JP3425193B2 - 遺伝子センサおよびそれを用いた遺伝子検出方法 - Google Patents

遺伝子センサおよびそれを用いた遺伝子検出方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遺伝子の変異を検出す
るセンサ及びそのセンサを用いた診断する方法に関す
る。詳しくは、突然変異の遺伝子を高感度に検出するセ
ンサおよび検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
1.遺伝子変異の検出方法 従来、遺伝子の挿入や欠失等の異常を検査およびDNA
診断には、サザンブロティング(Southern blotting)法
やPCR法を用いて遺伝子の断片の有無や断片の大きさ
を比較することによって診断している。サザンブロティ
ング法は、検出感度が高いが、操作が煩雑で長時間かか
る問題がある。検出には十分な検体量が必要であり、し
ばしばPCR法、LCR法を用いて増幅される。PCR
法は極めて感度が高いが、コンタミネーション及び操作
条件が複雑であるなど問題がある。
【0003】癌や多くの遺伝病では遺伝子の変異は点変
異が大半であり、それらに対しては上記の方法は無力で
あり、アレル特異的オリゴヌクレオチド(ASO)のハ
イブリダイゼーション、アールナーゼ(RNase)Aによる
プローブ切断法、SSCP(一本鎖DNA高次構造)
法、直接塩基配列決定法、その他(化学修飾法、変性剤
濃度勾配ゲル電気泳動法、)などが用いられている。
【0004】ASO法は、一塩基対のミスマッチでハ
イブリッド形成ができなくなることを利用して点突然変
異を検出する方法である。
【0005】RNaseAによるプローブ切断法は、RN
Aをプローブとし、RNA−DNAあるいはRNA−R
NAハイブリッドのミスマッチ箇所でRNAプローブを
RNaseA反応で切断する方法である。
【0006】SSCP法は、DNA断片を一本鎖に変
性したときに取る高次構造が、一塩基の置換でも変化
し、この変化をポリアクリルアミドゲル電気泳動におけ
る移動度の差として検出する方法である。
【0007】直接塩基配列決定法は、単離したDNA
断片の塩基配列をジデオキシチェインターミネーション
法で決定するこにより塩基置換を知る方法である。
【0008】何れの方法にもそれぞれ検出限界の問題が
あったり、操作が面倒であったりした。アイソトープを
用いる方法もあり、これらは管理区域を設ける必要があ
り、取扱いが煩雑で、廃棄処理の問題もある。
【0009】(2)QCM 水晶振動子マイクロバランス(Quartz Crystal Microbal
ance, QCM)をDNAアッセイに用いることが知られ
ている。それらの素子は、水晶板とその両面に形成した
電極とから構成される。それら2電極は、その水晶板の
持つ固有周波数で共振できるような外部発振回路と接続
される。その周波数は水晶の質量のみならず水晶と接触
している質量や粘性や粘弾性に関係している。
【0010】一般に、共振周波数の変化は水晶と接触し
ている質量の変化と関係付けられている。接触している
層および/または物質が剛体として振る舞うと仮定する
と、質量変化はサウルベリー(Sauerbrey)の式により求
めることができる。
【0011】(G.Z.Sauerbrey, Z.Phys.,155(1959)206) Δf=−2f0 2Δm/A(ρqμq1/2 ・・・(1) ここに、Δfは周波数のシフト、f0はその水晶の基本
周波数、Δmは質量変化、Aは電極の有効面積、ρq
水晶の密度(2.648gcm-3)、μqはずれ振動定数
(ATカット水晶では2.947×1011dynecm-2)で
ある。
【0012】米国特許公報第4,999,284号およびジャー
ナル オブ アメリカン ケミカルソサイアティ(J.Ame
r.Chem.Soc.),(1988),110,8623-8628.においてアール
シー エバーソール(R.C.Ebersole)とエム ディ ワー
ド(M.D.Ward)は、水晶振動子に免疫物質を固定化して高
感度で測定する方法を開示している。DNAについても
言及しているが具体的な手法は示していない。
【0013】ジェイ シー アンドル(J.C.Andle)ら
