JP3476898B2 - 塗布方法及び装置 - Google Patents

塗布方法及び装置

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JP3476898B2
JP3476898B2 JP06482794A JP6482794A JP3476898B2 JP 3476898 B2 JP3476898 B2 JP 3476898B2 JP 06482794 A JP06482794 A JP 06482794A JP 6482794 A JP6482794 A JP 6482794A JP 3476898 B2 JP3476898 B2 JP 3476898B2
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修 福永
正彦 山口
政二 片山
弘 鈴木
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第一製薬株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、筒体の内面に一定量の
液体又は流動性材料を塗布する方法及び装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】医療分野においては、図11に示す如く
注射器を構成するシリンダー(9)内に予め薬液(93)を充
填した状態で、該注射器を医薬メーカから病院等へ納入
することが行なわれる。該注射器は、シリンダー(9)の
噴出ノズル(94)がキャップ(92)により封止されると共
に、薬液充填側の開口部には、栓(91)が施されている。
【0003】上記注射器を用いて薬液(93)を体内に注入
する際には、キャップ(92)を外して、注射針を装着した
状態で、栓(91)をロッド(図示せず)によりシリンダー
(9)内へ押し込むのである。ここで、シリンダー(9)内
周面と栓(91)外周面との液密性を維持しつつ、栓(91)の
スムーズな摺動を実現するべく、一般的には、シリンダ
ー(9)の内部へ潤滑用のシリコン液を噴霧して内周面に
薄いシリコン膜を形成し、その後、薬液(93)を充填して
打栓を施すことが行なわれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の潤滑用シリコン
液は、体内へ注入されても殆ど害のないものではある
が、その注入量は出来るだけ少ないことが望ましい。と
ころが、従来の様にシリンダー(9)の内部へシリコン液
を噴霧する方式においては、シリンダー(9)内周面の全
域にシリコン膜が形成され、栓(91)が摺動する際の潤滑
に直接に寄与するシリコン液は、栓(91)外周面とシリン
ダー(9)内周面との接触領域に付着した一部のシリコン
液に過ぎない。そして、栓(91)の潤滑に直接に寄与しな
い大部分のシリコン液は、薬液(93)と共に体内へ注入さ
れることとなる。
【0005】特に近年、微量であってもシリコンの人体
への影響が危惧されており、上記の如き余分なシリコン
液の体内注入を抑制する要請が高まっている。本発明の
目的は、注射器のシリンダーの如き筒体の内面に対し、
必要な幅領域にのみ、一定量の液体又は流動性材料を塗
布出来る塗布方法及び装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決する為の手段】本発明に係る塗布方法は、
筒体よりも僅かに小径の円筒状を呈する弾性資材からな
る塗布部材の外周面へ塗布材料を略一定厚さに付着せし
める工程と、塗布部材を筒体の内部へ挿入して筒軸方向
に圧縮する工程とを有し、圧縮により膨らんだ塗布部材
の外周面の塗布材料を筒体の内面へ接触させて塗布する
ことを特徴とする。
【0007】本発明に係る塗布装置は、筒体の内径より
も僅かに小径の円筒状を呈する弾性資材からなる塗布部
材と、塗布すべき材料を塗布部材の外周面へ略一定厚さ
に付着せしめる塗布材料供給装置と、塗布部材を筒体の
内部にて筒軸方向に圧縮する圧縮機構とを具えている。
