JP3432981B2 - 水素吸蔵合金成形体を収容した容器及びその収容方法 - Google Patents
水素吸蔵合金成形体を収容した容器及びその収容方法Info
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- Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
Description
体の容器への収容に関するものである。
のエネルギー源として利用されており、この水素を貯
蔵、輸送する方法として、水素を吸蔵及び放出する水素
吸蔵合金の利用が図られている。水素吸蔵合金の利用方
法として、水素吸蔵合金鋳塊を粉砕した粉末を容器に充
填し、該容器に水素を充填して貯蔵、輸送等を行ない、
又、該容器から水素を放出させて、前記ヒートポンプ、
燃料電池等に供給することが知られている。容器の単位
容積当りの水素吸蔵/放出量を増大させるために、水素
吸蔵合金の容器への高密度の充填が望まれる。そこで、
水素吸蔵合金鋳塊を粉砕して得られる粉末を、単に容器
に詰め込むのではなく、予め粉末を結着剤と混合して圧
縮成形して成形体を作製し、該成形体を容器に収容する
方法も採用されている。
の吸蔵によって体積が膨張する。従って、成形体を容器
に収容する際に、成形体の外径と容器の内径をほぼ同一
とすると、合金の膨張によって水素ガスの流路が塞がれ
てしまう。そこで、成形体の外径を容器の内径よりも小
さくして、成形体と容器との間に水素ガスが充分に流通
できる程度の隙間を確保する必要があった。
と、容器内に占める水素吸蔵合金の充填量が低下し、水
素吸蔵/放出量が低下する。又、成形体の体積を小さく
した場合、外周面に近い水素吸蔵合金は、水素ガスと接
触するが、成形体の中心に近い水素吸蔵合金には充分に
水素ガスが流通しないため、水素吸蔵合金の全体的な利
用を図ることができない。
ガスの流路を確保することにより、成形体への水素ガス
の流量の低下を防止し、又、水素吸蔵合金の体積膨張に
よる応力を吸収することを目的とする。更に、容器への
水素吸蔵合金の充填率を高めることを目的とする。
に、本発明は、一方の端部に水素ガス出入口(31)を具え
た容器(3)に水素吸蔵合金成形体(1)を収容する方法に
於いて、軸方向に延びる孔(11)を開設した水素吸蔵合金
の成形体(1)を、該孔(11)が水素ガス出入口(31)と連通
するように容器(3)に収容して水素ガスの流路を確保
し、充填率を高めるために孔(11)に水素吸蔵合金粉末
(2)を詰めるようにしたものである。又、水素吸蔵合金
粉末(2)に代えて、孔(11)の内径よりも小さい外径を有
する第2の成形体(21)を挿入することもできる。
(3)の水素ガス出入口(31)に連通しているため、該孔(1
1)が、容器(3)に供給されて成形体(1)に吸蔵される水
素ガス、又は成形体(1)から水素出入口(31)に放出され
る水素ガスの流路となる。又、孔(11)は、成形体(1)の
軸方向に開設されているため、水素ガス出入口(31)から
遠い位置にある水素吸蔵合金にも充分に水素ガスを流通
させることができる。尚、孔(11)は軸心部に形成するこ
とが望ましい。孔(11)を開設することにより、水素吸蔵
合金の容器(3)内に占める割合、即ち容器内充填率が低
下が考えられるが、孔(11)に水素ガスの流通を妨げない
程度の水素吸蔵合金粉末(2)又は第2の成形体(21)を入
れることにより、容器内充填率の低下を防止することが
できる。尚、「容器内充填率」は、容器(3)を内容積
V、水素吸蔵合金の重量をm、水素吸蔵合金の密度をα
としたとき、m/αVで示される。又、成形体(1)が水
素を吸蔵して体積膨張しても、体積膨張分は孔(11)に向
かって広がるため、容器(3)に加わる応力は殆んど増大
しない。尚、孔(11)に第2の成形体(21)を挿入する場
合、第2の成形体(21)の外径は、成形体(1)の孔(11)の
内径の0.8倍以下であることが望ましい。これは、成
形体(1)及び第2の成形体(21)が夫々水素を吸蔵して体
積膨張した際に、その膨張分によって孔(11)が塞がれる
ことを防止するためである。
(3)の材質、形状、大きさは、特に限定されず、従来と
同様のものを使用することができる。
せ、従来と同様の方法によって作製することができる。
作製された成形体(1)は、図1に示す如く、軸心部に孔
(11)が開設されており、一方の端部が水素ガス出入口(3
