【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軟骨保護剤に関する。
詳しくは、下記の一般式(I)で表わされるカルボン
酸、そのシス・トランス異性体、その生理学的に許容さ
れ得る塩、又はそのエステルからなる軟骨保護剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】関節症には、慢性関節リウマチ、リウマ
チ熱、変形性関節症等がある。中でも慢性関節リウマチ
及び変形性関節症は患者数が多く、主要な関節症として
検討されてきた。変形性関節症は、先天性のもの或いは
二次性のものと、老化による関節軟骨の退行変性による
一次性のものがある。一次性の変形性関節症は、近年老
齢者人口の増大につれて増加している。慢性関節リウマ
チと変形性関節症では、病因、病態に大きな違いがあ
る。しかし何れも最終的には、軟骨破壊により関節機能
が障害される点では共通している。慢性関節リウマチ、
リウマチ熱、全身性エリテマトーデス、変形性関節症等
のリウマチ性疾患に対する第一選択薬は、アスピリン、
インドメタシン等の鎮痛抗炎症剤である。慢性関節症治
療薬としては、他にシオゾール等の金製剤、免疫調節
剤、ステロイド剤、D−ペニシラミン等が使用される。
【0003】カフェー酸、フェルラ酸、イソフェルラ
酸、3−エトキシ−4−ヒドロキシケイ皮酸等には、次
のような医薬用途が知られている。カフェー酸とフェル
ラ酸には、抗ウイルス活性(特開平4−234319)
がある。カフェー酸には、カルシウム拮抗剤(特開平4
−243822)、抗アレルギー薬剤(特開昭59−1
55314)等の用途が知られている。カフェー酸とカ
フェー酸メチルは、自己免疫疾患の治療に用い得る(W
O91/17749)。又、フェルラ酸とイソフェルラ
酸については、免疫化学療法・薬剤耐性防止・制癌剤
(特開昭56−115716)としての用途が知られて
いる。フェルラ酸には、更に、高脂血症・血小板凝集軽
減組成物(US4842859)等の用途が知られてい
る。又、フェルラ酸とそのエステルには、抗炎症作用が
ある(A.S.Chawla etal.,India
n J.Exp.Biol.,Vol.25,No.
3,pp.187〜189,1987)。3−エトキシ
−4−ヒドロキシケイ皮酸には、化粧品用紫外線吸収剤
(特開昭64−13018)等の用途が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のカルボン酸、そのシス・トランス異性体、その塩、及
びそのエステルが、軟骨保護剤として有用であることは
知られていない。又、従来の上記鎮痛抗炎症剤は、関節
軟骨の破壊には効果がなく、軟骨細胞を用いた実験にお
いては、逆に、増悪する場合もある。更に、上記慢性関
節症治療薬にも、関節軟骨の破壊抑制作用は見いだされ
ていない。本発明者等は、関節軟骨の破壊を抑制する軟
骨保護剤を開発すべく鋭意研究した結果、下記の一般式
(I)で表わされるカルボン酸、そのシス・トランス異
性体、その生理学的に許容され得る塩、及びそのエステ
ルが、軟骨マトリックスを構成するグリコサミノグリカ
ン(以下GAGと記す)の減少を強く抑制することを見
いだして、本発明を完成するに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】従って、本発明は、一般
式(I):
【化2】
(式中、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、又は
炭素数1〜6個のアルキルである)で表わされるカルボ
ン酸、そのシス・トランス異性体、その生理学的に許容
され得る塩、又はそのエステル(以下、本物質と記す)
からなる軟骨保護剤に関する。R1及びR2のうちで、炭
素数1〜6個のアルキルの好ましい例は、炭素数1〜4
個の低級アルキルであり、より好ましくは、メチル、エ
チル、n−プロピル、又はn−ブチルである。本物質の
二重結合につくフェニル基とカルボニル基の立体配置
は、シス型とトランス型があるが、本発明の軟骨保護剤
には、いずれの化合物も用いられる。
【0006】その生理学的に許容され得る塩としては、
アルカリ金属との塩(Na塩、K塩等)、アルカリ土類
金属との塩(Ca塩、Mg塩等)、Al塩、アンモニウ
ム塩、各種アミン化合物(第1級アミン、第2級アミ
ン、第3級アミン等)との塩等が例示される。そのエス
テルとしては、芳香族アルコール或いは脂肪族アルコー
ルのエステルが挙げられるが、脂肪族アルコールのエス
テルが好ましく、炭素数1から6個の脂肪族アルコール
のエステルがより好ましい。更に好ましい例は、メチ
ル、エチル,n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、t−ブチル、n−ペンチル、又はイソ
ペンチルエステルである。本物質としては、例えば、表
1の化合物を例示できる。いずれもトランス体である。
【0007】
【表1】
────────────────────────────────────
R1 R2 エステル 名称 略号
────────────────────────────────────
H H カフェー酸 CFA
Me H フェルラ酸 FLA
H Me イソフェルラ酸 IFLA
Et H 3ーエトキシ-4-ヒト゛ロキシケイ皮酸 3-EtO-4-HO-CA
Me H (Na塩) フェルラ酸ナトリウム NaFLA
Me H Me フェルラ酸メチル MeFLA
Me H Et フェルラ酸エチル EtFLA
Me H nPr フェルラ酸n−プロピル nPrFLA
Me H nBu フェルラ酸n−ブチル nBuFLA
────────────────────────────────────
Me:メチル、Et:エチル、nPr:n−プロピル、nBu:n−ブチル
【0008】表1に記載するカルボン酸の主なものは市
販品として入手できる。例えば、カフェー酸は東京化成
工業株式会社から、フェルラ酸とイソフェルラ酸はシグ
マケミカルカンパニーから入手できる。又、3−エトキ
シ−4−ヒドロキシケイ皮酸は、3−エトキシ−4−ヒ
ドロキシベンズアルデヒドとマロン酸を、ピリジン等の
塩基存在下に反応させて得られる(実施例1参照)。
【0009】一般式(I)のカルボン酸の生理学的に許
容され得る塩は、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類
金属、アンモニウム等の水酸化物あるいは炭酸塩などを
カルボン酸と等モル量、水などの溶媒中で反応させて得
ることができる。
【0010】一般式(I)のカルボン酸のエステルは、
アルコールとカルボン酸とを下記の方法で反応させて得
ることができる。
1)適当な溶媒を用いて、塩酸、硫酸、燐酸等の無機酸
或いは酢酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸のよう
な酸触媒存在下に、アルコールとカルボン酸とを反応さ
せる。
2)ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−カル
