JP3505338B2 - 数値解析装置及び数値解析方法並びに集積回路 - Google Patents

数値解析装置及び数値解析方法並びに集積回路

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JP3505338B2 JP03266197A JP3266197A JP3505338B2 JP 3505338 B2 JP3505338 B2 JP 3505338B2 JP 03266197 A JP03266197 A JP 03266197A JP 3266197 A JP3266197 A JP 3266197A JP 3505338 B2 JP3505338 B2 JP 3505338B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【目次】以下の順序で本発明を説明する。
【0002】発明の属する技術分野 従来の技術 発明が解決しようとする課題 課題を解決するための手段 発明の実施の形態 (1)第1実施例 (1−1)原理 (1−2)全体構成(図1〜図4) (1−3)デルチツプ及びポアソンソルバチツプ (1−3−1)離散化ナブラ演算子(図5) (1−3−2)ポアソン方程式の解法 (1−3−3)デルチツプの構成(図6〜図13) (1−3−4)ポアソンソルバチツプの構成(図14〜
図19) (1−4)動作及び効果(図20及び図21) (2)第2実施例 (3)他の実施例(図22及び図23) 発明の効果
【0003】
【発明の属する技術分野】本発明は数値解析装置及び数
値解析方法並びに集積回路に関し、例えば有限要素法を
用いて数値解析を行う数値解析装置に適用して好適なも
のである。
【0004】
【従来の技術】従来、電子機器や航空宇宙、自動車等の
分野においては、種々の数値解析方法を用いて熱、流
体、応力、電磁場問題等を解析するようになされてい
る。熱流体解析は例えば電子機器内の温度分布を解析し
て冷却フアンの設置場所を検討するのに用いられる。ま
た電磁流体解析は例えば原子炉において電磁波を用いて
水銀を搬送する際に効率良く搬送が行える電磁波の加え
方を検討するのに用いられる。また粘弾性流体解析は例
えば高分子材料を用いてモールド成形する際に最適な高
分子材料の流入方法を検討するのに用いられる。また固
体応力解析は例えば筐体に力が加わつたときにどのよう
な応力が作用するかを検討するのに用いられ、筐体の強
度を検討するのに用いられる。
【0005】このような数値解析方法の代表的なものと
して、差分法や有限体積法、或いは有限要素法や境界要
素法等がある。これらの方法にはそれぞれ長所と短所が
あるが、汎用性が高く、境界条件が取り込みやすいとい
うことで有限要素法が近年着目されている。なお、有限
要素法の詳細については、例えば「棚橋隆彦:計算流体
力学,1994,IPC 」等の文献に開示されている。いずれ
にせよこれらの方法を用いて場の解析を行う場合には、
人間の手作業で行うのではなく、各物理量に初期条件と
境界条件を与えてワークステーシヨンや汎用コンピユー
タを用いて計算するのが一般的な方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで従来の数値解
析方法では、解析途中で複雑な係数行列を計算しなけれ
ばならず、このためワークステーシヨンやパーソナルコ
ンピユータを使用すると、数値解析に莫大な時間がかか
るといつた不都合がある。実際上、パーソナルコンピユ
ータよりも計算能力の高いワークステーシヨンであつた
としても、その計算能力は 100[MFlops]程度であり、数
万要素程度の解析にも10数時間も要してしまうのが現実
である。
【0007】これを解決する方法として計算能力の高い
スーパーコンピユータ(計算能力は数[GFlops]以上)に
よつて数値解析する方法が考えられるが、スーパーコン
ピユータは一般的に10数億円と非常に高価なものであ
り、また部屋ほどの設置面積や非常に大きな消費電力を
必要とするものであり、手軽に利用することができない
といつた不都合がある。このような数値解析は製品評価
のために利用されるのが主な目的であり、製品設計の一
過程で莫大な費用や時間を費やすことは非効率的なこと
である。
【0008】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、簡易な構成でかつ短時間で数値解析し得る数値解析
装置及び数値解析方法並びに集積回路を提案しようとす
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め本発明においては、解析対象の場の物理量を算出する
際、解析対象の場を分割して得られる各要素の節点及び
要素情報に基づいて、空間微分のナブラ演算子を離散化
してなる離散化ナブラ演算子を算出し、当該離散化ナブ
ラ演算子を使用して解析対象の場の連続の式を満足する
ように物理量を反復修正することにより当該連続の式を
満足する物理量を算出する数値解析装置において、離散
化ナブラ演算子を必要に応じてその都度算出するため
に、少なくとも各要素における複数次元座標の各節点に
関する離散化ナブラ演算子の各成分を並列的に算出する
べく集積回路化されたナブラ演算子算出手段と、ナブラ
演算子算出手段によつて算出された離散化ナブラ演算子
の各成分と、解析対象の場における速度ベクトルの各成
分とを並列的に乗算すると共に、当該乗算結果をそれぞ
れ加算することにより物理量を算出するべく集積回路化
された物理量算出手段と、物理量算出手段から出力され
た物理量を数値解析結果として表示部に表示するコンピ
ユータとを設けるようにする。このように、離散化ナブ
ラ演算子をその都度算出するために、少なくとも各要素
における複数次元座標の各節点に関する離散化ナブラ演
算子の各成分を並列的に算出するようにナブラ演算子算
出手段を集積回路化し、当該離散化ナブラ演算子の各成
分と解析対象の場における速度ベクトルの各成分とを並
列的に乗算すると共に、当該乗算結果をそれぞれ加算す
ることにより物理量を算出するように物理量算出手段を
集積回路化したことにより、従来に比してナブラ演算子
算出手段及び物理量算出手段を一段と容易に集積回路化
すると共に、複雑で負荷の重いナブラ演算子算出処理及
び物理量算出処理をナブラ演算子算出手段及び物理量算
出手段に専属化させることができるので、数値解析に要
する時間を低減してコンピユータに対して負荷をかける
ことなく短時間で数値解析結果を求めて表示することが
できる。
【0010】 また本発明においては、解析対象の場の
物理量を算出する際、解析対象の場を分割して得られる
各要素の節点及び要素情報に基づいて、空間微分のナブ
ラ演算子を離散化してなる離散化ナブラ演算子を算出
し、当該離散化ナブラ演算子を使用して解析対象の場の
連続の式を満足するように物理量を反復修正することに
より当該連続の式を満足する物理量を算出する数値解析
方法において、集積回路化されたナブラ演算子算出手段
によつて、離散化ナブラ演算子を必要に応じてその都度
算出するために、少なくとも各要素における複数次元座
標の各節点に関する離散化ナブラ演算子の各成分を並列
的に算出するナブラ演算子算出ステツプと、集積回路化
された物理量算出手段によつて、ナブラ演算子算出ステ
ツプで算出された離散化ナブラ演算子の各成分と、解析
対象の場における速度ベクトルの各成分とを並列的に乗
算すると共に、当該乗算結果をそれぞれ加算することに
より物理量を算出する物理量算出ステツプと、コンピユ
ータを介して、物理量算出ステツプによつて出力された
上記物理量を数値解析結果として表示部に表示する表示
ステツプとを設けるようにする。このように、離散化ナ
ブラ演算子をその都度算出するために、少なくとも各要
素における複数次元座標の各節点に関する離散化ナブラ
演算子の各成分を並列的に算出するようにナブラ演算子
算出手段を集積回路化し、当該離散化ナブラ演算子の各
成分と解析対象の場における速度ベクトルの各成分とを
並列的に乗算すると共に、当該乗算結果をそれぞれ加算
することにより物理量を算出するように物理量算出手段
を集積回路化したことにより、従来に比してナブラ演算
子算出手段及び物理量算出手段を一段と容易に集積回路
化すると共に、複雑で負荷の重いナブラ演算子算出処理
及び物理量算出処理をナブラ演算子算出手段及び物理量
算出手段に専属化させることができるので、数値解析に
要する時間を低減してコンピユータに対して負荷をかけ
ることなく短時間で数値解析結果を求めて表示すること
ができる。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【発明の実施の形態】以下図面について、本発明の一実
施例を詳述する。
【0016】(1)第1実施例 (1−1)原理 この項では、まずはじめに本発明の原理を説明する。従
来の汎用コンピユータを使用した数値解析装置では、搭
載されているCPU(中央処理ユニツト)が汎用である
が故にコンパイルされた数値解析ソフトウエアが冗長と
なり、その結果、レジスタ間のやり取りやメモリのアク
セスが増えてしまつて莫大な計算時間がかかつていた。
また一般に数値解析に有限要素法を用いた場合には、節
点及び要素情報、係数行列、計算結果等、数多くのデー
タを取り扱わなければならず、そのためメモリの容量と
しても大容量が要求されていた。ところで汎用コンピユ
ータのように容量の小さいメモリを搭載した機器では、
メモリ容量の足りない分をメモリに比してアクセスに時
間のかかるハードデイスクで補わなければならず、その
結果、汎用コンピユータの場合には、さらに計算時間が
増えるといつた問題が起きていた。
【0017】そこで本発明では、この点に着目し、レジ
スタ間のやり取りやメモリアクセスを減らすことにより
数値解析に要する時間を低減し、これによつて簡易な構
成であつても短時間で数値解析し得る数値解析装置を実
現する。まず本発明においては、数値解析の手法として
