JP3513598B2 - 空間光通信用レーザー指向方法 - Google Patents

空間光通信用レーザー指向方法

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JP3513598B2 JP2001140348A JP2001140348A JP3513598B2 JP 3513598 B2 JP3513598 B2 JP 3513598B2 JP 2001140348 A JP2001140348 A JP 2001140348A JP 2001140348 A JP2001140348 A JP 2001140348A JP 3513598 B2 JP3513598 B2 JP 3513598B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信機能を搭載
して大気層よりも高空にある人工衛星などの通信相手局
と、光通信機能を有する地上局との間で空間光通信を行
う際に、地上局から通信相手局へ射出したレーザーの指
向方向の大気の揺らぎによる変動を補正する空間光通信
用レーザー指向方法に関し、特に、大気の揺らぎによる
レーザーの指向方向の変動を補正することでレーザーの
指向精度を高め、レーザー通信回線の維持を容易ならし
得る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】空間でのレーザー通信では、使用するレ
ーザーの強度や、通信の相手局までの伝送距離、所望の
通信速度、および、受信側の信号検出性能によって、レ
ーザーの拡がり角を狭くしたレーザーの伝送が必要とさ
れる場合がある。このような空間光通信を、人工衛星な
どの大気層よりも高層にある通信相手局と地上との間の
通信に適用した場合には、大気の揺らぎによるレーザー
ビームの方向変動の影響を避けられない。すなわち、レ
ーザーの伝送路上での高度10km程度までの大気の揺
らぎによって、レーザーの光波面の位相が乱されるた
め、レーザーの方向が僅かに変動するとともに、伝搬に
伴ってレーザービームの形状が変形する現象が発生する
ため、指向方向の補正が必要になるのである。
【0003】人工衛星から地上へ向けて伝送されたダウ
ンリンクレーザーについては、地上の望遠鏡の口径を大
きくすることで、大気揺らぎによって生じた望遠鏡開口
での強度分布のばらつきによる受光強度の変動を抑制す
ることができる。また、レーザーが大気揺らぎを受けた
地点から地上の受信地点までの距離(約10km程度)
が短いことから、大気揺らぎによってダウンリンクレー
ザー回線が遮断に至るような事態は生じ難い。
【0004】一方、地上から人工衛星へ向けて伝送され
たアップリンクレーザーでは、大気揺らぎを受ける地点
から衛星(高度約300km以上)までの距離が長大な
ため、揺らぎによる方向変動角がレーザー自体の拡がり
角と比べて大きい場合には、レーザーが衛星に到達でき
ない。すなわち、地上から人工衛星へのアップリンクレ
ーザーの場合には、大気揺らぎの影響を受けてから人工
衛星に到達するまでの距離が長いことから、微小な方向
変動でもアップリンクレーザー回線が遮断に至るような
事態が懸念されるのである。そのため、アップリンクレ
ーザーを人工衛星に照射するためには、地上の光通信装
置においてレーザーの指向方向の補正が大変重要となる
のである。
【0005】地上から人工衛星へのアップリンクレーザ
ーの指向方向の補正方法として、地上の受光望遠鏡でダ
ウンリンクレーザーを受光し、カメラ装置を用いてダウ
ンリンクレーザーの受光望遠鏡への入射方向を検出し、
この入射方向に光行差角を付加して、射出するレーザー
を衛星へ指向する方法が知られている。
【0006】この光行差角とは、地上と衛星との間のレ
ーザー通信のような、通信地点間の距離が長く、かつ、
相互に移動している場合に考慮すべき要素である。レー
ザーが相手側に到達するまでに相手が移動する距離を見
込んで、射出するレーザーの方向を調整する角度であ
る。レーザーを送信する側から相手側を見たときの、相
手側の移動速度ベクトルのうち、視線方向に垂直な成分
から求めることができ、地上と人工衛星との間の光通信
においては、衛星の予定軌道データを基に計算すること
ができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような地上衛星間の光通信における、大気揺らぎによ
