JP3510309B2 - 相対湿度低減を利用した間欠滅菌方法 - Google Patents

相対湿度低減を利用した間欠滅菌方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は密閉された部屋または容
器内のカビについて滅菌する方法に関し、特に穀物、飼
料、乾燥果実、乾燥食品、植物製品、繊維製品、木製品
または皮革製品が収納されている倉庫または輸送用コン
テナ内のカビについて滅菌する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】穀物や飼料等の農作物、衣料等の繊維製
品または皮革製品等についたカビは、これらの農作物ま
たは製品を異化しながら生長、繁殖する結果、これらの
ものを著しく損なってそれらの品質または利用価値を低
下させるか、あるいはこれをその本来の用途に適さない
ものにする等の弊害をもたらし、したがって例えばカビ
の繁殖に好都合な倉庫または輸送用コンテナのような密
閉された部屋または容器内に穀物や飼料等の農作物を保
存する場合、これらの農作物はカビによって甚だしく変
質、腐敗または汚染される危険に常に曝されているの
で、これらのものをカビの攻撃から防御することが、従
来極めて重要になっている。
【0003】倉庫や輸送用コンテナ中に保存される穀物
をカビの繁殖から防御する方法として紫外線または放射
線の照射および殺菌剤の撒布があるが、紫外線および放
射線の照射は、これらが直接当たらない場所には効果が
なく、また放射線照射はDNAを変性させる恐れがあ
り、そして殺菌剤は毒性があるので、その取扱と残留性
に問題がある。
【0004】米のような穀物の貯蔵に一部低温倉庫が用
いられているが、低温貯蔵では動力費が嵩む欠点があ
り、現在では主として常温倉庫が用いられている。この
常温倉庫では非好乾性のカビ(貯蔵カビ以外のカビ)の
繁殖は抑制されるが、好乾性のカビ(貯蔵カビ)は繁殖
してカビによる汚染は進行する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、簡単な設備と
操作により、かつできるだけ少ない動力量で、倉庫また
は輸送用コンテナに保存されている穀物または飼料等の
貯蔵品あるいは流通過程にある物品をカビの攻撃から保
護する方法が要望されていた。
【0006】また、常温倉庫や通常のコンテナのよう
に、好乾性カビが増殖できる場所で物品が保存されてい
る場合、従来はそのカビが増殖するままに放置して、カ
ビによる汚染の進行は抑制されなかったが、このような
場合にもカビ汚染の進行をくい止める安全で簡便な方法
が要望されていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の状況
に鑑みて種々研究を重ねた結果、(1)カビを取り巻く
雰囲気の相対湿度を低下させると、既に菌糸の状態まで
生育しているカビは、好乾性の貯蔵カビであっても、死
滅すること、(2)上記のようにしてひとたび死滅した
菌糸は、その後前記相対湿度をカビの生長を可能とする
相対湿度まで上昇させても、死滅したままの状態に保た
れるが、上記(1)の段階で生き残っていたカビの胞子
は発芽して新たに菌糸を生じること、(3)その後、前
記発芽による菌糸の生長が生じている時期に、前記相対
湿度を上記(1)のように再び低下させると、上記
(2)の段階で新たに生じた菌糸も死滅すること、
(4)その後前記相対湿度を、カビの生長を可能とする
相対湿度まで上昇させても、上記の死滅した菌糸はいず
れも死滅したままの状態に保たれるが、この段階で生き
ている胞子がもし、まだ残っている場合は、その胞子が
発芽して新たに菌糸を生じること、および(5)上記
(1)の操作後、上記(2)および(3)の操作を1回
遂行するか、あるいは2回以上繰り返すことによって、
初めから菌糸の状態にあったカビを死滅させるととも
に、カビのすべての胞子を発芽させることによって新た
に生じた菌糸も死滅させた後は、前記相対湿度がカビの
生長を可能とする相対湿度まで上昇しても、カビの繁
殖、したがってカビによる穀物等の貯蔵品の汚染は避け
られること、を見出した。
【0008】したがって、本発明は、上記知見に基づい