GSMACと呼ばれる有限要素法を用いる。このGSM
AC有限要素法は差分法の分野で開発されたMAC法、
SMAC法、HSMAC法の技術を有限要素法に応用し
たものであり、その特徴としては、差分法が解析モデル
の境界形状が単純である必要があるのに対して解析モデ
ルの形状に任意性が高く、このため適用範囲が広い点に
ある。またこのGSMAC有限要素法には、熱、流体、
応力場、電磁場等、広範囲の非定常問題に適用できると
共に、精度良く数値解析し得るといつた特徴もある。さ
らにGSMAC有限要素法の場合には、解析対象の場に
ナビエ・ストークスの方程式を適用したときにポアソン
方程式が導かれるが、場のベクトルとエネルギーを同時
に緩和して行くことによりこのポアソン方程式を容易に
解くことができるといつた格別な効果がある。このよう
な特徴のGSMAC有限要素法を数値解析の手法として
用いることにより、本発明では数値解析に要する時間を
低減し得る。
【0018】また本発明では、ポアソン方程式を解くと
きに使用するナブラ演算子(すなわち空間微分の演算
子)としてベクトル演算によつて求められる離散化ナブ
ラ演算子を用いるようにした。これにより本発明では、
ナブラ演算子の算出に要する時間を低減し得る。またナ
ブラ演算子を算出する時間を低減し得るので、その都
度、ナブラ演算子を計算すれば良く、記憶の必要がない
分、メモリも低容量化し得る。また従来のようにハード
デイスクをアクセスする必要もなくなるので数値解析に
要する時間をさらに低減することができる。このように
して離散化ナブラ演算子を用いるようにしたことによ
り、本発明では全体として数値解析に要する時間を低減
し得ると共に、数値解析装置の構成を簡易にし得る。
【0019】(1−2)全体構成 図1において、1は全体として本発明を適用した数値解
析装置を示し、当該数値解析装置1全体の数値解析動作
を管理するものとして、パーソナルコンピユータ又はワ
ークステーシヨンからなるホストコンピユータ2が設け
られている。このホストコンピユータ2はCPU(中央
処理演算装置)やメモリ、或いはハードデイスク等の各
種電気回路が収納された本体2Aと、解析結果等の各種
情報を表示するモニタ2Bとによつて構成されている。
【0020】このホストコンピユータ2の本体2Aに
は、数値解析時のパラメータである初期条件や境界条件
を入力するためのキーボード(図示せず)が接続されて
いると共に、所定の伝送路(例えばPCI(Peripheral
Component Interconnect )バス)3を介して拡張ユニ
ツト5が接続されている。この拡張ユニツト5内には物
理量の解析手段として複数の計算専用基板4が実装され
ており、これによりホストコンピユータ2と複数の計算
専用基板4とが伝送路3を介して接続されるようになさ
れている。因みに、ここでは複数の計算専用基板4をホ
ストコンピユータ2に接続しているが、これは複数の計
算専用基板4を用いて並列計算を行うためであり、並列
計算を行わない場合には計算専用基板4としては1枚で
良い。
【0021】この計算専用基板4には、図2に示すよう
に、インターフエイス回路6、メモリ7、デルチツプ8
及びポアソンソルバチツプ9が実装されている。インタ
ーフエイス回路6は伝送路3を介してホストコンピユー
タ2から送られてくる節点及び要素情報S1を受け、こ
れを順次メモリ7に格納する。デルチツプ8は後述する
離散化ナブラ演算子∇a 及び要素体積Ve を算出する離
散化ナブラ演算子算出手段であり、後段のポアソンソル
バチツプ9で離散化ナブラ演算子∇a が必要になる都
度、メモリ7から節点及び要素情報S1を読み出し、読
み出した節点及び要素情報S1に基づいて離散化ナブラ
演算子∇a 及び要素体積Ve を算出する。
【0022】ポアソンソルバチツプ9は後述するように
時間ステツプ毎に連続の式を満足する物理量(具体的に
は解析対象の場のベクトル及びエネルギーのことであ
り、例えば速度場であれば速度ベクトルvとエネルギー
Hである)を求める物理量算出手段であり、デルチツプ
8で算出した離散化ナブラ演算子∇a 及び要素体積Ve
を使用して要素の物理量を算出する。この算出された物
理量はインターフエイス回路6及び伝送路3を介して計
算結果情報S2としてホストコンピユータ2に送出され
る。すなわちこの数値解析装置1では、解析時間のうち
で最も時間を要するポアソン方程式を解く部分(すなわ
ち物理量を算出する部分)とその解法で必要となる係数
行列の算出部分(すなわち離散化ナブラ演算子∇a を算
出する部分)とを計算専用基板4によつて求めるように
なされている。
【0023】ここでこのような構成を有する数値解析装
置1はホストコンピユータ2に内蔵されている数値解析
ソフトウエアに基づいて動作するようになされている。
このソフトウエアは大きく分けて、プリプロセツサと呼
ばれるソフトウエアと、解析ソルバと呼ばれるソフトウ
エアと、ポストプロセツサと呼ばれるソフトウエアの3
つによつて構成されている。
【0024】プリプロセツサは解析モデルを作成するソ
フトウエアであり、解析対象の場を各要素に分割すると
共に、初期条件や境界条件を設定するものである。また
ポストプロセツサは求めた物理量を使用して解析結果を
モニタ2Bに表示したり、或いはその解析結果を評価し
たりするソフトウエアである。一方、解析ソルバは各要
素について物理量を求めるソフトウエアであり、この実
施例の場合には、GSMAC有限要素法を用いて物理量
を求めるようになされている。この解析ソルバは基本的
にホストコンピユータ2で動作するものであるが、計算
時間の大半を閉める部分(すなわちポアソン方程式を解
いて物理量を算出する部分及びその解法において必要な
離散化ナブラ演算子∇a を算出する部分)を計算専用基
板4を起動して当該計算専用基板4で求めるようになさ
れている。
【0025】ここで図3に示すフローチヤートを用い
て、この数値解析装置1における数値解析手順を説明す
る。この数値解析装置1では、まずステツプSP1から
入つたステツプSP2において、プリプロセツサを起動
し、解析モデルを作成(すなわち解析対象の場を各要素
に分割する)すると共に、各計算専用基板4で計算する
要素の割り振りを行う。因みに、この数値解析装置1で
は計算専用基板4を複数設けて計算処理を並列化してい
るので、このような割り振り処理を行うようになつてい
る。また割り振り方法としては隣り合う要素を異なる計
算専用基板4に割り振り、隣り合う要素が同じ計算専用
基板4に割り振られないようにする。
【0026】次のステツプSP3においては、解析ソル
バを起動し、プリプロセツサによつて行つた割り振りに
基づいて各計算専用基板4に節点及び要素情報S1を供
給し、当該各計算専用基板4を使用して各要素の物理量
を求める。因みに、物理量の算出は、デルチツプ8で算
出した離散化ナブラ演算子∇a 及び要素体積Ve を使用
して、ポアソンソルバチツプ9でポアソン方程式を解く
ことにより求められる。
【0027】次のステツプSP4においては、全要素に
ついて物理量が算出し得たか否か判定し、全要素につい
て算出が終了していなければステツプSP2に戻つて残
つている要素の割り振りを行つた上で再度解析ソルバに
て物理量の算出を行い、全要素について算出が終了した
ら次のステツプSP5に移行する。ステツプSP5にお
いては、ポストプロセツサを起動し、解析ソルバで求め
た各要素の物理量を使用して解析結果をモニタ2Bに表
示する。これが終わると、次のステツプSP6に移つて
数値解析処理を終了する。
【0028】次にこの数値解析手順において最も主要な
部分である解析ソルバについて、図4に示すフローチヤ
ートを用いて説明する。解析ソルバでは、ステツプSP
10から入つたステツプSP11において、まずホスト
コンピユータ2から節点及び要素情報S1を計算専用基
板4のメモリ7にロードする。次のステツプSP12に
おいては、デルチツプ8がメモリ7に格納されている節
点及び要素情報S1を読み出し、当該節点及び要素情報
S1に基づいて要素の離散化ナブラ演算子∇aと要素体
積Ve を求める。そして次のステツプSP13におい
て、デルチツプ8がその求めた離散化ナブラ演算子∇a
及び要素体積Ve をポアソンソルバチツプ9に供給す
る。
【0029】次のステツプSP14においては、ポアソ
ンソルバチツプ9が離散化ナブラ演算子∇a 及び要素体
積Ve を使用して連続の式(すなわち∇・v=0)を満
足する要素の物理量(すなわち場のベクトルv及びエネ
ルギーH)を求める。具体的には、連続の式を満足する
ように物理量を反復修正することによりポアソン方程式
を解き、これによつて連続の式を満足する物理量を求め
る。次のステツプSP15においては、ポアソンソルバ
チツプ9がその求めた物理量をインターフエイス回路6
及び伝送路3を介してホストコンピユータ2に送出す
る。これが終わると、次のステツプSP16に移つて処
理を終了する。因みに、ここで示した解析ソルバは各計
算専用基板4において並列的に行われるものである。
【0030】(1−3)デルチツプ及びポアソンソルバ
チツプ (1−3−1)離散化ナブラ演算子 この項では離散化ナブラ演算子について説明する。離散
化ナブラ演算子∇a は空間微分のナブラ演算子∇を離散
化したものであり、形状関数の勾配の要素平均値とし
て、次式
【数20】 で定義される。ここでaは要素の局所節点番号であり、
a は形状関数である。またΩe は2次元の場合、要素
面積Se であり、3次元の場合、要素体積Ve である。
因みに、ここでの積分計算はすべて物理空間(x,y,
z)ではなく計算空間(ξ,η,ζ)で実行される。す
なわち計算は物理空間から計算空間に写像されてから実
行される。
【0031】ここで3次元の離散化ナブラ演算子∇a
体積分法によつて定義し直すと、次式
【数21】 に示すようになる。この場合、要素の形状を図5に示す
ような6面体とすると、形状関数Na は、8つの節点
