JP3498529B2 - 蓄電装置 - Google Patents

蓄電装置

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JP3498529B2
JP3498529B2 JP08128897A JP8128897A JP3498529B2 JP 3498529 B2 JP3498529 B2 JP 3498529B2 JP 08128897 A JP08128897 A JP 08128897A JP 8128897 A JP8128897 A JP 8128897A JP 3498529 B2 JP3498529 B2 JP 3498529B2
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  • Direct Current Feeding And Distribution (AREA)
  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車に用い
て好適の、蓄電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電気自動車の実用性向上のための
技術開発が進められているが、現在の電気自動車の電源
としては、多数の蓄電池(以下、バッテリという)を直
列接続したもの(組電池)を使用している。このように
多数の蓄電池を直列接続した組電池の場合、組電池の出
力は、最も低い電圧の電池に依存するため、各電池を均
等に使用することができず、各電池の能力を最大限に発
揮させることができない。
【0003】ところで、リチウム電池のように、放電量
に依存して出力電圧が決定されるもの(図5参照)で
は、各電池の電圧を等しくすることで、各電池の放電量
(逆に言うと、充電量又は残存容量)を等しくすること
ができ、各電池の電圧が等しくなるように調整しなが
ら、充電を行なうようにすればよい。そこで、蓄電池
(バッテリ)の電圧均衡化回路が従来から提供されてお
り、図7に示すように構成されている。
【0004】図7に示す回路は、組電池の電圧均衡化回
路の1セル分(あるいは1モジュール分)を抜粋したも
のであり、各バッテリに同回路が装備される。そして、
このような回路をそなえた状態での充電動作が行なわれ
るが、充電動作の末期に該回路による放電動作が行なわ
れる。すなわち、充電の進行によりバッテリ101の端
子電圧が上昇するが、この状態を電圧監視回路(電圧検
出回路)104が監視しており、セルの両端電圧VBが
設定電圧以上になった場合に放電スイッチ102をオン
状態(閉状態)に移行させる。
【0005】これにより、放電抵抗器103への通電が
行なわれ、電気エネルギが熱に変換されることにより消
費される。この消費により、セル電圧VBが設定電圧以
下の電圧になれば、放電スイッチ102をオフ状態(開
状態)に移行させることが行なわれる。このような放電
スイッチ102のオン,オフが繰り返されることによ
り、バッテリセルの電圧VBは、設定電圧に調整され
る。
【0006】なお、実際の回路では、放電スイッチ10
2の代わりにパワートランジスタ等の電力素子を使用
し、オンオフ制御ではなく、リニア制御により電圧を調
整する等の方法が一般的である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
蓄電装置では、種々の課題がある。すなわち、上述の回
路による場合、設定電圧を超過したエネルギが放電抵抗
器103により熱の形で浪費されてしまう。このため、
電力損失が大きくなるとともに、放熱対策を考慮しなけ
ればならないことが大きな問題となる。
【0008】また、充電の末期のセル電圧VBが上昇し
た場合にだけ均衡化が可能であり、放電時や車両を使用
していない間の空き時間などを利用した電圧均衡化を行
なえないという課題がある。したがって、ハイブリッド
電気自動車のように発電走行時に満充電まで充電しない
ものには利用できない。
【0009】さらに、放電抵抗器や放熱板およびスイッ
チング用の素子など大容量のものを使用しなければなら
ず、装置が大型化したり、放熱のために冷却装置が必要
