JP3520955B2 - 音響信号符号化法 - Google Patents

音響信号符号化法

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JP3520955B2
JP3520955B2 JP10430897A JP10430897A JP3520955B2 JP 3520955 B2 JP3520955 B2 JP 3520955B2 JP 10430897 A JP10430897 A JP 10430897A JP 10430897 A JP10430897 A JP 10430897A JP 3520955 B2 JP3520955 B2 JP 3520955B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、音声、音響など
の音響入力信号と復号化された合成信号との誤差が最小
になるように符号を決定する音響信号の符号化法、特に
誤差に聴覚特性を考慮した重み付けを施す方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来において音響信号を線形予測符号化
により低ビットレートに符号化する方法の典型としてC
ELP(Code Excited Linear P
rediction:符号励振線形予測)があげられ
る。この概略処理を図5Aに示す。入力端子11からの
入力音声信号は5〜20ms程度のフレーム毎に線形予
測分析手段12で線形予測分析され、p次の線形予測係
数αi (i=1,2,…,p)が求められ、この線形予
測係数αi は量子化手段13で量子化され、この量子化
線形予測係数αi は線形予測合成フィルタ14にフィル
タ係数として設定される。合成フィルタ14の伝達関数
は以下の(1)式で表わされる。
【0003】 h(z)=1/(1+Σi=1 p αi -i) (1) 合成フィルタ14の励振信号が適応符号帳15に記憶さ
れ、適応符号帳15から、制御手段16よりの入力符号
に応じたピッチ周期で励振信号(ベクトル)が切り出さ
れ、これが繰り返されてフレーム長とされ、利得付与手
段17で利得が付与され、加算手段18を通じて励振信
号として合成フィルタ14へ供給される。減算手段19
で入力信号から合成フィルタ14よりの合成信号が差し
引かれ、その差信号は聴覚重み付けフィルタ21で聴覚
特性のマスキング特性と対応した重み付けがなされ、制
御手段16によりこの重み付けされた差信号のエネルギ
ーが最小となるように適応符号帳15の入力符号(つま
りピッチ周期)が探索される。
【0004】その後、制御手段16により雑音符号帳
(固定符号帳)22から励振ベクトルが順次取り出さ
れ、利得付与手段23で利得が付与された後、先に選択
した適応符号帳15からの励振ベクトルに加算されて励
振信号として合成フィルタ14へ供給され、先の場合と
同様で聴覚重み付けフィルタ21よりの差信号のエネル
ギーが最小となる励振ベクトルが選択される。最後に、
これら選択された適応符号帳15及び雑音符号帳22か
らの各励振ベクトルに対して、それぞれ利得付与手段1
7、23で付与する各利得が最適となるように、前述と
同様に聴覚重み付けフィルタ21の出力信号のエネルギ
ーが最小となるものを探索して決められる。聴覚重み付
けフィルタ21は量子化していない線形予測係数αi
二つの1以下の定数γ1 、γ2 とを用いて以下の(2)
式で表わされるものが用いられる。
【0005】 w(z)=(1+Σi=1 p αi γ1 i -i) /(1+Σi=1 p αi γ2 i -i) (2) 量子化線形予測係数を示す符号と、適応符号帳15、雑
音符号帳22よりそれぞれ選択されたベクトルを示す各
符号と、利得付与手段17、23に与えられた各最適利
得を示す符号とが符号化出力とされる。図5A中の線形
予測フィルタ14と聴覚重み付けフィルタ21とを合成
して図6に示すように聴覚重み付き合成フィルタ24と
することもある。この場合、入力端子11からの入力信
号を聴覚重み付けフィルタ21を通して差手段19へ供
給する。
【0006】このCELP符号化に対する復号は図5B
に示すように行われる。入力端子31からの入力符号中
の線形予測係数符号が逆量子化手段32で逆量子化さ
れ、逆量子化線形予測係数は線形予測フィルタ33にフ