(座標値はそれぞれ(-1,-1,-1)、(+1,-1,-1)、
(-1,+1,-1)、(-1,-1,+1)、(+1,-1,+1)、
(-1,+1,+1)、(+1,+1,-1)、(+1,+1,+1)であ
る)からなる局所座標として、次式
【数22】 に示すようになる。但し、a=1〜8であり、また
a 、ξa 、ηa 、ζa 、ξa ηa 、ηa ζa 、ζa ξ
a 、ξa ηa ζa は1次独立な基底ベクトルである。
【0032】ところで上述したように計算は物理空間か
ら計算空間に写像されて行われるが、その際、物理空間
と計算空間を結びつけものが、ヤコビ行列〔Jij〕とヤ
コビの逆行列〔Jij-1である。このヤコビの逆行列
〔Jij-1は、余因子行列を〔Aij〕とすれば、次式
【数23】 に示すように記述できる。ここでJはヤコビアンであ
り、その定義式は、次式
【数24】 のようになる。また余因子行列〔Aij〕の各成分は、次
【数25】 によつて定義される。
【0033】さらにこの余因子行列の各成分の要素平均
は、位置ベクトルの増分(Δr)のξ,η,ζ方向の平
均値を用いて、次式
【数26】 のように表される。因みに、ベクトルΔrの各方向の平
均値はそれぞれ、次式
【数27】
【数28】
【数29】 のように表される。
【0034】ここで(21)式に示した体積分法による離
散化ナブラ演算子の成分を計算空間で記述すると、次式
【数30】 のように表される。ここで要素平均を用いると、この式
は、次式
【数31】 のように変形し得る。また形状関数の微分の要素平均
は、次式
【数32】 によつて表され、また余因子行列の要素平均〈Aije
は余因子行列の定義式より求まるので、体積分法による
離散化ナブラ演算子∇a の近似式は、次式
【数33】 のようになる。さらにこの式は(27)〜(29)式に示し
たベクトルΔrの各方向の平均値を用いて、次式
【数34】 に変形し得る。このとき要素体積Ve は、次式
【数35】 のように表される。
【0035】この離散化ナブラ演算子∇a を用いると、
勾配、発散、回転は場のベクトルvと共にそれぞれ次式
【数36】
【数37】
【数38】 のように表される。
【0036】従つてあらゆる場の解析に必要となる空間
微分の演算子として離散化ナブラ演算子∇a を求めるよ
うにすれば、(34)式に示したような単純なベクトル演
算で行えるので計算時間を大幅に低減することができ
る。因みに、従来のようにGauss-Legendreの数値積分公
式を用いて係数行列を計算した場合には、計算に時間が
かかるが故に1度計算した係数行列をメモリに記憶する
必要があつたが、このような離散化ナブラ演算子∇a
用いれば従来のように計算に時間がかかることはないの
でその都度計算すれば良くなる。従つて離散化ナブラ演
算子∇a を用いれば、従来のように莫大な容量のメモリ
が不要になり、メモリ容量が少ない汎用コンピユータで
も十分に対応することができる。なお、デルチツプ8と
しては、メモリ7に格納されている節点及び要素情報S
1を読み出し、その結果得られる節点座標を基に(34)
及び(35)式を計算して離散化ナブラ演算子∇a 及び要
素体積Ve を求めるのが、主たる作業である。
【0037】(1−3−2)ポアソン方程式の解法 この項ではポアソン方程式の解法について説明する。但
し、ここでは解析対象の場を速度場とし、物理量として
は速度ベクトルvとエネルギーHを求めるものとする。
まず解析対象の場を支配する運動方程式として、ナビエ
・ストークスの方程式と連続の式がある。この式は、次
【数39】 のように記述される。また非圧縮条件をこの運動方程式
に適用すると、次式
【数40】 に示すような修正速度ポテンシヤルφに関するポアソン
方程式が導かれる。このポアソン方程式は、次のような
GSMAC有限要素法のアルゴリズムを用いて、速度v
と全エネルギーHを同時に緩和することにより解かれ
る。
【0038】まず時刻t=0での初期値を与える。次に
速度の予測値を求める。次に修正速度ポテンシヤルを導
入し、速度vとエネルギーH(ベルヌーイ関数)を、次
【数41】 を満足させながら同時緩和法で解く。すなわち反復子k
=0に対して、次式
【数42】 を初期値として設定し、次式
【数43】
【数44】
【数45】
【数46】
【数47】 に示す反復演算を行う。その結果、例えばε=0.001 と
して、次式
【数48】 を満足したとき、vn+1 =vk+1 、Hn+1 =Hk+1 とし
て次の時間ステツプに進む。
【0039】なお、ここでベルヌーイ関数Hは、次式
【数49】 で表される。また∇は空間微分のナブラ演算子であり、
次式
【数50】 で表される。
【0040】このようにポアソン方程式は速度vとエネ
ルギー(すなわちベルヌーイ関数)Hを同時修正して行
くことにより解かれる。なお、ポアソンソルバチツプ9
としては、デルチツプ8から供給される離散化ナブラ演
算子∇a をナブラ演算子∇として使用すると共に、当該
デルチツプ8から供給される要素体積Ve を使用して上
述した(42)〜(47)式に示す反復演算を行うことによ
り修正された速度ベクトルvとエネルギーHを求めるこ
とが、主たる作業である。
【0041】(1−3−3)デルチツプの構成 この項では、デルチツプ8の具体的な構成について説明
する。但し、図中示される表記はそれぞれ図6に示すよ
うな内容を示すものとする。まずデルチツプ8として
は、図7〜図13に示す各ブロツクによつて構成されて
いる。メモリ7から読み出された8つの局所節点の座標
(局所節点座標は節点及び要素情報S1としてメモリ7
に格納されている)はそれぞれx成分、y成分及びz成
分毎にまとめられてξ方向ベクトル算出部10、η方向
ベクトル算出部11、ζ方向ベクトル算出部12に入力
される。
【0042】図7に示すξ方向ベクトル算出部10は上
述した(27)式の計算を実施するものであり、ベクトル
Δrのξ方向の平均値を算出するものである。第1節点
のx座標(elm[ie][1].x)は符号反転器10Aを介して
符号反転させられた後に加算器10Bに入力され、第2
節点のx座標(elm[ie][2].x)はそのまま加算器10B
に入力される。これにより加算器10Bにおいてベクト
ル(Δr)21のx成分が計算される。また第3節点のx
座標(elm[ie][3].x)がそのまま加算器10Bに入力さ
れると共に、第4節点のx座標(elm[ie][4].x)が符号
反転器10Cを介して符号反転された後に加算器10B
に入力されることにより、加算器10Bにおいてはベク
トル(Δr)34のx成分が計算される。また第5節点の
x座標(elm[ie][5].x)が符号反転器10Dを介して符
号反転された後に加算器10Bに入力されると共に、第
6節点のx座標(elm[ie][6].x)がそのまま加算器10
Bに入力されることにより、加算器10Bにおいてはベ
クトル(Δr)65のx成分が計算される。また第7節点
のx座標(elm[ie][7].x)がそのまま加算器10Bに入
力されると共に、第8節点のx座標(elm[ie][8].x)が
符号反転器10Eを介して符号反転された後に加算器1
0Bに入力されることにより、加算器10Bにおいては
ベクトル(Δr)78のx成分が計算される。加算器10
Bはこの算出されたベクトル(Δr)21、(Δr)34
(Δr)65及び(Δr)78のx成分をさらに加算し、そ
の結果得られる加算値を乗算器10Fに出力する。乗算
器10Fは加算値に0.25(すなわち1/4)を乗算す
る。これによりベクトルΔrのξ方向の平均値のx成分
(dr[1][1])が算出される。
【0043】同様に、第1〜第8節点のy座標(elm[i
e][1].y〜elm[ie][8].y)は直接又は符号反転器10
G、10I、10J及び10Kを介して加算器10Hに
入力されることにより、当該加算器10Hにおいてベク
トル(Δr)21、(Δr)34、(Δr)65及び(Δr)
78のy成分が算出されると共に、それらの加算値が算出
される。その加算値は乗算器10Lに入力され、ここで
0.25が乗算されることにより、かくしてベクトルΔrの
ξ方向の平均値のy成分(dr[1][2])が算出される。同
様に、第1〜第8節点のz座標(elm[ie][1].z〜elm[i
e][8].z)は直接又は符号反転器10M、10P、10
Q及び10Rを介して加算器10Nに入力されることに
より、当該加算器10Nにおいてベクトル(Δr)21
(Δr)34、(Δr)65及び(Δr)78のz成分が算出
されると共に、それらの加算値が算出される。その加算
値は乗算器10Sに入力され、ここで0.25が乗算される
ことにより、かくしてベクトルΔrのξ方向の平均値の
z成分(dr[1][3])が算出される。
【0044】また図8に示すη方向ベクトル算出部11
は上述した(28)式の計算を実施するものであり、ベク
トルΔrのη方向の平均値を算出するものである。η方
向ベクトル算出部11はξ方向ベクトル算出部10と同
様に乗算器、加算器及び符号反転器によつて構成され、
第1〜第8節点のx座標(elm[ie][1].x〜elm[ie][8].
x)を使用してベクトルΔrのη方向の平均値のx成分
(dr[2][1])を算出し、第1〜第8節点のy座標(elm
[ie][1].y〜elm[ie][8].y)を使用してベクトルΔrの
η方向の平均値のy成分(dr[2][2])を算出し、第1〜
第8節点のz座標(elm[ie][1].z〜elm[ie][8].z)を使
用してベクトルΔrのη方向の平均値のz成分(dr[2]
[3])を算出する。
【0045】また図8に示すζ方向ベクトル算出部12
は上述した(29)式の計算を実施するものであり、ベク
トルΔrのζ方向の平均値を算出するものである。ζ方
向ベクトル算出部12もξ方向ベクトル算出部10と同
様に乗算器、加算器及び符号反転器によつて構成され、
第1〜第8節点のx座標(elm[ie][1].x〜elm[ie][8].
