JP3495378B2 - カゼイノグリコペプチドの製造及び精製方法 - Google Patents

カゼイノグリコペプチドの製造及び精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々の生理活性を有す
るカゼイノグリコペプチドの新規な製造方法並びにその
構成成分であるシアロ型−カゼイノグリコペプチド及び
アシアロ型−カゼイノグリコペプチドの新規な分離方
法、およびこれらの方法により得られるカゼイノグリコ
ペプチドに関する。
【0002】
【従来の技術】ホエーはチーズやカゼインの製造工程で
全世界的に大量に生産されており、ラクトース、ホエー
タンパク質、ビタミン及びミネラルを含む、有用な食品
素材である。しかしながら、ホエーの利用は家畜飼料、
育児用調製粉乳、菓子材料及び飲料などへの「1次素
材」としての利用に限定されており、欧米ではその多く
が廃棄されて環境汚染に深刻な問題を投じている。
【0003】チェダーチーズなどの熟成チーズの製造工
程で排出される甘性ホエー(sweet whey)中
には、主要なタンパク質成分としてのβ−ラクトグロブ
リン及びαーラクトアルブミンの他に、レンネット処理
によりκ−カゼインから生じたカゼイングリコペプチド
(106−109残基、以下「CGP」と略す)が含ま
れており、これはシアル酸を結合しているシアロ−CG
Pとシアル酸を結合していないアシアロ−CGPからな
る。CGPはカゼインやフレッシュチーズの製造工程で
排出される酸性ホエーには全く含まれていない。
【0004】近年、牛乳タンパク質のプロテアーゼ消化
物から、続々と生物活性を有する“bioactive
peptides”が見い出されている。例えば、オ
ピオイドペプチドとしてのカゾモルフィンやカゾキシン
及びミネラルキャリアーとしてのカゼインホスホペプチ
ドである。CGPもまた、種々の生物活性を有する糖ペ
プチドであり、すでにインフルエンザウイルスに対する
抗活性、コレラトキシンに対する中和活性が知られてい
る。最近では、イヌの食欲を減少させる新しい活性が見
い出され(Stan & Groisman,Bull
etin ofExperimental Biolo
gy and Medicine,96,889(19
83))、食欲調節機構の解明に興味が持たれるととも
に、欧米では大きな問題である「肥満防止食品」の開発
等につながると注目されている。
【0005】これまでに、CGPを製造する方法がいく
つか提案されている。例えば、カゼイン溶液からレンネ
ットカゼインカードを調製する際に得られる排出液を原
料とし、この排出液のpHを酸性にすることによって生
成する沈澱を除去し、得られた上澄みを脱塩処理してC
GPを製造する方法(特開昭63−284199号公
報)、CGPを含有する乳質原料物質をpH4未満に調
整した後、分画分子量10,000〜50,000の膜
を用いて限外濾過処理を行って得られた濾過液を分画分
子量50,000以下の膜を用いて濃縮する方法(特開
平2−276542号公報)がある。また、酸カゼイン
を出発原料として粗CGPを調製し、これをセロトニン
カラムクロマトグラフィーを利用して精製することによ
って、シアロ型(シアル酸を結合する)−CGPを得る
方法も提案されている(日本農芸化学会講演要旨集63
巻3号・p.255/講演番号3Cp15)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来方法によってCGPの製造若しくは精製を行う場合、
次のような問題点があり商業ベースの生産には適さなか
った。
【0007】(1)カゼインのレンネット処理液を利用
する方法においては、普通のチーズホエーを原料とする
のと異なり、CGPを得るために他の成分を犠牲にする
など、商業ベースでみた場合、問題がある。
【0008】(2)限外濾過膜を用いる方法において
は、膜処理のみでは高純度のCGPが得られない。