は、センサ アンド アクチュエータ(Sensors and Act
uators)B,8(1992)191-198.において、圧電体板の表面に
櫛形電極を形成した、いわゆるSAWデバイスのセンサ
を用いてDNAを測ることを報告している。DNAの検
出感度は、位相0.5゜で質量感度0.1ナノグラムで
あった。
【0014】また、岡畑らは、ジャーナル オブ アメ
リカン ケミカル ソサイアティ(J.Amer.Chem.Soc.),
(1992),114,8299-8300.において、水晶発振子の金電極
表面にSH基で修飾した10merのオリゴヌクレオチ
ドを固定化してハイブリダイゼーションによる重量変化
を、水晶を発振させて得られる共振周波数変化から測定
する方法を示した。
【0015】これらの方法を用いて共振周波数の変化か
ら検出目的のDNAを検出したり、定量的に測定が可能
となる。しかしながら、実際のDNA診断や検査として
用いるためには、10-18モル以上の感度が必要であ
る。上述の方法ではDNAの検出感度が0.1から1ナ
ノグラムオーダーであり、感度が低くすぎて実用になら
ない問題があった。また、理想的には一個のDNAから
検出できることが望ましい。DNA一個の検出できる方
法および装置が渇望されている。サンプルDNAをヒト
遺伝子の様な巨大DNAで分子量109と仮定しても、
1分子当たりの質量は、(109/(6.02×1023
=)1.7×10-15gであり、通常の方法では検出でき
ない。
【0016】また、岡畑らは、吸着によりDNA固定を
行っているため不安定さが残っており、精度の向上が困
難という問題があった。
【0017】
【発明が解決しようとする問題点】従来の変異遺伝子の
診断は、ASO法、RNase法,SSCP法などが使
われるが、放射線標識や酵素、蛍光色素標識したプロー
ブをハイブリダイズしたのち電気泳動を行い分子鎖ごと
に分離解析する方法であったため、操作が複雑、煩雑、
時間がかかるという問題があった。
【0018】一本鎖DNAを用いた遺伝子の検出方法
は、変性した一本鎖DNAが不安定という問題がある。
DNA一個からの検出ができない問題があった。
【0019】前述のような放射線標識のDNA検査方法
にあっては、目的遺伝子を制限酵素で切断し必要部分を
増幅したり、放射線標識や酵素、蛍光色素標識したプロ
ーブをハイブリダイズしたのち電気泳動を行い分子鎖ご
とに分離解析する方法であったため、操作が複雑、煩
雑、時間がかかるという問題があった。
【0020】一方、水晶振動子電極法では、簡単なシス
テムで、その操作は容易であるが、感度が低すぎて実用
にならない問題があった。これら原理的な問題を解決す
るため、超高感度の測定手段を特願平4−238607
号に開示している。前述のアレル特異的オリゴヌクレオ
チド(ASO)のハイブリダイゼーション法を応用して
突然変異遺伝子を検出できると考えられるが、点変異検
出については具体的に開示されていない。
【0021】 本発明は、突然変異遺伝子を検出できる
遺伝子診断用センサおよびそのセンサを用いた検出方法
を提供することを目的とする。
【0022】
【問題点を解決するための手段】本発明の遺伝子診断用
センサは 水晶振動子と、一端を水晶振動子表面に固定
し、他端を大きな分子量を持つ化学種(カチオン性脂質
を除く)で修飾し、診断を行おうとする遺伝子部分と同
じ塩基配列を持つ(例えばプライマー部分とセンス部分
を持つ)オリゴヌクレオチドを固定化したものからな
る。
【0023】 本発明の遺伝子検出方法は、水晶振動子
と、該水晶振動子に固定化された診断目的遺伝子とハイ
ブリダイズ可能なオリゴヌクレオチドと、該オリゴヌク
レオチドを修飾する化学種とから構成される遺伝子セン
サを用いて、水晶振動子の振動周波数を測定する工程
と、診断目的遺伝子をハイブリダイズする工程と、一本
鎖を特異的に切断する酵素を作用させる工程と、水晶振
動子の周波数を再度測定する工程と、周波数の変化から
変異遺伝子の存在を検出する工程からなるものである。
【0024】 診断目的遺伝子をハイブリダイズする
と、診断目的遺伝子に突然変異が存在する場合、ハイブ
リダイズした時に相補結合が完成しない部分ができて一