ボニルジ(2−メチルイミダゾール)、ジフェニルケテ
ン−N−シクロヘキシルイミン、アルコキシアセチレ
ン、ポリ燐酸エチルエステル、塩化チオニル、塩化オキ
サリル等の縮合剤の存在下に、ジメチルホルムアミド、
アセトン、ジオキサン、アセトニトリル、クロロホル
ム、塩化エチレン、テトラヒドロフラン、ピリジン等の
有機溶媒中で、アルコールとカルボン酸とを反応させ
る。通常冷却下ないし室温で行う。
3)カルボン酸無水物とアルコールとをトリエチルアミ
ン、ピリジン、メチルエチルピリジン等の塩基性物質存
在下に反応させる。
4)カルボン酸ハロゲン化物(ハロゲン化アシル:塩化
物、臭化物等)とアルコールとをトリエチルアミン、ピ
リジン、メチルエチルピリジン等の塩基性物質を添加し
た溶媒中または塩基性溶媒例えばピリジン中で反応させ
る。
【0011】本物質の毒性は、以下に記載する通りであ
り、本物質は、きわめて安全な化合物である。
(1)カフェー酸の急性毒性
ラットの腹腔内投与によるLDLO(最低致死量)は、
1500mg/kgである。(Toxicology
and Applied Pharmacology,
Vol.36,p.227,1976参照)
(2)フェルラ酸、イソフェルラ酸及び3−エトキシ−
4−ヒドロキシケイ皮酸の急性毒性
ddY系雄マウス(各群5匹)を用いて、400mg/
kgを経口投与後1週間の観察を行った。経口投与は上
記各被験物質を、0.3%CMC(カルボキシメチルセ
ルロース)と0.05%Tween 80(ポリオキシ
エチレンソルビタンモノオレエート、東京化成工業株式
会社)の水溶液に分散したものを、胃ゾンデを用いて投
与した。いずれの被験物質についても、死亡例はなく、
体重、一般状態に異常は認められなかった。フェルラ酸
ナトリウム、フェルラ酸メチル、フェルラ酸エチル、フ
ェルラ酸プロピル、フェルラ酸ブチルについても同様で
あった。なお、フェルラ酸メチルとフェルラ酸イソプロ
ピルのマウス腹腔内投与によるLD50値は、それぞれ1
188.5mg/kgと1059.2mg/kgであ
る。(A.S.Chawla et al.,Indi
an J.Exp.Biol.,Vol.25,No.
3,pp.187〜189,1987参照)
【0012】本物質は、薬理効果として、培養軟骨細胞
(家兎の肩、膝関節軟骨細胞)における軟骨破壊抑制作
用を有する(後記実施例2参照)。但し、エステルの場
合は前記インビトロの実験では効果が明瞭でない。この
場合でも、マウス空気嚢胞モデルの動物実験において
は、軟骨破壊抑制作用が観察された。従って、本物質
は、関節の軟骨破壊を伴う各種関節症の治療のための軟
骨保護剤として有用である。このような関節症の例は、
慢性関節リウマチ、変形性関節症、肩関節周囲炎、頸肩
腕症候群、腰痛症等である。
【0013】本物質を有効成分とする軟骨保護剤の製剤
形態は、一般的な形態でよい。本物質単独、又は、本物
質と製剤上許容し得る担体又は希釈剤との混合物の何れ
でも製剤として使用できる。製剤中の有効成分の量は、
0.01〜100重量%、好ましくは0.1〜70重量
%である。本発明の軟骨保護剤は、経口、非経口何れで
も投与できる。本発明の軟骨保護剤の投与量は、対象
(動物あるいはヒト)、年齢、個人差、病状等に依るの
で、下記範囲外量を投与する場合もある。しかしなが
ら、一般にヒトを対象とする場合、本物質の経口投与量
は、1日当たり0.1〜500mg/kg(体重)、好
ましくは0.5〜200mg/kg(体重)である。通
常、1日量を、1回または2〜4回に分けて投与する。
【0014】
【実施例】以下本発明を実施例で詳述する。実施例1:本物質の合成
(1)3−エトキシ−4−ヒドロキシケイ皮酸の合成
マロン酸(1.56g)とピリジン(3.0ml)をナ
ス型フラスコ(100ml)に入れた。これに、3−エ
トキシ−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(1.66
g)とアニリン(30μl)を加えて、55℃で3時間
反応させた。この反応液に希硫酸を加えて酸性とした
後、ろ過して粗結晶を得た。この結晶を水洗いした後、
乾燥して、標記化合物(1.1g、56.1%)を、淡
黄色結晶として得た。
融点:157−158℃1
H−NMR(CDCl3,δ ppm):1.40
(t,3H,J=6.87Hz,CH3)、4.19
(q,2H,J=6.87Hz,CH2)、6.36
(d,1H,J=16.04Hz)、6.87(d,1
H,J=8.2Hz)、7.13(dd,1H,J=
8.2,1.8Hz)、7.31(s,1H)、7.5
9(d,1H,J=16.04Hz)
IRスペクトル(cm-1):3550s,2980s,
2900s,2830s,2700m,2600m,2
550m,2510m,1675s,1625s,15
90s,1515s,1482m,1435m,141
5m,1330m,1290s,1260s,1235
s,1195s,1165s,1121s,1035s
【0015】(2)フェルラ酸メチルの合成
フェルラ酸(4.85g)をナス型フラスコ(200m
l)に入れ、塩化水素(4%)を含有するメチルアルコ
ール(50ml)を加えて、1時間加熱還流をした。T
LC(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で原料の消
失を確認した後、減圧下、ロータリーエバポレーターで
溶媒を留去した。残渣にベンゼンを加えて再び、ロータ
リーエバポレーターで溶媒を留去して、粗生成物を得
た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(φ5.5×7.0cm、60g;n−ヘキサン/酢
酸エチル=2/1)で分離精製して、標記化合物を得
た。n−ヘキサンより結晶化して、白色結晶(5.09
g、97.9%)を得た。
融点:63−64℃1
H−NMR(CDCl3,δ ppm):3.79
(s,3H,COOCH3)、3.90(s,3H,O
CH3)、6.08(s,1H,OH)、6.28
(d,1H,J=15.6Hz,H3)、6.91
(d,1H,J=8.25Hz)、7.01(d,1
H,J=1.74Hz)、7.04(dd,1H,J=
8.25,1.74Hz)、7.62(d,1H,J=
15.6Hz,H4)
【0016】(3)フェルラ酸エチルの合成
フェルラ酸(4.85g)をナス型フラスコ(200m
l)に入れ、塩化水素(4%)を含有するエチルアルコ
ール(50ml)を加えて、2.5時間加熱還流をし
た。TLC(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で原
料の消失を確認した後、減圧下、ロータリーエバポレー
ターで溶媒を留去した。残渣にベンゼンを加えて再び、
ロータリーエバポレーターで溶媒を留去して、葡萄酒赤
色の粗生成物(5.79g)を得た。この粗生成物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(φ5.5×7.0
cm、60g;n−ヘキサン/酢酸エチル=3/1)で
分離精製して、標記化合物(5.06g、91.2%)
を得た。n−ヘキサンより結晶化して、白色結晶(4.