て発明されたもので、簡単な設備と操作を用い、かつ使
用される動力量をできるだけ少なくして、倉庫または輸
送用コンテナのような密閉された部屋または容器内の好
乾性の貯蔵カビを滅菌することを目的とし、密閉された
部屋または容器内のカビについて滅菌する方法であっ
て、(1)前記部屋または容器内の雰囲気の相対湿度を
好乾性カビの生長を不可能にする相対湿度まで低下させ
て、前記カビの菌糸を死滅させた後、(2)この相対湿
度をカビの生長を可能とする相対湿度まで上昇させて前
記カビの胞子を発芽させ、ついで(3)その発芽による
菌糸の生長が生じている時期に再び前記相対湿度を、カ
ビの生長を不可能とする相対湿度まで低下させて、前記
発芽によって生長した菌糸を死滅させるか、あるいは前
記(1)〜(3)からなる一連の相対湿度昇降操作中の
前記(2)および(3)の操作を、前記(1)の操作後
2回以上繰り返すことによって、前記カビの菌糸および
胞子から生長させた菌糸のすべてを死滅させることを特
徴とする前記滅菌方法に係わるものである。
【0009】また、本発明はカビの増殖が可能な環境中
に保存される物品がカビの増殖によって汚染されるのを
防止する方法にも係わるものである。本発明は密閉され
た部屋または容器であるならば、どのような部屋または
容器にも適用できるが、好乾性カビの攻撃を受けやすい
有機物、例えば植物または動物に由来する産物または製
品、特に穀物、飼料、乾燥果実、乾燥食品、植物製品、
繊維製品、木製品または皮革製品を収納している部屋お
よび容器、特に倉庫および輸送用コンテナに好ましく適
用される。そして本発明は勿論、前記部屋または容器の
内側壁面についたカビに対しても適用できる。
【0010】胞子が発芽して菌糸の状態に生長した好乾
性カビは、相対湿度の低下した雰囲気に或時間以上曝さ
れると死滅する。例えば、乾燥食品や米のような穀物に
付いて繁殖するカビの中で代表的なAspergillus restri
ctusは、相対湿度が63%に低下している雰囲気中で
は、温度25℃において約6時間で死滅し、そしてこの
相対湿度を43%以下に低下させると、1時間で死滅す
る。
【0011】また同様の貯蔵カビであるEurotium ferba
riorumは、相対湿度が63%に低下している雰囲気中で
は、温度25℃において約4時間で死滅し、そしてこの
相対湿度を43%以下にすると、1時間で死滅する。
【0012】したがって、本発明ではカビの菌糸を死滅
させる上記のような低下した相対湿度を「カビの生長を
不可能にする相対湿度」と称し、密閉された部屋または
容器内に20〜25℃のような室温で普通に存在する貯
蔵カビの菌糸を死滅させるためには、この「カビの生長
を不可能にする相対湿度」は一般に60%以下、好まし
くは50%以下であれば十分であり、またそれの保持時
間は一般に1日以上、好ましくは1週間以上であれば十
分である。
【0013】一方、上記のようなカビの胞子は、上記の
「カビの生長を不可能にする相対湿度」の下では死滅も
しない変わりに、発芽もしない。それで、このような状
態にあるカビの胞子、例えば乾燥食品や穀物に付いて繁
殖するカビAspergillus restrictusの胞子の場合には2
0〜25℃のような室温において相対湿度を70%に上
昇させると、約1カ月後にその胞子は発芽して菌糸を生
長させ、そして相対湿度を75%に上昇させると、約1
週間後に胞子は発芽して菌糸を生ずる。また、80%に
上昇させると約3日後に胞子は発芽して菌糸を生じる。
【0014】また、上記Eurotium ferbariorumの場合に
は、同様な室温で相対湿度を70%に上昇させると、約
1カ月後には前記のような状態にある胞子が発芽して菌
糸を生長させ、そして相対湿度を75%に上昇させる
と、約5日後には胞子が発芽して菌糸を生長させ、相対
湿度を80%に上昇させると約2日後に胞子が発芽して
菌糸を生ずる。
【0015】したがって本発明では低い相対湿度の雰囲
気に曝されることで生長が止まっている、すなわち発芽
が抑制されている胞子の発芽を促して、その胞子から菌
糸を生じさせる上記のような上昇した相対湿度を「カビ
の生長を可能にする相対湿度」と称し、密閉された部屋