になるなど構造が単純にならないという課題もある。そ
こで、放電方式ではない均衡化回路が必要であり、その
一例として特開平6−319287号公報の技術が提供
されている。
【0010】この技術は、直列接続された組電池の両端
にコンデンサを接続して、各バッテリセル(充電単電
池)を略均一に充電するものであるが、大容量コンデン
サが必要であり、各バッテリセルの端子電圧を検出しな
がら所要の充電対象となるバッテリセルを選択する制御
は制御ロジックが複雑である。本発明は、上述の課題に
鑑み創案されたもので、電気エネルギの浪費を防止しな
がら、満充電ではない状態においても蓄電手段の充電量
の均衡化を行なうことができるようにした、蓄電装置を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の蓄電装置は、複数の蓄電手段を直列に接続さ
れて構成された蓄電装置において、上記の複数の蓄電手
段とそれぞれ並列接続しうるとともに互い直列に接続さ
れた複数の蓄電器と、上記の各蓄電器を対応した各蓄電
手段とそれぞれ並列接続させる第1の接続モード、及
び、上記の各蓄電器を対応する蓄電手段に隣接した蓄電
手段とそれぞれ並列接続させる第2の接続モードを選択
的に切り換える接続切換手段とをそなえ、該接続切換手
段による上記の第1及び第2の接続モードの切り換えが
繰り返して行なわれるように構成されたことを特徴とし
ている。
【0012】また、請求項2記載の本発明の蓄電装置
は、複数の蓄電手段を直列に接続されて構成された蓄電
装置において、上記の複数の蓄電手段とそれぞれ並列接
続された複数の蓄電器と、該複数の蓄電器と上記の各蓄
電器に対応した各蓄電手段との間にそれぞれ配置された
複数の抵抗器と、上記の各蓄電器を対応した各蓄電手段
とそれぞれ並列接続させる第1の接続モード、上記の各
蓄電器を対応する蓄電手段に隣接した蓄電手段とそれぞ
れ並列接続させる第2の接続モード、及び、上記の各蓄
電器を上記の各抵抗器を介して対応した各蓄電手段とそ
れぞれ並列接続させる第3の接続モードと、を選択的に
切り換える接続切換手段とをそなえ、電源投入時には、
該接続切換手段により最初に第3の接続モードに切り換
えられ、その後、上記の第1及び第2の接続モードの切
り換えが繰り返し行なわれるように構成されたことを特
徴としている。
【0013】また、請求項3記載の本発明の蓄電装置
は、請求項1又は2記載の装置において、該蓄電手段が
蓄電池であって、該蓄電装置が、該蓄電池を複数個直列
に接続されてなり電気自動車用電源として用いられる組
電池であることを特徴としている。さらに、請求項4記
載の本発明の蓄電装置は、請求項1〜3のいずれかに記
載の装置において、上記の第1及び第2の接続モードの
切り換えが繰り返されるように該接続切換手段を制御し
て上記の各蓄電手段の電位差を等しくさせる制御手段を
そなえていることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明すると、図1〜図5は本発明の第1
実施形態としての蓄電装置を示すものであり、図6は本
発明の第2実施形態としての蓄電装置を示すものであ
る。まず、第1実施形態の回路構成について説明する
と、図1,図2に示すように、本蓄電装置では、複数の
蓄電手段としての蓄電池(二次電池、以下、バッテリと
もいう)1〜5が直列に接続された組電池として構成さ
れている。なお、この例では、複数のバッテリが直列接
続した例として、5個のバッテリを接続した例を示して
いるが、勿論、バッテリ数はこれに限定されるものでは
ない。
【0015】そして、複数の蓄電手段1〜5とそれぞれ
並列接続しうるとともに互い直列に接続された複数の蓄
電器(コンデンサ)C1〜C5が設けられている。さら
に、各蓄電器C1〜C5の相互間と、対応した各蓄電池
1〜5の相互間との間に、接続切換手段としてのスイッ
チS1〜S5が介装されるとともに、組電池の一端側
(端子A側)の蓄電池1のセルと他端側(端子B側)の
蓄電池5のセルとをリング状に連結する連結部8に接続
切換手段としてのスイッチS0,S6が装備されてい
る。
【0016】すなわち、蓄電池1,2の相互間には端子