る方向変動を補正するためのアップリンクレーザーの指
向方法では、ダウンリンクレーザーが到来していない場
合には、地上の受光望遠鏡での方向変動の計測ができな
いため、方向変動の補正を行うことはできない。いわ
ば、この補正方法は、地上と衛星との間のレーザーリン
クが成立した後に、レーザーリンクの維持を目的とした
ものであり、レーザーリンクを成立させる過程では適用
できなかった。
【0008】さらに、地上衛星間の光通信では、光行差
角は最大数十μrad程度となるため、この光行差角に
よって、アップリンクレーザーとダウンリンクレーザー
の伝搬路が僅かに異なり、この光行差角に基づく伝搬路
の差は、高度10kmでは数十cmにも相当することと
なる。このようなダウンリンクレーザーとアップリンク
レーザーとの経路のずれのために、ダウンリンクレーザ
ーを用いて計測した大気揺らぎによる方向変動は、アッ
プリンクレーザーの伝搬路における大気の揺らぎによる
方向変動と必ずしも一致せず、アップリンクレーザーの
方向変動の補正が精度良く行われないという問題もあっ
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に係る発明は、光通信機能を搭載して大気
層よりも高層にある通信相手局と、光通信機能を有する
地上局との間で空間光通信を行う際に、地上局から通信
相手局へ射出したレーザーの指向方向の大気の揺らぎに
よる変動を補正する空間光通信用レーザー指向方法であ
って、上記地上局には、大気層と通信相手局との間に人
工星を生成するための人工星生成用レーザー光源を設
け、人工星生成用レーザーと通信用レーザーの伝搬方向
が同一となるようにしておき、人工星生成用レーザーを
通信相手局の方向へ射出し、生成された人工星を地上局
で観測し、この観測された人工星の受光位置を通信用レ
ーザーの射出方向とみなすことにより、通信用レーザー
の大気揺らぎによる方向変動を補正するようにしたこと
を特徴とする。
【0010】従って、請求項1に係る空間光通信用レー
ザー指向方法においては、人工星を生成するための人工
星生成用レーザーを用いて大気層と通信相手局との間に
人工星を生成し、生成された人工星を観測すれば、地上
局から人工星への伝搬路における大気の揺らぎによるビ
ーム方向変動を知ることができ、また、人工星生成用レ
ーザーと同じ伝搬方向へ通信用レーザーを射出するよう
に設定しておくことで、大気の揺らぎによる変動が人工
星生成用レーザーと通信用レーザーとにほぼ等しく作用
することから、人工星の受光位置を通信用レーザーの射
出方向とみなすことにより、通信用レーザーの大気揺ら
ぎによる方向変動を補正することが可能となる。
【0011】また、請求項2に係る発明は、上記請求項
1において、通信相手局は、既知の軌道を回る人工衛星
とし、地上局は、観測された人工星の像に基づく通信用
レーザーの射出方向が、光行差角を見込んだ人工衛星の
目標位置に合致するようにして、通信用レーザーを射出
するようにしたことを特徴とする。
【0012】従って、請求項2に係る空間光通信用レー
ザー指向方法においては、通信相手局である人工衛星の
光行差角を見込んだ目標位置に通信用レーザーを射出す
る場合でも、通信用レーザーの伝搬路における大気揺ら
ぎによる変動を同一経路を伝搬する人工星生成用レーザ
ーにより生成した人工星の観測像に基づいて知ることが
できる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、添付図面に基づいて、本発
明に係る空間光通信用のレーザー指向方法を地上局たる
地上光学局Eと通信相手局である光通信機搭載の人工衛
星Sとの通信に適用した実施形態を説明する。
【0014】図1は、人工星を利用した地上衛星間光通
信用のレーザー指向方法についての基本原理を説明する
ための原理説明図である。図1において、地上光学局E
は光通信装置を備え、光通信機を搭載した人工衛星Sと
の間でレーザーリンクを形成するものである。衛星軌道
を航行する人工衛星Sからはダウンリンクレーザーが出
射されており、地上光学局Eの光通信装置からは通信用
レーザーと人工星生成用レーザーが光行差角を見込んで
出射されている。
【0015】人工星生成用レーザーはNa−D線の波長
である589nmに同調されており、高度約100km
付近に存在するNa層に、人工星生成用レーザーが入射
