JP3435674B2 - 信号の符号化方法と復号方法及びそれを使った符号器及び復号器 - Google Patents

信号の符号化方法と復号方法及びそれを使った符号器及び復号器

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JP3435674B2 JP10861495A JP10861495A JP3435674B2 JP 3435674 B2 JP3435674 B2 JP 3435674B2 JP 10861495 A JP10861495 A JP 10861495A JP 10861495 A JP10861495 A JP 10861495A JP 3435674 B2 JP3435674 B2 JP 3435674B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は複数の系統の信号を一
括して符号化する方法とその符号を復号する方法、及び
それらの方法を使った符号化器と復号化器に関する。
【0002】
【従来の技術】複数系統(複数チャンネル)の信号とし
ては、左右チャンネルオーディオ信号、マルチチャンネ
ル信号、音響信号と映像信号の組み合わせ、単一系統の
信号を一定周期毎に複数の系列に分配して得た複数系列
信号、あるいは単一系統の信号を複数の周波数帯域で分
割して得られる複数信号系列などで、複数の信号系列間
にパワーの偏りが生じるような信号系列であればどのよ
うな信号にも適用できる。
【0003】例えば音声や楽音などの音響信号を高能率
に符号化する代表的な方法の1つとして、音響信号をフ
レーム毎に時間−周波数変換を行って得た周波数領域係
数(周波数特性のそれぞれの周波数点におけるサンプル
値)を、その周波数特性の包絡形状(スペクトラム概
形)で正規化し、得られた残差係数をベクトル量子化す
る変換符号化法が知られている。もう1つの代表的な方
法として、音声信号を時間領域で線形予測分析し、得ら
れた予測係数をフィルタ係数として励振信号から合成フ
ィルタにより音声を合成し、合成音声の歪が最小となる
ように励振信号を周期成分ベクトルと雑音成分ベクトル
で符号化する符号駆動線形予測符号化(Code-Excited L
inear Prediction Coding:CELP)法が知られてい
る。
【0004】図1A及び1Bに従来の変換符号化法を使
った符号器10及び復号器50をそれぞれ示す。符号器
10においては入力端子11からのディジタル系列とさ
れた楽音又は音声などの音響信号AT がMDCT(Modi
fied Discrete Cosine Transform:変形離散コサイン変
換)部23に入力されてフレーム単位、例えば音楽の場
合16〜64ミリ秒程度、音声の場合10〜20ミリ秒
程度ごとに変形離散コサイン変換されて周波数領域係数
F とされる。また入力端子11からの音響信号AT
スペクトラム概形計算部24において、入力音響信号の
スペクトラムの概形(包絡)が計算され、その概形が量
子化部25で量子化され、概形インデックスIEとして出
力されると共に、この量子化された概形Eq で、MDC
T部23からの周波数領域係数AF が正規化部26にお
いて割算されて、変動の少ない残差係数Xとされる。そ
の残差係数Xはスカラー量子化部27で、スカラー量子
化されるが、入力音響信号の周波数特性に適応するよう
に周波数帯域ごとのビット割当てを行う。そのビット割
当てはビット割当計算部28で行い、その割当て情報B
を示す割当てインデックスIBが符号化部29から出力さ
れ、またそのビット割当てに従って残差係数Xはスカラ
ー量子化され、その量子化残差係数Xq が出力される。
【0005】復号器50では図1Bに示すように入力さ
れたインデックスIE及びIBがそれぞれ再生部62,63
で再生されてスペクトル外概形Eq 及びビット割当て情
報Bがそれぞれ得られる。再生部64ではビット割当て
情報Bに従って量子化残差係数Xq を残差係数X' に再
生する。この残差係数X' に対し再生された概形Eq
逆正規化部65で乗算されて逆正規化され、周波数領域
信号が復元される。この周波数領域係数AF'は逆MDC
T部66で逆変形離散コサイン変換されて時間領域の音
響信号AT'に戻されて出力端子51に出力される。図2
Aは例えば米国特許No.5,195,137に示されているCEL
Pを使った音声信号符号器とほぼ同等の構成を示す。入
力端子11に与えられた音声信号は一定長のフレーム毎
に線形予測分析部12で線形予測分析され、線形予測係
数αが求められ、LPC合成フィルタ13にフィルタ係
数として与えられる。適応符号帳14では、合成フィル
タ13に与えられた前フレームの確定された励振ベクト
ルEが保持されており、その励振ベクトルから長さSの
セグメントを1つ切り出して、それをフレーム長Tにな
るまで繰り返し接続して音声周期成分と対応する適応符
号ベクトル(周期成分ベクトルまたはピッチ成分ベクト
ルとも呼ぶ)を生成し出力する。切り出し長Sを変えて
異なる周期成分と対応する適応符号ベクトルを出力する
ことができる。雑音符号帳16には1フレーム長の複数
の雑音符号ベクトルが記録してあり、インデックスCが
指定されると対応する雑音符号ベクトルが読み出され
る。適応符号帳14及び雑音符号帳16からの適応符号
ベクトルと雑音符号ベクトルはそれぞれ乗算器15、1
7で歪み計算/探索部21からの重み係数(利得)g
0 ,g1 が乗算され、これら乗算結果は加算器18で加
算され、励振ベクトルEとして合成フィルタ13に与え
られ音声信号を合成する。
【0006】まず、g1=0とし、選択した切り出し長S
のセグメントから生成した適応符号ベクトルで励振した
時の合成フィルタ13の出力合成音声信号(ベクトル)
と入力音声信号(ベクトル)との差が減算器19で求め
られる。その誤差ベクトルは必要に応じて聴感重み付け
部20で聴感重みが付けられてから歪み計算部21で要
素の自乗和(符号間距離)を合成音声の歪として計算
し、保持する。歪計算/符号帳探索部21は、切り出し
長Sを変化させて上記処理を繰り返し、歪が最小となる
切り出し長Sを決定する。これによって生成される励振
ベクトルEを合成フィルタ13に入力して合成される合
成音を入力信号ATから減算器19で除去して雑音成分を
得る。次にこの雑音成分を、雑音符号帳16からの雑音
符号ベクトルを励振ベクトルEとしたときの合成雑音の
目標値とし、歪が最小となる雑音符号ベクトルを符号帳
16から選択し、対応するインデックスCを得る。この
決定された雑音符号ベクトルから歪が最小となるg1を計
算する。決定された重みg0,g1は符号化部22で重み符
号G=(g0,g1)として符号化される。この様にして入
力音声の1フレーム毎に決定した線形予測係数α、切り
出し長S、雑音符号ベクトルインデックスC及び重み符
号Gが図2Aの符号器により入力音声に対応する符号と
して出力される。
【0007】復号器は図2Bに示すように、与えられた
線形予測係数αを線形予測合成フィルタ52にフィルタ
係数として設定する。与えられた切り出し長S及びイン
デックスCに従ってそれぞれ適応符号帳54及び雑音符
号帳56から図2Aと同様にそれぞれ適応符号ベクトル
及び雑音符号ベクトルを出力し、乗算器55、57で重
み復号部53からの重みg0,g1と乗算される。これらの
乗算結果は加算器58で互いに加算されて励振ベクトル
として線形予測合成フィルタ52に与えられ、その結
果、合成音声が端子51に出力される。
【0008】図2Aでは適応符号帳により直前のフレー
ムの励振ベクトルから切り出したセグメントを繰り返し
てピッチ成分ベクトルを生成し、合成フィルタ13に与
える例を示したが、CELPは例えば"CODE-EXCITED LI
NEAR PREDICTION(CELP):HIGH-FREQUENCY SPEECH AT VER
Y LOW BIT RATES", M.R.Schroeder, B.S.Atal, IEEEICA
SSP '85, pp.937-940に示されているように、予め多数
の波形ベクトルを励振ベクトルとして固定的に有する符
号帳を使って合成音の歪が最小となるように励振信号を
ベクトル量子化しており、図2Aのような適応的に変化
する応符号帳を使用しないでもよい。その他のCELP
として、例えば"HIGH-QUALITY 16KB/S SPEECH CODING W
ITH A ONE-WAY DELAY LESS THAN 2MS", Juin-Hwey Che
n, IEEE ICASSP '90, p.453に示されているように、図
2Aにおいて入力音声信号ATをLPC分析して予測
を求める代わりに過去に合成された合成音声をLPC分
析して予測係数を求めてもよい。この方法では予測係数
を符号化して復号側に与える必要はない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば左右
2チャンネルのオーディオ信号を符号化する場合、左右
チャンネルの信号を固定的にそれぞれ5ビットの情報に
符号化すれば、それぞれの信号レベルに対する量子化誤
差は1/25である。これに対し、左右チャンネルの信号パ
ワーが非常に偏っている場合、左右チャンネルのレベル
に対する分解能を同じとし、パワーの大きいチャンネル
の信号に例えば8ビットを、パワーの小さいチャンネル
の信号に2ビットをそれぞれ割り当てれば、同じ情報量
で符号化しても量子化誤差(歪)を1/28と小さくするこ
とができる。
【0010】しかしながら、図2Aの構成を2組設け
て、例えば左右チャンネルのステレオ信号を予め決めら
れた一定情報量で符号化する場合、単に両チャンネル独
立に半分づつの情報量で符号化するだけでは、両チャン
ネル間でパワーの大きな偏りが生じるような信号に対
し、その性質を有効に使って歪を小さくすることはでき
ない。
【0011】パワーの偏りに合わせた最適な符号化を構
成する方法としては、雑音符号帳のインデックスに対し
て両チャンネル間で適応ビット割当を行う方法が知られ
ている。両チャンネルの利得に合わせてビット数を分配
する割当の種類は数多く必要であり、その数に対応した
大きさの符号帳が必要になる。しかし、符号帳の大きさ
や処理量は2のビット数乗に比例して増大するので、多
くのビットを割り当てることは非現実的になる。また利
得の情報に符号誤りが生じるとインデックスの境界が混
乱してすべての再生ベクトルに大きな誤りが生じること
になる。
【0012】図1Aの構成を2組設けて左右2チャンネ
ルのステレオ信号を符号化する場合にも、両チャンネル
間に大きなパワーの偏りが生じるような信号に対し、同
じ情報量による符号化で量子化歪を改善するには左右チ
ャンネルにパワーの偏りに応じたビット数を左右チャン
ネルの量子化部25及びビット割当計算部28に割当を
行えばよいが、このスカラー量子化法では、スペクトラ
ム概形と相関の高いビット割当て符号(インデックス
IB)を出力する必要があるため、周波数帯域を細かく分
けて詳細なビット割当てを行うと、符号器の能率が低下
する。一方、周波数帯域を粗く分けた場合は、入力信号
の周波数特性の偏りに十分対応できないため、量子化歪
みが増大して、入力信号の冗長度利用の能率が低下す
る。またビット割当てインデックスIBに符号誤りが生じ
ると、量子化残差係数Xq に対するビット列の区切り方
が混乱し、復号側において再生残差係数X' の全体に大
きな歪が発生してしまう。またCELPの場合と同様に
ビット割当符号の再生において誤りが生じた場合、再生
音声に大きな歪を与えることになる。
【0013】上述では2チャンネルの音響信号に付いて
説明したが、音声信号と映像信号を多重化して伝送する
場合でも通常はそれぞれ一定の情報量で符号化して伝送
する。この様な音声と映像で情報の偏りがある場合にも
その性質を有効に使うことが望ましい。例えば音声は無
音区間が頻繁にあり、このときはほとんど情報を伝送す
る必要がない。逆に映像でも、情報圧縮のためフレーム
間予測を行う場合、映像に動きがない場合には伝送すべ
き情報量が非常に少なくなる。音声と映像を併せた情報
量が一定になる用途では、両情報間での適応ビット配分
することで総合的な歪の削減が可能である。しかし、上
述のステレオ信号の場合と同様に、ベクトル量子化の処
理や符号誤り耐性の点で深刻な問題がある。
【0014】この発明の目的は、複数系統の信号を多重
化して少ない情報量で符号化するとき、系統間のビット
割当を行わなくても情報量一定のもとに総合的な歪を削
減することができる符号化方法とその復号方法、及びそ
れを使った符号器と復号器を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】第1の発明による符号化
方法は、以下のステップを含む: (a) 各上記系統において予め決めた長さの区間毎にその
区間の信号のパワーを求め、そのパワーに基づいて重み
を決定し、 (b) 各上記系統において上記区間毎にその区間の信号を
上記パワーで正規化して正規化信号を生成すると共に、
その正規化利得を表す利得インデックスを出力し、 (c) 上記複数の系統のそれぞれの上記正規化信号を予め
決めた配列で組み合わせ、少なくとも1系列の信号ベク
トルとして生成し、 (d) 上記複数の系統のそれぞれの上記重みを上記正規化
信号と同じ配列で組み合わせ、少なくとも1系列の重み
ベクトルとして生成し、 (e) 上記信号ベクトルを上記重みベクトルで重み付きベ
クトル量子化し、その量子化ベクトルを表す量子化イン
デックスを出力し、 (f) 上記量子化インデックスと、上記利得インデックス
とを上記複数系統の信号に対する符号化結果の少なくと
も一部として出力する。
【0016】上記第1の発明の符号化方法における第1
の観点によれば、上記ステップ(a)は例えば、(a-1) 上
記区間の信号を時間−周波数変換して周波数領域係数を
求め、(a-2) 上記周波数領域係数の概形を求め、(a-3)
上記周波数領域係数をその概形で正規化して残差係数を
求め、上記残差係数のパワーに基づいて上記重みを決定
するステップを含み、上記ステップ(b)は上記区間の上
記残差係数を上記パワーで正規化して正規化残差係数を
上記正規化信号として求めるステップである。
【0017】上記ステップ(a-1) の上記時間−周波数変
換は、例えば変形離散コサイン変換である。上記ステッ
プ(a-2) は、例えば上記区間の信号を線形予測分析して
予測係数を求め、上記予測係数を量子化し、その量子化
された予測係数をフーリエ変換して上記概形を求めるそ
れぞれのステップを含み、上記ステップ(f) は上記予測
係数の量子化を表すインデックスを上記概形に対応する
情報として上記信号に対する符号化結果の他の一部とし
て出力する。
【0018】上記第1の発明の符号化方法における第2
の観点によれば、複数種類の配列のマッピングが予めメ
モリ手段に格納されており、上記ステップ(c) は上記複
数のマッピングのそれぞれを使った場合について上記ス
テップ(e) におけるベクトル量子化を行ってそのベクト
ル量子化の際に求められる量子化歪が最小となるマッピ
ングを選択し、上記ステップ(f) は上記量子化歪が最小
となる量子化インデックスと、選択したマッピングを表
す符号を上記符号化結果の他の一部として出力する。
【0019】上記第1発明の符号化方法における第3の
観点によれば、上記複数系統の予め決めた1つの系統の
信号は映像信号である。上記第1発明の符号化方法にお
ける第4の観点によれば、更に次のステップを含む: (g) 単一系統の入力信号を一定周期のフレーム毎に分割
し、その各フレームが定常的であるか又は過渡的である
かを判定し、 (h) 過渡的フレームと判定されると、そのフレームの入
力信号を上記一定長の区間毎に分割して上記複数系統の
信号として分配し、上記ステップ(a) 〜(f) を実行し、 (i) 上記フレームが定常的であれば、上記フレームの上
記入力信号のパワーを求め、そのパワーに基づいて重み
を決定し、 (j) そのフレームの上記単一系統の上記入力信号を上記
パワーで正規化して正規化信号を得て、その正規化利得
を表す利得インデックスを出力し、 (k) 上記入力信号の上記正規化信号を並べ替えして少な
くとも1系列の信号ベクトルを生成し、 (l) 上記入力信号の上記重みを上記入力信号の正規化信
号と同じように並べ替えして少なくとも1系列の重みベ
クトルを生成し、 (m) 上記ステップ(k) で生成した上記信号ベクトルと同
じ長さの異なる複数の量子化ベクトルをそれぞれの量子
化インデックスに対応して有する符号帳を探索し、上記
ステップ(j) の上記正規化信号に対し、上記ステップ
(l) の上記重みベクトルによる重み付け距離が最小とな
る量子化ベクトルを選択し、その対応する量子化インデ
ックスを決定し、 (n) 上記ステップ(i) での上記パワーによる正規化利得
を表す利得インデックスと上記ステップ(m) で決定した
上記量子化インデックスを定常的フレームでの上記入力
信号に対する符号化結果の少なくとも一部として出力す
る。
【0020】上記第1の発明の符号化方法の上記第4の
観点における上記ステップ(i) は、例えば(i-1) 定常的
と判定された上記フレームにおける上記入力信号を時間
−周波数変換して周波数領域係数を求め、(i-2) 上記フ
レームにおける上記入力信号のスペクトラム概形を求
め、(i-3) 上記周波数領域係数を上記スペクトラム概形
で正規化し、その結果得られる残差係数を求め、(i-4)
上記残差係数の概形を過去のフレームの残差係数から予
測し、(i-5) 上記残差係数をその予測した概形で正規化
して微細構造係数を生成する、ステップを含み、上記ス
テップ(j) は上記微細構造係数の平均パワーを求め、上
記微細構造係数を上記平均パワーで正規化して得られる
正規化微細構造係数を上記正規化信号として出力するス
テップを含み、上記ステップ(f) は上記平均パワーを表
す利得インデックスと上記スペクトラム概形を表す概形
インデックスを上記符号化結果の他の一部として出力す
る。
【0021】第2発明による符号化方法によれば、入力
音響信号のフレーム毎に符号帳から選択したフレーム長
の励振ベクトルに利得を乗じて線形予測合成フィルタに
与え、それによって合成された音響信号と上記入力音響
信号との間の距離尺度が最小となる上記符号帳の励振ベ
クトルとそれに対する利得を決定するCELPによる符
号化方法において、上記符号帳はそれぞれのインデック
スに対応して上記フレーム長の系統数倍の統合雑音ベク
トルが予め書き込まれた統合雑音符号帳であり、複数の
音響信号が入力される複数の系列にそれぞれ対応して複
数の線形予測合成フィルタが設けれ、上記方法は以下の
ステップを含む: (a) 上記複数の系統においてフレーム毎に線形予測分析
により予測係数を求め、対応するそれぞれの線形予測合
成フィルタにフィルタ係数として与え、(b) 上記統合符
号帳から読み出した各統合ベクトルのそれぞれ予め決め
られた部分の部分ベクトルをそれぞれ対応する系統の上