本鎖の部分が発生することになる。一本鎖DNAを特異
的に切断する酵素を作用させると、大きな分子量の化学
種を含む遺伝子部分が切断されてるため、大きな質量変
化が起きる。この質量変化は水晶振動子の共振周波数の
変化あるいは、水晶振動子の表面近傍の粘弾性の変化と
して検出ができる。かくの如く変異遺伝子を高感度に検
出できる遺伝子検出方法を提供する。
【0025】図1に本発明の遺伝子センサ10を示す。
遺伝子センサ10は遺伝子の診断部位のDNAと同一塩
基配列を持つオリゴヌクレオチド3が一端を水晶振動子
電極2の表面に固定化され、他端を高分子量の化学種4
で化学修飾されている。
【0026】以上のようにして得られた遺伝子センサ1
0を用いて、変異遺伝子を検出する方法を図2を参照し
て説明する。
【0027】まず、正常な遺伝子20(a−1)、挿入
の変異がある遺伝子21(a−2)、欠失の変異がある
遺伝子22(a−3)と点変異のある遺伝子23(a−
4)の4種類の遺伝子を遺伝子センサ10のオリゴヌク
レオチド3をハイブリダイズさせる。何らかの変異(挿
入、欠失、点変異の変異)があると一本鎖の部分24
(a−2),25(a−3),26(a−4)ができる
が、正常な遺伝子では一本鎖の部分はできない(a−
1)。これらに、一本鎖を特異的に切断する酵素30を
作用させると、b−2、b−3、b−4に見られるよう
に、一本鎖があるものは一本鎖の部分から切断される。
このために、高分子量の化学種4が取れた状態になる。
すると、水晶振動子1の表面の質量が減少し、水晶振動
子1の共振周波数が増大する。
【0028】水晶振動子1の発振周波数の上昇は、例え
ば、図3に示す測定システムによって検知され、測定結
果が表示あるいは出力される。水晶振動子1は、発振回
路40と接続されることによって水晶振動子固有の(共
振)周波数で発振する。発振周波数は、発振回路40で
増幅されて周波数カウンター41により周波数を計測
し、コンピュータ42に送信する。
【0029】そして、遺伝子検出操作の前後の共振周波
数の変化を比較し、周波数の上昇データから検出目的遺
伝子の存在を判定する。共振周波数の変化の大きさか
ら、予め測定しておいた検量線を用いて検出目的遺伝子
の濃度あるいは含有量を算出できる。これらの測定結果
は、ディスプレー装置43、あるいは出力装置44へ送
られ表示あるいは印字出力される。
【0030】遺伝子センサ10の質量感度を増大するた
め電極面積を微小化することができる。(式1から)し
かしながら、面積を小さくすることは、電極抵抗を増大
することになり、発振回路の負抵抗値よりも大きくなる
と、もはや前述の発振法では測定できない。このような
場合、図4に示すような測定システムを使用することが
できる。遺伝子センサ10のアドミッタンスの周波数依
存性をインピーダンス測定装置50を用いて測定する。
測定結果をコンピュータ51に送信する。アドミッタン
スの周波数スペクトルをコンダクタンスが最大となる周
波数が共振周波数を与えることを利用して、共振周波数
を算出することができるので、前述のように検出目的遺
伝子の存在を判定したり、同定することができる。
【0031】オリゴヌクレオチド3を修飾している化学
種4の質量を検出目的DNA20,21,22,23の
それより大きく、好ましくは水晶振動子1の検出感度の
限界以上の質量にしておくと、一分子のレベルでも異常
のある遺伝子があれば、変異遺伝子の検出および同定が
迅速にかつ容易に行うことができる。
【0032】例えば、その質量が1pg以上である化学種
4でオリゴヌクレオチド3を修飾して用い、かつ、質量
変化に対する検出限界が1pg以上であるような水晶振
動子1を用いると、一分子でも変異のある遺伝子が存在
すれば、修飾化学種4を含む部分が外れ、その結果、大
きな質量減少となり、これを水晶振動子1で感知される
ところとなる。このように遺伝子の変異を1分子レベル
で検出できることが理解される。このとき、センサの応
答は、外れた切断されたオリゴヌクレオチドのの修飾さ
れた化学種4の個数に比例するので、デジタル量的に変
化する特徴がある。
【0033】遺伝子センサ10に固定化されたオリゴヌ
クレオチド3は、相補的オリゴヌクレオチド3’と結合