【0008】又、本発明に係る塗布装置において、塗布
材料供給装置は、塗布部材となる塗布ローラ(5)に対し
て接近離間可能に配備され、塗布ローラ(5)と周面どう
しが接触して回転する転写ローラ(4)と、転写ローラ
(4)の外周面へ一定量の塗布材料を供給する定量吐出装
置(33)とを具え、転写ローラ(4)及び塗布ローラ(5)の
回転によって、転写ローラ(4)外周面の塗布材料を塗布
ローラ(5)外周面へ供給する。
【0009】
【作用】塗布材料供給装置によって、塗布部材の外周面
へ塗布材料を略一定厚さに付着せしめた後、該塗布部材
を筒体内部の所定位置へ挿入する。そして、この状態で
圧縮機構の動作によって塗布部材を筒軸方向に圧縮する
と、該塗布部材は、半径方向へ略均一に弾性変形し、外
周面の外径が増大する。
【0010】この結果、塗布部材の外周面が筒体の内面
に圧着し、塗布部材外周面の塗布材料が、筒体内面へ均
一厚さに塗布されることになる。
【0011】塗布材料供給装置を、転写ローラ(4)と定
量吐出装置(33)から構成した場合、定量吐出装置(33)か
ら転写ローラ(4)へ向けて一定量の塗布材料を吐出せし
め、転写ローラ(4)及び塗布ローラ(5)を同時に回転さ
せると、転写ローラ(4)外周面の塗布材料は、塗布ロー
ラ(5)外周面へ均一厚さで転写される。本発明に掛かる
塗布装置を用いて、或は本発明に掛かる塗布方法によ
り、塗布できる注射器等の薬液充填用容器の材質は、何
ら特定されず、ガラス製注射器、プラスチック製注射器
のいずれにおいても適用できる。また、プラスチック製
注射器においては、プラスチックの材質には特定され
ず、プラスチック合成樹脂の基材の種類、核剤の種類又
はそれらの組み合わせによって得られる種々のプラスチ
ック製樹脂のどのような樹脂の種類においても適用可能
である。ただし、そのプラスチック合成樹脂材料の特質
として、次のような要件を満足するものであることが望
ましい。 充填すべき薬液を注射筒に充填し、長期間保存した
場合、溶液又は水溶液に樹脂成分が溶出しないような性
質を有する樹脂であることが好ましい。例えば、注射筒
の材料として用いた樹脂成分のうち核剤、中和剤、酸化
防止剤、UV吸収剤、及び有機酸等の各種添加剤があげ
られ、これらの添加剤が溶出しないことが必要である。 次には、樹脂の透明性が良好な程好ましい。注射筒
の中に充填された薬液中に異物の混入、沈澱物の生成等
を判断が容易にできることが必要だからである。 更には、薬液充填剤シリンジは、乾熱滅菌、又は湿
熱滅菌をすることがあるため、樹脂の材質は、耐熱性を
有することが必要である。
【0012】
【発明の効果】本発明に係る塗布方法及び装置において
は、塗布部材の外径及び幅を、筒体の内径と、塗布材料
を塗布すべき幅と、軸方向の圧縮に伴う半径方向の拡大
率との関係において、適正な値に設計すれば、塗布材料
の付着した塗布部材を圧縮することによって、筒体内面
の必要な幅領域にのみ、必要最少限の塗布材料を塗布す
ることが出来る。この際、筒体内面の必要な幅領域の全
域へ同時に塗布材料を塗布出来るから、塗布工程に時間
はかからない。また、上記の如く形成された薬液充填用
容器に調整された薬液を充填すれば、潤滑材料が薬液の
溶け出ることが少なく、直ちに使用できる安全なシリン
ジ製剤が得られる。
【0013】
【実施例】図11に示す如き注射器のシリンダー(9)内
周面へのシリコン塗布に本発明を実施した一例につき、
図面に沿って詳述する。尚、注射器には造影剤等の薬液
が充填される。又、シリンダー(9)は出願人の先願(特
願平4−238486号)に係る新規な樹脂、即ちプロ
ピレン系重合体を基材とし、核剤として次の一般式で表
わされるリン酸エステルを含有する組成からなる樹脂を
して製造される。
【0014】
【化1】
【0015】ここで、R1、R2、R3及びR4は水素原子
又は置換基を有してもよい連鎖、分岐鎖もしくは環状の
アルキル基を示し、Rは直接結合、硫黄原子又はアルキ
リデン基を示し、x及びyは0又は1を示し、nは金属
Mの原子価を示し、Mは金属原子をしめす。例えば、ナ
