JP3467670B2 - 歪補償回路 - Google Patents
歪補償回路Info
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- JP3467670B2 JP3467670B2 JP21411996A JP21411996A JP3467670B2 JP 3467670 B2 JP3467670 B2 JP 3467670B2 JP 21411996 A JP21411996 A JP 21411996A JP 21411996 A JP21411996 A JP 21411996A JP 3467670 B2 JP3467670 B2 JP 3467670B2
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無線通信用送信装
置に用いられる複数信号の共通増幅を必要とする高出力
増幅器で発生する歪を補償し、高出力増幅器の動作点を
引き上げ効率良い信号増幅を可能にする歪補償回路に関
するものである。
置に用いられる複数信号の共通増幅を必要とする高出力
増幅器で発生する歪を補償し、高出力増幅器の動作点を
引き上げ効率良い信号増幅を可能にする歪補償回路に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】無線通信用送信装置に用いられる複数信
号の共通増幅を必要とする高出力増幅器においては、高
出力増幅器の有する非線形性により次に記す運用上の制
限が必要となる。高出力増幅器の非線形性により発生す
る歪は共通増幅を受ける通信信号への干渉源となるの
で、通信条件を満足するためには歪発生量がある規定値
以下に納まる範囲において、高出力増幅器を運用する必
要がある。一般に高出力増幅器は動作点が出力飽和点に
近付くに従い歪発生量が増加するので、動作点を出力飽
和点より低いレベルに下げて動作させる。この時の、出
力飽和点から動作点を下げることをバックオフといい、
そのレベル低下量をバックオフ量という。
号の共通増幅を必要とする高出力増幅器においては、高
出力増幅器の有する非線形性により次に記す運用上の制
限が必要となる。高出力増幅器の非線形性により発生す
る歪は共通増幅を受ける通信信号への干渉源となるの
で、通信条件を満足するためには歪発生量がある規定値
以下に納まる範囲において、高出力増幅器を運用する必
要がある。一般に高出力増幅器は動作点が出力飽和点に
近付くに従い歪発生量が増加するので、動作点を出力飽
和点より低いレベルに下げて動作させる。この時の、出
力飽和点から動作点を下げることをバックオフといい、
そのレベル低下量をバックオフ量という。
【0003】一方、高出力増幅器の効率は通常出力飽和
点近傍動作時に最大となり、動作点を下げる(バックオ
フ量を大きくする)ほど効率は低くなる。そこで、歪補
償により高出力増幅器で発生する歪量の低減を図り、通
信条件を満足する歪発生量以下の動作範囲を少しでも高
いレベルに引き上げ、効率の高い動作点で高出力増幅器
を運用することが重要となってくる。特に衛星搭載用の
ように限られた電力で伝送容量を確保するためには、歪
補償による高出力増幅器の高効率動作が非常に重要とな
ってくる。さらに、昨今衛星搭載用高出力増幅器には大
容量化を目指した、総合でキロワット[kW]以上の無
線信号出力を必要とする高出力化が求められており、歪
補償により動作点を引き上げ高効率化することは、高出
力増幅器から発生する熱の低減に直結し、衛星の限られ
た排熱能力内で有効に無線信号電力を確保する上で極め
て有効な手段である。
点近傍動作時に最大となり、動作点を下げる(バックオ
フ量を大きくする)ほど効率は低くなる。そこで、歪補
償により高出力増幅器で発生する歪量の低減を図り、通
信条件を満足する歪発生量以下の動作範囲を少しでも高
いレベルに引き上げ、効率の高い動作点で高出力増幅器
を運用することが重要となってくる。特に衛星搭載用の
ように限られた電力で伝送容量を確保するためには、歪
補償による高出力増幅器の高効率動作が非常に重要とな
ってくる。さらに、昨今衛星搭載用高出力増幅器には大
容量化を目指した、総合でキロワット[kW]以上の無
線信号出力を必要とする高出力化が求められており、歪
補償により動作点を引き上げ高効率化することは、高出
力増幅器から発生する熱の低減に直結し、衛星の限られ
た排熱能力内で有効に無線信号電力を確保する上で極め
て有効な手段である。
【0004】高出力増幅器の歪補償に関しては、従来多
くのアプローチがなされてきている。代表的な歪補償回
路の構成例を用いて説明する。
くのアプローチがなされてきている。代表的な歪補償回
路の構成例を用いて説明する。
【0005】まずは図5に示すベクトル合成型歪補償回
路であるが、補償対象である高出力増幅器の有する非線
形特性により出力飽和点に近付くに従い生じる利得圧
縮、位相変化の逆特性、すなわち利得伸張、逆方向位相
変化を生成する回路である。ここで11は分配器、13
は線形経路、15は非線形経路、17は合成器である。
高出力増幅器と同様な利得圧縮、位相変化を持つ非線形
経路と線形経路を図5のベクトル図(線形経路と非線形
経路の相対的な利得と位相の関係をベクトルで表現した
もの)に示すように逆相で合成するように回路を構成す
れば、合成ベクトルは図のように利得伸張、逆方向位相
変化の軌跡をたどる。(参考文献:G.Satoh a
nd T.Mizuno:“Impact of a
New TWTA Linearizer Upon
QPSK/TDMA Transmission Pe
rformance,”IEEE Journal o
nSelected Areas in Commun
ications,Vol.SAC−1,No.1,p
p.39−45,Jan.1983.,R.Inad
a,H.Ogawa,S.Kitazume and
P.DeSantis:“A Compact 4GH
z Linearizer for Space Us
e,”IEEE MTT−S Digest,pp.3
23−326,1986.,A.−M.Khilla
and D.Leucht:“Linearized
L/C−Band SSPA/Upconverter
forMobile Communication
Satellite,”AIAA ICSSC Dig
est,pp.86−93,Feb.1996.等)
路であるが、補償対象である高出力増幅器の有する非線
形特性により出力飽和点に近付くに従い生じる利得圧
縮、位相変化の逆特性、すなわち利得伸張、逆方向位相
変化を生成する回路である。ここで11は分配器、13
は線形経路、15は非線形経路、17は合成器である。
高出力増幅器と同様な利得圧縮、位相変化を持つ非線形
経路と線形経路を図5のベクトル図(線形経路と非線形
経路の相対的な利得と位相の関係をベクトルで表現した
もの)に示すように逆相で合成するように回路を構成す
れば、合成ベクトルは図のように利得伸張、逆方向位相
変化の軌跡をたどる。(参考文献:G.Satoh a
nd T.Mizuno:“Impact of a
New TWTA Linearizer Upon
QPSK/TDMA Transmission Pe
rformance,”IEEE Journal o
nSelected Areas in Commun
ications,Vol.SAC−1,No.1,p
p.39−45,Jan.1983.,R.Inad
a,H.Ogawa,S.Kitazume and
P.DeSantis:“A Compact 4GH
z Linearizer for Space Us
e,”IEEE MTT−S Digest,pp.3