S1B,S2Aが、蓄電池2,3の相互間には端子S2
B,S3Aが、蓄電池3,4の相互間には端子S3B,
S4Aが、蓄電池4,5の相互間には端子S4B,S5
Aがそれぞれ接続され、組電池の一端側と蓄電池1との
間には端子S0B,S1Aが、組電池の他端側と蓄電池
5との間には端子S5B,S6Aがそれぞれ接続され、
さらに、蓄電器C1の一端側には端子S6Bが、蓄電器
C4の蓄電器C5側端には端子S0Aが、それぞれ接続
されている。
【0017】そして、蓄電器C1の一端側には端子S1
Aと端子S1Bとを選択的に接続切り換えしうるスイッ
チS1が、蓄電器C1と蓄電器C2との相互間には端子
S2Aと端子S2Bとを選択的に接続切り換えしうるス
イッチS2が、蓄電器C2と蓄電器C3との相互間には
端子S3Aと端子S3Bとを選択的に接続切り換えしう
るスイッチS3が、蓄電器C3と蓄電器C4との相互間
には端子S4Aと端子S4Bとを選択的に接続切り換え
しうるスイッチS4が、蓄電器C4の蓄電器C5側には
端子S5Aと端子S5Bとを選択的に接続切り換えしう
るスイッチS5が、それぞれ設けられ、蓄電器C5の一
端側(蓄電器C4側)には端子S0Aと端子S0Bとを
選択的に接続切り換えしうるスイッチS0が、蓄電器C
5の他端側には端子S6Aと端子S6Bとを選択的に接
続切り換えしうるスイッチS6が、それぞれ設けられ
る。
【0018】そして、これらのスイッチS0〜S6は連
動して切り換えられるように構成され、それぞれが端子
S0A〜S6Aに接続した状態(第1の接続モードM
1)と、それぞれが端子S0B〜S6Bに接続した状態
(第2の接続モードM2)との間で、一斉に同期して切
り換えられるように構成されている。なお、第1の接続
モードM1では、各蓄電器C1,C2,C3,C4,C
5が、対応した各蓄電池1,2,3,4,5とそれぞれ
並列接続させた状態になり、第2の接続モードM2で
は、各蓄電器C1,C2,C3,C4,C5が、対応す
る蓄電池1〜5に隣接した蓄電池2,3,4,5,1と
それぞれ並列接続させた状態になる。
【0019】また、接続切換手段S0〜S6による第1
の接続モードM1と第2の接続モードM2との切換を制
御する制御手段7が設けられており、この制御手段7か
らの制御信号により所要の周期でモード切り換えを繰り
返し行ないながら、各蓄電池1〜5の電位差を等しくさ
せていくように構成されている。なお、本実施形態で
は、接続切換手段をスイッチS0〜S6で構成している
が、実際の回路構成では、制御性や耐久性を考慮する
と、トランジスタ等の無接点切り換え手段で構成するこ
とが考えられる。
【0020】また、本実施形態の蓄電装置は、電気自動
車用電源として用いられる組電池(=複数の蓄電池を接
続してなる電池)に適用しうるものである。現状の電気
自動車の場合、一般に20〜30個程度のバッテリを直
列に接続した組電池が使用されるが、本蓄電装置は当然
ながらこのような多数のバッテリからなる組電池にも適
用しうる。
【0021】本発明の第1実施形態としての蓄電装置
は、上述のように構成されているので、次のような動作
が行なわれる。まず、端子A,B間に充電用の電圧が印
加され、蓄電池1〜5への充電が行なわれる。そして、
スイッチS0〜S6が制御手段7からの制御信号により
連動して切り換えられ、端子S0A〜S6Aへの接続状
態と、端子S0B〜S6Bへの接続状態とが、一斉に切
り換えられる。
【0022】これにより、各蓄電器C1,C2,C3,
C4,C5が対応した各蓄電池1,2,3,4,5とそ
れぞれ並列接続する第1の接続モードM1と、各蓄電器
C1,C2,C3,C4,C5が対応する蓄電池1〜5
に隣接した蓄電池2,3,4,5,1とそれぞれ並列接
続する第2の接続モードM2とが選択的に切り換えられ
る。
【0023】そして、このような接続切換手段S0 〜S
6による第1の接続モードM1と第2の接続モードM2
との切り換えが、制御手段7からの制御信号により所要
の周期で繰り返し行なわれることで、各蓄電池1〜5の
電位差が次第に等化していくのである。ここで、上述の
各蓄電池1〜5の電位差を等しくさせる制御動作を、電
池1と電池2との間の動作に注目して説明する。