トリウム、ストロンチウム、リチウム、カリウム、マグ
ネシウム、カルシウム、バリウム等の中から選ばれる1
の金属原子を意味する。代表的なものは、ナトリウム又
はカリウムである。化1で示される化合物は、リン酸エ
ステル系であり、その主なものは、特公昭63−898
0号公報に記載されている。その中で代表的な化合物
は、メチレンビス(2,4−ジ第三級ブチルフェノー
ル)フォスフェート ナトリウムである。以下この化合
物をNA−11と略す。このNA−11を核剤として用
いたプロピレン系重合体の樹脂を製造し、シリンジ(注
射器)の材料として用いた。上記樹脂を用いて製造した
シリンジは、薬液中に樹脂添加剤やその分解物等が溶出
するおそれがなく、また、ある程度透明性のある樹脂か
らなるシリンジが得られた。
【0016】図1は本発明に係る塗布装置の要部とシリ
コン供給系統を示し、図2は該装置の全体を示してい
る。
【0017】図2に示す如く基台(1)上には、エアシリ
ンダーからなる第1往復機構(11)が垂直に設置され、該
第1往復機構(11)のロッド(13)の先端には昇降台(15)が
取りり付けられている。前記昇降台(15)上にはモータ
(2)が水平に設置され、モータ出力軸(22)には、転写ロ
ーラ(4)が垂直面内で回転可能に固定されている。又、
昇降台(15)上には、モータ支持台(21)と一体に、ノズル
(3)が垂直方向に設けられ、ノズル孔(31)が転写ローラ
(4)の外周面へ向けて垂直に開設されている。従って、
第1往復機構(11)の駆動により、モータ(2)、ノズル
(3)及び転写ローラ(4)は一体的に昇降することにな
る。
【0018】転写ローラ(4)の上方位置には、転写ロー
ラ(4)と同一幅の塗布ローラ(5)が、転写ローラ(4)と
同一垂直面内で回転可能に配置されている。塗布ローラ
(5)はシリコンゴム製であって、細軸部(54)及び太軸部
(55)からなるシャフト(53)の先端部に嵌められ、シャフ
ト(53)先端に固定した前方カラー(51)によって抜け止め
が施されている。
【0019】又、シャフト(53)の細軸部(54)には、塗布
ローラ(5)と太軸部(55)の間に、塗布ローラ(5)と同径
の後方カラー(52)が介装されており、後方カラー(52)の
基端部が、左右一対のボール軸受(56)(56)を介して基台
(1)上の支持ブロック(17)に支持されている。尚、シャ
フト(53)の細軸部(54)と後方カラー(52)とは軸方向の相
対移動が可能な嵌め合い関係に形成されている。シャフ
ト(53)の太軸部(55)の端面には、後方(図面右方)へ向け
てフランジ状の拡大片(58)が突設されている。前方カラ
ー(51)、後方カラー(52)及びシャフト(53)はステンレス
鋼製である。上記構成によって、塗布ローラ(5)、前方
カラー(51)、後方カラー(52)及びシャフト(53)は、一体
に回転することが可能である。
【0020】支持ブロック(17)には、シャフト(53)を挟
んで両側に、一対のガイドシャフト(18)(18)が後方へ向
けて水平に突設されており、これら2本のガイドシャフ
ト(18)(18)によって往復ブロック(16)が水平移動可能に
支持されている。往復ブロック(16)には、前記シャフト
(53)の拡大片(58)を両側から把持するL字状の一対の係
止片(57)(57)が取り付けられている。又、往復ブロック
(16)の背面には、基台(1)上に設置されたエアーシリン
ダーからなる第2往復機構(12)のロッド(14)が連結され
ている。
【0021】従って、第2往復機構(12)の引き込み動作
によって、往復ブロック(16)がガイドシャフト(18)(18)
に案内されつつ水平方向に後退し、これに伴ってシャフ
ト(53)が後方へ牽引される。
【0022】ここで、後方カラー(52)は軸受(56)(56)の
内輪に固定されて、軸方向の移動が不能であるから、シ
ャフト(53)と共に前方カラー(51)が後方へ駆動される。
この結果、塗布ローラ(5)は、前方カラー(51)と後方カ
ラー(52)によって挟圧され、軸方向に圧縮されることに