x)を使用してベクトルΔrのζ方向の平均値のx成分
(dr[3][1])を算出し、第1〜第8節点のy座標(elm
[ie][1].y〜elm[ie][8].y)を使用してベクトルΔrの
ζ方向の平均値のy成分(dr[3][2])を算出し、第1〜
第8節点のz座標(elm[ie][1].z〜elm[ie][8].z)を使
用してベクトルΔrのη方向の平均値のz成分(dr[3]
[3])を算出する。
【0046】このようにして求められたベクトルΔrの
ξ、η、ζ方向の平均値(dr[1][1]〜dr[3][3])は、図
9に示すように、それぞれ要素体積算出部13に入力さ
れる。この要素体積算出部13は上述した(35)式の計
算を実施するものであり、ベクトルΔrのξ、η、ζ方
向の平均値(dr[1][1]〜dr[3][3])を使用して要素体積
e を算出する。まずξ方向のy成分(dr[1][2])及び
η方向のz成分(dr[2][3])は乗算器13Aに入力され
て乗算され、その乗算結果は加算器13Bに入力され
る。またξ方向のz成分(dr[1][3])及びη方向のy成
分(dr[2][2])は乗算器13Cに入力されて乗算され、
その乗算結果は符号反転器13Dによつて符号反転され
た後に加算器13Bに入力される。加算器13Bは入力
される乗算結果をそれぞれ加算することにより外積のx
成分を算出し、これを乗算器13Eに出力する。乗算器
13Eにはζ方向のx成分(dr[3][1])が入力されてお
り、当該乗算器13Eは外積のx成分とζ方向のx成分
とを乗算することにより外積及び内積のx成分を算出
し、これを加算器13Fに出力する。
【0047】またξ方向のz成分(dr[1][3])及びη方
向のx成分(dr[2][1])は乗算器13Gに入力されて乗
算され、その乗算結果は加算器13Hに入力される。ま
たξ方向のx成分(dr[1][1])及びη方向のz成分(dr
[2][3])は乗算器13Iに入力されて乗算され、その乗
算結果は符号反転器13Jによつて符号反転された後に
加算器13Hに入力される。加算器13Hは入力される
乗算結果をそれぞれ加算することにより外積のy成分を
算出し、これを乗算器13Kに出力する。乗算器13K
にはζ方向のy成分(dr[3][2])が入力されており、当
該乗算器13Kは外積のy成分とζ方向のy成分とを乗
算することにより外積及び内積のy成分を算出し、これ
を加算器13Fに出力する。
【0048】またξ方向のx成分(dr[1][1])及びη方
向のy成分(dr[2][2])は乗算器13Lに入力されて乗
算され、その乗算結果は加算器13Mに入力される。ま
たξ方向のy成分(dr[1][2])及びη方向のx成分(dr
[2][1])は乗算器13Nに入力されて乗算され、その乗
算結果は符号反転器13Pによつて符号反転された後に
加算器13Mに入力される。加算器13Mは入力される
乗算結果をそれぞれ加算することにより外積のz成分を
算出し、これを乗算器13Qに出力する。乗算器13Q
にはζ方向のz成分(dr[3][3])が入力されており、当
該乗算器13Qは外積のz成分とζ方向のz成分とを乗
算することにより外積及び内積のz成分を算出し、これ
を加算器13Fに出力する。
【0049】加算器13Fは入力される外積及び内積の
x、y、z成分をそれぞれ加算することにより要素体積
(volume[ie])を算出する。この要素体積(volume[i
e])は引き算形式で逆数を求める逆数器14に入力さ
れ、ここで逆数演算が行われることにより要素体積の逆
数(rvolume[ie] )が生成される。このようにして求め
られた要素体積(volume[ie])及び要素体積の逆数(rv
olume[ie] )はポアソンソルバチツプ9に供給される。
【0050】またベクトルΔrのξ、η、ζ方向の平均
値(dr[1][1]〜dr[3][3])は、図10〜図12に示すよ
うに、離散化ナブラ演算子算出部を構成するx方向外積
加算部15、y方向外積加算部16及びz方向外積加算
部17にも入力される。これらのx方向外積加算部1
5、y方向外積加算部16及びz方向外積加算部17
は、次式
【数51】 に示す変数cのx、y及びz成分をそれぞれ節点毎に算
出するものである。因みに、変数cは(34)式と見比べ
れば分かるように、離散化ナブラ演算子∇a に要素体積
e を乗算したものである。まずx方向外積加算部15
においては、η方向のy成分(dr[2][2])及びζ方向の
z成分(dr[3][3])は乗算器15Aに入力されて乗算さ
れ、その乗算結果は符号反転器15によつて符号反転さ
れた後に加算器15Cに入力される。またη方向のz成
分(dr[2][3])及びζ方向のy成分(dr[3][2])は乗算
器15Dに入力されて乗算され、その乗算結果は加算器
15Cに入力される。
【0051】ζ方向のy成分(dr[3][2])及びξ方向の
z成分(dr[1][3])は乗算器15Eに入力されて乗算さ
れ、その乗算結果は符号反転器15Fによつて符号反転
された後に加算器15Cに入力される。またζ方向のz
成分(dr[3][3])及びξ方向のy成分(dr[1][2])は乗
算器15Gに入力されて乗算され、その乗算結果は加算
器15Cに入力される。ξ方向のy成分(dr[1][2])及
びη方向のz成分(dr[2][3])は乗算器15Hに入力さ
れて乗算され、その乗算結果は符号反転器15Iによつ
て符号反転された後に加算器15Cに入力される。また
ξ方向のz成分(dr[1][3])及びη方向のy成分(dr
[2][2])は乗算器15Jに入力されて乗算され、その乗
算結果は加算器15Cに入力される。加算器15Cは入
力されるそれぞれの乗算結果を加算することにより外積
加算を算出する。かくしてこの外積加算に対して乗算器
15Kで0.25を乗算することにより、第1節点における
変数cのx成分(cx[ie][1] )が得られる。
【0052】同様に、x方向外積加算部15において
は、dr[1][2]〜dr[3][3]を使用して(51)式の演算処理
を行うことにより、第2〜第8節点における変数cのx
成分(cx[ie][2] 〜cx[ie][8] )が得られる。なお、cx
[ie][2] 〜cx[ie][8] を求める回路はcx[ie][1] を求め
る回路とほぼ同じ構成ではあるが、求める節点によつて
(ξa 、ηa 、ζa )の値が異なるので符号反転器の位
置が若干異なつている。
【0053】図11に示すように、y方向外積加算部1
6もx方向外積加算部15とほぼ同じ構成であり、入力
されるdr[1][1]〜dr[3][3]を使用して(51)式の演算処
理を行うことにより、第1〜第8節点における変数cの
y成分(cy[ie][1] 〜cx[ie][8] )を求める。同様に、
図12に示すように、z方向外積加算部17もx方向外
積加算部15とほぼ同じ構成であり、入力されるdr[1]
[1]〜dr[3][2]を使用して(51)式の演算処理を行うこ
とにより、第1〜第8節点における変数cのz成分(cz
[ie][1]〜cz[ie][8] )を求める。
【0054】このようにして求められた第1〜第8節点
における変数cのx、y、z成分(cx[ie][1] 〜cx[ie]
[8] 、cy[ie][1] 〜cy[ie][8] 、cz[ie][1] 〜cz[ie]
[8] )は、図13に示すように、乗算回路18に入力さ
れ、要素体積の逆数値(rvolume )がそれぞれ乗算され
る。これにより第1〜第8節点に関する離散化ナブラ演
算子∇a のx、y、z成分(del x[ie][1]〜del x[ie]
[8]、del y[ie][1]〜dely[ie][8]、del z[ie][1]〜del
z[ie][8])が求められる(すなわち第1〜第8節点に関
して(34)式に示した離散化ナブラ演算子∇a が求めら
れる)。このようにして求められた各節点の離散化ナブ
ラ演算子∇a はポアソンソルバチツプ9に供給される。
【0055】(1−3−4)ポアソンソルバチツプの構
成 この項では、ポアソンソルバチツプ9の具体的な構成に
ついて説明する。但し、この場合にも、図中示される表
記は図6に示すような内容を示すものとする。またこの
ポアソンソルバチツプ9では、場のベクトルとして速度
ベクトルvを算出すると共に、エネルギーHとして圧力
Pを算出するものとする。
【0056】まずデルチツプ8から供給される離散化ナ
ブラ演算子∇a のx、y、z成分(del x[ie][1]〜del
x[ie][8]、del y[ie][1]〜del y[ie][8]、del z[ie][1]
〜del z[ie][8])は、図14に示すように、それぞれ第
1の内積演算部19に入力される。また第1の内積演算
部19には速度ベクトルvのx、y、z成分(u[elm[i
e][1].n] 〜u[elm[ie][8].n] 、v[elm[ie][1].n] 〜v[e
lm[ie][8].n] 、w[elm[ie][1].n] 〜w[elm[ie][8].n]
)も入力される。第1の内積演算部19は上述の(4
3)式に示される変数Dk を求めるものである。但し、
ここでは演算を簡略化するため(43)式を使用せず、次
【数52】 に示す関係式を使用して変数Dk を算出する。なお、こ
の(52)式は、次式
【数53】
【数54】
【数55】 に示される3つの関係式から導かれるものである。第1
の内積演算部19においては、乗算器19A〜19Iを
使用して離散化ナブラ演算子∇a と速度ベクトルvの各
成分同士を乗算し、その各成分同士の乗算結果を加算器
19Jを使用して加算する。これにより(52)式に基づ
いた変数Dk (=d[ie] )が算出される。
【0057】この変数Dk は、図15に示すように、乗
算器20に入力され、ここで同時緩和係数の−λ-1(=