すると、共鳴散乱が発生して発光するため、地上からは
星のように観測できる。なお、人工星(artifis
ial star)の生成方法は、この共鳴散乱を用い
たものに限らず、通信用レーザーに影響を及ぼす大気揺
らぎのある大気層よりも高層に地上で観測可能な発光点
を生成できれば良い。例えば、他の人工星生成方法とし
て、レーリー散乱を用いた方法がある。この方法は、大
気分子による散乱を利用したもので、レーザーを短パル
スで発光させて上空で散乱させ、散乱した光が地上に達
するタイミングに合うようにカメラのシャッターを僅か
に遅らせて観測するものである。しかしながら、レーリ
ー散乱による人工星は、せいぜい20km程度の上空に
しか生成できないため、人工衛星Sの追尾に用いるに
は、高度がより高い方が望ましいため、本実施形態にお
いては、Na層の共鳴散乱を用いた方法を適用した。
【0016】一方、通信用レーザーは、人工星生成用レ
ーザーと異なる波長のレーザーを用いる。なお、人工星
生成用レーザーと通信用レーザーとの波長の差は、大気
揺らぎから受ける影響に顕著な差をもたらすものではな
く、両レーザーの波長の差による方向変動の違いは無視
できる。
【0017】また、大気揺らぎの変動速度と比べて、共
鳴散乱による発光は十分に高速に発生するために、大気
の揺らぎによる通信用レーザーの方向変動が、人工星の
位置の変動として観測できる。
【0018】したがって、地上局Eには、人工星生成用
レーザーを射出するための光通信装置を設けて、人工星
生成用レーザーと通信用レーザーの伝搬方向が同一とな
るようにしておき、人工星生成用レーザーを人工衛星S
の方向へ射出し、生成された人工星を地上局で観測し、
この観測された人工星の受光位置を通信用レーザーの射
出方向とみなすことにより、通信用レーザーの大気揺ら
ぎによる方向変動を補正できるのである。
【0019】すなわち、人工星生成用レーザーを用いて
大気層と人工衛星Sとの間に生成された人工星からの光
を観測すれば、地上光学局Eから人工星への伝搬路にお
ける大気の揺らぎによる方向変動を知ることができ、ま
た、人工星生成用レーザーと同じ伝搬方向へ通信用レー
ザーを射出するように設定しておくことで、大気の揺ら
ぎによる変動が人工星生成用レーザーと通信用レーザー
とにほぼ等しく作用することから、人工星の受光位置を
通信用レーザーの射出方向とみなすことにより、通信用
レーザーの大気揺らぎによる方向変動を補正することが
可能となる。
【0020】また、本実施形態の如く、通信相手局が既
知の軌道を回る人工衛星Sである場合には、地上光学局
Eでは、観測された人工星の像に基づく通信用レーザー
の射出方向が、光行差角を見込んだ人工衛星の目標
(S′)に合致するようにして、通信用レーザーを射出
することで、通信用レーザーの伝搬路における大気揺ら
ぎによる変動を同一経路を伝搬する人工星生成用レーザ
ーにより生成した人工星の観測像に基づいて知ることが
できる。
【0021】次に、地上光学局Eに設置した光通信装置
の概略構成は、図2に示すようなもので、レーザー送信
用の望遠鏡1、レーザー指向装置2、受光用望遠鏡3、
カメラ装置4、ジンバル機構5によって構成してある。
上記レーザー送信用の望遠鏡1からは、通信用レーザー
6と人工星生成用レーザー7が出射され、両者の伝送方
向は、ほぼ一致するように設定してある。
【0022】この光通信装置においては、ジンバル機構
5を人工衛星Sの飛行予定軌道から算出した目標
(S′)の方向へ駆動することによって、カメラ装置4
の視野方向を人工衛星の方向に合わせれば、人工衛星の
追尾は完了した状態となる。すなわち、ジンバル機構5
の動作に伴って、レーザー送信用の望遠鏡1の送信方向
(通信用レーザー6と人工星生成用レーザー7の照射方
向)および受光用望遠鏡3の受光方向(人工衛星Sから
のダウンリンクレーザー6′の受光方向)も変化し、人
工衛星Sとのレーザーリンクが良好に保持されるのであ
る。
【0023】ここで、上述した光通信装置によるレーザ
ー指向方法の具体的な動作の流れを図3に基づいて説明
する。レーザー指向装置2は、指向方向調整機構8と通
信用レーザー光源9と人工星生成用レーザー光源10、
および、レーザーの波長に依存した透過反射特性を有し
たビームスプリッタ11等を備え、ビームスプリッタ1
1によって通信用レーザーと人工星生成用レーザーの送
出方向が合わされ、指向方向調整機構8によって、レー