または容器内に生長が止まった状態で一般に存在する好
乾性カビの胞子を発芽させて、その菌糸を生長させるた
めには、この「カビの生長を可能にする相対湿度」は一
般に70%以上であれば十分であり、保存場所の相対湿
度を自然上昇にまかせて上昇させる場合、放置時間は一
般に1ヵ月以上、好ましくは下記は1ヵ月、春と秋は2
〜3カ月であれば十分である。
【0016】強制的に相対湿度を上昇させる場合、その
放置時間は、室温ならば相対湿度75%で7〜10日、
相対湿度80%で3〜5日が適当であるが、好ましくは
相対湿度は自然上昇にまかせ、カビの生長速度および生
育速度を「黴の生育状態および生長速度の推定方法なら
びにこれを防カビ対策に利用する方法」(特開平6−1
13886号による方法)により推定し、発芽可能とな
った時点で相対湿度を1〜2週間の間50〜60%にす
れば十分である。
【0017】このようにして胞子が発芽して新たに生長
したカビの菌糸も前記の「カビの生長を不可能にする相
対湿度」に曝されれば死滅するので、カビを「カビの生
長を可能にする相対湿度」に曝した段階でも未だ発芽し
ないまま残った古い胞子またはこの段階で生長した菌糸
が生じた新しい胞子が存在しない限り、その後部屋また
は容器内雰囲気の相対湿度を「カビの生長を可能にする
相対湿度」に上昇させても、生きている菌糸が新たに生
じることはなくなって、カビの繁殖は防止され、またこ
のような胞子がもし未だ残っている場合にも、カビを前
記の「カビの生長を可能にする相対湿度」に曝す段階
と、「カビの生長を不可能にする相対湿度」に曝す段階
とを交互に2回以上繰り返せば、このような胞子は次第
に減り続けて最後は完全に消失し、その結果カビの繁殖
は防止される。
【0018】雰囲気の相対湿度を低下させるには、その
雰囲気から水分を取り除くことによってその絶対湿度自
体を低下させる方法、すなわち所謂除湿方法、または雰
囲気の水分量は格別減らさないでその温度を上昇させる
方法を採用することができる。前者の場合には、例えば
機械的な除湿装置またはシリカゲル等の吸湿材料を使用
することができ、そして後者の場合には、例えば種々の
加熱装置または暖房装置を使用することができる。
【0019】また、一般に密閉されていない保存箇所で
あっても、一時的に非透湿性のシートで貯蔵品を被っ
て、継ぎ目をシールするなどの方法で密閉することによ
って、上記の方法を使用することができる。
【0020】一方、雰囲気の相対湿度を上昇させるに
は、それの自然上昇を待つ以外にその雰囲気中に水分を
加えてその絶対湿度自体を上昇させる方法、または雰囲
気の水分量は格別増やさないでその温度を下げる方法を
採用することができる。前者の場合には、例えば種々の
加湿機を使用するか、または密閉された部屋または容器
の密閉状態を解いて、その内部に湿度の高い外気を流入
させる方法を採用することができ、そして後者の場合に
は、例えば冷却装置または冷房装置を用いることができ
る。
【0021】本発明で「密閉された」という用語は、部
屋または容器内の雰囲気の相対湿度を、カビの生長を不
可能にして、それの菌糸を死滅させることができる相対
湿度まで低下させるとともに、前記相対湿度を、カビの
生長を可能としてそれの胞子を発芽させることができる
相対湿度まで上昇させるのに差し支えのない、前記部屋
または容器内の雰囲気とそれの外気との遮断状態を意味
し、前記部屋または容器内の雰囲気と外気との間で全く
空気の出入りがない、完全な密封状態のみを意味してい
ない。
【0022】前記(1)および(3)の段階で生じさせ
る「カビの生長を不可能にする相対湿度」は死滅させよ
うとするカビの種類によって変化するが、普通に存在す
る貯蔵カビを死滅させるには一般に0〜60%であれば
十分であり、好ましくは50%である。
【0023】カビの菌糸を取り巻く雰囲気をこのような
相対湿度に保持してその菌糸を死滅させるには、その保
持時間は一般に1日以上であるが、貯蔵品からの水分の
除去の時間を考慮すると、好ましくは1週間以上であ
る。
【0024】前記(2)の段階で生じさせる「カビの生
長を可能にする相対湿度」は発芽させようとする胞子の
カビの種類によって変化するが、普通に存在する貯蔵カ
