JP3450327B2 - 滅菌剤混合物及び滅菌法 - Google Patents
滅菌剤混合物及び滅菌法Info
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Description
エチレンオキシドの使用を基にした滅菌に関する。
よる滅菌は長年の間実施されてきた。更に最近では、あ
る種の分野において、例えば医学においてそして宇宙探
検において、これらの分野において使用されるある種の
物品が、スチーム滅菌に伴う温度又は湿気に耐えること
ができないという理由から、異なる滅菌剤を用いる必要
性が生じてきた。
レンオキシドである。何故ならば、それは効果的な滅菌
剤であるばかりでなく、またその残留物は滅菌された物
品から比較的急速に揮発するからである。エチレンオキ
シドは滅菌を実施するために単独で使用しても良いが、
エチレンオキシドは非常に可燃性であるのでこれは一般
には行われない。その代わりに、エチレンオキシド滅菌
剤は、一般に、難燃剤との混合物として使用される。し
かしながら、難燃剤はエチレンオキシドの特性を補足す
るものでなければならない。さもなければエチレンオキ
シドの有益な効果は失われるであろう。過去20年間にわ
たって、滅菌剤混合物におけるエチレンオキシドと一緒
の使用のために選択された難燃剤は、この産業において
CFC−12として知られているジクロロジフルオロメタン
であった。最も普通に使用される滅菌剤混合物は、27.3
モル%(12重量%)のエチレンオキシド及び72.7モル%
(88重量%)のCFC−12から成る。この混合物は、この
産業において一般に12−88と呼ばれている。
故ならば、それは、高層大気中のオゾン層に顕著な被害
を引き起こすと信じられるクロロフルオロカーボンの一
つであるからである。従って、CFC−12の使用の全世界
での削減及び排除が今や行われている。これは、滅菌剤
としてのエチレンオキシドの使用に関する問題を作り出
した。
る前に、より少しのエチレンオキシドしかこれらの代替
品と混合することができないという点でそれらはCFC−1
2ほど効果的ではない。例えば、混合物が可燃性になる
前に1,1−ジクロロ−2,2,2−トリフルオロエタン(HCFC
−123)又は1−クロロ−1,2,2,2−テトラフルオロエタ
ン(HCFC−124)のどちらかと混合することができるエ
チレンオキシドの最大量は23モル%である。ペンタフル
オロエタン(HFC−125)に関しては、混合物が可燃性に
なる前にHFC−125に添加することができるエチレンオキ
シドの最大量は19モル%であり、そして1,2,2,2−テト
ラフルオロエタン(HFC−134a)に関しては、エチレン
オキシドの最大量は12モル%である。
てそれ故地球の大気に悪い影響を及ぼす可能性がある。
として使用することができる。しかしながら、このよう
な使用の爆発の危険は、経験を積んだそして慣れた取扱
者が常時いる場所での比較的数少ない用途のためにだけ
それを受け入れられるようにする。
の難燃剤は二酸化炭素である。しかしながら、二酸化炭
素の特徴のために、不燃性のエチレンオキシド−二酸化
炭素混合物は、12−88がそうであるように、単位容積あ
たり40%未満のエチレンオキシドしか含まない。かくし
て、滅菌は、より高い圧力で又はより長い接触時間の間
実施されなければならない。更にまた、エチレンオキシ
ドと二酸化炭素の蒸気圧における大きな差は、貯蔵タン
ク又はシリンダーからの取り出しに際して混合物を分離
せしめ、滅菌しないであろう、二酸化炭素に富んだ、又
は爆発性である、エチレンオキシドに富んだ滅菌剤混合
物の移送の危険を生み出す。
用いる改良された滅菌剤混合物を提供すること、及び既
知の滅菌法の欠陥を克服する、エチレンオキシドを用い
る滅菌剤混合物を使用する改良された滅菌法を提供する
ことが可能であることがここに見い出された。
び70〜85モル%の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパ
ン(HFC−236fa)から成る滅菌剤混合物が提供される。
シド及び70〜85モル%の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ
プロパンから成る効果的な量の滅菌剤混合物と接触させ
ることから成る、物品を滅菌するための方法を提供す
る。
ことができるエチレンオキシド及びHFC−236faの共沸又