記線形予測合成フィルタ励振成分ベクトルとして与え、
上記複数の系統の距離尺度の和が最小となるよう統合ベ
クトルを選択し、(c) 選択された上記統合ベクトルのそ
れぞれの系統に対応する励振成分ベクトルに対する利得
を計算し、(d) 上記選択された統合ベクトルを表すイン
デックスと、上記統合ベクトルの上記複数の系統にそれ
ぞれ対応する励振成分ベクトルに対する上記利得を表す
符号とを上記複数系統の入力音響信号に対する符号化結
果の少なくとも一部として出力する。
【0022】第3発明の復号化方法は、複数系統の信号
を1つの統合符号帳を使って一括ベクトル量子化して符
号化した信号の復号方法であり、(a) 一定長の区間毎に
入力された少なくとも1つのベクトル量子化インデック
スに対応する少なくとも1つの統合ベクトルを統合符号
帳から読み出し、(b) 上記ステップ(a) で得られた統合
ベクトルの要素を予め決めた配列に並べ替えて複数系統
の正規化信号を生成し、(c) 一定長の区間毎に入力され
た利得インデックスから正規化利得を再生し、上記正規
化利得により上記複数系統の対応する正規化信号を逆正
規化して上記複数系統の再生信号として出力する。
【0023】上記第3発明の復号化方法における第1の
観点によれば、上記ステップ(c) は例えば以下のステッ
プを含む: (d) 上記複数の系統に対し上記区間毎にそれぞれ入力さ
れた概形インデックスからスペクトラム概形を再生し、
逆正規化された上記正規化信号に乗算して周波数領域係
数を得て、(e) 上記ステップ(d) で得られた各系統の上
記周波数領域係数を上記区間毎に周波数−時間変換して
時間領域信号に変換し、上記複数系統の上記再生信号と
して出力する。
【0024】上記第3発明の復号化方法における第2の
観点によれば、上記ステップ(b) は例えば上記区間毎に
入力された配列マッピングを表すインデックスにより、
予め決められた複数の並べ替えマッピングの1つを選択
し、その選択された並べ替えマッピングに従って上記並
べ替えを行う。上記第3発明の復号化方法における第3
の観点によれば、入力された状態符号を復号して定常的
フレームであるか過渡的フレームであるかを判別し、過
渡的フレームであれば、そのフレームに対し上記ステッ
プ(a) 〜(c) を実行し、各区間で上記複数系統に得られ
た再生信号を時間的に順次ずらして合成して上記区間の
整数倍の長さのフレームの信号とし、定常的フレームで
あれば、そのフレームに対し以下のステップを実行す
る: (d) 上記フレームに対し入力された少なくとも1つのベ
クトル量子化インデックスに対応する少なくとも1つの
統合ベクトルを統合符号帳から読み出し、(e) 上記ステ
ップ(d) で得られた統合ベクトルの要素を予め決めた配
列に並べ替えて単一系統の正規化信号を生成し、(f) 上
記フレームに対し入力された利得インデックスから正規
化利得を再生し、上記正規化利得により上記単一系統の
正規化信号を逆正規化して再生信号として出力する。
【0025】上記第3発明の復号化方法における第4の
観点によれば、上記複数の系統のうちの予め決めた1つ
において上記ステップ(c) は、例えば逆正規化された上
記正規化信号を差分信号として得て、現区間の上記差分
信号に前区間の再生信号を加算して現区間の再生信号を
得るステップを含む。第4の発明による復号方法は、C
ELPにより符号化された複数系統の音響信号の復号方
法であり、以下のステップを含む: (a) 入力されたインデックスにより統合符号帳を参照し
て対応する統合ベクトルを読み出し、その統合ベクトル
の上記複数の系統にそれぞれ対応する部分の部分ベクト
ルを切り出してそれぞれ対応する系統に与え、(b) 入力
された利得符号から上記複数の系統に対応する利得をそ
れぞれ再生し、それぞれ対応する上記部分ベクトルに乗
算して励振ベクトルを生成し、(c) 各上記系統におい
て、予測係数がフィルタ係数として与えられた合成フィ
ルタに上記励振ベクトルを与えて音響信号を合成し、再
生音響信号として出力する。
【0026】第5の発明による符号器は、複数の系統の
信号を一括して符号化する符号器であり、各上記系統に
対し設けられ、予め決めた長さの区間毎にその区間の信
号のパワーを求め、そのパワーに基づいて重みを決定
し、その区間の信号を上記パワーで正規化して正規化信
号を生成すると共に、その正規化利得を表す利得インデ
ックスを出力するパワー正規化手段と、上記複数の系統
のそれぞれの上記パワー正規化手段からの上記正規化信
号を予め決めた配列で組み合わせ、少なくとも1系列の
信号ベクトルとして生成する信号配列組み合わせ手段
と、上記複数の系統のそれぞれの上記パワー正規化手段
からの上記重みを上記正規化信号と同じ配列で組み合わ
せ、少なくとも1系列の重みベクトルとして生成する重
み配列組み合わせ手段と、上記信号ベクトルを上記重み
ベクトルで重み付きベクトル量子化し、その量子化ベク
トルを表す量子化インデックスを出力するベクトル量子
化手段、とを含み、上記量子化インデックスと、上記利
得インデックスとは上記複数系統の信号に対する符号化
結果の少なくとも一部として出力される。
【0027】上記第5発明の符号器における第1の観点
によれば、更に各上記系統に対し上記区間の信号を時間
−周波数変換して周波数領域係数を求め、上記周波数領
域係数の概形を求め、上記周波数領域係数をその概形で
正規化して残差係数を求める残差概形計算手段と、上記
パワー正規化手段残差係数のパワーに基づいて上記重み
を決定する重み計算手段とを含み、上記パワー正規化手
段は上記区間の上記残差係数を上記パワーで正規化して
正規化残差係数を上記正規化信号として求める手段であ
る。
【0028】上記第5発明の符号器における第2の観点
によれば、複数の異なる配列マッピングが格納されたメ
モリ手段が設けられ、上記複数の異なる配列マッピング
に対応して上記信号配列組み合わせ手段、上記重み配列
組み合わせ手段及び上記ベクトル量子化手段の組が複数
設けられており、複数系統の上記パワー正規化手段から
の上記正規化信号に対する、上記複数の組によるベクト
ル量子化の際にそれぞれ求められる量子化歪が与えら
れ、それらの量子化歪を比較し、最小の量子化歪を与え
た組に対応する配列マッピングを表す符号を出力する比
較手段と、上記比較手段からの符号に応答して上記複数
の組からの対応する量子化インデックスを選択出力する
選択手段とが設けられ、上記量子化歪が最小となる量子
化インデックスと、選択した配列マッピングを表す符号
が上記符号化結果の他の一部として出力される。
【0029】上記第5発明の符号器における第3の観点
によれば、上記複数系統の予め決めた1つに対し、上記
信号を上記区間毎に予測処理を行って差分信号を生成す
る予測手段が設けられ、上記パワー正規化手段は上記差
分信号のパワーを求め、そのパワーに基づいて上記重み
を決定し、上記差分信号を上記パワーで正規化し、上記
正規化信号とする手段である。
【0030】上記第5発明の符号器における第4の観点
によれば、更に:単一系統の入力信号を一定周期のフレ
ーム毎にそのフレームが定常的であるか又は過渡的であ
るかを判定する状態判定手段と、過渡的フレームと判定
されると、そのフレームの入力信号を上記一定長の区間
毎に分割して上記複数系統の信号として分配するサブフ
レーム分割手段と、定常的と判定された上記フレームの
上記入力信号のパワーを求め、そのパワーに基づいて重
みを決定し、そのフレームの上記単一系統の上記入力信
号を上記パワーで正規化して定常フレーム正規化信号を
得て、その正規化利得を表す定常フレーム利得インデッ
クスを出力する定常フレームパワー正規化手段と、上記
定常的フレームの入力信号の上記定常フレーム正規化信
号を並べ替えして少なくとも1系列の定常フレーム信号
ベクトルを生成する定常フレーム信号配列組み合わせ手
段と、上記定常フレームの入力信号の上記重みを上記入
力信号の正規化信号と同じように並べ替えして少なくと
も1系列の定常フレーム重みベクトルを生成する定常フ
レーム重み配列組み合わせ手段と、上記定常フレーム信
号ベクトルと同じ長さの異なる複数の量子化ベクトルを
それぞれの量子化インデックスに対応して有する定常フ
レーム符号帳を有し、それを探索し、上記定常フレーム
正規化信号に対し、上記定常フレーム重みベクトルによ
る重み付け距離が最小となる量子化ベクトルを選択し、
その対応する定常フレーム量子化インデックスを決定す
る定常フレームベクトル量子化手段と、が設けられ、上
記定常フレーム利得インデックスと上記定常フレーム量
子化インデックスは定常的フレームでの上記入力信号に
対する符号化結果の少なくとも一部として出力される。
【0031】上記第5発明の符号器の上記第4観点によ
る符号器において、定常的と判定された上記フレームに
おける上記入力信号を時間−周波数変換して周波数領域
係数を求め、上記フレームにおける上記入力信号のスペ
クトラム概形を求め、上記周波数領域係数を上記スペク
トラム概形で正規化し、その結果得られる残差係数を求
める定常フレーム残差概形計算手段と、上記残差係数の
概形を過去のフレームの残差係数から予測する残差概形
予測手段と、上記残差係数をその予測した概形で正規化
して微細構造係数を生成する残差概形正規化手段と、上
記微細構造係数の平均パワーを求め、上記微細構造係数
を上記平均パワーで正規化して得られる正規化微細構造
係数を上記定常フレーム正規化信号として出力する定常
フレームパワー正規化手段と、を含み、上記微細構造係
数の平均パワーを表す定常フレーム利得インデックスと
上記定常フレームスペクトラム概形を表す概形インデッ
クスは上記符号化結果の他の一部として出力される。
【0032】第6の発明による符号器は、複数の系統の
入力音響信号を符号化する符号器であり、各上記系統毎
に設けられ、フレーム毎の線形予測分析により予測係数
を得る線形予測分析手段と、フレーム長を上記系統数倍
した長さの複数の統合ベクトルがそれぞれのインデック
スに対応して予め書き込まれてある統合符号帳手段と、
任意の1つの上記統合ベクトルが選択されるとその統合
ベクトルのそれぞれ予め決められた部分の部分ベクトル
がそれぞれ対応する系統に与えられ、上記複数の系統の
それぞれに設けられ、上記線形予測分析手段からの上記
予測係数がフィルタ係数として与えられ、励振成分クト
ルから音響信号を合成する合成フィルタ手段と、上記複
数の系統のそれぞれに設けられ、上記統合符号帳から読
み出された統合ベクトルのそれぞれの部分ベクトルをそ
れぞれの利得により重み付けして励振成分ベクトルとし
て上記合成フィルタ手段に与える重み付け手段と、上記
複数の系統のそれぞれに設けられ、上記合成フィルタ手
段からの合成音響信号と上記複数の系統の入力音響信号
との差分を求める減算手段と、上記複数の系統における
上記減算手段からの差分から上記合成音響信号と上記入
力音響信号間の距離尺度をそれぞれ求め、それぞれの系
統における上記距離尺度の総和を統合歪として求め、上
記統合歪が最小となる統合ベクトルを上記統合符号帳か
ら選択し、選択された上記統合ベクトルの部分ベクトル
に対する利得をそれぞれ決定する歪計算/符号帳探索手
段と、を含み、選択された上記統合ベクトルを表すイン
デックスと、上記部分ベクトルに対しそれぞれ決定され
た上記利得を表す符号とを上記複数系統の入力音響信号
に対するフレーム毎の符号化結果の少なくとも一部とし
て出力する。
【0033】第7の発明による復号器は、複数系統の信
号を1つの統合符号帳を使って一括ベクトル量子化して
符号化した信号の復号器であり、それぞれの量子化イン
デックスに対応して統合ベクトルが書き込まれてあり、
一定長の区間毎に入力された少なくとも1つの量子化イ
ンデックスに対応する少なくとも1つの統合ベクトルを
読み出すための統合符号帳と、上記統合符号帳から得ら
れた上記統合ベクトルの要素を予め決めた配列に並べ替
えて複数系統の正規化信号として出力する逆配列手段
と、一定長の区間毎に入力された利得インデックスから
正規化利得を再生し、上記正規化利得により上記複数系
統の対応する正規化信号を逆正規化して上記複数系統の
再生信号として出力する逆正規化手段と、を含む。
【0034】上記第7発明の復号器における第1の観点
によれば、更に:上記複数の系統にそれぞれ設けられ、
上記区間毎にそれぞれ入力された概形インデックスから
スペクトラム概形を再生し、逆正規化された上記正規化
信号に乗算して周波数領域係数を得る周波数領域係数再
生手段と、上記複数系統にそれぞれ設けられ、各系統の
上記周波数領域係数を上記区間毎に周波数−時間変換し
て時間領域信号に変換し、上記複数系統の上記再生信号
として出力する周波数−時間変換手段とを含む。
【0035】上記第7発明の復号器における第2の観点
によれば、複数の異なる配列マッピングが予め格納され
ているメモリ手段が設けられており、上記逆配列手段は
上記区間毎に入力された配列マッピングを表すインデッ
クスにより、上記メモリ手段中の複数の配列マッピング
の1つを選択し、その選択された配列マッピングに従っ
て上記配列を行う。
【0036】上記第7発明の復号器における第3の観点
によれば、更に入力された状態符号を復号して定常的フ
レームであるか過渡的フレームであるかを判別し、過渡
的フレームに対し上記複数系統の上記逆正規化手段によ
る再生を実行し、各区間で上記複数系統に得られた再生
信号を時間的に順次ずらして合成して上記区間の整数倍
の長さのフレームの信号とするフレーム合成手段が設け
られており、常的フレームに対し、定常フレーム用の統
合ベクトルが定常フレームインデックスに対応して書き
込まれている定常フレーム統合符号帳と、入力された少
なくとも1つの量子化インデックスに対応して上記統合
符号帳から読み出された少なくとも1つの統合ベクトル
の要素を予め決めた配列に並べ替えて単一系統の正規化
信号を生成する定常フレーム逆配列手段と、上記定常フ
レームに対し入力された利得インデックスから再生され
た正規化利得により上記単一系統の正規化信号を逆正規
化して再生信号として出力する定常フレーム逆正規化手
段とが設けられている。
【0037】上記第7発明の上記第3観点による復号器
において、上記複数系統のそれぞれに設けられ、入力さ
れた概形インデックスから再生されたスペクトラム概形
を、逆正規化された上記正規化信号に乗算して周波数領
域係数を得る乗算手段と、上記複数系統のそれぞれに設
けられ、上記周波数領域係数を周波数−時間変換して時
間領域信号を得て、上記再生信号として出力する周波数
−時間変換手段とを含む。
【0038】上記第7発明の上記第3観点による復号器
において、上記定常的フレームにおいて入力された概形
インデックスから再生されたスペクトラム概形を使っ
て、逆正規化された上記正規化信号から周波数領域係数
を得る残差係数再生手段と、上記周波数領域係数を周波
数−時間変換して時間領域信号に変換し、上記再生信号
として出力する周波数−時間変換手段を含む。
【0039】上記第7発明の復号器における第4観点に
よれば、上記複数の系統のうちの予め決めた1つにおい
て逆正規化された上記正規化信号は差分信号であり、現
区間の上記差分信号に前区間の再生信号を加算して現区
間の再生信号を得る予測手段をを含む。第8の発明によ
る復号器は、CELPにより符号化された複数系統の音
響信号の復号器であり、フレーム毎に入力された符号か
ら複数系統に対するそれぞれの利得を再生する利得再生
手段と、それぞれのインデックスに対応して、フレーム
長を上記複数倍した長さの統合ベクトルが書き込まれて
いる統合符号帳と、上記統合符号帳から読み出された統
合ベクトルの上記複数の系統にそれぞれ対応する部分の
部分ベクトルに上記利得を乗算して励振ベクトルを生成
する重み付け手段と、上記複数の系統のそれぞれに設け
られ、線形予測係数をフィルタ係数として有し、上記励
振ベクトルから音響信号を合成する合成フィルタ手段
と、を含む。
【0040】この発明によれば、複数系統の信号成分
を、それらのパワー成分と対応した重みと共に複数系統
間で互いに組み合わせて得た信号ベクトルとして、統合
された符号帳により重み付きベクトル量子化するので、
ビット割当てを適応的に行わなくても、複数系統の信号
間のパワーの偏りを利用して量子化歪を小さくできる。
しかも、1系統の信号を複数のサブチャンネルに分割し
てこの発明を適用すれば時間軸方向のパワーの偏りも有
効に量子化歪の低減に利用され、高能率な符号化を実現
できる。
【0041】
【実施例】図3Aはこの発明の原理を説明するための符
号器の機能ブロック図を示し、n個(nは2以上の整
数)の系統の信号(ディジタル信号であるものとする)
がそれぞれチャンネルCH1〜CHnに入力され、これらの信
号を符号化する場合である。それぞれの系統の信号はフ
レーム分割部41〜4nで一定長のフレーム毎に区切られ
てパワー正規化部31〜3nに与えられる。パワー正規化
部31〜3nはそれぞれフレーム内の信号の所望の成分の
平均パワーを求め、その平均パワーでそれぞれの信号を
正規化(割算)し、正規化信号XN1〜XNnを生成する。そ
れと共に、その正規化利得G1〜Gn(平均パワーに対応
している)と、その平均パワーに対応した重みV1〜Vn
出力する。
【0042】パワー正規化部31〜3nの処理は、時間領
域の処理であってもよいし、周波数領域の処理であって
もよい。平均パワーG1〜Gnはそれぞれのフレームに1つ
の値が決定される。一方、例えば入力信号として音響信
号を扱う場合には、聴感重みも考慮することが一般的で
あるので、重みV1〜Vnはそれぞれ複数の要素からなるベ
クトルを表しているものとする。あるいは後述のよう
に、パワー正規化部31〜3n において周波数領域での
処理を行う場合に、各信号のスペクトラム概形を重みに
寄与させることにより周波数領域のパワーの偏りも量子
化歪の低減に利用することができ、その場合も重みV1
Vnはそれぞれ複数の要素からなるベクトルとして扱う。
しかしながらこの発明では重みV1〜Vnが利得G1〜Gnにの
み依存した値であってもよい。その場合は、各ベクトル
V1〜Vn内の要素が互いに等しい値となっている。
【0043】パワー正規化部31〜3nからの正規化信号
はインタリーブ部5で予め決めた配列で互いに組み合わ
されて、予め決めた数m(mは1以上の整数)の信号ベ
クトルY1〜Ymとして出力される。この配列組み合わせ
は、各信号ベクトルY1〜Ymに2つ以上の異なる系統の入
力信号に対応した要素を含むように行われる。インタリ
ーブ部5はパワー正規化部31〜3nからの重みV1〜Vn
インタリーブ部5における正規化信号と同じに配列組み
合わせされて、m個の重みベクトルW1〜Wmとして出力さ
れる。従って重みベクトルW1〜Wmのそれぞれの要素と信
号ベクトルY1〜Ymのそれぞれの要素との対応関係は維持
されている。
【0044】ベクトル量子化部6は上述の実施例で説明
するように、内部に符号帳6CBを有し、符号帳6CBには
それぞれのインデックスに対応して各信号ベクトルと同
じ長さの量子化ベクトルが書き込まれている。従来一般
