JP3487205B2 - 画像データ編集装置 - Google Patents

画像データ編集装置

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JP3487205B2
JP3487205B2 JP37188898A JP37188898A JP3487205B2 JP 3487205 B2 JP3487205 B2 JP 3487205B2 JP 37188898 A JP37188898 A JP 37188898A JP 37188898 A JP37188898 A JP 37188898A JP 3487205 B2 JP3487205 B2 JP 3487205B2
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  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像データ編集装置
に係り、特にフレーム間あるいはフィールド間予測処理
を用いて高能率符号化された画像データを編集する画像
データ編集装置に関する。
【0002】
【従来の技術】動画像を高能率符号化で圧縮する手法と
してISO/IEC13812−2に規格化されたMP
EG2(Moving Picture Experts Group phase 2)ビデ
オと呼ばれる動画像符号化方式がある。このMPEG2
ビデオによる圧縮画像は、画像間の動き補償(MC)予
測と、水平方向及び垂直方向各8画素(いわゆる8×8
画素)の離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine
Transform)とを組み合わせたハイブリッド方式を行
い、これにより得られた信号に対してさらに量子化、及
び可変長符号化を施すものである(参考文献:ISO/IEC1
3812-2 Draft International Standard)また、MC予
測の種類としては、過去の画像を参照画像とする前方予
測、未来の画像を参照画像とする後方予測、過去、未来
両方の画像を参照画像とする双方向(内挿)予測、及び
予測を用いないイントラの各モードがある。このMC予
測モードは、水平方向及び垂直方向各16画素(いわゆ
る16×16画素)のマクロブロック毎に設定可能であ
るが、符号化画像(ピクチャ)の種類によって使用可能
なモードが決められている。
【0003】このピクチャタイプにはIピクチャ、Pピ
クチャ及びBピクチャの計3種類がある。Iピクチャ
は、イントラマクロブロックのみで構成されるピクチャ
であり、Pピクチャはイントラ及び前方予測マクロブロ
ックで構成されるピクチャであり、Bピクチャはすべて
のMC予測モードが許されるピクチャである。
【0004】ここで、Iピクチャは予測を用いず、原画
像自体をDCT変換した後、量子化、可変長符号化され
たフレーム内処理された符号化画像であるので、単独の
符号化データで復号が可能である。Pピクチャは入力画
像順で過去の既に符号化されたIまたはPピクチャとの
MC予測誤差信号をDCT変換、量子化、可変長符号化
された、フレーム間順方向予測符号化画像である。ま
た、Bピクチャは過去及び未来の既に符号化されたIま
たはPピクチャとのMC予測誤差信号をDCT変換、量
子化、可変長符号化された、双方向予測符号化画像であ
る。このため、Pピクチャ及びBピクチャの復号は、こ
れに先行してIピクチャより始まる参照画像の復号を行
う必要がある。
【0005】MPEG2ビデオでは、任意の数の上記種
類のピクチャにより構成されるGOP(Group Of Pictu
res)という階層をもつ。このGOPで最初に符号化さ
れるピクチャはIピクチャと定められており、このIピ
クチャの前にはGOPの先頭であることを示すGOPヘ
ッダが挿入される。このGOPヘッダ中には、そのGO
Pを構成する復号化データのみで復号可能すなわち前の
GOPの画像データを参照しない独立したGOP(Clos
ed GOP)であるかどうかを示すフラグ(closed_gop)、
そして本来前のGOPの画像データを参照する必要があ
るが編集によりこれができなくなったことを示すフラグ
(broken_link)があり、GOPを単位として編集が行
えるような工夫がなされている。
【0006】図5は前述のMPEG2ビデオの符号化部
分を備えた従来の符号化データ編集装置の一例のブロッ
ク図を示す。図5において、入力端子51に入力された
原画像信号はMPEG2の符号化部52に供給される。
符号化部52は制御部53からのピクチャタイプ、量子
化ステップなどの符号化パラメータ制御信号に基づき原
画像信号の圧縮符号化を行うと共に、制御部53に符号
