JP3439347B2 - 吹付けコンクリートの初期硬化性状の評価方法 - Google Patents

吹付けコンクリートの初期硬化性状の評価方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネル用吹付け
コンクリート、法面吹付け工法、コンクリートの初期水
和量の測定、コンクリートの硬化の管理等に利用するこ
とができる吹付けコンクリートの初期硬化性状の評価方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に各種のトンネル掘削工事におい
て、掘削中のトンネル掘削岩盤の表面にコンクリートを
吹付ける工法としては、急結剤を添加した吹付けコンク
リートによる吹付け工法が用いられている。この工法は
トンネル掘削岩盤の表面を保護するとともに応力再配分
等によるトンネル断面の初期変形の支保効果を目的とし
ている。そのため、岩盤の表面に吹付けた後の吹付けコ
ンクリートの剥落や、吹付けコンクリートがトンネル断
面の初期変形に対応できるかどうかの正確な強度評価が
必要である。
【0003】ところが前記した吹付けコンクリートは、
通常数分以内で凝結固化し、早い時期(通常約24時間
頃まで)にトンネル断面の支保効果を発揮できる強度に
硬化する。このような短期間に、凝固始発時の比較的低
い強度からトンネル断面の支保硬化を発揮できる程度の
高い強度まで変化する吹付けコンクリートの初期硬化性
状を連続的に測定・評価することは非常に困難であり、
従来行われていなかった。
【0004】また、この吹付けコンクリートの強度等の
測定用供試体を作製する場合、通常数分以内で型枠等へ
の成形が困難となるような硬化性状を示すため、品質の
バラツキの少ない供試体を数個〜十数個作製することは
非常に困難であり、作製された供試体の品質にはバラツ
キが多いといった問題があった。品質のバラツキをなく
すためには同一の供試体を用いて測定することが好まし
く、また供試体を破壊することなく時間の経過とともに
強度を測定する必要がある。
【0005】ところが、吹付けコンクリートの従来の強
度評価の方法では、上記のような要件を満たしていなか
った。すなわち、従来の強度評価の方法としては、急結
剤で急結させた吹付けコンクリートの数時間から1日程
度の強度管理を行う場合、所定の型枠に吹付けて作製し
たコンクリートをコーン状(截頭円錐形状)に引き抜く
ときの抵抗値(プルアウト試験など)から強度等を推定
する方法や、針状のものを突き刺す時の抵抗から強度等
を推定する方法が用いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プルア
ウト試験用の供試体作製では、吹付けコンクリートの急
結性が若干でも劣っていれば吹付けノズル圧の影響等で
正常な形に作製することが困難であった。また、供試体
を複数個作製したときには、個々の測定値のバラツキが
大きくなり、正確な特性の把握が難しいといった問題点
があった。(下記の表1,表2参照:プルアウト試験、
若材齢時における強度バラツキの例1,2)。尚、以下
の表中の添加剤としては遅延剤を使用。
【0007】
【表1】
【0008】 Gmax:最大粗骨材寸法、 W/C:水セメント比、 S/a:細骨材率(a=S+G)、 W:水、 C:セメント、 S:細骨材、 G:粗骨材、 A:配合Aの意(別紙の表中のHは配合Hの意)
【0009】
【表2】
【0010】また、前記した針状のものを用いて推定す
る方法では、地山に直接吹付けるコンクリート面を利用
できるため供試体作製上の問題点は少ないが、比較的柔
らかい状態から硬化後の状態までを単一の針で測定する
ことは困難であり、時間に伴う強度の時間的変化を連続
的に評価する点に問題があった。
【0011】更にこれらの方法では、材齢が24時間以
上経過した配合や富配合で強度発現が早く高い強度とな
った供試体、例えば15N/mm2 などを扱う場合に
は、引き抜きが困難となることや、針の進入量の変化が
得られなくなるなどの理由で正確な強度の評価ができな
いといった問題があった。(下記の表3参照:ピンかん
貫入試験、硬化に伴う貫入量の変化が見られない例)
【0012】
【表3】
【0013】本発明は、上述のような問題に鑑みて種々
研究の結果開発した方法であり、その目的とするところ
は、工事現場で経験や感に頼ることなく、吹付けコンク
リートの強度変化を連続的或いは断続的に且つ簡便・正
確に評価できるようにした吹付けコンクリートの初期硬
