JP3507359B2 - 金属製品の保管方法および保管倉庫 - Google Patents
金属製品の保管方法および保管倉庫Info
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Description
のままの状態で錆等を発生させることなく長期間にわた
り保管することができる金属製品の保管方法および保管
倉庫に関するものである。
コイル等の金属製品は生産後、出荷までの間、保管倉庫
において一時的にストックされるのが普通であり、当該
保管中に結露による錆の発生を防止する目的で製品表面
に防錆油を塗布したり、製品全体を気密性のある樹脂フ
ィルムで包装したりしている。ところが、近年の環境保
護の立場から、防錆皮膜の除去や廃棄物となる包装材の
省略のニーズが高くなってきており、防錆油を塗布した
り製品を樹脂フィルムで包装することなく金属製品を裸
のままで保管する方法が望まれるようになってきた。
状態で保管した場合には、保管中に結露による錆が発生
するのを避けることができず、これを防止するには大掛
かりな倉庫全体の空調が必要となり、広大で搬出入の頻
繁な倉庫を空調により一定条件に保持することは非現実
的であり、また、コスト的にも難しいという問題点があ
った。
従来の問題点を解決して、製品表面に防錆油を塗布する
ことなく、しかも、金属製品を無包装のままの状態で結
露による錆等を発生させることなく長期間にわたり保管
することができる金属製品の保管方法および金属製品の
保管倉庫を提供することを目的として完成されたもので
ある。
めになされた本発明の金属製品の保管方法は、倉庫内に
強制的な空気の流れを形成し、この強制的な空気の流れ
のある倉庫内で金属製品を無包装のままの状態で保管す
る金属製品の保管方法において、強制的な空気の流れを
0.1〜1.0 m/s とするとともに、空気の流れの露点
温度を金属製品の温度よりも2℃以上低く保持し、かつ
空気の流れの中に気化性防錆剤を含有させることを特徴
とするものである。また本発明の金属製品の保管倉庫
は、金属製品を無包装のままの状態で保管する倉庫内に
0.1〜1.0 m/s の流速の強制的な空気の流れを発生
させるファンと、このファンにより形成される空気の流
れの中に気化性防錆剤を含有させる気化性防錆剤の添加
装置と、空気の流れの露点温度を金属製品の温度よりも
2℃以上低く保持する除湿器とを備えたことを特徴とす
るものである。
の好ましい実施の形態を示す。図面は、製鉄工場で製造
したメッキ用原板や帯鋼コイル等の金属製品を、保管倉
庫において出荷まで一時的にストックする場合を示すも
ので、図中1は倉庫、10は金属製品である。そして、
本発明においては金属製品10を倉庫1内に保管するに
際して、この倉庫1内に強制的な空気の流れを形成する
ことに特徴的構成がある。即ち、本発明は倉庫1内に空
気の流れがあると空気の淀みがなくなって倉庫1の空間
内の温度分布差が小さくなり、結露による錆の発生を的
確に防止することができるため、金属製品を無包装のま
まの状態で長期間にわたり保管することができるという
知見に基づき完成されたものである。なお、本発明でい
う長期間の保管とは、少なくとも半年以上の保管を意味
するものである。
庫1の垂直断面において0.1〜1.0m/s の範囲の流
れがあることが必要である。その理由は、0.1m/s 未
満の空気の流れでは倉庫1の空間内の空気の淀みを完全
になくすことができないため、均一な温度分布差とする
ことが難しく、一方、空気の流れを1.0m/s より大き
くすることは特別な循環装置等が必要となって経済性に
劣るからである。なお、強制的な空気の流れであるか
ら、雰囲気温度の倉庫内温度差等に伴う自然対流(0.
05m/s 程度)は除外することはいうまでもない。
い温度の物体に触れた場合に発生するものであり、従来
は結露を防止するのに倉庫内の雰囲気温度を平均5〜1
0℃低めにして余裕をもたせて管理していたが、本発明
では前記空気の流れの露点温度を金属製品の温度よりも
少なくとも2℃低く保持すればよく、これにより温度管
理が経済的かつ極めて容易となる。
気化性防錆剤を含有させておくことにより、より防錆効
果を発揮させる。この場合、従来の倉庫では気化性防錆
剤を全体に行き渡らせるために高い濃度に保持する必要
があり経済的でなかったが、本発明では強制的な空気の
流れに乗って隅々まで行きわたるので、1ppm 程度の低
い濃度で充分な防錆効果を得ることができ、経済的にも
問題がない。なお、前記気化性防錆剤としては、シクロ
ヘキシルアミンカーボナイト(CHC)やジシクロヘキ
シルアンモニウムナイトライト(DIPAN)等があ
る。
るため、倉庫1内にはファン2を設置してある。このフ
ァン2は、例えば、図1に示されるように、倉庫天井の
長手方向に約20〜30mの間隔で等間隔に配置され、
倉庫1の垂直断面方向に0.1〜1.0m/s の範囲の均
一な流れを形成するよう構成する。また、図1のもので
は、前記ファン2とともに除湿器3が併設してある。こ
の除湿器3は製品温度センサー4からの信号を受けて作
動する除湿コントローラー5に接続され、この除湿コン
トローラー5に制御されて空気流の露点温度が金属製品
の温度より少なくとも2℃低く保持できるよう構成され
ている。
ン2とともに気化性防錆剤の添加装置6が設けられてい
る。この添加装置6は、濃度チェックセンサー7からの
信号を受けて作動する気化性防錆剤の添加コントローラ
ー8に接続され、この添加コントローラー8に制御され
て空気の流れの中に常時1ppm 以上の気化性防錆剤を含
有させるよう構成されている。
ン2とともに除湿器3および気化性防錆剤の添加装置6
が併設されており、除湿コントローラー5および添加コ
ントローラー8に制御されて空気流の露点温度が金属製
品の温度より少なくとも2℃低く保持されているととも