【0009】(3)セロトニンカラムは、シアル酸、特
にN−アセチルノイラミン酸(NeuNAc)に特異的
なアフィニテイーを持ち、シアル酸残基数に基づく分離
が可能である。しかし、CGPのマクロスケールでの分
取を考えると、カラムの吸着量は微量であり、かなり大
型のカラムを必要とすることが予想される。更に、カラ
ムからの溶出には50mMNaClの高塩濃度(緩衝)
液を用い、最終的なCGPの精製には脱塩操作を行わな
ければならない。
【0010】一方、チーズの製造工程で副産物として大
量に生産されるチーズホエーからCGPを安価にかつ工
業的規模で調製する方法は、大量に混在する他成分の影
響で、未だ確立していなかった。
【0011】更に、前記精製方法よりも優れたシアロ−
CGP及びアシアロ−CGPの分離精製方法も確立して
いなかった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者は、各分野で需
要が見込まれるCGPの工業的な調製方法とともに、シ
アリダーゼ(EC3.2.1.18)に対する基質とし
てのシアロ−CGPとエンド−α−N−アセチルガラク
トサミニダーゼ(EC3.2.1.97)に対する基質
としてのアシアロ−CGPの効率的な分離精製方法を確
立すべく鋭意研究を重ねた。その結果、CGPを含有す
るチーズホエー等を出発物質とし、ホエータンパク質を
熱凝固した後、アルコール処理、イオン交換クロマトグ
ラフィーによる処理などを施すことによって、高濃度の
CGPを工業的規模で製造することができることを見い
出した。また、このようにして得られたCGPをピーナ
ッツレクチンアフィニティークロマトグラフィーにかけ
ることによって、シアロ−CGPとアシアロ−CGPに
分離できることをも見い出した。本発明はこのような知
見に基づいて完成したものである。
【0013】すなわち、本発明は、CGPを含有するチ
ーズホエー、ホエータンパク質、ホエーミネラル等を出
発物質とし、この出発物質のpHを3〜6に調整し、加
熱・冷却してアルコール(エタノールが好ましい)を添
加後、一定時間静置した混合物を遠心分離し、上澄み液
をイオン交換クロマトグラフィーにかけて吸着・溶離し
て得られた液を濃縮することを特徴とするCGPの製造
方法および当該方法により得られるCGPである。
【0014】更に、本発明は、上記の製造方法で得られ
たCGPをレクチンアフィニティーカラムクロマトグラ
フィーにより、シアロ−CGP及びアシアロ−CGPに
分離することを特徴とするCGPの精製方法並びに当該
方法により得られるCGPである。レクチンには、ピー
ナッツレクチン、マッシュルームレクチン、ヒママメR
CA60レクチンなどがあるが、ピーナッツレクチンが特
に好ましい。
【0015】以下に、本発明の基礎となった実験を記す
ことによって、本発明を更に詳細に説明する。
【0016】
【実験例】材料と方法 (材料) 出発物質としては、ホルスタインーフリージアン乳牛の
乳から製造した市販の甘性チーズホエー粉末(四ツ葉乳
業株式会社製、以下「CWP」と略す)を用いた。イオ
ン交換クロマトグラフィーは、DEAE−Toyope
arl 650M(トーソー株式会社製)を使用した。
CGPの精製に用いるアフィニティークロマトグラフィ
ーの充填剤としては、ピーナッツ(Arachis
ypogoea)レクチン(PNA)−セファロース4
B(アガロースゲル1ml中に5.0mgのPNAを含
有、豊年製油株式会社製)を入手した。HPLCによる
CWPとCGPの分析に際して対照として用いたCGP
は、本発明者らが先に報告した方法により調製した(S
aito,T.,T.Ito,and S.Adach
i.1980.ウシ初乳から得たN−アセチルグルコサ
ミン含有テトラサッカライドの化学的構造.Bioch
im.Biophys.Acta.673:487;
Saito,T.,T.Itoh,S.Adachi,
T.Suzuki,and T.Usui.1981.
