JP3512808B6 - ロックの確実なカニューレ - Google Patents
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Description
発明の簡単な説明
本発明は、コネクターヘッドとコネクター本体とを確実に接続するロック機構を用いた、気管切開術用チューブ器具のための呼吸装置接続組立体に関する。
発明の背景
気管切開術用チューブは、患者が呼吸できるようにするために使われている。このチューブは、阻害部位の下方に形成した刺創を介して患者の咽喉に挿通されるようになっている。このチューブを挿通して定置させると、酸素源又は空気源と気管とを直接接続することになる。
この気管切開術用チューブには内側カニューレと外側カニューレとが備わっていて、内側カニューレは外側カニューレに挿嵌されている。また、内側カニューレにはコネクター本体が、外側カニューレにはコネクターヘッドが備わっている。コネクター本体とコネクターヘッドとは相互接続されて、内側カニューレを外側カニューレに差し込まれた状態にロックする。そこで、呼吸装置のコネクターをこの接続部に挿着させることにより、空気回路が完成する。
内側カニューレはそれが閉塞されると取り外せるようになっている。その時に内側カニューレを取り外すと、外側カニューレが気管への酸素ないし空気の通路を確保している。内側カニューレの取外しを容易にし、また、患者にも不快感を与えないようにするために、内側カニューレとしては使捨て式として外側カニューレから容易に外せるようでなければならない。患者が換気装置につながれている場合では、内側カニューレの取替えを行っているときは患者が自力で呼吸ができないようなことがあり得るから、内側カニューレが容易に外せることは特に重要である。
従来より使われている大部分のチューブでは、内側カニューレを外側カニューレにロックするのに手動式クランプを用いている。クレインドールの米国特許第4、009、720号では2個のクランプを有する装置が開示されており、これらのクランプには、フックに取り付けた短い片持ち式アクチュエーターアームが設けられている。クランプは使捨て式カニューレと連結されるようになっており、アクチュエーターアームは、クランプの接続部とほぼ同一平面におかれている。このクランプは片持ち式アクチュエーターアームを押圧することにより操作され、それによりフックが可撓性ヒンジからのトルクに抗して開位置へと回動する。使捨て式カニューレが外側カニューレに一旦適切に挿入されると、押圧力を開放するが、それと同時にフックが両カニューレを確実に連結するようになっている。ヒンジの過大な拡張による接続外れを防ぐために、クランプにストッパーが用いられている。同様な装置は、クレインドール等の米国特許第3、639、624号、クレインドール等の米国特許第4、135、505号、アイゼルの米国特許第5、067、496号、オーベルの米国特許第5、067、515号などに開示されている。
他のチューブでは、摩擦係合式ロック装置が用いられている。ドッジソンの米国特許第4、052、990号には、気管切開術用チューブの如き気管挿管と組み立てる典型的なチューブアダプターが開示されている。この装置は、内側にステムのあるコップ型本体を有する成形体からなる。ステムには外に向かって末広がりしたリップがあって、このリップにチューブが係合して、ロック機構なしでも締まり嵌めができるようになっている。従って、このようなコネクターは、偶発的な接続外れを起こしやすい。
これらのクランプは内側カニューレを外側カニューレに対して適切に接続できるものの、気管切開術用チューブが換気装置やその他の呼吸装置に接続されているときに患者が内側カニューレを外そうと思えば外せるようになっているから、偶発的な接続外れを起こしやすい。気管挿管と換気装置ないしその他の呼吸装置とを接続する装置としては、活発な患者がむやみにいじっても前述のような偶発的な接続外れを起こすようなことがないようにするのが望ましい。このことから、カニューレの外れを防ぐことができると同時に、看護人が内側カニューレを容易に外すことのできるロックシステムの開発が求められている。
発 明
本発明は、ロック装置で互いに接続される内側及び外側カニューレを用いた気管切開術用チューブ組立体の改良に関する。この改良は、内側及び外側カニューレのためのロック装置にあり、これにより、呼吸装置に接続されているときに患者が内側カニューレを外側カニューレから不意に外すのを防いでいる。
外側カニューレの如きの、一般に近位端と遠位端とを有する気管挿管には、近位端を囲繞するコネクターヘッドが備わっている。このコネクターヘッドは、迅速に外せるコネクター本体に対する接続取付け面を有している。このコネクター本体は、ロック式係止具(interlocking catches)、係止具受承面(latch receiving surface)、リブないしリップを介してコネクターヘッドにロックされるようになっている。呼吸装置のコネクターの如くの固定部品を、互いに接続したコネクター本体とコネクターヘッドとの間に装着して、当該固定部品により付加される確実な押圧力の作用によりコネクターとコネクターヘッドとを接続した状態に定置し得るロック装置が得られる。
コネクター本体とコネクターヘッドとのロック装置は、相互接続式雄雌組立体からなる。コネクター本体とコネクターヘッドとは、互いに接続した係止具と係止具受承面とにより互いにロックされる。係止具はコネクター本体とコネクターヘッドの内の一方側に、また、係止具受承面はコネクター本体とコネクターヘッドの内の他方側にそれぞれ配置して相互接続式組立体を構成する。コネクター本体とコネクターヘッドの内の一方には、リブとリップの何れか一方、又は両方を設け、リブやリップが設けられていない他方には、リブ又はリップに乗り上がって、コネクターヘッドとコネクター本体とが分離できるほどそれを充分拡張できる少なくとも一つの可撓性片持ち部材が設けられている。