23−326,1986.,A.−M.Khilla
and D.Leucht:“Linearized
L/C−Band SSPA/Upconverter
forMobile Communication
Satellite,”AIAA ICSSC Dig
est,pp.86−93,Feb.1996.等)
【0006】また、別構成の代表的な従来例を図6に示
す。ここで、21は分配器、23は歪発生器、25は位
相調整器、27は振幅調整器、29は合成器である。歪
発生器23を持ち、補償対象である高出力増幅器で発生
する歪と逆の歪になるように振幅、位相調整を行い、互
いに相殺することで歪補償を行う回路である。(参考文
献:野島、岡本、大山:「マイクロ波SSB−AM方式
用プリディストーション非線形ひずみ補償回路」、電子
通信学会論文誌、pp.78−85,Vol.J67−
B No.1,Jan.1984.,N.Imai,
T.Nojimaand T.Murase:“Nov
el Linearizeer Using Bala
nced Circulators and Its
Application to Multilevel
Digital RadioSystems,”IE
EE Transactions on Microw
ave Theory and Technique
s,Vol.37,No.8,pp.1237−124
3,Aug.1989.等)
す。ここで、21は分配器、23は歪発生器、25は位
相調整器、27は振幅調整器、29は合成器である。歪
発生器23を持ち、補償対象である高出力増幅器で発生
する歪と逆の歪になるように振幅、位相調整を行い、互
いに相殺することで歪補償を行う回路である。(参考文
献:野島、岡本、大山:「マイクロ波SSB−AM方式
用プリディストーション非線形ひずみ補償回路」、電子
通信学会論文誌、pp.78−85,Vol.J67−
B No.1,Jan.1984.,N.Imai,
T.Nojimaand T.Murase:“Nov
el Linearizeer Using Bala
nced Circulators and Its
Application to Multilevel
Digital RadioSystems,”IE
EE Transactions on Microw
ave Theory and Technique
s,Vol.37,No.8,pp.1237−124
3,Aug.1989.等)
【0007】これらは、いずれも歪補償回路として機能
し、高出力増幅器で発生する歪を低減する効果を有して
いる。
し、高出力増幅器で発生する歪を低減する効果を有して
いる。
【0008】しかしながら、出力飽和点からのバックオ
フ量でみると、十分に歪を低減しているのはバックオフ
量が大きいところであり、バックオフ量の小さい(数d
B程度の)領域ではあまり歪低減がなされていない。
フ量でみると、十分に歪を低減しているのはバックオフ
量が大きいところであり、バックオフ量の小さい(数d
B程度の)領域ではあまり歪低減がなされていない。
【0009】このことは、従来回路がいずれにしろ、増
幅を受ける無線信号成分を基に同一周波数帯の非線形歪
成分を直接生成し、元の無線信号成分と合成することで
高出力増幅器の非線形特性と逆特性を持たせる構成を有
することに起因すると考えることができる。問題点の第
1は、信号成分と同一周波数帯に歪成分を直接生成する
ために、歪成分の中に基となっている信号成分の漏洩分
が含まれてしまい、信号成分と歪成分を合成する際に影
響を及ぼしてしまう。バックオフ量が大きい動作レベル
においては、補償すべき信号成分に対する歪成分の電力
比が出力飽和点時に比べ大きく、歪補償回路での信号成
分と歪成分の電力比は補償されるそれと同程度であるの
で、歪成分に歪成分と同程度あるいは少し大きめの信号
成分の漏洩分が存在しても、本来の信号成分に与える影
響は無視できる。
幅を受ける無線信号成分を基に同一周波数帯の非線形歪
成分を直接生成し、元の無線信号成分と合成することで
高出力増幅器の非線形特性と逆特性を持たせる構成を有
することに起因すると考えることができる。問題点の第
1は、信号成分と同一周波数帯に歪成分を直接生成する
ために、歪成分の中に基となっている信号成分の漏洩分
が含まれてしまい、信号成分と歪成分を合成する際に影
響を及ぼしてしまう。バックオフ量が大きい動作レベル
においては、補償すべき信号成分に対する歪成分の電力
比が出力飽和点時に比べ大きく、歪補償回路での信号成
分と歪成分の電力比は補償されるそれと同程度であるの
で、歪成分に歪成分と同程度あるいは少し大きめの信号
成分の漏洩分が存在しても、本来の信号成分に与える影
響は無視できる。
【0010】しかしながら、出力飽和点近傍では信号成
分と歪成分の電力比が小さくなり漏洩分が無視できなく
なり、歪補償回路において歪成分調整を追い込むつもり
で信号成分をずらしてしまうといった調整になり、調整
が非常に困難となる。問題点の第2は、バックオフ量が
大きい動作レベルにおいては、出力歪全体の中で3次非
線形性による歪が支配的であり、この領域では歪補償回
路において逆特性の歪を生成することが容易であるのに
対し、出力飽和点近傍では高次に至る非線形性による歪
が発生し、逆特性の歪生成が非常に困難になる。
分と歪成分の電力比が小さくなり漏洩分が無視できなく
なり、歪補償回路において歪成分調整を追い込むつもり
で信号成分をずらしてしまうといった調整になり、調整
が非常に困難となる。問題点の第2は、バックオフ量が
大きい動作レベルにおいては、出力歪全体の中で3次非
線形性による歪が支配的であり、この領域では歪補償回
路において逆特性の歪を生成することが容易であるのに
対し、出力飽和点近傍では高次に至る非線形性による歪
が発生し、逆特性の歪生成が非常に困難になる。
【0011】これは、非線形歪成分を信号成分と同一周
波数帯に直接生成するために、信号成分に影響を与えず
に(上述の信号成分の漏洩につながることであるが)高
次まで含む歪成分を生成するような調整が非常に困難で
あることも原因である。
波数帯に直接生成するために、信号成分に影響を与えず
に(上述の信号成分の漏洩につながることであるが)高
次まで含む歪成分を生成するような調整が非常に困難で
あることも原因である。
【0012】問題点の第3は、出力飽和点近傍において
は、歪補償回路の特性が被補償高出力増幅器と単純な逆
特性(利得伸張、位相逆回転)では歪低減が難しい点で
ある。それは、バックオフ量が大きい動作レベルでは、
歪補償回路において高出力増幅器で発生する歪と等振幅
比・逆相の歪を生成すれば、高出力増幅器において互い
の歪が相殺することになる。
は、歪補償回路の特性が被補償高出力増幅器と単純な逆
特性(利得伸張、位相逆回転)では歪低減が難しい点で
ある。それは、バックオフ量が大きい動作レベルでは、
歪補償回路において高出力増幅器で発生する歪と等振幅
比・逆相の歪を生成すれば、高出力増幅器において互い
の歪が相殺することになる。
【0013】しかし、厳密には歪補償回路において生成
した歪成分と信号成分により別の歪成分が高出力増幅器
において発生していることになるので、信号対歪電力比
がある程度大きいバックオフ量が大きい動作レベルにお
いては無視できる別の歪成分が、出力飽和点近傍での小
さな信号対歪電力比の領域では無視できないレベルにあ
る。実際の回路においては、高出力増幅器出力端での歪
を低減させるためには出力飽和点近傍における微調整が
必要であるが、前述のように従来回路は調整性が悪い。
すなわち、出力飽和点近傍においては高出力増幅器で発
生する非線形歪が高次モードまで含み複雑な振る舞いを
しており、従来技術の歪補償回路では出力飽和点近傍に