量制御のための発生符号量などの符号化結果情報を返
す。
【0007】また、符号化部52によって圧縮符号化さ
れた符号化データは、ディジタル信号記録部54に出力
されて記録される。制御部53は、ディジタル信号記録
部54に記録制御信号を与えることにより、ディジタル
信号記録部54に記録するように制御する。編集部55
はディジタル信号記録部54から符号化データを読み出
し、その一部を切り取ってつなぎあわせる編集を行い、
その編集結果をディジタル信号記録部54に返送して記
録し直す。
【0008】図6は上記の符号化部52の一例の詳細ブ
ロック図を示す。図6において、入力端子61(図5の
入力端子51に相当)に入力された原画像信号は符号化
順変換回路62に入力される。符号化順変換回路62は
内部バッファメモリを用いて、原画像の入力順から符号
化順への変換(符号化順変換)を行うと共に、走査順、
ブロック/マクロブロック順変換を行って符号化順で画
像信号を出力する。
【0009】図7はこの符号化順変換回路62による符
号化順変換の様子を示す図であり、GOP構成と各ピク
チャの予測の方向も併せて示してある。図7(A)は原
画像の入力順、すなわち画像表示順のGOP構成を示
し、同図(B)は符号化変換後の符号化順のGOP構成
を示している。また、図7の矢印は各ピクチャの予測の
方向を示している。この例においては、1つのGOPは
1つのIピクチャと、1つのPピクチャと、4つのBピ
クチャにより構成され、IピクチャとPピクチャの周期
は3ピクチャとしている。
【0010】このように、図6の符号化順変換回路62
は、図7(A)に示した画像表示順の各ピクチャの原画
像信号に対して、図7(B)に示したような符号化順変
換処理を行い、マクロブロック単位で構成される符号化
画像信号に変換して減算回路63に出力する。減算回路
63はこの符号化画像信号から、動き補償回路75から
の予測画像信号を減算して予測誤差信号を得る。この予
測誤差信号はDCT回路64でブロック毎に2次元DC
T変換されて、DCT係数信号として出力される。量子
化回路65はこのDCT係数信号に対し、符号化制御回
路76(図5の制御部53に相当)から供給される量子
化制御信号により設定される、VLC文法生成回路66
の発生符号量に応じた量子化ステップに基づき量子化を
施す。
【0011】量子化回路65から取り出された量子化信
号は、VLC文法生成回路66及び局部復号化回路79
の逆量子化回路69に供給される。VLC文法生成回路
66は、量子化回路65からの量子化信号を可変長符号
化(VLC:Variable Length Coding)すると共に、符
号化制御回路76で生成されたヘッダデータなどの付加
信号をこれに多重化して所定のフォーマットのMPEG
2符号化データを生成し、この符号化データをバッファ
メモリ67を介して出力端子68に出力する。またVL
C文法生成回路66は、ここで生成した符号化データの
符号量を符号化制御回路76に供給する。
【0012】一方、逆量子化回路69は、量子化回路6
5からの量子化信号に対して、符号化制御回路76から
の量子化制御信号により設定される量子化ステップによ
り、量子化回路65で施された量子化の逆の処理、すな
わち逆量子化を行い、これにより得られるDCT係数信
号を逆DCT回路70に供給する。逆DCT回路70
は、逆2次元DCTを行い、これにより得られる予測誤
差信号を加算回路71に供給する。加算回路71は、逆
DCT回路70で得られた予測誤差信号と動き補償回路
75で動き補償された予測画像信号とを加算し、局部復
号回路79の出力である復号化画像信号を得て、これを
スイッチ72に入力する。
【0013】スイッチ72は、符号化制御回路76から
のピクチャタイプ信号により、Iピクチャ又はPピクチ
ャのときのみ閉成するように動作する。すなわち、Iピ
クチャ又はPピクチャのときのみ復号化画像信号が参照
画像メモリ73に書き込まれる。参照画像メモリ73は
常に、過去に符号化された2フレーム分の復号化画像を
保持する。そして参照画像メモリ73の中の、入力順で
過去、未来の参照画像信号は動き検出回路74に供給さ
れる。
【0014】動き検出回路74は参照画像信号と符号化
順変換回路62の出力信号である符号化画像信号により
動きベクトル及び、最適な予測モードをマクロブロック
毎に検出する。この予測モードは、符号化制御回路76
のピクチャタイプ信号により制限される。これにより得
られた予測モード信号は、参照画像メモリ73、動き補
償回路75及び符号化制御回路76に、そしてこの予測
モードに対応する動きベクトル信号は動き補償回路75
及び符号化制御回路76に供給される。
