JP3505346B2 - 光学式変位測定装置 - Google Patents

光学式変位測定装置

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、光学式変位測定装
置に関する。詳しくは、相対移動可能な光学格子を有
し、その光学格子からの透過光または反射光を所定処理
して相対移動変位量を測定する光学式変位測定装置に関
する。 【0002】 【背景技術】物体間の相対移動変位量を検出して物理的
諸元(長さ、圧力、重量)を求めることが行われてい
る。その手段の1つとして、光学式変位測定装置が広く
利用されている。 【0003】従来、この種の光学式変位測定装置とし
て、図4に示す構造が知られている。これは、長手方向
に沿って光学格子1を有するメインスケール2と、これ
と対応する参照光学格子3A,3Bを有するインデック
ススケール4とを、相対移動する2つの物体(たとえ
ば、静止体と可動体)のそれぞれに取り付け、この両ス
ケール2,4を挟んで光源5および光電変換素子6A,
6Bをインデックススケール4と一体的に配設し、さら
に、両光電変換素子6A,6Bからの出力信号を処理す
るための増幅回路、波形成形回路、分割回路、方向弁別
回路などを選択的に含む信号処理回路7、可逆計数カウ
ンタ8およびデジタル表示器9などを設けた構造であ
る。 【0004】従って、光源5および光電変換素子6A,
6Bを有するインデックススケール4とメインスケール
2とを矢印X方向へ相対移動させると、両光学格子1,
3A,3Bを透過した透過光が光電変換素子6A,6B
で電気信号に変換され、その出力信号が信号処理回路7
で処理される。たとえば、相対移動変位量1μmに対し
て1パルスのデジタル信号として処理される。その後、
そのパルス信号が可逆計数カウンタ8で計数され、その
値がデジタル表示器9に両スケール2、4の変位量とし
て表示される。なお、2つの光電変換素子6A,6Bを
設けてあるのは、方向弁別機能を発揮させるためのもの
であり、また、分割方式によっては分解能を倍加向上さ
せるのに利用するためである。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の光学
式変位測定装置は、次のような欠点があった。すなわ
ち、光電変換素子6A,6Bからの出力信号は、たとえ
ば、光学格子1,3A,3Bのスリット幅を10μm、
ピッチを20μmとすると、20μm相当長を一周期と
する略正弦波形状のサイクリック信号となる。従って、
高精度化、高速化を図るためには、光学格子1,3A,
3Bのスリット幅およびピッチをより微細化し、出力信
号周波数を高くする必要がある。 【0006】しかし、このようにして高精度化、高速化
の要求に対して出力信号周波数を高くしていくと、耐ノ
イズ性が低下する。その結果、たとえば、測定中にノイ
ズなどに基づく計数誤差が1度でもあると、その測定工
程中におけるデジタル表示器への表示は意味のないもの
となり、製品不良をまぬかれないという致命的欠点につ
ながる。つまり、これらの2つの要求は相反するもの
で、高精度化、高速化の要求に対して出力信号周波数を
高くすると耐ノイズ性が低下し、耐ノイズ性を上げよう
とすると出力信号周波数を高くできない。 【0007】本発明の目的は、このような従来の欠点を
解消し、高精度化、高速化の要求を維持しつつ、耐ノイ
ズ性を向上させることができる光学式変位測定装置を提
供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明の変位測定装置
は、静止体に対して可動体の移動変位量を測定する光学
式変位測定装置において、前記静止体に固定されかつ長
手方向に沿って光学格子を有するメインスケールと、前
記可動体に設けられかつ前記メインスケールの光学格子
に対応する参照光学格子を有するインデックススケール
と、この両スケールに光を照射する光源と、前記スケー
ルを透過した透過光または反射光を受光して電気信号に
変換する光電変換手段と、この光電変換手段にケーブル
を介して接続され光電変換手段からの信号を処理する信
号処理手段と、この信号処理手段と前記光電変換手段と
の間で前記ケーブルの周囲に沿って配設されたフェライ
トコアとを備え、前記静止体は、箱状の本体ケースを含
み構成され、前記可動体は、前記本体ケースの長手方向
に沿って移動可能に設けられかつ内部に前記信号処理手
段を収納配置した第1スライダ部と、前記本体ケース内