に、空気の流れの中に常時1ppm 以上の気化性防錆剤を
含有するよう構成されている。
×30m×50mの倉庫内に1m×1m×0.2mmのメ
ッキ用原板シートを1500枚積層したものを数段積み
上げて1ブロックとし、このブロックを複数個配置し
た。倉庫1には天井部に強制的な空気の流れを形成する
ためのファン2と除湿器3を設けてあり、この除湿器3
は製品温度センサー4と除湿コントローラー5により空
気流の露点温度を制御するようになっている。前記した
倉庫において、表1に示す条件下で、10月から翌年3
月まで金属製品を保管して錆発生の有無につきテストし
た結果、倉庫内に0.1m/s 以上の強制的な空気の流れ
を形成した場合には、6ケ月経過後も全く錆が発生せず
優れた保管効果を有することが確認できた。一方、比較
例として倉庫内に強制的な空気の流れを形成しなかった
場合を示すが、いずれも錆が発生して無包装の保管手段
には採用できないものであった。
m×30m×100mの倉庫内に幅1200mm、厚み
0.8mmの帯鋼を巻回して直径1.5mのコイルとした
ものを2段に積み上げて1ブロックとし、このブロック
を複数個配置した。倉庫1には天井部に強制的な空気の
流れを形成するためのファン2と気化性防錆剤の添加装
置6を設けてあり、この添加装置6は濃度チェックセン
サー7と添加コントローラー8により空気の流れの中に
所定濃度の気化性防錆剤を含有させるようになってい
る。このような倉庫において、表2に示す条件下で、1
0月から翌年3月まで金属製品を保管して錆発生の有無
につきテストした結果、倉庫内に0.1m/s 以上の強制
的な空気の流れを形成した場合には、6ケ月経過後も全
く錆が発生せず優れた保管効果を有することが確認でき
た。一方、比較例として倉庫内に強制的な空気の流れを
形成しなかった場合を示すが、いずれも錆が発生して無
包装の保管手段には採用できないものであった。
れを形成するためのファン2と除湿器3と気化性防錆剤
の添加装置6が設けられている倉庫内に、実施例2と同
様の金属製品を保管した。このような倉庫において、表
3に示す条件下で、3月から8月まで金属製品を保管し
て錆発生の有無につきテストした結果、倉庫内に0.1
m/s 以上の強制的な空気の流れを形成した場合には、6
ケ月経過後も全く錆が発生せず優れた保管効果を有する
ことが確認できた。一方、比較例として倉庫内に強制的
な空気の流れを形成しなかった場合を示すが、いずれも
錆が発生して無包装の保管手段には採用できないもので
あった。
明によれば、製品表面に防錆油を塗布することなく、し
かも、金属製品を無包装のままの状態で結露による錆等
を発生させることなく長期間にわたり保管することがで
きる。また、防錆油や包装材に伴う費用の削減を図るこ
とができるとともに、それらに伴う作業をなくすことが
できるという利点や、廃棄物が生じないので環境汚染の
問題も発生しないという利点をも併せ有するものであ
る。よって本発明は従来の問題点を一掃した金属製品の
保管方法および保管倉庫として、産業の発展に寄与する
ところは極めて大である。
Claims (2)
- 【請求項1】 倉庫内に強制的な空気の流れを形成し、
この強制的な空気の流れのある倉庫内で金属製品を無包
装のままの状態で保管する金属製品の保管方法におい
て、強制的な空気の流れを0.1〜1.0 m/s とすると
ともに、空気の流れの露点温度を金属製品の温度よりも
2℃以上低く保持し、かつ空気の流れの中に気化性防錆
剤を含有させることを特徴とする金属製品の保管方法。 - 【請求項2】 金属製品を無包装のままの状態で保管す
る倉庫内に0.1〜1.0 m/s の流速の強制的な空気の
流れを発生させるファンと、このファンにより形成され
る空気の流れの中に気化性防錆剤を含有させる気化性防
錆剤の添加装置と、空気の流れの露点温度を金属製品の
温度よりも2℃以上低く保持する除湿器とを備えたこと
を特徴とする金属製品の保管倉庫。
Priority Applications (1)
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JP10078599A JP3507359B2 (ja) | 1999-03-18 | 1999-04-08 | 金属製品の保管方法および保管倉庫 |
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JP11-73910 | 1999-03-18 | ||
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Family Applications (1)
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JP10078599A Expired - Fee Related JP3507359B2 (ja) | 1999-03-18 | 1999-04-08 | 金属製品の保管方法および保管倉庫 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (2)
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KR101182164B1 (ko) | 2011-04-22 | 2012-09-12 | 윌 테크놀로지(주) | Emp를 차폐하는 방호시설에서 협소 공간의 방청 방법 및 그 장치 |
-
1999
- 1999-04-08 JP JP10078599A patent/JP3507359B2/ja not_active Expired - Fee Related
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