ィルタ係数として設定される。入力符号中のピッチ符号
により適応符号帳34から励振ベクトルが切り出され、
また雑音符号により雑音符号帳35から励振ベクトルが
選択され、これら符号帳34,35からの各励振ベクト
ルは利得付与手段36,37で入力符号中の利得符号に
応じてそれぞれ利得が付与された後、加算されて合成フ
ィルタ33に励振信号として与えられる。合成フィルタ
33からの合成信号にポストフィルタ39で、量子化雑
音が聴覚特性を考慮して小さくなるように処理されて出
力される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したようにCEL
P等の時間領域における音響信号符号化において、従来
の聴覚特性を考慮した重み付けは、音声のフォルマント
をモデル化できる10〜20次程度の線形予測による自
己回帰移動平均型線形フィルタもしくは単一のピッチ周
波数に基づくコムフィルタとの組み合わせで行われるた
め、周波数領域において定常的で多数かつ不等間隔のピ
ークを持つような音響信号の微細スペクトル構造を考慮
した重み付けを実現することはできない。この微細スペ
クトル構造を重み付けに反映させる手段として、単純に
線形予測の次数を増やす手法は、従来の線形予測係数
を、帯域幅拡張してフィルタ係数を決定する手法では細
かな制御が不可能であり、また、予測係数を求める過程
に必要な計算精度において予測次数を大幅に上げること
はできない。この発明は、時間領域の音響信号符号化に
おいて、音響信号の微細スペクトル構造に基づき、周波
数領域で細かく制御できる重み付けの方法を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】の発明、入力信号と
合成信号との誤差又は入力信号の線形予測残差信号と符
号帳ベクトルとの誤差が最小になるように符号化符号を
決定する音響信号符号化法を前提とする。
【0009】の発明によれば、入力信号もしくは過去
の合成信号に対し線形予測を行い、その線形予測係数か
ら自己回帰型又は移動平均型あるいは自己回帰移動平均
型線形フィルタのフィルタ係数を決定し、そのフィルタ
係数を周波数特性に変換し、その周波数特性に聴覚特性
に応じた変形を施し、入力信号の線形予測残差信号と符
号帳ベクトルとの誤差信号を周波数領域に変換し、その
周波数領域の誤差信号に聴覚特性で前記変形した周波数
特性で重み付け、その重み付けられた誤差信号が最小に
なるように固定符号帳符号を決定する。
【0010】記変形された周波数特性を求めるには、
前記線形予測係数としてp次のものを求め、このp次の
予測係数に基づき、前記線形フィルタの第1フィルタ係
数を決定し、これを第1周波数特性に変換し、その第1
周波数特性を聴覚特性で変形し、また、入力信号もしく
は過去の合成信号に対し、p′次の線形予測を行い、
p′次の線形予測係数により線形予測逆フィルタを構成
し、その線形予測逆フィルタを用い、入力信号もしくは
過去の合成信号から求められた予測残差信号に対し、n
次(n>p)の線形予測を行い、n次の線形予測係数か
ら前記線形フィルタの第2フィルタ係数を決定し、その
第2フィルタの第2周波数特性に変換した後、聴覚特性
に応じた変形を施し、これと前記変形された第1周波数
特性とを乗じて重みとする。
【0011】好ましくはp=p′とし、従って線形予測
逆フィルタの構成は、第1フィルタ係数を決定する際に
用いた線形予測係数を用いて行う。
【0012】
【発明の実施の形態】図1に請求項1の発明の実施例に
おける処理手順を示す。この実施例は図5Aに示した符
号化方式における聴覚重み付けフィルタ21に、この発
明を適用した場合である。まず入力端子11からの現フ
レームの入力信号を線形予測分析してp次の線形予測係
数αi (i=1,2,…,p)を求める。この線形予測
係数αi は図5A中の線形予測分析手段12で得られた
ものを用いることができる。通常、pは10から20程
度とする。
【0013】次に現フレームにおける入力信号を線形予
測分析手段41で線形予測分析してp′次の線形予測係
数αk ′(k=1,2,…,p′)を求める。先に述べ
たようにp′はpと等しくても多少異なっていてもよ
い。つまり、必ずしもp=p′としなくてもよい。ま
た、線形予測分析を行う際、分析対象の信号系列にかけ
る窓は、非対称窓もしくはハミング窓等の対称窓のどち
