい
ため二次空気温度でこれを代用させ、外部温度変動の代
表値としている。また、この要因は、時遅れ要素が大き
く、これらの調整係数は画面から修正可能となってい
る。二次空気温度変化量は2交換当たりの変化量に換算
し直しており、その算出処理を図6に示す。
【0033】(4)#1オイル変更量暫定値算出 (1)、(2)、(3)で求めた大迫温度変化量、偏差
及び二次空気温度変化量をもとに(3−4)節に示すフ
ァジイ制御ブロックから#1オイル変更量暫定値を求め
ている。#1オイル流量現在設定値に#1オイル変更量
暫定値を加算し、#1オイル流量暫定設定値(#1オイ
ル流量暫定値)を求める。これらの算出処理を図7
(a)(b)に示す。
【0034】(5)#2オイル流量暫定設定値算出 #2オイル流量暫定設定値は、#1オイル流量暫定設定
値をもとに比率係数を乗算し、重上げ値を加算すること
によって算出している。この算出処理を図8に示す。
【0035】(6)セクション内バランス調整 #1、#2各オイル流量暫定設定値の間に規格値を越え
る差がある場合、#2オイル流量暫定設定値を規格内に
押さえるよう補正する。この補正処理を図9(a)
(b)に示す。
【0036】(7)セクション間バランス調整 (1)〜(6)は第1セクションを例にして説明した。
第2セクションにおいても(1)〜(6)と同様の手順
で#3〜#5オイル流量暫定設定値を求めることができ
る。また、第3セクションでも(1)〜(4)と同様の
手順で#6オイル流量暫定設定値及びSTGエア流量
(暫定)設定値を独立に求めることができる。ここで、
セクション間バランス調整について説明する。第1セク
ションの代表値として#1オイル流量暫定設定値を、第
2セクションの代表値として#3オイル流量暫定設定値
を取り上げる。両者に規格以上の差がある場合、その差
分の1/2を補正値として補填し、両者に規格以上の差
が生じないようにしている。この調整値が適用された場
合、(5)、(6)の再計算をし、各ポートのオイル流
量設定値を求め直す必要がある。このバランス調整処理
により例えば現実の熔解工程オペレーションとして原料
の投入量を増加させた場合など、第1セクションオイル
流量のみを変更するのでなく、第2セクションオイル流
量も予め変更させておくことも可能である。第1セクシ
ョンと第2セクションを例にしたバランス調整ロジック
のフローを図10に示す。
【0037】(3−4)制御ブロック ファジィ制御システムは、モデル型制御と異なり、ルー
ルを用いてオペレータの操作感覚、考えを模倣しようと
するものである。本実施例では、各セクション別の大迫
温度変化量、大迫温度偏差、二次空気温度変化量から、
オイル流量変更量やSTGエア流量変更量を算出する制
御ブロックに、ファジィ理論を応用している。ファジィ
制御ブロックにおける入力部、ファジィ推論部、出力部
の概要を図11に示す。入力部はいずれも工程の加工済
みデータである。ファジィ推論部では、これらのデータ
を入力し、ファジィ推論規定を遵守して各セクション別
に独立にオイル変更量を算出している。出力部は各セク
ション別のオイル変更量及びSTGエア変更量である。
【0038】◎入出力部 図11において、入力部の二次空気温度変化量1、同変
化量3というは各々第1、2セクション制御用入力、
第3セクション制御用に入力される二次空気温度変化量
であり、取扱う時系列が異なっている。 ◎ファジィセット部 図12に示すように、入力データ8種類、出力データ4
種類をそのまま主語として使用し、入力データ、出力デ
ータ毎に述語を7段階に割り付けている。 ◎ルール部 本システムはルールを複雑化させずに、各々独立に定義
している(ルール条件部にANDやORを使用していな
い。必要であればこれらを使用するシステムを作ること
も可能である)。また、ルール数63にてルール部が構
成される。 ◎推論実行法則定義部 一般に使用される方法(デフォルト定義)を前提とし、
デファジィ方法を始め、各種の方法を定義している。
【0039】(3−5)システムの特徴 ファジィセット部 主語及び述語別にメンバシップ関数をグラフ化したもの
を図13〜図16に示す。なお、値はあくまで参考例で
あり最終チューニング後とは異なっているので注意を要
する。ここで、メンバシップ関数の特徴を挙げると、 ・大迫温度偏差、大迫温度変化量、オイル変更量のメン