おける調整が非常に困難であり、歪低減効果があまり期
待できないことを示している。
した歪成分と信号成分により別の歪成分が高出力増幅器
において発生していることになるので、信号対歪電力比
がある程度大きいバックオフ量が大きい動作レベルにお
いては無視できる別の歪成分が、出力飽和点近傍での小
さな信号対歪電力比の領域では無視できないレベルにあ
る。実際の回路においては、高出力増幅器出力端での歪
を低減させるためには出力飽和点近傍における微調整が
必要であるが、前述のように従来回路は調整性が悪い。
すなわち、出力飽和点近傍においては高出力増幅器で発
生する非線形歪が高次モードまで含み複雑な振る舞いを
しており、従来技術の歪補償回路では出力飽和点近傍に
おける調整が非常に困難であり、歪低減効果があまり期
待できないことを示している。
【0014】一方、現状において高効率とされるS帯高
出力増幅器(参考文献:M.Shigaki et.a
l:“S−Band High−Power and
High−Efficiency SSPA for
Onboarding Satellite,”AIA
A ICSSC Digest,pp.108−11
2,Feb.1996.)について言えば、通常出力飽
和点とみなす2dB利得圧縮点から出力バックオフ量を
0dB、1dB、2dB、3dB、4dBと増やした時
にそれぞれの効率は、43%、37%、32%、26%
と1dB出力バックオフ量を増やす毎に効率が5〜6%
ずつ低下してしまう。これは、無線信号出力電力として
1キロワット(kW)が要求される場合、DC電力とし
てそれぞれ、2.3kW、2.7kW、3.1kW、
3.8kW、4.8kWが必要となり、また、衛星搭載
として排熱を考慮する場合には、それぞれの必要DC電
力から信号出力電力1kWを差し引いた値がそのまま熱
となることを考えなければならない。飽和点近傍では出
力バックオフ量1dBの違いがシステムに多大に影響す
ることが分かる。
出力増幅器(参考文献:M.Shigaki et.a
l:“S−Band High−Power and
High−Efficiency SSPA for
Onboarding Satellite,”AIA
A ICSSC Digest,pp.108−11
2,Feb.1996.)について言えば、通常出力飽
和点とみなす2dB利得圧縮点から出力バックオフ量を
0dB、1dB、2dB、3dB、4dBと増やした時
にそれぞれの効率は、43%、37%、32%、26%
と1dB出力バックオフ量を増やす毎に効率が5〜6%
ずつ低下してしまう。これは、無線信号出力電力として
1キロワット(kW)が要求される場合、DC電力とし
てそれぞれ、2.3kW、2.7kW、3.1kW、
3.8kW、4.8kWが必要となり、また、衛星搭載
として排熱を考慮する場合には、それぞれの必要DC電
力から信号出力電力1kWを差し引いた値がそのまま熱
となることを考えなければならない。飽和点近傍では出
力バックオフ量1dBの違いがシステムに多大に影響す
ることが分かる。
【0015】それゆえ、従来回路では満足することがで
きなかった、出力飽和点近傍においても歪低減効果を有
する歪補償回路を実現することが非常に重要である。
きなかった、出力飽和点近傍においても歪低減効果を有
する歪補償回路を実現することが非常に重要である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
回路では十分な歪低減を得ることのできなかった高出力
増幅器の出力飽和点近傍での歪補償による歪低減を可能
とし、複数信号の共通増幅を必要とする無線送信装置に
用いられる高出力増幅器の動作点を引き上げ、効率良い
信号増幅を可能にする歪補償回路を提供することにあ
る。
回路では十分な歪低減を得ることのできなかった高出力
増幅器の出力飽和点近傍での歪補償による歪低減を可能
とし、複数信号の共通増幅を必要とする無線送信装置に
用いられる高出力増幅器の動作点を引き上げ、効率良い
信号増幅を可能にする歪補償回路を提供することにあ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は、増幅される複
数の無線信号の偶数乗積のうちの基底周波数成分、及び
2倍波周波数成分の少なくとも一方を用いて、元の複数
無線信号を振幅変調する構成を有していることを最も主
要な特徴とする。
数の無線信号の偶数乗積のうちの基底周波数成分、及び
2倍波周波数成分の少なくとも一方を用いて、元の複数
無線信号を振幅変調する構成を有していることを最も主
要な特徴とする。
【0018】従来技術は増幅を受ける無線信号成分を基
に同一周波数帯の非線形歪成分を直接生成し、元の無線
信号成分と同一周波数帯において生成された非線形歪成
分を扱い、元の無線信号成分と合成する構成をとってお
り、本発明は非線形歪成分を偶数乗積のうちの基底周波
数成分、或いは2倍波周波数成分、或いは両方、すなわ
ち元の無線信号成分と異なる周波数帯において扱う点で
大きく異なる。
に同一周波数帯の非線形歪成分を直接生成し、元の無線
信号成分と同一周波数帯において生成された非線形歪成
分を扱い、元の無線信号成分と合成する構成をとってお
り、本発明は非線形歪成分を偶数乗積のうちの基底周波
数成分、或いは2倍波周波数成分、或いは両方、すなわ
ち元の無線信号成分と異なる周波数帯において扱う点で
大きく異なる。
【0019】本発明は、歪補償回路段での非線形歪成分
を偶数乗積のうちの基底周波数成分、及び2倍波周波数
成分の少なくとも一方、すなわち元の無線信号成分と異
なる周波数帯において扱い、振幅変調手段において元の
無線信号成分と同一の周波数帯に非線形歪成分を発生さ
せ、かつ、元の無線信号成分に重畳することになるの
で、元の無線信号成分とは異なる周波数帯で完全に分離
して歪成分を調整することが可能であり、調整の難しい
出力飽和点近傍においても調整が容易となるため、出力
飽和点近傍における歪低減の効果が得られる。
を偶数乗積のうちの基底周波数成分、及び2倍波周波数
成分の少なくとも一方、すなわち元の無線信号成分と異
なる周波数帯において扱い、振幅変調手段において元の
無線信号成分と同一の周波数帯に非線形歪成分を発生さ
せ、かつ、元の無線信号成分に重畳することになるの
で、元の無線信号成分とは異なる周波数帯で完全に分離
して歪成分を調整することが可能であり、調整の難しい
出力飽和点近傍においても調整が容易となるため、出力
飽和点近傍における歪低減の効果が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】まず、一般の高出力増幅器におい
て発生する非線形歪について説明する。高出力増幅器の
入出力関係を示す伝達関数を複素数を用いて表すと、
て発生する非線形歪について説明する。高出力増幅器の
入出力関係を示す伝達関数を複素数を用いて表すと、
【数1】
となるが、伝送帯域内に発生する非線形歪のみを考慮す
る場合、偶数次の非線形性による歪は伝送帯域内には発
生せず、3次以上の奇数次非線形性により生ずる歪が問
題となる。具体的に周波数がF1とF2(>F1)の2
波の無線信号が入力信号の場合について説明すると、入
力信号は(1)式において、 [1] 1次線形性により利得A1 、位相変移θ1 を与えら
れ、入力信号振幅に比例する周波数F1、F2の信号と
なり、 3次非線形性により利得A3 、位相変移θ3 を与えら
れ、入力信号振幅の3乗に比例する周波数2F1−F
2、F1、F2、2F2−F1の歪となり、 5次非線形性により利得A5 、位相変移θ5 を与えら
れ、入力信号振幅の5乗に比例する周波数3F1−2F
2、2F1−F2、F1、F2、2F2−F1、3F2