1)と連通するように配備される。図1では、孔(11)は成
形体(1)を貫通するよう開設されているが、該孔(11)を
貫通孔とせずに、水素ガス出入口(31)と反対側の端部を
閉じた有底孔(図示せず)とすることもできる。尚、成形
体(1)の材料、作製方法、及び孔(11)の開設方法は特に
限定されない。例えば、上記の如く、成形体(1)を作製
した後に孔(11)を開設することもできるし、成形型に
て予め孔(11)の開設された筒形の成形体を作製すること
もできる。
保し、合金の膨張による容器(3)への応力を防止するた
めに、成形体(1)の孔(11)の内径は、容器(3)の内径の
0.2倍〜0.7倍にすることが望ましい。
1)の断面形状が円形であるものについて説明する。夫々
の断面形状は、矩形等でもよいが、成形体(1)の体積膨
張による応力を分散するために、断面形状は、円形とす
ることが望ましい。
るために、水素吸蔵合金粉末(2)が詰められる。粉末
(2)は、容器(3)に成形体(1)を配備してから、孔(11)
に詰めればよい。
1)を挿入することもできる(図3参照)。この場合、第2
の成形体(21)の半径rcは、孔(11)の半径rbの約0.2
倍〜約0.8倍であることが適当であり、約0.5倍〜約
0.7倍であることが望ましい。これは、粉末(2)を入
れる場合と同様に、約0.8倍を越えると水素ガスの流
通が阻害され、約0.2倍よりも小さいと高充填化が図
れないためである。第2の成形体(21)の孔(11)への挿入
は、容器(3)に成形体(1)を収容してから行なってもよ
いし、先に第2の成形体(21)を容器(3)に入れてから、
成形体(1)を収容してもよい。
蔵合金粉末(2)又は第2の成形体(21)との間に水素ガス
透過性のシート(4)を介在させることもできる。この水
素透過性シートは、第2の成形体(21)を用いるときに特
に好ましい。水素透過性のシート(4)で包囲することに
より、成形体(1)と、粉末(2)又は第2の成形体(21)と
の間に水素透過性シート(4)による水素ガス流路を確保
することができる。又、シート(4)を緩衝作用を有する
多孔性の材料にて形成すると、水素吸蔵合金が体積膨張
した場合に発生する応力をシート(4)にて吸収すること
ができるため、初期の水素吸蔵合金の容器内充填率をよ
り高く設定することができる。上記シートの例として、
瀘紙、ガラス繊維瀘紙、ウレタン多孔体、スポンジ等を
挙げることができる。
詳述する。本発明の効果を調べるために、先ず、以下の
方法によって水素吸蔵合金の成形体(1)を作製した。成形体の作製 合 金 希土類−Ni系 結着剤 PTFE(4フッ化エチレン) 混合比 合金:PTFE=9:1(重量比) 合金と結着剤を混合し、1500kg/cm2で成形後、37
0℃で2時間焼成して、半径11mm、高さが10.1mm
の円柱状の成形体を多数個得た。これら成形体の水素吸
蔵合金充填率を測定したところ、0.6であった。尚、
「成形体の水素吸蔵合金充填率」は、成形体の体積を
V'、水素吸蔵合金重量をm'、水素吸蔵合金の密度を
α'としたとき、m'/α'V'で示される。該成形体の中
央部に半径6.6mmの円柱状の孔(11)を開設し、供試成
形体(a)とした。又、同様の方法により、供試成形体(b)
及び(c)を多数個作製した。次に夫々の供試成形体を容
器(3)に収容した。容器(3)は、ステンレス鋼製であ
り、外径25.4mm、内径22.1mm、内部の長さ150
mmの円筒状であって、一方の端部に水素ガス出入口(31)
が突設形成されている。供試成形体(a)(b)(c)は、容器
(3)内に夫々14段ずつ縦に積まれた。
(11)には、水素吸蔵合金粉末(2)を82g詰めた(図2
参照)。
同じ要領にて作製した第2の成形体(21)を挿入した(図
3参照)。第2の成形体(21)は半径5.3mm、高さが10
mmの円柱形であり、水素吸蔵合金充填率は0.6であ
る。
作製した成形体であって、孔(11)は、空洞のままである
(図5参照)。
(3)の容器内充填率を測定したところ、夫々0.56
4、0.522、0.384であった。つまり、孔(11)に
粉末(2)又は第2の成形体(21)を入れることによって、
水素吸蔵合金の容器内充填率は向上する。
内との圧力差が1.5atmとなるように調圧した水素ガス
を注入し、容器(3)に貯蔵される水素の量(水素貯蔵
量)と、水素流量及び容器内圧との関係を測定した。測