ビの胞子を発芽させるには一般に70%以上であれば十
分であり、日本の気候では大部分の時期においてこの範
囲の相対湿度を示す。
【0025】カビの胞子を取り巻く雰囲気をこのような
相対湿度に放置してその胞子を発芽させ、そしてその発
芽によって生長した菌糸が新しい胞子を生ずるに至らな
いまでの放置時間は一般に温度と湿度によって左右され
て、通常数時間から1〜2カ月の間であり、例えば前記
方法(特開平6−113886号の方法)により好都合
に推定される。
【0026】前記(1)〜(3)の段階からなる一連の
操作を終えても古い胞子が残存しているか、または古い
胞子の発芽によって生育した菌糸が新しい胞子を生じて
いる場合は、この一連の操作の後、前記(2)と(3)
とを組み合わせた一組の操作を1回以上繰り返すことに
よって菌糸を全て死滅させるばかりでなく、胞子を無く
すこともでき、その結果、前記部屋または容器内の雰囲
気の相対湿度が、カビの生長可能となる相対湿度まで上
昇しても、換言すれば除湿装置のような相対湿度低下の
操作をしなくても、前記部屋または容器内におけるカビ
の繁殖は長期間に亘って回避される。
【0027】
【実施例】以下、本発明を実施例を参照して説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されない。
【0028】実施例1 以下の各菌糸の分胞子を、ゼラチン(ディフコ社製)
およびぶどう糖をそれぞれ0.5重量%濃度で含有する
水0.5ml中に5×106 /mlの密度で懸濁させ、
得られた懸濁液約2μlをマイクロシリンジ(ハミルト
ン社製)によって、20×50×1mmの透明なプラス
チック板の表面に載せ、ついでこの懸濁液を風乾し、そ
してシリカゲル上で乾固させることによって試験片を作
製した。
【0029】 Aspergillus restrictus IFO 7101 Asp. restrictus IFO 7683 Asp. penicilloides IFO 30615 Asp. penicilloides IFO 8155 Eurotium herbariorum J-183 Euro. amstelodami IFO 5721 Euro. amstelodami IFO 6667 Euro. echinulatum IFO 5862 KNO3 で湿度調節した室内(温度25℃、相対湿度9
3%)に、Aspergillus の試験片を48時間、また、Eu
rotiumの試験片を18時間放置して、胞子を発芽させ、
菌糸を生長させた。
【0030】各試験片を、NH4 NO3 で湿度調節した
室内(温度25℃、相対湿度63%)、または、乾燥シ
リカゲルの入った容器内(温度25℃、相対湿度8%)
に移して、6時間または1時間保持した後、再度、温度
25℃、相対湿度93%の室内に戻した。
【0031】その後、各試験片を経時観察し、菌糸が再
び生長するかを調べた。相対湿度62%で6時間処理し
た菌株の菌糸は全て生長せず、この条件下で上記菌株は
死滅することがわかった。相対湿度63%で1時間処理
した菌株の菌糸は、再度、その先端から生長し、この条
件下では上記菌株は死滅しないことがわかった。
【0032】また、乾燥シリカゲルの入った容器内で処
理した菌株の菌糸は、6時間の処理だけでなく1時間の
処理でも全て生長しなかった。これらの結果から、より
低い相対湿度に曝した方が、菌株はより速く死滅するこ
とがわかった。
【0033】図1に、相対湿度93%で18時間前培養
したEurotium herbariorum J-183株を、相対湿度71%
で1時間(A)、相対湿度62%で1時間(B)そして
シリカゲル乾燥で1時間(C)処理した後に、相対湿度
93%の室内に戻した後の菌糸の長さの経時的な変化を
示す。
【0034】なお、比較のために、各菌株を、胞子の状
態で、同様に処理したが、いずれも、温度25℃、相対
湿度93%の室内に戻した後に、発芽した。シリカゲル
処理の場合、処理後生育可能な環境にもどして培養を続
けると、Aspergillus の場合48時間後、Eurotiumの場
合18時間後には後からの相対湿度上昇により発芽した
菌糸が最初に伸長した菌糸と同程度まで伸長し、この菌