ウシ初乳κ−カゼインから得られた中性及び酸性糖鎖の
化学構造.Biochim.Biophys.Act
a.678:257; Saito,T.,T.Ito
h,S.Adachi,T.Suzuki,and
T.Usui.1982.分娩時に採取したウシ初乳κ
−カゼインから単離した新しいヘキササッカライド.B
iochim.Biophys.Acta.719:3
09)。α−ラクトアルブミン(α−La)及びβ−ラ
クトグロブリン(β−Lg)はシグマ(Sigma)社
(米国)から、ウシ血清免疫グロブリンG(IgG)は
バイオプロダクツ(Bioproducts)社(ベル
ギー)からそれぞれ購入した。
【0017】(分析方法)後記のCGPの単離(予備実
験I〜V)、アフィニティークロマトグラフィーによるシ
アロ−CGP及びアシアロ−CGPの分離並びにアシア
ロ−CGPの調製に際しては、次のような分析方法及び
分析条件を採用した。
【0018】12%TCAに溶ける総(粗)タンパク質
及び非タンパク質窒素(NPN)は、ミクロケルダール
(micro−Kjeldahl)法(Nファクター=
6.38)によって定量した。中性糖の含有量はフェノ
ール−H2SO4反応(Dubois,M.,K.A.G
illes,J.K.Hamilton,P.A.Re
bers,and F.Sumith.1956.糖類
及び関連物質の比色定量法.Anal.Chem.2
8:350)により、シアル酸(N−アセチルノイラミ
ン酸:以下「NANA」と略す)はアミノフ(Amin
off)の方法(Aminoff,D.1961.N−
アセチルノイラミン酸の諸定量方法及びそれらの唾液ム
コイド類の加水分解物への応用.Biochem.J.
81:384)によりそれぞれ測定した。CGPの糖組
成はクランプら(Clamp etal)の方法(Cl
amp,J.R.,G.Dawson,and L.H
ough.1967.グリコペプチド類及びグリコプロ
テイン類中の6−デオキシ−L−ガラクトース(L−フ
コース)、D−マンノース、D−ガラクトース、2−ア
セトアミノ−2−デオキシ−D−グルコース(N−アセ
チル−D−グルコサミン)及びN−アセチルノイラミン
酸(シアル酸)の同時定量.Biochim.Biop
hys.Acta.148:342)を利用してガスク
ロマトグラフィー(以下「GLC」と略す)によって分
析した。メタノール分解及びGLCは、上記(材料)の
項で述べたHPLCによるCWPとCGPの分析に際し
て用いた条件と同じ条件で行った。
【0019】種々のpH条件におけるCWPの加熱は、
密栓した中ビンの中で10%(w/v)溶液により98
℃で1時間行った。CWP溶液のpH調整は、1NHC
l又は1NNaOHを用いて行った。遠心分離は900
0Gで30分間実施し、変性タンパク質成分を除去し
た。
【0020】上澄み液中におけるペプチド成分のイオン
交換クロマトグラフィーは、DEAE−Toyopea
rl 650Mカラム(1.6×20cm)を用いて、
炭酸水素アンモニウム緩衝液(pH5.0)の0.02
−1.0モル濃度勾配により行った。溶出液は、ペプチ
ド(210nm)及びヘキソース(490nm)をチェ
ックした。CGPフラクションは、減圧下で2度蒸発濃
縮させてアンモニウム塩を除去し、次いで凍結乾燥し
た。
【0021】(逆相高速液体クロマトグラフィー)CW
P及びCGPの分析は、日立モデル638−30クロマ
トグラフを用いた逆相高速液体クロマトグラフィー(R