化性状の評価方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を有
効に達成するために、次のような構成にしてある。すな
わち、請求項1記載の本発明のコンクリートの初期硬化
性状の評価方法は、予め、急結剤を添加したコンクリー
トをコンクリート吹付け体に吹付けて任意形状の供試体
を作製し、吹付け終了以後の該供試体の任意の2点間の
弾性波速度Aを連続的に或いは所望間隔毎に測定して、
上記の供試体の弾性波速度Aの経時変化を得ておき、次
に、工事現場で吹付けた吹付けコンクリートの任意の2
点間の弾性波速度Bを吹付け終了後適時測定し、上記の
供試体の弾性波速度Aと現場での吹付けコンクリートの
弾性波速度Bとを比較して、現場吹付けコンクリートの
吹付け施工後の硬化状態を推定することを特徴とする構
成にしてある。
【0015】請求項2記載の本発明のコンクリートの初
期硬化性状の評価方法は、予め、急結剤を添加したコン
クリートをコンクリート吹付け体に吹付けて任意形状の
供試体を作製し、吹付け終了以後の該供試体の任意の2
点間の弾性波速度Aと強度とを連続的に或いは所望間隔
毎に測定して、時間経過と共に変化する上記の供試体の
弾性波速度Aと強度との関係を導いておき、次に、工事
現場で吹付けた吹付けコンクリートの任意の2点間の弾
性波速度Bを吹付け終了後適時測定し、上記の供試体の
弾性波速度Aと強度との関係から上記の弾性波速度Bに
対応する現場での吹付けコンクリートの強度を推定し
て、吹付け後の現場の吹付けコンクリートの硬化状態を
判断することを特徴とする構成にしてある。
【0016】請求項3記載の本発明のコンクリートの初
期硬化性状の評価方法は、請求項2記載の吹付けコンク
リートの初期硬化性状の評価方法の構成において、測定
する供試体の強度が、プルアウト試験による吹付けコン
クリートの引き抜き強度であることを特徴とする構成に
してある。
【0017】請求項4記載の本発明のコンクリートの初
期硬化性状の評価方法は、請求項1記載のコンクリート
の初期硬化性状の評価方法の構成において、吹付けコン
クリートに遅延剤を添加した構成にしてある。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明
する。事前に研究室や実験室等で急結剤(及び遅延剤)
を添加した配合比の異なる複数種類の吹付けコンクリー
トを、コンクリート吹付け体の一例である平滑な対峙す
る2平面を有する例えば直方体形状の型枠にそれぞれ吹
付けて、複数種類の供試体を順次作製する。そして各型
枠から取り出した固化した硬化中の各供試体1(図1参
照)の一方の平面側に発振器2を設けるとともに、他方
の平面側で発振器2と対峙する位置に受振器3を設け、
発振器2並びに受振器3と弾性波速度測定器4とを結線
する。尚、コンクリート吹付け体は、吹付けコンクリー
トを吹き付けて所望の供試体を細作できれば、上記した
例の型枠以外に、板体やその他の種々部材或いは種々の
形状の型枠であってもよい。
【0019】このようにした後に順次各供試体1の弾性
波速度A、或いは弾性波速度Aと強度を測定して、時間
経過とともに変化する各供試体1の弾性波速度データを
連続的に或いは所望間隔毎に得ておく。この場合、得ら
れた弾性波速度データを記録して表にしておいてもよい
し、弾性波速度データから実験式等の計算式によって数
値を導くようにしてもよい。
【0020】一方、トンネル掘削現場等の各工事現場で
は、急結剤(及び遅延剤)を添加した使用される吹付け
コンクリートを、前記した型枠に吹付けて供試体を作製
する。この型枠から取り出した固化した硬化中の供試体
に対し、前記したように発振器2、受振器3及び弾性波
速度測定器4(図1参照)を設け、この供試体の弾性波
速度Bを連続的に或いは所望間隔毎に測定し、この弾性
波速度Bと前記した弾性波速度データとを比較して工事
現場における吹付けコンクリートの吹付け施工後の硬化
状態を推測する。このようにすることによって吹付けコ
ンクリートの吹付け後の更なる工事の進め具合を判断し
ていく。
【0021】尚、前記した供試体の寸法・形状に特に制
約はないが、同一断面内での繰り返し測定が望ましいた
め、図1に示すような一定の間隔(2〜30cm程度、
望ましくは10〜15cm)で平滑な平行面を2面を有
する形状が適切である。
【0022】図2〜図5はトンネル工事現場の掘削した
トンネル5の所望の内壁面6に、凹凸調整用及びUP波
反射用のクッション材7(ゴム、ウレタン等)を介し