バシップ関数群はセクション別の差がない。 ・大迫温度偏差に比較し、大迫温度変化量の勾配がきつ
く、メンバシップ関数相互の関係が密である。 ・どの主語に対するメンバシップ関数群もZOを基準と
して左右対象である。 ・二次空気温度変化量1(オイル調整用)と二次空気温
度変化量3(STGエア調整用)のメンバシップ関数を
比較すると、二次空気温度変化量3は勾配が緩やかで、
ZO等はプラス側に偏る傾向がある。 ・オイル変更量とSTGエア変更量のメンバシップ関数
群の構造が類似している。 ルール部 ルール自体にもオイル変更量の出力に対し、大迫温度偏
差よりも、大迫温度変化量を重んじる傾向を残してい
る。 推論実行法則定義部 メンバシップ関数の合成方法として代数和を用いる。こ
れは、熟練オペレータが、種々の現象から総合判断をす
る思考に対し代数和が論理和よりも適していることによ
る。
【0040】◎分析例 (1)感度分析 ファジイ推論実行部の動特性を調査する目的でシミュレ
ーションデータの感度分析を行った結果をまとめる。 感度が非線形的に変化する。図17は第1セクション
を例にとり、大迫温度変化量(入力データ)とオイル変
更量(出力データ)との関係をグラフ化したものであ
る。話を簡略化するため、大迫温度偏差及び二次空気温
度変化量は0としている。実線が回帰モデルに基づいた
制御(モデル制御)の出力関数、点線がファジイ制御の
出力関数を示している。モデル制御においては入力デー
タと出力データは比例関係にある(線形的である)。フ
ァジイ制御においては、この関係が非線形的であり、い
くつかの変曲点を持つ曲線として表現される。ファジイ
制御の出力曲線をオペレータの操作とタイアップさせる
と以下の表2のような解釈ができる。
【0041】
【表2】
【0042】ファジイ制御出力曲線は温度変化量0を
軸として対称的な曲線となる。図17から明らかなよう
にファジイ制御出力曲線は温度変化量0を軸にして対称
的な曲線となっている。これは入力と出力を結び付ける
ルールやメンバシップ関数が対称に割り付けられている
ことに起因する。
【0043】モデル制御の出力直線はファジイ制御の
出力曲線の補間と解釈できる。図17を見ると、大迫温
度変化量の分布域−1.5t〜1.5tにおいてモデル
制御の出力直線は、丁度ファジイ制御の出力曲線を補間
していると解釈できる。大迫温度変化量が−1.5t〜
0.7t及び、0.7t〜1.5tの範囲でファジイ制
御のほうがオイル変更量(絶対値)を大きく出力してい
る。その他の範囲では、モデル制御のほうが大きな出力
値を出すことになる。
【0044】ファジイ制御出力曲線はスムーズな曲線
とは限らない。モデル制御においては一般に先にスムー
ズな出力曲線(あるいは出力直線)を想定し、これをロ
ジックに組み込むことが多い。ファジイ制御においてこ
の出力曲線は副産物であり、ルールやメンバシップ関数
を自然流に(オペレータ操作感覚に近似させて)チュー
ニングさせた結果に過ぎない。図17におけるファジイ
制御出力曲線もスムーズな曲線とは言い難いが、これが
チューニング不足によるものとは言えない。
【0045】大迫温度変化量の感覚が高い。図18は
大迫温度変化量以外の入力要因(例として二次空気温度
変化量要因)がオイル変更量に与える効果を比較するた
めのサンプルである。横軸に大迫温度変化量、縦軸にオ
イル変更量を配置させている。各グラフの条件を以下の
表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】グラフF001〜F003から明らかなよ
うに二次空気温度変化量要因を−1.0t〜1.0tと
変化させてもファジイ出力曲線はほとんど変化しないこ
とが分かる。大迫温度偏差要因を変化させても同様の結
果を得る。これにより本システムは大迫温度変化量がオ
イル変更量に与える感度が極めて高いシステムと言え
る。
【0048】入力要因が出力要因に与える感度が互い
に独立でない。図18においてM001〜M003に着
目する。大迫温度変化量がオイル変更量に与える感度は
等しい(M001〜M003は互いに平行である)。一
方、F001〜F003に着目すると、この感度が一定
ではない。大迫温度変化量が0.0付近では感度が大き
く、大迫温度変化量絶対値が大きくなるに従い、その感
度は小さくなる。大迫温度偏差、大迫温度変化量、二次