743g、85.3%)を得た。
融点:41−43℃1
H−NMR(CDCl3,δ ppm):1.33
(t,3H,COOCH2CH3)、3.91(s,3
H,OCH3)、4.25(q,2H,J=7.33H
z)、6.06(s,1H,OH)、6.28(d,1
H,J=15.6Hz)、6.91(d,1H,J=
6.8Hz)、7.02(s,1H)、7.06(d,
1H,J=8.25Hz)、7.61(d,1H,J=
15.6Hz)
【0017】(4)フェルラ酸n−プロピルの合成
フェルラ酸(4.85g)をナス型フラスコ(200m
l)に入れ、塩化水素(4%)を含有するn−プロピル
アルコール(50ml)を加えて、一晩加熱還流をし
た。TLC(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で原
料の消失を確認した後、減圧下、ロータリーエバポレー
ターで溶媒を留去した。残渣にベンゼンを加えて再び、
ロータリーエバポレーターで溶媒を留去して、粗生成物
を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(φ5.5×7.0cm、60g;n−ヘキサン
/酢酸エチル=2/1)で分離精製して、標記化合物
(5.48g、91.6%)を、無色油状物として得
た。1
H−NMR(CDCl3,δ ppm):0.99
(t,3H,J=7.33Hz)、1.72(s,2
H,J=7.33Hz)、3.90(s,3H,OCH
3)、4.16(t,2H,J=6.9Hz)、6.1
1(s,1H,OH)、6.30(d,1H,J=1
5.6Hz)、6.91(d,1H,J=8.25H
z)、7.02(s,1H)、7.05(dd,J=
8.23Hz)、7.61(d,1H,J=15.6H
z)
【0018】(5)フェルラ酸n−ブチルの合成
フェルラ酸(5g)をナス型フラスコ(200ml)に
入れ、塩化水素(4%)を含有するn−ブチルアルコー
ル(50ml)を加えて、約2時間加熱還流をした。T
LC(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)で原料の消
失を確認した後、減圧下、ロータリーエバポレーターで
溶媒を留去した。残渣にベンゼンを加えて再び、ロータ
リーエバポレーターで溶媒を留去して、粗生成物を得
た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(φ5.5×8.5cm、70g;n−ヘキサン/酢
酸エチル=3/1)で分離精製して、標記化合物(6.
25g、99%)を、無色油状物として得た。1
H−NMR(CDCl3,δ ppm):0.96
(t,3H,J=7.33Hz)、1.44(seq,
2H,J=7.33Hz)、1.68(quint,2
H,J=6.88Hz)、3.91(s,3H)、4.
21(t,2H,J=6.88Hz)、6.04(s,
1H,OH)、6.29(d,J=16.0Hz,1
H)、6.91(d,J=8.25Hz)、7.02
(s,1H)、7.05(dd,J=8.25Hz)
【0019】実施例2:培養軟骨細胞における軟骨破壊
抑制作用
a)培養軟骨細胞の調製
家兎(New Zealand White Rabb
it)(体重1〜1.5kg、北山ラベスより購入)の
肩、膝関節より無菌的に軟骨を取り出した。これをPB
S(Ca2+、Mg2+フリー)、ハンクス、及び0.1%
EDTA−PBSでよく洗浄した後、約1mm角に刻ん
だ。これに、0.1%EDTA含有PBS(Ca2+、M
g2+フリー)を加え、37℃の恒温槽で30分間処理し
た。更に、トリプシン溶液(0.25%)で、37℃
で、1時間処理し、軟骨に付着した結合組織を取り除い
た。次に、上清を除去した後、軟骨を牛胎児血清(FB
S)10%及びコラゲナーゼ0.2%を含有したHam
F−12メディウム中で約2〜2.5時間処理した。
このコラゲナーゼ溶液を遠心分離(1500 r.p.
m.)した後、10%FBS含有ハムメディウム(軟骨
メディウム)で2回洗浄し、最終的に軟骨細胞を、軟骨
メディウムに3×105 個/mlの細胞濃度になるよう
に調整した。この分散液を1mlずつ24穴プレートに
播種し、4日後コンフルエントに達した後、2週間以内
に実験に供した。
【0020】b)被験物質及び軟骨破壊因子の添加
これまで軟骨細胞の培養に使用した軟骨メディウムを取
り除き、新たに血清フリーのS−Cloneメディウム
800μl(0.1%ヒト血清アルブミン含有)を加
え、これに被験物質溶液100μl(最終濃度の10倍
S−Cloneメディウム液、DMSO濃度2.5%)
を加え、二酸化炭素(5%)と空気(95%)の存在下
で2時間培養した後、軟骨破壊因子PMA(フォルボー
ルミリステートアセテート)(最終濃度0.1μg/m
l)或いはインターロイキン1α(IL−1α)(最終
濃度20u/ml)を軟骨細胞培養液中に加えた。
【0021】ここで使用した被験物質は以下の通りであ
る。
本物質:カフェー酸(CFAと記す;東京化成工業株式
会社)、フェルラ酸(FLAと記す;シグマケミカルカ
ンパニー)、及び3−エトキシ−4−ヒドロキシケイ皮
酸[3-EtO-4-HO-CAと記す;実施例1(1)で合成した
化合物]
比較物質:インドメタシン(シグマケミカルカンパニ
ー)
【0022】c)GAGの定量
2日後、軟骨細胞培養上清を取り除いた後、残りの軟骨
マトリックス層に、0.03%パパイン溶液1mlを加
え、65℃で、1時間反応させ、マトリックス層からG
AGを遊離させた。処理したパパイン溶液中のGAG含
有量を、1,9−ジメチルメチレンブルー法を用いて定
量した(定量法:R.W.Farndale,Bioc
him.Biophys.Acta.,Vol.88
3,pp.173〜177,1986参照)。軟骨破壊
因子無添加群(コントロール)の軟骨マトリックス中の
GAG含有量を100とした時の、各サンプルのGAG
相対量を下記の式で求めた。コントロールのGAG含有
量は、軟骨細胞がコンフルエントに達した後実験に供す
るまでの経過日数の違いにより、ある幅(28.0〜7
4.5μg/ml)を示した。
【0023】
【数1】GAG相対量% = (B/A)×100
A:軟骨破壊因子無添加群(コントロール)のGAG含
有量
B:軟骨破壊因子添加群又は(軟骨破壊因子+被験物
質)添加群のGAG含有量
【0024】結果を表2〜3に示す。表中のGAG含有
量は、平均値±標準誤差(n=3)の値である。各実験
について、コントロール及び軟骨破壊因子添加群を入れ
た。有意差検定は、各実験の軟骨破壊因子添加群に対