rum[ie] )と乗算される(この同時緩和係数の−λ-1
ホストコンピユータ2から指示されるものである)。こ
れにより上述の(45)式に対応した修正速度ポテンシヤ
ルφk (=fg[ie])が算出される。この修正速度ポテン
シヤルφk は続く乗算器21に入力され、ここで時間ス
テツプの逆数値dt-1(=rdt )と乗算される。この乗
算結果φk /dt(=dp[ie])は加算器22に入力さ
れ、ここで前回求めた圧力P(=p[ie] )と加算され
る。これにより圧力Pが反復修正され、上述した(47)
式に対応する次式
【数56】 に示されるような修正圧力Pが算出される。
【0058】またデルチツプ8から供給される離散化ナ
ブラ演算子∇a のx、y、z成分(del x[ie][1]〜del
x[ie][8]、del y[ie][1]〜del y[ie][8]、del z[ie][1]
〜del z[ie][8])は、図16に示すように、第1の速度
修正部23にも入力される。この速度修正部23は速度
ベクトルvを修正するものであり、ここでは次式
【数57】 に示す数式を使用して速度ベクトルvを反復修正する。
【0059】この第1の速度修正部23においては、離
散化ナブラ演算子∇a のx、y、z成分(del x[ie][1]
〜del x[ie][8]、del y[ie][1]〜del y[ie][8]、del z
[ie][1]〜del z[ie][8])はそれぞれ乗算器23A〜2
3Iに入力され、ここで先程求めたφk /dt(=dp[i
e])と乗算される。その乗算結果はそれぞれ加算器23
J〜23Sに入力され、ここで速度ベクトルvの各成分
(uu[elm[ie][1].n]〜uu[elm[ie][8].n]、vv[elm[ie]
[1].n]〜vv[elm[ie][8].n]、ww[elm[ie][1].n]〜ww[elm
[ie][8].n])と加算される。これにより(57)式に示さ
れる修正速度ベクトルvの各成分が算出される。
【0060】また図17に示すように、速度ベクトルv
は第2の速度修正部24においても反復修正される。こ
の第2の速度修正部24は、次式
【数58】 に示す数式を使用して速度ベクトルvを修正する。この
第2の速度修正部24においては、乗算器24A〜24
Cによつて時間ステツプ(dt)、集中質量(rfm )及び
n+1時刻の速度ベクトルvの各成分(uu[in]、vv[i
n]、ww[in])がそれぞれ乗算される。その乗算結果は加
算器24D〜24Fに入力され、ここでn時刻の速度ベ
クトルvの各成分(u[in] 、v[in] 、w[in] )と加算さ
れる。これにより(58)式に示される修正速度ベクトル
vの各成分が算出される。
【0061】また図18に示すように、デルチツプ8か
ら供給される離散化ナブラ演算子∇a のx、y、z成分
(del x[ie][1]〜del x[ie][8]、del y[ie][1]〜del y
[ie][8]、del z[ie][1]〜del z[ie][8])は、第2の内
積演算部25にも入力される。また第2の内積演算部2
5には速度ベクトルvのx、y、z成分(u[elm[ie]
[1].n] 〜u[elm[ie][8].n] 、v[elm[ie][1].n] 〜v[elm
[ie][8].n] 、w[elm[ie][1].n] 〜w[elm[ie][8].n] )
も入力される。この第2の内積演算部25は上述の(5
2)式を使用して変数Dk を算出する。まず第2の内積
演算部25においては、乗算器25A〜25Iを使用し
て離散化ナブラ演算子∇a と速度ベクトルvの各成分同
士を乗算し、その各成分同士の乗算結果を加算器25J
を使用して加算する。これにより(52)式に基づいた変
数Dk (=d[ie] )が算出される。
【0062】この変数Dk は、図19に示すように、続
く絶対値回路26に入力され、ここで絶対値化すること
により変数eに変換される。この変数eは続く最大値検
出回路27に入力され、ここで前回までの最大値(divm
ax)と比較され、新たな最大値(divmax)が検出され
る。この最大値は続く大小判定器28に入力され、ここ
で収束判定基準値(eps1)と比較される。その結果、最
大値(divmax)が収束判定基準値(eps1)よりも未だ大
きければ速度ベクトルvと圧力Pの反復修正を続行し、
収束判定基準値(eps1)よりも小さければ、次の時間ス
テツプの演算に進む。なお、このポアソンソルバチツプ
9においては、内部にデータを記憶するためのメモリが
設けられており、反復修正における計算過程で生成され
た各種データを当該メモリに一時記憶し、必要に応じて
そのデータを読み出すようになされている。例えば上述
した最大値(divmax)等は、このメモリに格納されるよ
うになされており、最大値検出に際して随時読み出され
るようになつている。またこのポアソンソルバチツプ9
において反復修正された速度ベクトルvの各成分及び圧
力Pは、上述したように伝送路3を介してホストコンピ
ユータ2に送出される。
【0063】(1−4)動作及び効果 以上の構成において、この数値解析装置1では、数値解
析する際、まずホストコンピユータ2から計算専用基板
4に節点及び要素情報S1を供給する。この節点及び要
素情報S1は伝送路3を介して計算専用基板4のメモリ
7に送られ、当該メモリ7に格納される。デルチツプ8
は、ポアソンソルバチツプ9で離散化ナブラ演算子∇a
が必要になる都度、メモリ7から節点及び要素情報S1
を読み出し、当該節点及び要素情報S1に基づいて離散
化ナブラ演算子∇a 及び要素体積Ve を算出する。ポア
ソンソルバチツプ9はデルチツプ8で算出した離散化ナ
ブラ演算子∇a 及び要素体積Ve を使用して、時間ステ
ツプ毎に連続の式(すなわち∇・v=0)を満足するよ
うに物理量(すなわち場のベクトルv及びエネルギー
H)を反復修正し、これにより連続の式を満足する物理
量を算出する。この物理量はホストコンピユータ2に送
られ、数値解析結果として処理される。
【0064】このようにこの数値解析装置1では、数値
解析過程で最も時間がかかるポアソン方程式を解く部分
を計算専用基板4のポアソンソルバチツプ9で算出する
ようにしたことにより、ホストコンピユータ2内でのレ
ジスタ間のやり取りやメモリアクセスを減らすことがで
き、従来に比して数値解析に要する時間を大幅に低減す
ることができる。またこの数値解析装置1では、デルチ
ツプ8で離散化ナブラ演算子∇a を算出し、ポアソン方
程式を解く際にはナブラ演算子∇として当該離散化ナブ
ラ演算子∇a を使用するようにした。このようにする
と、離散化ナブラ演算子∇a はベクトル演算といつた単
純な演算で求めることができるのでナブラ演算子∇を算
出する時間を大幅に低減し得ると共に、数値解析に要す
る時間全体も大幅に低減し得る。またこの数値解析装置
1では、離散化ナブラ演算子∇a を短時間で算出し得る
ことを利用して当該離散化ナブラ演算子∇a が必要にな
る都度求めるようにしたことにより、従来のようにメモ
リに格納する必要がなくなるのでメモリ自体を低容量化
し得、さらには数値解析装置自体も簡易な構成にし得
る。
【0065】またこの数値解析装置1では、離散化ナブ
ラ演算子∇a を求める部分を集積回路化すると共に、ポ
アソン方程式を解く部分を集積回路化して計算専用基板
4を生成し、当該計算専用基板4を使用して数値解析す
るようにしたことにより、汎用コンピユータであるパー
ソナルコンピユータやワークステーシヨンを使用して簡
易な構成の数値解析装置1を実現し得る。従つてこの数
値解析装置1の場合には、従来のようにスーパーコンピ
ユータを使用する場合に比して数値解析装置に要する設
置面積や消費電力を低減することができる。因みに、離
散化ナブラ演算子∇a やポアソン方程式の解法は種々の
数値解析に利用し得るので、当該離散化ナブラ演算子∇
a を算出するデルチツプ8やポアソン方程式を解くポア
ソンソルバチツプ9は汎用性が高く、種々の装置に適用
し得るといつた効果もある。
【0066】以上の構成によれば、デルチツプ8で離散
化ナブラ演算子∇a を算出し、当該離散化ナブラ演算子
a を使用してポアソンソルバチツプ9でポアソン方程
式を解き、これによつて解析対象の場のベクトルを求め
るようにしたことにより、簡易な構成でかつ短時間で数
値解析し得る数値解析装置1を容易に実現し得る。
【0067】なお、この数値解析装置1では、算出した
物理量を使用して解析結果を表示するようになされてい
るが、その際の表示例を図20及び図21に示す。因み
に、図20はビデオカメラに通気孔を設けたときのビデ
オカメラ内の空気の流れを解析したものである。また図
21はビデオカメラ内の温度分布を解析したものであ
る。このようにこの数値解析装置1を使用すれば、例え
ば電子機器内の空気の流れや温度分布を容易に解析する
ことができると共に、空気の流れや温度分布をユーザに
容易に知らしめることができる。またこの数値解析装置
1における実際の表示を、参考図面1及び参考図面2に
示す。因みに、参考図面1はビデオカメラ内の空気の流
れを解析したときの表示であり、参考図面2はビデオカ
メラ内の温度分布を解析したときの表示である。
【0068】(2)第2実施例 この第2実施例における数値解析装置は、基本的に第1
実施例に示した数値解析装置1とほぼ同様の構成を有
し、大きく異なる点は計算専用基板4によつて計算した
各要素の物理量(すなわち場のベクトル及びエネルギ
ー)の表示方法が異なるだけである。
【0069】従来のようにワークステーシヨンやパーソ
ナルコンピユータによつて主に数値解析を行つた場合に
は、コンピユータは係数行列の算出やポアソン方程式を
解くのに集中せざるおえなくなり、そのためコンピユー
タはその他の処理を行う程に余力がなかつた。しかしな
がら第1実施例で説明したように、離散化ナブラ演算子