【0015】参照画像メモリ73はこの予測モード信号
に従い、予測に用いる参照画像信号を動き検出回路74
及び動き補償回路75に供給する。動き補償回路75は
予測モード信号及び動きベクトル信号により参照画像信
号の動き補償、そして予測モードによって時間方向の内
挿処理を行い、最終的な予測画像を得、これを減算回路
63及び加算回路71に供給する。
【0016】なお、予測モード信号がイントラモードで
ある場合は、この予測画像信号が0となるため、DCT
回路64の入力信号は符号化順画像信号となり、予測を
用いずに原画像信号そのものを符号化することになる。
以上の動作によリMPEG2による画像の圧縮符号化が
行われる。
【0017】ここで、図5に示した制御部53は、符号
化部42に与える量子化ステップなどのパラメータを変
更することによって符号量の制御を行う。この符号量制
御は、MPEG2で規定されるVBV(Video Buffer V
erifier)バッファによるものである。このVBVバッ
ファは、可変長符号化データを固定の符号化レートで符
号化する場合、一定の速度で符号化データが入力されて
所定の値だけ溜まったところから、所定の時間単位(例
えばフレーム時間単位)で復号化を一瞬で行う仮想デコ
ーダモデルであり、符号化器の出力に接続して使用さ
れ、その占有値がオーバーフローもアンダーフローも発
生しないように符号化することがMPEGで規定されて
いる。
【0018】符号化データ量は、異なったピクチャタイ
プあるいはその原画像の性質、また画像間の相関により
大きく異なるため、一定のビットレートのチャネルに符
号かデータを蓄積あるいは伝送しようとすると必然的に
符号化器、復号化器はバッファを備える必要がある。V
BVバッファは仮想的な復号化器であり、符号化の際、
このVBVバッファがオーバーフロー、アンダーフロー
を起こさないように発生符号量を調整することによっ
て、実際の復号化器が正しく動作することを保証する。
【0019】ここで、以上のように作成された符号化デ
ータ列を2種類接続する方法について説明する。図5に
示した編集部55は、ディジタル信号記録部54に記録
されている符号化データに対して、制御部53から供給
される編集信号に基づき、編集領域の符号化データ列を
GOP単位で編集する。ディジタル信号記録部54に記
録されている符号化データ列を切り取り接続し、再びデ
ィジタル信号記録部54に記録する。
【0020】しかしながら、このような符号化データに
対する編集は、実際の符号化器が持つバッファのオーバ
ーフローやアンダーフローを発生させる原因となる。こ
のことについて図8及び図9を用いて説明する。図8
(A)及び(B)はある固定レート(CBR)の符号化
データ列A1とB1、符号化データ列A2とB2のVB
Vバッファの占有量の遷移を示す図であり、縦軸がVB
Vバッファの占有量、横軸が時間を示す。このように、
図5に示した制御部53はVBVバッファがオーバーフ
ロー、アンダーフローしないように、ピクチャ毎に最適
な符号量割り当てを行っている。
【0021】ここで、図8(A)に示す符号化データ列
A1の点aと符号化データ列B1の点bとを繋ぎ合わせ
る場合と、図8(B)に示す符号化データ列A2の点
a’と符号化データ列B2の点b’とを繋ぎ合わせる場
合を考えてみる。まず、符号化データ列A1の点aと符
号化データ列B1の点bとを繋ぎ合わせた場合のVBV
バッファの占有量の遷移は、図9(A)に示される。図
9(A)中、c点が符号化データ列A1の点aと符号化
データ列B1の点bとの接続点であり、Iで示すように
VBVバッファのオーバーフローが生じる。
【0022】すなわち、VBVバッファには将来の復号
化に必要な符号化データが蓄積されていなければならな
いが、a、bで符号化データ列A1とB1を接続したこ
とによって復号化に必要な符号化データの量に比べ、一
定時間に先送りされてくる符号化データの量の方が多く
なり、この結果、図9(A)にIで示すようにオーバー
フローを引き起こしてしまう。
【0023】また、符号化データ列Aの点a’と符号化
データ列Bの点b’とを繋ぎ合わせた場合のVBVバッ
ファの占有量の遷移は、図9(B)に示される。図9
(B)中、d点が符号化データ列A2の点a’と符号化
データ列B2の点b’との接続点であり、符号化データ
列B2のピクチャXの復号時に、IIで示すようにVBV
バッファのアンダーフローが生じてしまう。すなわち、
ピクチャXで必要とされる大量の符号化データは、本来
はそれ以前にVBVバッファに送られ蓄積されていなけ
ればならない。しかし、a’、b’で符号化データ列A
2とB2を接続したことによってピクチャXの符号化デ
ータが先送りできなくなって復号化時の符号化データが