し、Student’s t−testで行った。検定
結果の表示は次の通りである。*:P<0.05、*
*:P<0.01、***:P<0.001。軟骨破壊
因子無添加群(コントロール)のGAG含有量に対し
て、軟骨破壊因子であるPMAやIL−1αを添加する
ことにより、GAGの減少が誘導された。この条件下
で、本物質は、GAGの減少を抑制し、軟骨破壊抑制作
用を有することが確認された。これに対して、従来の鎮
痛抗炎症剤であるインドメタシンでは、軟骨破壊抑制作
用は見られず、逆に軟骨破壊の促進作用が見られた。
【0025】
【表2】
───────────────────────────────────
サンプル名 GAG含有量μg/ml (GAG相対量%)
───────────────────────────────────
コントロール 43.2±1.5** (100)
IL−1α 33.4±1.0 (77.3)
IL-1α +FLA(100μM) 39.9±0.8** (92.4)
IL-1α +CFA(100μM) 40.9±0.7*** (94.7)
---------------------------------------------------------------------
コントロール 43.4±1.7** (100)
PMA 32.1±1.6 (74.0)
PMA +FLA(100μM) 41.1±4.2 (94.7)
PMA +CFA(100μM) 47.7±1.5*** (110)
---------------------------------------------------------------------
コントロール 74.5±0.6** (100)
PMA 46.2±0.8 (62.0)
PMA+3-EtO-4-HO-CA(100μM) 61.5±0.4*** (82.6)
───────────────────────────────────
【0026】
【表3】
───────────────────────────────────
サンプル名 GAG含有量μg/ml (GAG相対量%)
───────────────────────────────────
コントロール 28.0±0.7*** (100)
PMA 15.4±0.5 (55.0)
PMA+インドメタシン(10μM) 13.2±0.6* (47.1)
(33μM) 11.7±0.8** (41.8)
───────────────────────────────────
【0027】実施例3:マウス空気嚢胞モデルにおける
軟骨破壊抑制作用
試験方法は、K.M.K.Bottomley et
al.,Br.J.Pharmacol,Vol.9
3,pp.627〜635(1988)に記載されてい
る方法に準じた。S.D.系ラット(5.5週齢、雌)
から、無菌的に40〜50mgの大腿骨頭軟骨(Fem
oral Head Cartilage;FHCと記
す)を取り出し、5mm四方(重さ約3mg)のコット
ンに包んだ後、BALB/c系マウス(7週齢、雌)の
背部皮下(前日に5mlの空気を注入)に埋め込んだ。
埋め込み3日目より週5回の割合で、フェルラ酸n−プ
ロピル[nPrFLAと記す;実施例1(4)で合成し
た化合物;各回投与量100mg/kg]を、CMCと
Tween 80の混合水溶液(最終濃度:CMC;
0.3%、Tween80;0.05%)に分散して、
経口投与した。コントロール群には、上記CMCとTw
een 80の混合水溶液のみを経口投与した。埋め込
み21日目に埋め込んだFHCを取り出し、パパイン溶
液(4u/ml、0.05M PBS、pH6.5、1
0ml)でFHCのマトリックスを分解した。分解後、
パパイン溶液中のGAG含有量を、1,9−ジメチレン
ブルー法を用いて定量した(定量法:R.W.Farn
dale,Biochem.Biophys.Act
a.,Vol.883,pp.173〜177,198
6参照)。無処置群については、埋め込み3日目にFH
Cを取り出して、GAG含有量を測定した。
【0028】結果を表4に示す。表中のGAG含有量/
FHCは、FHC1個当たりのGAG含有量の平均値±
標準誤差(n=8〜10)の値である。GAG相対量%
は、無処置群のGAG含有量/FHCを100とした時
の相対量である。埋め込んだFHCの周囲に形成される
肉芽から軟骨破壊因子が分泌される。このため、コント
ロール群ではGAGの減少が見られた。これに対して、
本物質投与群ではGAG減少の抑制が見られ、本物質の
軟骨破壊抑制作用が確認された。なお、フェルラ酸メチ
ル、フェルラ酸エチル、及びフェルラ酸n−ブチルにつ
いても、フェルラ酸n−プロピルと同様の傾向が見られ
た。
【0029】
【表4】
────────────────────────────────────
処理方法 GAG含有量/FHC μg/FHC1個 (GAG相対量%)
────────────────────────────────────
無処置 745.8 ± 24.5 (100)
コントロール 387.1 ± 17.1 (51.9)
nPrFLA 435.3 ± 26.4 (58.4)
────────────────────────────────────
【0030】実施例4:製剤例(顆粒剤)
フェルラ酸 20重量部
乳糖 68重量部
低置換ヒドロキシプロピルセルロース 10重量部
ヒドロキシプロピルセルロース 2重量部
を均一に混合した後、湿潤剤エタノール32重量部を用
いて練合した。次いで湿式造粒を行い、乾燥して顆粒剤
を得た。
【0031】
【発明の効果】本物質は、軟骨マトリックスを構成する
GAGの減少を強く抑制し、軟骨保護作用を示す。又、
低毒性である。従って、本物質は、軟骨保護剤として、
慢性関節リウマチ、変形性関節症、肩関節周囲炎、頸肩
腕症候群、腰痛症等の関節症の治療に極めて有用な用途
を有する。DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[0001]
The present invention relates to a cartilage protective agent.
Specifically, the carboxyl represented by the following general formula (I)
Acid, its cis-trans isomer, its physiologically acceptable
Cartilage protective agent consisting of a salt or an ester thereof
You.