分離を容易にするために、リブとリップとに乗り上げ面(ramping surfaces)を持たせて、両部材を垂直軸に沿って捻ねか、又は引っ張ると、両部材は可撓性片持ち部材の下方に滑り込み、可撓性片持ち部材が前記乗り上げ面を乗り上げることにより屈曲するようになっている。このように片持ち部材が屈曲すると、相互接続用係止具と係止具受承面とが互いに外れるから、コネクター本体とコネクターヘッドとの何れか一方を他方に対し引っ張ることにより、ロックが外れる。このようにコネクター本体とコネクターヘッドとは容易に分離できるのである。
不意に接続が外れてしまうのを防ぐために、呼吸装置のコネクターの如くの固定部材を、コネクター本体とコネクターヘッドとを囲繞するように取り付けて、リブないしリップに対して片持ち部材を固着状態に保持する圧力を作用させることによりコネクター本体のリブないしリップを係合させてロックすれば、確実なロック作用が得られる。
図面の簡単な説明
図1は、本発明の接続装置を囲繞する気管切開器具の側面斜視図である。
図2は図2a、図2b、図2cからなり、図2aは本発明の接続装置の側面斜視図、図2bは固定部材の側面斜視図、図3bはロックしたコネクター本体とコネクターヘッドの組立体の側面斜視図をそれぞれ示す。
図3は図3a、図3b、図3cからなり、図3aでは図2cのコネクター組立体が分離に備えて回動された状態を、図3bと図3cでは、コネクター本体とコネクターヘッドの構成部品を示すべき分解したところをそれぞれ示す。
図4は図4a、図4b、図4cからなり、それぞれ、図2aにおける線4a−4a、図2cにおける線4b−4b、図3aにおける線4c−4cに沿った横断面図を示す。
図5は図5a、図5b、図5cからなり、図5aは変形例によるコネクター組立体の側面斜視図、図5bはロック機構と対応する解放用傾斜リップとを明示するために一部を破断で示した側面傾斜図、図5cは図5bにおける線5c−5cに沿った横断面図をそれぞれ示す。
図6は図6aと図6bとからなり、図6aは本発明の接続装置の部分分解斜視図を、また、図6bは当該接続装置の側面図をそれぞれ示す。
発明の詳細な説明
本発明の詳細なところの理解の助けとするために添付図面を参照する。図面では符号が首尾一貫して使われており、複数の図面に亙って同一符号が用いられている場合では、同一意味を持つものとしている。図1は、通常の気管切開術用チューブに対する本発明のロック装置10の関係を示している。外側カニューレ21にはコネクターヘッド11が設けられていて、このコネクターヘッド11は当該外側カニューレの一端を囲繞している。内側カニューレ(図示せず)にはコネクター本体12が設けられていて、当該内側カニューレの一端を囲繞している。これらの構成部品はロック装置10により相互接続状態にロックされるようになっている。図1やその他の図面には示されていないが、呼吸装置機構とコネクターヘッド11やコネクター本体12との間は、従来公知のチューブで接続されている。このような呼吸装置のチューブとしては、一般に、可塑化した塩化ポリビニールの如きの可撓性プラスチック材で構成されている。このチューブは呼吸装置のコネクター13に機械的に取り付けられている。このチューブの内径は、コネクター本体12の最大外径より小さくはないのが望ましい。ロック装置10には開放通路19が形成されていて、この開放通路19を介してカニューレの筒状通路と、呼吸装置のコネクター13に機械的に取り付けた呼吸装置のチューブ(図示せず)の開放通路とに連通するようになっている。この開放通路19は、患者の気管への空気通路の一部を構成するものである。
図2はロック装置10に焦点を当てている。このロック装置10は、主として三部品で構成されている。即ち、コネクターヘッド11、コネクター本体12、リブ係合ないし呼吸装置のコネクター13の三部品である。ロック装置10は、コネクターヘッド11を介して気管切開術用チューブの外側カニューレ21に、また、コネクター本体12を介して内側カニューレに接続され、呼吸装置のチューブ(図示せず)をコネクターヘッド11とコネクター本体12との接続部に取り付けることにより呼吸装置とも接続される。コネクターヘッド11にはコネクター本体12が取付け、取外し自在に接続されるようになっている。コネクターヘッド11とコネクター本体12とを接続すると、内側カニューレは外側カニューレ21の内側に臨み、カラーとして作用するリブ係合ないし呼吸装置のコネクター13をコネクターヘッド11とコネクター本体12との接続部に環装させると当該接続部に確実な押圧力が作用して、両者が分離しないようにすることができる。この構成により、呼吸装置のコネクター13を取り外してコネクター本体12をコネクターヘッド11から外すときに患者が不快感を覚えるのを最小限にすることができる一方で、不意に接続が外れてしまうのを確実に避けることができる。
図2と図3とに示したように、コネクターヘッド11とコネクター本体12とは円筒形を呈しており、両者を接続すると両者は同心的に互いに整合される。コネクター本体12には円筒形連結面ないし接続面14と露現した円筒ベース16とを有している。ベース16の直径は連結面14のそれよりも大きく、両者の境界部が着座面15を構成している。着座面15は露現したベース16と連結面14との間に立ちはだかっている。
コネクター本体12とコネクターヘッド11の形状は前述したのとは逆にしてもよく、例えば円筒形連結面14と着座面15とコネクターヘッド11の構成部品とし、外側カニューレ21に接続される点を省いて、コネクター本体12の残りの部分の形状を呈すると共に、その機能を果たすようにする一方、コネクター本体12としては、それが内側カニューレ20に接続される点を省いて、コネクターヘッド11の形状を呈すると共に、その機能を果たすようにすることも可能である。