て、現場吹付けコンクリートによる供試体を作製できる
型枠8を、複数のピン9で地山10に固定する。この型
枠8は20cmの間隔を空けて発振器2と受振器3とを
対峙させて設けられるようにしてある。発振器2並びに
受振器3は図1に示す弾性波速度測定器4と同様の測定
器(図示省略)に結線する。
【0023】なお、発振器2並びに受振器3の間隔は、
20cmに限定するものではなく、一定の間隔(2〜3
0cm程度、望ましくは10〜15cm)で平滑な平行
面を2面有する形状が適切であり、そのような形状が得
られれば良い。
【0024】トンネル5の内壁面6にコンクリートを吹
付ける際に固定した型枠8にもコンクリートを吹付け、
発振器2と受振器3との間の間隙部分を吹付けコンクリ
ート11で埋める。この部分の吹付けコンクリートの厚
さは5〜10cm位である。勿論、この厚さに限定され
るものではない。尚、型枠8は後に除去するも或いはそ
のままの状態にしておくも自由である。
【0025】上記のようにした後に、連続的に或いは所
定間隔を以て型枠8で形成される供試体の弾性波速度
B、或いは弾性波速度Bと強度を測定し、予め測定した
弾性波速度A、或いは弾性波速度Aと強度からなる弾性
波速度データ等と比較して、吹付け後の現場の吹付けコ
ンクリートの硬化状態を判断する。
【0026】前記の遅延剤は、少なくとも1種のホスホ
ン酸誘導体を含有する材料が使用され、このホスホン酸
誘導体としては、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、
アミノトリ(メチレンホスホン酸)五ナトリウム塩、1
ーヒドロキシエチリデンー1、1ージホスホン酸、1ー
ヒドロキシエチリデンー1、1ージホスホン酸四ナトリ
ウム塩、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン
酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)
カルシウムナトリウム塩、ヘキサメチレンジアミンテト
ラ(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテ
トラ(メチレンホスホン酸)カリウム塩、ジエチレント
リアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、及びジエチレ
ントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)ナトリウム
塩からなる群から選ばれる少なくとも1種である。
【0027】または、ヒドロキシルカルボン酸又はポリ
カルボン酸及びそれらの塩、アスコルビン酸及びイソシ
スコルビン酸、スルホン酸ーアクリル酸コポリマー、ポ
リヒドロキシシラン、ポリアクリルアミド、炭水化物及
びリグノスルホネートから選ばれる少なくとも1種の化
合物である。
【0028】或いはヒドロキシルカルボン酸、ポリカル
ボン酸、イソアスコルビン酸及びポリヒドロキシシラン
から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
【0029】または、ホスホン酸誘導体から選ばれる少
なくとも1種類の化合物と、ヒドロキシルカルボン酸又
はポリカルボン酸及びそれらの塩、アスコルビン酸及び
イソシスコルビン酸、スルホン酸ーアクリル酸コポリマ
ー、ポリヒドロキシシラン、ポリアクリルアミド、炭水
化物及びリグノスルホネートから選ばれる少なくとも1
種の化合物である。
【0030】更には、アミノトリ(メチレンホスホン
酸)、アミノトリ(メチレンホスホン酸)五ナトリウム
塩、1ーヒドロキシエチリデンー1、1ージホスホン
酸、1ーヒドロキシエチリデンー1、1ージホスホン酸
四ナトリウム塩、エチレンジアミンテトラ(メチレンホ
スホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホ
ン酸)カルシウムナトリウム塩、ヘキサメチレンジアミ
ンテトラ(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジア
ミンテトラ(メチレンホスホン酸)カリウム塩、ジエチ
レントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、ジエチ
レントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)ナトリウ