ザー送信用の望遠鏡1からの射出方向を微調整する。な
お、指向方向調整機構8の中には微小角度で高精度に回
転できるミラー8a,8bが配置され、このミラー8
a,8bはカメラ装置4からの駆動信号を受けて、射出
方向を微調整するように動作する。
【0024】図4に示すのは、受光用望遠鏡3の受光画
像を処理して通信用レーザーおよび人工星生成用レーザ
ーの射出方向の微調整制御を行うカメラ装置4の出力画
面の例である。人工星は発光の高度が約100kmと高
いため、ほぼ点のような像として観測され、大気の揺ら
ぎによる人工星生成用レーザーの指向方向の変動のため
に、この点像が位置変化をする。なお、人工星の発光か
ら受光用望遠鏡3に入射する間の大気の揺らぎによる影
響は、受光用望遠鏡3の口径を大きくすることによっ
て、恒星の受光時と同様に低減できる。
【0025】上述した図4のようなカメラ装置出力画像
が得られている場合、ジンバル機構5の駆動によって人
工衛星Sの追尾は完了している状態にあり、出力画面の
中央がダウンリンクレーザーの受信に基づく人工衛星S
の方向に相当し、通信用レーザー6の射出方向と見なし
得る人工星の受光像は若干ずれているので、この人工星
の像が人工衛星の方向(センタ位置)と重なるように、
指向方向調整機構8によって通信用レーザー6の射出方
向を調整すれば、大気の揺らぎによる変動を高精度に補
正でき、地上光学局Eから人工衛星Sへの指向を良好に
行うことが可能となる。なお、人工星生成用レーザー7
によって生成された人工星からの光(7′)は、地上光
学局Eに到達する経路上で大気の揺らぎによる方向変動
を受けることとなるため、厳密には、人工星の観測像は
通信用レーザー6の射出方向よりもずれることとなる
が、低空(高度約10km程度)の大気層で方向変動を
受けても、それから地上光学局へ到達するまでに生ずる
伝搬方向のずれは極く軽微なものであるから、レーザー
リンクの成立過程や成立後のレーザーリンクの維持に際
して通信用レーザー6の射出方向を補正するには十分な
のである。
【0026】また、通信相手局が周回衛星などの定位置
に止まらない人工衛星である場合には、受光用望遠鏡3
が受光するダウンリンクレーザーを衛星Sが射出した時
点より地上光学局Eから射出した通信用レーザー6が衛
星Sに到達するまでに経過する時間に応じて、衛星Sが
移動すると予測されるポイントに向けて通信用レーザー
を送信しなければならない。光行差角を算入した人工衛
星の目標(S′)は、人工衛星の飛行予定軌道から算出
することができ、光行差角の変化に伴い時々刻々と目標
の位置は変化する。なお、出力画面上における、光行差
角を算入した目標S′は、カメラ装置4における出力画
面の処理過程で付加するものである。
【0027】このように、光行差角を算入した人工衛星
の目標(S′)と、人工星の像とが重なるように、指向
方向調整機構8へ連続して駆動信号を出力することによ
って、人工衛星Sへの通信用レーザーの伝送において、
光行差角の変化に追従するとともに、大気の揺らぎによ
る通信用レーザーの指向方向の変動を補正することがで
きる。また、Na層での共鳴散乱を利用して生成した人
工星の高度は約100kmと高いので、地上から見込ん
だ人工星の方向と実際の人工衛星Sの方向とに差があっ
ても、その差は通信用レーザーの拡がり角と比べて僅少
に止めることができる。よって、上記の指向方向調整機
構8の駆動による射出方向の微調整で、通信用レーザー
を人工衛星へ向けて良好に指向させることが可能とな
る。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本願請求項1に係
る空間光通信用レーザー指向方法によれば、人工星を生
成するための人工星生成用レーザーを用いて大気層と通
信相手局との間に人工星を生成し、生成された人工星か
らの光を観測すれば、地上局から人工星への伝搬路にお
ける大気の揺らぎによる変動を知ることができ、また、
人工星生成用レーザーと同じ伝搬方向へ通信用レーザー
を射出するように設定しておくことで、大気の揺らぎに
よる方向変動が人工星生成用レーザーと通信用レーザー
とにほぼ等しく作用することから、人工星の受光位置を
通信用レーザーの射出方向とみなすことにより、通信用
レーザーの大気揺らぎによる方向変動を補正することが
可能となる。これにより、通信相手局とのレーザーリン
クが確立していない状態でも、大気揺らぎによる方向変