[0002]
2. Description of the Related Art Arthrosis includes rheumatoid arthritis and rheumatoid arthritis.
Fever, osteoarthritis, etc. Among them, rheumatoid arthritis
And osteoarthritis have a large number of patients,
Has been considered. Osteoarthritis can be congenital or
Secondary and due to degeneration of articular cartilage due to aging
Some are primary. Primary osteoarthritis has recently become older
It is increasing as the population of the elderly grows. Rheumatoid arthritis
And osteoarthritis have significant differences in etiology and pathology.
You. However, in both cases, joint function is ultimately caused by cartilage destruction.
Are common in that they are obstructed. Rheumatoid arthritis,
Rheumatic fever, systemic lupus erythematosus, osteoarthritis, etc.
The first-line drugs for rheumatic diseases are aspirin,
It is an analgesic and anti-inflammatory agent such as indomethacin. Chronic arthrosis cure
Other therapeutic drugs include gold preparations such as thiosol, immunomodulation
Agents, steroids, D-penicillamine and the like are used.
[0003] Caffeic acid, ferulic acid, isoferula
Acid, 3-ethoxy-4-hydroxycinnamic acid, etc.
Such pharmaceutical uses are known. Caffeic acid and fel
Laric acid has antiviral activity (JP-A-4-234319)
There is. Caffeic acid includes calcium antagonists (Japanese Unexamined Patent Publication No.
243822), an antiallergic drug (JP-A-59-1).
Applications such as 55314) are known. Caffeic acid and mosquito
Methyl famate can be used to treat autoimmune diseases (W
O91 / 17749). Also, ferulic acid and isoferula
For acids, immunochemotherapy, drug resistance prevention, anticancer drugs
(JP-A-56-115716)
I have. Ferulic acid also includes hyperlipidemia and platelet aggregation
Applications such as reduced composition (US Pat. No. 4,842,859) are known.
You. Ferulic acid and its esters have anti-inflammatory effects.
(AS Chawla et al., India)
nJ. Exp. Biol. , Vol. 25, no.
3, pp. 187-189, 1987). 3-ethoxy
-4-Hydroxycinnamic acid includes UV absorbers for cosmetics
(Japanese Patent Application Laid-Open No. 64-13018) is known.
[0004]
SUMMARY OF THE INVENTION However, these
Carboxylic acids, cis-trans isomers, salts thereof, and
And its esters are useful as chondroprotectors
unknown. In addition, the above-mentioned conventional analgesic and anti-inflammatory drugs
It has no effect on cartilage destruction, and
On the other hand, on the contrary, it may worsen. In addition, the chronic
Anti-articular cartilage destruction inhibitory effect is also found in the treatment of arthrosis
Not. The present inventors have proposed a softening technique for suppressing the destruction of articular cartilage.
As a result of intensive research to develop bone protectants, the following general formula
The carboxylic acid represented by (I), its cis-trans variant
Sex, its physiologically acceptable salts, and its esthetics
Is a glycosaminoglyca that makes up the cartilage matrix
(Hereinafter referred to as GAG) is strongly suppressed.
Thus, the present invention has been completed.
[0005]
SUMMARY OF THE INVENTION Accordingly, the present invention provides
Formula (I):
Embedded image
(Where R1And RTwoAre each independently a hydrogen atom, or
Which is an alkyl having 1 to 6 carbon atoms)
Acid, its cis-trans isomer, its physiologically acceptable
Or its ester (hereinafter referred to as this substance)
And a cartilage protective agent comprising: R1And RTwoAmong the charcoal
Preferred examples of the alkyl having 1 to 6 primes are those having 1 to 4 carbons.
Lower alkyl, more preferably methyl,
Tyl, n-propyl, or n-butyl. Of this substance
Configuration of phenyl and carbonyl groups attached to double bond
Are cis-type and trans-type.
Are used for any of the compounds.
The physiologically acceptable salts include:
Salts with alkali metals (Na salt, K salt, etc.), alkaline earth
Salt with metal (Ca salt, Mg salt, etc.), Al salt, ammonium
Salt, various amine compounds (primary amine, secondary amine
And tertiary amines). That es
As the ter, aromatic alcohol or aliphatic alcohol
Esters of the aliphatic alcohols
Ter is preferred, and an aliphatic alcohol having 1 to 6 carbon atoms
Are more preferred. Further preferred examples are
, Ethyl, n-propyl, isopropyl, n-butyl
, Isobutyl, t-butyl, n-pentyl, or iso-
It is a pentyl ester. As this substance, for example,
One compound can be exemplified. Both are trans-forms.
[0007]
[Table 1]
────────────────────────────────────
R1 RTwo Ester Name Abbreviation
────────────────────────────────────
H H Caffeic acid CFA
Me H Ferulic acid FLA
H Me isoferulic acid IFLA
EtH3-ethoxy-4-human peroxycinnamic acid 3-EtO-4-HO-CA
MeH (Na salt) Sodium ferulate NaFLA
Me H Me Methyl ferulate MeFLA
MeH Et Ethyl ferulate EtFLA
MeH nPr n-propyl ferulate nPrFLA
MeH nBu n-butyl ferulate nBuFLA
────────────────────────────────────
Me: methyl, Et: ethyl, nPr: n-propyl, nBu: n-butyl
[0008] The main carboxylic acids listed in Table 1 are
Available as a commercial product. For example, caffeic acid is Tokyo Chemical
Ferulic acid and isoferulic acid are sig
Available from the Chemical Company. Also, 3-ethoxy
C-4-hydroxycinnamic acid is 3-ethoxy-4-hi.
Droxybenzaldehyde and malonic acid can be
It is obtained by reacting in the presence of a base (see Example 1).
Physiologically acceptable carboxylic acids of the general formula (I)
Salts that can be used include, for example, alkali metals, alkaline earths.
Hydroxides or carbonates of metals, ammonium, etc.
Reaction with carboxylic acid in equimolar amount in a solvent such as water
Can be
The ester of a carboxylic acid of the general formula (I)
By reacting an alcohol and a carboxylic acid in the following manner.
Can be
1) Using an appropriate solvent, use an inorganic acid such as hydrochloric acid, sulfuric acid, phosphoric acid, etc.
Alternatively, organic acids such as acetic acid and p-toluenesulfonic acid
Alcohol and carboxylic acid in the presence of
Let
2) dicyclohexylcarbodiimide, N, N'-cal
Bonyl di (2-methylimidazole), diphenylkete
-N-cyclohexylimine, alkoxyacetyl
, Polyphosphoric acid ethyl ester, thionyl chloride, oxyl chloride
In the presence of a condensing agent such as salyl, dimethylformamide,
Acetone, dioxane, acetonitrile, chloroform
, Ethylene chloride, tetrahydrofuran, pyridine, etc.