において前記インデックススケール、光源および光電変
換手段を保持した第2スライダ部と、前記第1スライダ
部および第2スライダ部を連結する連結部とを備え、前
記第1スライダ部の前記ケーブルが引き込まれる引込口
の周囲に沿って環状窪みが形成され、この環状窪み内に
接着剤を介して前記フェライトコアが埋設されている
とを特徴とする。 【0009】このような構成によれば、信号処理手段と
光電変換手段との間でケーブルの周囲に沿ってフェライ
トコアが配設されているから、出力信号周波数を下げる
ことなく、耐ノイズ性を向上させることができる。つま
り、相反する高精度化、高速化と、耐ノイズ性を同時に
満足させることができる。しかも、単にフェライトコア
をケーブルの周囲に沿って配設するだけでよいから、簡
単かつ安価にできる。 【0010】 また、静止体を箱状の本体ケースを含み
構成し、可動体を、前記本体ケースの長手方向に沿って
移動可能に設けられかつ内部に前記信号処理回路を収納
配置した第1スライダ部と、前記本体ケース内において
前記インデックススケール、光源および光電変換手段を
保持した第2スライダ部と、前記第1スライダ部および
第2スライダ部を連結する連結部とを備える構成とし、
さらに、前記第1スライダ部の前記ケーブルが引き込ま
れる引込口の周囲に沿って環状窪みを形成し、この環状
窪み内に接着剤を介してフェライトコアを埋設するよう
にしたので、フェライトコアを第1スライダ部にしっか
りと保持できるから、可動体の移動時の振動などによっ
てフェライトコアが脱落したり、比較的もろいフェライ
トコアが砕けるなどの問題もなくすことができる。 【0011】 【0012】 【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。なお、以下の説明にあたって、図
4と同一構成要件については、同一符号を付し、その説
明を省略もしくは簡略化する。図1は本実施形態の光学
式変位測定装置を示す断面図、図2はその分解斜視図で
ある。同光学式変位測定装置は、静止体としての細長箱
状の本体ケース10と、この本体ケース10の長手方向
へ移動可能に設けられた可動体としてのスライダ20と
を備えている。 【0013】前記本体ケース10の内部底壁には前記光
学格子1を有するメインスケール2が固定されている。
また、本体ケース10の上壁中央には開口11がその長
手方向に沿って形成されているとともに、その開口11
の両側壁に溝12がその長手方向に沿って形成され、こ
の溝12内に前記開口11を塞ぐとともに前記スライダ
20の移動時に弾性変形しながらその移動を許容する覆
い13が取り付けられている。 【0014】前記スライダ20は、前記本体ケース10
の開口11に沿って移動可能に設けられかつ内部に信号
処理手段としての前記信号処理回路7を収納配置した第
1スライダ部21と、前記本体ケース10内において前
記インデックススケール4、光源5および光電変換手段
としての光電変換素子6A,6Bを保持した第2スライ
ダ部22と、この第1スライダ部21および第2スライ
ダ部22を連結する連結部23とを備えている。 【0015】前記第1スライダ部21は、内部に前記信
号処理回路7を収納したヘッド21Aと、このヘッド2
1Aの下面に首部21Bを介して連結されたガイドプレ
ート21Cとを有している。前記第2スライダ部22に
は、前記メインスケール2の上端面を転動するローラ2
2Aと、メインスケール2の一側面を転動するローラ2
2Bとがそれぞれ設けられている。前記連結部23は、
前記第1および第2スライダ部21,22の間に掛け渡
された棒状ばねによって構成されている。この棒状ばね
によって、第2スライダ部22の各ローラ22A,22
Bがメインスケール2の上端面および一側面に当接する
ように付勢されている。 【0016】前記光電変換素子6A,6Bと前記信号処
理回路7とは、ケーブル30を介して接続されている。
ここで、信号処理回路7の近傍でかつ前記ケーブル30
の周囲、具体的には、図3に示すように、第1スライダ
部21の前記ケーブル30が引き込まれる引込口31の
周囲(信号処理回路7側の周囲)に沿って楕円状の環状
窪み32が形成され、この環状窪み32内に接着剤を介
してフェライトコア33が埋設されている。 【0017】従って、本実施形態によれば、スライダ2
0に形成したケーブル引込口31の周囲に沿ってフェラ
イトコア33を配設したので、出力信号周波数を下げる
ことなく、耐ノイズ性を向上させることができる。つま