なる。
【0023】前記ノズル(3)のノズル孔(31)は、シリコ
ンチューブ(32)を経て定量吐出装置(33)及びシリコン供
給装置(34)へ連繋されている。シリコン供給装置(34)
は、図1に示す如くシリコン液(8)が充填され、定量吐
出装置(33)へ、圧力調整器(図示省略)による適正な圧力
にてシリコン液(8)を圧送するものである。
【0024】定量吐出装置(33)は、受け台(38)上に添設
したシリコンチューブ(32)に沿って、夫々往復装置(図
示省略)に連繋された第1押圧片(35)、第2押圧片(36)
及び第3押圧片(37)を配置したもので、後述する様にシ
リコンチューブ(32)を一定の順序で押圧する動作によっ
て、一定量のシリコン液をノズル(3)から吐出させるも
のである。
【0025】一方、シリンダー(9)は図2に示す様にロ
ボットアーム(6)に保持されて、塗布ローラ(5)と同軸
上を往復移送される。尚、シリンダー(9)内周面にシリ
コン膜を形成すべき領域Aは、図1の如くシリンダー
(9)の開口縁から一定距離Cだけ奥まった位置にある。
【0026】塗布ローラ(5)は図3に示す如く中空に形
成され、軸方向の圧縮に伴う半径方向の弾性変形を容易
にしている。
【0027】転写ローラ(4)はステンレス鋼SUS31
6製であって、外周面が鏡面仕上げされており、図4の
如く塗布ローラ(5)の外周面と密着することが可能であ
る。上記の如く転写ローラ(4)の外周面に鏡面仕上げを
施すのは、外周面に細かい塵埃が付着して、該塵埃がシ
リコン液に混入するのを防止するためである。転写ロー
ラ(4)は前記モータ(2)によって一定速度で回転駆動さ
れ、これに伴って塗布ローラ(5)も同一速度で回転する
ことになる。
【0028】ノズル(3)は図4の如く転写ローラ(4)と
の対向面が平面に形成され、その中央部にノズル孔(31)
が開設されている。
【0029】ロボットアーム(6)は、図5示す如くシリ
ンダー(9)を把持すべき開閉制御可能な3本の指(61)(6
2)(63)を具え、ロボットアーム(6)の多軸制御により、
把持したシリンダー(9)を任意の姿勢で任意の方向へ移
動させることが出来る。
【0030】図6は上記塗布装置の制御系の概略構成を
示しており、ロボットアーム(6)、モータ(2)、第1往
復機構(11)、第2往復機構(12)及び定量吐出装置(33)
は、全てマイクロコンピュータ(7)によって動作が制御
されている。
【0031】以下、上記マイクロコンピュータ(7)の制
御によるシリコン塗布動作について説明する。図7は、
定量吐出装置(33)の制御手続き、図8は、モータ(2)、
第1往復機構(11)及び第2往復機構(12)の制御動作を表
わしている。
【0032】図1に示す定量吐出装置(33)によるシリコ
ン定量吐出工程においては、シリコン供給装置(34)によ
ってシリコンチューブ(32)内のシリコン液に一定圧力を
作用させた状態で、図7の如く先ずステップS1にて第
1押圧片(35)をシリコンチューブ(32)側へ移動してクラ
ンプし、その後、ステップS2にて第3押圧片(37)をク
ランプする。これによって、第1押圧片(35)と第3押圧
片(37)の間にシリコン液がとじ込められる。
【0033】次にステップS3にて第1押圧片(35)をア
ンクランプした後、ステップS4にて第2押圧片(36)を
クランプする。該第2押圧片(36)によってシリコンチュ
ーブ(32)が圧縮され、これに伴って一定量のシリコン液
がノズル(3)へ吐出されることになる。その後、ステッ
プS5にて第2押圧片(36)をアンクランプし、ステップ
S1へ戻る。
【0034】上記手続きの繰り返しによって、一定量の
シリコン液がノズル(3)から転写ローラ(4)へ間欠的に
供給されるのである。
【0035】転写ローラ(4)に一定量のシリコン液が供
給された後、シリンダー(9)内周面に対するシリコン塗
布工程においては、先ず図8のステップS1にて、前記
第1往復機構(11)の駆動によって転写ローラ(4)をモー
タ(2)と共に上昇せしめて、図1の如く転写ローラ(4)