【0024】まずはじめに、電池1の電圧がV1、電池
2の電圧がV2(V1>V2)であったものとする。図
3のように、スイッチS1,S2が左側へ揺動され、そ
れぞれ端子S1A,S2Aに接続されて、コンデンサC
1と電池1とが並列接続になると、電池1の電圧及びコ
ンデンサの電位差はそれぞれV1′となる。このV1′
は、V1よりも電池1からコンデンサへ流入した電荷に
応じた分(微小量)v1 だけ低い電圧(=V1−v1
である。
【0025】次に、図4のように、スイッチS1,S2
が右側へ揺動され、端子S1B,S2Bに接続されて、
コンデンサC1と電池2とが並列接続になると、電池2
の電圧及びコンデンサの電位差はそれぞれV2′とな
る。このV2′は、V2よりも電池2からコンデンサへ
流入した電荷分(微小量)v2 だけ高い電圧(=V2+
2 )である。
【0026】このようにして、コンデンサC1を介し、
電池1から電池2へ電荷が移送されて電池1の電圧はV
1から徐々に減少し、電池2の電圧はV2から徐々に増
加して、やがて電池1,電池2の電圧は等しい値V12
(V1>V12>V2)となるのである。ここで、蓄電池
1〜5は例えばリチウム電池で形成されており、図5に
示すリチウム電池の特性のように、電圧が放電量に依存
して決定される。逆に言えば、電池電圧は充電量(蓄電
量)に依存して決定されるともいえる。したがって、か
かる電圧の均衡化により、所望の放電量、即ち、充電量
(蓄電量)の状態に調整されることになる。
【0027】なお、図5中に示されるニッケル電池の特
性のように、放電量に対し電圧が一意に定まらない平坦
な特性の蓄電池では、電圧の均衡化により放電量(充電
量)が所望の状態にならないが、上記のリチウム電池の
ように放電量に対し電圧が一意に定まるものでは、組電
池の各バッテリの放電量(充電量)が所望の状態に均一
化されるため、かかる電池(例えばリチウム電池)の性
能をフルに活用することができるようになる。
【0028】上述のようにして、電圧均衡化による充電
量(充電率)の均衡化動作が、各蓄電池1〜5について
それぞれに行なわれる。このように、本装置では、コン
デンサC1〜C5を介して電荷を移動することにより各
電池1〜5の電圧を均衡化するため、大きな発熱要素が
存在せず、発熱によるエネルギ損失を回避した状態での
均衡化が実現される。
【0029】また、組電池への満充電までの充電中に限
らず、すべての状態で均衡化の動作を行なうことができ
るため、放電中や電池未使用時等においても均衡化の動
作を行なわせることができる。もちろん、ハイブリッド
電気自動車のように発電走行時に満充電まで充電しない
ものにも利用することができる。ところで、このような
回路を実際に適用する場合には、効率がよく動作が確実
で耐久性のよいことが必要となるが、このような具体的
条件を考慮すると、スイッチS0〜S6には電力素子
(FETあるいはIGBT)等のスイッチングロスが極
力小さなものを使用し、制御手段7に外部発振回路等に
より自動的にスイッチS0〜S6の切り換え動作を行な
わせる回路を装備することが好ましい。
【0030】また、コンデンサC1〜C5には比較的容
量の大きなコンデンサ、例えば電気二重層コンデンサを
用いれば速やかな電圧の均衡化を行なえるが、例えば常
時又は頻繁にこのような電圧の均衡化制御を行なうよう
にすれば、小容量のコンデンサを用いても実用上十分に
電圧の均衡化による充電量の均衡化を行なうことができ
る。
【0031】さらに、コンデンサC1〜C5への突入電
流の防止回路や初期充電回路も必要と考えられる。ま
た、制御手段7については、スイッチS0〜S6切り換
えの連続動作以外に、メンテナンスを行なう時に用いる
メンテナンススイッチを設けたり、外部の電圧測定回路
などにより必要が生じた場合に駆動する方法や、車両不
使用時に駆動する方法や、タイマー回路などで一定時間
ごとに駆動する方法、接続される電気負荷の制御回路等
(電気自動車の場合は、モータコントローラや残存容量
計など)からの均衡化指示を受けた場合に駆動する方法
などのさまざまな組み合わせが考えられる。
【0032】また、本蓄電装置は、蓄電手段としてバッ
テリに代えてコンデンサ(蓄電器)を用いるようにした