らを用いてもよい。
【0014】次に入力信号に対し、この線形予測係数α
k ′をフィルタ係数として、伝達特性が下記(3)式で
表わされるディジタルフィルタ42で線形予測逆フィル
タリングを行い、予測残差信号A(z)を求める。 A(z)=1+Σi=1 p'αi ′z-i (3) 次に入力信号の予測残差信号A(z)を線形予測分析手
段43で線形予測分析してn次の線形予測係数βj (j
=1,2,…,n)を求める。n次の線形予測によっ
て、p′次の線形予測で予測しきれない高次の相関を表
わすため、nはp′よりも、即ち5〜10倍以上大であ
ることが望ましい。例えば符号化対象が音楽である場
合、次線形予測分析手段43の分析は100次以上の
予測が最適な場合がある。従ってこの線形予測に用いる
入力信号は5〜10フレームについて行う。この線形予
測の際に用いる窓は現在時点に近いもの程、重みが大き
くなるようにする。
【0015】次に得られた線形予測係数αi 、βj を用
いて、伝達特性がそれぞれ下記の(4),(5)式で表
わされるディジタルフィルタ44,45をそれぞれ構成
する。 F(z)=1/(1+Σi=1 p αi -i) (4) G(z)=1/(1+Σi=1 n βi -i) (5) 次に(4),(5)式で表されるディジタルフィルタの
インパルス応答をインパルス応答計算手段46,47で
それぞれ求め、更に周波数領域変換手段48,49でF
FT、DCT、MDCT等で周波数領域に変換すること
でそれぞれのフィルタの周波数特性の信号系列Um 、V
m (m=1,2,…,M)を求める。ここで周波数特性
の信号系列Um 、Vm はフィルタ係数αi 、βi から直
接計算してもよい。
【0016】次に得られたそれぞれの周波数特性F
(z),G(z)を表す信号系列Um 、Vm に対して変
形手段50,51でそれぞれ変形処理を行い、乗算手段
52で互いに乗ずることで、下記の(6)式で表される
重みを表す信号系列W1 (m=1,2,…,M)を求め
る。 Wm =Um -q1 m -q2 (0<q1<1,0<q2<1) (6) ここでq1,q2は、従来の聴覚重み付けフィルタ21
における(2)式中のγ1 ,γ2 を求める場合と同様
に、実際に聴覚で確認して適切な値を決める。
【0017】ここで入力信号と符号帳ベクトルによる合
成信号とから減算手段19で得られる差信号は周波数領
域変換手段53で周波数領域に変換しておけば(6)式
で表される重みWm を乗算手段54で周波数領域の差信
号に乗ずることで重み付けが実現され、重み付き誤差が
最小な符号帳ベクトルを選択することができる。このよ
うにこの実施例では、入力信号の周波数特性(図2A)
に対して、従来から用いられている線形予測係数αi
表される包絡(図2B)を聴覚特性に基づいて変形させ
る聴覚重み付け(図2C)に、入力信号の周波数特性か
ら包絡を除いた後に残る、高次のフィルタ係数βj で表
わされる微細構造(図2D)を聴覚特性に基づいて変形
し(図2E)、乗ずることで聴覚重み付けを構成し(図
2F)、複数のピッチが混在するような入力信号を符号
化する場合にも聴覚特性に応じてより細かな重み付けを
行うことができる。
【0018】また、一回の線形予測分析では微細構造を
表現できるほどの高次の分析を行うと予測係数を安定に
求めることは困難な場合があるが、この発明では高次の
分析を行う対象の信号が低次の相関が除かれた予測残差
信号であるため、高次の分析であっても予測係数を安定
に求めやすい。なお、安定な予測係数が求められなかっ
た場合は、前のフレームで得られた値、もしくは初期化
された値、つまり周波数特性が平坦で入力と全く同一の
出力が得られるフィルタ係数を用いればよい。初期化さ
れた値を用いる場合でも、包絡を表わす低次の予測係数
が求められていれば、その予測による利得は少なくとも
保証される。
【0019】また、従来からある聴覚重み付けを時間領
域の線形フィルタで行う方法と異なり、聴覚重み付けを
周波数領域で行うため、信号系列Um 、Vm を変形させ
る方法として、(6)式で表される演算だけでなく、移
動平均の累乗や系列を複数のブロックに分割してブロッ
ク毎に演算を変える方法のように線形フィルタで実現す
るには複雑な手法を用いることも可能になる。
【0020】また、全ての符号帳に対してこの重み付け