させて2本鎖にしておくと、安定に保存できて好都合で
ある。使用する前にオリゴヌクレオチド対3、3’を解
離してから使用することもできるが、検出目的の遺伝子
を含む被検液に遺伝子センサ10を接触させ、検出目的
遺伝子20〜23が遺伝子センサ10に結合し易いよう
に、相補結合を形成している水素結合を弱めるために加
熱したり、および/または、電解質を添加したりするこ
とにより、ヌクレオチド対および検出目的遺伝子20〜
23の相補的結合が解離させる。その後、温度を徐々に
下げてアニールすることでオリゴヌクレオチド3と検出
目的遺伝子20〜23とが結合する。一本鎖を特異的に
切断する酵素30を作用させると一本鎖があるものは一
本鎖の部分から切断される。このために、高分子量の化
学種4が取れた状態になる。水晶振動子1の表面の質量
が減少し、水晶振動子1の発振周波数が上昇する。この
周波数上昇によって被検液中の検出目的遺伝子21〜2
3の存在が確認される。同時に電極2表面への非特異的
物質の吸着も起こるが、これら発振周波数を低下する方
向に作用するので、本発明の遺伝子センサ10は非常に
選択性の高いものとなる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の実施例を示しながら、本発明
を詳細に説明する。
【0035】
【実施例1】図1に遺伝子センサ10の構造を示す。
【0036】水晶基板1の両面には、発振励起用の直径
5mmの金円板電極2が形成されている。
【0037】金電極2の表面には、一端が化学種4で修
飾されたオリゴヌクレオチド3がシラン化合物6を介し
て固定化されている。
【0038】水晶振動子基板1は、直径12mm、厚さ
0.33mmのATカットの水晶円板を用い、高周波スパ
ッタ装置(日電アネルバ社製SPF−210H)を用い
て金電極2を形成した。
【0039】水晶基板1とシランカップリング剤(γ−
グリシドキシプロピルシラン、SH6040,東レ・ダ
ウコーニング・シリコーン(株))を容れた容器と一緒
に真空チャンバーに入れて減圧下で2時間吸着したの
ち、常圧下で150℃、30分間加熱して反応させるこ
とによってシラン化合物6を形成した。
【0040】オリゴヌクレオチド3は、DNA/RNA SYNTHE
SIZERS 392型(Applied BiosystemsInc.社製)のDNA
シンセサイザーをもちいてポリスチレン(PS)微粒子
上の化学種を出発点にして合成したことによって、修飾
化学種としてポリスチレン微粒子を末端に持つオリゴヌ
クレオチド鎖3を調製した。
【0041】次に、水溶性カルボジイミドを用いて水晶
振動子表面に固定化されたシラン化合物6のOH基を活
性した後、該ヌクレオチド3と反応させて水晶基板の表
面に固定した。
【0042】このようにして作製した遺伝子センサ10
を図3に示す測定装置を用いて乾燥空気中で共振周波数
を測定した。共振周波数は、オリゴヌクレオチド3とP
S4を固定しないとき5002201Hzであり、固定化
したときには、5001906Hzであった。予め、共振
周波数と質量との関係を測定することによって、質量感
度は理論値に近い3.4ng/Hzが得られている。したが
って、オリゴヌクレオチドとPSの固定化量は、(50
01906−5002201)×(−3.4)=100
0[ng]と分かった。平均0.5pgのポリスチレン粒子
を用いたので、約2×106個が固定化されたことが分
かった。
【0043】
【実施例2】実施例1で作成した遺伝子センサの表面
に、正常な遺伝子を全量で1×105分子含む試料溶液
100μlを接触させて、溶液温度を93℃で1分間保
持したのち、ゆっくり降温しながらアニールを行いハイ
ブリダイズした。洗浄、乾燥後、S1ヌクレアーゼを1
ユニット/ml含む酵素液30を加えて10分間4℃で反
応させた。十分に水洗浄した後、燥空気中で発振周波数
を測定すると、5001906Hzであった。質量変化が
ないことが分かり、正常遺伝子の場合、質量の変化がな
いことが確認された。
【0044】
【実施例3】次に挿入タイプの変異遺伝子を全量で1×
105分子含む資料溶液100μlに接触させて、実施例
2と同様にしてハイブリダイズさせた後、S1ヌクレア