組蓄電器にも適用しうるものである。つまり、複数の直
列接続された蓄電池(バッテリ)からなる組電池に代え
て、複数の直列接続された蓄電器(コンデンサ)からな
る組蓄電器に適用することも考えられる。そして、組電
池状態又は組蓄電器状態にした場合にセル電圧のばらつ
きによる各種不具合が顕著化しやすいバッテリや電気二
重層コンデンサなどについて上述の構造を採用し、電圧
均衡化回路を構成すれば、大きなエネルギ損失の発生な
しに常時電圧の均衡化を行なえるシステムを実現できる
ようになる。
【0033】本回路の作動を常時ではなく、バッテリセ
ル電圧モニタなどにより、任意の必要な時期に電圧を均
衡化する方法等を具現化することができる。特に、リチ
ウムイオン電池に本回路を適用することにより、リチウ
ムイオン電池の能力を100パーセント引き出した上で
の、安全性の確保が容易になる。なお、セル電圧のアン
バランスが大きい場合から小さくなった場合に移行する
に従い、制御手段による接続モード切り換えの速度を変
化させることにより、電圧均衡化の所要時間を短縮させ
ることもできる。
【0034】次に、本発明の第2実施形態としての蓄電
装置について説明すると、図6に示すように、複数の蓄
電手段としての蓄電池(バッテリ)11,12が直列に
接続されており、これにより組電池が構成されている。
なお、この例では、2個のバッテリを接続した例を示し
ているが、第1実施形態と同様、バッテリ数はこれに限
定されるものではない。
【0035】そして、各蓄電手段11,12に対してそ
れぞれ並列接続可能な複数の蓄電器(コンデンサ)C1
1,C12が設けられている。さらに、各蓄電器C1
1,C12と各蓄電池11,12との間には、接続切換
手段としてのスイッチS11〜S14が介装されてい
る。ここで、蓄電池11,12の相互間には端子S11
B,S12A,S12C,S13A,S13C及びS1
4Bが、蓄電池11の一端側(端子A側)には、端子S
11A,S11C及びS13Bが、蓄電池12の他端側
(端子B側)には、端子S12B,S14A及びS14
Cが、それぞれ接続されている。
【0036】また、図6に示すように、蓄電池11の端
子A側と端子S11Cとの間には、所望の抵抗値を有す
る抵抗器R11が接続されており、また、蓄電池12の
端子B側と端子S14Cとの間には、所望の抵抗値を有
する抵抗器R12が接続されている。また、蓄電器C1
1の一端側には端子S11A,端子S11B又は端子S
11Cに選択的に接続切り換え可能なスイッチS11
が、又、蓄電器C11の他端側には端子S12A,端子
S12B又は端子S12Cに選択的に接続切り換え可能
なスイッチS12がそれぞれ設けられている。
【0037】さらに、蓄電器C12の一端側には端子S
13A,端子S13B又は端子S13Cに選択的に接続
切り換え可能なスイッチS13が、又、蓄電器C12の
他端側には端子S14A,端子S14B又は端子S14
Cに選択的に接続切り換え可能なスイッチS14がそれ
ぞれ設けられている。そして、これらのスイッチS11
〜S14は連動して切り換えられるように構成され、そ
れぞれが端子S11A〜S14Aに接続した状態(第1
の接続モードM1)と、それぞれが端子S11B〜S1
4Bに接続した状態(第2の接続モードM2)と、それ
ぞれが端子S11C〜S14Cに接続した状態(第3の
接続モードM3)との間で、一斉に同期して切り換えら
れるように構成されている。
【0038】なお、第1の接続モードM1では、各蓄電
器C11,C12が、対応した各蓄電池11,12とそ
れぞれ並列接続された状態となり、第2の接続モードM
2では、各蓄電器C11,C12が、対応する蓄電池1
1,12に隣接した蓄電池12,11とそれぞれ並列接
続された状態となる。また、第3の接続モードM3で
は、各蓄電器C11,C12が、抵抗器R11,R12
を介してそれぞれ蓄電池11,12に並列接続された状
態となる。
【0039】そして、接続切換手段S11〜S14によ
る第1の接続モードM1,第2の接続モードM2及び第
3の接続モードM3の切換を制御する制御手段17が設
けられており、この制御手段17からの制御信号により