を塗布ローラ(5)に当接せしめた後、ステップS2にて
モータ(2)を回転させる。
【0036】その後、ステップS3にて一定時間(例え
ば5秒間)が経過したことが判断されると、ステップS
4にて転写ローラ(4)及びモータ(2)を下降せしめる。
この下降までの一定期間、転写ローラ(4)及び塗布ロー
ラ(5)が互いに接触しつつ回転することによって、ノズ
ル(3)から転写ローラ(4)へ供給されたシリコン液は、
転写ローラ(4)の外周面に均一に付着し、更に該シリコ
ン液は、塗布ローラ(5)の外周面へ均一に転写される
ことになる。
【0037】続いてステップS5にて、ロボットアーム
(6)の動作によってシリンダー(9)を塗布ローラ(5)
へ向けて前進せしめ、所定位置にて停止する。これによ
って、シリンダー(9)は塗布ローラ(5)に同軸上にて被
さり、シリンダー(9)内周面の塗布領域Aと塗布ローラ
(5)の外周面とが均一な間隙をおいて対向することにな
る。
【0038】次に、ステップS6にて、図2の第2往復
機構(12)を引き込み動作せしめ、塗布ローラ(5)を軸方
向に圧縮する。
【0039】その後、ステップS7にて塗布ローラ(5)
の圧縮を停止し、更にステップS8にて、ロボットアー
ム(6)によりシリンダー(9)を後退せしめて、塗布ロー
ラ(5)から離脱させ、手続きを終了する。
【0040】図9(a)乃至(d)は上記一連の手続きによ
って、シリンダー(9)の内周面にシリコン膜(82)を塗布
する工程を示している。図9(a)(b)の如くシリコン膜
(81)が一様に付着した塗布ローラ(5)にシリンダー(9)
を被せた後、図9(c)の如く塗布ローラ(5)を軸方向に
圧縮することによって、該塗布ローラ(5)は半径方向に
弾性変形して外径が拡大し、外周面がシリンダー(9)の
内周面に密着することになる。
【0041】その後、塗布ローラ(5)の圧縮を解除し
て、図9(d)の如くシリンダー(9)を塗布ローラ(5)か
ら離脱せしめると、シリンダー(9)の内周面には、塗布
ローラ(5)の自由状態での幅B1よりも僅かに小さい幅
B0で、シリコン膜(82)が均一厚さに塗布されているこ
とになる。
【0042】シリンダー(9)へのシリコン膜の塗布が終
了すると、図10(a)(b)に示す如く、シリンダー(9)
内に薬液(93)を充填した状態で、栓(91)をシリコン膜(8
1)に重ね合わせて装填する。この際、栓(91)は、公知の
打栓装置により、先ず半径方向に圧縮された状態でシリ
ンダー(9)内に挿入される。その後、前記圧縮を解除す
ることによって栓(91)は弾性復帰し、図10(b)の如く
外周面がシリコン膜(82)に圧着して、所定位置に設置さ
れるのである。この結果、図11の如くシリンダー(9)
内に薬液(93)の充填された注射器が完成する。
【0043】上記シリコン膜の塗布装置によれば、少な
い工程、短いサイクルタイムにて、シリンダー(9)内周
面に一定量のシリコン液を塗布することが出来る。又、
上記装置においては、特にシリンダー(9)内に挿入され
る機構部分が極めて簡易な構成であり、塗布の際に動く
部材は少ないから、微細な塵埃の発生を最小限に抑制出
来る効果が得られる。
【0044】上記実施例の説明は、本発明を説明するた
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本
発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲
に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【0045】例えば、上述のノズル(3)、転写ローラ
(4)、塗布ローラ(5)等からなるシリコン供給・塗布系
統を複数台併設して、同時に複数本のシリンダー(9)へ
シリコン膜を形成出来る塗布装置を構成することも可能
である。又、本発明に係る塗布装置は、注射器のシリン
ダー内周面へのシリコン塗布に限らず、各種用途及び断
面形状の筒体を対象として、筒体の内面へ種々の塗布材