図1から図4に示すように、コネクター本体12には一つかそれ以上のリブ17が形成されている。しかし、コネクター本体12の機能とコネクターヘッド11の機能とを逆にした場合では、各リブ17はコネクターヘッド11に設けることになる。これからの説明は、コネクターヘッド11に一つかそれ以上のリブ17が形成されている装置にも等しく当てはまることである。
一つかそれ以上のリブ17は着座面15と接続面14とから延在している。図示の実施の形態では各リブ17は、ほぼマッシュルームと類似の形状を呈していて、より正確にはマッシュルームを逆さにした形状を呈していて、着座面15に連接する傾斜ステム41と、主として接続面14に連接する側壁42と、ステム41から延在して、接続面14から延在する側壁53に連なる傾斜頭部32とからなる。ステム41と頭部32の傾斜方向は同一で、頭部32がステム42の寸法を超えている点以外は、着座面15と直交する仮想線に沿って測定する両者の厚みの変化具合もほぼ同一である。頭部32とステム41の頭部から接続面14に至る距離は、傾斜を形成する測定点に応じて変わっている。しかし、コネクターヘッド11に対して適切に接続できるようにするためには、各リブ17は着座面15を横切る方向の距離よりも厚くないのが望ましい。
側壁42、53は、幾つかの要因に応じて直線状であったり、傾斜したりしている。側壁42、53がステム41と頭部32の乗り上げ面の一部を構成するようになっているのであれば、両者に傾斜面があるのが望ましい。しかし、全ての乗り上げ面がステム14と頭部32の表面で賄えるのであれば、側壁42、53は直線状でよい。兎も角、リブ17の全体の形状は、コネクター本体12とコネクターヘッド11との間での確実な接続の必要性に応じて変わる。限定するつもりはないが、一例として挙げると、リブ17としては矩形、三角形、もしくはフィン状とすることが考えられる。
リブ17と頭部32の一部に協働するものは係止具36である。この係止具36は頭部32の迫り出した部分がフックとして作用する。各係止具36は、頭部32と側壁53の傾斜特性に合った厚みを有している。頭部32がある方向に傾斜しているのであれば、一方の係止具36は他方の係止具36よりも高く張り出している。低い係止具36は、分離に当たって利用する乗り上げ面を構成している。
図3と図4とに示すように、リブ17には、この場合ではステム41として示した傾斜面を有している。頭部32も等しく傾斜している。これらの傾斜面は、図示の実施の態様ではコネクターヘッド11がコネクター本体12との接続から外す作用をなす乗り上げ面を構成している。
コネクターヘッド11をコネクター本体12に対して係止させるために、コネクターヘッド12に一つかそれ以上の係止具受承面29が設けられており、この係止具受承面29は、スリーブ24の少なくとも一つかそれ以上の切欠き39内に形成されている。スリーブ24は、ベース連結用カラー26から延在している。ベース連結用カラー26はカニューレ21に結合、好ましくは接着されている。切欠き39はリブ17とほぼ補完関係の形状をなしていて、係止具36が係止具受承面29内に嵌入できるようになっている。係止具受承面29は、スリーブ24の側壁の一部を構成している。係止具36の係止具受承面29とは、コネクターヘッド11とコネクター本体12とを互いにロックするラッチ30を構成している。
スリーブ24は、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホンの如きの柔軟性のある材料で構成されていて、スリーブ24の内周面がリブ17を摺動して乗り上がるように回動させると拡張するようになっている。この片持ち作用(cantilevered action)により係止具36を係止具受承面29から離すことができる。
リブ17の特別な特徴は、可撓性片持ち式スリーブ24が当該リブ17の最上表面上を乗り上げる傾斜面にある。スリーブ24を回動させると、このスリーブ24がリブ17の最上表面に乗り上がって、係止具36が係止具受承面29から完全に離れるようになるから、コネクターヘッド11をコネクター本体12に対して引っ張ることによりコネクターヘッド11がコネクター本体12から離れるようになる。別の方法としては、後述のように乗り上げ用リップ31を設けて、片持ち式スリーブ24がその乗り上げ用リップ31上を摺動して乗り超えることにより係止具36と係止具受承面29とを外すようにしてもよい。
スリーブ24がリブ17の表面を乗り上がる態様を図4に示す。図4aは、コネクターヘッド11とコネクター本体12に対する呼吸装置のコネクター13の関係を示している。図4aから分かるように、呼吸装置のコネクター13を対応するコネクターヘッド11とコネクター本体12とに環着させる場合、リブ17がコネクターヘッド11が何れの方向にも回動しないようにしている。この状態では、受承面29が係止具36を引き留めてロックしているから、コネクター本体12がコネクターヘッド11におけるその時の位置から引き抜かれるようなことはない。
リブ17には、一方の縁部での高さが最小で、それとは反対側の縁部の高さが最大になった傾斜面を有している。この傾斜により、コネクターへッド11が径方向外側に拡張する乗り上げ面が形成されている。この状態を図4cに示す。コネクターヘッド11を図4bに示した状態から左側に回動させると、係止具受承面28の先導縁がリブ17の傾斜面の最小高さの部分に乗り上がる。言うまでもないことではあるが、この乗り上がりは、呼吸装置のコネクター13が図4aに示した状態からコネクターヘッド11とコネクター本体12のところから外された場合に起こる。図4cに示したように、コネクターヘッド11が頭部32とステム41の傾斜面に乗り上がると、片持ち式スリーブ24が径方向外側に拡張し、かくてコネクターヘッド11とコネクター本体12とが引っ張ることにより分離できるようになる。
