JP3470910B2 - 大気圧の空気を水流に注入する船体抵抗低減装置 - Google Patents

大気圧の空気を水流に注入する船体抵抗低減装置

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、大気を利用し、何等他
のエネルギ−を用いず、船体に働く流体抵抗を大幅に減
少させる船体抵抗低減装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】高圧気体を用いた、可動部のない船舶の
推進装置として、ウォタ−ラムジェットという名称でこ
れまでにも研究された実績があり、本特許出願人もこの
ような原理に基づくウォ−タ−ジェットを既に提案し
(特願昭62−262259号)、また、それを改良し
た装置についても提案した(特願平4−91637)。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】これまでは、大気圧以
上の空気を用いており、これを圧縮するのに動力を必要
とした。しかし、大気圧の空気に仕事をさせこれを利用
する事は、何等動力源を必要とせず、大気のもつエネル
ギ−を有効に利用する事ができる。このためには大気を
低圧の場で膨脹させ、力学的エネルギ−として取り出す
のが最も容易である。その点で水流は、流速が大きくな
るとその静圧が下がり、容易に大気圧以下となる。特に
凸部の背後では、流れが剥離し静圧が下がる。 【0004】そこで本件発明者は、船体のまわりの水流
中に大気圧以下になる部分を設け、ここに大気から引い
た空気を送り込むと、その大気は水流中で水と混合しな
がら膨脹し、この気液二相の流体(気泡流)を後方に押
し出す。その際、船体には進行方向に推力が生じる。こ
の推力は船体抵抗を越えるほど大きなものとなるとは考
えにくいが、抵抗軽減には大きな効果があると考えられ
る。本発明は、このような着想に基づいてなされたもの
で、動力源を必要とせずに船体抵抗を低減できる装置を
提供することを目的としている。 【0005】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の船体抵抗低減装置は、船体における水面下
の部分に位置して、斜め後方の下方に向く受圧面を有
し、水流により大気圧以下の静圧を発生する低圧発生部
と、この低圧発生部に大気を注入して大気圧から周りの
静圧にまで膨張させる空気注入通路とを備えている。 【0006】 【作用】本発明によれば、その静圧が大気圧以下に下が
った水流中に大気が混入して気泡となり、この気泡が周
りの静圧まで膨脹する。この膨脹仕事により、水と空気
の混ざった気液二相流を後方に加速し、その反動として
推力を得る。これは何等動力を必要とせず推力を得る事
ができ、これが、船体抵抗軽減に寄与する。 【0007】 【実施例】まず、船体内に大気圧の空気を混入させる原
理を図1に示す。船体前方の水面上の流線が船体の底部
に設けた凸部12の角部13に流入すると、水面上の速
度uに比べ凸部12の流速Uは増加し、凸部12の領域
における圧力(静圧)Poは、水深分の水圧増加を考慮し
ても、大気圧Pa以下になる。上記凸部12の背部は、斜
め後方の下方Aに向く受圧面14を有する低圧発生部1
5となっており、空気注入通路16から、大気圧の空気
が低圧発生部15の水流に取り込まれ、気泡17が大気
から気泡周りの静圧にまで膨脹する間に水流を加速さ
せるとともに、気泡17の浮力による反動を上記受圧面
14が受けとめ、結果として船体抵抗の低減が図られ
る。 【0008】なお、ここでは流れを剥離させ、静圧をよ
り低下させるために剥離板(スポイラ−)18を取り付
けているが、これは無くてもよい 【0009】つぎに、本発明の一実施例を図2に示す。
同図において、船体11の船尾付近の船底に、凸部12
と、その後方に連なり斜め後方の下方Aに向く受圧面
(船底面)14を備えた低圧発生部15とが形成されて
いる。船尾を上下に貫通して空気パイプ19が設置され
ており、この空気パイプ19により、上記低圧発生部1
5に大気を注入するための空気注入通路16が形成され
ている。上記低圧発生部15は、後述するように、比較
的水深の浅い部分に設ける方が、抵抗低減効果を向上さ
せるうえで好ましい。 【0010】上記構成において、空気注入通路16から
低圧発生部15に供給された空気は、周りの静圧まで膨
脹し、空気の混じった水流(二相流)を後方に加速す
る。そしてその反力は、水流の上方に傾斜して設けられ
た船底面14を通して船体11に推進力として伝達され
る。このように、一切の動力を必要とせずに推進力を得
て、これを船体11の抵抗軽減に用いているので、船舶
の運行上大きな燃料節約となる。 【0011】次に実験例について説明する。実験装置の
概略を図3に示す。水路幅90cm、長さ9mの曳行水槽
10のフレーム10aに前後方向Bに延びる一対のレー
ル19を架け渡し、これらレール19に曳行台車20を
載せ、この曳行台車20に推進体21を設置した。曳行
台車20は、フレーム19aの丈夫に設置したモータ3
1によって走行するワイヤ32に固定され、モータ31
の駆動によってレール19上を走行する。推進体21
は、図4に示すように、幅15cm,長さ37cmで、翼
(NACA0010翼型)22の下面における前縁から
5mm後方の位置に、直径3mmの丸棒23を走行方向
と直交させて固定することにより、凸部12を形成し
た。この丸棒23の後方5mmの位置に、空気注入通路
16を設けた。この空気注入通路16は、直径11mm、
内径8mmのパイプ27の内部に形成されている。 【0012】翼22の後部には、受圧面14を形成する