In an organic solvent, an alcohol is reacted with a carboxylic acid.
You. Usually performed under cooling or at room temperature.
3) Tricarboxylic acid anhydride and alcohol
Basic substances such as pyridine, pyridine, methylethylpyridine, etc.
React in the presence.
4) Carboxylic acid halide (acyl halide: chloride)
Product, bromide, etc.) and alcohol with triethylamine,
Add basic substances such as lysine and methylethylpyridine.
In a solvent or a basic solvent such as pyridine.
You.
The toxicity of this substance is as described below.
Therefore, this substance is a very safe compound.
(1) Acute toxicity of caffeic acid
LDLO (minimum lethal dose) by intraperitoneal administration in rats
1500 mg / kg. (Toxicology
and Applied Pharmacology,
Vol. 36, p. 227, 1976)
(2) Ferulic acid, isoferulic acid and 3-ethoxy-
Acute toxicity of 4-hydroxycinnamic acid
Using ddY strain male mice (5 mice per group), 400 mg /
Observation was made for one week after oral administration of kg. Oral administration is above
Each test substance was treated with 0.3% CMC (carboxymethyl
Lulose) and 0.05% Tween 80 (Polyoxy
Ethylene sorbitan monooleate, Tokyo Chemical Industry Co., Ltd.
Is dispersed in an aqueous solution of
Gave. There were no deaths for any of the test substances,
No abnormalities were found in weight or general condition. Ferulic acid
Sodium, methyl ferulate, ethyl ferulate,
The same applies to propyl ferulate and butyl ferulate.
there were. In addition, methyl ferulate and isoprolate
LD by intraperitoneal administration of pill in mice50Values are 1 each
188.5 mg / kg and 1059.2 mg / kg
You. (AS Chawla et al., Indi.
an J. Exp. Biol. , Vol. 25, no.
3, pp. 187-189, 1987)
This substance has a pharmacological effect on cultured chondrocytes.
Inhibition of cartilage destruction in rabbit (shoulder and knee joint chondrocytes)
(See Example 2 described later). However, the place of ester
In this case, the effect is not clear in the in vitro experiment. this
Even in animal experiments on mouse air cyst models
Showed an inhibitory effect on cartilage destruction. Therefore, this substance
Is used to treat various types of arthropathy with joint cartilage destruction.
Useful as a bone protectant. Examples of such arthropathy are
Rheumatoid arthritis, osteoarthritis, shoulder periarthritis, neck and shoulder
Arm syndrome, low back pain, etc.
Formulation of a chondroprotectant containing the substance as an active ingredient
The form may be a general form. This substance alone or genuine
Any mixture of quality and a pharmaceutically acceptable carrier or diluent
However, it can be used as a preparation. The amount of the active ingredient in the formulation,
0.01 to 100% by weight, preferably 0.1 to 70% by weight
%. The chondroprotective agent of the present invention can be administered orally or parenterally.
Can also be administered. The dose of the chondroprotective agent of the present invention
(Animal or human), age, individual differences, medical condition, etc.
In some cases, a dose outside the following range may be administered. But
In general, when targeting humans, the oral dose of this substance
Is 0.1 to 500 mg / kg (body weight) per day,
Preferably, it is 0.5 to 200 mg / kg (body weight). Through
Usually, the daily dose is administered once or in 2 to 4 divided doses.
[0014]
The present invention will be described below in detail with reference to examples.Example 1: Synthesis of this substance
(1) Synthesis of 3-ethoxy-4-hydroxycinnamic acid
Malonic acid (1.56 g) and pyridine (3.0 ml)
Into a flask (100 ml). To this, 3-d
Toxic-4-hydroxybenzaldehyde (1.66
g) and aniline (30 μl) and added at 55 ° C. for 3 hours
Reacted. Dilute sulfuric acid was added to this reaction solution to make it acidic.
Thereafter, filtration was performed to obtain a crude crystal. After washing these crystals with water,
Dry to give the title compound (1.1 g, 56.1%)
Obtained as yellow crystals.
Melting point: 157-158 ° C1
H-NMR (CDClThree, Δ ppm): 1.40
(T, 3H, J = 6.87Hz, CHThree), 4.19
(Q, 2H, J = 6.87Hz, CHTwo), 6.36
(D, 1H, J = 16.04 Hz), 6.87 (d, 1
H, J = 8.2 Hz), 7.13 (dd, 1H, J =
8.2, 1.8 Hz), 7.31 (s, 1H), 7.5
9 (d, 1H, J = 16.04 Hz)
IR spectrum (cm-1): 3550s, 2980s,
2900s, 2830s, 2700m, 2600m, 2
550m, 2510m, 1675s, 1625s, 15
90s, 1515s, 1482m, 1435m, 141
5m, 1330m, 1290s, 1260s, 1235
s, 1195s, 1165s, 1121s, 1035s
(2) Synthesis of methyl ferulate
Ferulic acid (4.85 g) was added to an eggplant-shaped flask (200 m
l) and contain methyl alcohol containing hydrogen chloride (4%).
Then, the mixture was heated and refluxed for 1 hour. T
LC (n-hexane / ethyl acetate = 2/1)
After confirming the loss, use a rotary evaporator under reduced pressure.
The solvent was distilled off. Add benzene to the residue and again
The solvent is distilled off using a re-evaporator to obtain a crude product.
Was. This crude product is purified by silica gel column chromatography.
ー (φ5.5 × 7.0cm, 60g; n-hexane / vinegar)
(Ethyl acetate = 2/1) to give the title compound.
Was. Crystallization from n-hexane gave white crystals (5.09).
g, 97.9%).
Melting point: 63-64 ° C1
H-NMR (CDClThree, Δ ppm): 3.79
(S, 3H, COOCHThree), 3.90 (s, 3H, O
CHThree), 6.08 (s, 1H, OH), 6.28
(D, 1H, J = 15.6 Hz, H3), 6.91
(D, 1H, J = 8.25 Hz), 7.01 (d, 1
H, J = 1.74 Hz), 7.04 (dd, 1H, J =
8.25, 1.74 Hz), 7.62 (d, 1H, J =
15.6Hz, H4)
(3) Synthesis of ethyl ferulate
Ferulic acid (4.85 g) was added to an eggplant-shaped flask (200 m
l) and put in ethyl alcohol containing hydrogen chloride (4%).
(50 ml) and heated to reflux for 2.5 hours.
Was. Original by TLC (n-hexane / ethyl acetate = 2/1)
After confirming that the charge has disappeared, rotate the evaporator under reduced pressure.