不足となり、この結果、VBVバッファのアンダーフロ
ーが生じてしまう。
【0024】これを防ぐために、従来は図9(A)に示
すようにオーバーフローを引き起こす場合はa、b間の
バッファ占有量の差分の無効データを追加することでオ
ーバーフローを防止している。
【0025】一方、図9(B)に示すようにアンダーフ
ローを引き起こす場合は、従来は接続する2つの符号化
データ列A2とB2のうち時間的に前の符号化データ列
A2の最後の画像(接続点a’のピクチャ)をn枚繰り
返し符号化することで、図9(C)に示すようにアンダ
ーフローを防止している。これは同じ画像をn回繰り返
し符号化(再符号化)すると、図9(C)に点線IIIで
示すように、発生符号量が極端に少なくなり、VBVバ
ッファの入力が出力を上回ることになり、VBVバッフ
ァの占有量が増加するためである。
【0026】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記の従来
装置では、2つの符号化データを接続して編集する場
合、VBVバッファのアンダーフローを防ぐために、発
生符号量の小さなピクチャを加えてVBVバッファのデ
ータ量の回復を行うようにしているため、同じピクチャ
が復号化時数枚出力されることとなり、最悪の場合は画
面がフリーズした状態になってしまう可能性がある。ま
た、再符号化の際、各ピクチャに割り当てられる符号量
が不適切な場合、一部の画質劣化が顕著になるおそれが
ある。
【0027】本発明は以上の点に鑑みなされたもので、
復号化時に画像が本来フリーズする部分でない場合にフ
リーズすることなく、復号化時にVBVバッファのオー
バーフローやアンダーフローを起こさないように符号化
データの接続編集を行い得る画像データ編集装置を提供
することを目的とする。
【0028】また、本発明の他の目的は、復号化時に編
集者が意図した画像のみを再生し得る画像データ編集装
置を提供することにある。
【0029】更に、本発明の他の目的は、再符号化部分
の画質の低下を最小限に抑える得る画像データ編集装置
を提供することにある。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の各目的を
達成するため、符号化された画像データを記録し、記録
画像データが読み出されるデータ記録部と、データ記録
部から読み出された、符号化された画像データを復号化
する復号化部と、復号化部により復号化された画像デー
タから、その画像データの各ピクチャ毎の発生符号量、
符号化パラメータ及び符号化された画像データの初期V
BVバッファ値を取得して記録するパラメータ記録部
と、パラメータ記録部から取り出された各ピクチャ毎の
発生符号量及び符号化パラメータに基づいて、復号化時
に得た各ピクチャにおける量子化ステップに依存する発
生符号量で比例配分した量子化ステップに依存する目標
符号量を決定する目標符号量決定回路と、復号化部より
入力された符号化画像データを、目標符号量に基づいた
量子化ステップで量子化後、可変長符号化する符号化部
と、制御部とを有する構成としたものである。
【0031】ここで上記の制御部は、第1の符号化画像
データ列を第2の符号化画像データ列に接続する際に、
第2の符号化画像データ列と接続される第1の符号化デ
ータ列の最後のピクチャを含む最後から計m枚(mは1
以上の整数)の第1の符号化データ列のピクチャをデー
タ記録部から読み出して復号化回路に入力し、この復号
化回路からパラメータ記録部に各ピクチャ毎の発生符号
量及び符号化パラメータを記録させると共に目標符号量
決定回路により目標符号量を決定した後、再度計m枚の
第1の符号化データ列のピクチャをデータ記録部から読
み出して復号化回路を介して符号化部に供給し、目標符
号量決定回路からの目標符号量に基づいて再符号化する
構成であり、符号化部により再符号化された計m枚の第
1の符号化データ列のピクチャを介して第2の符号化画
像データ列に接続することを特徴とする。
【0032】本発明では、第1の符号化画像データ列を
第2の符号化画像データ列に接続する際に、第2の符号
化画像データ列と接続される第1の符号化データ列の最
後のピクチャを含む最後から計m枚の第1の符号化デー
タ列のピクチャを符号化部により、復号化データから符
号化時に割り当てられた符号量配分の割合を使用して再
符号化し、その再符号化された計m枚の第1の符号化デ
ータ列のピクチャを介して第2の符号化画像データ列に
接続する。
【0033】また、本発明における上記の目標符号量決
定回路は、計m枚の第1の符号化データ列の各ピクチャ
における量子化ステップに依存する発生符号量に、計m
枚の全ピクチャにおける全体の目標符号量と全体の発生