料を塗布する装置に広く実施出来るのは勿論である。
又、塗布ローラ(5)を圧縮したままシリンダー(9)の内
部で筒軸方向へ移動させる構成を採れば、塗布ローラの
幅よりも大なる幅領域に亘って塗布が可能となる。
【0046】更に又、塗布ローラ(5)は、シリンダー
(9)内部での圧縮によりシリンダー内径よりも極く僅か
に小径となるまで拡大せしめ、この状態で、シリンダー
(9)を保持したロボットアーム(6)の動作により、シリ
ンダー(9)の内周面を塗布ローラ(5)の外周面に転がり
接触させて塗布する構成も可能である。該構成において
は、自由状態の塗布ローラはシリンダーよりも充分に小
径に形成出来るから、自由状態でシリンダー内へ挿入す
る際の動作が簡易となる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塗布装置の要部及びシリコン供給
系統を示す図である。
【図2】本発明に係る塗布装置の一部破断正面図であ
る。
【図3】塗布ローラの形状を表わす断面図である。
【図4】ノズル、転写ローラ及び塗布ローラの位置関係
を示す斜視図である。
【図5】ロボットアームの要部を示す斜視図である。
【図6】塗布装置の制御系を示すブロック図である。
【図7】シリコンの定量吐出動作を表わすフローチャー
トである。
【図8】シリコン塗布のための装置動作を表わすフロー
チャートである。
【図9】シリコン塗布工程を示す図である。
【図10】打栓工程を示す図である。
【図11】薬液が充填された注射器等のシリンジ製剤の
断面図である。
【符号の説明】
(3) ノズル (32) シリコンチューブ (33) 定量吐出装置 (34) シリコン供給装置 (4) 転写ローラ (5) 塗布ローラ (8) シリコン液 (9) シリンダー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 弘 大阪府八尾市上尾町4丁目11番15号 ナ カテック株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05C 7/06 A61M 5/28 B05D 1/28 B05D 7/22

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒体の内面に一定量の液体又は流動性材
    料を塗布する方法であって、筒体よりも僅かに小径の円
    筒状を呈する弾性資材からなる塗布部材の外周面へ塗布
    材料を略一定厚さに付着せしめる工程と、塗布部材を筒
    体の内部へ挿入して筒軸方向に圧縮する工程とを有し、
    圧縮により膨らんだ塗布部材の外周面の塗布材料を筒体
    の内面へ接触させて塗布することを特徴とする塗布方
    法。
  2. 【請求項2】 筒体の内面に一定量の液体又は流動性材
    料を塗布する装置であって、筒体よりも僅かに小径の円
    筒状を呈する弾性資材からなる塗布部材と、塗布すべき
    材料を塗布部材の外周面へ略一定厚さに付着せしめる塗
    布材料供給装置と、塗布部材を筒体の内部にて筒軸方向
    に圧縮する圧縮機構とを具え、圧縮により膨らんだ塗布
    部材の外周面の塗布材料を筒体の内面へ接触させて塗布
    することを特徴とする塗布装置。
  3. 【請求項3】 塗布材料供給装置は、塗布部材となる塗
    布ローラ(5)に対して接近離間可能に配備され、塗布ロ
    ーラ(5)と周面どうしが接触して回転する転写ローラ
    (4)と、転写ローラ(4)の外周面へ一定量の塗布材料を
    供給する定量吐出装置(33)とを具え、転写ローラ(4)及
    び塗布ローラ(5)の回転によって、転写ローラ(4)外周
    面の塗布材料を塗布ローラ(5)外周面へ供給する請求項
    2に記載の塗布装置。
  4. 【請求項4】 液体又は流動性材料は、シリコン潤滑剤
    である、請求項1の塗布方法。
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