に行われているベクトル量子化では1つの系統の信号の
ベクトル量子化には、1つの符号帳が使われるのに対
し、この発明では1つの符号帳6CBの各量子化ベクトル
は複数の異なる系統の信号対応した要素を含む各信号
ベクトルY1〜Ymの量子化に使われるので、統合ベクトル
と呼び、多数の統合ベクトルからなる符号帳6CBを以下
では統合符号帳と呼ぶ。
【0045】ベクトル量子化部6は各信号ベクトルY1
Ymに対し、統合符号帳6CBを探索し、量子化ベクトルと
の対応する重みベクトルW1〜Wmにより重み付き距離尺度
が最小となる(即ち最も量子化歪が小さくなる)量子化
ベクトルをそれぞれ決定し、対応する量子化インデック
スJ1〜Jmを出力する。ベクトル量子化部6におけるこの
様なベクトル量子化によれば、信号ベクトルの量子化に
おいて、量子化歪の値に対しパワーの大きい系統に対応
する要素の寄与が大きくなるので、量子化歪が最小とな
る統合ベクトルを選択することにより、自動的にパワー
の大きい系統の信号に対し、量子化歪のより小さい符号
が行われることになる。
【0046】図3Aの符号器から利得を表す符号G1〜Gn
と量子化インデックスJ1〜Jmが系統CH1〜CHnの信号のフ
レーム毎の符号化結果として出力される。これらの符号
G1〜GnとインデックスJ1〜Jmは、図3Bに示す復号器に
与えられ、次のように復号が行われる。量子化インデッ
クス72はベクトル再生部72に与えられる。ベクトル
再生部72は図3Aの符号器のベクトル量子化部6に設
けられている符号帳6CBと同じ統合符号帳7CBを有し、
与えられた量子化インデックスJ1〜Jmに対応する統合ベ
クトルY1'〜Ym'を符号帳7CBから読みだし、逆配列部7
6に与える。逆配列部76は与えられたベクトルY1'〜Y
m'の全要素を図3Aにおける組み合わせ配列部5におけ
る配列と逆に配列することにより、n系列の正規化信号
X 1 〜X n を得る。これらの正規化信号X1〜Xnは逆正規化部
(乗算器)771〜77nに与えられ、それぞれ利得G1
Gnが乗算されて系統CH1〜CHnの信号が復号される。
【0047】図4Aは左右チャンネルの音響信号を図1
Aの場合と同様に周波数領域で符号化する場合であり、
左右チャンネルのパワーの偏りのみならず、時間軸方向
のパワーの偏り及び周波枢軸方向のパワーの偏りをも利
用して符号化による歪を削減させている。時間軸方向の
パワーの偏りは左右各チャンネルの入力音響信号の各フ
レームをn個(nは2以上の整数)のサブフレームに分
割し、それをn個のサブチャンネルに分配することによ
りn個の信号系列(サブ系列)を得て、それら間のパワ
ーの偏りとして利用する。周波数軸方向のパワーの偏り
としては、各サブチャンネルの音響信号を周波数領域の
残差係数のパワーの偏りを利用する。以下、図4Aの符
号器に付いて詳細に説明する。この符号器は左右チャン
ネルの端子11L、11Rに与えられたディジタル入力音
響信号の各フレームをn個のサブフレームに分割し、n
個のサブチャンネルに分配するサブフレーム分割部31
L、31Rと、各サブチャンネルの音響信号をサブフレー
ム毎に周波数領域の残差係数とスペクトラム概形を求め
る残差/概形計算部31L1〜31Ln、31R1〜31Rnと、各サブ
チャンネルの残差係数のパワーを正規化するパワー正規
化部33L1〜33Ln、33R1〜33Rnと、各サブチャンネルのス
ペクトラム概形にパワー正規化利得を乗算し、必要に応
じて更に聴感重み係数を乗算した結果を重み係数V(ベ
クトル)として出力する重み計算部34L1〜34Ln、34R1
34Rnと、左右サブチャンネルの残差係数を予め決めた順
に並び替える残差インタリーブ部35XYと、左右サブチャ
ンネルの重み係数を残差係数と同じ順に並び替える重み
インタリーブ部35VWと、並び替えられた残差係数と、そ
れに対応する並び替えられた重み係数により重み付きベ
クトル量子化を行うベクトル量子化部36と、から構成
されている。
【0048】一般に、入力音響信号の周波数領域での符
号化に必要な情報量(ビット数)を低減する1つの方法
として、入力音響信号の周波数特性(スペクトラム)の
概形を平坦化して残差係数を求め、そのスペクトラム概
形と残差係数を符号化する方法があるが、その残差係数
を求める方法としては例えば次の2つ考えられる。 (a) 入力信号を周波数領域係数に変換すると共に、入力
信号のスペクトラム概形を求め、前記周波数領域係数を
そのスペクトラム概形で正規化して残差係数を得る。
【0049】(b) 線形予測係数で制御される逆フィルタ
により時間領域で入力信号を処理して残差信号を求め、
その残差信号を周波数領域係数に変換し、残差係数を得
る。上記方法(a) において、入力信号のスペクトラム概
形を得る方法として次の3つの方法が考えられる。 (c) 上述の事実を応用して、入力信号の線形予測係数を
時間−周波数変換(例えばフーリエ変換)して求める。
【0050】(d) 入力信号を時間−周波数変換して得た
周波数領域係数を複数のサブ帯域に分割し、それぞれの
サブ帯域のスケールファクタ(例えばサブ帯域の平均パ
ワー)をスペクトラム概形として得る。 (e) 入力信号を時間−周波数変換して得た周波数領域係
数の絶対値を逆変換して得た時間領域信号の線形予測係
数を求め、その線形予測係数をフーリエ変換して求め
る。
【0051】方法(c) と(e) は次の事実に基づいてい
る。線形予測係数は、入力信号の周波数特性を表してお
り、従って線形予測係数のスペクトラム概形は、入力信
号のスペクトラム概形に対応している。詳しくいえば、
線形予測係数をフーリエ変換して得られるスペクトラム
振幅は、入力信号のスペクトラム概形の逆数となってい
る。
【0052】この発明による図4Aの実施例では、各サ
ブチャンネルにおいて、2N個のサンプルからなる各サ
ブフレームの音響信号サブ系列に対し上記方法(a) と
(c) 又は(d) 又は(e) のどの組み合わせを使ってもよ
い。ここでは上記方法(a) と(c)の組み合わせを使った
場合の各残差/概形計算部32(32L1〜32Ln、32R1〜32
Rnの任意の1つ)の例を図4Bに示す。残差/概形計算
部32は図4Bに示すように、サブフレーム音響信号に
所望の窓関数を掛ける窓掛け部32Aと、その出力をM
DCTにより周波数領域係数に変換するMDCT部32
Bと、窓掛け部32Aの出力を線形予測分析して線形予
測係数を得る線形予測分析部32Cと、得られた線形予
測係数を量子化してその量子化予測係数と量子化インデ
ックス(スペクトラム概形に対応するので概形インデッ
クスと呼ぶことにする)IEを出力する量子化部32D
と、量子化予測係数からスペクトラム概形Eを求める概
形計算部32Eと、MDCT部32Bからの周波数領域
係数をスペクトラム概形で正規化(割算)し、残差係数
Xを出力する正規化部32Fとから構成される。
【0053】図4Aのサブフレーム分割部31L は、左
チャンネルの端子11L に与えられた左チャンネル音響
信号の各フレーム(例えば楽音信号の場合16〜64m
s、音声信号の場合10〜20ms)をNサンプル毎に
そのNサンプルと直前のNサンプルの2Nサンプルのサ
ブ系列を重ね合わせ直交変換(LOT:Lapped Orthogo
nal Transform )処理用フレームとして生成し、n個の
サブチャンネルに順次循環して分配し、残差/概形計算
部32L1〜32Lnに与える。即ち、n=4の場合を図5に示
すように、左チャンネル音響信号のフレームF1,F2,…
(行A)が順次入力されると、各フレーム、例えばフレ
ームF1をそれぞれがNサンプルから成る4つのサブフレ
ームF11,F12,F13,F14(行B)に分割し、それら各サ
ブフレームとその直前のサブフレームからなる2Nサン
プルのサブ系列{F04,F11},{F1 1,F12},{F12,F13},
{F13,F14} をLOT処理用フレームとしてそれぞれ対
応するサブチャンネルCH1〜CH4の残差/概形計算部32
1 〜324 に与える。フレームF2,F3,…についても
同様である。LOTについては例えばH.S.Malvar,"Sign
al Processing with Lapped Transform", Artech House
に説明されている。
【0054】図4Bに示す各サブチャンネルの残差/概
形計算部32は、与えられた2Nサンプルの各サブ系列
に窓掛け部32Aで時間窓が掛けられる。窓の形状はハ
ニング窓を用いるのが一般的である。窓掛けされた2N
サンプルの各サブ系列はMDCT部32Bで直交変換の
一種であるN次の変形離散コサイン変換され、Nサンプ
ルの周波数領域係数が得られる。窓掛け部32Aの出力
は他方で線形予測分析部32Cで線形予測分析され、P
次の予測係数α0,…,αPが求められる。この予測係数α
0,…,αPを量子化部32Dで例えばLSPパラメータ、
あるいはkパラメータに変換してから量子化して予測係
数に対応した概形インデックスIEを得る。
【0055】予測係数α0,…,αPのスペクトラム概形が
概形計算部32Eで求められる。予測係数のスペクトラ
ム概形を得るには、例えば図6Aに示すように、P+1
個の量子化予測係数の後に、(4N-P-1)個の0をつなげて
得た長さ4Nのサンプル系列を離散フーリエ変換(例え
ば高速フーリエ変換FFT)し、更にその2N次のパワ
ースペクトラムを計算し、このスペクトラムの偶数次を
間引いて各奇数次をそれぞれ取り出し、それらについて
それぞれ平方根を取る。この様にして得られたN点のス
ペクトラム振幅は、スペクトラム概形Eの逆数を表して
いる。
【0056】あるいは、図6Bに示すようにP+1個の
量子化予測係数の後ろに(2N-P-1)個の0をつなげた長さ
2Nのサンプル系列をFFT分析し、その結果について
N次のパワースペクトラムを計算する。0番目から始ま
ってi番目のスペクトラム概形係数の逆数は、i=N−
1以外ではi+1番目とi番目の各パワースペクトラム
の平方根を平均して、つまり補間して得る。N−1番目
のスペクトラム概形係数の逆数は、N−1番目のパワー
スペクトラムの平方根を取って得る。
【0057】正規化部32Fはこの様にして得られたス
ペクトラム概形で、MDCT部32Bからのスペクトラ
ム振幅を各対応するサンプル毎に割算して正規化し、残
差係数Xを得る。ただし、上述のように量子化部予測係
数をフーリエ変換して直接得られるものはスペクトラム
概形Eの逆数であり、従って実際には正規化部32Fは
MDCT部32Bの出力とスペクトラム概形計算部32
Eの出力(スペクトラム概形Eの逆数)を単に乗算すれ
ばよい。しかしながら、以降の説明においても便宜上、
スペクトラム概形計算部32Eはスペクトラム概形Eを
出力するものとする。
【0058】図4Aに戻って、左チャンネルの各サブチ
ャンネルCH1〜CHnの残差/概形計算部32L1〜32Lnからの
残差係数Xとスペクトラム概形Eは、パワー正規化部33
L1〜33Lnと重み計算部34L1〜34Lnにそれぞれ与えられ
る。パワー正規化部33L1〜33Lnは処理フレーム毎の残差
係数Xのパワーの平均値を求め、そのパワーの平均値で
残差係数Xを割算して正規化残差係数XN(Nサンプルか
ら成るベクトル)を求め、残差インタリーブ部35XYに与
える。それと共に、そのパワーの平均値を利得Gとして
重み計算部34L1〜34Lnに与え、その利得Gを表すインデ
ックスIG1〜IGnを出力する。重み計算部34L1〜34Lnはス
ペクトラム概形Eに利得Gを乗算し、乗算結果を重み係
数V(N個の要素から成るベクトル)として出力し重み
インタリーブ部35VWに与える。もし必要であれば、前記
乗算結果に更に聴感重み(N要素のベクトル)を乗算し
てその乗算結果を前記重み係数Vとして出力する。従っ
て、この様にして得られる重み係数Vは、スペクトラム
概形とパワー正規化利得Gの積(必要に応じて更に聴感
重みの積)に対応している。
【0059】この聴感重み付けの例としては、スペクト
ラム概形に対し-0.6前後の定数がべき乗され、小さい値
を大とし、大きい値を小とするように聴感制御される。
この他の聴感制御方法として、エムペグ−オーディオ方
式で用いられている聴覚モデルによって求めた各サンプ
ルごとに必要なSNR(Signal to Noise Ratio:信号
音比)を非対数化して前記スペクトラム概形の逆数と掛
け合わせる方法としてもよい。この方法では、入力信号
を分析して得られた周波数特性から、各周波数サンプル
ごとに聴感的にノイズが検知できる最小のSNR を、聴覚
モデルによってマスキング量を推定することによって計
算する。このSNR が各サンプルごとに必要なSNR であ
る。エムペグ−オーディオにおける聴覚モデルの技術に
ついては ISO/IEC 標準IS-11172-3 に述べられている。
また聴感制御を省略して、前記スペクトラム概形の逆数
を重みづけ信号としてもよい。
【0060】右チャンネルのサブフレーム分割部31
L 、残差/概形計算部32L1〜32Ln、パワー正規化部33R1
〜33Rn、重み計算部34R1〜34Rnも上述の左チャンネル側
と同様に動作し、各サブチャンネルの残差/概形計算部
32R1〜32Rnから量子化インデックスIPR1〜IPRnが出力さ
れる。また、パワー正規化部33R1〜33Rnから利得インデ
ックスIGR1〜IGRn及び正規化残差係数Xが出力され、後
者が残差インタリーブ部35XYに与えられ、重み計算部34
R1〜34Rnから重み係数Vが出力され重みインタリーブ部
35VWに与えられる。
【0061】このようにして入力音響信号の各フレーム
毎に得られた左右両チャンネルの全2n個の残差係数
(従って全サンプル数は2nN)は残差インタリーブ部
35で各フレーム毎に並べ替えられてm個の系列として
出力される。このインタリーブはなるべく互いに混ぜ合
わさるようにし、つまり、時間的パワーの偏りや入力端
子11L,11Rの左、右信号と対応する残差係数間のパ
ワーの偏り及び周波数領域内のパワーの偏りが混ぜ合せ
により、1フレーム内でほぼ均一化される。
【0062】この様なインタリーブの例を、例えば左右
チャンネルの音響信号をそれぞれ2つずつ(即ちn=
2)のサブチャンネルCHL1,CHL2及びCHR1,CHR2の信号
サブ系列に分割する場合で説明する。左チャンネル側の
サブチャンネルCHL1,CHL2に得られる正規化残差係数ベ
クトルXL1,XL2をそれらの周波数成分xで {x1,1,x1,2,…,x1,N},{x2,1,x2,2,…,x2,N} と表し、右チャンネル側のサブチャンネルCHR1,CHR2
得られる正規化残差係数ベクトルXR1,XR2を、それぞれ
それらの周波数成分xで {x3,1,x3,2,…,x3,N},{x4,1,x4,2,…,x4,N} と表す。これらの残差係数ベクトルを図7に示すように
各ベクトルの要素(周波数成分)が列方向となるよう
に、横方向にサブチャンネル番号順に配列し、これら4
つのサブチャンネルの成分のマトリクス配列の第1〜4
行中のそれぞれの成分x1,1,x2,1,…,x4,4 から出発し、
サブチャンネル番号方向に順次循環しながら周波数軸方
向に4つずつ順次シフトした位置の成分をそれぞれ5つ
取り出して、それらを要素とする系列 Y1={x1,1,x2,5,x3,9,x4,13,x1,17}, Y2={x2,1,x3,5,x4,9,x1,13,x2,17}, Y3={x3,1,x4,5,x0,9,x2,13,x3,17}, … Ym={x1,N-16,x2,N-12,x3,N-8,x4,N-4,x1,N} を生成し、m個の系列Y1〜Ymを得る。これらの系列を Y1={y1 1,y2 1,y3 1,y4 1,y5 1}, Y2={y1 2,y2 2,y3 2,y4 2,y5 2}, Y3={y1 3,y2 3,y3 3,y4 3,y5 3}, … Ym={y1 m,y2 m,y3 m,y4 m,y5 m} と表すことにする。従って、例えばy1 1=x1,1,y2 1=x2,5,
…,y1 2=x2,1,y2 2=x3,5,…である。図7の例では、それ
ぞれ5個の要素を有するベクトルY1,Y2,Y3, …を得るた
め、要素抽出位置を最初の4行4列の各要素から出発し
て4回巡回シフトを繰り返すので、最初の16個のベク
トルの第5要素が得られるのは第17〜20行の位置で
ある。同様に第21〜24行の各要素から再び出発して
4回の巡回シフトを繰り返し、次の16個のベクトルが
得られる。この様にして巡回シフトを行うことにより2
0行毎に16個のベクトルが得られる。例えばN=12
8の場合、128÷20=6余り8となるので、最後の
8行に付いては例えば別の抽出方法を使ってそれぞれ5
つの要素を有するベクトルを生成し、最後の2つの要素
についてはそれら2つだけで1つのベクトルを構成す
る。従ってこの場合、全ベクトル数mは103である。
【0063】重み計算部34L1,34L2,34R1,34R2から与
えられた2n(この例ではn=2)個の重み係数ベクト
ル VL1={v1,1,v1,2,…,v1,N}, VL2={v2,1,v2,2,…,v2,N}, VR1={v3,1,v3,2,…,v3,N}, VR2={v4,1,v4,2,…,v4,N} も重みインタリーブ部35において残差並び替えと全く
同じ並び替えが行われ、 W1={v1,1,v2,5,v3,9,v4,13,v1,17}, W2={v2,1,v3,5,v4,9,v1,13,v2,17}, W3={v3,1,v4,5,v1,9,v2,13,v3,17}, … Wm={v1,N-16,v2,N-12,v3,N-8,v4,N-4,v1,N} を生成し、m個の重み係数系列W1〜Wmが得られる。これ
らの系列も W1={w1 1,w2 1,w3 1,w4 1,w5 1}, W2={w1 2,w2 2,w3 2,w4 2,w5 2}, W3={w1 3,w2 3,w3 3,w4 3,w5 3}, … Wm={w1 m,w2 m,w3 m,w4 m,w5 m} と表すことにする。これらもベクトル量子化部36に与
えられる。
【0064】他の並べ替えの例を図8に示す。この例は
図7の場合の左サブチャンネルCHL1の正規化残差係数ベ
クトルXL1={x1,1,x1,2,…,x1,N}の要素の配列を基準
にし、正規化残差係数ベクトルXL2,XR1,XR2 のそれぞ
れN個の要素の配列を図8に示すように要素数1、2及
び3だけそれぞれ周波数軸方向に循環シフトしてマトリ
クス配置し、図7の場合と同じように配列の第1〜4行
の各成分から出発して4つのサブチャンネルを順次循環
しながら下方向に4つずつずれた位置の成分をそれぞれ
5つ取り出すことを繰り返してそれぞれ5つの成分を要
素とする系列 Y1={x1,1,x2,6,x3,11,x4,16,x1,17}, Y2={x2,2,x3,7,x4,12,x1,13,x2,18}, Y3={x3,3,x4,8,x1,9,x2,14,x3,19}, … と並び替えたm個の系列Y1〜Ymを得る。重み係数につい
ても同様である。
【0065】図7A又は8Aの例に示したような残差係