符号量との比を乗じた値と、計m枚の第1の符号化デー
タ列の各ピクチャにおける量子化ステップに依存しない
発生符号量とを加算した値を目標符号量として決定する
ことを特徴とする。
【0034】本発明では、量子化ステップに依存する符
号量、量子化ステップに依存しない符号量に分けて発生
符号量を記録し、再符号化時に量子化ステップに依存し
ない符号量を考慮して量子化ステップを可変制御するこ
とで、一部分を符号化を行うときでもピクチャ毎に適切
な符号量配分を行うことができる。
【0035】また、本発明は、制御部が、第2の符号化
データ列をデータ記録部から読み出して復号化回路に入
力し、この復号化回路からパラメータ記録部に初期VB
Vバッファ値を記録させ、第1の符号化データ列の符号
化部による再符号化終了後、再符号化画像データの最終
VBVバッファ値がパラメータ記録部から得た第2のデ
ータ符号化列の初期VBVバッファ値より大きい分は、
無効データを再符号化したデータ符号列を再符号化デー
タに加えることで最終VBVバッファ値を初期VBVバ
ッファ値に一致させることを特徴とする。本発明では、
オーバーフローを防止できる。
【0036】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て説明する。図1は本発明になる画像データ編集装置の
一実施の形態のブロック図を示す。同図において、デー
タ記録部1に予め符号化されて記録されている、符号化
された画像データ列(第1の符号化データ列)Aと、符
号化された画像データ列(第2の符号化データ列)Bを
任意の位置で接続編集する場合について説明する。
【0037】制御部3は、データ記録部1から指定され
た区間の符号化データ列Aを再生して復号化部2へ供給
する。復号化部2は制御部3で指定された区間の、入力
符号化データ列Aのピクチャ毎の発生符号量、動きベク
トル、マクロブロックのモード、最終VBV値等の符号
化パラメータを制御部3へ供給する。制御部3は復号化
部2から入力された符号化パラメータをパラメータ記録
部4に供給して記録する。
【0038】制御部3で指定された区間の復号化を終え
て符号化パラメータをパラメータ記録部4に全て記録し
た後、制御部3はデータ記録部1から符号化データ列B
を再生して復号化部2へ供給する。復号化部2では初期
VBVバッファ値を制御部3に供給する。制御部3は符
号化データ列Bの初期VBVバッファ値をパラメータ記
録部4に記録した後データ記録部1を制御してデータ記
録部1から復号化部2への符号化データ列Bへの供給を
停止させる。
【0039】次に、この画像データ編集装置は符号化デ
ータ列A、Bを接続するときのVBVバッファ値を一致
させる動作を行う。この動作について説明するに、符号
化データ列A、Bを接続した場合、図9(A)に示した
ように、バッファオーバーフローが発生するときは、従
来と同様に、制御部3は符号化データ列Aの接続点(図
8(A)のa点に相当)におけるVBVバッファの占有
量と、符号化データ列Bの接続点(図8(A)のb点に
相当)におけるVBVバッファの占有量の差分を算出
し、この差分だけ復号化時に無効に扱われるスタッフィ
ングビットを生成してデータ記録部1に記録する。
【0040】その後、制御部3はデータ記録部1に記録
されている符号化データ列A、上記のスタッフィングビ
ット、符号化データ列Bの順に再生して接続を終了す
る。これにより、2つの符号化データ列A及びBが接続
された際のオーバーフローが防止される。
【0041】これに対し、符号化データ列A、Bを接続
した場合、図9(B)に示したように、バッファアンダ
ーフローが発生するときは、制御部3は、符号化データ
列Aの最終VBVバッファ値を符号化データ列Bの初期
VBVバッファ値にするため、従来とは異なる方法で再
符号化する。
【0042】ここで、図1の制御部3で指定された再符
号化する区間の符号化データ列Aの復号化時に記録され
たパラメータについて説明する。記録されたパラメータ
には、VBVバッファ値、動きベクトル、予測モ
ード、量子化ステップに依存する符号量及び量子化
ステップに依存しない符号量がある。
【0043】量子化ステップに依存する符号量は、DC
T係数等のブロック情報を可変長符号化したときの符号
量で、量子化ステップによって符号量が変動するもので
あり、量子化ステップに依存しない符号量は、動きベク
トル、予測モード、ヘッダ等を可変長符号化したときの
符号量で、量子化ステップで符号量が変動しないもので
ある。
【0044】上記の再符号化時にはピクチャタイプ、マ
クロブロックタイプ(予測モード)等は変更しないで、
量子化ステップのみを変更して符号量調整を行い、符号
化データ列Aの最後のVBVバッファ値を目標値(符号