a を算出するデルチツプ8やポアソン方程式を解くポ
アソンソルバチツプ9を有する計算専用基板4を設け、
数値解析のほぼ90パーセント以上を当該計算専用基板4
で行うようにすると、ホストコンピユータ2にかかる負
荷は殆どなくなり、動画表示等の負荷の大きい処理も十
分なスピードで処理することができるようになる。
【0070】そこでこの第2実施例においては、デルチ
ツプ8やポアソンソルバチツプ9で計算を行つていると
き、ホストコンピユータ2の処理に余力があることを利
用して、計算途中の物理量をリアルタイムでモニタ2B
に表示するようにする(ここで言うリアルタイムとは、
ほぼ実時間でアニメーシヨン表示ができる程度の描画ス
ピードを意味する)。このようにすることにより、オペ
レータはそのリアルタイム表示を見れば、最終結果を待
たなくとも、要素の大きさ等といつた数値解析に於ける
初期条件が最適であるか否かを判断することができる。
従つて初期条件が不適切な場合には、速やかに初期条件
を修正して数値解析をやり直すことができ、効率的に数
値解析を行うことができる。またこのように効率的に数
値解析し得るだけでなく、最終結果に現れない計算途中
での異常部分を発見することができるので、数値解析装
置のソフトウエアを開発する際にも有効である。
【0071】ここでこの第2実施例の数値解析装置につ
いて以下に図面を参照しながら具体的に説明する。図1
との対応部分に同一符号を付して示す図22において、
30は全体として第2実施例による数値解析装置を示
し、計算専用基板31の構成及びホストコンピユータ2
の表示方法を除いて第1実施例の数値解析装置1とほぼ
同様の構成を有する。
【0072】計算専用基板31においては、図23に示
すように、ポアソンソルバチツプ32の構成が第1実施
例に対して異なつている。このポアソンソルバチツプ3
2は、第1実施例と同様に、連続の式を満足する物理量
(すなわち場のベクトル及びエネルギーであり、例えば
速度場であれば速度ベクトルvとエネルギーHである)
を求める物理量算出手段であり、デルチツプ8で算出し
た離散化ナブラ演算子∇a 及び要素体積Ve を使用して
物理量を反復修正することにより連続の式を満足する物
理量を算出する。但し、このポアソンソルバチツプ32
は、第1実施例のように連続の式を満足するように収束
した物理量だけを出力するのではなく、収束する前、す
なわち反復計算途中の物理量も出力する。すなわち言い
換えれば、ポアソンソルバチツプ32は、収束したか否
かに係わらず、常に計算した物理量を出力する。その
際、ポアソンソルバチツプ32は出力される物理量が収
束したデータであるか否かを示す収束判定フラグεa
当該物理量と共に出力する。この物理量(v及びH)と
収束判定フラグεa は第1実施例と同様に計算結果情報
S2としてホストコンピユータ2に送られる。
【0073】ホストコンピユータ2においては、リアル
タイムで受け取つた物理量を所定の間隔で間引き、その
間引かれた物理量に対して所定の信号処理を施した後、
当該物理量を解析結果としてモニタ2Bに表示する。そ
の際、ホストコンピユータ2においては、収束判定フラ
グεa を基に物理量が収束しているのか否かを判断し、
全ての要素の物理量が収束したのであれば最終結果であ
ることを示すグラフイツクデータをモニタ2Bに表示
し、それ以外の場合にはモニタ2Bに解析途中であるこ
とを示すグラフイツクデータを表示する。
【0074】ここでホストコンピユータ2の内部構成に
ついて図24を用いて説明する。但し、この図24にお
いては、ホストコンピユータ2のうち表示に関する回路
ブロツクについてのみ示す。ホストコンピユータ2のC
PU33は、上述したような計算専用基板4からの計算
結果情報S2を受け取り、その計算結果情報S2から所
定のタイミング毎に物理量を抽出する(例えば 100〔n
s〕毎に出力される物理量を10〔ms〕毎に抽出する)。
そしてCPU33はその物理量に表示のための信号処理
を施し、その結果得られるグラフイツクデータをビデオ
チツプ34に出力する。またCPU33は、計算結果情
報S2内の収束判定フラグεa を基に、最終結果又は解
析途中を示すグラフイツクデータを生成し、これをビデ
オチツプ34に出力する。
【0075】ビデオチツプ34においては、ビデオバツ
フア34A、グラフイツクコントローラ34B、ラツチ
回路34C、アトリビユートコントローラ34D、ビデ
オDAC(Digital Analog Converter)34E、CRT
(Cathode-Ray Tube)コントローラ34F及びシーケン
サ34Gが設けられており、CPU33から与えられる
グラフイツクデータをビデオバツフア34Aに順次格納
すると共に、所定のタイミングでビデオバツフア34A
から読み出してモニタ2Bに出力することにより、数値
解析結果を示すグラフイツクデータを当該モニタ2Bに
表示するようになされている。
【0076】その際、ビデオチツプ34においては、C
PU33からの制御信号を受けて、グラフイツクコント
ローラ34Bがビデオバツフア34Aへの書き込み及び
ビデオバツフア34Aからの読み出しを制御するように
なされている。またアトリビユートコントローラ34D
によつて表示色の選択を制御し、ビデオDAC34Eに
よつてその選択した表示色をモニタ2Bに指示するよう
になされている。またCRTコントローラ34Fによつ
てビデオバツフア34Aの読み出し範囲を設定すること
により画面表示サイズを制御し、シーケンサ34Gによ
つて表示タイミングを制御するようになされている。な
お、グラフイツクコントローラ34Bとビデオバツフア
34Aの間に介挿されているラツチ回路34Cは、グラ
フイツクコントローラ34B内部のグラフイツクレジス
タ(メモリの一種)に設定されたデータをビデオバツフ
ア34Aに仲介するためのレジスタである。
【0077】このようにしてホストコンピユータ2にお
いては、CPU33で生成したグラフイツクデータをビ
デオバツフア34Aを介してモニタ2Bに供給すること
により、数値解析結果を示すグラフイツクデータをモニ
タ2Bに表示するようになされている。ここでグラフイ
ツクデータを生成する際に、CPU33で行われる信号
処理について説明する。計算専用基板31から供給され
る物理量は3次元データであるので、2次元平面である
モニタ画面上に表示する際には、CPU33がその3次
元データを2次元データに座標変換しなければならな
い。すなわちこれがCPU33で行われる最も重要な信
号処理である。
【0078】この2次元への変換処理について以下に具
体的に説明する。まずポアソンソルバチツプ32から速
度ベクトルvと、エネルギーHとして圧力Pが出力され
るものとし、さらに速度ベクトルvとしては座標値(X
1,Y1,Z1)から座標値(X2,Y2,Z2)まで
のベクトルデータが出力され、圧力Pとしては座標値
(X1,Y1,Z1)におけるスカラーデータが出力さ
れたとする。この場合、2次元への変換処理としては、
ベクトルデータに平行投影を施してモニタ平面であるX
Y平面上に投影するような処理を行えば良い。XY平面
上への平行投影は、投影の方向を示すベクトルを(X
p,Yp,Zp)とすると、次式
【数59】 で示される変換行列Tをベクトルデータの始点及び終点
の各座標値に乗算することにより求められる。すなわち
この場合であれば、まず始点の座標値(X1,Y1,Z
1)に変換行列Tを乗算することによりXY平面上にお
ける始点座標(X1′,Y1′)を求め、続いて終点の
座標値(X2,Y2,Z2)に変換行列Tを乗算するこ
とによりXY平面上における終点座標(X2′,Y
2′)を求める。この始点座標(X1′,Y1′)と終
点座標(X2′,Y2′)を結ぶベクトルが変換後のベ
クトルデータとなる。CPU33はこのような変換行列
Tによる変換処理を行つた後、その変換後のベクトルデ
ータを示す例えば矢印のビツトマツプデータを生成し、
これをグラフイツクデータとしてビデオチツプ34のビ
デオバツフアに格納する。
【0079】なお、圧力Pを示すスカラーデータに関し
ては、CPU33は始点座標(X1′,Y1′)付近の
一定領域又はベクトルデータを示す矢印を色分けするこ
とにより表示するようになされている。その場合、例え
ばスカラー量とそれに対応する表示色(表示色としては
例えば赤色から青色まで段階的に変化するような色を用
いる)のテーブルを予め用意しておけば、CPU33は
そのテーブルを参照しながらスカラー量に応じて容易に
色分けすることができる。またこのような表示を行うこ
とにより、オペレータは大きさの違いを視覚的に容易に
識別し得、便利である。因みに、一定領域を塗りつぶす
場合には、CPU33は隣接領域との間で補間処理を行
うようになされており、これにより色を連続的に変化さ
せて圧力分布をさらに見やすく表示するようになされて
いる。なお、CPU33は以上説明した変換処理を全て
のベクトルデータについて毎回行うのではなく、表示の
必要があるベクトルデータ及び変更のあつたベクトルデ
ータ(例えば計算途中のため毎回変化するベクトルデー
タ等)についてのみ行うようになされており、これによ
り表示処理にかかる負荷を低減するようになされてい
る。
【0080】ここでこのような構成を有する数値解析装
置30は、第1実施例と同様に、ホストコンピユータ2
に内蔵されている数値解析ソフトウエアに基づいて数値
解析動作を行うようになされている。このソフトウエア
は大きく分けて、プリプロセツサと呼ばれるソフトウエ
アと、解析ソルバと呼ばれるソフトウエアと、ポストプ
ロセツサと呼ばれるソフトウエアの3つによつて構成さ
れている。
【0081】プリプロセツサは解析モデルを作成するソ
フトウエアであり、解析対象の場を各要素に分割すると
共に、初期条件等を設定するものである。またポストプ