定結果を表1に示す。
て、表1の測定結果をプロットすると、図6に示すグラ
フが得られた。尚、図6中の乃至は、表1中の乃
至に対応している。又、水素吸収量を横軸、容器内圧
を縦軸として、表1の測定結果をプロットすると、図7
に示すグラフが得られた。尚、図7中の乃至は、同
様に表1中の乃至に対応している。図6より、供試
成形体(a)(b)(c)について、夫々水素ガスの流路は確保
されていることが判る。供試成形体(c)の水素貯蔵量の
最大は、28.5Nlであり、供試成形体(c)の水素吸蔵
合金はこれ以上水素を吸蔵することができなかった。供
試成形体(a)(b)の水素貯蔵量は、最大が夫々42.2N
l、38.5Nlであり、供試成形体(c)に比べて約35
%以上優れていることが判った。これは、供試成形体
(a)(b)の孔(11)に入れた粉末(2)又は第2の成形体(21)
が水素を吸蔵しているためである。
(c)に比べて劣っているが、これは、供試成形体(a)(b)
(c)の水素吸蔵による体積膨張分は、孔(11)方向に広が
るが、供試成形体(a)(b)の孔(11)には、夫々粉末(2)又
は第2の成形体(21)が入れられており、これらと外周の
成形体とが接触するためである。しかしながら、供試成
形体(a)(b)が容器に加える内圧は、何れも容器に殆ど影
響を与えない程度の内圧である。外径が供試成形体(a)
(b)と同じで孔(11)が開設されていない成形体を用いて
同様の実験を行なうと、成形体の体積膨張分は直接容器
に加わるため、内圧は供試成形体(a)(b)に比べて、更に
大きくなると予想される。粉末(2)を詰める量を調整し
たり、第2の成形体(21)の外径を調整することによっ
て、容器に加わる内圧を調節することもできる。
をほぼ同一とし、孔(11)の半径を変化させた場合の各供
試成形体(a)(b)(c)の容器内充填率を測定した。尚、供
試成形体(a)には、孔(11)に水素吸蔵合金粉末(2)を9.
2g〜184g入れた。又、供試成形体(b)には、孔(1
1)の半径の0.8倍の半径を有し、成形体充填率が0.6
である第2の成形体(21)を挿入した。図中のra、rb
は、図2、図3及び図5に示す如く、夫々成形体(1)の
半径、孔(11)の半径を示している。測定結果を、容器内
充填率を縦軸、半径の比(rb/ra)を横軸として図8に
示している。図より、成形体(1)に占める孔(11)の径が
大きくなるにつれて、容器内充填率は夫々下降してい
る。しかしながら、供試成形体(a)(b)は、供試成形体
(c)に比べて、降下の割合が小さいことが判る。これ
は、成形体(1)の孔(11)に水素吸蔵合金粉末(2)又は第
2の成形体(21)を入れているためである。つまり、孔(1
1)を開設しても、水素吸蔵合金粉末(2)又は第2の成形
体(21)を入れているため、容器内充填率の降下が防止さ
れている。尚、容器への水素吸蔵合金の高充填化を図る
ために、水素吸蔵合金の容器内充填率が約0.5以上で
あることが望ましい。従って、第2の成形体(21)を挿入
する場合には、成形体(1)の半径raと孔(11)の半径rb
との比をrb/ra≦0.7とすることが望ましい。成形
体(1)の半径raと孔(11)の半径rbとの比がrb/ra<
0.2となると、成形体(1)の外周に近い水素吸蔵合金
に充分に水素が流通しないことがあるため、rb/ra≧
0.2とすることが望ましい。
形体(21)の半径rcを変化させて、半径rcと孔(11)の半
径rbとの比(rc/rb)と、水素流量との関係を調べ
た。測定条件として、成形体及び第2の成形体(21)の水
素吸収量が1.0wt%となるまで水素を吸蔵させた。測
定結果を表2に示す。
横軸、水素流量を縦軸としてプロットした結果、図9に
示すグラフが得られた。図より、半径の比が0.8以上
になると、急激に水素流量が減少していることが判る。
これは、水素の吸蔵により膨張した成形体(1)及び第2
の成形体(21)が、成形体(1)と第2の成形体(21)との隙
間である水素ガス流路を塞ぐためであると考えられる。
従って、内径比は0.8以下であることが望ましい。
開設し、該孔(11)に水素吸蔵合金粉末(2)又は第2の成
形体(21)を入れることにより、水素ガスの流路が確保さ
れ、又、水素吸蔵による体積膨張の際に発生する応力を
孔(11)によって緩和することができ、更に、容器(2)内
の水素吸蔵合金の充填率(容器内充填率)を高い状態で維