化データ列Bの初期VBVバッファ値)にする。
【0045】次に、再符号化の手順について説明する。
図1の目標符号量決定回路5は、パラメータ記録部4か
ら目標VBV値Btにするために使用できる符号量と、
符号化したときの発生符号量BitCを取り出す。図3
(A)は量子化ステップに依存する発生符号量と、量子
化ステップに依存しない発生符号量を各ピクチャの発生
順に示し、図3(B)は量子化ステップに依存する目標
符号量と、量子化ステップに依存しない目標符号量を各
ピクチャの発生順に示す。
【0046】本実施の形態において再符号化する場合、
動き検出等の処理量の多い部分は復号化データから得た
図1のパラメータ記録部4から取得するので、量子化ス
テップに依存しない符号量は変化しない。図3(A)に
示す発生符号量Gは(1)式及び(2)式で表される。
【0047】 G=ΣP(i) (1) P(i)=ID(i)+DE(i) (2) ただし、ID(i)はピクチャiにおける量子化ステッ
プに依存しない発生符号量、DE(i)はピクチャiに
おける量子化ステップに依存する発生符号量である。
【0048】また、図3(B)に示す結合しようとする
m枚(mは1以上の整数)のピクチャにおける全体の目
標符号量Tは、(3)式で表される。
【0049】 T=ΣTC(i)+ΣID(i) (3) ただし、ΣTC(i)はピクチャiにおける量子化ステ
ップに依存する目標符号量であり、各ピクチャの目標符
号量TC(i)は TC(i)=DE(i)×T/G+ID(i) (4) である。すなわち、各ピクチャの目標符号量TC(i)
は、発生符号量Gと再符号化する際の目標符号量Tとの
比で、復号化時に得た各ピクチャにおける量子化ステッ
プに依存する発生符号量DE(i)を乗じた値に比例し
た値であり、量子化ステップに依存する目標符号量TC
(i)を復号化時に得た各ピクチャにおける量子化ステ
ップに依存する発生符号量DE(i)で比例配分したこ
とになる。
【0050】2つの符号化データ列AとBの接続時は、
この目標符号量TC(i)で符号化データ列Aの接続点
のピクチャを含む最後のm枚(mは1以上の整数)のピ
クチャを符号化部6で再符号化した後で符号化データ列
Bに接続する。mの値は、予め決めておいてもよいし、
符号化データ列Aの発生符号量等に応じて設定するよう
にしてもよい。
【0051】次に、復号化部2と符号化部6の再符号化
時の動作を図2を用いて説明する。図2は復号化部2と
符号化部6の一実施の形態の詳細ブロック図を示す。図
1の制御部3で指定された区間の符号化データ列Aは、
復号化部2内の符号量カウンタ21と可変長復号化回路
23にそれぞれ入力される。符号量カウンタ21は入力
された符号化データ列Aの発生符号量をカウントして、
ピクチャ毎の発生符号量を示すカウント値を図1の制御
部3へ送出する。可変長復号化回路23は入力された符
号化データ列Aを可変長復号して、パラメータ取得回路
22及び逆量子化回路24にそれぞれ入力する。
【0052】パラメータ取得回路22は入力復号化デー
タに基づいて、動きベクトル、マクロブロックのモー
ド、最終VBV値等の符号化パラメータを取得して制御
部3へ出力する。また、可変長復号化回路23から取り
出された復号化データは、逆量子化回路24により逆量
子化された後、逆DCT回路25により逆DCTされて
予測誤差信号とされる。
【0053】この予測誤差信号は、加算回路26に供給
され、ここで動き補償回路27からの動き補償された予
測画像信号と加算されることにより、復号化画像信号と
されてフレームバッファ28により蓄積されてから動き
補償回路27に供給される。このときスイッチ29は制
御部3よりの制御信号によりオフとされているため、加
算回路26からの復号化画像信号は符号化部6には入力
されない。
【0054】指定された区間の符号化データ列Aの復号
化部2による復号がすべて終了した後、制御部1は入力
された各ピクチャ毎の発生符号量と符号化パラメータに
基づいて、前記(1)式〜(4)式の演算を行った後、
データ記録部1を再び制御して今度は符号化データ列A
の符号化データ列Bとの接続点のピクチャを含む最後の
m枚のピクチャの符号化データを読み出して復号化部2
に入力すると共に、スイッチ29をオンに制御する。こ
れにより、上記の符号化データ列Aの最後のm枚のピク
チャの符号化データが復号化部2により復号化された
後、図2のスイッチ29を通して符号化部6内の減算回
路33に入力される。
【0055】符号化部6は従来の符号化部52とほぼ同
様の構成であるが、動き補償モード、動きベクトル、復
号化時に得た情報を用いるので、動き検出回路を削除で
きると共に、動き補償回路41等は従来の符号化部52