空気温度変化量の入力要因はオイル変更量(出力)に対
して独立でない(互いに影響を及ぼしあっている)。
【0049】(3−6)オンラインモニタ ◎大迫温度概況 制御状況は良好である。一般に、オペレータによる手動
操作よりも、自動制御のほうが、大迫温度の変化を低く
押さえることができる。図19は、3日間の(72時
間)モニタリング結果を比較したものであり、縦軸に、
熔解槽の大迫温度、横軸に時系列を割りつけている。
(a)はオペレータによる手動操作中のトレンド、
(b)は自動制御中のトレンドである。△Tは図19の
(b)における大迫7の3日間あたりの大迫温度変化量
であり、これを温度変化量の基準値としている。図19
の例では、自動制御は手動操作に比較し、対応する大迫
温度の安定化に貢献していることがわかる(例えば、大
迫1の場合(自動制御変化量)/(手動操作変化量)=
(2・△T/5・△T)=2/5と大迫温度の変化量を
40%に押さえている。)。
【0050】4.自動制御の評価 ◎ファジイ制御システムに対する評価 (1)制御性能 オンライン制御における制御性は良好。 通常時の制御においては、熔解オペレータの制御感覚
に近いものがある。大迫温度の日々の変化量を低く押さ
えることができ、結果として歩留に貢献している。
【0051】(2)連続制御性 24時間オンライン制御可能である。
【0052】(3)安全性フェールセーフ フェールプ
ルーフ 安全性に関して高水準にある。安全性に関するチェック
やロジックは、独立に数箇所で行っている。
【0053】(4)操作性 ルール、メンバシップ関数等チューニング要素の表現
が分かり易く、チューニングも容易である。 ファジイ制御用の開発ツールとして市販されているも
のを使用するとシミュレーションが容易になる。
【0054】(5)開発の容易性、保守性 ファジイ制御というもの自体に、ある程度その開発手
順が計画化されており、ツールも備わっているため開発
性、保守性は高い。 移植性は高い。ルール相互の結びつき等は、システム
側で管理されているため、ユーザが個々のルールを独立
に改造、追加することができる。また、ルールは日本語
で表現されており理解が容易である。
【0055】(6)その他特記事項 制御ノウハウは、ファジイ推論知識部(ファジイセッ
ト、ルール、推論実行法則)に埋め込まれている。 理論的に解明されていない系に対して制御精度が高く
なることがある。
【0056】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1記載
の発明によれば、ガラス熔解槽をガラス熔解進行状態に
応じて複数セクションに機能分割し、槽窯温度の変動要
因パラメータとして最適なものを選定し、この変動要因
パラメータと制御要因パラメータとの相関関係を予め定
義した制御ロジックが含まれる槽窯温度安定予測手段に
て制御要因パラメータとして最適なものを各セクション
毎に予測し、この予測結果に基づくプロセス条件をセク
ション毎に与えるようにしたので、槽窯温度の安定化を
簡単且つ確実に実現することができるばかりか、特定の
変動要因パラメータに対する制御性を考慮すればよいた
め、他の熔解槽に対して温度制御システムを比較的容易
に移植することができ、その分、温度制御システムの汎
用性を高めることができる。
【0057】また、請求項2記載の発明によれば、槽窯
温度の変動要因パラメータとして、大迫温度偏差をも考
慮するようにしたので、槽窯温度の安定化を更に高精度
に実現することができる。更に、請求項3記載の発明に
よれば、槽窯温度の変動要因パラメータとしての大迫温
度に対する重み付けを他のパラメータより重く設定した
ので、槽窯温度の変動に大きく影響する大迫温度に対す
る制御要因パラメータの変化量を多く割り付けることが
可能になり、槽窯温度の安定性をより確実なものにする
ことができる。
【0058】更にまた、請求項4記載の発明によれば、
同一セクション内での制御要因パラメータが極端に相違
する事態を防止し、同一セクション内での制御動作を均
一化させるようにしたので、同一セクション内での槽窯
温度の不安定化を確実に回避することができる。また、
請求項5記載の発明によれば、異なるセクション間で制
御要因パラメータが極端に相違する事態を防止し、セク
ション毎の制御動作をある程度均一化するようにしたの
で、セクション間相互の制御動作が干渉し合い、槽窯温