数及び重み係数の並べ替えは、前述したようにそれらの
係数がサブチャンネル間及び周波数領域内でなるべく混
ぜ合わされることが好ましく、従って重複することな
く、ランダムに行った方がよく、規則的に行う必要はな
い。例えば各並べ替えられた系列Y1〜Ymについてその第
1番目の要素はどのチャネルの何番目の要素を持って来
ればよいかと、各要素について何れのチャネルの何番目
の要素を持って来ればよいかを示すテーブルを用意して
おきこのテーブルに従って並べ替えを行えばよい。比較
的簡単な演算で各要素を並べ替え位置を決定してもよ
い。
【0066】このようにして得られた残差インタリーブ
部35XYからの各系列Y1〜Ymはそれぞれベクトル量子化部
36において、それぞれ対応する重み系列W1〜Wmによる
重み付きベクトル量子化される。図9はベクトル量子化
部36の構成例であり、インタリーブ後のk番目の残差
系列(図7A又は8Aと同様に要素数を5とする) Yk={y1 k,y2 k,…,y5 k}={yi k|i=1〜5} と、それに対応するインタリーブ後のk番目の重み系列 Wk={w1 k,w2 k,…,w5 k}={wi k|i=1〜5} とによる重み付きベクトル量子化を行う場合について示
している。統合符号帳36Aにはそれぞれのインデック
スに対応して一定長の予期される様々な統合ベクトルが
予め格納されている。正規化残差系列Ykは、統合符号帳
36Aのインデックスjから読み出された統合ベクトル
C(j)のi番目の要素をci(j) と表すと、ベクトルYkとC
(j)の対応する要素間の差yi k-ci(j) がi=1〜5につ
いて減算器36Bで求められ、それらの差分がそれぞれ
2乗器36Cで2乗され、内積計算部36Eに与えられ
る。一方、重みベクトルWkの各成分wi k は2乗器36D
で2乗され、内積計算部36Eに与えられ、前記差の2
乗との内積がベクトル量子化の際の重み付き距離尺度dk
(j) として求められ、最適符号探索部36Fに与えられ
る。即ち、重み付き距離尺度は次式で表される。
【0067】dk(j)=Σ[wi k{yi k−ci(j)}]2 ただし、Σはi=1〜5に付いての加算オペレータであ
る。符号帳探索部36Fは全てのインデックスjに対し
て統合符号帳36Aから読み出した符号ベクトルC(j)に
ついて上述のようにして求めた距離尺度dk(j) が最小と
なる符号ベクトルのインデックスjを探索し、決定され
たベクトル量子化インデックスJkとして出力する。以下
同様にk=1〜mの全ての残差系列Y1〜Ymについての重
み付きベクトル量子化を行い、決定されたm個のベクト
ル量子化インデックスJ1〜Jmが図4Aの端子37に出力
される。
【0068】図4Aにおいて各残差/概形計算部32L1
32Ln、32R1〜32Rnは図4Bの構成例に限らず、図10A
に示すように窓掛け部32Aで時間窓が掛けられたLO
T処理用フレームをMDCT部32Bで変換して得た周
波数領域係数を分岐し、その各サンプル(スペクトル)
の絶対値を絶対値計算部32Gでとり、その絶対値出力
を逆フーリエ変換部32Hで逆フーリエ変換することに
より自己相関係数を求め、その自己相関係数である時間
領域信号を線形予測分析部32Cで線形予測分析し、そ
の後は図4Bについて述べたと同様に量子化部32Dで
予測係数を量子化してその量子化予測係数を表すインデ
ックスを概形インデックスIEとして出力すると共に、量
子化予測係数を概形計算部32Eに与えてスペクトラム
概形Vを計算し、正規化部32Fに与えて残差係数を求
めてもよい。あるいは図10Bに示すようにMDCT部
32Bからの周波数領域係数をいくつかの小帯域に分け
て帯域代表値計算部32J1〜32JPで各分割された小帯域内
係数の代表値SF1〜SFP(スケールファクタ)をそれぞれ
計算し、かつその代表値SF1〜SFPを量子化部32Kで量
子化して量子化スケールファクタを表すインデックスを
概形インデックスIEとして出力すると共に、その量子化
代表値を概形Vとして正規化部32Fに与えてもよい。
各代表値としては、例えばその小帯域内の係数の2乗平
均値を使うことができる。
【0069】図11に図4Aの符号器に対する復号器の
実施例を示す。入力端子71からベクトル量子化インデ
ックスJ1〜Jmがベクトル再生部72に入力されて、各イ
ンデックスと対応したm個のベクトルY1'〜Ym'が再生さ
れ、また入力端子73から概形インデックスIEL1
IELn,IER1〜IERnが概形再生部62に入力されてそれぞ
れ概形EL1〜ELn,ER1〜ERnが再生される。即ち、各サブ
チャンネルに対応して設けられた再生部62Aで各サブ
チャネルごとの予測係数αがフレームごとに再生され、
その再生された予測係数αから図4Bに示す符号器の残
差/概形計算部32におけるスペクトラム概形計算部3
2Eと同様な計算を行う概形計算部62Bで周波数特性
の概形が各サブチャネルの各フレーム毎に計算されて、
概形EL1〜ELn,ER1〜ERnが得られる。入力端子74から
利得インデックスIGL1〜IGLn,IGR1〜IGRnが利得再生部
75に入力されて各サブチャネルの各フレームごとの正
規化利得(平均パワー)GL1〜GLn,GR1〜GRnがそれぞれ
再生される。
【0070】ベクトル再生部71で再生されたm個のベ
クトルY1'〜Ym'は逆インタリーブ部76YXで、図4Aの符
号化器のインタリーブ部35で行われたインタリーブと
逆のインタリーブを行ってn個の左チャンネル側残差係
数XL1〜XLnと、n個の右チャンネル側残差係数XR1〜XRn
とを得る。これら残差係数ベクトルXL1〜XLn,XR1〜X Rn
はそれぞれ逆正規化部77L1〜77Ln,77R1〜77Rnで対応す
る再生利得GL1〜GLn,GR1〜GRnが乗算され、即ち逆正規
化され、その各乗算出力はそれぞれ、乗算器65 L1〜6
5Ln,65R1〜65Rnに与えられ、再生された概形EL1
ELn,ER1〜ERnと乗算することにより概形が与えられ、
それぞれ周波数領域係数が再生される。これら周波数領
域係数はそれぞれMDCT部66L1〜66Ln,66R1〜66Rn
逆MDCTされてそれぞれ2Nサンプル(サブフレーム
長の2倍:処理フレーム)の時間領域信号に変換されて
から必要に応じて時間窓が掛けられ、フレーム重ね合わ
せ部78L1〜78Ln、78R1〜78Rnで、それぞれの処理フレー
ムの時間領域信号はそれぞれのサブチャンネルにおいて
その後半のNサンプルと、直前の処理フレームの前半の
Nサンプルとが重ね合わされて、それぞれNサンプルの
サブフレーム信号として対応する左、右チャンネルのフ
レーム合成部79L、79Rに与えられる。各フレーム毎
に左チャンネルフレーム合成部79L では左側サブチャ
ンネルのNサンプルずつのサブフレーム信号をサブフレ
ーム周期(Nサンプル)ずつ順次互いにずらして合成さ
れて1フレームの左チャンネル信号が再生されて出力端
子51L に出力され、同様に右チャンネルフレーム合成
部79R では右側サブチャンネルのNサンプルずつのサ
ブフレーム信号をサブフレーム周期ずつ順次互いにずら
して合成されて1フレームの右チャンネル信号が再生さ
れて出力端子51R に出力される。
【0071】図4Aの実施例では残差インタリーブ部35
XYと重みインタリーブ部35VWで常に予め決められた同じ
インタリーブマッピングに従って並び替えを行う場合を
示したが、複数の並び替えマッピングを予め用意してお
き、ベクトル量子化の歪が最小となるマッピングを選択
するように構成してもよい。その例を図12Aに示す。
この例では図4Aにおける残差インタリーブ部と重みイ
ンタリーブ部とベクトル量子化部の組を2組35XY1,35
VW1,361 及び35XY2,35VW2,362 設け、これらの
インタリーブ部35XY1,35VW1と35XY2,35VW2に与える予
め決めた互いに異なるインタリーブマッピングを格納し
たマッピングテーブルTB1,TB2と、2つのベクトル
量子化部361、362における量子化歪の大小を比較す
る比較器38と、2つのベクトル量子化部361、362
の出力のうち、比較器38の比較結果に基づいて歪の小
さい方の出力を選択出力する選択器39とが設けられて
いる。なお、図を簡単にするため図4Aにおけるサブフ
レーム分割部31L、31R、残差/概形計算部32L1〜32
Ln、32R1〜32Rnは図示せず、パワー正規化部33L1〜3
3 Ln、33R1〜33Rn及び重み計算部34L1〜34Ln、34R1〜34
Rnはそれぞれ33L、33R、34L、34Rで表してい
る。
【0072】パワー正規化部33L、33Rからの正規化
残差係数Xは残差インタリーブ部35XY1、35XY2でそれぞ
れマッピングテーブルTB1,TB2に示されている並び替え
マッピングに従ってそれぞれ異なる並び替えを行う。同
様に重み計算部34L、34Rからの重み係数Vは重みインタ
リーブ部35VW1、35VW2でそれぞれマッピングテーブルTB
1,TB2に示されているインタリーブマッピングに従って
それぞれ並び替えを行う。テーブルTB1 に従って並び
替えられた残差係数系列と、それに対応する重み係数系
列はベクトル量子化部361 に与えられ、残差係数系列
の重み付きベクトル量子化が行われる。同様にテーブル
TB 2 に従って並び替えられた残差係数系列とそれに対応
する重み係数系列はベクトル量子化部362 に与えら
れ、図9で説明した残差係数系列の重み付きベクトル量
子化が行われる。これら量子化部361、362における
ベクトル量子化において求められたそれぞれの最小歪
(最小距離)di k が比較器38で互いに比較され、選択
部39は比較器38の比較結果に従ってベクトル量子化
部361、362のうち計算した歪の小さい方のベクトル
量子化部の出力インデックスJ1〜Jmを選択して、いずれ
のテーブルを使用したかを表す情報(比較結果)ISと共
に端子37に出力する。
【0073】図12Aに示したように量子化歪が小さく
なるようにインタリーブマッピングを選択する符号器に
対する復号器は、図11に示す復号器において図12B
に示すように、図12AのマッピングテーブルTB1,TB2
と対応し、元に戻す並べ替えを行うためのマッピングテ
ーブルITB1,ITB2が設けられ、ベクトル量子化インデッ
クスJ1〜Jmと共に端子71に入力された、選択したマッ
ピングテーブルを表すインデックスISによりセレクタ8
1が制御され、マッピングテーブルITB1,ITB2の対応し
たものが選択されて逆インタリーブ部76における並べ
替えに用いられる。以降の構成は図11と同じであり、
図示してない。図11の概形再生部62においては図1
0Bに示した小帯域の代表値SF1〜SFPを示す概形インデ
ックスIEが入力された場合はその概形インデックスIE
応じて各小帯域の代表値を単に再生して出力すればよ
い。
【0074】上述においてはステレオの左、右2チャネ
ルを入力とし、更に各チャネルを、フレームごとに複数
のサブフレームに分割してそれぞれ複数のサブチャネル
にしたが、ステレオの4チャネルあるいは5チャネル信
号を入力し、それぞれを複数のサブフレームに分割して
多チャネル信号としてもよい。1つの入力信号を低域側
信号と高域側信号とに分離して図4Aの入力端子1
L,11Rに入力してもよい。上述では複数の入力端子
11L,11Rよりの信号をフレームごとに複数のサブフ
レームに分割したが、サブフレームに分割することな
く、複数の端子11L,11R に入力された信号のフレ
ーム毎の残差係数をインタリーブ部35XYで並べ替えてm
個の系列とし、同様にフレーム毎のスペクトラム概形と
パワーから生成された重み係数もインタリーブ部35VW
並べ替えて、重み付きベクトル量子化をm個の各系列に
ついて行ってもよい。また1つの入力信号、つまり1モ
ラル信号を入力して、フレームごとに複数の副フレーム
に分割して、それぞれの残差信号を得、重み付きベクト
ル量子化をしてもよい。
【0075】上述では周波数領域信号への変換をMDC
Tで行ったが、フレームを副フレーム分割する場合以
外は、他の直交変換手段によって周波数領域信号に変換
してもよい。復号化側は符号化の変換と逆の変換とな
る。以上述べたように図4A及び11の実施例によれ
ば、チャネル間のパワーの偏りや、各フレーム内の時間
軸上でのパワー偏りがあると、ビット割当てを適応的に
変化させないでも量子化歪を低減することができ、ビッ
ト割当てのため演算を必要としない。またビット割当て
情報を伝送しないため、符号誤りにも強い。従って、こ
の発明の復号化方法は上記符号化方法による復号を正し
く復号することができる。
【0076】図4Aで示した符号器の実施例では、入力
音響信号を常にフレーム毎にサブフレームに分割して複
数のサブチャンネルに分配する場合を示したが、この発
明は信号の時間方向のパワーの偏りを利用して符号化に
必要な情報量を削減する(言い替えれば符号化歪を小さ
くする)ので、入力信号のパワーが定常的な場合は効果
がない。それにもかかわらず全てのサブチャンネルのベ
クトル量子化インデックスJ1〜Jm、概形インデックスI
EL1〜IELn、IER1〜IERn、正規化利得インデックスIGL1
〜IGLn、IGR1〜IGRnを常に出力するのはむしろサブチャ
ンネルに分けないで符号化する場合より多くの符号化情
報量を必要とすることが有り得る。また、符号化のため
の処理量がサブチャンネルに分けない場合より多くなる
ことが有り得る。この点を改善した符号器の実施例をま
ず1チャンネル入力音響信号に対する符号器の場合につ
いて図13に示す。
【0077】図13において、サブフレーム分割部3
1、残差/概形計算部321〜32n、パワー正規化部3
1〜33n、重み計算部341〜34n、残差インタリー
ブ部35 XY、重みインタリーブ部35VW、ベクトル量子化部
36の構成は図4Aに示す符号器において例えば右チャ
ンネル側に係わる構成を除去したものと同じであり、動
作も同じである。この実施例では更に、入力音響信号を
フレーム毎に分割するフレーム分割部41、フレーム毎
の信号の状態を判定する状態判定部42、定常フレーム
の残差係数及びスペクトラム概形を求める残差/概形計
算部320 、定常フレームの残差係数のパワーを正規化
するパワー正規化部330 、定常フレームのスペクトラ
ム概形と正規化利得から重み係数を求める重み計算部3
0 、正規化残差係数を複数の系列に並べ替える残差イ
ンタリーブ部43XY、重み係数を残差係数と同じ複数の系
列に並べ替える重みインタリーブ部43VW、残差サブ系列
を対応する重みサブ系列で重み付きベクトル量子化する
ベクトル量子化部44、ベクトル量子化部36と44の
出力をフレームの状態に応じて選択出力するセレクタ4
5A、定常フレームと過渡フレームの概形インデックス
IE0 とIE1〜IEnをフレームの状態に応じて選択出力する
セレクタ45B、定常フレームと過渡フレームの正規化
利得インデックスIG0 とIG1〜IGnをフレームの状態に応
じて選択出力するセレクタ45Cが設けられている。各
残差/概形計算部320 、321〜32nの構成は同じで
あり、図4B、10A又は10Bで示したどれを使って
もよい。
【0078】入力端子11からの入力ディジタル音響信
号系列はフレーム分割部41に入力され、Mサンプルご
とのフレームに分割されて残差/概形計算部320 と、
状態判定部42と、サブフレーム分割部31とに供給さ
れる。状態判定部42で上記Mサンプルごとの各フレー
ムの信号が定常的か過渡的かの判定がされる。つまりフ
レーム内の時間変動が大きい場合、即ちパワーの変動や
スペクトル包絡の変化が急な場合は過渡的フレームと判
定する。そのために、例えば各フレームを時間的に4分
割し、その各分割された部分の平均パワーあるいは平均
的スペクトラム概形を求め、これら4つの部分のパワー
の変化率あるいはスペクトラム概形の変化率を求め、そ
の変化率が所定値より大であれば過渡的と判定し、所定
値以下であれば定常的と判定する。状態判定部42での
判定は、各フレームF1,F2,…毎に行われるが、例えば
図14に示すように、MDCTを行う単位(処理フレー
ム)、つまり各フレームとその直前のフレームの2Mサ
ンプルの信号系列が定常的か過渡的かを、Mサンプル
(1フレーム)ずつずらしながら行われる。例えばフレ
ームF2でそのフレームと直前のフレームF1から成る2M
サンプルの処理フレームが定常的と判定されると、その
2Mサンプルに対し、窓関数WFが掛けられて、残差/
概形計算部32 0 においてMDCTが行われる。また例
えばフレームF4でそのフレームと直前のフレームF3から
成る2Mサンプルの処理フレームが過渡的と判定される
と、その2Mサンプルの中央部におけるMサンプル分が
n(この例ではn=4)個のサブフレームSF41〜SF44
分割され、それらの各サブフレームは残差/概形計算部
321〜324においてその直前のサブフレームSF34,SF
41,SF42,SF43とそれぞれ合わせた各々2M/nサンプルか
ら成る2サブフレーム単位でMDCTされ、その窓関数
WSS は図14に示すように、その2サブフレームにまた
がるものである。またサブフレームへの分割の前後で、
定常的フレームと過渡的フレームとの境界が連続的につ
ながるように、図14に示すような窓関数WFA 、つまり
過渡側は、窓関数WFS の各一半部とし、定常側はWFS
最大値とする。これら窓関数WFS,WFAは一例であり、そ
の他の手法でもよい。
【0079】定常的と判定されると、残差/概形計算部
420 はそのフレームのスペクトラム概形E0と周波数領
域の残差係数X0を計算して出力すると共に、スペクトラ
ム概形の計算時に求めた概形インデックスIE0 を出力す
る。即ち、例えば残差/概形計算部420 として図4B
に示すものを使った場合、前述と同様に入力Mサンプル
毎に直前のMサンプルとを加えた2Mサンプルの処理フ
レームに対し窓掛け部32Aで時間窓を掛け、MDCT
部32Bで周波数領域係数に変換する。また、線形予測
分析部32C、予測係数量子化部32D、スペクトラム
概形計算部32Eによりスペクトラム概形Eを求めると
共に、概形インデックスIE0 を出力する。
【0080】残差/概形計算部320 からの残差係数は
パワー正規化部330 で処理フレーム内平均パワーで正
規化され、その正規化残差係数XN0 を残差インタリーブ
部43 XYに与える。その正規化利得G0は重み計算部340
に与えられ、スペクトラム概形E0に乗算されて重み係数
V0とされ、重みインタリーブ部43VWに与えられる。残差
係数XN0 は残差インタリーブ部43XYにより前述したよう
に複数(例えばh=4個)の小系列に並び替えられ、ベ
クトル量子化部44に与えられる。その各小系列の概形
はほぼ同一になるように並べ替えることが望ましい。ま
た重み計算部340 からの重み係数V0も重みインタリー
ブ部43VWにより残差並べ替えと同じ並べ替えによりh個
の小系列に並べ替えられ、ベクトル量子化部44に与え
られる。ベクトル量子化部44はh個の残差小系列を、
対応する重み小系列を使ってそれぞれ重み付きベクトル