所要の切り換え状態でモード切り換えを繰り返し行ない
ながら、各蓄電池11,12を電位差を等しくさせてい
くように構成されている。
【0040】なお、本実施形態では、接続切換手段を機
械的なスイッチS11〜S14で構成しているが、実際
の回路構成では、制御性や耐久性を考慮すると、トラン
ジスタ等の半導体素子による半導体切り換え手段(半導
体スイッチ)により構成することが考えられる。ところ
で、本実施形態のように、抵抗器R11,R12及び端
子S11〜S14Cを設けているのは、以下の理由によ
るものである。
【0041】すなわち、蓄電器(コンデンサ)C11,
C12は、蓄電池(バッテリ)11,12と同様に電荷
を蓄える作用があるが、通常は、コンデンサはバッテリ
と異なり自己放電が比較的顕著である。したがって、上
述のような蓄電装置を電気車両に搭載して長時間車両を
放置した場合等には、蓄電器C11,C12の電荷がな
くなっている場合が考えられる。
【0042】この場合、車両のキースイッチをオフ(即
ち、イグニッションオフ)にしても、スイッチS11〜
S14が第1の接続モードM1又は第2の接続モードM
2に保持されていれば、蓄電器C11,C12は端子S
11A〜S14A又は端子S11C〜S14Cを介して
蓄電池11,12と接続された状態に保持されるので、
蓄電器C11,C12が完全に放電してしまうことはあ
まり考えられない。
【0043】しかしながら、接続切換手段に機械的なス
イッチではなくトランジスタ等の半導体スイッチを用い
た場合には、キースイッチオフの時には、半導体スイッ
チの特性により各スイッチS11〜S14がいずれの端
子とも接しない状態となり、自己放電を助長させてしま
うのである。そして、このように蓄電器C11,C12
が電荷を蓄えていない状態(即ち、放電した状態)で、
回路を始動させる場合(イグニッションをオンにした場
合)や、充電のために端子A,B間に充電器を接続した
場合)には、抵抗器R11,R12を設けないと、蓄電
器C11,C12に急激に大電流(このような大電流を
突入電流ともいう)が流れることになり、蓄電器C1
1,C12を損傷させてしまうおそれがある。
【0044】そこで、本実施形態では、このような突入
電流を回避すべく、上述の第1実施形態に対して、蓄電
器C11,C12が抵抗器R11,R12を介して蓄電
池11,12と接続されるような第3の接続モードM3
を設けているのである。なお、蓄電器C11,C12が
電荷を蓄えている状態(即ち、充電されている状態)で
は、蓄電器C11,C12自体が抵抗器として作用する
のでこのような突入電流が蓄電器C11,C12に流れ
ることはない。
【0045】そして、本実施形態では、回路を始動させ
る場合(例えば、イグニッションキーオン時)や端子
A,B間に充電用の電圧が印加されたとき)には、制御
手段17からの制御信号によりスイッチS11〜S14
が連動して端子S11C〜C14Cに接続されて、最初
に第3の接続モードM3に切り換えられるようになって
いる。
【0046】また、このように蓄電器C11,C12を
抵抗器R11,R12を介して蓄電池11,12や充電
器に接続することにより、蓄電器C11,C12が放電
状態であっても、蓄電器C11,C12に突入電流が流
れるのを回避しながら蓄電器C11,C12を充電する
ことができるのである。そして、蓄電器C11,C12
が充電されるまでの所定時間経過した後、スイッチS1
1〜S14が第1の接続モードM1と第2の接続モード
M2とに交互に切り換え制御されるようになっているの
である。
【0047】なお、この第2実施形態の蓄電装置は、第
1実施形態と同様に電気自動車用電源として用いられる
組電池(=複数の蓄電池を接続してなる電池)に適用し
うるものである。現状の電気自動車の場合、一般に20
〜30個程度のバッテリを直列に接続した組電池が使用
されるが、本蓄電装置は当然ながらこのような多数のバ
ッテリからなる組電池にも適用しうる。
【0048】本発明の第2実施形態としての蓄電装置
は、上述のように構成されているので、次のような動作
が行なわれる。まず、電源投入時、即ち、回路を始動さ
せる場合(例えばイグニッションキーオン時や各蓄電池