−2F1の歪となり、 7次非線形性により利得A7 、位相変移θ7 を与えら
れ、入力信号振幅の7乗に比例する周波数4F1−3F
2、3F1−2F2、2F1−F2、F1、F2、2F
2−F1、3F2−2F1、4F2−3F1の歪とな
り、 9次以上についても上記と同様である。 で与えられる全ての信号成分と歪成分が合成されたもの
を出力信号として得ることができる。利得係数An は次
数が高いほど小さく、バックオフ量が十分大きい場合、
すなわち高出力増幅器の動作点が出力飽和点から見て十
分に低いレベルのときには3次以上の非線形性を無視す
ることができ、線形増幅器として扱うことができる。徐
々に動作点を高くして行くと、非線形歪の出力振幅は入
力信号振幅を非線形次数で累乗したものに比例するの
で、信号成分と歪成分の振幅比が小さくなり、徐々に非
線形歪の影響が現れ始める。まず、3次非線形性による
歪が支配的な動作レベルがあり、さらに、動作点を高く
し出力飽和点に近付くと5次、7次、・・・とより高次
の非線形による歪が影響し始める。
る場合、偶数次の非線形性による歪は伝送帯域内には発
生せず、3次以上の奇数次非線形性により生ずる歪が問
題となる。具体的に周波数がF1とF2(>F1)の2
波の無線信号が入力信号の場合について説明すると、入
力信号は(1)式において、 [1] 1次線形性により利得A1 、位相変移θ1 を与えら
れ、入力信号振幅に比例する周波数F1、F2の信号と
なり、 3次非線形性により利得A3 、位相変移θ3 を与えら
れ、入力信号振幅の3乗に比例する周波数2F1−F
2、F1、F2、2F2−F1の歪となり、 5次非線形性により利得A5 、位相変移θ5 を与えら
れ、入力信号振幅の5乗に比例する周波数3F1−2F
2、2F1−F2、F1、F2、2F2−F1、3F2
−2F1の歪となり、 7次非線形性により利得A7 、位相変移θ7 を与えら
れ、入力信号振幅の7乗に比例する周波数4F1−3F
2、3F1−2F2、2F1−F2、F1、F2、2F
2−F1、3F2−2F1、4F2−3F1の歪とな
り、 9次以上についても上記と同様である。 で与えられる全ての信号成分と歪成分が合成されたもの
を出力信号として得ることができる。利得係数An は次
数が高いほど小さく、バックオフ量が十分大きい場合、
すなわち高出力増幅器の動作点が出力飽和点から見て十
分に低いレベルのときには3次以上の非線形性を無視す
ることができ、線形増幅器として扱うことができる。徐
々に動作点を高くして行くと、非線形歪の出力振幅は入
力信号振幅を非線形次数で累乗したものに比例するの
で、信号成分と歪成分の振幅比が小さくなり、徐々に非
線形歪の影響が現れ始める。まず、3次非線形性による
歪が支配的な動作レベルがあり、さらに、動作点を高く
し出力飽和点に近付くと5次、7次、・・・とより高次
の非線形による歪が影響し始める。
【0021】もちろん、上述の非線形次数毎に分解して
歪を扱えるのは解析上での議論であり、実際に各歪成分
毎に独立に観測することはできないが、スペクトラム・
アナライザのような観測装置を用いれば周波数成分毎に
分離した観測は可能である。例えば、入出力関係をデシ
ベル値を用いて表した場合、 [2] 周波数F1、F2の入出力特性曲線が1:1の傾斜の
うちは1次線形性が支配的であり、 周波数2F1−F2、2F2−F1の入出力特性曲線
が1:3の傾斜のうちは3次非線形性までが支配的であ
り、 周波数3F1−2F2、3F2−2F1の入出力特性
曲線が1:5の傾斜のうちは5次非線形性までが支配的
であり、 以下同様 と見なすことができる。もちろん実際の回路、特に多段
に縦続接続された構成の高出力増幅器においては、非線
形特性が多段に重なり合うことで非線形特性曲線に特異
点が現れ、上述の通り整然と入出力特性曲線とならない
場合があるが、傾向としては一致している。一般に出力
飽和点に近付くに従い、信号成分の利得は圧縮され、通
過位相は遅れる方向に変移する。
歪を扱えるのは解析上での議論であり、実際に各歪成分
毎に独立に観測することはできないが、スペクトラム・
アナライザのような観測装置を用いれば周波数成分毎に
分離した観測は可能である。例えば、入出力関係をデシ
ベル値を用いて表した場合、 [2] 周波数F1、F2の入出力特性曲線が1:1の傾斜の
うちは1次線形性が支配的であり、 周波数2F1−F2、2F2−F1の入出力特性曲線
が1:3の傾斜のうちは3次非線形性までが支配的であ
り、 周波数3F1−2F2、3F2−2F1の入出力特性
曲線が1:5の傾斜のうちは5次非線形性までが支配的
であり、 以下同様 と見なすことができる。もちろん実際の回路、特に多段
に縦続接続された構成の高出力増幅器においては、非線
形特性が多段に重なり合うことで非線形特性曲線に特異
点が現れ、上述の通り整然と入出力特性曲線とならない
場合があるが、傾向としては一致している。一般に出力
飽和点に近付くに従い、信号成分の利得は圧縮され、通
過位相は遅れる方向に変移する。
【0022】上記の周波数成分毎の観測と(1)式の関
係から、1次線形性による位相変移θ1 と3次非線形性
による位相変移θ3 が相対的に逆相に近い傾向にあると
考えることで説明できる。文献(N.Imai,T.N
ojima and T.Murase:“Novel
Linearizeer Using Balanc
ed Circulators and Its Ap
plicationto Multilevel Di
gital Radio Systems,”IEEE
Transactions on Microwav
e Theory and Techniques,V
ol.37,No.8,pp.1237−1243,A
ug.1989.)においても140〜150°の相対
位相関係になることを算出している。
係から、1次線形性による位相変移θ1 と3次非線形性
による位相変移θ3 が相対的に逆相に近い傾向にあると
考えることで説明できる。文献(N.Imai,T.N
ojima and T.Murase:“Novel
Linearizeer Using Balanc
ed Circulators and Its Ap
plicationto Multilevel Di
gital Radio Systems,”IEEE
Transactions on Microwav
e Theory and Techniques,V
ol.37,No.8,pp.1237−1243,A
ug.1989.)においても140〜150°の相対
位相関係になることを算出している。
【0023】さて、このような非線形性を有する高出力
増幅器において発生する歪を補償するための本発明の実
施例を以下に示す。
増幅器において発生する歪を補償するための本発明の実
施例を以下に示す。
【0024】図1に請求項1記載の本発明の実施例1を
示す。31は本発明による歪補償回路、32は被補償増
幅器である。入力信号成分を搬送波信号、入力信号成分
の偶数乗積のうちの基底周波数成分、或いは2倍波周波
数成分、或いは両方を変調信号とする振幅変調手段が歪
補償回路として機能し、後段の被補償高出力増幅器の歪
低減を行う。原理を以下に説明する。
示す。31は本発明による歪補償回路、32は被補償増
幅器である。入力信号成分を搬送波信号、入力信号成分
の偶数乗積のうちの基底周波数成分、或いは2倍波周波
数成分、或いは両方を変調信号とする振幅変調手段が歪
補償回路として機能し、後段の被補償高出力増幅器の歪
低減を行う。原理を以下に説明する。
【0025】入力信号に対する偶数乗積の関係は次式の
ように表すことができる。
ように表すことができる。
【数2】
入力信号周波数帯を基本波周波数帯とすると、偶数乗積