内のそれよりも簡略化できる。減算回路33は復号化部
2より入力された復号化画像信号から動き補償回路41
よりの動き補償された予測画像信号との減算を行って予
測誤差信号を得た後、量子化回路35に供給されて量子
化される。
【0056】この量子化回路35による量子化の際に用
いられる量子化ステップのうち、ピクチャ先頭における
量子化ステップは、図1の目標符号量決定回路5により
得られて入力端子31を介して符号化制御回路32に供
給される目標符号量と、復号化時に得られた量子化ステ
ップと、可変長符号化回路36の発生符号量とから符号
化制御回路32で決定される。
【0057】例えば、再符号化時のピクチャiでの初期
量子化ステップQsは、次式で表される。
【0058】 Qs=Qd×DE(i)/TC(i) (5) ただし、(5)式中、Qdは符号化データ列Aのピクチ
ャiでの量子化ステップである。符号化制御回路32
は、この初期量子化ステップQsを設定する。
【0059】量子化回路35から取り出された量子化デ
ータは、可変長符号化回路36に供給されて可変長符号
化される。この可変長符号化回路36の発生符号量デー
タは符号化制御回路32に供給される。符号化制御回路
32は、VBVバッファの値と、図1の目標符号量決定
回路5からの目標符号量によって量子化回路35の量子
化ステップを可変制御する。
【0060】また、量子化回路35から取り出された量
子化データは、逆量子化回路37で逆量子化され、逆D
CT回路38により逆2次元DCTが行われ、これによ
り得られた予測誤差信号が加算回路39に供給されて動
き補償回路41で動き補償された予測画像信号と加算さ
れて局部復号化画像信号とされた後、フレームバッファ
40を通して動き補償回路41に供給される。可変長符
号化回路36で可変長符号化された符号化画像データ
は、再符号化された符号化画像データ42として出力さ
れて、図1のデータ記録部1に記録される。
【0061】その後、制御部3はデータ記録部1から符
号化データ列Aの接続点からm+1枚以前のピクチャを
読み出し、続いて上記のように再符号化された符号化デ
ータ列Aの接続点からm枚のピクチャをデータ記録部1
から読み出し、続いて符号化データ列Bをデータ記録部
1から読み出す。これにより、オーバーフロー及びアン
ダーフローを起こすことなく2つの符号化データ列Aと
Bの接続した編集ができる。
【0062】図4は上記の接続編集におけるVBVバッ
ファの占有量の遷移を示す。同図中、IVは再符号化され
た符号化データ列Aの接続点からm枚のピクチャの再生
時のVBVバッファの占有量の遷移を示し、また、再符
号化された符号化データ列Aの接続点からm枚のピクチ
ャが符号化データ列Bの接続点b’に接続されているこ
とがわかる。
【0063】なお、再符号化終了後、最終VBVバッフ
ァ値がデータ符号化列Bの初期VBVバッファ値Blよ
り大きい分は、それらの差分だけ無効データを再符号化
し、得られた無効データの符号化データを、符号化デー
タ列Aの最後のm枚のピクチャの再符号化したデータ列
の後に加えることで、最終VBVバッファ値をBlに一
致させることができる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
復号化データから符号化時に割り当てられた符号量配分
の割合を使用して再符号化し、その再符号化された計m
枚の第1の符号化データ列のピクチャを介して第2の符
号化画像データ列に接続するようにしたため、編集後の
符号化データ列が、復号化器のバッファをオーバーフロ
ーしたりアンダーフローしたりすることがないようにで
きる。
【0065】また、本発明によれば、量子化ステップに
依存する符号量、量子化ステップに依存しない符号量に
分けて発生符号量を記録し、再符号化時に量子化ステッ
プに依存しない符号量を考慮して量子化ステップを可変
制御することで、一部分を符号化を行うときでもピクチ
ャ毎に適切な符号量配分を行うようにしたため、局部的
に符号量が不足したり、画面内において局部的に画質を
損なうことが防止でき、また、復号化時に画像が本来フ
リーズする部分でない場合にフリーズすることなく符号
化データを作成することができ、再符号化部分の画質の
低下を最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の構成を示すブロック図
である。
【図2】図1中の復号化部と符号化部の一実施の形態の
詳細ブロック図である。
【図3】本発明の各ピクチャにおける量子化ステップに
依存する発生符号量及び目標符号量と量子化ステップに
依存しない発生符号量及び目標符号量の状態の一例を示
す図である。
