JP3438020B2 - 量子閉じ込め構造を有する素子 - Google Patents

量子閉じ込め構造を有する素子

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spin
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英男 大野
裕三 大野
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東北大学長
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    • G11CSTATIC STORES
    • G11C11/00Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor
    • G11C11/02Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements
    • G11C11/16Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements using elements in which the storage effect is based on magnetic spin effect
    • G11C11/161Digital stores characterised by the use of particular electric or magnetic storage elements; Storage elements therefor using magnetic elements using elements in which the storage effect is based on magnetic spin effect details concerning the memory cell structure, e.g. the layers of the ferromagnetic memory cell

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、スピンメモリ素
子、スピン干渉素子、半導体偏光素子に適用できるスピ
ン保持機能を有する量子閉じ込め構造を有する素子に関
するものである。 【0002】 【従来の技術】従来型の半導体デバイスでは、情報の担
体として光又は電荷(電子又はホール)が用いられ、大
容量の記憶媒体としては磁性体が広く用いられ、データ
の読出し及び書込みを行う際には、主として金属磁性体
をベースとした電気・磁気変換デバイスが用いられてい
る。 【0003】近年、これらデバイスの集積化して、半導
体中のキャリアのスピンを積極的に活用する研究が広く
行われている。例えば、量子コンピューティングのよう
に量子力学的効果を活用するシステムにおいては、電子
のスピン状態を制御して演算を行ったり、記憶する機能
を有する電子デバイスが必要である。 【0004】半導体中でスピンを用いる場合、散逸を防
止するために電子を量子力学的に閉じ込める構造(量子
閉じ込め構造)が必要である。また、計算、読出し、書
込み等を遂行するまでの一定時間はキャリアのスピンの
方向(状態)を保持する必要がある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般的
に用いられる面方位が(100)の半導体材料基板(一
般的にはGaAs基板)上に量子閉じ込め構造を形成し
た場合、主にD’yakonov−Perel’(D
P)効果によるスピン緩和のためにスピン寿命(緩和時
間)が数〜数100ピコ秒と短いため、スピンを記憶し
保持する機能を実現するのが困難となる。 【0006】本発明の目的は、半導体量子井戸中の電子
のスピン方向の保持時間を長くしてスピンを記憶し保持
する機能を有する量子閉じ込め構造を有する素子を実現
することである。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明による量子閉じ込
め構造を有する素子は、スピン方向を保持する面方位の
半導体基板上に量子閉じ込め構造を形成してDP効果を
抑制し、光によって価電子帯の電子を誘起し又は強磁性
体電極から供給することによって得られるスピン偏極し
た電子の保持時間を、数ナノ秒とし、前記スピン方向を
保持する面方位を(110)面方位とし、前記量子閉じ
込め構造を、第1半導体材料層と、この半導体材料層と
前記半導体基板との間に介在する少なくとも1組の第2
半導体材料層及びその上に堆積した第3半導体材料層と
によって構成した1次元とし、前記半導体基板及び第2
半導体材料層を、GaAsによって構成し、前記第1及
び第3半導体材料層を、AlGa1−xAs(0<x
<1)によって構成したことを特徴とするものである。 【0008】スピン方向を保持する面方位の半導体基板
上に、量子閉じ込め構造を形成すると、DP効果が抑制
され、電子のスピン方向の保持時間が数ナノ秒まで長く
なる。これは電子の(再結合)消失時間とほぼ同程度で
あり、その結果、本発明による量子閉じ込め構造を有す
る素子はスピンを記憶し保持する機能を有するようにな
る。 【0009】前記量子閉じ込め構造は1次元、2次元、
3次元のうちのいずれでもよく、前記スピン方向を保持
する面方位を、例えば(110)面方位とする。前記量
子閉じ込め構造を、例えば、第1半導体材料層と、この
半導体材料層と前記半導体基板との間に介在する少なく
とも1組の第2半導体材料層(第2半導体材料層を、例
えばGaAsによって構成する。)及びその上に堆積し
た第3半導体材料層とによって構成する。なお、半導体
基板を、例えばGaAsによって構成し、第1及び第3
半導体材料層を、例えばAlx Ga1-x As(0<x<
1)によって構成し、第2半導体材料層を、例えばGa
Asによって構成する。 【0010】 【発明の実施の形態】本発明による量子閉じ込め構造を