ム塩から選ばれる少なくとも1種の化合物と、クエン酸
からなるもの、或いはこれらにアミノトリ(メチレンホ
スホン酸)及びクエン酸を含むものである。
【0031】本発明に係る急結剤は、セメントの吹き付
け工法に使用されるものであれば、特に限定されるもの
ではなく、無機塩素、急結性セメント鉱物系、カルシウ
ムサルフォアルミネート鉱物系、無機塩素液体急結剤及
びこれらを混合したものが例としてあげられる。
【0032】また、補助材としてマグネシウム、カルシ
ウム、ニッケル、アルミニウム及び鉄等の化合物で、水
に溶けて金属イオン化するものを用いてもよい。
【0033】勿論、遅延剤、急結材、補助材は、夫々の
作用・硬化をするものであれば、前記以外のものであっ
てもよい。
【0034】次に具体例1〜具体例4について説明す
る。各具体例に用いた供試体は、はり切片圧縮強度測定
用の形枠(15cm×15cm×40cm)に急結させ
たコンクリートを吹付けて作製する。弾性波測定は、同
一の試験において同時に作製した供試体を使用し、それ
と同時にはり切片圧縮強度試験(同一供試体)プルアウ
ト試験を実施した。
【0035】具体例1.作製した供試体を用いて弾性波
を複数回測定した結果を表4に示す。表4より同一の供
試体における弾性波速度の測定値のバラツキは、プルア
ウト試験のバラツキに比べ非常に小さいことがわかる。
【0036】
【表4】
【0037】具体例2.急結させたコンクリート強度と
弾性波速度との相関性について示す。弾性波速度の測定
結果とはり切片圧縮強度および、プルアウト試験との試
験結果を表5〜表8(表5,表6,配合E、表7,表
8,配合Fにて試験実施)に示す。尚、プルアウト試験
と弾性波速度との関係については、プルアウト3回の結
果と弾性波速度測定用の供試体を使用し、その測定値の
平均とでその相関を検討した。
【0038】
【表5】
【0039】
【表6】
【0040】
【表7】
【0041】
【表8】
【0042】これらの試験結果より弾性波速度とはり切
片圧縮強度試験、プルアウト試験の結果には共に高い相
関関係がみられる。このことから急結した吹付けコンク
リートの弾性波速度を測定することで強度の推定が可能
であると言える。
【0043】表9、表10は弾性波速度とはり切片圧縮
強度、プルアウト試験の関係が、配合の異なる吹付けコ
ンクリートにおいても相関関係にあることを示すもので
ある。2試験とも、試験材齢を1日程度(〜24時間程
度)とし、各種配合の各試験の平均値にて評価したもの
である。
【0044】
【表9】
【0045】
【表10】
【0046】これらの試験結果からも弾性波速度とはり
切片圧縮強度、プルアウト試験の結果には共に相関関係
がみられる。よって配合が異なる急結した吹付けコンク
リートにおいても、弾性波を測定することにより強度を
推定することが可能であるといえる。
【0047】また、はり切片圧縮強度測定用の型枠を用
いれば急結するコンクリートの吹付けでも容易に平滑な
平面を作ることができ、作製はプルアウト試験供試体を
製作するのにくらべ形状が安定し、品質のバラツキも少
ない。(表9、はり切片圧縮強度と弾性波速度の関係、
表10プルアウト強度と弾性波速度との関係)
【0048】具体例3.前記の試験結果を踏まえ、弾性
波速度とはり切片圧縮強度、プルアウト強度の結果を総
括して表11に示す。(表11、吹付けコンクリートの
配合別における弾性波速度と各強度平均値との相関関
係)
【0049】
【表11】
【0050】表11と回帰式が示すように各種配合にお
いても弾性波速度とはり切片圧縮強度、プルアウト強度
には相関関係があることが判明した。よって若材齢(1
日程度)における急結する吹付けコンクリートの強度管
理に弾性波速度の測定方法が適用でき、さらにはり切片
圧縮試験用供試体を測定用供試体として使用することが
有効な供試体作製方法であることが分かった。
【0051】具体例4.プルアウト試験、ピン貫入試験
が適応できるコンクリートの性状は十分に硬化していな
い強度発現の低いものである。ここでは材齢(24時間
以上)が経過した吹付けコンクリートや、強度発現が高
い富配合の吹付けコンクリートについて弾性波速度を測
定した結果を示す。
【0052】表12は富配合の吹付けコンクリートにつ
いて、弾性波速度と圧縮強度の関係について材齢を追っ
て調べたものである。材齢6時間、24時間ははり切片
圧縮強度試験を、材齢28日はコアより採取した供試体
における一軸圧縮試験の結果である。
【0053】
【表12】