を施す必要はなく、例えば雑音符号帳から符号帳ベクト
ルを選択する時にのみ行ってもよい。次に請求項2の
明における実施例を図3に示す。この実施例は図に示
した符号化方式における聴覚重み付けフィルタと合成フ
ィルタに、この発明を適用した場合である。まず入力端
子11からの現フレームの入力信号を線形予測分析して
p次の線形予測係数αi (i=1,2,…,p)を求め
る。この線形予測係数αi は図5A中の線形予測分析手
段12で得られたものを用いることができる。さらにこ
の予測係数を量子化手段13で量子化し、量子化予測係
数αi (i=1,2,…,p)を求める。通常、pは1
0から20程度とする。
【0021】次に入力端子61からの過去の合成信号
(現フレームの直前から例えば5〜10フレーム程度の
全体)を線形予測分析手段62で線形予測分析してp′
次の線形予測係数αk ′(k=1,2,…,p′)を求
める。先に述べたようにp′はpと等しくしてもよい。
また、線形予測分析を行う際、分析対象の信号系列にか
ける窓は、非対称窓もしくはハミング窓等の対称窓のど
ちらを用いてもよい。
【0022】次に入力信号に対し、この線形予測係数α
k ′をフィルタ係数として、伝達特性が前記の(3)式
と同じ式で表わされるディジタルフィルタ63で線形予
測逆フィルタリングを行い、予測残差信号を求める。次
に求められた過去の合成信号の予測残差信号を線形予測
分析手段64で線形予測分析してn次の線形予測係数β
j (j=1,2,…,n)を求める。n次の線形予測に
よって、p′次の線形予測で予測しきれない高次の相関
を表わすため、nはp′よりも大であることが望まし
い。例えば符号化対象が音楽である場合、100次以上
つまり、p′の5〜10倍以上の予測が最適な場合があ
る。
【0023】次に得られた予測係数αi 、βj を用い
て、伝達特性がそれぞれ下記の(4),(5)式と同じ
式で表わされるディジタルフィルタ65,66を構成す
る。これら(4),(5)式で表されるディジタルフィ
ルタのインパルス応答をインパルス応答計算手段67,
68でそれぞれ求め、求めたインパルス応答を周波数領
域変換手段69,70でFFT、DCT、MDCT等に
より変換することでそれぞれのフィルタの周波数特性の
信号系列Um 、Vm (m=1,2,…,M)を求める。
ここで周波数特性の信号系列Um 、Vm はフィルタ係数
αi 、βi から直接計算してもよい。
【0024】次に得られたそれぞれの周波数特性を表す
信号系列Um 、Vm に対して変形手段71,72で変形
処理を行い、乗算手段73で乗ずることで、下記の
(7)式で表される重みを表す信号系列Wm (m=1,
2,…,M)を求める。 Wm =Um 1-q1' m 1-q2' (0<q1′<1,0<q2′<1) (7) ここで入力信号から線形予測逆フィルタ74で得られる
予測残差信号と符号帳ベクトルとから減算手段75で得
られる差信号は周波数領域変換手段76で周波数領域に
変換しておけば(7)式の信号系列を乗算手段77で周
波数領域の差信号に乗ずることで重み付けが実現され、
重み付き誤差が最小な符号帳ベクトルを選択することが
できる。実際の合成信号は選択された符号帳ベクトルを
時間領域の合成フィルタに入力することで求めることが
できる。
【0025】このようにこの実施例では、入力信号の周
波数特性(図4A)に対して、線形予測係数αi で表さ
れる包絡(図4B)を聴覚特性に基づいて変形させる重
み付け(図4C)に、入力信号の周波数特性から包絡を
除いた後に残る、高次のフィルタ係数βj で表わされる
微細構造(図4D)を聴覚特性に基づいて変形して(図
4E)、乗ずることで重み付けを構成し(図4F)、複
数のピッチが混在するような入力信号を符号化する場合
にも聴覚特性に応じてより細かな重み付けを行うことが
できる。
【0026】図1において、p′次線形予測分析手段4
1へ入力する信号は現フレームの直前の過去の合成信号
であってもよく、また図3において、p′次線形予測分
析手段63へ入力する信号は入力端子11の入力信号で
あってもよい。p′次線形予測逆フィルタ42,63の
構成に、それぞれp′次線形予測係数を量子化したもの
を用いてもよく、p次線形予測フィルタ44,65の構
成に、それぞれp次線形予測係数を量子化したものを用
いてもよく、n次線形予測フィルタ45,66の構成