量子化し、h個の量子化インデックスJ1〜J4を出力し、
セレクタ45Aの一方の入力に与える。
【0081】状態判定部42で過渡的フレームと判定さ
れると、図4Aの場合と同様にサブフレーム分割部31
でMサンプルの各フレームはn個のサブフレームに等分
割され、n個のサブチャンネルCH1〜CHnにそれぞれ対応
するサブフレームとその直前のサブフレームの2M/hサン
プル(処理フレーム)ずつが分配される。その分配され
たn個の処理フレームから図4Aの場合と同様に残差/
概形計算部321 〜32n で残差係数X1〜Xnとスペクト
ラム概形E1〜Enが生成される。パワー正規化部331
33nは残差係数X1〜Xnをそれぞれのサブフレームの平
均パワーにより正規化し、その正規化残差係数XN1〜XNn
を残差インタリーブ部35XYに与え、正規化利得G1〜Gn
重み計算部341〜34nに与えると共にそれらの利得を
表すインデックスIG1〜IGnを出力する。重み計算部34
1〜34nはスペクトラム概形E1〜Enに正規化利得G1〜Gn
をそれぞれ乗算して重み係数V1〜Vnを生成し、重みイン
タリーブ部35VWに与える。
【0082】このようにして得られたサブチャンネルCH
1〜CHnのn個の正規化残差サブ系列XN1〜XNnは残差イン
タリーブ部35に入力されて図4Aの場合と同様に全て
のサブ系列の成分が並べ替えられてm個の系列Y1〜Ym
して出力される。サブチャンネルCH1〜CHnのn個の重み
係数サブ系列V1〜Vnも重みインタリーブ部35で同じイ
ンタリーブが行われ、m個の系列W1〜Wmとして出力され
る。このようにして得られたインタリーブ後の残差系列
(ベクトル)Y1〜Ymはそれぞれベクトル量子化部36に
おいて、対応するインタリーブ後の重み系列(ベクト
ル)W1〜Wmを使って重み付きベクトル量子化され、量子
化インデックスJ1〜Jmが出力される。
【0083】定常的フレームか、過渡的フレームかを示
す1ビット符号Idと、定常的フレームにおけるベクトル
量子化インデックスJ01〜J0hと、概形インデックスIE0
と、正規化利得インデックスIG0とが出力され、過渡的
フレームではベクトル量子化インデックスJ1〜Jmと、概
形インデックスIE1〜IEnと、正規化利得インデックスI
G1〜IGnとが出力される。これらベクトル量子化インデ
ックス、概形インデックス、正規化利得インデックスは
それぞれセレクタ45A,45B,45Cで状態判定符
号Idに従って選択出力される。
【0084】図15に図13の符号器の実施例に対応す
る復号器の例を示し、図12と対応する部分に同様の参
照番号を付けてある。概形インデックスIE0 又はIE1〜I
Enが入力され、入力された状態判定符号Idに応じてセレ
クタ80B により概形再生部620 又は62へ供給され
る。またベクトル量子化インデックスJ01 〜J0h 又はJ1
〜Jmの何れかがセレクタ80A に入力され、符号Idに応
じてセレクタ80A によりベクトル再生部720 又は7
2に供給され、正規化利得インデックスIG0 又はIG1〜I
Gnの何れかがセレクタ80C に入力され、符号Idに応じ
て利得再生部750 又は75に供給される。概形再生部
620 及び62においては、それぞれその入力されたイ
ンデックスに応じた予測係数を再生部62A で再生し、
その再生された予測数を用いて概形計算部62B でその
周波数特性の概形が計算される。
【0085】符号Idが定常的信号のフレームを示してい
る場合は、ベクトル量子化インデックスJ01〜J0hがベク
トル再生部81に与えられ、各インデックスが逆ベクト
ル量子化され、h個の小系列Y01'〜Y0h'が再生される。
これら小系列は逆インタリーブ部82YXで図13の符号器
における残差インタリーブ部45逆の並べ替えにより元
の1系列の正規化残差係数XN0に統合され、この残差係
数XN0に対し乗算器770 で、再生部75からの再生利
得G0が乗算される。この乗算出力は、パワー逆正規化部
650 において概形再生部620 からの再生概形係数E0
が乗算され、つまり逆正規化され、周波数領域係数が復
元される。その周波数領域係数は図12の復号器と同様
に逆MDCT部660 で逆変形離散コサイン変換されて
時間領域信号とされ、更にフレーム重ね合せ部780
必要に応じて窓掛けされてから2Mサンプルフレームの
前半と、その直前の2Mサンプルフレームの後半とが重
ね合わされて1フレームMサンプルの再生音響信号とし
て端子51に出力される。
【0086】符号Idが過渡的フレームを示している場合
は、入力された概形インデックスIE 1〜IEnからそれぞれ
概形再生部62で各サブフレームのスペクトラム概形が
再生されて概形係数E1〜Enが出力される。また入力され
た正規化利得インデックスIG 1〜IGnは利得再生部75で
それぞれ利得G1〜Gnとして再生される。更に入力された
ベクトル量子化インデックスJ1〜Jmはベクトル再生部7
2でそれぞれ再生される。これら再生されたm個のベク
トルY1〜Ymは逆インタリーブ部76YXで、図13の符号器
のインタリーブ部35XYで行われた並べ替えと逆の並べ替
えを行ってn個のサブ系列の正規化残差係数XN1〜XNn
される。これら残差係数サブ系列XN1〜XNnはそれぞれ
乗算器771〜77nで再生された対応する利得G1〜Gn
乗算される。その各乗算出力はそれぞれ、逆正規化部6
1〜65nで、再生された概形E1〜Enと乗算されて逆正
規化され、それぞれ周波数領域係数が再生される。これ
ら周波数領域係数はそれぞれ逆MDCT部661〜66n
で逆MDCTされて時間領域信号に変換され、これら時
間領域信号は更にフレーム重ね合せ部781〜78nで必
要に応じて窓掛けされ、隣接サブフレーム(隣接サブチ
ャネル)の前半と後半とが重ね合わされ、これら重ね合
わせ部分がフレーム合成部79で時間的に順次結合され
て過渡フレームにおける音響信号が再生されて出力端子
51に出力される。
【0087】入力信号がステレオ信号の場合の符号器
は、図16に図13と対応する部分に、左チャンネル側
については同一参照番号に添え字“L”を、右チャンネ
ル側については同一参照番号に添え字“R”をそれぞれ
付けて示す。つまり入力端子11L,11Rから入力され
た左チャンネル信号、右チャンネル信号は、定常的フレ
ームではそれぞれ図13に示した定常的フレームに対す
る処理と同様に行われるか、過渡的フレームでは左チャ
ンネル信号フレーム、右チャンネル信号フレームの各分
割サブフレームの残差係数は互いに混ぜ合わされて、重
み付きベクトル量子化される。その他は同様である。
【0088】図16のステレオ信号の符号化出力を復号
する復号器を図17に図15と対応する部分に同一参照
番号に左チャンネル側については添え字“L”を右チャ
ンネル側については添え字“R”を付けて示す。この場
合は定常的フレームでは左チャンネル信号、右チャンネ
ル信号とも図15の場合と同様に復号されるが、過渡的
フレームにおいてはベクトル再生部72で再生されたm
個のベクトルの全成分は、逆インタリーブ部76YXで図1
6の残差インタリーブ部35XYでの並べ替えを元に戻さ
れ、それぞれ、左チャンネルサブフレームの復号化され
た信号がフレーム合成部79L で合成されて、端子51
L へ出力され、右チャンネルサブフレームの復号化出力
がフレーム合成部79R にて合成されて端子51R に出
力される。
【0089】図13、15、16、17においてインタ
リーブマッピング及び逆インタリーブマッピングは予め
決めておくが、複数のインタリーブマッピング法を用意
しておき、これらのそれぞれを用いてベクトル量子化
し、その時に最も歪が小さくなるマッピングを選択し、
その選択情報を伝送しても良い。スペクトル概形や正規
化利得(パワー)の補助情報(即ち概形インデックス及
び利得インデックス)は通常(定常的)のフレームでは
フレーム毎に伝送する。上記実施例では過渡的なフレー
ムではサブフレーム毎に独立にスペクトル概形と利得の
情報を伝送しているが、各フレームごとに一括してベク
トル量子化してもよい。フレーム毎に一定の情報量で伝
送するシステムでは、通常のフレームと同じビット数を
サブフレーム毎の補助情報に割り当てると全体の情報量
の中で補助情報の割合が大きくなり、全体の歪が大きく
なる可能性があるからである。また、複数のサブフレー
ムをまとめてベクトル量子化することも可能である。あ
るいは、各サブフレームのスペクトル概形と、利得とを
各サブフレームに共通に利用してもよい。
【0090】図13及び16の実施例では、定常状態で
はパワーの偏りを符号化情報量削減に利用できないた
め、定常状態のフレームと過渡状態のフレームを判別し
て、定常状態のフレームではサブフレームに分割しない
で符号化し、過渡状態のフレームではサブフレームに分
割して複数系列の信号としてこの発明の原理を適用する
場合を示した。ところで、例えば特に音声や楽音のよう
にピッチ成分を含む音響信号では、定常的状態のフレー
ムが連続する場合にフレーム間の相関が高くなるので、
そのことを利用し、図13及び16の実施例の一部を次
のように変形することにより符号化情報量を削減可能で
ある。
【0091】即ち、図18に示すように、残差概形計算
部91において過去の定常的フレームの残差係数から現
フレームの残差係数の概形ERを予測し、図13における
残差/概形計算部320 中の正規化部32Fからの残差
係数X0は、残差概形正規化部92において、その予測残
差概形ERで割算することにより正規化される。音声や楽
音の場合、フレーム毎のその周波数領域の残差係数には
通常ピッチ成分が存在し、このピッチ成分は複数フレー
ムに渡って継続する場合が多い。しかしながらこの実施
例では残差概形ERで定常的フレームにおける残差係数X0
を正規化することによりそのようなピッチ成分を抑圧す
ることができ、その結果、平坦化された微細構造係数Z
とされる。つまり図18の変形実施例は残差係数をベク
トル量子化する代わりに、この微細構造係数Zをベクト
ル量子化することによりフレーム間相関を利用した予測
符号化を実現している。
【0092】スペクトラム概形計算部32Eからのスペ
クトラム概形E0と、残差概形計算部91からの残差係数
概形ERとが重み計算部93で各対応サンプルごとに掛け
合わせて重み係数V0とされる。パワー正規化部330
前記微細構造係数Zをそのパワーで正規化し、正規化利
得インデックスIG0 を出力する。そのパワー正規化され
た微細構造係数ZNはベクトル量子化部44で重み計算部
93からの重み係数V0で重み付けベクトル量子化され
る。この場合、図13の場合と同様にインタリーブ部43
ZYと43VWにより微細構造係数ZN及び重み係数V0を並べ替
えてそれぞれh個の小系列Y01〜Y0h,W01〜W0hとし、ベ
クトル量子化部44は各微細構造係数小系列Y01〜Y0h
対応する重み小系列W01〜W0hで重み付けベクトル量子化
する。この量子化インデックスJ01〜J0hが図13のセレ
クタ45Aに与えられる。また量子化インデックスJ01
〜J0hにそれぞれ対応するベクトルC(J01)〜C(J0h)は逆
正規化部94で残差概形計算部91からの残差概形ER
より逆正規化されて、残差係数Xqが復元され、残差概形
計算部91はこの残差係数Xqに基づいて次フレームの残
差概形を予測する。図18の変形例は図16の実施例に
も同様に適用できることは明かである。
【0093】図18のような微細構造係数Zをベクトル
量子化した場合の復号は、図15の復号器におけるベク
トル再生部81と逆正規化部650 の間の構成を図19
に示すように変形すればよい。即ち、ベクトル量子化イ
ンデックスJ01〜J0hはベクトル再生部81で各小系列の
ベクトルY01'〜Y0h'、即ちベクトルC(J01)〜C(J0h)、に
復元され、逆インタリーブ部82YZにおいて更に図18
のインタリーブ部43による並べ替えと逆に並べ替え、
1系列の正規化微細構造係数ZN' に統合される。その1
系列出力は乗算器770 で図18のパワー正規化部33
0 からの正規化利得インデックスIG0 を再生した利得G0
が乗算されて(図15の利得再生部78)、微細構造係
数Z'が再生される。この微細構造係数Zは残差概形逆正
規化部83で残差概形計算部84からの残差概形ER' に
より逆正規化されて、残差係数X0' が再生される。この
残差係数は逆正規化部650 で図15における概形計算
部62Bからのスペクトラム概形E0により逆正規化され
て、周波数領域係数とされ、図15の逆MDCT部66
0 に与えられる。その後の処理は図15の場合と同様で
ある。残差概形計算部84は、符号器の残差概形計算部
91(図18)と同様に構成され、入力された過去のフ
レームの再生残差係数X0' から現在のフレームの残差係
数の概形ER' が予測される。図19の変形を図17の復
号器にも同様に適用できる。
【0094】このような微細構造として符号化し、復号
化する場合においては、例えば過渡的フレームではフレ
ーム間相関(予測符号化)を用いない符号化を行ない、
通常のフレームに戻るとき、フレーム間相関の過去の状
態をリセットする。つまり図18、19中の残差概形計
算部91、84の各内部をリセットすればよい。別の方
法として、過渡的なフレームでのサブフレームと定常的
なフレームの1フレームとは時間的な長さが異なるが、
パワー正規化利得やスペクトル概形パラメータは共通し
ているものとみなしてそのままフレーム間相関による予
測を使ってもよい。つまり、例えば2サブフレームにお
けるスペクトル概形パラメータや利得を、2フレーム前
のスペクトル概形パラメータや利得として用いて、残差
概形計算部91、84を動作させてもよい。
【0095】ステレオの4チャネルあるいは5チャネル
信号を入力し、過渡的フレームではそれぞれを複数のサ
ブフレームに分割して多チャネル信号としてもよい。1
つの入力信号を低域側信号と高域側信号とに分離して図
16の入力端子11L ,11 R に入力してもよい。これ
らに応じて復号器ではインタリーブ部76XYでは複数群の
残差係数が作られたり、各出力端子と対応する複数の残
差係数が作られたり、1つの群の残差係数が作られて1
つの時間領域信号に再生されたりする。
【0096】以上述べたように図13、16の符号器の
実施例では時間軸上におけるパワー変動の大きいフレー
ムに対してのみサブフレーム単位に分割してMDCTに
より周波数領域の係数とし、これらの係数の並べ替えに
より、周波数領域でのパワーの偏り、サブフレーム間で
のパワーの偏り、すなわち時間領域での偏りの両方をベ
クトル内の重み係数の変動に反映させることができる。
そして小系列間の平均重み係数(パワー)の偏りを小さ
くすることができる。並べ替えを行なわず、順序よく小
系列を作ると小系列内の重み係数の変動が少なく、小系
列間の平均重み係数の変動が大きくなってしまう。この
場合、小系列間で適応ビット割当を行なわないと歪を小
さくすることができない。この発明では小系列間の変動
が小さいのでビット割当を固定にしても歪削減効果がほ
とんど損なわれずに済む。この発明の場合は、歪を削減
するための量子化歪の制御を重み付き、ベクトル量子化
歪の制御を重み付きベクトル量子化で行なうからであ
る。
【0097】図4A、11、16の実施例では、符号化
すべき複数の入力信号として同一種類の信号、例えば音
響信号を符号化する場合について説明したが、この発明
は、複数の信号系列にパワーの偏りが生じるものであれ
ば異なる種類の複数の信号系列に対しても適用できる。
その例として映像信号と音響信号の2系列を多重化して
一定の情報量で伝送する場合にこの発明の符号化方法を
適用した符号器について図20を参照して説明する。こ
こでは音響信号については変換符号化を、映像信号につ
いてはフレーム間予測と変換符号化の両方を使う例を示
すが、個々の信号にどの様な符号化手法を適用するかは
この発明に本質的なことではない。
【0098】図20において、端子11a、11bにはそ
れぞれディジタル映像信号及びディジタル音響信号が入
力される。音響信号に対する処理は、映像信号と同じフ
レーム毎に例えば図4Aの1つのサブチャンネルにおけ
る処理と同様の処理を行う場合であり、その構成を簡略
化して示してある。音響信号は変換部32Bbでフレーム毎
に時間−周波数変換される。その結果得られる周波数領
域係数は、概形計算部32Ebと正規化部32Fbに与えられ
る。概形計算部32Ebは周波数領域係数からそのスペクト
ラム概形Ebを計算して正規化部32Fbと重み計算部34b
に与えると共に、概形を表すインデックスIEb を出力す
る。正規化部32Fbはスペクトラム概形Ebのそれぞれの成
分で周波数領域係数の対応するものを割り算することに
より残差係数を得て、更にそのフレームの平均パワーで
正規化(割り算)して正規化残差係数XNb を出力すると
共に、パワー正規化利得Gbを表すインデックスIGb を出
力する。重み計算部34b はスペクトラム概形Ebと利得
Gbを乗算し、更に必要に応じて聴感重みを乗算して重み
係数Vbを出力する。これら残差係数XNb と重み係数Vbは
それぞれ残差インタリーブ部35XYと重みインタリーブ部
35VWに与えられる。
【0099】一方、映像信号は、フレーム間予測部95
で前フレームから予測された信号が減算され、その差分
信号Dが変換部32Baに与えられる。変換部32Baは差分信
号Dを時間−周波数変換して周波数領域係数を生成し、
概形計算部32Eaと正規化部32Faに与える。概形計算部32
Ea、正規化部32Fa、重み計算部34a の動作は音響信号
に対する部分32Eb、32Fb、34b の動作と同様であり、
概形計算部32Eaはスペクトラム概形Eaとそれを表すイン
デックスIEa を出力し、正規化部32Faは正規化残差係数
XNa 、パワー正規化利得Ga、利得インデックスIGa を出
力し、重み計算部34a は重み係数Vaを出力する。残差
係数XNa と重み係数Vaはそれぞれ残差インタリーブ部35
XYと重みインタリーブ部35VWに与えられる。残差インタ
リーブ部35XYは残差係数XNa、XNbの成分を並べ替え、m
個の残差小系列(ベクトル)Y1〜Ymを出力しベクトル量
子化部36に与える。重みインタリーブ部35VWは重み係
数VaとVbの成分を残差並べ替えと同じに並べ替え、m個
の重み小系列W1〜Wmを出力しベクトル量子化部36に与
える。ベクトル量子化部36は残差小系列Y1〜Ymを、そ
れぞれ対応する重み小系列W1〜Wmを使って重み付きベク
トル量子化し、量子化インデックスJ1〜Jmを出力する。
結局、図20の符号器は入力映像信号と入力音響信号に
対し、フレーム毎に量子化インデックスJ1〜Jm、概形イ
ンデックスIE a,IEb、利得インデックスIGa,IGbを符号
化結果として出力する。
【0100】図21は図20におけるフレーム間予測部
95の構成例を示す。減算器95Fは現フレームの入力
映像信号に対し、予測器95E からの前フレームで得た
予測信号を減算して差分信号Dを出力する。ベクトル量