11,12に端子A,B間に充電用の電圧が印加された
とき)、スイッチS11〜S14が制御手段17からの
制御信号により連動して切り換えられ、第3の接続モー
ドM3に制御される。
【0049】すなわち、この場合には、各スイッチS1
1〜S14は、端子S11C〜C14Cに接続された状
態となり、各蓄電器C11,C12が、抵抗器R11,
R12を介してそれぞれ蓄電池11,12に接続された
状態となる。これにより、各蓄電器C11,C12に電
荷が全くない状態であっても、電源投入時や充電時に、
蓄電器C11,C12に蓄電池11,12や充電器から
大電流(突入電流)が流れることがなく、蓄電器C1
1,C12を十分に保護することができる。
【0050】そして、所定時間だけ経過すると、蓄電器
C11,C12が十分に充電されたものとして、スイッ
チS11〜S14が制御手段17からの制御信号により
連動して切り換えられ、端子S11A〜S14Aへの接
続状態と、端子S11B〜S14Bへの接続状態とが、
一斉に切り換えられる。これにより、各蓄電器C11,
C12が対応した各蓄電池11,12とそれぞれ並列接
続する第1の接続モードM1と、各蓄電器C11,C1
2が対応する蓄電池11,12に隣接した蓄電池12,
11とそれぞれ並列接続する第2の接続モードM2とが
選択的に切り換えられる。
【0051】そして、このような接続切換手段としての
スイッチS11〜S14による第1の接続モードM1と
第2の接続モードM2との切り換えが、制御手段7から
の制御信号により所要の周期で繰り返し行なわれること
で、各蓄電池11,12の電位差が次第に等化されてい
くのである。なお、各蓄電池11,12の電位差を等し
くさせる制御動作は、上述の第1実施形態と同様のもの
となるため、ここでは省略する。
【0052】このように、第2実施形態の蓄電装置で
は、上述の第1実施形態における効果ないし利点に加え
て、以下のような効果が得られる。すなわち、蓄電器C
11,C12が電荷を蓄えていない状態(即ち、放電し
た状態)で、回路を始動させる場合(例えはイグニッシ
ョンをオンにした場合や、充電のために端子A,B間に
充電器を接続した場合)、蓄電器C11,C12には、
抵抗器R11,R12を介して電流が流れるので、蓄電
器C11,C12に急激に大電流(突入電流)が流れる
のを防止することができ、蓄電器C11,C12を十分
に保護することができる利点がある。
【0053】また、本実施形態によれば、このような突
入電流を防止することができるので、蓄電器C11,C
12の耐電流の仕様を必要最小限にできるため、小容量
のコンデンサを用いることができ、蓄電器C11,C1
2の小型化が可能となるという利点がある。
【0054】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の蓄電装置によれば、複数の蓄電手段の間において
電荷を移送できるようになり、電圧均衡化に際してのア
ンバランス電圧分を、放熱により浪費させることなく、
他より低電圧の蓄電手段における電圧上昇に利用できる
ようになって、電力損失の低減をはかれるようになると
ともに、放熱に対する対策を行なう必要がなくなる利点
がある。
【0055】また、請求項2記載の本発明の蓄電装置に
よれば、蓄電器が電荷を蓄えていない状態で、蓄電器に
電圧を印加した場合であっても、蓄電器には、抵抗器を
介して電流が流れるので、蓄電器に急激に突入電流が流
れるのを防止することができ、蓄電器を十分に保護する
ことができる利点がある。また、上述のような突入電流
を防止することができるので、蓄電器の耐電流の仕様を
必要最小限にでき、小容量のコンデンサを用いることが
でるという利点がある。
【0056】また、請求項3記載の本発明の蓄電装置に
よれば、電圧の均衡化を電気自動車用電源として用いら
れる組電池において種々の状況下で支障なく行なえるよ
うになる利点がある。さらに、請求項4記載の本発明の
蓄電装置によれば、制御手段による第1及び第2の接続
モードの切り換えの繰り返しにより、熱の発生を伴わな
いで電圧均衡化を行なえるようになり、例えば組電池内
のバッテリセル(またはバッテリモジュール)の電圧均