図5a、図5b、図5cにおいて、ロック装置10hリブ17と傾斜リップ31とを有しており、両者は接続面14の円周面に設けられている。傾斜の度合いは緩やかか、又は険しくなっている。この傾斜が、コネクター本体12がコネクターヘッド11から離れる方向へと垂直方向において引っ張られるにつれて、スリーブ24が拡張する乗り上げ面を形成している。コネクターヘッド11に対してコネクター本体12を引っ張ると、スリーブ24がリップ31上で拡張するに従って係止具36が係止具受承面29から離れる。この実施の形態では、リブ17には乗り上げ面がなく、スリーブ24における切欠き39と連携する作用しかしない。
図6aに示したように、片持ち式スリーブ24は剛性のあるコネクター本体12に組み込んでもよい。係止具36はコネクターヘッド11における係止具受承面29にロックされて、図6aと図6bとに示したラッチ30を形成する。呼吸装置のコネクター13をコネクター本体12に被着させると、スリーブ24は拡張しなくなる。
係止具36を掛け金受承縁部29に確実に係合させるために、上昇乗り上がり面67と下降乗り上がり面68とをリップ31に形成して、係止具受承面29がその上に形成されるようにしてもよい。係止具ロック面73は、上昇乗り上がり面67と下降乗り上がり面68のところで関節運動をするようにその形状が定められている。従って、垂直軸に沿ってコネクター本体12とコネクターヘッド11とを反対方向に引っ張られるように圧力が作用すると、係止具ロック面73は上昇乗り上げ面67を乗り上がり、下降乗り上がり面68を乗り下がって、スリーブ24を拡張させると共に、係止具36を係止具受承面29から解放するようになる。しかし、ラッチ30が定置されているときに呼吸装置のコネクター13がコネクター本体12とコネクターヘッド11とに取り付けられていると、スリーブ24に押圧力が作用しているから、スリーブ24は拡張できず、従って確実な接続が得られる。
装置10は種々の材料で構成することができる。しかし、コネクターヘッド11はポリエステル、ポリカーボネート又はポリスルホンで構成して可撓性を持たせると共に、コネクター本体12は、ポリプロピレンの如くの剛性のある材料で構成するのが望ましい。商標名ABS、DELRINなどで知られているその他の材料を用いてもよい。
好ましい実施の形態の説明は実に具体的なものではあるが、本発明の精神から逸脱することなく種々の変形例が考えられる。従って、本発明の範囲は、好ましい実施の形態の説明ではなくて、添付の請求の範囲で決めるべきである。
本発明は、コネクターヘッドとコネクター本体とを確実に接続するロック機構を用いた、気管切開術用チューブ器具のための呼吸装置接続組立体に関する。
発明の背景
気管切開術用チューブは、患者が呼吸できるようにするために使われている。このチューブは、阻害部位の下方に形成した刺創を介して患者の咽喉に挿通されるようになっている。このチューブを挿通して定置させると、酸素源又は空気源と気管とを直接接続することになる。
この気管切開術用チューブには内側カニューレと外側カニューレとが備わっていて、内側カニューレは外側カニューレに挿嵌されている。また、内側カニューレにはコネクター本体が、外側カニューレにはコネクターヘッドが備わっている。コネクター本体とコネクターヘッドとは相互接続されて、内側カニューレを外側カニューレに差し込まれた状態にロックする。そこで、呼吸装置のコネクターをこの接続部に挿着させることにより、空気回路が完成する。
内側カニューレはそれが閉塞されると取り外せるようになっている。その時に内側カニューレを取り外すと、外側カニューレが気管への酸素ないし空気の通路を確保している。内側カニューレの取外しを容易にし、また、患者にも不快感を与えないようにするために、内側カニューレとしては使捨て式として外側カニューレから容易に外せるようでなければならない。患者が換気装置につながれている場合では、内側カニューレの取替えを行っているときは患者が自力で呼吸ができないようなことがあり得るから、内側カニューレが容易に外せることは特に重要である。
従来より使われている大部分のチューブでは、内側カニューレを外側カニューレにロックするのに手動式クランプを用いている。クレインドールの米国特許第4、009、720号では2個のクランプを有する装置が開示されており、これらのクランプには、フックに取り付けた短い片持ち式アクチュエーターアームが設けられている。クランプは使捨て式カニューレと連結されるようになっており、アクチュエーターアームは、クランプの接続部とほぼ同一平面におかれている。このクランプは片持ち式アクチュエーターアームを押圧することにより操作され、それによりフックが可撓性ヒンジからのトルクに抗して開位置へと回動する。使捨て式カニューレが外側カニューレに一旦適切に挿入されると、押圧力を開放するが、それと同時にフックが両カニューレを確実に連結するようになっている。ヒンジの過大な拡張による接続外れを防ぐために、クランプにストッパーが用いられている。同様な装置は、クレインドール等の米国特許第3、639、624号、クレインドール等の米国特許第4、135、505号、アイゼルの米国特許第5、067、496号、オーベルの米国特許第5、067、515号などに開示されている。
他のチューブでは、摩擦係合式ロック装置が用いられている。ドッジソンの米国特許第4、052、990号には、気管切開術用チューブの如き気管挿管と組み立てる典型的なチューブアダプターが開示されている。この装置は、内側にステムのあるコップ型本体を有する成形体からなる。ステムには外に向かって末広がりしたリップがあって、このリップにチューブが係合して、ロック機構なしでも締まり嵌めができるようになっている。従って、このようなコネクターは、偶発的な接続外れを起こしやすい。