P−HPLC)によって実施した。このクロマトグラフ
には、日立UV検出器、ヒューレット−パッカード積分
器モデル3390A及びアサヒパックODP−50カラ
ム(ポリマー上C18、粒子径5μm、6.0×250m
m、旭化学工業株式会社製)が備え付けられている。移
動相としては、0.05%TFAを含有する10%及び
60%アセトニトリル(CH3CN)水溶液を用いた。
分析は、50℃の温度下、30分(0.5ml/分)又
は60分(0.3ml/分)に渡って、10から60%
のCH3CN勾配で行った。カラム溶出液はペプチドを
検出するため210nmでモニターした。
【0022】(アフィニティークロマトグラフィー)全
CGPは最終的には、ピーナッツレクチン(PNA)−
セファロース4Bを用いたアフィニティークロマトグラ
フィーによって分画した。10mMリン緩衝液(pH
7.2)に溶解したCGP(50mg)を、同じ緩衝液
で平衡させたPNAカラム(20ml)にかけた。シア
ロ−CGPはこのカラムに吸着されず、吸着したアシア
ロ−CGPは、0.2MのD−ガラクトース(Gal)
又はラクトースを含む同じ緩衝液でカラムから溶出し
た。溶出液は、ペプチド(210nm)とシアル酸の存
在をチェックした。得られたシアロ−CGP分画及びア
シアロ−CGP分画は蒸留水中で透析し、次いで凍結乾
燥した。
【0023】結果及び考察(CGPの単離)予備実験I
として、10%(w/v)CWP溶液を3つの異なるp
H条件(pH5.0,7.0及び9.0)で1時間加熱
(98℃)し、次いで遠心分離(9000G、30分)
した。表1は、上澄液中の総タンパク質、NPN及びホ
エータンパク質の含有率を示す。この表において、コン
トロールとはCGPの10%(w/v)溶液(pH5.
8,非加熱)である。ホエータンパク質の含有率は、総
タンパク質含有率からNPNを差し引くことによって算
出した。NPNの含有率は3つのpH条件下でほとんど
同じであった。上澄液中に残存するホエータンパク質の
含有量は、pH5で最も低かった(3.01%)。CG
P単離に好適なpH値は酸性のpH範囲であった。
【0024】
【表1】
【0025】予備実験IIとして、10%CWP溶液を7
つの異なるpH条件(pH1.0−7.0)で1時間加
熱(98℃)し、次いで遠心分離した。上澄液中のCG
P含有量は高速液体クロマトグラム上のピーク面積を比
較することによって求めた。図1は、CWPの0.1%
溶液(pH5.8、非加熱)及びCGP標準液(材料
項を参照)の典型的なHPLC溶出のピーク図を示す。
図1の(A)は甘性チーズホエーの、(B)はCGP標
準液のクロマトグラムであり、これらは、20μlのサ
ンプル(0.1%)をカラム(アサヒパックODP−5
0)にかけて得られたものである。図中の点線はCH3
CNの濃度を示す。CGPはクロマトグラム上に5つの
ピーク(ピークNo.1−5)を与え、他のホエータン
パク質であるBSA(ピークNo.9)、α−La(ピ
ークNo.10)及びβ−Lg(ピークNo.11)か
ら別個に溶出された。CGPのこのような複数ピーク
は、特に多くのNANA残基を有する結合糖鎖の微不均
一性(microheterogeneity)から生
じるものと考えられる(Doi,H.,F.Ibuk
i,and M.Kanamori.1979.還元ウ
シκ−カゼインの微不均一性.J.Dairy Sc
i.62:195;Vreeman,H.J.,S.V
isser,C.J.Slangen,and J.