持することができる。
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本
発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲
に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは
勿論である。
る。
面図である。
せた容器の断面図である。
ある。
ある。
である。
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 一方の端部に水素ガス出入口(31)を具
え、内部に水素吸蔵合金成形体(1)を収容した容器であ
って、成形体(1)は軸方向に孔(11)が開設され、該成形
体(1)は孔(11)が水素ガス出入口(31)に連通するように
配置され、孔(11)には水素吸蔵合金粉末(2)が詰められ
ていることを特徴とする水素吸蔵合金の成形体を収容し
た容器。 - 【請求項2】 一方の端部に水素ガス出入口(31)を具
え、内部に水素吸蔵合金成形体(1)を収容した容器であ
って、成形体(1)は軸方向に孔(11)が開設され、該成形
体(1)は孔(11)が水素ガス出入口(31)に連通するように
配置され、孔(11)には孔(11)の内径よりも小さい外径を
有する第2の成形体(21)が挿入されることを特徴とする
水素吸蔵合金の成形体を収容した容器。 - 【請求項3】 第2の成形体(21)の外径は、成形体(1)
の孔(11)の内径の0.8倍以下であることを特徴とする
請求項2に記載の容器。 - 【請求項4】 一方の端部に水素ガス出入口(31)を具え
た容器(3)に水素吸蔵合金成形体(1)を収容する方法に
於いて、軸方向に孔(11)が開設された成形体(1)を、該
孔(11)が容器(3)の水素ガス出入口(31)に連通するよう
に容器(3)に収容し、成形体(1)の孔(11)に水素吸蔵合
金粉末(2)を詰めることを特徴とする水素吸蔵合金成形
体の容器への収容方法。 - 【請求項5】 一方の端部に水素ガス出入口(31)を具え
た容器(3)に水素吸蔵合金成形体(1)を収容する方法に
於いて、軸方向に孔(11)が開設された成形体(1)を、該
孔(11)が容器(3)の水素ガス出入口(31)に連通するよう
に容器(3)に収容し、孔(11)には孔(11)の内径よりも小
さい外径を有する第2の成形体(21)を挿入することを特
徴とする水素吸蔵合金成形体の容器への収容方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30861095A JP3432981B2 (ja) | 1995-11-28 | 1995-11-28 | 水素吸蔵合金成形体を収容した容器及びその収容方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30861095A JP3432981B2 (ja) | 1995-11-28 | 1995-11-28 | 水素吸蔵合金成形体を収容した容器及びその収容方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09142802A JPH09142802A (ja) | 1997-06-03 |
JP3432981B2 true JP3432981B2 (ja) | 2003-08-04 |
Family
ID=17983122
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP30861095A Expired - Fee Related JP3432981B2 (ja) | 1995-11-28 | 1995-11-28 | 水素吸蔵合金成形体を収容した容器及びその収容方法 |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3432981B2 (ja) |
-
1995
- 1995-11-28 JP JP30861095A patent/JP3432981B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH09142802A (ja) | 1997-06-03 |
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