これらのクランプは内側カニューレを外側カニューレに対して適切に接続できるものの、気管切開術用チューブが換気装置やその他の呼吸装置に接続されているときに患者が内側カニューレを外そうと思えば外せるようになっているから、偶発的な接続外れを起こしやすい。気管挿管と換気装置ないしその他の呼吸装置とを接続する装置としては、活発な患者がむやみにいじっても前述のような偶発的な接続外れを起こすようなことがないようにするのが望ましい。このことから、カニューレの外れを防ぐことができると同時に、看護人が内側カニューレを容易に外すことのできるロックシステムの開発が求められている。
発 明
本発明は、ロック装置で互いに接続される内側及び外側カニューレを用いた気管切開術用チューブ組立体の改良に関する。この改良は、内側及び外側カニューレのためのロック装置にあり、これにより、呼吸装置に接続されているときに患者が内側カニューレを外側カニューレから不意に外すのを防いでいる。
外側カニューレの如きの、一般に近位端と遠位端とを有する気管挿管には、近位端を囲繞するコネクターヘッドが備わっている。このコネクターヘッドは、迅速に外せるコネクター本体に対する接続取付け面を有している。このコネクター本体は、ロック式係止具(interlocking catches)、係止具受承面(latch receiving surface)、リブないしリップを介してコネクターヘッドにロックされるようになっている。呼吸装置のコネクターの如くの固定部品を、互いに接続したコネクター本体とコネクターヘッドとの間に装着して、当該固定部品により付加される確実な押圧力の作用によりコネクターとコネクターヘッドとを接続した状態に定置し得るロック装置が得られる。
コネクター本体とコネクターヘッドとのロック装置は、相互接続式雄雌組立体からなる。コネクター本体とコネクターヘッドとは、互いに接続した係止具と係止具受承面とにより互いにロックされる。係止具はコネクター本体とコネクターヘッドの内の一方側に、また、係止具受承面はコネクター本体とコネクターヘッドの内の他方側にそれぞれ配置して相互接続式組立体を構成する。コネクター本体とコネクターヘッドの内の一方には、リブとリップの何れか一方、又は両方を設け、リブやリップが設けられていない他方には、リブ又はリップに乗り上がって、コネクターヘッドとコネクター本体とが分離できるほどそれを充分拡張できる少なくとも一つの可撓性片持ち部材が設けられている。
分離を容易にするために、リブとリップとに乗り上げ面(ramping surfaces)を持たせて、両部材を垂直軸に沿って捻ねか、又は引っ張ると、両部材は可撓性片持ち部材の下方に滑り込み、可撓性片持ち部材が前記乗り上げ面を乗り上げることにより屈曲するようになっている。このように片持ち部材が屈曲すると、相互接続用係止具と係止具受承面とが互いに外れるから、コネクター本体とコネクターヘッドとの何れか一方を他方に対し引っ張ることにより、ロックが外れる。このようにコネクター本体とコネクターヘッドとは容易に分離できるのである。
不意に接続が外れてしまうのを防ぐために、呼吸装置のコネクターの如くの固定部材を、コネクター本体とコネクターヘッドとを囲繞するように取り付けて、リブないしリップに対して片持ち部材を固着状態に保持する圧力を作用させることによりコネクター本体のリブないしリップを係合させてロックすれば、確実なロック作用が得られる。
図面の簡単な説明
図1は、本発明の接続装置を囲繞する気管切開器具の側面斜視図である。
図2は図2a、図2b、図2cからなり、図2aは本発明の接続装置の側面斜視図、図2bは固定部材の側面斜視図、図3bはロックしたコネクター本体とコネクターヘッドの組立体の側面斜視図をそれぞれ示す。
図3は図3a、図3b、図3cからなり、図3aでは図2cのコネクター組立体が分離に備えて回動された状態を、図3bと図3cでは、コネクター本体とコネクターヘッドの構成部品を示すべき分解したところをそれぞれ示す。
図4は図4a、図4b、図4cからなり、それぞれ、図2aにおける線4a−4a、図2cにおける線4b−4b、図3aにおける線4c−4cに沿った横断面図を示す。
図5は図5a、図5b、図5cからなり、図5aは変形例によるコネクター組立体の側面斜視図、図5bはロック機構と対応する解放用傾斜リップとを明示するために一部を破断で示した側面傾斜図、図5cは図5bにおける線5c−5cに沿った横断面図をそれぞれ示す。
図6は図6aと図6bとからなり、図6aは本発明の接続装置の部分分解斜視図を、また、図6bは当該接続装置の側面図をそれぞれ示す。
発明の詳細な説明
本発明の詳細なところの理解の助けとするために添付図面を参照する。図面では符号が首尾一貫して使われており、複数の図面に亙って同一符号が用いられている場合では、同一意味を持つものとしている。図1は、通常の気管切開術用チューブに対する本発明のロック装置10の関係を示している。外側カニューレ21にはコネクターヘッド11が設けられていて、このコネクターヘッド11は当該外側カニューレの一端を囲繞している。内側カニューレ(図示せず)にはコネクター本体12が設けられていて、当該内側カニューレの一端を囲繞している。これらの構成部品はロック装置10により相互接続状態にロックされるようになっている。図1やその他の図面には示されていないが、呼吸装置機構とコネクターヘッド11やコネクター本体12との間は、従来公知のチューブで接続されている。このような呼吸装置のチューブとしては、一般に、可塑化した塩化ポリビニールの如きの可撓性プラスチック材で構成されている。このチューブは呼吸装置のコネクター13に機械的に取り付けられている。このチューブの内径は、コネクター本体12の最大外径より小さくはないのが望ましい。ロック装置10には開放通路19が形成されていて、この開放通路19を介してカニューレの筒状通路と、呼吸装置のコネクター13に機械的に取り付けた呼吸装置のチューブ(図示せず)の開放通路とに連通するようになっている。この開放通路19は、患者の気管への空気通路の一部を構成するものである。