に、n次線形予測係数を量子化したものを用いてもよ
い。
【0027】図1及び図3において、線形予測逆フィル
タ42,63としてp次のものを用いる場合は、p次線
形予測分析手段12で得られたp次線形予測係数又はそ
れを量子化したものを用い、p′次線形予測分析手段4
1,62は省略できる。更に図1において、手段41,
42,43,45,47,49,51,52を省略し
て、変形手段50の出力を直接乗算手段54へ供給して
もよい。同様に、図3において手段62,63,64,
66,68,70,72,73を省略して、変形手段7
1の出力を乗算手段77へ直接供給してもよい。
【0028】つまり図1,3において聴覚特性で変形し
た周波数領域の信号を時間領域の信号に変換し、その変
換された時間領域信号で、図1では減算手段19よりの
誤差信号、図2では減算手段75よりの誤差信号に対し
て重み付けを行ってもよいが、前記時間領域への変換が
比較的複雑であるが、この発明では、誤差信号を周波数
領域へ変換することにより、比較的簡単な処理で聴覚重
み付けが行える。
【0029】図3において、乗算手段17の出力と逆フ
ィルタ74よりの予測残差信号との差をとったものを周
波数領域に変換し、その周波数領域の信号と、雑音符号
帳22内に予め周波数領域の信号として格納してある固
定ベクトルとの差をとり、これを周波数領域の誤差信号
として乗算手段77へ供給してもよい。この請求項2
は、請求項1が入力信号と固定符号帳ベクトルによる合
成信号との誤差に対して重み付けを行うのに対して、入
力信号の残差信号と固定符号帳ベクトルの誤差に対して
重み付けを行う点で異なる。しかしながら、入力信号の
周波数特性と聴覚特性に応じた重み付けが行える点では
同じ効果を得ることができる。
【0030】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、合
成信号もしくは入力信号に対して低次の線形予測分析を
行い、その予測残差信号に対して高次の線形予測分析を
行い、得られた予測係数を用いて、音声よりも複雑な楽
音等のパワースペクトル特性を表わすことができ、包絡
を表す低次の予測係数と微細構造を表す高次の予測係数
を周波数領域で独立に変形することにより、CELP方
式のような聴覚特性を考慮した重み付き誤差が最小にな
るように符号帳符号を決定する符号化において、従来よ
りも聴覚特性に応じた重み付けを細かく制御できる点に
おいて有効である。
【0031】図3に示した符号化器と、図5Aに示した
従来の符号化器をそれぞれ16kbit/sと、24k
bit/sのものを設計し、音楽信号を符号化し、その
時の平均SNRseg を求めた。この結果は16kbit
/sでは、従来法が11.5dBであるのに対し、この
発明法では12.1dBと向上し、24kbit/sで
も従来法が13.9dBであるのに対し、この発明は1
4.7dBに向上した。これよりこの発明が優れている
ことが理解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明の実施例を適用した符号化器の
機能構成を示すブロック図。
【図2】図1の実施例において、Aは入力信号の周波数
特性の例を示す図、Bは包絡を表わす線形予測係数の周
波数特性の例を示す図、Cは包絡を表す線形予測係数か
ら求められた重みの例を示す図、Dは微細構造を表わす
線形予測係数の周波数特性の例を示す図、Eは微細構造
を表わす線形予測係数から求められた重みの例を示す
図、FはCとEで表された包絡と微細構造に基づく重み
を乗じて求められた重みの例を示す図である。
【図3】請求項2の発明の実施例を適用した符号化器の
機能構成を示すブロック図。
【図4】図3の実施例において、Aは入力信号の周波数
特性の例を示す図、Bは包絡を表わす線形予測係数の周
波数特性の例を示す図、Cは包絡を表す線形予測係数か
ら求められた重みの例を示す図、Dは微細構造を表わす
線形予測係数の周波数特性の例を示す図、Eは微細構造
を表わす線形予測係数から求められた重みの例を示す
図、FはCとEで表された包絡と微細構造に基づく重み
を乗じて求められた重みの例を示す図である。
【図5】Aは従来のCELP方式の符号化方法の符号化
器の機能構成を示すブロック図、Bはその復号化器の機
能構成を示すブロック図である。