ロセツサは求めた物理量を解析結果としてモニタ2Bに
表示したり、或いはその解析結果を評価したりするソフ
トウエアである。一方、解析ソルバは各要素について物
理量を求めるソフトウエアであり、この実施例の場合に
は、GSMAC有限要素法を用いて物理量を求めるよう
になされている。この解析ソルバは基本的にホストコン
ピユータ2で動作するものであるが、計算時間の大半を
閉める部分(すなわちポアソン方程式を解いて物理量を
算出する部分及びその解法において必要な離散化ナブラ
演算子∇a を算出する部分)を計算専用基板32を起動
して当該計算専用基板32で求めるようになされてい
る。
【0082】ここで図25に示すフローチヤートを用い
て、この第2実施例による数値解析装置30の数値解析
手順を説明する。この数値解析装置30では、まずステ
ツプSP20から入つたステツプSP21において、プ
リプロセツサを起動し、解析モデルを作成(すなわち解
析対象の場を各要素に分割する)すると共に、各計算専
用基板31で計算する要素の割り振りを行う。因みに、
この数値解析装置30では計算専用基板31を複数設け
て計算処理を並列化しているので、このような割り振り
処理を行うようになつている。また割り振り方法として
は隣り合う要素を異なる計算専用基板31に割り振り、
隣り合う要素が同じ計算専用基板4に割り振られないよ
うにする。
【0083】次のステツプSP22においては、解析ソ
ルバを起動し、プリプロセツサによつて行つた割り振り
に基づいて各計算専用基板31に節点及び要素情報S1
を供給し、当該各計算専用基板31を使用して各要素の
物理量を求める。因みに、物理量の算出は、デルチツプ
8で算出した離散化ナブラ演算子∇a 及び要素体積Ve
を使用して、ポアソンソルバチツプ32でポアソン方程
式を解くことにより求められる。
【0084】次のステツプSP23においては、ポスト
プロセツサを起動し、計算専用基板31から出力される
物理量を解析結果としてモニタ2Bに表示すると共に、
解析途中であることを示すグラフイツクデータをモニタ
2Bに表示する。次のステツプSP24においては、収
束判定フラグεa に基づいて、物理量が収束した値であ
るか否か判定し、収束した値でなければステツプSP2
2に戻つて計算を続行し、収束した値であれば次のステ
ツプSP25に移行する。ステツプSP25では、全要
素について物理量が算出し得たか否か判定し、全要素に
ついて算出が終了していなければステツプSP21に戻
つて残つている要素の割り振りを行つた上で再度解析ソ
ルバにて物理量の算出を行い、全要素について算出が終
了したら次のステツプSP26に移行する。全要素につ
いて物理量が算出し得たか否かの判定は、全要素の収束
判定フラグεa が収束を示しているか否かに基づいて行
われる。ステツプSP26では、現在表示されている解
析結果が最終結果であることを示すグラフイツクデータ
を表示し、次のステツプSP27に移つて処理を終了す
る。
【0085】以上の構成において、この第2実施例の数
値解析装置30の場合にも、数値解析する際には、まず
ホストコンピユータ2から計算専用基板31に節点及び
要素情報S1を供給する。この節点及び要素情報S1は
伝送路3を介して計算専用基板31のメモリ7に送ら
れ、当該メモリ7に格納される。デルチツプ8は、ポア
ソンソルバチツプ32で離散化ナブラ演算子∇a が必要
になる都度、メモリ7から節点及び要素情報S1を読み
出し、当該節点及び要素情報S1に基づいて離散化ナブ
ラ演算子∇a 及び要素体積Ve を算出する。ポアソンソ
ルバチツプ32は、デルチツプ8で算出した離散化ナブ
ラ演算子∇a 及び要素体積Ve を使用して、連続の式を
満足するように物理量を反復修正し、これによつて連続
の式を満足する物理量を算出する。そしてポアソンソル
バチツプ32は物理量を伝送路3を介してホストコンピ
ユータ2に送出する。その際、ポアソンソルバチツプ3
2は、連続の式を満足するように収束した物理量だけを
出力するのではなく、収束前、すなわち反復計算途中の
物理量もリアルタイムで出力する。またポアソンソルバ
チツプ32は、出力した物理量が収束したデータである
のか否かを示す収束判定フラグεa も物理量と共に出力
する。
【0086】ホストコンピユータ2はこのリアルタイム
に出力される物理量を所定のタイミングで抽出し、それ
を解析結果として順次モニタ2Bにグラフイツク表示す
る。その際、収束判定フラグεa によつて解析途中であ
ることが判定されれば、解析途中であることを示すグラ
フイツクデータをモニタ2Bに表示し、全ての要素の物
理量が収束して数値解析が終了したことが判定されれ
ば、最終結果であることを示すグラフイツクデータを表
示する。
【0087】このようにしてポアソンソルバチツプ32
から反復計算途中の物理量を出力するようにし、ホスト
コンピユータ2においてはその反復計算途中の物理量を
順次表示することによつてポアソンソルバチツプで算出
されて行く物理量をリアルタイムでモニタ2Bに表示す
るようにしたことにより、モニタ2B上には最終結果に
向かつて時々刻々と変化する数値解析結果が表示される
ことになる。このように解析中の物理量をリアルタイム
で表示するようにしたことにより、オペレータは、数値
解析装置30において現在どこまで解析が進んでいるの
かといつたことや、現在どのような解析結果が得られて
いるのかといつたことを容易に知り得る。従つてこの表
示を見れば、最終結果を待たなくとも、初期条件や境界
条件が最適であつたか否かを判断し得、不適切であれば
速やかにそれらの条件を修正して数値解析をやり直すこ
とができ、その結果、効率的に数値解析することができ
る。
【0088】かくするにつき以上の構成によれば、ポア
ソンソルバチツプ32から反復計算途中の物理量を出力
することによつて解析対象の物理量をリアルタイムでモ
ニタ2Bに表示するようにしたことにより、オペレータ
は時々刻々と変化する数値解析状況を容易に確認するこ
とができ、かくして使い勝手の向上した数値解析装置3
0を実現することができる。
【0089】(3)他の実施例 なお上述の実施例においては、離散化ナブラ演算子∇a
を算出する部分とポアソン方程式を解く部分の両方をチ
ツプ化した場合について述べたが、本発明はこれに限ら
ず、一方だけをチツプ化して他方をホストコンピユータ
2で算出するようにしても良い。なぜなら簡易な構成で
かつ短時間で数値解析するという点においては、これだ
けでも十分な効果が得られるからである。またこれに限
らず、その2つの算出部分を1つのチツプに統合するよ
うにしても良いし、さらにはメモリ7やインターフエイ
ス回路6も含めて1つのチツプに統合するようにしても
良い。このようにすれば計算専用基板4の構成を一段と
簡易にできる。
【0090】また上述の実施例においては、要素の形状
を6面体とした場合について述べたが、本発明はこれに
限らず、要素の形状としては図26及び図27に示すよ
うな4面体や5面体であつても良い。因みに、4面体要
素及び5面体要素の場合には、(34)及び(35)式に示
した離散化ナブラ演算子∇a 及び要素体積Ve の定義式
を一段と簡易な式に変形し得る。この点について以下に
説明する。
【0091】まず4面体要素の場合には、形状関数Na
は次式
【数60】 のように表される。但し、a=1〜4であり、また
a 、ξa 、ηa 、ζa は1次独立な基底ベクトルであ
る。このためベクトルΔrのξ、η、ζ方向の平均値
は、それぞれ次式
【数61】
【数62】
【数63】 のように表される。従つてこのベクトルΔrの平均値を
使用すれば、要素体積Ve は次式
【数64】 のように表され、離散化ナブラ演算子∇a は次式
【数65】 のように表される。
【0092】また5面体要素の場合には、形状関数Na
は次式
【数66】 のように表される。但し、a=1〜6であり、la 、ξ
a 、ηa 、la ζa 、ξa ζa 、ηa ζa は1次独立な
基底ベクトルである。このためベクトルΔrのξ、η、
ζ方向の平均値は、それぞれ次式
【数67】
【数68】
【数69】 のように表される。従つてこのベクトルΔrの平均値を
使用すれば、要素体積Ve は次式
【数70】 のように表され、離散化ナブラ演算子∇a は次式
【数71】 のように表される。因みに、(34)及び(35)式は3次
元空間の定義式であるので4面体要素や5面体要素も含
むものであり、(34)及び(35)式を使つても4面体要
素や5面体要素の離散化ナブラ演算子∇a 及び要素体積
e を求めることは可能である。
【0093】また上述の実施例においては、解析対象の
場を速度場として説明したが、本発明はこれに限らず、
解析対象の場としては例えば温度場、応力場、電磁場
等、その他の場であつても良い。因みに、その際には、
vを温度ベクトルや応力ベクトル、或いは磁束密度ベク
トルや電流密度ベクトルとすれば良い。
【0094】また上述の実施例においては、GSMAC
有限要素法による数値解析に離散化ナブラ演算子∇a
適用した場合について述べたが、本発明はこれに限ら
ず、有限体積法による数値解析に離散化ナブラ演算子∇
a を適用するようにしても良い。なぜなら離散化ナブラ
演算子∇a を使用すれば、少なくとも係数行列の算出時
間を低減し得ると共に、メモリを低容量化し得るからで
ある。
【0095】また上述の実施例においては、ポアソンソ
ルバチツプ9及び32が内部にメモリを有し、計算過程
で生成されるデータを当該メモリによつて一時記憶する
ようにした場合について述べたが、本発明はこれに限ら
ず、それらのデータをメモリ7の空き領域に記憶するよ
うにしても良い。例えば第2実施例の場合には、図28
に示すように、計算専用基板40においてポアソンソル
バチツプ41がメモリ7の空き領域をアクセスし得るよ