図2はロック装置10に焦点を当てている。このロック装置10は、主として三部品で構成されている。即ち、コネクターヘッド11、コネクター本体12、リブ係合ないし呼吸装置のコネクター13の三部品である。ロック装置10は、コネクターヘッド11を介して気管切開術用チューブの外側カニューレ21に、また、コネクター本体12を介して内側カニューレに接続され、呼吸装置のチューブ(図示せず)をコネクターヘッド11とコネクター本体12との接続部に取り付けることにより呼吸装置とも接続される。コネクターヘッド11にはコネクター本体12が取付け、取外し自在に接続されるようになっている。コネクターヘッド11とコネクター本体12とを接続すると、内側カニューレは外側カニューレ21の内側に臨み、カラーとして作用するリブ係合ないし呼吸装置のコネクター13をコネクターヘッド11とコネクター本体12との接続部に環装させると当該接続部に確実な押圧力が作用して、両者が分離しないようにすることができる。この構成により、呼吸装置のコネクター13を取り外してコネクター本体12をコネクターヘッド11から外すときに患者が不快感を覚えるのを最小限にすることができる一方で、不意に接続が外れてしまうのを確実に避けることができる。
図2と図3とに示したように、コネクターヘッド11とコネクター本体12とは円筒形を呈しており、両者を接続すると両者は同心的に互いに整合される。コネクター本体12には円筒形連結面ないし接続面14と露現した円筒ベース16とを有している。ベース16の直径は連結面14のそれよりも大きく、両者の境界部が着座面15を構成している。着座面15は露現したベース16と連結面14との間に立ちはだかっている。
コネクター本体12とコネクターヘッド11の形状は前述したのとは逆にしてもよく、例えば円筒形連結面14と着座面15とコネクターヘッド11の構成部品とし、外側カニューレ21に接続される点を省いて、コネクター本体12の残りの部分の形状を呈すると共に、その機能を果たすようにする一方、コネクター本体12としては、それが内側カニューレ20に接続される点を省いて、コネクターヘッド11の形状を呈すると共に、その機能を果たすようにすることも可能である。
図1から図4に示すように、コネクター本体12には一つかそれ以上のリブ17が形成されている。しかし、コネクター本体12の機能とコネクターヘッド11の機能とを逆にした場合では、各リブ17はコネクターヘッド11に設けることになる。これからの説明は、コネクターヘッド11に一つかそれ以上のリブ17が形成されている装置にも等しく当てはまることである。
一つかそれ以上のリブ17は着座面15と接続面14とから延在している。図示の実施の形態では各リブ17は、ほぼマッシュルームと類似の形状を呈していて、より正確にはマッシュルームを逆さにした形状を呈していて、着座面15に連接する傾斜ステム41と、主として接続面14に連接する側壁42と、ステム41から延在して、接続面14から延在する側壁53に連なる傾斜頭部32とからなる。ステム41と頭部32の傾斜方向は同一で、頭部32がステム42の寸法を超えている点以外は、着座面15と直交する仮想線に沿って測定する両者の厚みの変化具合もほぼ同一である。頭部32とステム41の頭部から接続面14に至る距離は、傾斜を形成する測定点に応じて変わっている。しかし、コネクターヘッド11に対して適切に接続できるようにするためには、各リブ17は着座面15を横切る方向の距離よりも厚くないのが望ましい。
側壁42、53は、幾つかの要因に応じて直線状であったり、傾斜したりしている。側壁42、53がステム41と頭部32の乗り上げ面の一部を構成するようになっているのであれば、両者に傾斜面があるのが望ましい。しかし、全ての乗り上げ面がステム14と頭部32の表面で賄えるのであれば、側壁42、53は直線状でよい。兎も角、リブ17の全体の形状は、コネクター本体12とコネクターヘッド11との間での確実な接続の必要性に応じて変わる。限定するつもりはないが、一例として挙げると、リブ17としては矩形、三角形、もしくはフィン状とすることが考えられる。
リブ17と頭部32の一部に協働するものは係止具36である。この係止具36は頭部32の迫り出した部分がフックとして作用する。各係止具36は、頭部32と側壁53の傾斜特性に合った厚みを有している。頭部32がある方向に傾斜しているのであれば、一方の係止具36は他方の係止具36よりも高く張り出している。低い係止具36は、分離に当たって利用する乗り上げ面を構成している。
図3と図4とに示すように、リブ17には、この場合ではステム41として示した傾斜面を有している。頭部32も等しく傾斜している。これらの傾斜面は、図示の実施の態様ではコネクターヘッド11がコネクター本体12との接続から外す作用をなす乗り上げ面を構成している。
コネクターヘッド11をコネクター本体12に対して係止させるために、コネクターヘッド12に一つかそれ以上の係止具受承面29が設けられており、この係止具受承面29は、スリーブ24の少なくとも一つかそれ以上の切欠き39内に形成されている。スリーブ24は、ベース連結用カラー26から延在している。ベース連結用カラー26はカニューレ21に結合、好ましくは接着されている。切欠き39はリブ17とほぼ補完関係の形状をなしていて、係止具36が係止具受承面29内に嵌入できるようになっている。係止具受承面29は、スリーブ24の側壁の一部を構成している。係止具36の係止具受承面29とは、コネクターヘッド11とコネクター本体12とを互いにロックするラッチ30を構成している。