衡化を、充電末期に限らず、走行中、充電中、放電中な
ど使用状況にとらわれることなく行なうことができるよ
うになる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としての蓄電装置の要部
構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第1実施形態としての蓄電装置の動作
を説明するための図1に対応した回路図であり、図1と
は異なる動作態様を示す図である。
【図3】本発明の第1実施形態としての蓄電装置の動作
原理を説明するための要部回路図である。
【図4】本発明の第1実施形態としての蓄電装置の動作
原理を説明するための要部回路図である。
【図5】本発明の第1実施形態としての蓄電装置におけ
る電池の特性を示すグラフである。
【図6】本発明の第2実施形態としての蓄電装置の要部
構成を示す回路図である。
【図7】従来の蓄電装置を示す模式的回路図である。
【符号の説明】
1〜5,11,12 蓄電手段としての蓄電池(二次電
池又はバッテリ) 7,17 制御手段 C1〜C5,C11〜C12 蓄電器(コンデンサ) S0〜S6,S11〜S14 接続切換手段としてのス
イッチ S0A〜S6A,S0B〜S6B,S11A〜S14
A,S11B〜S14B,S11C〜S14C 端子 R11,R12 抵抗器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−319287(JP,A) 特開 昭56−71433(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02J 7/00 - 7/10 B60L 11/18 H02J 1/00 - 1/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の蓄電手段を直列に接続されて構成
    された蓄電装置において、 上記の複数の蓄電手段とそれぞれ並列接続された複数の
    蓄電器と、 上記の各蓄電器を対応した各蓄電手段とそれぞれ並列接
    続させる第1の接続モード、及び、上記の各蓄電器を対
    応する蓄電手段に隣接した蓄電手段とそれぞれ並列接続
    させる第2の接続モードを選択的に切り換える接続切換
    手段とをそなえ、 該接続切換手段による上記の第1及び第2の接続モード
    の切り換えが繰り返して行なわれるように構成されたこ
    とを特徴とする、蓄電装置。
  2. 【請求項2】 複数の蓄電手段を直列に接続されて構成
    された蓄電装置において、 上記の複数の蓄電手段とそれぞれ並列接続された複数の
    蓄電器と、 該複数の蓄電器と上記の各蓄電器に対応した各蓄電手段
    との間にそれぞれ配置された複数の抵抗器と、 上記の各蓄電器を対応した各蓄電手段とそれぞれ並列接
    続させる第1の接続モード、上記の各蓄電器を対応する
    蓄電手段に隣接した蓄電手段とそれぞれ並列接続させる
    第2の接続モード、及び、上記の各蓄電器を上記の各抵
    抗器を介して対応した各蓄電手段とそれぞれ並列接続さ
    せる第3の接続モードと、を選択的に切り換える接続切
    換手段とをそなえ、 電源投入時には、該接続切換手段により最初に第3の接
    続モードに切り換えられ、その後、上記の第1及び第2
    の接続モードの切り換えが繰り返し行なわれるように構
    成されたことを特徴とする、蓄電装置。
  3. 【請求項3】 該蓄電手段が蓄電池であって、該蓄電装
    置が、該蓄電池を複数個直列に接続されてなり電気自動
    車用電源として用いられる組電池であることを特徴とす
    る、請求項1又は2記載の蓄電装置。
  4. 【請求項4】 上記の第1及び第2の接続モードの切り
    換えが繰り返されるように該接続切換手段を制御して上
    記の各蓄電手段の電位差を等しくさせる制御手段をそな
    えていることを特徴とする、請求項1〜3のいすれかに
    記載の蓄電装置。
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