糸に1時間のシリカゲル乾燥処理を施すと、あとから伸
長した菌糸も死滅し、再度生育可能な環境に戻しても全
く生長しなかった。
【0035】実施例2 Eurotium herbariorum J-183株を、相対湿度93.6%
で18時間前培養した後、以下の塩調湿により作成した
種々の相対湿度で1〜6時間処理して、生存の有無を調
査した。
【0036】 相対湿度(%) 塩 ──────────────────────── 21.6 CH3 COOK 32.8 MgCl2 43.2 K2 CO3 52.9 Mg(NO3 2 61.8 NH4 NO3 70.8 SrCl2 ・6H2 O 結果は次の通りであった。
【0037】 相対湿度低減 処理相対湿度(%) 処理時間(h) 21.6 32.8 43.2 52.9 61.8 70.8 ───────────────────────────────── 1 − − − + + + 2 − − − − + + 3 − + + 4 − + 6 − + +:菌糸は生存。相対湿度93.6%に戻した後、菌糸の伸
長が続く。
【0038】−:菌糸は死滅。相対湿度93.6%に戻した
後、菌糸の伸長は停止したまま。 この結果から、該菌株は相対湿度70.8%では6時間
処理しても死滅しないが、61.8%では4時間で、5
2.9%では2時間で、43.2%以下では1時間で死
滅することがわかる。
【0039】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、密閉された部屋または容器内の雰囲気の相対
湿度を間欠的に低下させることによってその部屋または
容器内でカビが繁殖するのを防止することができるの
で、例えば倉庫または輸送コンテナに保存されている穀
物または飼料等の貯蔵品がカビの繁殖によって損傷され
るのを比較的少ない動力量で簡便に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 Eurotium herbariorum J-183株の菌糸の長さ
の経時的な変化を示すグラフである。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−34066(JP,A) 特開 昭60−150752(JP,A) 特開 昭64−29263(JP,A) 特開 平2−211214(JP,A) 特開 平6−44554(JP,A) 特開 昭63−258731(JP,A) 特開 平4−321603(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61L 2/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】好乾性のカビが発育する密閉された部屋ま
    たは容器内の好乾性のカビについて滅菌する方法であっ
    て、 (1)前記部屋または容器内の雰囲気の相対湿度をカビ
    の生長を不可能にする相対湿度まで低下させて、前記カ
    ビの菌糸を死滅させた後、 (2)この相対湿度をカビの生長を可能にする相対湿度
    まで上昇させて前記カビの胞子を発芽させ、ついで (3)その発芽による菌糸の生長が生じている時期に再
    び前記相対湿度を、カビの生長を不可能にする相対湿度
    まで低下させて、前記発芽によって生長した菌糸を死滅
    させるか、あるいは前記(1)〜(3)からなる一連の
    相対湿度昇降操作中の前記(2)および(3)の操作
    を、前記(1)の操作後2回以上繰り返すことによっ
    て、前記カビの菌糸および胞子から生長した菌糸のすべ
    てを死滅させることを特徴とする前記滅菌方法。
  2. 【請求項2】 前記部屋または容器が穀物、飼料、乾燥
    果実、乾燥食品、植物製品、繊維製品、木製品または皮
    革製品を収納している倉庫または輸送用コンテナである
    請求項1記載の滅菌方法。
  3. 【請求項3】 前記カビが前記部屋または容器の内側壁
    面に付いたカビである請求項1または2に記載の滅菌方
    法。
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