は基底周波数帯、2倍波周波数帯、4倍波周波数帯、・
・・と偶数倍波帯に生成される歪となる。ここで、周波
数がF1とF2(>F1)の2波の無線信号が入力信号
の場合の基底周波数成分に生成される偶数乗積は、 [3] 2次非線形性により利得B2 、位相変移φ2 を与えら
れ、入力信号振幅の2乗に比例するDC成分と周波数F
2−F1の歪となり、 4次非線形性により利得B4 、位相変移φ4 を与えら
れ、入力信号振幅の4乗に比例するDC成分と周波数F
2−F1、2F2−2F1の歪となり、 6次非線形性により利得B6 、位相変移φ6 を与えら
れ、入力信号振幅の6乗に比例するDC成分と周波数F
2−F1、2F2−2F1、3F2−3F1の歪とな
り、 以下同様 となり、また2倍波周波数帯に生成される偶数乗積は、 [4] 2次非線形性により利得B2 、位相変移φ2 を与えら
れ、入力信号振幅の2乗に比例する周波数2F1、F1
+F2、2F2の歪となり、 4次非線形性により利得B4 、位相変移φ4 を与えら
れ、入力信号振幅の4乗に比例する周波数3F1−F
2、2F1、F1+F2、2F2、3F2−F1の歪と
なり、 6次非線形性により利得B6 、位相変移φ6 を与えら
れ、入力信号振幅の6乗に比例する周波数4F1−2F
2、3F1−F2、2F1、F1+F2、2F2、3F
2−F1、4F2−2F1の歪となり、 以下同様 ということになる。図1に示す本発明の実施例では、上
記の偶数乗積のうちの基底周波数成分、或いは2倍波周
波数成分、或いは両方を変調信号として、入力無線信号
成分を振幅変調する構成となっている。振幅変調手段の
入出力関係は、 AM=(C+α・Mod)・In (3) 但し、In:搬送波、AM:被変調波、C:定数、α:
変調度、 Mod:変調信号 で表される。(3)式右辺第1項は入力信号成分そのも
のを表しており、右辺第2項は偶数乗積のうちの基底周
波数成分、或いは2倍波周波数成分、或いは両方からな
る変調信号と入力信号成分の積で得られる基本周波数成
分に生成される歪成分を表している。(3)式より、変
調信号に偶数乗積の基底周波数成分、或いは2倍波周波
数成分以外の周波数成分が含まれていなければ、信号伝
送帯域内に生成される歪成分は信号成分とは独立に扱う
ことができることが分かる。また、歪成分の調整も偶数
乗積の段階で行うので、基本波信号成分に影響を与える
こと無しに、歪調整が可能となる。変調信号として偶数
乗積の基底周波数成分を用いる場合、(3)式右辺第2
項の内容は、 [5] 2次非線形性歪と入力信号成分の積であり、利得α×
B2 、位相変移φ2を与えられ、入力信号振幅の3乗に
比例する周波数2F1−F2、F1、F2、2F2−F
1の歪と、 4次非線形性歪と入力信号成分の積であり、利得α×
B4 、位相変移φ4を与えられ、入力信号振幅の5乗に
比例する周波数3F1−2F2、2F1−F2、F1、
F2、2F2−F1、3F2−2F1の歪と、 6次非線形性歪と入力信号成分の積であり、利得α×
B6 、位相変移φ6を与えられ、入力信号振幅の7乗に
比例する周波数4F1−3F2、3F1−2F2、2F
1−F2、F1、F2、2F2−F1、3F2−2F
1、4F2−3F1の歪と、 以下同様 で成り立つ。変調信号として偶数乗積の2倍波周波数成
分を用いる場合、信号伝送帯域内に生成される非線形歪
成分は、上記の偶数乗積の基底周波数成分を用いた場合
[5]と振幅が半分になるのを除いて全く等しくなる。
但し、2倍波周波数成分の歪を用いる場合には(3)式
に示す振幅変調の際に、3倍波周波数帯に歪成分を生成
してしまうので、伝送帯域内には直接影響はしないもの
の、不要波として処理する必要があるときには、振幅変
調手段にフィルタを付加することで簡単に解決できる。
ポイントは偶数乗積の基底周波数成分を用いても、2倍
波周波数成分を用いても同じ効果が得られるということ
である。
は基底周波数帯、2倍波周波数帯、4倍波周波数帯、・
・・と偶数倍波帯に生成される歪となる。ここで、周波
数がF1とF2(>F1)の2波の無線信号が入力信号
の場合の基底周波数成分に生成される偶数乗積は、 [3] 2次非線形性により利得B2 、位相変移φ2 を与えら
れ、入力信号振幅の2乗に比例するDC成分と周波数F
2−F1の歪となり、 4次非線形性により利得B4 、位相変移φ4 を与えら
れ、入力信号振幅の4乗に比例するDC成分と周波数F
2−F1、2F2−2F1の歪となり、 6次非線形性により利得B6 、位相変移φ6 を与えら
れ、入力信号振幅の6乗に比例するDC成分と周波数F
2−F1、2F2−2F1、3F2−3F1の歪とな
り、 以下同様 となり、また2倍波周波数帯に生成される偶数乗積は、 [4] 2次非線形性により利得B2 、位相変移φ2 を与えら
れ、入力信号振幅の2乗に比例する周波数2F1、F1
+F2、2F2の歪となり、 4次非線形性により利得B4 、位相変移φ4 を与えら
れ、入力信号振幅の4乗に比例する周波数3F1−F
2、2F1、F1+F2、2F2、3F2−F1の歪と
なり、 6次非線形性により利得B6 、位相変移φ6 を与えら
れ、入力信号振幅の6乗に比例する周波数4F1−2F
2、3F1−F2、2F1、F1+F2、2F2、3F
2−F1、4F2−2F1の歪となり、 以下同様 ということになる。図1に示す本発明の実施例では、上
記の偶数乗積のうちの基底周波数成分、或いは2倍波周
波数成分、或いは両方を変調信号として、入力無線信号
成分を振幅変調する構成となっている。振幅変調手段の
入出力関係は、 AM=(C+α・Mod)・In (3) 但し、In:搬送波、AM:被変調波、C:定数、α:
変調度、 Mod:変調信号 で表される。(3)式右辺第1項は入力信号成分そのも
のを表しており、右辺第2項は偶数乗積のうちの基底周
波数成分、或いは2倍波周波数成分、或いは両方からな
る変調信号と入力信号成分の積で得られる基本周波数成
分に生成される歪成分を表している。(3)式より、変
調信号に偶数乗積の基底周波数成分、或いは2倍波周波
数成分以外の周波数成分が含まれていなければ、信号伝
送帯域内に生成される歪成分は信号成分とは独立に扱う
ことができることが分かる。また、歪成分の調整も偶数
乗積の段階で行うので、基本波信号成分に影響を与える
こと無しに、歪調整が可能となる。変調信号として偶数
乗積の基底周波数成分を用いる場合、(3)式右辺第2
項の内容は、 [5] 2次非線形性歪と入力信号成分の積であり、利得α×
B2 、位相変移φ2を与えられ、入力信号振幅の3乗に
比例する周波数2F1−F2、F1、F2、2F2−F
1の歪と、 4次非線形性歪と入力信号成分の積であり、利得α×
B4 、位相変移φ4を与えられ、入力信号振幅の5乗に
比例する周波数3F1−2F2、2F1−F2、F1、
F2、2F2−F1、3F2−2F1の歪と、 6次非線形性歪と入力信号成分の積であり、利得α×
B6 、位相変移φ6を与えられ、入力信号振幅の7乗に
比例する周波数4F1−3F2、3F1−2F2、2F
1−F2、F1、F2、2F2−F1、3F2−2F
1、4F2−3F1の歪と、 以下同様 で成り立つ。変調信号として偶数乗積の2倍波周波数成
分を用いる場合、信号伝送帯域内に生成される非線形歪
成分は、上記の偶数乗積の基底周波数成分を用いた場合
[5]と振幅が半分になるのを除いて全く等しくなる。
但し、2倍波周波数成分の歪を用いる場合には(3)式
に示す振幅変調の際に、3倍波周波数帯に歪成分を生成
してしまうので、伝送帯域内には直接影響はしないもの
の、不要波として処理する必要があるときには、振幅変
調手段にフィルタを付加することで簡単に解決できる。
ポイントは偶数乗積の基底周波数成分を用いても、2倍