A.M Van Riel.1986.高速ゲル透過ク
ロマトグラフィーにより決定されたウシκ−カゼインフ
ラクションの特徴並びに炭水化物不含及び炭水化物含有
フラクション由来のキモシンによる遊離マクロペプチド
の速度論.Biochem.J.240:87)。表2
は、種々のpHで加熱した後の7つの上澄み液中におけ
るCGP含有率の変化を示す。表中のコントロールは1
0%(w/v)CWP溶液(pH5.8、非加熱)を意
味する。表2のCGPの値は、上澄液中に残存するタン
パク質に含まれるCGPの相対百分率(HPLC分析に
より算出)を表す。CGP含有率の最も高い比率(3
9.60%)はpH6.0で得られ、この値は元のCW
Pに含まれていた値(12.67%)の約3倍であっ
た。
【0026】予備実験IIIとして、10%CWP溶液を
予備実験IIの場合と同じ方法で加熱し、次いで同じ容量
の冷エタノールを加えた。4℃で3時間静置した後、沈
澱物を遠心分離により除去し、上澄液に含まれる残存タ
ンパク質中のCGP比率をHPLCにより分析した。こ
の処理は、初乳から牛乳オリゴサッカライドを調製する
際に、母液からラクトースとホエータンパク質を除去す
るために、本発明者らの先の報文においてしばしば使用
している方法である(Urashima,T.,T.S
aito,J.Nishimura,and H.Ar
iga.1989.羊(Booroola dorse
)の初乳から単離された新しいガラクトシルラクトー
ス含有α−グリコシド結合.Biochim.Biop
hys.Acta.992:375; Urashim
a,T.,T.Sakamoto,H.Ariga,a
nd T.Saito.1989.ウマ初乳から得られ
た中性オリゴサッカライドの構造決定.Carbohy
dr.Res.194:280)。エタノール添加後の
7つのサンプル中におけるCGP比率の変化を表2に示
した。CGPの最も高い比率(83.76%)はやはり
pH6.0で得られ、その値は予備実験IIにおいてエタ
ノールを加えなかった場合の値(39.60%)より2
倍以上も高くなった。
【0027】予備実験IVとして、10%CWP溶液を予
備実験IIの場合と同じ方法で加熱し、次いで同じ容量の
24%TCAを加えた。遠心分離(9000G、30
分)後、上澄液を蒸留水(この際、蒸留水は数度取り替
えた)中で2日間透析し、それから、凍結乾燥した。種
々のpHで加熱したCWP由来CGPのシアル酸(NA
NA)含有率を表2に示す。NANA含有率は、上述の
アミノフ(Aminoff)の方法で定量した。CGP
のNANA含有率は、pH6.0より高いpHで加熱し
ても変化しなかった。pH5.0及び4.0において
は、それぞれ26.87%及び70.82%のNANA
が遊離された。NANAの完全な遊離はpH3.0以下
で起こった。したがって、本来のCGPを得るための最
も好適なpH条件及び全CGPをアシアロ型に変換させ
るための最も好適なpH条件は、それぞれpH6.0及
びpH3.0であることが示唆された。
【0028】
【表2】
【0029】予備実験Vとして、10%CWP溶液をp
H6.0にして1時間加熱(98℃)し、次いで遠心分
離(9000G、30分)した上澄み液のpHを1MN
4OHで9.0に調整した後、DEAE−Toyop
earl 650Mを用いたイオン交換クロマトグラフ
ィーによって、得られた上澄液の50μlをカラム
(1.6×20cm)にかけてペプチド及びタンパク質
成分の分画を実施した。この際、溶出は0.02−1.
0M炭酸水素アンモニウム(pH5.0)の濃度勾配法
によって行った。図2は、濃度勾配法を用いた溶出クロ
マトグラムを示す。点線は、用いた炭酸水素アンモニウ
ム濃度の濃度勾配を示す。白丸は280nmにおける吸
光度(タンパク質)、黒丸は490nmにおける吸光度
(ヘキソース)を表す。ラクトースはカラムに吸着され
なかった。カラムに吸着されたCGPは、ヘキソースと
NANAの両方が有する2つのピーク部分に溶出され
た。ホエータンパク質は、0.35Mよりも高い濃度の
炭酸水素アンモニウムによってCGPピークに続いてカ
ラムから溶出された。ホエータンパク質からCGPを分
離・回収するのに最も好適な炭酸水素アンモニウムの濃
度は0.3Mであると見られた。
【0030】上記したCWPからCGPを単離するため
の予備実験I〜Vの結果から、最良の単離条件として図3
に示すような処理手順が得られた。
【0031】(アフィニティークロマトグラフィーによ
るシアロ−CGP及びアシアロ−CGPの分離)κ−カ
ゼインから調製したCGPは、通常ジサッカライド鎖
(Gal−β−1−3−GalNAc)を有する少量の
アシアロ−CGPを含む(Doi,H.,F.Ibuk
i,and M.Kanamori.1979.還元ウ
シκーカゼインの不均質性.J.Dairy Sci.
