JP3420711B2 - 半凝固加工における金属溶湯の攪拌方法、半凝固加工を用いた鋳造方法及び半凝固加工における金属溶湯の攪拌に用いられる容器 - Google Patents

半凝固加工における金属溶湯の攪拌方法、半凝固加工を用いた鋳造方法及び半凝固加工における金属溶湯の攪拌に用いられる容器

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JP3420711B2 JP33374898A JP33374898A JP3420711B2 JP 3420711 B2 JP3420711 B2 JP 3420711B2 JP 33374898 A JP33374898 A JP 33374898A JP 33374898 A JP33374898 A JP 33374898A JP 3420711 B2 JP3420711 B2 JP 3420711B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半凝固加工における金属
溶湯の攪拌方法、半凝固加工を利用した鋳造方法及び半
凝固加工における金属溶湯の攪拌に用いられる容器に関
し、特に半凝固加工の冷却時に金属溶湯を所定の方向に
攪拌する、攪拌方法、鋳造方法及び容器に関する。
【0002】
【従来の技術】金属を鋳造する際の加工方法として、半
凝固加工が従来より知られている。半凝固加工が行われ
ない通常のダイカストでは、溶融した金属溶湯が直接鋳
型に充填されて、製品が鋳造される。それに対して、半
凝固加工が行われるダイカストでは、金属溶湯が鋳型に
充填される前に、金属溶湯が容器に供給され容器内で冷
却を受け、金属溶湯が半凝固の状態となる。この半凝固
状態の金属が取出され鋳型に充填されて、製品が鋳造さ
れる。半凝固加工において、金属溶湯が半凝固の状態に
なってから鋳型に充填される理由は、アルミニウム合金
のように凝固収縮量が多い金属を鋳造して冷却する場合
に、金属溶湯中に「巣」と呼ばれる空隙が発生するのを
減少させるためである。
【0003】巣の発生を更に減少させるために、半凝固
加工において金属溶湯を半凝固状態になるまで冷却する
際に、冷却しながら金属溶湯を攪拌することが知られて
いる。金属溶湯の攪拌は巣の発生を減少させるのみなら
ず、冷却過程で溶融金属中に生ずるデンドライトと呼ば
れる結晶粒を崩し、丸い組織にすることができる。この
丸い組織が生成されることによって、半凝固加工後の鋳
造の際に金属の変形が容易となる。
【0004】攪拌方法としては、スクリューや攪拌棒を
金属溶湯中に侵入させて攪拌する、いわゆる機械式攪拌
方法が考えられるが、機械式攪拌方法では攪拌棒等に金
属溶湯が付着したり、高温の金属溶湯と攪拌棒等が直接
接触することにより攪拌棒等が高温になる、といった問
題点がある。
【0005】機械式攪拌方法以外の攪拌方法としては電
磁攪拌機による攪拌方法がある。ここでいう電磁攪拌機
とは、ダクト及び多相コイルより構成され、ダクト内部
の流路断面が環状流路になっている誘導型電磁ポンプを
基本とするものである。この電磁攪拌機は、ダクト外部
に設けられた多相コイルによってダクトの軸方向に移動
磁界を作り、この移動磁界がダクト内の溶融金属を通過
することによって溶融金属中に瞬間的に誘導電流が発生
し、この移動磁界と溶融金属中に誘起した誘導電流とに
よってフレミング左手の法則に基づく力が溶融金属中に
発生し、溶融金属を駆動するという原理によるものであ
る。電磁攪拌機による攪拌は、上述の問題が生じないば
かりでなく、攪拌機能の安定性にも優れ、制御性も良い
ため、機械式の攪拌よりもこの種の攪拌に適していると
考えられる。
【0006】この電磁攪拌機を利用した攪拌方法として
は、横攪拌と呼ばれる攪拌方法が知られている。横攪拌
とは、金属溶湯を攪拌するための略円筒形状の容器の周
囲に電磁攪拌機が形成され、容器の内周面に沿って水平
に一周するように移動磁界が作られ、容器内の金属溶湯
が、移動磁界の移動方向と同じ方向に移動されて攪拌が
行われるものである。しかし、横攪拌は、中心部分の溶
湯即ち、略円筒形状をした容器の軸心付近部分の溶湯が
攪拌されにくく、均一に金属溶湯を攪拌できないという
欠点があった。
【0007】ところで、金属塊たるインゴットを製造す
る方法としては、連続鋳造法が従来より行われている。
この連続鋳造法は、鉛直上下端に開口部を有する略筒状
の容器の上方の口より金属溶湯が供給され、容器の下方
の口から容器外部に取出される際に冷却凝固され、凝固
された金属が連続的に取出される方法である。この連続