波周波数成分を用いても同じ効果が得られるということ
である。
【0026】被補償高出力増幅器と歪補償回路は上述の
関係で表すことができ、高出力増幅器の出力内容[1]
の以降で記載されている非線形歪に対して、歪補償回
路出力内容[5]に記載されている非線形歪が相殺する
関係にあるために歪低減が可能となるわけである。詳し
くは後述するが、実際の回路においては、偶数乗積生成
手段においてバイアス調整等により(2)式中の係数
関係で表すことができ、高出力増幅器の出力内容[1]
の以降で記載されている非線形歪に対して、歪補償回
路出力内容[5]に記載されている非線形歪が相殺する
関係にあるために歪低減が可能となるわけである。詳し
くは後述するが、実際の回路においては、偶数乗積生成
手段においてバイアス調整等により(2)式中の係数
【数3】
を調整し、振幅変調手段においてバイアス調整等により
(3)式中の変調度〈α〉を調整することで、基本波信
号成分とは無関係に歪成分を調整し、高出力増幅器で発
生する歪を低減することが可能となる。すなわち、基本
波信号成分に影響を与えずに歪成分の調整が可能となる
ことで、被補償高出力増幅器出力飽和点近傍においても
微妙な調整が可能となり、歪低減効果を達成することが
できる。
(3)式中の変調度〈α〉を調整することで、基本波信
号成分とは無関係に歪成分を調整し、高出力増幅器で発
生する歪を低減することが可能となる。すなわち、基本
波信号成分に影響を与えずに歪成分の調整が可能となる
ことで、被補償高出力増幅器出力飽和点近傍においても
微妙な調整が可能となり、歪低減効果を達成することが
できる。
【0027】図2に請求項2記載の本発明の実施例2を
示す。増幅を受ける複数無線信号が入力され、まず、分
配器33により2分される。一方は、搬送波信号として
後段の振幅変調手段37に入力される。他方は、偶数乗
積生成手段35に入力され被増幅複数無線信号を基に基
底周波数成分、2倍波周波数成分を生成する。生成され
た偶数乗積は変調信号として振幅変調手段37に入力さ
れる。
示す。増幅を受ける複数無線信号が入力され、まず、分
配器33により2分される。一方は、搬送波信号として
後段の振幅変調手段37に入力される。他方は、偶数乗
積生成手段35に入力され被増幅複数無線信号を基に基
底周波数成分、2倍波周波数成分を生成する。生成され
た偶数乗積は変調信号として振幅変調手段37に入力さ
れる。
【0028】偶数乗積生成手段の具体的回路例として
は、検波器、変調器等に使用されるショットキバリア・
ダイオードのV−I曲線のべき乗特性を利用し偶数乗検
波を行うことにより(2)式で表した出力信号成分を得
ることができる。ショットキバリア・ダイオードは完全
な偶数乗特性のみではなく、他の不要累乗特性も有して
いるので、ダイオードの後段に付加するフィルタにおい
てカットする必要がある。特に基本波周波数成分、すな
わち元信号の周波数帯成分は十分に阻止する必要があ
る。また、振幅変調信号として両周波数成分を用いるの
か、いずれか一方を用いるのかで必要な周波数成分のみ
を通過させるフィルタの役目を兼ねている。さらに、ダ
イオードの前段にインピーダンス整合回路を付加し元信
号の周波数帯において整合させることで、検波感度を高
めることができる。また、FETであればゲートバイア
スをピンチオフ付近に設定することで同様にV−I曲線
のべき乗特性を利用することができ、かつ、ダイオード
の場合よりも利得を得ることができる。ダイオードであ
れば順方向バイアス電流制御で、FETであればゲート
バイアス制御でV−I曲線動作点の調整が可能であり、
すなわち、(2)式中の係数
は、検波器、変調器等に使用されるショットキバリア・
ダイオードのV−I曲線のべき乗特性を利用し偶数乗検
波を行うことにより(2)式で表した出力信号成分を得
ることができる。ショットキバリア・ダイオードは完全
な偶数乗特性のみではなく、他の不要累乗特性も有して
いるので、ダイオードの後段に付加するフィルタにおい
てカットする必要がある。特に基本波周波数成分、すな
わち元信号の周波数帯成分は十分に阻止する必要があ
る。また、振幅変調信号として両周波数成分を用いるの
か、いずれか一方を用いるのかで必要な周波数成分のみ
を通過させるフィルタの役目を兼ねている。さらに、ダ
イオードの前段にインピーダンス整合回路を付加し元信
号の周波数帯において整合させることで、検波感度を高
めることができる。また、FETであればゲートバイア
スをピンチオフ付近に設定することで同様にV−I曲線
のべき乗特性を利用することができ、かつ、ダイオード
の場合よりも利得を得ることができる。ダイオードであ
れば順方向バイアス電流制御で、FETであればゲート
バイアス制御でV−I曲線動作点の調整が可能であり、
すなわち、(2)式中の係数
【数4】
の調整が可能となる。
【0029】振幅変調手段の具体的回路例としては、デ
ュアルゲートFETにより実現できる。このFETは2
つのゲート端子を持っており、出力振幅が2つのゲート
端子入力信号振幅の積に比例するので線形な変調特性が
得られる。変調される搬送波信号である被増幅複数無線
信号と変調信号である偶数乗積は別々のゲート端子から
入力することにより、両信号を分離して扱うことができ
る。また、ゲートバイアス調整により振幅変調の深さを
調整することが可能であり、すなわち、(3)式中の変
調度〈α〉を調整が可能となる。
ュアルゲートFETにより実現できる。このFETは2
つのゲート端子を持っており、出力振幅が2つのゲート
端子入力信号振幅の積に比例するので線形な変調特性が
得られる。変調される搬送波信号である被増幅複数無線
信号と変調信号である偶数乗積は別々のゲート端子から
入力することにより、両信号を分離して扱うことができ
る。また、ゲートバイアス調整により振幅変調の深さを
調整することが可能であり、すなわち、(3)式中の変
調度〈α〉を調整が可能となる。
【0030】以上のような具体的な回路を組み合わせる
ことにより、実施例1において説明した補償原理に基づ
く動作が実現され、被補償高出力増幅器の出力飽和点近
傍における歪低減が可能となる。
ことにより、実施例1において説明した補償原理に基づ
く動作が実現され、被補償高出力増幅器の出力飽和点近
傍における歪低減が可能となる。
【0031】図3に請求項3記載の本発明の実施例3を
示す。図2に示した本発明の実施例において、偶数乗積
生成手段35に位相・振幅調整手段39を加えた構成と
なっている。この位相・振幅調整手段39としては一般
的な移相器と可変減衰器で構成すればよい。このよう
に、歪成分の調整手段を付加することで、実施例2にお
いて説明したバイアス制御による調整に加えて、調整の
自由度が高まり、高出力増幅器の出力飽和点近傍におけ
る歪補償調整時に更なる微調が可能となる。
示す。図2に示した本発明の実施例において、偶数乗積
生成手段35に位相・振幅調整手段39を加えた構成と
なっている。この位相・振幅調整手段39としては一般
的な移相器と可変減衰器で構成すればよい。このよう
に、歪成分の調整手段を付加することで、実施例2にお
いて説明したバイアス制御による調整に加えて、調整の
自由度が高まり、高出力増幅器の出力飽和点近傍におけ
る歪補償調整時に更なる微調が可能となる。
【0032】実際の回路を用いて本発明を適用した場合
の歪改善例について述べる。評価はマルチキャリア(2
7波)を用い、実際の通信に近い形で行った。
の歪改善例について述べる。評価はマルチキャリア(2
7波)を用い、実際の通信に近い形で行った。
【0033】図7はマルチキャリア(27波)入力時の
非線形歪を生成している高出力増幅器の出力スペクトラ
ムを表している。入力信号の与え方は、等振幅信号を等