62:195)。CGPの糖鎖部分は一般に微不均質性
を有しており、中性アシアロ−CGPは、単離工程中で
は産出されない。
【0032】CGPは最終的には、PNAレクチンを用
いたアフィニティークロマトグラフィーによって分画さ
れる。すなわち、図3に示した処理手順によって全CG
Pを得、このCGP50mgを10mMのリン酸緩衝液
(pH7.2)10μlに溶解したものをPNAレクチ
ン−セファロース4Bカラムにかけて分画する。分画の
結果を図4に示す。図4は、レクチンカラムからのCG
Pの溶出パターンを示す。図中の矢印は、同じ緩衝液に
溶解した0.2M D−ガラクトースの添加を意味し、
白丸は210nmにおける吸光度(ペプチド)を、黒丸
は549nmにおける吸光度(シアル酸)をそれぞれ表
す。フラクションIは非吸着成分であり、NANA、G
al及びGalNAcを含んでいた。フラクションIIは
0.2MD−Galでカラムから溶出された成分であ
り、GalとGalNAcのみを含んでいた。これらの
成分はHPLCによって分析された。図5は典型的なH
PLCクロマトグラムを示す。CGP(図5A)は5つ
のピークからなり、これらのピークは、アシアロ−CG
Pである最初のピーク(図5B、図4のフラクションI
I)及びシアロ−CGPである続く4つのピーク(図5
C、図4のフラクションI)に分離された。従来のクロ
マトグラフ技術によっては、シアロ−CGPとアシアロ
−CGPの完全な分離は成功せず、この問題点はレクチ
ンアフィニティークロマトグラフィーの導入によって解
決された。
【0033】全CGP中におけるアシアロ−CGPの比
率は、HPLC分析によれば約10%未満であると定量
された。本発明方法によって得られたシアロ−CGPと
アシアロ−CGPの純度はいずれも90%以上であり、
HPLC及びGLC分析によれば、ホエータンパク質も
ラクトースもこれらの中には検出されなかった。
【0034】(アシアローCGPの調製)アシアロ−C
GPの調製はまた、CWP溶液をpH3.0にして98
℃で1時間加熱し、以下CGPの単離の場合と同じ操作
を施すことによっても行える。この条件でNANAはC
GPから完全に遊離した(表2を参照)。このようにし
て得たアシアロ−CGPは、HPLCにかけると、図5
Bに示すようにアシアロ−CGPのピークとしてただ1
つのピークのみを与えた。アシアロ−CGPの全収量
は、100gのCWPから約1gであった。
【0035】以下に本発明の実施例を掲げるが、これら
は本発明を何ら限定するものではない。
【0036】
【実施例1】100gのCWPを蒸留水に加えて10%
(w/v)溶液1リットルを作製した。この10%溶液
を1NHClでpH6.0に調整し、98℃で1時間加
熱した。加熱終了後、この溶液を4℃に冷却し、50%
エタノールを1リットル加えて、4℃で3時間静置し
た。次いで、この溶液を9000Gで30分間遠心分離
して沈澱物を除去した。残った上澄み液を1NNH4
HでpH9.0に調整し、0.02−1.0Mの炭酸水
素アンモニウム濃度勾配法を用いてDEAE−Toyo
pearl 650Mカラムクロマトグラフにかけた。
次いで、吸着したCGPを0.3Mの炭酸水素アンモニ
ウムを用いて溶出した。CGPを含む溶出液を常法によ
り減圧下で濃縮した後、凍結乾燥しCGP粉末を得た。
CGPの収量は1.1gであった。
【0037】
【実施例2】実施例1で製造したCGP0.5gを10
mMのリン酸緩衝液(pH7.2)100μlに溶解し
たものを、同じ緩衝液で平衡化したピーナッツレクチン
−セファロース4Bカラム(200ml)にのせて、更
にこの緩衝液で溶出した。溶出液の210nm(ペプチ
ド)及び549nm(シアル酸)における吸光度をチェ
ックしながら、両者のピークを有するフラクションを集
めた(シアロ−CGP含有)。吸光度のピークがほぼ0
になった後に、この緩衝液に0.2MのD−ガラクトー