子化部36からの現フレームの量子化インデックスJ1
Jmが再生部95A に与えられると、再生部95A はイン
デックスJ1〜Jmに対応するm個のベクトルを内部の符号
帳から読みだし(逆量子化)、残差並べ替えと逆の並べ
替えを行って残差系列XNa とXNb に対応する2系統の残
差系列を再生し、そのうち映像信号に関する残差系列X
a'を逆正規化部95B に与える。逆正規化部95B は、
残差系列Xa' に対しスペクトラム概形Eaを乗算(逆正規
化)して周波数領域係数を得て、逆変換部95C に与え
る。逆変換部95C は与えられた周波数領域係数を周波
数−時間変換して時間領域信号(再生差分信号D'に対
応)を生成し、加算器95D に与える。加算器95D は
再生差分信号D'に予測器95E からの現フレームで使用
した予測信号を加算して更新された予測信号を予測器9
5E に与える。予測器95E は更新された予測信号を保
持し、次フレームの入力映像信号に対する予測信号とし
て減算器95F に与える。
【0101】図22は図20の符号器に対する復号器の
一例を簡略化して示す。ベクトル再生部72は与えられ
た量子化インデックスJ1〜Jmからm個のベクトルY1'〜Y
m'を内部の符号帳から読みだし逆インタリーブ部76に
与える。逆インタリーブ部76は図20における残差並
べ替えと逆にベクトルY1'〜Ym'の成分を並べ替え、差分
映像信号と音響信号に対応する残差系列Xa',Xb'を出力
し、それぞれ逆正規化部65a 、65b に与える。一
方、再生部62a は、与えられた概形インデックスIEa
から差分映像信号のスペクトラム概形を再生し、更に利
得インデックスIG a により指定された利得Gaを乗算して
スペクトラム概形係数として逆正規化部65a に与え
る。逆正規化部65a は残差係数Xa' の各成分に差分映
像信号のそれぞれ対応するスペクトラム概形係数を乗算
し(逆正規化)、差分映像信号の周波数領域係数を得て
逆変換部66a に与える。逆変換部66a は与えられた
周波数領域係数を周波数−時間変換して差分映像信号D'
を生成し、加算器67に与え、予測器68に保持されて
いる前フレームの復号映像信号に加算し、加算結果を現
フレームの復号映像信号として端子51a に出力すると
共に、次フレームのために予測器68に保持する。
【0102】同様に再生部62b はインデックスIEb,I
Gbから音響信号のスペクトラム概形係数を再生し、逆正
規化部65b に与える。逆正規化部65b は残差係数X
b' の各成分に音響信号のスペクトラム概形のそれぞれ
対応する係数を乗算して音響信号の周波数領域係数を得
て、逆変換部66b に与える。逆変換部66b は与えら
れた周波数領域係数を周波数−時間変換して復号された
音響信号を端子51b に出力する。
【0103】この様に図20の実施例では映像信号と音
響信号間にパワーの偏りが生じたフレームでは、重み付
きベクトル量子化により結果的にパワーの大きい方がよ
り重要視された符号化が行われることになる。従って、
それだけ量子化歪を低減することができる。図20の実
施例では更に映像信号に対してはフレーム間予測処理を
行っているため、複数フレームに渡って画像の変化が少
ない場合には差分映像信号Dのレベルが小さくなるの
で、音響信号に対するパワーの偏りを大きくすることが
でき、それだけ映像信号と音響信号に対する符号化によ
る量子化歪を小さくすることができる。
【0104】図23AはCELP方式により左右チャン
ネルのステレオ信号を符号化する符号器にこの発明を適
用した場合の実施例を示し、図2Aと対応する部分には
同じ参照番号に左右チャンネルを表すL、Rを添えて示
してある。左チャンネルと右チャンネルの入力端子11
L、11Rに対応して図2Aと同様の構成であるLPC分
析部12L、12R、LPC合成フィルタ13L、13R
適応符号帳14L 、14R 、乗算器15L、15R、加算
器18L、18R、減算器19L、19R、聴感重み付け部
20L、20Rが設けられている。しかしながら統合雑音
符号帳16、歪計算/符号帳探索部21、重み符号化部
22は左右チャンネルに共通して設けられており、それ
ぞれ図2Aで説明したと同様に動作する。左右チャンネ
ルの入力音声信号は図2Aの場合と同様にフレーム毎に
LPC分析され、線形予測係数PL,PRが求められる。
この発明が適用されたこの実施例においても特徴的なこ
とは、統合雑音符号帳16に各インデックスCに対応し
て信号系統数(チャンネル数)と等しいフレーム数の長
さの雑音符号ベクトル(統合雑音符号ベクトル呼ぶ)
が書き込まれており、各統合雑音符号ベクトルをチャン
ネル数で等分割し、予め決めた分割部分(部分ベクト
ル)がそれぞれのチャンネルの雑音符号ベクトルとして
使用されることである。この実施例では、符号帳の各イ
ンデックスに対応して2フレーム長の統合雑音符号ベク
トルが格納されており、各統合雑音符号ベクトルの前半
と後半がそれぞれ左チャンネル用雑音符号ベクトルと右
チャンネル用雑音符号ベクトルとして使用される。統合
雑音符号帳16に対し、1つの統合雑音符号ベクトルイ
ンデックスCを指定すると、対応する特定な1対の左右
チャンネル用雑音符号ベクトルが読み出され、それぞれ
乗算器17L、17Rに与えられる。
【0105】図2Aで説明したと同様に、まずgL1=gR1
=0として各フレーム毎に左右入力音響信号に対する合
成音の歪がそれぞれ最小となる適応符号ベクトルを与え
る切り出し長SL,SRが歪み計算/符号帳探索部21で決
定され、更にそれらの切り出し長SL,SRによって生成さ
れる適応符号ベクトル(ピッチ成分ベクトル)から、そ
れぞれの系統の歪を最小とする利得gL0,gR0が計算され
る。この様にしてSL,SR,gL0,gR0が決定された状態
で、合成フィルタ13L、13Rが出力するピッチ成分合
成音が入力音響信号から減算器19L、19Rで除去さ
れ、その結果得られる雑音成分ベクトルが、次ぎに雑音
符号ベクトルを励振ベクトルとしたときの合成フィルタ
13L、13Rによる雑音成分合成音の目標とされる。こ
の目標雑音成分合成音をRL=[RL1,…,RLn]t,RR=[RR1,
…,RRn]tと表し、合成フィルタ13L、13Rのインパル
ス応答行列をHL,HRと表し、読み出された統合雑音符
号ベクトルの左右チャンネルに対応する部分ベクトルを
Lj=[CLj1,…,CLjn]t,CRj=[CRj1,…,CLjn]tと表す
と、統合歪dは次式 d=‖RL−gL1LLj2+‖RR−gR1RRj2 で表すことができる。統合歪を最小とする統合雑音ベク
トルを決めるため図2Aで説明したと同様に暫定的にg
L1=gR1=1とおくと、dminの最小値は dmin=‖RL2+‖RR2−(RL tLLj)2/‖HLLj2 −(RR tRRj)2/‖HRRj2 となる。目標値RL,RRは定数なので統合歪dを最小と
するには次式 D=(RL tLLj)2/‖HLLj2+(RR tRRj)2/‖HRRj2 を最大とする統合ベクトルCj ={CLj,CRj}を統合
雑音符号帳16から選択すればよい。次に左右チャンネ
ルのそれぞれの歪を最小とするようにgL1,gR1を決定す
る。
【0106】なお、理想的な利得は次式 gL1=RL tLLj/‖HLLj2 gR1=RR tRRj/‖HRRj2 であるから上記Dは次式 D=gL1 2‖HLLj2+gR1 2‖HRRj2 で表される。即ち、このCELPを使った実施例におい
ては、統合雑音符号帳16を使って励振信号をベクトル
量子化する処理において歪を最小とする最適な利得
gL1,gR1が自動的に決定されることを意味している。
【0107】この様にして決定された利得gL0,gR0,g
L1,gR1を符号化部22で例えばベクトル符号化して得
た符号G、及び前述の符号SL,SR,C,PL,PRが図23
Aの符号器による左右チャンネルの音響信号に対するフ
レーム毎の符号化結果として出力される。なお、上述の
図23Aでは、この発明が適用されたCELPの動作を
理解し易いように、予測分析及び符号化をフレーム毎に
行う場合について述べたが、実際には従来行われてい
に各フレームを複数のサブフレームに分割し、サブフ
レーム毎に上述の符号SL,SR,C,Gを求めるように
してもよいことは明かである。
【0108】ここで、例えば左右チャンネルの入力音響
信号のパワーがほぼ同じであれば、利得gL0 とgR0 が同
程度となり、また利得gL1とgR1も同程度となる。従って
統合雑音符号帳16から読み出された統合雑音ベクトル
の前半及び後半である1対の左チャンネル用雑音ベクト
ルと右チャンネル用雑音ベクトルは同程度の利得が与え
られてそれぞれ周期成分ベクトルと加算されて励振ベク
トルEL,ERとされるので、統合歪を最小とするように選
択したインデックスに対応する1対の左チャンネル用雑
音ベクトルと右チャンネル用雑音ベクトルは統合歪に同
程度に寄与している。このことは、左右チャンネル音響
信号の符号化にほぼ同程度の情報量が割り当てられたこ
とを意味する。
【0109】もし、左チャンネル音響信号のパワーが右
チャンネル音響信号のパワーより著しく大きい場合に
は、それぞれのチャンネルに対する合成音の歪を最小と
するように決定される適応符号ベクトルに対する利得g
L0,gR0及び雑音符号ベクトルに対する利得gL1,gR1
関係も gL0 >> gR0 及び gL1 >> gR1 となる。後者の関
係は統合雑音符号帳16から統合歪が最小となるように
統合雑音符号ベクトルを選択する過程において、左チャ
ンネルの雑音符号ベクトルの統合歪に対する寄与が右チ
ャンネル雑音符号ベクトルの寄与より著しく大となるこ
とを意味しており、従ってパワーの大きい左チャンネル
音響信号に重きをおいて符号化により多くの情報量を割
り当てたことと等価である。ただし、この実施例では時
間方向のパワーの偏りに付いては考慮していないのでフ
レーム毎に符号化に使用される全情報量は一定である。
右チャンネルの入力音響信号のパワーが左チャンネルの
音響信号より大の場合は逆に右チャンネルの雑音ベクト
ルが重要視され、右チャンネルの音響信号により多くの
符号化情報量を割り当てたことと等価になる。
【0110】この様に図23Aの符号器の実施例によれ
ば、左右チャンネルの音響信号のパワーの偏りに応じて
ビット割当を行わなくても、自動的にかつ柔軟に符号化
情報量が配分されるが、雑音符号帳は左右チャンネルよ
うに別々に設ける必要はなく、1つの統合雑音符号帳だ
けでよい。また、決定された利得gL1,gR1に誤りがあっ
ても全体の情報が混乱することもない。図23Bは図2
3Aの符号器によりフレーム毎に得られた符号SL,SR
PL,PR,G,Cから左右チャンネルの音響信号を復号す
る復号器の実施例を示し、図2Bと対応する部分には同
じ参照番号に左右チャンネルを表すL,Rを添えて示し
てある。この復号器は図2Bにおける合成フィルタ5
2、乗算器55、57、加算器58をそれぞれ左右両チ
ャンネルに設けるが、重み復号部53と統合雑音符号帳
56は1つずつ設けられており、統合雑音符号帳56は
図23Aにおける統合雑音符号帳16と同じものであ
る。符号SL,SRは適応符号帳54L、54Rに与えられ、
そこに保持されている直前のフレームの励振ベクトルに
対する切り出し長をそれぞれ指定する。重み復号部53
は符号Gから利得gL0,gL1,gR0,gR1を復号してそれぞ
れ乗算器55L、57L、55R、57Rに与える。
【0111】適応符号帳54L、54Rは、符号SL,SR
指定された長さの部分ベクトルを前フレームの励振ベク
トルから切り出し、それらのコピーを繰り返し接続して
1フレーム長の適応符号ベクトルを生成して乗算器55
L、55Rに与える。乗算既55L、55Rはそれらの適応
符号ベクトルに利得gL0,gR0をそれぞれ乗算して加算器
58L、58Rに与える。線形予測係数を表す符号PL,PR
は線形予測合成フィルタ52L、52Rにフィルタ係数と
して与えられる。インデックス符号Cにより指定された
統合雑音符号ベクトルが統合雑音符号56から読み出
され、その前半と後半がそれぞれ乗算器57L、57R
与えられ、利得gL0,gR0と乗算される。乗算結果は加算
器58L、58Rで適応符号ベクトルと加算され、励振ベ
クトルEL,ERが生成され、それらは線形予測合成フィル
タ52L、52Rに与えられ、左チャンネル及び右チャン
ネルの音声が合成され、端子51L、51Rに出力され
る。左右チャンネルの信号L,Rの類似度が大きいとき
は、L+R,L−R信号に変換してそれぞれ入力するこ
とによりL+R信号にパワーを集中させることができる
ので、上述の符号化を行うことにより更に歪を小さくす
ることができる。
【0112】図23Aの実施例において、適応符号帳1
L、14Rを省略し、統合雑音符号帳16の代わりに励
振ベクトルを統合ベクトルとして有する統合符号帳を使
ってものよいことは図2Aで説明した場合と同様であ
る。また、図23Aで線形予測分析部12L、12Rは、
過去のフレームにおける合成フィルタ13L、13Rの出
力合成音をLPC分析して予測係数PL、PRを決定しても
よい。これらの変形に対応して図23Bの復号器におい
ても適応符号帳54L、54Rを省略し、統合雑音符号帳
56の代わりに多数の励振ベクトルをインデックスに対
応して有する統合符号帳を使ってもよい。また、合成フ
ィルタ52L、52Rに与える線形予測係数PL、PRは、外
部から受信したものを使う代わりに、合成フィルタ52
L、52Rの過去の出力合成音をLPC分析して求めても
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aは従来の適応ビット割当てスカラー量子化に
よる符号化を行う符号器のブロック図、BはAの符号器
に対する復号器を示すブロック図。
【図2】Aは従来のCELPを使った符号器のブロック
図、BはAの符号器に対する復号器のブロック図。
【図3】Aはこの発明の原理による符号器を説明するた
めのブロック図、Bはこの発明の原理による復号器を説
明するためのブロック図。
【図4】Aはこの発明を変換符号化方に適用した場合の
符号器の例を示すブロック図、BはAにおける残差/概
形計算部の構成例を示すブロック図。
【図5】入力信号のフレームごとのサブフレームへの分
割と、各サブチャンネルにおけるLOT処理のためのフ
レームを示すタイムチャート。
【図6】Aは図4Aの概形計算部32Eにおいて予測系
数からスペクトラム概形を得る手順を示す図、Bは図6
Aの変形手順を示す図。
【図7】左チャネル、右チャネルの各フレームを2分割
した場合の残差系列ベクトルの要素とそれらに対するイ
ンタリーブ法を示すベクトル要素配列図。
【図8】図7のインタリーブ法の変形を示すベクトル要
素配列図。
【図9】ベクトル量子化部の構成を示すブロック図。
【図10】Aは図4Aの各残差/概形計算部の他の例を
示すブロック図、Bは図4Aの各残差/概形計算部の更
に他の例を示すブロック図。
【図11】図4Aの符号器に対する復号器の例を示すブ
ロック図。
【図12】Aは図4Aの符号器において複数のインタリ
ーブ法を選択する構成例を示すブロック図、Bは図12
Aの符号器に対する復号側の並べ替え法の切替えのため
の構成例を示すブロック図。
【図13】信号が過渡的状態のフレームのみサブフレー
ムに分割して符号化する構成とした符号器の機能構成を
示すブロック図。
【図14】図13の符号器におけるフレーム分割と、過
渡的フレームのサブフレームへの分割と、各MDCTに
おける各窓関数との例を示す図。
【図15】図13の符号器に対応する復号器の機能構成
例を示すブロック図。
【図16】図13の符号化方法をステレオ信号の符号化
に適用した符号器の機能構成例を示すブロック図。
【図17】図16の符号器に対応する復号器の機能構成
例を示すブロック図。
【図18】図13及び16の符号器において残差係数の
代わりに微細構造係数を符号化するように変形した場合
の変形部の構成を示すブロック図。
【図19】図15及び17の復号器において図18の変
形に対応した変形部の構成を示すブロック図。
【図20】映像信号と音響信号を多重化して符号化する
場合にこの発明を適用した符号器の構成を示す機能ブロ
ック図。
【図21】図20におけるフレーム間予測部95の構成
例を示すブロック図。
【図22】図20の符号器に対応する復号器の構成を示
すブロック図。
【図23】AはCELPに適用した場合のこの発明の符
号器の例を示すブロック図、BはAの符号器に対する復
号器のブロック図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−22151(JP,A) 特開 平4−129430(JP,A) 特開 平5−35295(JP,A) 国際公開93/000703(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10L 19/00 G10L 19/12

Claims (57)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の系統の信号を一括して符号化する
    符号化方法において、以下のステップを含む符号化方
    法、 (a) 各上記系統において予め決めた長さの区間毎にその
    区間の信号のパワーを求め、そのパワーに基づいて重み
    を決定し、 (b) 各上記系統において上記区間毎にその区間の信号を
    上記パワーで正規化して正規化信号を生成すると共に、
    その正規化利得を表す利得インデックスを出力し、 (c) 上記複数の系統の上記正規化信号を予め決めた配列
    で互いに組み合わせて並びかえ、少なくとも1系列の信
    号ベクトルとして生成し、 (d) 上記複数の系統の上記重みを上記正規化信号と同じ
    配列で互いに組み合わせて並びかえ、少なくとも1系列
    の重みベクトルとして生成し、 (e) 上記信号ベクトルを上記重みベクトルで重み付きベ
    クトル量子化し、その量子化ベクトルを表す量子化イン
    デックスを出力し、 (f) 上記量子化インデックスと、上記利得インデックス
    とを上記複数系統の信号に対する符号化結果の少なくと
    も一部として出力する。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の符号化方法における上記
    ステップ(a) は、 (a-1) 上記区間の信号を時間−周波数変換して周波数領
    域係数を求め、 (a-2) 上記周波数領域係数の概形を求め、 (a-3) 上記周波数領域係数をスペクトラム概形で正規化
    して残差係数を求め、上記残差係数のパワーに基づいて
    上記重みを決定することを特徴とし、上記ステップ(b)
    は上記区間の上記残差係数を上記パワーで正規化して正
    規化残差係数を上記正規化信号として求めるステップで
    ある。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の符号化方法において、上