度が不安定化する事態を確実回避することができる。
【0059】また、請求項6記載の発明によれば、制御
ロジックとして、槽窯温度の変動要因パラメータの時系
列変化パターンを考慮したファジィルール関数を用いる
ようにしたので、制御ロジック中に熔解オペレータの経
験や勘を含む情報を容易に組み込むことが可能になり、
その分、槽窯温度の安定化をより容易に且つ確実に実現
することができる。
【0060】また、請求項7記載の発明によれば、制御
要因パラメータの変更タイミングをポートの燃焼・排気
交換動作時に行うようにしたので、制御要因パラメータ
の変更タイミングに伴って槽窯温度が不必要に乱れる事
態を回避でき、その分、槽窯温度の安定化をより確実に
実現することができる。また、請求項8記載の発明によ
れば、槽窯温度の変動要因パラメータに対する重み付け
を任意に設定し得るようにしたので、制御要因パラメー
タの影響度合いを任意に微調整することができるほか、
例えば熔解槽温度検出手段の一つが故障したような場合
であっても、当該故障の熔解槽温度検出手段に対する重
み付けを0に設定することにより、ガラス熔解槽の温度
制御システムを続行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係るガラス熔解槽の温度制御シス
テムの構成を示す説明図である。
【図2】 実施例に係るガラス熔解槽の構成を示す説明
図である。
【図3】 実施例に係るガラス熔解槽の温度制御システ
ムのハードウエア構成を示す説明図である。
【図4】 制御ロジックと入出力データとの関係を示す
説明図である。
【図5】 制御ロジックの概要を示す説明図である。
【図6】 二次空気温度変化量の算出処理を示す説明図
である。
【図7】 #1オイル変更量暫定値の算出処理を示す説
明図である。
【図8】 #2オイル流量暫定設定値の算出処理を示す
説明図である。
【図9】 セクション内バランス調整の補正処理を示す
説明図である。
【図10】 セクション間バランス調整の補正処理を示
すフローチャートである。
【図11】 入力部、ファジィ推論部、出力部の概要を
示す説明図である。
【図12】 ファジィセット部の主語と述語との具体例
を示す説明図である。
【図13】 メンバシップ関数の具体例(1)を示す説
明図である。
【図14】 メンバシップ関数の具体例(2)を示す説
明図である。
【図15】 メンバシップ関数の具体例(3)を示す説
明図である。
【図16】 メンバシップ関数の具体例(4)を示す説
明図である。
【図17】 ファジィ制御システムにおける大迫温度変
化量とオイル変更量との関係を示すグラフ図である。
【図18】 ファジィ制御システムにおける大迫温度変
化量以外の要因とオイル変更量との関係を示すグラフ図
である。
【図19】(a)手動操作における大迫温度の変化量と
(b)自動制御における大迫温度の変化量を比較したグ
ラフ図である。
【符号の説明】 1…熔解槽,2…蓄熱室,3…ポート,4…冷却槽,5
熔解槽温度検出手段,6…外部雰囲気温度検出手段,
7…槽窯温度安定予測手段,8…制御ロジック,9…プ
ロセス制御手段,10…オイル供給手段,11…冷却用
空気供給手段,12…セクション内バランス調整手段,
13…セクション間バランス調整手段,114…重み付
け設定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−17720(JP,A) 特開 平7−17721(JP,A) 特開 昭50−18510(JP,A) 特公 昭46−29814(JP,B1) 特表 平7−501309(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03B 5/00 - 5/44

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄熱室(2)に連通接続される複数の燃
    焼・排気用ポート(3)が両側壁に設けられ、一定時間
    毎に片側のポート(3)で燃焼を行うと共に反対側のポ
    ート(3)で排気を行いながらガラスの原料混合物を均
    一熔解して冷却槽(4)へ送出する蓄熱式ガラス熔解槽
    (1)において、熔解槽(1)内のガラス熔解進行状態
    に応じて熔解槽(1)を複数セクション(S:S1〜S