は共沸様組成物に関する。
に用いられている滅菌装置によって使用することができ
る。
図である。
する燃焼性試験の図である。
ている化合物と調合されたエチレンオキシド混合物に関
する燃焼性試験の図である。
て物品を滅菌する方法である。滅菌剤混合物は、一般
に、ガス又は蒸気として使用される。
20〜26モル%のエチレンオキシド及び70〜85モル%、好
ましくは74〜80モル%の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ
プロパンから成る。エチレンオキシドは活性な滅菌剤と
して作用し、一方ハロゲン化化合物、又は混合物が用い
られる場合には複数のハロゲン化化合物は難燃剤として
作用する。明記された最小未満の難燃剤濃度では、潜在
的に危険な状況を回避するのに十分な難燃性が混合物中
に存在しないであろうし、そして明記された最大よりも
多い難燃剤濃度では、望ましくなく高い温度、圧力及び
/又は接触時間の使用なしでは効果的な滅菌が可能では
ないであろう。
シド及びHFC−236faのみから成る。しかしながら、滅菌
剤混合物は、蒸気圧を増し又は滅菌剤混合物のコストを
減らすために更にクロロジフルオロメタンを含んでも良
い。蒸気圧を増加させることは、滅菌剤混合物を時を得
たやり方で滅菌室中に進ませるために、特に滅菌剤容器
温度を21℃(70゜F)又はほぼその温度に維持すること
ができない状況においては、いくつかの滅菌システムに
おいては望ましいであろう。
は、滅菌剤混合物を滅菌室中に進ませるために滅菌剤容
器中の圧力を増すためにまた使用し得る不活性窒素ガス
を含む。
るために使用することができる。滅菌し得る医療機器及
び機材の例は、診断用内視鏡;プラスチック製品例えば
注射器、手袋、試験管、保育器及びペースメーカー;ゴ
ム製品例えばチューブ、カテーテル及びシート;機器例
えば針、メス及び酸素試験器;並びにその他の品物例え
ば拡張器、ポンプ、モーター及び眼内レンズを含む。加
えて本発明の滅菌剤混合物は、医療分野以外の品目に燻
蒸剤として使用し得る。これらの品目は、ある種の食料
品例えばスパイス、並びにその他の品物例えば毛皮、寝
具類、紙製品、並びに輸送装置例えば飛行機、列車及び
船の貨物領域を含む。
ましくない昆虫、バクテリア、ビールス、かび、菌、及
びその他の微生物に対して効果的である。殺すのが最も
困難な生物の中には、B.Subtilus sbs.niger胞子があ
る。しかしながら、これらの生物でさえ、本発明の滅菌
剤混合物によって効果的に破壊される。
意の効果的な混合技術を使用して作ることができる。例
えば、混合物の各々の化合物をマニホールドを通して滅
菌剤容器中に自重により落下させて注ぎ、そして容器を
回転させて化合物を混合して均一な混合物とする。別法
として、化合物を混合タンク中にポンプで入れ、完全に
均一な混合物が生成されるまでタンク中を再循環させ、
そして次に混合タンクから滅菌剤容器中にポンプ輸送し
ても良い。
ス貯蔵容器例えば米国運輸省(DOT)明細4BA 240、4BA
300、4BW 240又はその他のDOT明細の適切な作動圧力の
シリンダー又はトレーラー中に充填されうる。滅菌剤混
合物はまた、機械工学のアメリカ協会(ASME)貯蔵容器
中に貯蔵できる。
a(70゜Fで平方インチあたり30〜50ポンド絶対圧(psi
a))の範囲内の圧力で滅菌剤混合物を保持しながら使
用場所に移送され、そして一連の弁、制御弁、蒸発器及
び適切な導管を経て滅菌装置に接続されて滅菌が行われ
る。
が、本発明はそれらに限定されるものではない。
たは複数の品物をドア2を通して滅菌室1内に置く。図
1中に図示されたような滅菌装置は、卓上モデルから部
屋置きサイズのモデルそして更に大きいものまでの範囲
のものであっても良い。品物が滅菌室1内に置かれそし
てドア2が閉じられた後で、室を一般に54℃〜60℃(13
0゜F〜140゜F)の範囲内の温度に加熱する。一般に、温
度が高ければ高いほど、必要とされる暴露時間はそれだ
け短い。室が所定の温度まで上げられた後で、真空ポン
プ9によってベント8を通って空気をポンプ排出するこ
とによって室の内側を部分的な真空に引く。空気の除去
は、滅菌剤混合物の希釈を防止すること及び暴露圧力を
減らすことの両方に役立つ。いくつかの物品は突然の圧
力変化によって損傷をうけることがあり得るので、適切
な真空を作り出すのには一般的に滅菌されるべき物品の