スリーブ24は、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリスルホンの如きの柔軟性のある材料で構成されていて、スリーブ24の内周面がリブ17を摺動して乗り上がるように回動させると拡張するようになっている。この片持ち作用(cantilevered action)により係止具36を係止具受承面29から離すことができる。
リブ17の特別な特徴は、可撓性片持ち式スリーブ24が当該リブ17の最上表面上を乗り上げる傾斜面にある。スリーブ24を回動させると、このスリーブ24がリブ17の最上表面に乗り上がって、係止具36が係止具受承面29から完全に離れるようになるから、コネクターヘッド11をコネクター本体12に対して引っ張ることによりコネクターヘッド11がコネクター本体12から離れるようになる。別の方法としては、後述のように乗り上げ用リップ31を設けて、片持ち式スリーブ24がその乗り上げ用リップ31上を摺動して乗り超えることにより係止具36と係止具受承面29とを外すようにしてもよい。
スリーブ24がリブ17の表面を乗り上がる態様を図4に示す。図4aは、コネクターヘッド11とコネクター本体12に対する呼吸装置のコネクター13の関係を示している。図4aから分かるように、呼吸装置のコネクター13を対応するコネクターヘッド11とコネクター本体12とに環着させる場合、リブ17がコネクターヘッド11が何れの方向にも回動しないようにしている。この状態では、受承面29が係止具36を引き留めてロックしているから、コネクター本体12がコネクターヘッド11におけるその時の位置から引き抜かれるようなことはない。
リブ17には、一方の縁部での高さが最小で、それとは反対側の縁部の高さが最大になった傾斜面を有している。この傾斜により、コネクターへッド11が径方向外側に拡張する乗り上げ面が形成されている。この状態を図4cに示す。コネクターヘッド11を図4bに示した状態から左側に回動させると、係止具受承面28の先導縁がリブ17の傾斜面の最小高さの部分に乗り上がる。言うまでもないことではあるが、この乗り上がりは、呼吸装置のコネクター13が図4aに示した状態からコネクターヘッド11とコネクター本体12のところから外された場合に起こる。図4cに示したように、コネクターヘッド11が頭部32とステム41の傾斜面に乗り上がると、片持ち式スリーブ24が径方向外側に拡張し、かくてコネクターヘッド11とコネクター本体12とが引っ張ることにより分離できるようになる。
図5a、図5b、図5cにおいて、ロック装置10hリブ17と傾斜リップ31とを有しており、両者は接続面14の円周面に設けられている。傾斜の度合いは緩やかか、又は険しくなっている。この傾斜が、コネクター本体12がコネクターヘッド11から離れる方向へと垂直方向において引っ張られるにつれて、スリーブ24が拡張する乗り上げ面を形成している。コネクターヘッド11に対してコネクター本体12を引っ張ると、スリーブ24がリップ31上で拡張するに従って係止具36が係止具受承面29から離れる。この実施の形態では、リブ17には乗り上げ面がなく、スリーブ24における切欠き39と連携する作用しかしない。
図6aに示したように、片持ち式スリーブ24は剛性のあるコネクター本体12に組み込んでもよい。係止具36はコネクターヘッド11における係止具受承面29にロックされて、図6aと図6bとに示したラッチ30を形成する。呼吸装置のコネクター13をコネクター本体12に被着させると、スリーブ24は拡張しなくなる。
係止具36を掛け金受承縁部29に確実に係合させるために、上昇乗り上がり面67と下降乗り上がり面68とをリップ31に形成して、係止具受承面29がその上に形成されるようにしてもよい。係止具ロック面73は、上昇乗り上がり面67と下降乗り上がり面68のところで関節運動をするようにその形状が定められている。従って、垂直軸に沿ってコネクター本体12とコネクターヘッド11とを反対方向に引っ張られるように圧力が作用すると、係止具ロック面73は上昇乗り上げ面67を乗り上がり、下降乗り上がり面68を乗り下がって、スリーブ24を拡張させると共に、係止具36を係止具受承面29から解放するようになる。しかし、ラッチ30が定置されているときに呼吸装置のコネクター13がコネクター本体12とコネクターヘッド11とに取り付けられていると、スリーブ24に押圧力が作用しているから、スリーブ24は拡張できず、従って確実な接続が得られる。
装置10は種々の材料で構成することができる。しかし、コネクターヘッド11はポリエステル、ポリカーボネート又はポリスルホンで構成して可撓性を持たせると共に、コネクター本体12は、ポリプロピレンの如くの剛性のある材料で構成するのが望ましい。商標名ABS、DELRINなどで知られているその他の材料を用いてもよい。
好ましい実施の形態の説明は実に具体的なものではあるが、本発明の精神から逸脱することなく種々の変形例が考えられる。従って、本発明の範囲は、好ましい実施の形態の説明ではなくて、添付の請求の範囲で決めるべきである。
Claims (9)
- コネクター本体と、該コネクター本体に係合するコネクターヘッドと、前記コネクター本体と前記コネクターヘッドに摺動自在に環装され前記コネクター本体と前記コネクターヘッドとの取り付け、取り外しを行うためのコネクタとからなり、前記コネクター本体と前記コネクターヘッドとは、互いに連結された係止具と係止具受承面とにより互いにロックされるようになっており、前記係止具は前記コネクターヘッドと前記コネクター本体の何れか一方に、また、前記係止具受承面は前記コネクターヘッドと前記コネクター本体の他方にそれぞれ設けられて相互連結用雌雄組立体を構成しており、前記コネクター本体と前記コネクターヘッドの何れか一方には傾斜面を有するリブが設けられ、当該リブが設けられていない前記コネクター本体と前記コネクターヘッドの他方には可撓性片持ち式部材が少なくとも一つ設けられており、前記コネクター本体と前記コネクターヘッドの一方を他方に対して回動させると、前記可撓性片持ち式部材が前記リブの前記傾斜面に乗り上がって拡張し、前記コネクターヘッドと前記コネクター本体とを分離させることを特徴とする呼吸装置用ロック装置。