り、相反する高精度化、高速化と耐ノイズ性とを同時に
満足させることができる。しかも、単にフェライトコア
33を配設するだけでよいから、簡単かつ安価にでき
る。 【0018】また、引込口31の周囲に沿って環状窪み
32を形成し、この環状窪み32内に接着剤を介してフ
ェライトコア33を埋設したので、フェライトコア33
をスライダ20にしっかりと保持できるから、スライダ
20の移動時の振動などによってフェライトコア33が
脱落したりすることがなく、しかも、比較的もろいフェ
ライトコア33が砕けるなどの問題もなくすことができ
る。 【0019】なお、上記実施形態では、両スケール2、
4に光を照射し、その透過光を受光して電気信号に変換
し、両スケール2、4の相対移動変位量を求める透過型
の変位測定装置について説明したが、本発明は、これに
限らず、スケール2、4からの反射光を電気信号に変換
し、両スケール2、4の相対移動変位量を求める反射型
の変位測定装置にも適用できる。 【0020】また、上記実施形態では、信号処理回路7
は、増幅回路、波形成形回路、分割回路、方向弁別回路
などを選択的に含む構成としたが、増幅回路のみでもよ
く、あるいは、これら全てを含む構成でもよい。 【0021】 【発明の効果】本発明の光学式変位測定装置によれば、
高精度化、高速化の要求を維持しつつ、耐ノイズ性を向
上させることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る光学式変位測定装置の一実施形態
を示す断面図である。 【図2】同上実施形態の分解斜視図である。 【図3】同上実施形態における第1スライダ部の一部を
切り欠いた状態を示す図である。 【図4】一般的な光学式変位測定装置の構成を示す図で
ある。 【符号の説明】 1 光学格子 2 メインスケール 3A,3B 参照光学格子 4 インデックススケール 5 光源 6A,6B 光電変換素子(光電変換手段) 7 信号処理回路(信号処理手段) 10 本体ケース(静止体) 20 スライダ(可動体) 21 第1スライダ部 22 第2スライダ部 23 連結部 30 ケーブル 31 引込口 32 環状窪み 33 フェライトコア
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭51−106457(JP,A) 特開 平8−97586(JP,A) 特開 昭58−9007(JP,A) 特開 昭62−22018(JP,A) 特開 平9−107189(JP,A) 実開 平6−72118(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01D 5/26 - 5/38 Z G01B 11/00 - 11/30 102 Z H05K 9/00

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 静止体に対して可動体の移動変位量を測
    定する光学式変位測定装置において、 前記静止体に固定されかつ長手方向に沿って光学格子を
    有するメインスケールと、 前記可動体に設けられかつ前記メインスケールの光学格
    子に対応する参照光学格子を有するインデックススケー
    ルと、 この両スケールに光を照射する光源と、 前記スケールを透過した透過光または反射光を受光して
    電気信号に変換する光電変換手段と、 この光電変換手段にケーブルを介して接続され光電変換
    手段からの信号を処理する信号処理手段と、 この信号処理手段と前記光電変換手段との間で前記ケー
    ブルの周囲に沿って配設されたフェライトコアとを備
    前記静止体は、箱状の本体ケースを含み構成され、 前記可動体は、前記本体ケースの長手方向に沿って移動
    可能に設けられかつ内部に前記信号処理手段を収納配置
    した第1スライダ部と、前記本体ケース内において前記
    インデックススケール、光源および光電変換手段を保持
    した第2スライダ部と、前記第1スライダ部および第2
    スライダ部を連結する連結部とを備え、 前記第1スライダ部の前記ケーブルが引き込まれる引込
    口の周囲に沿って環状窪みが形成され、この環状窪み内
    に接着剤を介して前記フェライトコアが埋設されている
    ことを特徴とする光学式変位測定装置。
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