スを添加して、引き続きカラムに加えて、210nmの
吸光度を有すフラクションを集めた(アシアロ−CGP
含有)。得られたそれぞれのフラクションを蒸留水中で
2日間透析した後、凍結乾燥してシアロ−CGP粉末及
びアシアロ−CGP粉末を得た。
【0038】なお、本発明においてピーナッツレクチン
をCGP精製へ応用した糖質化学的背景は次の通りであ
る。
【0039】ピーナッツレクチンは、種子より調製され
た糖鎖をもたないタンパク質であり、D−Gal残基に
対して親和性をもつが、特にGalβ1→3GalNA
c部分を強く認識する。この2糖部分を認識する他のレ
クチンとしては、マッシュルーム(Agaricus
bisporus)レクチン及びヒママメ(Casto
r bean)RCA60レクチンがあるが、親和性はピ
ーナッツレクチンが最も強い。
【0040】CGPはキモシン(レンニン、レンネッ
ト)消化により生じたκ−カゼインフラグメントであ
る。また、CGPに結合する糖鎖は、元のκ−カゼイン
に結合する糖鎖と同一である。この糖鎖の中で主要な糖
鎖は3糖であり、この化学構造(NeuNAcα2−3
Galβ1−3GalNAc)は既に本発明者らが明ら
かにしている(T.Saito et al.,Agr
ic.Biol.Chem.,44,1023(198
0))。現在では、この異性体である3糖(Galβ1
−3[NeuNAcα2−6]GalNAc)及びシア
ル酸がさらに結合した4糖(NeuNAcα2−3Ga
lβ1−3[NeuNAcα2−6]GalNAc)の
存在が知られている。ピーナッツレクチンは、このよう
なシアル酸を糖鎖末端に持つ酸性糖鎖は認識せず、結合
させるためにはシアリダーゼなどで処理してシアル酸を
除去することが必要である。しかしながら、これらの糖
鎖にはさらに微視的な不均一性が存在し、シアル酸を結
合しない中性2糖糖鎖(Galβ1−3GalNAc)
も存在する。この糖鎖の存在割合は、全糖鎖の10%以
下と推定される。また、CGPに結合する糖鎖は1本で
はなく、複数の糖鎖の結合することが知られている。ピ
ーナッツレクチンは、この2糖の中性糖鎖を1本でも持
つCGPは吸着することになる。仮に、1本の中性2糖
と1本の酸性3糖を結合するCGPは、セロトニンクロ
マトグラフィーでは吸着し、シアロ−CGPとして回収
されることになる。しかしながら、ピーナッツレクチン
クロマトグラフィーではこのCGPは吸着除去され、シ
アロ−CGPには含まれないことから、本発明による製
造方法の方が優れていると考えられる。
【0041】CGPは、インフルエンザウイルスに対す
る抗活性、細菌毒素に対する中和活性、イヌの食欲減少
作用など種々の生物活性を有している。更に、CGPは
O−グリコシド型の糖鎖のみを結合し、N−型糖鎖を結
合していないため、糖質分解酵素の理想的な基質であ
る。例えば、シアリダーゼの基質として、高度に精製さ
れた「シアロ−CGP」は極めて有用である。現在シア
リダーゼの基質として広く利用されているシアリルラク
トース(NeuNAcα2−3(6)Galβ1−4G
lc)は、ウシ初乳由来であるため、高価でありかつ低
分子過ぎる。シアリダーゼは多くの種類があり、基質特
異性研究としてシアロ−CGPなどの高分子精製基質が
是非必要であると考えられる。また、エンド−α−N−
アセチルガラクトサミニダーゼ研究の基質には、現在高
価なチログロブリンなどが用いられているが、安価な
「アシアロ−CGP」が極めて有用な基質と考えられ
る。従って、CGP,シアロ−CGP,アシアロ−CG
Pは今後、食品化学、生物化学、医学、薬学などの分野
において、需要が増大するものと予想される。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、出発物質であるチーズ
ホエー、ホエータンパク質、ホエーミネラル等を特定の
pH値に調整して加熱し、冷却後アルコールを添加して
から、遠心分離、イオン交換クロマトグラフィー及び濃