ーゼで処理すると、共振周波数は、15Hzの上昇が観測
された。質量として15×3.4=51ngが減少し、分
子数としては約1×105と算出できる。試料中の遺伝
子のほぼ全量が反応に預かったと考えられ、変異のある
遺伝子を検出することができた。
【0045】
【実施例4】点変異タイプの遺伝子を全量で5×104
分子含む資料溶液100μlを実施例1の遺伝子センサ
に接触させて、実験例1と同様にしてハイブリダイズさ
せた後、S1ヌクレアーゼで処理すると、共振周波数
は、7Hzの上昇が観測された。質量として7×3.4=
23.8ngが減少し、分子数としては約5×104と算
出できる。試料中の遺伝子のほぼ全量が反応に預かった
と考えられ、変異のある遺伝子を検出することができ
た。。
【0046】
【実施例5】基本周波数が25MHzである直径4mmの水
晶板に直径0.5mmの金電極形成したのち実施例1と同
様にして遺伝子センサを作製した。
【0047】共振周波数の変化を測定するのに図4に示
すようなインピーダンスアナライザー(HP4194
A)を用いてコンダクタンス最大周波数から求めた以外
は実施例1と同様にして測定した。DNAを固定化しな
いときの質量感度は1.1pg/Hzであった。
【0048】実施例3と同様にして変異遺伝子を含む試
料で測定した結果、試料DNA分子2個からの変異遺伝
子があれば検出が可能であることが分かった。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、放射標識や酵素等を用いないので取扱いが簡単か
つ、安全である。また、操作が簡単である。従来法に比
較して迅速測定が可能である。
【0050】本発明によれば、正常遺伝子の一部の配列
が分かれば数個のレベルから突然変異を起こした遺伝子
DNAを検出することが可能である。遺伝子レベルでの
異常(点変異、欠失、挿入)を検出することができの
で、遺伝子レベルの病因の診断や治療に貢献できる。
【0051】そして、癌遺伝子や癌抑制遺伝子を効率よ
く検出できるので、再発や発症の予防が可能になる。
【0052】本発明遺伝子センサを複数配列して形成す
ることで同時に多種類検査ができることは自明のことで
ある。ハイリスク群のスクリーニング検査に好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明の1実施例による遺伝子センサの断面構
造を示す。 図2は、本発明の変異遺伝子の検出原理を説明する図で
ある。 図3は、水晶振動子の発振周波数の上昇を検知する測定
システムのブロック図である。 図4は、共振周波数の変化を測定するためのシステムの
ブロック図である。
【符号の説明】
1:水晶振動子 2:電極 3:オリゴヌクレオチド 4:高分子量の化学種 6:シラン化合物 10:遺伝子センサ 20:正常遺伝子 21:挿入の変異がある遺伝子 22:欠失の変異がある遺伝子 23:点変異のある遺伝子 30:酵素液 40:発振回路 41:周波数カウンター 42,51:コンピュータ 43:ディスプレー装置 44:出力装置 50:インピーダンス測定装置

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水晶振動子と、該水晶振動子に固定化さ
    れた診断目的遺伝子とハイブリダイズ可能なオリゴヌク
    レオチドと、該オリゴヌクレオチドを修飾する化学種
    (カチオン性脂質を除く)とから構成されることを特徴
    とする遺伝子センサ。
  2. 【請求項2】水晶振動子と、該水晶振動子に固定化され
    た診断目的遺伝子とハイブリダイズ可能なオリゴヌクレ
    オチドと、該オリゴヌクレオチドを修飾する化学種とか
    ら構成される遺伝子センサを用いて、水晶振動子の振動
    周波数を測定する工程と、診断目的遺伝子をハイブリダ
    イズする工程と、一本鎖を特異的に切断する酵素を作用
    させる工程と、水晶振動子の周波数を再度測定する工程
    と、周波数の変化から変異遺伝子の存在を検出する工程
    と、からなることを特徴とする遺伝子検出方法。
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