如何によって約5〜45分かかる。湿った微生物は滅菌剤
の反応に一層感じやすいので、水蒸気が用いられる。図
1においては、蒸気源10からの水蒸気は、導管11を経て
室1中に注入される。水蒸気は、30〜80%の範囲内の室
内の相対湿度を作り出すために使用される。
4及びフィルター5を通って気化器6に移動され、そし
てそこでそれは蒸気に転換される。気化器6から、滅菌
剤混合物は導管7を通って滅菌のための滅菌室1中に移
動される。室1内で滅菌が行われる圧力は、約48〜228k
Pa(7〜33psia)で良い。滅菌時間は変わるであろうし
そして温度、圧力、湿度レベル、用いられる特定の滅菌
剤混合物、及び滅菌される物質等の多数の要因の如何に
よる。例えば、ある種の多孔性物品は、ポリエチレンバ
ッグ中にシールされた物品よりも短い暴露時間を要す
る。更にまた、ある種のバクテリアは殊に抵抗性がある
ので、破壊するのにより長くかかる。
経て空気、窒素、蒸気又は二酸化炭素をフラッシュさせ
そして引き続いてポンプ9によって導管8を経て排気す
ることによって滅菌室から排気される。次に、滅菌され
た物質はドア2を通して室1から取り出されそして、必
要な場合には、使用される前に、残留滅菌剤の除去のた
めに通気される。滅菌手順全体は、制御パネル13によっ
て監視されそして制御される。
組成物を形成するのに有効な量のエチレンオキシド及び
HFC−236faの共沸又は共沸様組成物の発見に関する。こ
れらの組成物は滅菌剤として使用することができる。
された後で、元の組成物と元の組成物の50重量%が除去
された後の残りの組成物との間の蒸気圧における差が絶
対単位で測定した時に10%未満である場合には、組成物
は共沸又は共沸様であることが、当該技術において認め
られている。絶対単位とは、圧力の測定値そして、例え
ば、psia、大気圧、bar、torr、平方cmあたりのdyne、
水銀のmm、水のインチ及び当該技術において良く知られ
たその他の等価な術語を意味する。
量%が蒸発又は沸騰して残りの組成物を生成させた後
で、元の組成物と残りの組成物との間の蒸気圧における
差が10%以下であるような、有効な量のエチレンオキシ
ド及びHFC−236faの組成物である。
物は、以下のものを含む(25℃で):6〜65、そして好ま
しくは22〜46モル%のエチレンオキシド及び35〜94、そ
して好ましくは54〜78モル%のHFC−236fa。
せた時に、共沸又は共沸様組成物の生成をもたらす、本
発明の組成物の各々の成分の量として定義される。この
定義は、共沸又は共沸様組成物が異なる圧力において、
しかしあり得ることとしては異なる沸点において存在し
続ける限り、組成物に加えられる圧力の如何により変化
する各々の成分の量を含む。
もの以外の温度又は圧力で共沸又は共沸様組成物を生成
させる本発明の組成物の各々の成分の、モル%で表すこ
とができるような量を含む。
動する、2以上の物質の一定に沸騰する又は実質的に一
定に沸騰する液体混合物を意味する。共沸又は共沸様組
成物を特徴付ける1つの方法は、液体の部分的蒸発又は
蒸留によって製造される蒸気が、それからそれが蒸発さ
れ又は蒸留された液体のと実質的に同じ組成を有するこ
と、即ち、混合物が実質的な組成変化なしで蒸留し/還
流することである。共沸又は共沸様として特徴付けられ
る一定に沸騰する又は実質的に一定に沸騰する組成物
は、同じ成分の非共沸混合物のものと比較して極大又は
極小沸点のどちらかを示す。
tant boiling)とは、本質的に共沸又は本質的に定沸を
も意味することを意図するものである。言い換えれば、
これらの術語の意味の内に含まれるのは、本当の共沸混
合物ばかりでなく、また他の温度及び圧力で共沸であ
る、異なる割合で同じ成分を含む他の組成物、並びに同
じ共沸系の一部でありそしてそれらの特性において共沸
様である等価な組成物である。この技術において良く認
識されているように、共沸混合物と同じ成分を含み、冷
却及びその他の用途のために本質的に等価な特性を示す
ばかりでなく、また定沸点特性又は沸騰に際して分離若
しくは分溜しない傾向に関して本当の共沸組成物と本質
的に等価な特性を示すであろう種々の組成物が存在す
る。
がある定沸混合物を、実際に、次のいくつかの規準によ
って特徴付けることが可能である: * 組成物はA、B、C(及びD・・・)の共沸混合物
として定義され得る。何故ならば、まさにこの用語の
“共沸混合物”とは、直ちに限定的でかつ限界的であ