- 請求項1に記載のものであって、リブには二つの側部があって、各側部が傾斜してなる呼吸装置用ロック装置。
- コネクター本体と、該コネクター本体に係合するコネクターヘッドと、前記コネクター本体と前記コネクターヘッドに摺動自在に環装され前記コネクター本体と前記コネクターヘッドとの取り付け、取り外しを行うためのコネクタとからなり、前記コネクター本体と前記コネクターヘッドとは、互いに連結された係止具と係止具受承面とにより互いにロックされるようになっており、前記係止具は前記コネクターヘッドと前記コネクター本体の何れか一方に、また、前記係止具受承面は前記コネクターヘッドと前記コネクター本体の他方にそれぞれ設けられて相互連結用雌雄組立体を構成しており、前記コネクター本体と前記コネクターヘッドの何れか一方には、頭部及び傾斜面を有するリブが設けられ、該リブに前記係止具は設けられており、前記リブが設けられていない前記コネクター本体と前記コネクターヘッドの他方には可撓性片持ち式部材が少なくとも一つ設けられており、前記コネクター本体と前記コネクターヘッドの一方を他方に対して回動させると、前記可撓性片持ち式部材が前記リブの前記傾斜面に乗り上がって拡張し、前記コネクターヘッドと前記コネクター本体とを分離させることを特徴とする呼吸装置用ロック装置。
- コネクター本体と、該コネクター本体に係合するコネクターヘッドと、前記コネクター本体と前記コネクターヘッドに摺動自在に環装され前記コネクター本体と前記コネクターヘッドとの取り付け、取り外しを行うためのコネクタとからなり、前記コネクター本体と前記コネクターヘッドとは、互いに連結された係止具と係止具受承面とにより互いにロックされるようになっており、前記係止具は前記コネクターに、また、前記係止具受承面は前記コネクターヘッドにそれぞれ設けられて相互連結用雌雄組立体を構成しており、前記コネクター本体には傾斜面を有するリブが設けられ、前記コネクターヘッドには可撓性片持ち式部材が少なくとも一つ設けられており、前記コネクター本体と前記コネクターヘッドの一方を他方に対して回動させると、前記可撓性片持ち式部材が前記リブの前記傾斜面に乗り上がって拡張し、前記コネクターヘッドと前記コネクター本体とを分離させることを特徴とする呼吸装置用ロック装置。
- 請求項4に記載のものであって、前記可撓性片持ち式部材は前記コネクターヘッドに形成されたスリーブである呼吸装置用ロック装置。
- 請求項5に記載のものであって、リブには二つの側部があり、各側部が傾斜縁部を構成してなる呼吸装置用ロック装置。
- コネクター本体と、該コネクター本体に係合するコネクターヘッドと、前記コネクター本体と前記コネクターヘッドに摺動自在に環装され前記コネクター本体と前記コネクターヘッドとの取り付け、取り外しを行うためのコネクタとからなり、前記コネクター本体と前記コネクターヘッドとは、互いに連結された係止具と係止具受承面とにより互いにロックされるようになっており、前記係止具は前記コネクターヘッドと前記コネクター本体の何れか一方に、また、前記係止具受承面は前記コネクターヘッドと前記コネクター本体の他方にそれぞれ設けられて相互連結用雌雄組立体を構成しており、前記コネクター本体と前記コネクターヘッドの何れか一方には傾斜面を有するリップが設けられ、当該リップが設けられていない前記コネクター本体と前記コネクターヘッドの他方には、可撓性片持ち式部材が少なくとも一つ設けられており、前記コネクター本体と前記コネクターヘッドの一方を他方に対して離反する方向に引っ張ると、前記可撓性片持ち式部材が前記リップの前記傾斜面に乗り上がって拡張し、前記コネクターヘッドと前記コネクター本体とを分離させることを特徴とする呼吸装置用ロック装置。
- 請求項7に記載のものであって、リップは前記コネクター本体あるいは前記コネクターヘッドの円周面に設けられてなる呼吸装置用ロック装置。
- 請求項7に記載のものであって、前記リップには、前記コネクターヘッドに対して前記コネクター本体を接続したり、外したりする際に前記リップによる前記可撓性片持ち式部材の拡張を容易にする上昇乗り上げ面と下降乗り上げ面が前記傾斜面として形成されてなる呼吸装置用ロック装置。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US08/189,529 | 1994-01-31 | ||
US08/189,529 US5460176A (en) | 1994-01-31 | 1994-01-31 | Positive locking cannula |
PCT/US1995/001221 WO1995020419A1 (en) | 1994-01-31 | 1995-01-26 | Positive locking cannula |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09508297A JPH09508297A (ja) | 1997-08-26 |
JP3512808B2 JP3512808B2 (ja) | 2004-03-31 |
JP3512808B6 true JP3512808B6 (ja) | 2004-08-04 |
Family
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