平板24を取り付けている。この後部の平板24は水平
面に対して、後方に向かって上向きの一定の開き角度
(以下「後部開き角度」という)θを持って設置されて
おり、これによって、受圧面14が斜め後方の下方Aに
向いている。推進体21の両側面は、流れの二次元性を
保つため側板25を取り付けている。この側板25は側
方から流れを観察できるように、透明なアクリル板で製
作されている。また、推進体21は、その上部に固定し
た直径5mmのステンレス棒28によって、図3の曳行台
車20に支持されている。このステンレス棒28に歪み
ゲ−ジを装着し、推進体21の抵抗を測定した。 【0013】抵抗測定実験では、推進体21の前方の水
の流速(推進速度に相当)を変化させ、空気注入通路1
6が解放されている場合と閉塞されている場合の両方に
ついて、推進体21の抵抗を測定するとともに、流動パ
タ−ンを観察し、それらの結果について比較した。な
お、空気注入を行わない場合、空気注入通路16を粘土
で塞いで、同一の推進体21を用いて抵抗測定を行っ
た。 【0014】実験により得られた推進体21の抵抗と推
進体21の前方の水の流速との関係を、空気注入を行っ
た場合と行わなかった場合の両方について行った結果
を、図6に示す。ここで、推進体21の後部の平板2
4、つまり受圧面14の後部開き角度θは15度、水深
hは3cmであった。 【0015】図6において、白丸は空気を注入した場
合、黒丸は空気を注入しなかった場合の抵抗(単位ニュ
ートン)をそれぞれ示す。両者の抵抗は、流速の増加に
伴い、ほぼ流速の二乗に比例して増加していることがわ
かる。一方、流速を一定とすると、推進体21の前方の
水の速度がほぼ1m/sec 以下の低速域では、同一の抵
抗を示すが、水の流速が増加するに伴い、空気を注入し
た場合の抵抗の方が、空気注入を行わなかった場合の抵
抗に比べて低下していることがわかる。推進体21の前
方の水の流速が2m/sec 時で、空気を注入した場合の
方が、抵抗がおよそ16%程度減少する。 【0016】図7に、図6の場合と同一の後部開き角度
θ=15度の場合で、水深hを5cmに増大させた場合
の測定結果を示す。この場合、流速がおよそ1.5m/
sec以下では抵抗低減の効果は見られないが、流速が2
m/sec でおよそ12%程度、空気を供給している推進
体21の抵抗が減少していることがわかる。水深hが浅
い図6の場合の方が、空気供給による抵抗低減率が大き
い。これは、低圧発生部15の静圧が水深の浅い分だけ
低いので、空気の供給量および低圧発生部15での膨張
仕事の両方が大きくなるためと考えられる。 【0017】図8は、後部開き角θが20度で水深hが
3cmの場合の抵抗測定結果を示す。やはり、水の流速
が1m/sec 以下では抵抗低減の効果が殆ど見られない
が、流速が2m/sec でおよそ23%程度の抵抗の減少
が見られた。図9は、同じ後部開き角度θ=20度で水
深hを5cmに増大した場合の抵抗測定結果を示す。こ
の場合、流速がおよそ1.5m/sec 以下で抵抗減少の
効果は見られないが、流速が2m/sec でおよそ20%
程度の抵抗減少が見られた。 【0018】図10に、流速が1.1m/sec時の流動
パタ−ンの観察結果を示す。翼22の前縁の丸棒の付近
から水流が剥離し、剥離した領域にパイプ27から空気
が注入され気泡17が発生している。この気泡17は、
平板24に沿って後方に流れて気泡と水流が混入した気
泡流35となりこの気泡流35と水流36の界面37に
は波が発生している事が観察された。この波の波長は、
推進体21の開いた平板24の長さとほぼ同じであるこ
とが観察された。 【0019】 【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
大気圧の空気を低圧発生部に導入するだけの簡単な構成
で、動力源を必要とせずに、船体抵抗を低減できるとい
う格別の効果がある。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の原理を示す説明図。 【図2】本発明の一実施例を示す船体の側面図である。 【図3】本発明の効果を実証するための実験に用いた装
置を示す側面図。 【図4】同実験装置に用いた推進体を示す側面図。 【図5】同推進体を示す正面図である。 【図6】後部開き角θが15度で水深が3cmの場合の抵
抗を示すグラフである。 【図7】後部開き角θが15度で水深が5cmの場合の抵
抗を示すグラフである。 【図8】後部開き角θが20度で水深が3cmの場合の抵
抗を示すグラフである。 【図9】後部開き角θが20度で水深が5cmの場合の抵
抗を示すグラフである。 【図10】後部開き角15度で流速が1.1m/sec の
場合の流動パタ−ンを示す図である。 【符号の説明】 11…船体、12…凸部、14…受圧面、15…低圧発
生部、16…空気注入通路。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 船体における水面下の部分に位置して、
    斜め後方の下方に向く受圧面を有し、水流により大気圧
    以下の静圧を発生する低圧発生部と、この低圧発生部に
    大気を注入して大気圧から周りの静圧にまで膨張させる
    空気注入通路とを備えた大気圧の空気を水流に注入する
    船体抵抗低減装置。
JP26995093A 1993-10-01 1993-10-01 大気圧の空気を水流に注入する船体抵抗低減装置 Expired - Fee Related JP3470910B2 (ja)

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