    3)に機能分割し、熔解槽(1)の各セクション(S:
    S1〜S3)毎に熔解槽温度検出手段(5)を一若しく
    は複数設けると共に、熔解槽(1)外部の雰囲気温度が
    検出される外部雰囲気温度検出手段(6)を設け、少な
    くとも熔解槽温度検出手段(5)及び外部雰囲気温度検
    出手段(6)から検出される温度情報が槽窯温度の変動
    要因パラメータとして取り込まれ、これらの変動要因パ
    ラメータと制御要因パラメータとしての各ポート(3)
    に供給されるオイル流量あるいは冷却槽(4)へ至る前
    準備としての冷却用空気量との間の相関関係が予め定義
    された制御ロジック(8)に基づいて、変動要因パラメ
    ータに対応する制御要因パラメータが熔解槽の各セクシ
    ョン(S)毎に予測される槽窯温度安定予測手段(7)
    を設け、この槽窯温度安定予測手段(7)からの制御要
    因パラメータに基づいてオイル供給手段(10)からの
    オイル供給量あるいは冷却用空気供給手段(11)から
    の冷却用空気供給量が制御されるプロセス制御手段
    (9)を設けたことを特徴とするガラス熔解槽の温度制
    御システム。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のものにおいて、槽窯温度
    安定予測手段(7)は、変動要因パラメータとして槽窯
    温度の変化、外部雰囲気温度の変化に加えて熔解槽温度
    の偏差を用いるものであることを特徴とするガラス熔解
    槽の温度制御システム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のものにおいて、槽窯温度
    安定予測手段(7)は、変動要因パラメータとして大迫
    温度の重み付けを他のパラメータよりも重く設定したこ
    とを特徴とするガラス熔解槽の温度制御システム。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のものにおいて、槽窯温度
    安定予測手段(7)は、熔解槽(1)の同一セクション
    (S)内で予測された制御要因パラメータ間に規格値を
    超える差が生じた場合に、相互の制御要因パラメータを
    規格値内に収める補正処理が行われるセクション内バラ
    ンス調整手段(12)を具備していることを特徴とする
    ガラス熔解槽の温度制御システム。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のものにおいて、槽窯温度
    安定予測手段(7)は、熔解槽(1)の異なるセクショ
    ン(S)間で予測された制御要因パラメータ間に規格値
    を超える差が生じた場合に、相互の制御要因パラメータ
    を規格値内に収める補正処理が行われるセクション間バ
    ランス調整手段(13)を具備していることを特徴とす
    るガラス熔解槽の温度制御システム。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のものにおいて、槽窯温度
    安定予測手段(7)の制御ロジック(8)は、槽窯温度
    の変動要因パラメータの時系列変化パターンを考慮した
    ファジィルール関数で定義されることを特徴とするガラ
    ス熔解槽の温度制御システム。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のものにおいて、槽窯温度
    安定予測手段(7)は、制御要因パラメータの変更タイ
    ミングを熔解槽のポートの燃焼・排気交換動作時に行う
    ことを特徴とするガラス熔解槽の温度制御システム。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のものにおいて、槽窯温度
    安定予測手段(7)は、槽窯温度の変動要因パラメータ
    に対する重み付けが任意に設定される重み付け設定手段
    (14)を具備していることを特徴とするガラス熔解槽
    の温度制御システム。
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