り、そして定沸点組成物であるこのユニークな組成物に
ついて有効量のA、B、C(及びD・・・)を必要とす
る。
なくともある程度まで変わるであろうし、そして圧力の
変化はまた少なくともある程度まで沸点温度を変えるで
あろうことは、当業者に良く知られている。かくして、
そしてA、B、C(及びD・・・)の共沸混合物は独自
な型の関係を表わすが、温度及び/又は圧力の如何によ
り可変の組成を有する。それ故、固定された組成よりも
むしろ組成範囲が共沸混合物を定義するためにしばしば
使用される。
量%の関係又はモル%の関係として定義することができ
るが、一方このような特定の値はただ一つの特別な関係
を指摘するもので、そして実際にはA、B、C(及びD
・・・)によって表される一連のこのような関係が、圧
力の影響によって変えられる、与えられた共沸混合物に
関して実際に存在することが認識される。
られた圧力での沸点によって特等付けられる共沸混合物
としての組成を定義することによって特徴付けることが
でき、かくして、利用できる分析装置によって限定され
そしてそれと同じくらい正確である特定の数値の組成に
よって本発明の範囲を不当に限定することなく同定する
特徴を与えることができる。
法例えば所望の量を混合すること又は合わせることによ
って製造することができる。好ましい方法は、所望の成
分量を秤量しそしてその後でそれらを適切な容器中で合
わせることである。
又は区別するためのもので、これらは本発明の範囲を制
限するものではない。
焼性曲線を決定するために、一連の燃焼性試験を実施し
た。手順は以下の通りであった。すべて測定された濃度
で、エチレンオキシド、空気及び難燃剤を、98.07kPa
(1気圧)及び25℃で5リットルの球形容器中で混合し
た。電気的に活性化されたマッチを、混合物に点火エネ
ルギーを与えるために容器の中央に置いた。燃焼性、即
ち混合物が点火されるか否かを、容器壁への炎伝播の目
視によって測定した。種々の混合物に関するデータが、
HFC−236fa混合物に関して図2中に示されている。接線
の下の曲線は、その特定の混合物の点火を示す。図2中
に示された曲線は、混合物の燃焼性曲線を表わす。
すべての濃度、即ち0〜100%の空気で不燃性でなけれ
ばならない。かくして、0〜100%の空気を表す直線は
燃焼性曲線の下で交わってはならない。燃焼性曲線と丁
度接するがその下で交わらない0〜100%の空気の直線
は、混合物を不燃性に維持しながら最も高いエチレンオ
キシドの濃度を示す。このような直線は図2中に示さ
れ、そしてエチレンオキシドHFC−236fa混合物に関して
は、エチレンオキシド濃度は22モル%まで上昇でき、し
かも混合物は空気のすべての濃度に関して不燃性を保つ
ことを示す。
−テトラフルオロエタン(HFC−134a)を使用した以外
は上で述べた手順を繰り返した。HFC−134aはCFC−12の
最も有望な代替品として一般に受け入れられるようにな
ってきた。このデータは図3中に報告される。データに
よって示されるように、エチレンオキシド及びHFC−134
aの混合物は、空気濃度の全領域にわたって12%の最大
エチレンオキシド濃度まで不燃性であるに過ぎない。
は、CFC−12の広く認められた代替品によって調合され
た混合物のものの約2倍の不燃性を示すことを示す。
る、以下の組成物に関する相検討は、以下の組成物が共
沸混合物であることを示す。
気圧を測定する。温度を25℃で一定に保持しながら、組
成物を容器からリークさせ、初期組成物の50重量%が除
去されてしまうまで続け、その時点で容器中に残る組成
物の蒸気圧を測定した。結果を以下に要約する。
及び35〜94モル%のHFC−236faの組成物は、元の組成物
の50重量%が除去される時に、組成物の蒸気圧が約10%
未満しか変わらないという点で共沸又は共沸様であるこ
とを示す。
Claims (2)
- 【請求項1】25℃で共沸又は共沸様組成物を形成するの
に有効な量のエチレンオキシド及び1,1,1,3,3,3−ヘキ
サフルオロプロパンから成る組成物。 - 【請求項2】6〜65モル%のエチレンオキシド及び35〜
94モル%の1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパンから
成る、請求項1記載の組成物。
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