【図6】従来のCELP方式の符号化方法の他の符号化
器の機能構成を示すブロック図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10L 19/12

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音声や楽音などの入力信号のスペクトル
    包絡を線形予測分析で求め、ピッチ周期成分をもつ適応
    符号帳と固定符号帳からの各ベクトルの利得付き和を励
    振源として、先に求められた予測係数に基づく合成フイ
    ルタにより合成された信号と入力信号との誤差を最小と
    するようなピッチ周期、固定符号帳符号及び利得を決定
    する音響信号符号化法において、 入力信号と符号帳ベクトルによる合成信号との誤差信号
    を周波数領域に変換する過程と、 その変換された誤差信号に聴覚特性に応じた重み付けを
    施し、その重み付けされた誤差信号を上記固定符号帳符
    号の決定に用いる重み付け過程と、 入力信号もしくは過去の合成信号に対して線形予測を行
    い、その線形予測でp次予測係数を求めそのp次の予測
    係数に基づき自己回帰型又は移動平均型あるいは自己回
    帰移動平均型線形フィルタを構成し、その線形フィルタ
    の周波数特性を聴覚特性に応じて変形する第1過程と、 上記線形予測でp′次の予測係数を求め、そのp′次の
    線形予測係数に基づき線形予測逆フィルタを構成し、そ
    の線形予測逆フィルタにより入力信号もしくは過去の合
    成信号の線形予測残差信号を得る過程と、 その線形予測残差信号に対してn次(n>p′)の線形
    予測を行い、得られたn次の線形予測係数に基づき自己
    回帰型又は移動平均型あるいは自己回帰移動平均型線形
    フィルタを構成し、その線形フィルタの周波数特性を聴
    覚特性に応じて変形する第2過程と、 上記第1過程と上記第2過程でそれぞれ独立に変形され
    た周波数特性を乗じて 上記重み付けに用いる重みとする
    重み生成過程と、 を有する音響信号符号化法。
  2. 【請求項2】 音声や楽音などの入力信号のスペクトル
    包絡を線形予測分析で求め、ピッチ周期成分をもつ適応
    符号帳と固定符号帳からの各ベクトルの利得付き和を符
    号帳ベクトルとして、その符号帳ベクトルと、入力信号
    の線形予測残差との誤差を最小とするようなピッチ周
    期、固定符号帳符号及び利得を決定する音響信号符号化
    法において、 入力信号の線形予測誤差信号と符号帳ベクトルとの誤差
    信号を周波数領域に変換する過程と、 その変換された誤差信号に聴覚特性に応じた重み付けを
    施し、その重み付けされた誤差信号を上記固定符号帳符
    号の決定に用いる重み付け過程と、 入力信号もしくは過去の合成信号に対して線形予測を行
    い、その線形予測でp次予測係数を求めそのp次の予測
    係数に基づき自己回帰型又は移動平均型、あるいは自己
    回帰移動平均型線形フィルタを構成し、その線形フィル
    タの周波数特性を聴覚特性に応じて変形する第1過程
    と、 上記線形予測でp′次の予測係数を求め、そのp′次の
    線形予測係数に基づき線形予測逆フィルタを構成し、そ
    の線形予測逆フィルタにより入力信号もしくは過去の合
    成信号の線形予測残差信号を得る過程と、 その線形予測残差信号に対してn次(n>p′)の線形
    予測を行い、得られたn次の線形予測係数に基づき自己
    回帰型又は移動平均型あるいは自己回帰移動平均型線形
    フィルタを構成し、その線形フィルタの周波数特性を聴
    覚特性に応じて変形する第2過程と、 上記第1過程と上記第2過程でそれぞれ独立に変形され
    た周波数特性を乗じて 上記重み付けに用いる重みとする
    重み生成過程と、 を有する音響信号符号化法。
  3. 【請求項3】 上記pとp′は等しく、上記第1過程で
    求めたp次の予測係数を用いて、上記線形予測逆フィル
    タを構成することを特徴とする請求項1又は2記載の音
    響信号符号化法。
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