    記ステップ(a-1) の上記時間−周波数変換は変形離散コ
    サイン変換である。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の符号化方法におい
    て、上記ステップ(a-3) は少なくとも上記パワーと上記
    概形とに基づいて上記重みを決定する。
  5. 【請求項5】 請求項2、3又は4記載の符号化方法に
    おいて、上記ステップ(a-3) は更に聴感重みに基づいて
    重みを決定する。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の符号化方法において、単
    一系統の入力信号から一定周期毎に上記区間の長さの信
    号を抽出して上記複数の系統に順次循環して分配するこ
    とにより上記複数系統の信号を生成するステップを含
    む。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の符号化方法において、各
    上記系統における上記区間の長さは上記周期の長さの2
    倍とされ、上記ステップ(a) は、 (a-1) 上記区間の信号を変形離散コサイン変換により周
    波数領域係数に変換し、 (a-2) 上記周波数領域係数の概形を求め、 (a-3) 上記周波数領域係数をその概形で正規化して残差
    係数を求め、上記残差係数のパワーに基づいて上記重み
    を決定するステップを含み、上記ステップ(b)は上記区
    間の上記残差係数を上記パワーで正規化して正規化残差
    係数を上記正規化信号として求めるステップである。
  8. 【請求項8】 請求項2、3、4、5又は7記載の符号
    化方法において、上記ステップ(a-2) は、上記区間の信
    号を線形予測分析して予測係数を求め、上記予測係数を
    量子化し、その量子化された予測係数をフーリエ変換し
    て上記概形を求めるそれぞれのステップを含み、上記ス
    テップ(f) は上記予測係数の量子化を表すインデックス
    を上記概形に対応する情報として上記信号に対する符号
    化結果の他の一部として出力する。
  9. 【請求項9】 請求項2、3、4、5又は7記載の符号
    化方法において、上記ステップ(a-2) は上記区間の上記
    周波数領域係数の絶対値を逆フーリエ変換して時間領域
    信号とし、上記時間領域信号を線形予測分析して予測係
    数を求め、上記予測係数を量子化し、その量子化された
    予測係数をフーリエ変換して上記概形を求めるステップ
    を含み、上記ステップ(f) は上記予測係数の量子化を表
    すインデックスを上記概形に対応する情報として上記信
    号に対する符号化結果の他の一部として出力する。
  10. 【請求項10】 請求項2、3、4、5又は7記載の符
    号化方法において、上記ステップ(a-2) は上記周波数領
    域係数を複数の小帯域に分割し、それぞれの上記小帯域
    の周波数領域係数を代表するスケールファクタを決定
    し、それぞれの上記小帯域の上記スケールファクタを量
    子化して量子化されたスケールファクタを上記概形とし
    て求めるステップを含み、上記ステップ(f) は上記量子
    化スケールファクタを表すインデックスを上記概形に対
    応する情報として上記信号に対する符号化結果の他の一
    部として出力する。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれかに記載の
    符号化方法において、上記ステップ(c) 及び(d) におけ
    る予め決めた配列は上記区間毎にそれぞれの上記系統か
    らの上記残差係数の全ての要素を、予めメモリ手段に格
    納されている配列のマッピングに従って並び替え、予め
    決めた数の上記信号ベクトルとして生成し、それぞれの
    上記系統からの上記重みの全ての要素を、上記メモリ手
    段に格納されている同じ配列のマッピングに従って並び
    替え、予め決めた数の上記重みベクトルとして生成す
    る。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至10のいずれかに記載の
    符号化方法において、複数種類の配列のマッピングが予
    めメモリ手段に格納されており、上記ステップ(c) は上
    記複数のマッピングのそれぞれを使った場合について上
    記ステップ(e) におけるベクトル量子化を行ってそのベ
    クトル量子化の際に求められる量子化歪が最小となるマ
    ッピングを選択し、上記ステップ(f) は上記量子化歪が
    最小となる量子化インデックスと、選択したマッピング
    を表す符号を上記符号化結果の他の一部として出力す
    る。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載の符号化方法におい
    て、上記予め決めた1つの系統の信号は映像信号であ
    る。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の符号化方法におい
    て、上記複数系統の上記予め決めた1つの系統における
    上記ステップ(a) は、上記信号を上記区間毎に予測処理
    を行って差分信号を生成し、上記差分信号のパワーを求
    め、そのパワーに基づいて上記重みを決定するステップ
    であり、上記予め決めた1つの系統における上記ステッ
    プ(b) は上記差分信号を上記パワーで正規化し、上記正
    規化信号とするステップである。
  15. 【請求項15】 請求項13又は14記載の符号化方法
    において、予め決めた他の1つの上記系統の信号は音響
    信号である。
  16. 【請求項16】 請求項1乃至15のいずれかに記載の
    符号化方法において、更に次のステップを含む符号化方
    法、 (g) 単一系統の入力信号を一定周期のフレーム毎に分割
    し、その各フレームが定常的であるか又は過渡的である
    かを判定し、 (h) 過渡的フレームと判定されると、そのフレームの入
    力信号を上記一定長の区間毎に分割して上記複数系統の
    信号として分配し、上記ステップ(a) 〜(f) を実行し、 (i) 上記フレームが定常的であれば、上記フレームの上
    記入力信号のパワーを求め、そのパワーに基づいて重み
    を決定し、 (j) そのフレームの上記単一系統の上記入力信号を上記
    パワーで正規化して正規化信号を得て、その正規化利得
    を表す利得インデックスを出力し、 (k) 上記入力信号の上記正規化信号を並べ替えして少な
    くとも1系列の信号ベクトルを生成し、 (l) 上記入力信号の上記重みを上記入力信号の正規化信
    号と同じように並べ替えして少なくとも1系列の重みベ
    クトルを生成し、 (m) 上記ステップ(k) で生成した上記信号ベクトルと同
    じ長さの異なる複数の量子化ベクトルをそれぞれの量子
    化インデックスに対応して有する符号帳を探索し、上記
    ステップ(j) の上記正規化信号に対し、上記ステップ
    (l) の上記重みベクトルによる重み付け距離が最小とな
    る量子化ベクトルを選択し、その対応する量子化インデ
    ックスを決定し、 (n) 上記ステップ(i) での上記パワーによる正規化利得
    を表す利得インデックスと上記ステップ(m) で決定した
    上記量子化インデックスを定常的フレームでの上記入力
    信号に対する符号化結果の少なくとも一部として出力す
    る。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の符号化方法におい
    て、上記複数の系統のそれぞれにおける上記ステップ
    (a) は、 (a-1) 上記区間の上記信号を時間−周波数変換して周波
    数領域係数を求め、 (a-2) 上記区間の上記信号のスペクトラム概形を求め、 (a-3) 上記周波数領域係数を上記スペクトラム概形で正
    規化し残差係数を求め、上記残差係数のパワーに基づい
    て重みを決定する、 ステップを含み、 上記ステップ(f) は上記スペクトラム概形を表す概形イ
    ンデックスを上記符号化結果の他の一部として出力す
    る。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の符号化方法におい
    て、上記過渡的フレームにおける各区間毎の上記ステッ
    プ(f) は上記複数の系統のそれぞれの概形インデックス
    の組及び上記利得インデックスの組の少なくとも一方を
    一括して量子化し、対応する量子化符号を上記符号化結
    果の一部として出力する。
  19. 【請求項19】 請求項16、17又は18記載の符号
    化方法において、上記ステップ(i) は、定常的と判定さ
    れたフレームの上記入力信号を予測符号化し、それによ
    って得られる符号を定常的フレームでの上記入力信号に
    対する符号化結果の少なくとも一部として出力する。
  20. 【請求項20】 請求項16、17又は18記載の符号
    化方法において、上記ステップ(i) は、 (i-1) 定常的と判定された上記フレームの上記入力信号
    を時間−周波数変換して周波数領域係数を求め、 (i-2) 上記フレームにおける上記入力信号のスペクトラ
    ム概形と平均パワーを求め、 (i-3) 上記周波数領域係数を上記スペクトラム概形と上
    記平均パワーで正規化し、その結果得られる正規化残差
    係数を上記正規化信号として出力する、 ステップを含み、 上記ステップ(f) は上記平均パワーを表す利得インデッ
    クスと上記スペクトラム概形を表す概形インデックスを
    上記定常的なフレームの上記入力信号に対する符号化結
    果の一部として出力する。
  21. 【請求項21】 請求項16、17又は18記載の符号
    化方法において、上記ステップ(i) は、 (i-1) 定常的と判定された上記フレームにおける上記入
    力信号を時間−周波数変換して周波数領域係数を求め、 (i-2) 上記フレームにおける上記入力信号のスペクトラ
    ム概形を求め、 (i-3) 上記周波数領域係数を上記スペクトラム概形で正
    規化し、その結果得られる残差係数を求め、 (i-4) 上記残差係数の概形を過去のフレームの残差係数
    から予測し、 (i-5) 上記残差係数をその予測した概形で正規化して微
    細構造係数を生成する、ステップを含み、 上記ステップ(j) は上記微細構造係数の平均パワーを求
    め、上記微細構造係数を上記平均パワーで正規化して得
    られる正規化微細構造係数を上記正規化信号として出力
    するステップを含み、 上記ステップ(f) は上記平均パワーを表す利得インデッ
    クスと上記スペクトラム概形を表す概形インデックスを
    上記符号化結果の他の一部として出力する。
  22. 【請求項22】 複数の系統の入力音響信号をそれぞれ
    フレーム毎に線形予測分析して予測係数を求め、線形予
    測合成フィルタのフィルタ係数として与え、上記フレー
    ム毎に符号帳から選択したフレーム長の励振ベクトルに
    利得を乗じて上記線形予測合成フィルタに与え、それに
    よって合成された音響信号と上記入力音響信号との間の
    距離尺度が最小となる上記符号帳の励振ベクトルとそれ
    に対する利得を決定する符号化方法において、 上記符号帳はそれぞれのインデックスに対応して上記フ
    レーム長の上記系統数倍の統合ベクトルが予め書き込ま
    れた統合符号帳であり、上記複数の系列にそれぞれ対応
    して複数の上記線形予測合成フィルタを設け、以下のス
    テップを含むことを特徴とする符号化方法、 (a) 上記複数の系統においてフレーム毎に線形予測分析
    により予測係数を求め、対応するそれぞれの線形予測合
    成フィルタにフィルタ係数として与え、 (b) 上記統合符号帳から読み出した各統合ベクトルのそ
    れぞれ予め決められた部分の部分ベクトルをそれぞれ対
    応する系統の上記線形予測合成フィルタの励振成分ベク
    トルとして与え、上記複数の系統の距離尺度の和が最小
    となるように統合ベクトルを選択し、 (c) 選択された上記統合ベクトルのそれぞれの系統に対
    応する励振成分ベクトルに対する利得を計算し、 (d) 上記選択された統合ベクトルを表す統合符号インデ
    ックスと、上記統合ベクトルの上記複数の系統にそれぞ
    れ対応する励振成分ベクトルに対する上記利得を表す符
    号とを上記複数系統の入力音響信号に対する符号化結果
    の少なくとも一部として出力する。
  23. 【請求項23】クトル量子化インデックスに対応し
    複数の統合ベクトルを格納した統合符号帳を使って複
    数系統の信号を復号する復号方法であり、以下のステッ
    プを含む復号方法、 (a) 一定の区間毎に入力されたベクトル量子化インデッ
    クスに対応する少なくとも1つの統合ベクトルを上記統
    合符号帳から読み出し、 (b) 上記ステップ(a) で得られた統合ベクトルの要素を
    予め決めた配列に並べ替えて複数系統の正規化信号を生
    成し、 (c) 一定長の区間毎に入力された利得インデックスから
    系統ごとの正規化利得を再生し、上記正規化利得により
    上記複数系統中の対応する系統の正規化信号を逆正規化
    して上記複数系統の信号を再生する。
  24. 【請求項24】 請求項23記載の復号方法において、
    上記ステップ(c) は以下のステップを含む: (d) 記区間毎にそれぞれ入力された概形インデックス
    からスペクトラム概形を上記複数の系統毎に再生し、逆
    正規化された上記正規化信号に乗算して周波数領域係数
    を得て、 (e) 系統の上記周波数領域係数を上記区間毎に周波数
    −時間変換して時間領域信号に変換し、上記複数系統の
    信号を生成する。
  25. 【請求項25】 請求項24記載の復号方法において、
    上記ステップ(e) の周波数−時間変換は逆変形離散コサ
    イン変換である。
  26. 【請求項26】 請求項24又は25記載の復号方法に
    おいて、上記ステップ(e) は系統ごとに上記時間領域信
    号を予め決めた時間順に順次結合して1つの統合された
    再生信号とするステップを含む。
  27. 【請求項27】 請求項23乃至26のいずれかに記載
    の復号方法において、上記ステップ(b) は上記区間毎に
    入力された配列マッピングを表すインデックスにより、
    予め決められた複数の並べ替えマッピングの1つを選択
    し、その選択された並べ替えマッピングに従って上記並
    べ替えを行う。
  28. 【請求項28】 請求項23乃至27のいずれかに記載
    の復号方法において、入力された状態符号を復号して定
    常的フレームであるか過渡的フレームであるかを判別
    し、過渡的フレームであれば、そのフレームに対し上記
    ステップ(a) 〜(c) を実行し、各区間で上記複数系統に
    得られた再生信号を時間的に順次ずらして合成して上記
    区間の整数倍の長さのフレームの信号とし、定常的フレ
    ームであれば、そのフレームに対し以下のステップを実
    行する: (d) 上記フレームに対し入力された少なくとも1つのベ
    クトル量子化インデックスに対応する少なくとも1つの
    統合ベクトルを統合符号帳から読み出し、 (e) 上記ステップ(d) で得られた統合ベクトルの要素を
    予め決めた配列に並べ替えて単一系統の正規化信号を生
    成し、 (f) 上記フレームに対し入力された利得インデックスか
    ら正規化利得を再生し、上記正規化利得により上記単一
    系統の正規化信号を逆正規化して再生信号として出力す
    る。
  29. 【請求項29】 請求項28記載の復号方法において、
    上記ステップ(c) は以下のステップを含む: (c-1) 上記複数の系統に対しそれぞれ入力された概形イ
    ンデックスからスペクトラム概形を再生し、上記スペク
    トラム概形を、逆正規化された上記正規化信号に乗算し
    て周波数領域係数を得て、 (c-2) 上記ステップ(c-1) で得られた各系統の上記周波
    数領域係数を周波数−時間変換して時間領域信号に変換
    し、上記複数系統の上記再生信号として出力する。
  30. 【請求項30】 請求項28又は29記載の復号方法に
    おいて、上記フレームが定常的フレームの場合、上記ス
    テップ(f) は以下のステップを含む: (f-1) 上記フレームに対し入力された概形インデックス
    からスペクトラム概形を再生し、逆正規化された上記正
    規化信号から上記スペクトラム概形を使って周波数領域
    係数を得て、 (f-2) 上記ステップ(f-1) で得られた上記周波数領域係
    数を周波数−時間変換して時間領域信号に変換し、上記
    再生信号として出力する。
  31. 【請求項31】 請求項30記載の復号方法において、
    上記ステップ(f-1)は逆正規化された上記正規化信号を
    微細構造係数として再生し、その微細構造係数を過去の
    フレームから予測した残差概形で逆正規化して残差係数
    を得、上記残差係数に上記スペクトラム概形を乗算して
    上記周波数領域係数を得るステップである。
  32. 【請求項32】 請求項31記載の復号方法において、
    上記残差概形は過去の定常的フレームにおける上記ステ
    ップ(f-1) で求めた残差係数からその概形として求め
    る。
  33. 【請求項33】 請求項31載の復号方法において、上
    記残差概形は過去の過渡的フレームにおける1つの区間
    で概形インデックスから再生されたスペクトラム概形か
    ら求める。
  34. 【請求項34】 請求項29記載の復号方法において、
    上記状態符号が過渡的フレームを示す場合に、各系統に
    おいて上記ステップ(c-1) において再生された1つの区
    間の上記スペクトラム概形を、上記フレーム内のすべて
    の区間に共通に利用する。
  35. 【請求項35】 請求項23乃至32のいずれかに記載
    の復号方法において、上記複数の系統のうちの予め決め
    た1つにおいて上記ステップ(c) は逆正規化された上記
    正規化信号を差分信号として得て、現区間の上記差分信