有する素子の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明
する。図1は、本発明による量子閉じ込め構造を有する
素子の実施の形態を示す図である。この量子閉じ込め構
造を有する素子は、スピン方向を保持する面方位として
の(110)面方位の半導体基板1上に、1次元の量子
閉じ込め構造(量子井戸構造)2を形成する。この量子
閉じ込め構造2を、第1半導体材料層3と、この半導体
材料層3と半導体基板1との間に介在する3組の第2半
導体材料層4a〜4d及びその上に堆積した第3半導体
材料層5a〜5dとによって構成する。 【0011】本実施の形態では、半導体基板1及び第2
半導体材料層4a〜4dをGaAsによって構成し、第
1及び第3半導体材料層3,5a〜5dをAlx Ga
1-x As(0<x<1)によって構成する。また、第2
半導体材料層4a〜4dの厚さを全て同一にし、第3半
導体材料層5a〜5dを全て同一にする。 【0012】電子及びホールは、ポテンシャル変化によ
って第1及び第3半導体材料層3,5a〜5d内に閉じ
込めらる。スピン偏極した電子は、光によって価電子帯
の電子を誘起し又は強磁性体電極から供給することによ
って得られる。電子がいずれの方向にスピン偏極してい
るかは、例えば、検出光を試料に照射し、その反射光、
透過光又は試料からの蛍光の偏光を調査することによっ
て判定する。 【0013】図2は、(110)GaAs/AlGaA
s量子閉じ込め構造のスピン緩和過程の実験結果を示す
グラフであり、図3は、(100)GaAs/AlGa
As量子閉じ込め構造のスピン緩和過程の実験結果を示
すグラフである。これらのグラフの縦軸の(σ+
σ+ )−(σ+ ,σ- )は電子の(スピン)偏光に対応
し、縦軸の単位を任意の単位とする。横軸には遅延をピ
コ秒単位でとる。また、測定は室温で行われた。 【0014】基板の面方位が(110)の場合、すなわ
ち、図1に示した量子閉じ込め構造を有する素子の場
合、図2から明らかなように偏光が数ナノ秒保持されて
いることがわかる。したがって、本発明による量子閉じ
込め構造を有する素子では、DP効果が十分に抑制され
て、スピンを記憶し保持する機能を有するようになる。
それに対して、基板の面方位が(100)の場合、すな
わち、従来の量子閉じ込め構造を有する素子の場合、図
3から明らかなように数10ピコ秒で偏光が緩和するた
め、DP効果が抑制されず、スピンを記憶し保持する機
能を実現するのが困難になる。 【0015】本発明は、上記実施の形態に限定されるも
のではなく、幾多の変更及び変形が可能である。例え
ば、スピン方向を保持する面方位として(110)面方
位以外の他の面方位とすることができる。また、量子閉
じ込め構造を他の任意の量子閉じ込め構造とすることが
でき、具体的には、量子閉じ込め構造を、1次元の量子
井戸構造だけでなく、2次元又は3次元のものとするこ
ともできる。また、半導体基板、第1〜3半導体層を他
の任意の半導体材料で構成することかでき、好適には、
禁制帯幅がある程度広く、伝導帯の電子状態への価電子
帯等との相互作用の影響が小さく、かつ、核スピンが少
ない半導体材料を選択する。さらに、半導体基板と第1
半導体層との間に介在する第2及び第3半導体層の組の
数を任意に選択することができ、第2半導体層の各々の
厚さ及び第3半導体層の各々の厚さを互いに相違させる
こともできる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明による量子閉じ込め構造を有する素子
の実施の形態を示す図である。 【図2】 (110)GaAs/AlGaAs量子閉じ
込め構造のスピン緩和過程の実験結果を示すグラフであ
る。 【図3】 (100)GaAs/AlGaAs量子閉じ
込め構造のスピン緩和過程の実験結果を示すグラフであ
る。 【符号の説明】 1 半導体基板 2 量子閉じ込め構造 3 第1半導体材料層 4a,4b,4c,4d 第2半導体材料層 5a,5b,5c,5d 第3半導体材料層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−163927(JP,A) Science 277,(1997−8− 29),pp.1284−1287 Appl.Phys.Lett.56 [22],(1990−5−28),pp.2213 −2215 Appl.Phys.Lett.66 [7],(1995−2−13),pp.839 −841 Appl.Phys.Lett.56 [7],(1990−2−12),pp.665 −667

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 スピン方向を保持する面方位の半導体基
    板上に量子閉じ込め構造を形成してDP効果を抑制し、
    光によって価電子帯の電子を誘起し又は強磁性体電極か
    ら供給することによって得られるスピン偏極した電子の
    保持時間を、数ナノ秒とし、 前記スピン方向を保持する面方位を(110)面方位と
    し、 前記量子閉じ込め構造を、第1半導体材料層と、この半
    導体材料層と前記半導体基板との間に介在する少なくと
    も1組の第2半導体材料層及びその上に堆積した第3半
    導体材料層とによって構成した1次元とし、 前記半導体基板及び第2半導体材料層を、GaAsによ
    って構成し、前記第1及び第3半導体材料層を、Al
    Ga1−xAs(0<x<1)によって構成したことを
    特徴とする量子閉じ込め構造を有する素子。
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Appl.Phys.Lett.56[22],(1990−5−28),pp.2213−2215
Appl.Phys.Lett.56[7],(1990−2−12),pp.665−667
Appl.Phys.Lett.66[7],(1995−2−13),pp.839−841
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