うにし、計算過程で生成されるデータをメモリ7の空き
領域を使つて一時記憶するようにすれば良い。このよう
にすれば、メモリが無くなる分、ポアソンソルバチツプ
の構成を一段と簡易にすることができる。
【0096】また上述の第2実施例においては、CPU
33において2次元変換処理として平行投影を行つた場
合について述べたが、本発明はこれに限らず、任意の視
点を基準とした透視投影を行うようにしても良い。因み
に、透視投影の場合には、変換行列が若干異なるが、変
換処理としては基本的に平行投影と同様に、変換行列と
座標値とを乗算すれば良い。
【0097】
【発明の効果】上述のように本発明によれば、離散化ナ
ブラ演算子をその都度算出するために、少なくとも各要
素における複数次元座標の各節点に関する離散化ナブラ
演算子の各成分を並列的に算出するようにナブラ演算子
算出手段を集積回路化し、当該離散化ナブラ演算子の各
成分と解析対象の場における速度ベクトルの各成分とを
並列的に乗算すると共に、当該乗算結果をそれぞれ加算
することにより物理量を算出するように物理量算出手段
を集積回路化したことにより、従来に比してナブラ演算
子算出手段及び物理量算出手段を一段と容易に集積回路
化すると共に、複雑で負荷の重いナブラ演算子算出処理
及び物理量算出処理をナブラ演算子算出手段及び物理量
算出手段に専属化させることができるので、数値解析に
要する時間を低減してコンピユータに対して負荷をかけ
ることなく短時間で数値解析結果を求めて表示し得る数
値解析装置及び数値解析方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による数値解析装置の全体構
成を示すブロツク図である。
【図2】計算専用基板の構成を示すブロツク図である。
【図3】数値解析の全体手順を示すフローチヤートであ
る。
【図4】解析ソルバの処理手順を示すフローチヤートで
ある。
【図5】6面体要素の説明に供する略線図である。
【図6】デルチツプ及びポアソンソルバチツプのブロツ
ク図に使用される表記内容を示す図表である。
【図7】デルチツプの構成を示すブロツク図である。
【図8】デルチツプの構成を示すブロツク図である。
【図9】デルチツプの構成を示すブロツク図である。
【図10】デルチツプの構成を示すブロツク図である。
【図11】デルチツプの構成を示すブロツク図である。
【図12】デルチツプの構成を示すブロツク図である。
【図13】デルチツプの構成を示すブロツク図である。
【図14】ポアソンソルバチツプの構成を示すブロツク
図である。
【図15】ポアソンソルバチツプの構成を示すブロツク
図である。
【図16】ポアソンソルバチツプの構成を示すブロツク
図である。
【図17】ポアソンソルバチツプの構成を示すブロツク
図である。
【図18】ポアソンソルバチツプの構成を示すブロツク
図である。
【図19】ポアソンソルバチツプの構成を示すブロツク
図である。
【図20】数値解析装置によつて解析したビデオカメラ
内の空気の流れを示す略線図である。
【図21】数値解析装置によつて解析したビデオカメラ
内の温度分布を示す略線図である。
【図22】第2実施例による数値解析装置の全体構成を
示すブロツク図である。
【図23】第2実施例の計算専用基板の構成を示すブロ
ツク図である。
【図24】ホストコンピユータの内部構成の説明に供す
るブロツク図である。
【図25】第2実施例による数値解析手順の説明に供す
るフローチヤートである。
【図26】4面体要素の説明に供する略線図である。
【図27】5面体要素の説明に供する略線図である。
【図28】他の実施例によるポアソンソルバチツプの説
明に供するブロツク図である。
【符号の説明】 1、30……数値解析装置、2……ホストコンピユー
タ、2A……本体、2B……モニタ、3……伝送路、
4、31、40……計算専用基板、5……拡張ユニツ
ト、6……インターフエイス回路、7……メモリ、8…
…デルチツプ、9、32、41……ポアソンソルバチツ
プ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 棚橋隆彦ほか,オブジェクト指向FE Mのための離散化ナブラ演算子,日本機 械学会論文集(B編),日本,社団法人 日本機械学会,1996年 3月25日,第62 巻 第595号,p1036−1044 池田浩ほか,離散化ナブラ演算子法に よるNavier−Stokes方程式 の解法とPoisson方程式の高速解 法,日本機械学会論文集(B編),日 本,社団法人日本機械学会,1996年 3 月25日,第62巻 第595号,p1020− 1027 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 17/50

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】解析対象の場の物理量を算出する際、上記
    解析対象の場を分割して得られる各要素の節点及び要素
    情報に基づいて、空間微分のナブラ演算子を離散化して
    なる離散化ナブラ演算子を算出し、当該離散化ナブラ演
    算子を使用して上記解析対象の場の連続の式を満足する
    ように上記物理量を反復修正することにより当該連続の
    式を満足する物理量を算出する数値解析装置において、上記離散化ナブラ演算子を必要に応じてその都度算出す
    るために、少なくとも上記各要素における複数次元座標
    の各節点に関する上記離散化ナブラ演算子の各成分を並
    列的に算出するべく 集積回路化されたナブラ演算子算出
    手段と、上記ナブラ演算子算出手段によつて算出された上記離散
    化ナブラ演算子の各成分と、上記解析対象の場における
    速度ベクトルの各成分とを並列的に乗算すると共に、当
    該乗算結果をそれぞれ加算することにより上記物理量を
    算出するべく 集積回路化された物理量算出手段と、 上記物理量算出手段から出力された上記物理量を数値解
    析結果として表示部に表示するコンピユータとを具える
    ことを特徴とする数値解析装置。
  2. 【請求項2】上記物理量算出手段は、反復計算途中の物
    理量を出力し、 上記コンピユータは、上記物理量算出手段から出力され
    た上記反復計算途中の物理量を上記数値解析結果として
    表示することによつて上記物理量算出手段から順次算出
    される物理量を途中段階の数値解析結果としてリアルタ
    イムに表示することを特徴とする請求項1に記載の数値
    解析装置。
  3. 【請求項3】上記物理量算出手段は、上記物理量と共
    に、当該物理量が連続の式を満足するように収束したか
    否かを示す収束判定フラグを出力し、 上記コンピユータは、上記収束判定フラグを基に上記物
    理量が収束しているか否か判断し、当該物理量が収束し
    ていれば上記数値解析結果が最終結果であることを表示
    することを特徴とする請求項1に記載の数値解析装置。
  4. 【請求項4】解析対象の場の物理量を算出する際、上記
    解析対象の場を分割して得られる各要素の節点及び要素
    情報に基づいて、空間微分のナブラ演算子を離散化して
    なる離散化ナブラ演算子を算出し、当該離散化ナブラ演
    算子を使用して上記解析対象の場の連続の式を満足する
    ように上記物理量を反復修正することにより当該連続の
    式を満足する物理量を算出する数値解析方法において、集積回路化されたナブラ演算子算出手段によつて、上記
    離散化ナブラ演算子を必要に応じてその都度算出するた
    めに、少なくとも上記各要素における複数次元座標の各
    節点に関する上記離散化ナブラ演算子の各成分を並列的
    に算出する ナブラ演算子算出ステツプと、集積回路化された物理量算出手段によつて、上記ナブラ
    演算子算出ステツプで算出された上記離散化ナブラ演算
    子の各成分と、上記解析対象の場における速度ベクトル
    の各成分とを並列的に乗算すると共に、当該乗算結果を
    それぞれ加算することにより上記物理量を算出する 物理
    量算出ステツプと、 コンピユータを介して上記物理量算出ステツプによつて
    出力された上記物理量を数値解析結果として表示部に表
    示する表示ステツプとを具えることを特徴とする数値解
    析方法。
  5. 【請求項5】上記物理量算出ステツプでは、反復計算途
    中の物理量を出力し、 上記表示ステツプでは、上記物理量算出手段から出力さ
    れた上記反復計算途中の物理量を上記数値解析結果とし
    て表示することによつて上記物理量算出手段から順次算
    出される物理量を途中段階の数値解析結果としてリアル
    タイムに表示することを特徴とする請求項4に記載の数
    値解析方法。
  6. 【請求項6】上記物理量算出ステツプでは、上記物理量
    と共に、当該物理量が連続の式を満足するように収束し
    たか否かを示す収束判定フラグを出力し、 上記表示ステツプでは、上記収束判定フラグを基に上記
    物理量が収束しているか否か判断し、当該物理量が収束
    していれば上記数値解析結果が最終結果であることを表
    示することを特徴とする請求項4に記載の数値解析方
    法。
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池田浩ほか,離散化ナブラ演算子法によるNavier−Stokes方程式の解法とPoisson方程式の高速解法,日本機械学会論文集(B編),日本,社団法人日本機械学会,1996年 3月25日,第62巻 第595号,p1020−1027

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