The solvent was distilled off with a filter. Add benzene to the residue and again,
The solvent is distilled off using a rotary evaporator and the wine red
A crude product of color (5.79 g) was obtained. This crude product is
Ricagel column chromatography (φ5.5 × 7.0)
cm, 60 g; n-hexane / ethyl acetate = 3/1)
Separate and purify the title compound (5.06 g, 91.2%)
Got. Crystallized from n-hexane to give white crystals (4.
743 g, 85.3%).
Melting point: 41-43 ° C1
H-NMR (CDClThree, Δ ppm): 1.33
(T, 3H, COOCHTwoCHThree), 3.91 (s, 3
H, OCHThree), 4.25 (q, 2H, J = 7.33H)
z), 6.06 (s, 1H, OH), 6.28 (d, 1
H, J = 15.6 Hz), 6.91 (d, 1H, J =
6.8 Hz), 7.02 (s, 1H), 7.06 (d,
1H, J = 8.25 Hz), 7.61 (d, 1H, J =
15.6Hz)
(4) Synthesis of n-propyl ferulate
Ferulic acid (4.85 g) was added to an eggplant-shaped flask (200 m
l) and n-propyl containing hydrogen chloride (4%)
Add alcohol (50 ml) and heat to reflux overnight.
Was. Original by TLC (n-hexane / ethyl acetate = 2/1)
After confirming that the charge has disappeared, rotate the evaporator under reduced pressure.
The solvent was distilled off with a filter. Add benzene to the residue and again,
The solvent is distilled off using a rotary evaporator to obtain the crude product.
Got. This crude product is subjected to silica gel column chromatography.
Feet (φ5.5 × 7.0 cm, 60 g; n-hexane
/ Ethyl acetate = 2/1).
(5.48 g, 91.6%) as a colorless oil.
Was.1
H-NMR (CDClThree, Δ ppm): 0.99
(T, 3H, J = 7.33 Hz), 1.72 (s, 2
H, J = 7.33 Hz), 3.90 (s, 3H, OCH)
Three), 4.16 (t, 2H, J = 6.9 Hz), 6.1
1 (s, 1H, OH), 6.30 (d, 1H, J = 1
5.6 Hz), 6.91 (d, 1H, J = 8.25H)
z), 7.02 (s, 1H), 7.05 (dd, J =
8.23 Hz), 7.61 (d, 1H, J = 15.6H)
z)
(5) Synthesis of n-butyl ferulate
Ferulic acid (5g) in eggplant type flask (200ml)
N-butyl alcohol containing hydrogen chloride (4%)
(50 ml), and the mixture was heated under reflux for about 2 hours. T
LC (n-hexane / ethyl acetate = 2/1)
After confirming the loss, use a rotary evaporator under reduced pressure.
The solvent was distilled off. Add benzene to the residue and again
The solvent is distilled off using a re-evaporator to obtain a crude product.
Was. This crude product is purified by silica gel column chromatography.
-(Φ5.5 × 8.5cm, 70g; n-hexane / vinegar)
(Ethyl acetate = 3/1).
(25 g, 99%) as a colorless oil.1
H-NMR (CDClThree, Δ ppm): 0.96
(T, 3H, J = 7.33 Hz), 1.44 (seq,
2H, J = 7.33 Hz), 1.68 (quint, 2
H, J = 6.88 Hz), 3.91 (s, 3H), 4.
21 (t, 2H, J = 6.88 Hz), 6.04 (s,
1H, OH), 6.29 (d, J = 16.0 Hz, 1
H), 6.91 (d, J = 8.25 Hz), 7.02
(S, 1H), 7.05 (dd, J = 8.25 Hz)
[0019]Example 2: Cartilage destruction in cultured chondrocytes
Inhibiting action
a) Preparation of cultured chondrocytes
Rabbit (New Zealand White White Rabb)
it) (weight 1-1.5kg, purchased from Kitayama Labes)
Cartilage was aseptically removed from the shoulder and knee joints. This is PB
S (Ca2+, Mg2+Free), Hanks, and 0.1%
After washing well with EDTA-PBS, chop into about 1 mm square
It is. To this, PBS containing 0.1% EDTA (Ca2+, M
g2+Free) and treat in a thermostat at 37 ° C for 30 minutes.
Was. Further, at 37 ° C. with a trypsin solution (0.25%).
For 1 hour to remove connective tissue attached to cartilage
Was. Next, after removing the supernatant, the cartilage was replaced with fetal bovine serum (FB).
S) Ham containing 10% and 0.2% collagenase
Treated in F-12 medium for about 2-2.5 hours.
The collagenase solution was centrifuged (1500 rpm).
m. ), And a ham medium containing 10% FBS (cartilage)
Medium), and finally chondrocytes, cartilage
3 × 10 in mediumFive Cells / ml
Was adjusted to 1 ml of this dispersion is placed in a 24-well plate
Within 2 weeks after seeding and reaching confluence 4 days later
Were subjected to the experiment.
B) Addition of test substance and cartilage destruction factor
Remove the cartilage medium used previously for chondrocyte culture.
Serum-free S-Clone medium
Add 800 μl (containing 0.1% human serum albumin)
Then, add 100 μl of the test substance solution (10 times the final concentration).
S-Clone medium solution, DMSO concentration 2.5%)
In the presence of carbon dioxide (5%) and air (95%)
After culturing for 2 hours, the cartilage destruction factor PMA
Lumiristate acetate) (final concentration 0.1 μg / m
l) or interleukin 1α (IL-1α) (final
(Concentration: 20 u / ml) was added to the chondrocyte culture.
The test substances used here are as follows:
You.
This substance: caffeic acid (CFA; Tokyo Chemical Industry Co., Ltd.)
Company), Ferulic acid (referred to as FLA; Sigma Chemical
And 3-ethoxy-4-hydroxycinnamon
Acid [noted as 3-EtO-4-HO-CA; synthesized in Example 1 (1)
Compound]
Comparative substance: Indomethacin (Sigma Chemical Company)
-)
C) Quantification of GAG
Two days later, after removing the chondrocyte culture supernatant, the remaining cartilage was removed.
Add 1 ml of 0.03% papain solution to the matrix layer.
And reacting at 65 ° C. for 1 hour,
AG was released. GAG in treated papain solution
The weight was determined using the 1,9-dimethylmethylene blue method.
(Quantitative method: RW Farndale, Bioc
him. Biophys. Acta. , Vol. 88
3, pp. 173-177, 1986). Cartilage destruction
In the cartilage matrix of the control group
GAG of each sample when GAG content is 100
The relative amount was determined by the following equation. Contains GAG for control
The amount is used for experiments after the chondrocytes reach confluency
A certain width (28.0-7
4.5 μg / ml).