周波数間隔に配置し、中心(第14番目)信号のみ周波
数を低域側にずらした状態とする。全てが等周波数間隔
であると、高出力増幅器で発生する歪の周波数は入力信
号の周波数と重なり、最も歪発生量が多い中心周波数に
おいて歪を信号と分離して観測することができない。そ
こで、中心信号をずらして発生する歪を観測する。
非線形歪を生成している高出力増幅器の出力スペクトラ
ムを表している。入力信号の与え方は、等振幅信号を等
周波数間隔に配置し、中心(第14番目)信号のみ周波
数を低域側にずらした状態とする。全てが等周波数間隔
であると、高出力増幅器で発生する歪の周波数は入力信
号の周波数と重なり、最も歪発生量が多い中心周波数に
おいて歪を信号と分離して観測することができない。そ
こで、中心信号をずらして発生する歪を観測する。
【0034】図7において、周波数をずらした中心信号
をC(希望波信号電力)として観測し、中心周波数とそ
の直ぐ高域側に発生する歪をそれぞれIM1 (不要波歪
電力1)、IM2 (不要波歪電力2)として観測する。
マルチキャリア時の歪発生のメカニズムで説明すると、
3次相互変調歪積としては3周波混合による歪、すなわ
ち、(f1+f2−f3)の周波数関係で発生する歪積
が支配的となることが知られている。
をC(希望波信号電力)として観測し、中心周波数とそ
の直ぐ高域側に発生する歪をそれぞれIM1 (不要波歪
電力1)、IM2 (不要波歪電力2)として観測する。
マルチキャリア時の歪発生のメカニズムで説明すると、
3次相互変調歪積としては3周波混合による歪、すなわ
ち、(f1+f2−f3)の周波数関係で発生する歪積
が支配的となることが知られている。
【0035】図7のように中心信号のみを等周波数間隔
からずらした場合、ずらさない時に中心周波数に発生す
る歪は、ずらしたことにより2つの周波数成分に分割さ
れる。3周波混合による歪のうち、ずらす信号が含まれ
る(f3として寄与する)歪はIM2 として周波数が中
心から高域側にずれた歪として現れる。また、3周波混
合による歪のうち、ずらす信号が含まれない歪はそのま
まIM1 として中心周波数に発生する。それゆえ、IM
1 とIM2 の電力和IMが全てが等周波数間隔の場合の
中心周波数に発生する歪量ということになる。
からずらした場合、ずらさない時に中心周波数に発生す
る歪は、ずらしたことにより2つの周波数成分に分割さ
れる。3周波混合による歪のうち、ずらす信号が含まれ
る(f3として寄与する)歪はIM2 として周波数が中
心から高域側にずれた歪として現れる。また、3周波混
合による歪のうち、ずらす信号が含まれない歪はそのま
まIM1 として中心周波数に発生する。それゆえ、IM
1 とIM2 の電力和IMが全てが等周波数間隔の場合の
中心周波数に発生する歪量ということになる。
【0036】この測定により信号対歪比(C/IM)を
求めた結果を図8に示す。白丸は本発明の歪補償回路が
ある場合、黒丸は歪補償回路がない場合の特性を示して
いる。例えば、移動体衛星通信用の搭載高出力増幅器に
必要とされるC/IMは、方式に依存するが概ね16〜
18dB、厳しいものだと20dB以上である。図8の
横軸は出力バックオフ量を示しており、飽和点ぎりぎり
まで改善効果があることが読みとれる。また、上述のC
/IMの要求範囲においてはバックオフで1dB程度改
善することができる。これは、[従来の技術]の項で説
明したように出力飽和点近傍では1dBのバックオフを
低減できれば効率が5〜6%も変わる例を示したが、本
発明を適用することでその分の効率改善が可能となるわ
けである。
求めた結果を図8に示す。白丸は本発明の歪補償回路が
ある場合、黒丸は歪補償回路がない場合の特性を示して
いる。例えば、移動体衛星通信用の搭載高出力増幅器に
必要とされるC/IMは、方式に依存するが概ね16〜
18dB、厳しいものだと20dB以上である。図8の
横軸は出力バックオフ量を示しており、飽和点ぎりぎり
まで改善効果があることが読みとれる。また、上述のC
/IMの要求範囲においてはバックオフで1dB程度改
善することができる。これは、[従来の技術]の項で説
明したように出力飽和点近傍では1dBのバックオフを
低減できれば効率が5〜6%も変わる例を示したが、本
発明を適用することでその分の効率改善が可能となるわ
けである。
【0037】図4に請求項4記載の本発明の実施例4を
示す。請求項1及び2及び3記載の歪補償回路は、被補
償高出力増幅器のタイプに依らず歪補償が可能な原理・
構成を有しているが、請求項4記載の歪補償回路は、直
流バイアスを印可するタイプ、すなわち半導体高出力増
幅器に対してのみ、歪補償が可能である。図4に示す回
路は、分配器33、偶数乗積生成手段39の部分は図2
を用いて説明した請求項2記載の歪補償回路の場合と同
じもので実現できる。40は被補償半導体増幅器、45
はRF回路部、47はバイアス回路部、49は重畳手段
である。振幅変調手段に相当する回路を省き、被補償半
導体高出力増幅器のバイアス回路部からRF回路部への
直流供給線の1本(特に入力端に最も近いゲート・バイ
アス)に偶数乗積のうちの基底周波数成分を重畳する
(直流供給線であるので2倍波周波数成分は重畳しにく
い)構成を有している。これは、請求項2記載の歪補償
回路の振幅変調手段に用いるデュアルゲートFETの場
合と同様な現象が、偶数乗積が重畳される供給線に接続
されるFETにおいて起こることを利用している。一般
的には高出力用のFETはピンチオフ電圧が大きく、ま
た、FET高出力増幅器のゲート端には、FET安定動
作のための回路等が付加されており、デュアルゲートF
ETを用いる場合に比べ振幅変調効率は低下する可能性
が高い。部品点数を削減できる点ではデュアルゲートF
ETの場合に勝る。本実施例においても、前述の実施例
と同様な原理で、高出力増幅器の出力飽和点近傍での歪
低減が可能である。
示す。請求項1及び2及び3記載の歪補償回路は、被補
償高出力増幅器のタイプに依らず歪補償が可能な原理・
構成を有しているが、請求項4記載の歪補償回路は、直
流バイアスを印可するタイプ、すなわち半導体高出力増
幅器に対してのみ、歪補償が可能である。図4に示す回
路は、分配器33、偶数乗積生成手段39の部分は図2
を用いて説明した請求項2記載の歪補償回路の場合と同
じもので実現できる。40は被補償半導体増幅器、45
はRF回路部、47はバイアス回路部、49は重畳手段
である。振幅変調手段に相当する回路を省き、被補償半
導体高出力増幅器のバイアス回路部からRF回路部への
直流供給線の1本(特に入力端に最も近いゲート・バイ
アス)に偶数乗積のうちの基底周波数成分を重畳する
(直流供給線であるので2倍波周波数成分は重畳しにく
い)構成を有している。これは、請求項2記載の歪補償
回路の振幅変調手段に用いるデュアルゲートFETの場
合と同様な現象が、偶数乗積が重畳される供給線に接続
されるFETにおいて起こることを利用している。一般
的には高出力用のFETはピンチオフ電圧が大きく、ま
た、FET高出力増幅器のゲート端には、FET安定動
作のための回路等が付加されており、デュアルゲートF
ETを用いる場合に比べ振幅変調効率は低下する可能性
が高い。部品点数を削減できる点ではデュアルゲートF
ETの場合に勝る。本実施例においても、前述の実施例
と同様な原理で、高出力増幅器の出力飽和点近傍での歪
低減が可能である。
【0038】本実施例の説明においては、増幅される無
線信号の周波数帯が準マイクロ波帯以上(約1GHz以
上)の場合を前提に記述した。それ未満の周波数帯では
具体的に回路を実現するときに分布定数的回路要素を集
中定数的回路要素で扱うとか、使用するデバイスを周波