【図4】本発明により符号化データ列を接続したときの
VBVバッファ占有量の遷移を示す図である。
【図5】従来の画像データ編集装置の一例のブロック図
である。
【図6】図5中の符号化部の一例の詳細ブロック図であ
る。
【図7】図6中の符号化順変換回路による符号化順変換
の様子を示す図である。
【図8】ある固定レート(CBR)の符号化データ列の
VBVバッファの占有量の遷移の各例を示す図である。
【図9】図8に示した2つの符号化データ列を繋げた場
合のVBVバッファの占有量の遷移と、アンダーフロー
防止のためにn枚の再符号化をしたときのVBVバッフ
ァの占有量の遷移を示す図である。
【符号の説明】 1 データ記録部 2 復号化部 3 制御部 4 パラメータ記録部 5 目標符号量決定回路 6 符号化部 21 符号量カウンタ 22 パラメータ取得回路 23 可変長復号化回路 24、37 逆量子化回路 25、38 逆DCT回路 27、41 動き補償回路 28、40 フレームバッファ 29 スイッチ 31 目標符号量入力端子 32 符号化制御回路 34 DCT回路 35 量子化回路 36 可変長符号化回路

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 符号化された画像データを記録し、記録
    画像データが読み出されるデータ記録部と、 前記データ記録部から読み出された、符号化された画像
    データを復号化する復号化部と、 前記復号化部により復号化された前記画像データから、
    その画像データの各ピクチャ毎の発生符号量、符号化パ
    ラメータ及び符号化された画像データの初期VBVバッ
    ファ値を取得して記録するパラメータ記録部と、 前記パラメータ記録部から取り出された前記各ピクチャ
    毎の発生符号量及び符号化パラメータに基づいて、復号
    化時に得た各ピクチャにおける量子化ステップに依存す
    る発生符号量で比例配分した量子化ステップに依存する
    目標符号量を決定する目標符号量決定回路と、 前記復号化部より入力された符号化画像データを、前記
    目標符号量に基づいた量子化ステップで量子化後、可変
    長符号化する符号化部と、 第1の符号化画像データ列を第2の符号化画像データ列
    に接続する際に、前記第2の符号化画像データ列と接続
    される前記第1の符号化データ列の最後のピクチャを含
    む最後から計m枚(mは1以上の整数)の前記第1の符
    号化データ列のピクチャを前記データ記録部から読み出
    して前記復号化回路に入力し、この復号化回路から前記
    パラメータ記録部に前記各ピクチャ毎の発生符号量及び
    符号化パラメータを記録させると共に前記目標符号量決
    定回路により前記目標符号量を決定した後、再度前記計
    m枚の前記第1の符号化データ列のピクチャを前記デー
    タ記録部から読み出して前記復号化回路を介して前記符
    号化部に供給し、前記目標符号量決定回路からの前記目
    標符号量に基づいて再符号化する制御部とを有し、前記
    符号化部により再符号化された前記計m枚の前記第1の
    符号化データ列のピクチャを介して前記第2の符号化画
    像データ列に接続することを特徴とする画像データ編集
    装置。
  2. 【請求項2】 前記目標符号量決定回路は、前記計m枚
    の前記第1の符号化データ列の各ピクチャにおける量子
    化ステップに依存する発生符号量に、計m枚の全ピクチ
    ャにおける全体の目標符号量と全体の発生符号量との比
    を乗じた値と、計m枚の前記第1の符号化データ列の各
    ピクチャにおける量子化ステップに依存しない発生符号
    量とを加算した値を前記目標符号量として決定すること
    を特徴とする請求項1記載の画像データ編集装置。
  3. 【請求項3】 前記制御部は、前記第2の符号化データ
    列を前記データ記録部から読み出して前記復号化回路に
    入力し、この復号化回路から前記パラメータ記録部に前
    記初期VBVバッファ値を記録させ、前記第1の符号化
    データ列の前記符号化部による再符号化終了後、再符号
    化画像データの最終VBVバッファ値が前記パラメータ
    記録部から得た前記第2のデータ符号化列の初期VBV
    バッファ値より大きい分は、無効データを再符号化した
    データ符号列を再符号化データに加えることで最終VB
    Vバッファ値を初期VBVバッファ値に一致させること
    を特徴とする請求項1記載の画像データ編集装置。
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