[0023]
## EQU1 ## GAG relative amount% = (B / A) × 100
A: Includes GAG in the group without cartilage destruction factor (control)
Heavy
B: cartilage destruction factor added group or (cartilage destruction factor + test substance
Quality) GAG content of added group
The results are shown in Tables 2 and 3. GAG contained in the table
Quantities are mean ± standard error (n = 3). Each experiment
About control and cartilage destruction factor added group
Was. The significant difference test was performed for the cartilage destruction factor-added group in each experiment.
The test was performed by Student's t-test. Test
The display of the result is as follows. *: P <0.05, *
*: P <0.01, ***: P <0.001. Cartilage destruction
For the GAG content of the factor-free group (control)
And add cartilage destruction factors PMA and IL-1α
This induced a decrease in GAG. Under this condition
Therefore, this substance suppresses the decrease of GAG and acts to suppress cartilage destruction.
It was confirmed that it had a use. In contrast, conventional
Indomethacin, a pain and anti-inflammatory drug, is a
No use was observed, and conversely, the effect of promoting cartilage destruction was observed.
[0025]
[Table 2]
───────────────────────────────────
Sample name GAG content μg / ml (GAG relative amount%)
───────────────────────────────────
Control 43.2 ± 1.5** (100)
IL-1α 33.4 ± 1.0 (77.3)
IL-1α + FLA (100 μM) 39.9 ± 0.8** (92.4)
IL-1α + CFA (100 μM) 40.9 ± 0.7*** (94.7)
-------------------------------------------------- -------------------
Control 43.4 ± 1.7** (100)
PMA 32.1 ± 1.6 (74.0)
PMA + FLA (100 μM) 41.1 ± 4.2 (94.7)
PMA + CFA (100 μM) 47.7 ± 1.5*** (110)
-------------------------------------------------- -------------------
Control 74.5 ± 0.6** (100)
PMA 46.2 ± 0.8 (62.0)
PMA + 3-EtO-4-HO-CA (100 μM) 61.5 ± 0.4*** (82.6)
───────────────────────────────────
[0026]
[Table 3]
───────────────────────────────────
Sample name GAG content μg / ml (GAG relative amount%)
───────────────────────────────────
Control 28.0 ± 0.7*** (100)
PMA 15.4 ± 0.5 (55.0)
PMA + indomethacin (10 μM) 13.2 ± 0.6* (47.1)
(33 μM) 11.7 ± 0.8** (41.8)
───────────────────────────────────
[0027]Example 3: In mouse air cyst model
Cartilage destruction inhibitory action
The test method is described in K. M. K. Bottomley et
al. , Br. J. Pharmacol, Vol. 9
3, pp. 627-635 (1988).
Method. S. D. Strain rat (5.5 weeks old, female)
Aseptically, 40-50 mg of femoral head cartilage (Fem
oral Head Cartridge; written as FHC
) And take out a 5mm square (weight about 3mg) cot
After wrapping, BALB / c mice (7 weeks old, female)
Implanted subcutaneously on the back (5 ml of air injected the day before).
From the third day of implantation, n-ferulic acid was added 5 times a week.
Ropyl [nPrFLA; synthesized in Example 1 (4)
Compound; each dose of 100 mg / kg]
A mixed aqueous solution of Tween 80 (final concentration: CMC;
0.3%, Tween80; 0.05%)
It was administered orally. The control group contained the above CMC and Tw
Only the mixed aqueous solution of een80 was orally administered. Embedding
Take out the embedded FHC on day 21 and dissolve papain
Solution (4 u / ml, 0.05 M PBS, pH 6.5, 1
0 ml) to degrade the FHC matrix. After disassembly,
The GAG content in the papain solution was adjusted to 1,9-dimethylene
It was quantified using the blue method (quantitation method: RW Farn
dale, Biochem. Biophys. Act
a. , Vol. 883, pp. 173-177,198
6). For the untreated group, FH on day 3 of implantation
C was removed and the GAG content was measured.
The results are shown in Table 4. GAG content in table /
FHC is the average of the GAG content per FHC ±
This is the value of the standard error (n = 8 to 10). GAG relative amount%
Means that the GAG content / FHC of the untreated group is 100
Is the relative amount of Formed around the implanted FHC
Granulation secretes cartilage destruction factor. For this reason,
In the roll group, a decrease in GAG was observed. On the contrary,
In the group to which this substance was administered, reduction of GAG reduction was observed.
The effect of inhibiting cartilage destruction was confirmed. In addition, methyl ferulate
, Ethyl ferulate, and n-butyl ferulate
The same tendency as n-propyl ferulate
Was.
[0029]
[Table 4]
────────────────────────────────────
Treatment method GAG content / FHC μg / FHC 1 piece (GAG relative amount%)
────────────────────────────────────
No treatment 745.8 ± 24.5 (100)
Control 387.1 ± 17.1 (51.9)
nPrFLA 435.3 ± 26.4 (58.4)
────────────────────────────────────
[0030]Example 4: Formulation example (granules)
Ferulic acid 20 parts by weight
Lactose 68 parts by weight
Low substituted hydroxypropyl cellulose 10 parts by weight
Hydroxypropyl cellulose 2 parts by weight
And then use 32 parts by weight of wetting agent ethanol.
And kneaded. Then perform wet granulation, dry and granulate
Got.
[0031]
The substance constitutes a cartilage matrix
It strongly suppresses the decrease of GAG and shows a cartilage protective action. or,
Low toxicity. Therefore, this substance, as a cartilage protective agent,
Rheumatoid arthritis, osteoarthritis, shoulder periarthritis, neck and shoulder
Extremely useful application for the treatment of arthropathy such as arm syndrome and low back pain
Having.
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 Bert A. ’t Hart,B
iotechnology Thera
peutics,1992年,3(3&
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A61K 31/00 - 31/80
A61P 29/00
A61P 19/02
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REGISTRY(STN)──────────────────────────────────────────────────続 き Continued on the front page (56) References Bert A. 't Hart, Biotechnology Therapeutics, 1992, 3 (3 & 4), 119-135, J. Biol. Cyong et al. , A cuputure & Electro-Therapeutics Res. , Int. J. 1982, Vol. 7,173-201 (58) Fields investigated (Int. Cl. 7 , DB name) A61K 31/00-31/80 A61P 29/00 A61P 19/02 JICST file (JOIS) CAPPLUS (STN) MEDLINE (STN) REGISTRY (STN)