動を補正することができ、通信相手局と地上局との間の
レーザーリンクの生成過程にも適用することが出来る。
【0029】加えて、従来のように、ダウンリンクレー
ザーを用いた大気の揺らぎの計測に際して、受光望遠鏡
の開口に入射した全ての光を計測していた場合とは異な
り、地上から通信相手局へ向けた通信用レーザーの伝搬
方向における大気の揺らぎの影響(指向方向の変動)を
直接的に計測することができるため、指向方向の変動を
高精度に計測することができ、通信相手局への通信用レ
ーザーの指向精度を向上させることが可能である。
【0030】また、請求項2に係る空間光通信用レーザ
ー指向方法によれば、通信相手局である人工衛星の光行
差角を見込んだ目標位置に通信用レーザーを射出する場
合でも、通信用レーザーの伝搬路における大気揺らぎに
よる変動を同一経路を伝搬する人工星生成用レーザーに
より生成した人工星の観測像に基づいて知ることができ
る。これにより、通信用レーザーの大気揺らぎによる方
向変動の高精度な補正が実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る空間光通信用レーザー指向方法に
ついての基本原理を説明するための原理説明図である。
【図2】地上光学局に設置した光通信装置の主な構成を
示す概略斜視図である。
【図3】レーザー指向装置の内部構成と併せて光送受信
の概要を示した構成図である。
【図4】人工星を観測したときのカメラ装置の出力画面
のイメージ図である。
【符号の説明】
1 レーザー送信用の望遠鏡 2 レーザー指向装置 3 受光用望遠鏡 4 カメラ装置 5 ジンバル機構 6 通信用レーザー 6′ ダウンリンクレザー 7 人工星生成用レーザー 7′ 人工星からの光 8 指向方向調整機構 8a ミラー 8b ミラー 9 通信用レーザー光源 10 人工星生成用レーザー光源 11 ビームスプリッタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−179056(JP,A) 特開 平10−190582(JP,A) 特開2000−244408(JP,A) 豊嶋守生 他,地上−衛星間光回線に おける大気中空間光伝搬特性,1999年電 子情報通信学会総合大会,日本,社団法 人電子情報通信学会,1999年 3月 8 日,B−2−31,p.214 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04B 10/00 - 10/28 H04J 14/00 - 14/08 G02B 27/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光通信機能を搭載して大気層よりも高層
    にある通信相手局と、光通信機能を有する地上局との間
    で光通信を行う際に、地上局から通信相手局へ射出した
    レーザーの指向方向の大気の揺らぎによる変動を補正す
    る空間光通信用レーザー指向方法であって、 上記地上局には、大気層と通信相手局との間に人工星を
    生成するための人工星生成用レーザー光源を設け、人工
    星生成用レーザーと通信用レーザーの伝搬方向が同一と
    なるようにしておき、 人工星生成用レーザーを通信相手局の方向へ射出し、生
    成された人工星を地上局で観測し、この観測された人工
    星の受光位置を通信用レーザーの射出方向とみなすこと
    により、通信用レーザーの大気揺らぎによる方向変動を
    補正するようにしたことを特徴とする空間光通信用レー
    ザー指向方法。
  2. 【請求項2】 通信相手局は、既知の軌道を回る人工衛
    星とし、 地上局は、観測された人工星の像に基づく通信用レーザ
    ーの射出方向が、光行差角を見込んだ人工衛星の目標位
    置に合致するようにして、通信用レーザーを射出するよ
    うにしたことを特徴とする請求項1に記載の空間光通信
    用レーザー指向方法。
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豊嶋守生 他,地上−衛星間光回線における大気中空間光伝搬特性,1999年電子情報通信学会総合大会,日本,社団法人電子情報通信学会,1999年 3月 8日,B−2−31,p.214

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