【0054】表12と回帰式が示すように、これらにつ
いても高い相関関係にあることがわかる。
【0055】以上の結果より、材齢が24時間以上経過
した配合や富配合で強度発現が早く高い強度となった吹
付けコンクリートで、プルアウト試験やピン貫入試験が
適応できない場合についても弾性波速度を測定すること
で、その強度を測定することが十分可能であることがわ
かる。
【0056】
【発明の効果】このように本発明の吹付けコンクリート
の初期硬化性状の評価方法によって、トンネル掘削工事
現場等の各工事現場で、地肌面等に吹付けられたコンク
リートの固化した硬化中の状態を評価することにより、
より正確に吹付けコンクリートの硬化状態を把握するこ
とができ、工事を安全に且つ能率良く進めていくことが
できる。
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】弾性波速度を使用した強度評価の測定方法と供
試体との関係を示す説明図である。
【図2】トンネル工事現場における吹付けコンクリート
の弾性波速度の測定状態の一部を示す説明図である。
【図3】掘削したトンネル内の地肌面に吹き付けた吹付
けコンクリートの弾性波速度を測定する説明図である。
【図4】図3の右側から見た説明図である。
【図5】図3の上側から見た説明図である。
【符号の説明】
1 供試体 2 発振器 3 受振器 4 弾性波速度測定器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 剛 大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番2号株 式会社奥村組内 (72)発明者 廣中 哲也 大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番2号株 式会社奥村組内 (72)発明者 竹中 光慶 大阪市阿倍野区松崎町2丁目2番2号株 式会社奥村組内 (56)参考文献 特開 昭62−225948(JP,A) 特開 平3−87655(JP,A) 特開 昭58−66849(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 29/00 - 29/28 E21D 11/10 G01N 33/38

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め、急結剤を添加したコンクリートを
    コンクリート吹付け体に吹付けて任意形状の供試体を作
    製し、吹付け終了以後の該供試体の任意の2点間の弾性
    波速度Aを連続的に或いは所望間隔毎に測定して、上記
    の供試体の弾性波速度Aの経時変化を得ておき、 次に、工事現場で吹付けた吹付けコンクリートの任意の
    2点間の弾性波速度Bを吹付け終了後適時測定し、上記
    の供試体の弾性波速度Aと現場での吹付けコンクリート
    の弾性波速度Bとを比較して、現場吹付けコンクリート
    の吹付け施工後の硬化状態を推定することを特徴とする
    吹付けコンクリートの初期硬化性状の評価方法。
  2. 【請求項2】 予め、急結剤を添加したコンクリートを
    コンクリート吹付け体に吹付けて任意形状の供試体を作
    製し、吹付け終了以後の該供試体の任意の2点間の弾性
    波速度Aと強度とを連続的に或いは所望間隔毎に測定し
    て、時間経過と共に変化する上記の供試体の弾性波速度
    Aと強度との関係を導いておき、 次に、工事現場で吹付けた吹付けコンクリートの任意の
    2点間の弾性波速度Bを吹付け終了後適時測定し、上記
    の供試体の弾性波速度Aと強度との関係から上記の弾性
    波速度Bに対応する現場での吹付けコンクリートの強度
    を推定して、吹付け後の現場の吹付けコンクリートの硬
    化状態を判断することを特徴とする吹付けコンクリート
    の初期硬化性状の評価方法。
  3. 【請求項3】 測定する供試体の強度が、プルアウト試
    験による吹付けコンクリートの引き抜き強度であること
    を特徴とする請求項2記載の吹付けコンクリートの初期
    硬化性状の評価方法。
  4. 【請求項4】 吹付けコンクリートに遅延剤を添加した
    請求項1乃至3のいずれか一に記載の吹付けコンクリー
    トの初期硬化性状の評価方法。
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