数帯に応じたものに変更する等の必要が生じる場合があ
るが、動作原理は全く等価である。
線信号の周波数帯が準マイクロ波帯以上(約1GHz以
上)の場合を前提に記述した。それ未満の周波数帯では
具体的に回路を実現するときに分布定数的回路要素を集
中定数的回路要素で扱うとか、使用するデバイスを周波
数帯に応じたものに変更する等の必要が生じる場合があ
るが、動作原理は全く等価である。
【0039】
【発明の効果】本発明により、従来回路では十分な歪低
減を得ることのできなかった高出力増幅器の出力飽和点
近傍において、歪補償による歪低減を可能とし、複数信
号の共通増幅を必要とする無線送信装置に用いられる高
出力増幅器の動作点を引き上げ効率良い信号増幅を可能
にする。
減を得ることのできなかった高出力増幅器の出力飽和点
近傍において、歪補償による歪低減を可能とし、複数信
号の共通増幅を必要とする無線送信装置に用いられる高
出力増幅器の動作点を引き上げ効率良い信号増幅を可能
にする。
【0040】また、衛星搭載用高出力増幅器に適用する
ことで、従来の発電能力のままでも高出力化を達成する
ことが可能になる。さらに、同じ無線信号電力を得るの
に生じる放熱を低減できるので、排熱能力に限りのある
衛星において有効に高出力化を達成することができる。
ことで、従来の発電能力のままでも高出力化を達成する
ことが可能になる。さらに、同じ無線信号電力を得るの
に生じる放熱を低減できるので、排熱能力に限りのある
衛星において有効に高出力化を達成することができる。
【図1】本発明の実施例1のブロック図である。
【図2】本発明の実施例2のブロック図である。
【図3】本発明の実施例3のブロック図である。
【図4】本発明の実施例4のブロック図である。
【図5】従来のベクトル合成型歪補償回路である。
【図6】従来の歪発生器型歪補償回路である。
【図7】マルチキャリア(27波)入力時の出力スペク
トラムである。
トラムである。
【図8】本発明を適用した場合の歪低減の実測例であ
る。
る。
11、21、33 分配器
13 線形経路
15 非線形経路
17、29 合成器
23 歪発生器
25 位相調整器
27 振幅調整器
30 被補償増幅器
31 入力信号の偶数乗算成分の基底周波数成分、2倍
周波数成分を変調信号として入力信号を変調する振幅変
調手段 35 偶数乗積生成手段 37 振幅変調手段 39 位相・振幅調整手段 40 被補償半導体増幅器 45 RF回路部 47 バイアス回路部 49 重畳手段
周波数成分を変調信号として入力信号を変調する振幅変
調手段 35 偶数乗積生成手段 37 振幅変調手段 39 位相・振幅調整手段 40 被補償半導体増幅器 45 RF回路部 47 バイアス回路部 49 重畳手段
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭54−27341(JP,A)
特開 平8−37427(JP,A)
特開 平9−232890(JP,A)
特開 昭52−5245(JP,A)
特開 昭63−189003(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H03F 1/00 - 3/72
H03G 3/30
Claims (4)
- 【請求項1】 複数の無線信号を共通増幅する増幅器で
発生する歪を補償し低減する歪補償回路において、 前記歪補償回路が増幅される複数の無線信号の偶数次に
起因する歪である偶数乗積のうちの基底周波数成分、及
び2倍波周波数成分の少なくとも一方を用いて、被増幅
複数無線信号を振幅変調する手段を有することを特徴と
する歪補償回路。 - 【請求項2】 請求項1記載の歪補償回路において、 前記歪補償回路が、被補償増幅器の前段に配備され、 前記歪補償回路が、 増幅される複数の無線信号を分配する分配器と、 該分配器の一方の出力に接続される振幅変調手段と、 前記分配器の他方の出力に接続され前記分配器の出力の
複数の無線信号の偶数次に起因する歪である偶数乗積の
うちの基底周波数成分及び2倍周波数成分の少なくとも
一方を生成する偶数乗積生成手段とを有し、 該偶数乗積生成手段の出力が変調信号として前記振幅変
調手段に接続され、その出力が被補償増幅器に入力され
ることを特徴とする歪補償回路。 - 【請求項3】 請求項2記載の歪補償回路において、 前記偶数乗積生成手段の出力に、該手段により生成され
る自乗積の振幅並びに位相を調整する手段を具備し、そ
の出力が変調信号として前記振幅変調手段に接続される
ことを特徴とする歪補償回路。 - 【請求項4】 複数の無線信号を共通増幅する半導体増
幅器で発生する歪を補償し低減する歪補償回路におい
て、 前記歪補償回路が、被補償半導体増幅器の入力側に配備
され、 前記歪補償回路が、 増幅される複数の無線信号を分配する分配器を有し、 該分配器の一方の出力は被補償増幅器に接続され、 前記分配器の他方の出力には、当該分配器の出力の複数
の無線信号の偶数次に起因する歪である偶数乗積のうち
の基底周波数成分を検出する偶数乗積生成手段が接続さ
れ、その出力が被補償半導体増幅器の直流バイアスに重
畳されるように接続されることを特徴とする歪補償回
路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21411996A JP3467670B2 (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | 歪補償回路 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21411996A JP3467670B2 (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | 歪補償回路 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1041756A JPH1041756A (ja) | 1998-02-13 |
JP3467670B2 true JP3467670B2 (ja) | 2003-11-17 |
Family
ID=16650552
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21411996A Expired - Fee Related JP3467670B2 (ja) | 1996-07-26 | 1996-07-26 | 歪補償回路 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3467670B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
JP4868433B2 (ja) * | 2004-02-09 | 2012-02-01 | ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 | 歪み補償装置および歪み補償機能付き電力増幅装置 |
JP4671622B2 (ja) * | 2004-04-30 | 2011-04-20 | ソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズ株式会社 | 歪み補償電力増幅装置 |
-
1996
- 1996-07-26 JP JP21411996A patent/JP3467670B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH1041756A (ja) | 1998-02-13 |
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