縮の各操作を行うことにより、従来方法を使用した場合
よりも純度の高いCGPを工業的に生産することが可能
となった。
【0043】更に、このようにして得られたCGPをレ
クチンアフィニティークロマトグラフィーを用いて分離
すると、アシアロ−CGPがカラムに吸着され、高純度
のシアロ−CGPを得ることができる。従来方法では、
シアロ−CGPをカラムに吸着させた後これを溶出して
いたが、精製シアロ−CGPのみを得る場合の調製効率
という観点からは、本発明方法の方が断然有利である。
なぜなら、本発明方法によれば10%以下のアシアロ−
CGP成分だけを除けば良いために、レクチンカラムの
規模を従来方法を用いる場合の約1/10にスケールダ
ウンすることが可能となり、しかも、吸着成分は回収し
ないため他成分(この場合には溶出に用いるD−Ga
l)の混入するプロセスが無いからである。カラムに吸
着されたアシアロ−CGPは、チーズホエーをpH3で
1時間加熱すれば容易に大量調製が可能であるから、わ
ざわざ回収しなくても済むというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】A及びBは、甘性チーズホエー及びCGP標準
液をそれぞれ逆相高速液体クロマトグラフィーにかけて
得られた含有成分の保持時間と210nmにおける吸光
度との関係を表す図である。
【図2】pH6.0で加熱したCWP溶液から得られた
上澄み液中に残存するホエータンパク質とNPNのイオ
ン交換クロマトグラフィーによる溶出状態を表す図であ
る。
【図3】本発明の最も好ましいCGP製造工程を表す流
れ図である。
【図4】CGPをピーナッツレクチンアフィニティーク
ロマトグラフにかけて得られたシアロ−CGP及びアシ
アロ−CGPの溶出状態を表す図である。
【図5】CGPをピーナッツレクチンアフィニティーク
ロマトグラフィーによって分画して得られた成分をそれ
ぞれ逆相高速液体クロマトグラフィーにかけて得られた
クロマトグラムで、Aは図3に示した方法によって製造
した全CGPの、Bは図4のフラクションII(アシアロ
−CGP)の、Cは図4のフラクションI(シアロ−C
GP)の保持時間と210nmにおける吸光度との関係
をそれぞれ表す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−276542(JP,A) 特開 平4−225999(JP,A) 特開 平4−330100(JP,A) 特開 昭63−284199(JP,A) 日本農芸化学会誌,Vol.63,N o.3(1989)P.575(3Cp15) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07K A23L CAS

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カゼイノグリコペプチドを含有するチー
    ズホエー、ホエー蛋白質、またはホエーミネラルを出発
    物質とし、この出発物質のpHを3〜6に調整し、加熱
    ・冷却してアルコールを添加後、一定時間静置した混合
    物を遠心分離し、上澄み液を弱陰イオン交換体を用いる
    イオン交換クロマトグラフィーにかけて吸着・溶離して
    得られた液を濃縮することを特徴とするカゼイノグリコ
    ペプチドの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の製造方法で得られたカ
    ゼイノグリコペプチドをピーナッツレクチンアフィニテ
    ィーカラムクロマトグラフィーにより、シアロ−カゼイ
    ノグリコペプチド及びアシアロ−カゼイノグリコペプチ
    ドに分離することを特徴とするカゼイノグリコペプチド
    の精製方法。
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