    号に前区間の再生信号を加算して現区間の再生信号を得
    るステップを含む。
  36. 【請求項36】 入力されたインデックスにより符号帳
    から雑音ベクトルを読み出し、その雑音ベクトルに入力
    された利得符号を乗算して励振ベクトルとし、その励振
    ベクトルを、予測係数をフィルタ係数とする合成フィル
    タに与えて、音響信号を合成する復号方法により複数系
    統の音響信号を復号する方法であり、 上記符号帳は、統合符号インデックスに対応して上記フ
    レーム長の上記系統数倍の統合雑音ベクトルが予め書き
    込まれた統合符号帳であり、上記合成フィルタは、上記
    複数の系統に対応してそれぞれ設けられ、以下のステッ
    プを含むことを特徴とする復号方法、 (a) 入力された統合符号インデックスにより上記統合符
    号帳を参照して対応する統合雑音ベクトルを読み出し、
    その統合ベクトルの上記複数の系統にそれぞれ対応する
    部分の部分ベクトルを切り出してそれぞれ対応する系統
    に与え、 (b) 入力された利得符号から上記複数の系統に対応した
    部分ベクトルに対する利得をそれぞれ再生し、それぞれ
    対応する上記部分ベクトルに乗算して励振ベクトルを求
    め、 (c) 各上記系統において、その系統の予測係数がフィル
    タ係数として与えられたその系統の合成フィルタにその
    系統の上記励振ベクトルを与えて音響信号を合成し、そ
    の系統の再生音響信号として出力する。
  37. 【請求項37】 複数の系統の信号を一括して符号化す
    る符号器であり、 各上記系統に対し設けられ、予め決めた長さの区間毎に
    そのパワーに基づいて重みを決定し、その区間の信号の
    パワーを求め、その区間の信号を上記パワーで正規化し
    て正規化信号を生成すると共に、その正規化利得を表す
    利得インデックスを出力するパワー正規化手段と、 上記複数の系統の上記パワー正規化手段からの上記正規
    化信号を予め決めた配列で互いに組み合わせて並べか
    、少なくとも1系列の信号ベクトルとして生成する信
    号配列組み合わせ手段と、 上記複数の系統の上記パワー正規化手段からの上記重み
    を上記正規化信号と同じ配列で互いに組み合わせて並べ
    かえ、少なくとも1系列の重みベクトルとして生成する
    重み配列組み合わせ手段と、 上記信号ベクトルを上記重みベクトルで重み付きベクト
    ル量子化し、その量子化ベクトルを表す量子化インデッ
    クスを出力するベクトル量子化手段、 とを含み、上記量子化インデックスと、上記利得インデ
    ックスとは上記複数系統の信号に対する符号化結果の少
    なくとも一部として出力されることを特徴とする符号
  38. 【請求項38】 請求項37記載の符号器において、更
    に各上記系統に対し上記区間の信号を時間−周波数変換
    して周波数領域係数を求め、その周波数領域係数をその
    スペクトラム概形で正規化して残差係数を求める残差概
    形計算手段と、上記残差係数のパワーに基づいて上記重
    みを決定することを特徴とし、上記パワー正規化手段は
    上記区間の上記残差係数を上記パワーで正規化して正規
    化残差係数を上記正規化信号として求める手段である
    とを特徴とする符号器
  39. 【請求項39】 請求項38記載の符号器において、上
    記残差概形計算手段が行う上記時間−周波数変換は変形
    離散コサイン変換であることを特徴とする符号器
  40. 【請求項40】 請求項38記載の符号器において、各
    上記系統の上記残差概形計算手段は、上記区間の信号を
    線形予測分析して予測係数を求める線形予測分析手段
    と、上記予測係数を量子化しその量子化を表すインデッ
    クスを出力する係数量子化手段と、その量子化された予
    測係数をフーリエ変換して上記概形を求める概形計算手
    段とを含み、上記予測係数の量子化を表すインデックス
    は上記概形に対応する情報として上記信号に対する符号
    化結果の他の一部として出力されることを特徴とする符
    号器
  41. 【請求項41】 請求項38記載の符号器において、各
    系統の上記残差概形計算手段は、上記区間の上記周波数
    領域係数の絶対値を求める絶対値手段と、上記絶対値を
    逆フーリエ変換して時間領域信号とする逆フーリエ変換
    手段と、上記時間領域信号を線形予測分析して予測係数
    を求める線形予測分析手段と、上記予測係数を量子化し
    その量子化予測係数を表すインデックスを出力する係数
    量子化手段と、その量子化予測係数をフーリエ変換して
    上記概形を求める概形計算手段とを含み、上記予測係数
    の量子化を表すインデックスは上記概形に対応する情報
    として上記信号に対する符号化結果の他の一部として出
    力されることを特徴とする符号器
  42. 【請求項42】 請求項38記載の符号器において、各
    系統の上記残差概形計算手段は、上記周波数領域係数を
    複数の小帯域に分割し、それぞれの上記小帯域の周波数
    領域係数を代表するスケールファクタを決定するスケー
    ルファクタ計算手段と、それぞれの上記小帯域の上記ス
    ケールファクタを量子化して量子化されたスケールファ
    クタを上記概形として求めるスケールファクタ量子化手
    段を含み、上記量子化スケールファクタを表す上記イン
    デックスは上記概形に対応する情報として上記信号に対
    する符号化結果の他の一部として出力されることを特徴
    とする符号器
  43. 【請求項43】 請求項37乃至42のいずれかに記載
    の符号器において、複数の異なる配列マッピングが格納
    されたメモリ手段が設けられ、上記複数の異なる配列マ
    ッピングに対応して上記信号配列組み合わせ手段、上記
    重み配列組み合わせ手段及び上記ベクトル量子化手段の
    組が複数設けられており、複数系統の上記パワー正規化
    手段からの上記正規化信号に対する、上記複数の組によ
    るベクトル量子化の際にそれぞれ求められる量子化歪が
    与えられ、それらの量子化歪を比較し、最小の量子化歪
    を与えた組に対応する配列マッピングを表す符号を出力
    する比較手段と、上記比較手段からの符号に応答して上
    記複数の組からの対応する量子化インデックスを選択出
    力する選択手段とが設けられ、上記量子化歪が最小とな
    る量子化インデックスと、選択した配列マッピングを表
    す符号が上記符号化結果の他の一部として出力される
    とを特徴とする符号器
  44. 【請求項44】 請求項37乃至43のいずれかに記載
    の符号器において、上記複数系統の予め決めた1つに対
    し、上記信号を上記区間毎に予測処理を行って差分信号
    を生成する予測手段が設けられ、上記パワー正規化手段
    は上記差分信号のパワーを求め、そのパワーに基づいて
    上記重みを決定し、上記差分信号を上記パワーで正規化
    し、上記正規化信号とする手段であることを特徴とする
    符号器
  45. 【請求項45】 請求項37乃至44のいずれかに記載
    の符号器において、更に単一系統の入力信号を一定周期
    のフレーム毎にそのフレームが定常的であるか又は過渡
    的であるかを判定する状態判定手段と、 過渡的フレームと判定されると、そのフレームの入力信
    号を上記一定長の区間毎に分割して上記複数系統の信号
    として分配するサブフレーム分割手段と、 定常的と判定された上記フレームの上記入力信号のパワ
    ーを求め、そのパワーに基づいて重みを決定し、そのフ
    レームの上記単一系統の上記入力信号を上記パワーで正
    規化して定常フレーム正規化信号を得て、その正規化利
    得を表す定常フレーム利得インデックスを出力する定常
    フレームパワー正規化手段と、 上記定常的フレームの入力信号の上記定常フレーム正規
    化信号を並べ替えして少なくとも1系列の定常フレーム
    信号ベクトルを生成する定常フレーム信号配列組み合わ
    せ手段と、 上記定常フレームの入力信号の上記重みを上記入力信号
    の正規化信号と同じように並べ替えして少なくとも1系
    列の定常フレーム重みベクトルを生成する定常フレーム
    重み配列組み合わせ手段と、 上記定常フレーム信号ベクトルと同じ長さの異なる複数
    の量子化ベクトルをそれぞれの量子化インデックスに対
    応して有する定常フレーム符号帳を有し、それを探索
    し、上記定常フレーム正規化信号に対し、上記定常フレ
    ーム重みベクトルによる重み付け距離が最小となる量子
    化ベクトルを選択し、その対応する定常フレーム量子化
    インデックスを決定する定常フレームベクトル量子化手
    段と、 が設けられ、上記定常フレーム利得インデックスと上記
    定常フレーム量子化インデックスは定常的フレームでの
    上記入力信号に対する符号化結果の少なくとも一部とし
    て出力されることを特徴とする符号器
  46. 【請求項46】 請求項45記載の符号器において、 定常的と判定された上記フレームにおける上記入力信号
    を時間−周波数変換して周波数領域係数を求め、上記フ
    レームにおける上記入力信号のスペクトラム概形を求
    め、上記周波数領域係数を上記スペクトラム概形で正規
    化し、その結果得られる残差係数を求める定常フレーム
    残差概形計算手段と、 上記残差係数の概形を過去のフレームの残差係数から予
    測する残差概形予測手段と、 上記残差係数をその予測した概形で正規化して微細構造
    係数を生成する残差概形正規化手段と、 上記微細構造係数の平均パワーを求め、上記微細構造係
    数を上記平均パワーで正規化して得られる正規化微細構
    造係数を上記定常フレーム正規化信号として出力する定
    常フレームパワー正規化手段と、 を含み、上記微細構造係数の平均パワーを表す定常フレ
    ーム利得インデックスと上記定常フレームスペクトラム
    概形を表す概形インデックスは上記符号化結果の他の一
    部として出力されることを特徴とする符号器
  47. 【請求項47】 複数の系統の入力音響信号を符号化す
    る符号器であり、 記系統毎及びフレーム毎に線形予測分析により予測係
    数を得る線形予測分析手段と、 フレーム長を上記系統数倍した長さの複数の統合ベクト
    ルがそれぞれの統合符号インデックスに対応して予め書
    き込まれてあり、任意の1つの上記統合ベクトルが読出
    されるとその統合ベクトルのそれぞれ予め決められた部
    分の部分ベクトルそれぞれ対応する複数系統に与え
    合符号帳手段と、 上記系統毎に、上記統合符号帳から読み出された統合ベ
    クトルのそれぞれの部分の部分ベクトルに利得を乗算し
    て励振ベクトルをそれぞれ生成する重み付け手段と、 上記複数系統のうち対応する系統の上記線形予測分析
    手段からの上記予測係数がフィルタ係数として与えら
    れ、対応する系統の上記励振ベクトルが与えられて音響
    信号を合成する合成フィルタ手段と、 上記複数系うち対応する系統の上記合成フィルタ手
    段からの合成音響信号と上記複数の系統中の対応する系
    統の入力音響信号との差分を求める減算手段と、 上記減算手段からの差分から上記合成音響信号と上記入
    力音響信号間の距離尺度を求め、それらの距離尺度の総
    和を統合歪として求め、上記統合歪が最小となる統合ベ
    クトルを上記統合符号帳から選択し、その選択された統
    合ベクトルのそれぞれの上記部分ベクトルに対し、上記
    統合歪を最小とした時の上記利得をそれぞれ計算する歪
    計算/符号帳探索手段と、 を含み、決定された上記利得を表す符号と選択された上
    記統合ベクトルを表す統合符号インデックスを上記複数
    系統の入力音響信号に対するフレーム毎の符号化結果の
    少なくとも一部として出力することを特徴とする符号
  48. 【請求項48】クトル量子化インデックスに対応し
    複数の統合ベクトルを格納した統合符号帳を使って複
    数系統の信号を復号する復号器であり、 一定の区間毎に入力された少なくとも1つの量子化イン
    デックスに対応する少なくとも1つの統合ベクトルを統
    合符号帳から読み出す手段と、 上記統合ベクトルの要素を予め決めた配列に並べ替えて
    複数系統の正規化信号を生成する逆配列手段と、 一定の区間毎に入力された利得インデックスから系統ご
    との正規化利得を再生し、上記正規化利得により上記複
    数系統の対応する系統の正規化信号を逆正規化して上記
    複数系統の信号を再生する逆正規化手段と、 を含むことを特徴とする復号器。
  49. 【請求項49】 請求項48記載の復号器において、 記区間毎にそれぞれ入力された概形インデックスから
    スペクトラム概形を再生し、上記複数の系統毎に逆正規
    化された上記正規化信号に乗算して周波数領域係数を得
    る周波数領域係数再生手段と、 系統の上記周波数領域係数を上記区間毎に周波数−時
    間変換して時間領域信号に変換し、上記複数系統の信
    として再生する周波数−時間変換手段とを含むことを特
    徴とする復号器
  50. 【請求項50】 請求項48又は49記載の復号器にお
    いて、上記時間領域信号を系統毎に予め決めた時間順に
    順次結合して少なくとも1つの統合された再生信号とす
    るフレーム合成手段が設けられていることを特徴とする
    復号器
  51. 【請求項51】 請求項4849又は50記載の復号
    器において、複数の異なる配列マッピングが予め格納さ
    れているメモリ手段が設けられており、上記逆配列手段
    は上記区間毎に入力された配列マッピングを表すインデ
    ックスにより、上記メモリ手段中の複数の配列マッピン
    グの1つを選択し、その選択された配列マッピングに従
    って上記配列を行うことを特徴とする復号器
  52. 【請求項52】 請求項48乃至51のいずれかに記載
    の復号器において、 更に入力された状態符号を復号して定常的フレームであ
    るか過渡的フレームであるかを判別し、過渡的フレーム
    に対し上記複数系統の上記逆正規化手段による再生を実
    行し、各区間で上記複数系統に得られた再生信号を時間
    的に順次ずらして合成して上記区間の整数倍の長さのフ
    レームの信号とするフレーム合成手段が設けられてお
    り、常的フレームに対し、定常フレーム用の統合ベクト
    ルが定常フレームインデックスに対応して書き込まれて
    いる定常フレーム統合符号帳と、入力された少なくとも
    1つの量子化インデックスに対応して上記統合符号帳か
    ら読み出された少なくとも1つの統合ベクトルの要素を
    予め決めた配列に並べ替えて単一系統の正規化信号を生
    成する定常フレーム逆配列手段と、上記定常フレームに
    対し入力された利得インデックスから再生された正規化
    利得により上記単一系統の正規化信号を逆正規化して再
    生信号として出力する定常フレーム逆正規化手段とが設
    けられていることを特徴とする復号器
  53. 【請求項53】 請求項52記載の復号器において、上
    記複数系統のそれぞれに設けられ、入力された概形イン
    デックスから再生されたスペクトラム概形を、逆正規化
    された上記正規化信号に乗算して周波数領域係数を得る
    乗算手段と、上記複数系統のそれぞれに設けられ、上記
    周波数領域係数を周波数−時間変換して時間領域信号を
    得て、上記再生信号として出力する周波数−時間変換手
    段とを含むことを特徴とする復号器
  54. 【請求項54】請求項52又は53記載の復号器におい
    て、上記定常的フレームにおいて入力された概形インデ
    ックスから再生されたスペクトラム概形を使って、逆正
    規化された上記正規化信号から周波数領域係数を得る残
    差係数再生手段と、 上記周波数領域係数を周波数−時間変換して時間領域信
    号に変換し、上記再生信号として出力する周波数−時間
    変換手段を含むことを特徴とする復号器
  55. 【請求項55】 請求項54記載の復号器において、上
    記残差係数再生手段は上記定常フレームにおける上記定
    常フレーム逆並べ替え手段からの逆正規化された上記正
    規化信号は微細構造係数であり、その微細構造係数を過
    去のフレームの残差係数から残差概形を予測する残差概
    形予測手段と、上記予測した残差概形で上記微細構造係
    数を逆正規化して現フレームの残差係数を得る残差概形
    逆正規化手段と、上記残差係数に上記スペクトラム概形
    を乗算して上記周波数領域係数を得る乗算手段を含む
    とを特徴とする復号器
  56. 【請求項56】 請求項48乃至55のいずれかに記載
    の復号器において、上記複数の系統のうちの予め決めた
    1つにおいて逆正規化された上記正規化信号は差分信号
    であり、現区間の上記差分信号に前区間の再生信号を加
    算して現区間の再生信号を得る予測手段をを含むことを
    特徴とする復号器
  57. 【請求項57】 入力されたインデックスにより符号帳
    から雑音ベクトルを読み出し、その雑音ベクトルに入力
    された利得符号を乗算して励振ベクトルとし、その励振
    ベクトルを、予測係数をフィルタ係数とする合成フィル
    タに与えて、音響信号を合成する復号方法により複数系
    統の音響信号を復号する復号器であり、 フレーム毎に入力された利得符号から複数系統のうち
    応する系統の利得を再生する利得再生手段と、統合符号 インデックスに対応して、フレーム長を上記
    数倍した長さの統合ベクトルが書き込まれている統合
    符号帳と、 フレーム毎に入力された統合符号インデックスに対応し
    て上記統合符号帳から読み出された統合ベクトルの上記
    複数の系統それぞれ対応する部分ベクトルに、対応す
    る系統の上記利得を乗算して励振ベクトルを生成する重
    み付け手段と、 上記複数の系統のそれぞれに設けられ、その系統の線形
    予測係数がフィルタ係数として与えられ、その系統の
    記励振ベクトルが与えられて音響信号を合成する合成フ
    ィルタ手段と、 を有して複数系統の音響信号を復号することを特徴とす
    る復号器
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