鋳造法によって作製されたインゴットを加熱して半溶融
状態にして、鋳型に供給して加工する半溶融加工があ
る。半凝固加工と半溶融加工との違いは、得られるもの
が前者は一連の鋳造サイクル過程における中間加工物で
あるのに対して、後者はインゴットであり保管できるも
のであることの他、用いられる金属溶湯の種類が前者は
現状のダイカストに使用される金属と同じであるのに対
して、後者は種類が限定されていること、また、使用さ
れる鋳造機が前者は通常圧のダイカストマシンであるの
に対して、後者は高圧の鋳造機であること等が挙げられ
る。
【0008】特開平第7−68345号公報には、半溶
融加工について具体的に記載されている。同公報に記載
の半溶融加工は、凝固した金属を抽出することを意図し
たものである。この半溶融加工では、溶融金属が断熱材
料の鉛直上方の口から供給され、断熱材料の鉛直下方の
口より取出される。断熱材料の鉛直下方の口付近には水
フィルムが形成され、取出される金属が冷却される。取
出される金属は冷却されているため、凝固した状態とな
っている。また、断熱材料と凝固した金属との間の潤滑
の役目を果たすためのグラファイトリングが設けられて
いる。
【0009】断熱材料の周囲には、鉛直上下方向に三相
誘電子たる巻線が6つ程巻回されており、未だ冷却され
ず凝固していない溶融金属は、巻線によって発生される
すべり磁界の移動方向に攪拌される。
【0010】この半溶融加工においては、略円筒状の容
器の内周面近傍に位置する金属溶湯は冷却されやすく、
それに対して、略円筒状の容器の軸心付近の部分に位置
する金属溶湯は冷却されにくい。このため容器の内周面
近傍ばかりが早く冷却凝固されてしまい、容器の中心軸
付近は凝固されずに鉛直下方へ降下してしまうという問
題が生ずる。この問題を解消するため、容器の内周面に
沿って鉛直下方に金属溶湯が下降され容器の中心軸に沿
って上昇される、いわゆる下向き方向への攪拌が行なわ
れる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の半溶融
加工における攪拌方法では、下向き方向という一定方向
への攪拌であるため、攪拌の効果が不十分であり、巣を
完全に発生させなくすることは不可能であった。また、
上述した従来の鋳造方法では、半凝固加工後、半凝固加
工に使用した容器の付着物の除去が容易でなく、効果的
な鋳造ができなかった。また、上述した従来の容器で
は、容器を形成する部材の合せ面から、攪拌中に金属溶
湯が漏出たり、半凝固加工後に容器から半凝固状態の金
属を取出すのが困難であった。
【0012】そこで本発明は、半凝固加工において攪拌
を均一に行うことができる金属溶湯の攪拌方法、効率的
な鋳造が可能な半凝固加工を利用した鋳造方法、及び半
凝固加工において、金属溶湯の漏れが生じず半凝固状態
になっている金属の取出しが容易な金属溶湯の攪拌に用
いられる容器を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、半凝固加工を行う容器1内に供給された
金属溶湯4が、冷却されながら攪拌される、半凝固加工
における金属溶湯4の攪拌方法において、該容器1の内
周面13Bに沿って鉛直下方に該金属溶湯4が下降され
該容器1の中心軸上及びその周辺付近を上昇される下向
き方向への攪拌と、該容器1の内周面13Bに沿って鉛
直上方に該金属溶湯4が上昇され該容器1の中心軸上及
びその周辺付近を下降される上向き方向への攪拌とが、
該金属溶湯4中を通過する移動磁界により生ずる力によ
って交互に行なわれ、該下向き方向への攪拌を行った後
に攪拌を終了する半凝固加工における金属溶湯の攪拌方
法を提供している。
【0014】また、本発明は、複数の容器1の一の容器
1に金属溶湯4を供給する供給工程と、該金属溶湯4が
供給された容器を攪拌装置2にセットする容器セット工
程と、該攪拌装置内で、該金属溶湯4が冷却されなが
ら、該容器1の内周面13Bに沿って鉛直下方に該金属
溶湯4が下降され該容器1の中心軸上及びその周辺付近
を上昇される下向き方向への攪拌と、該容器の内周面1
3Bに沿って鉛直上方に該金属溶湯4が上昇され該容器
1の中心軸上及びその周辺付近を下降される上向き方向
への攪拌とが、該金属溶湯4中を通過する移動磁界によ
り生ずる力によって交互に行なわれ、該下向き方向への
攪拌を行った後に攪拌を終了し、半凝固状態の金属材料
が生成される交互攪拌半凝固化工程と、該攪拌装置から
該容器1を抜脱する容器抜脱工程と該容器抜脱工程で該
攪拌装置2から抜脱された該容器1から、該金属材料を
取出す金属材料取出し工程と、該金属材料取出し工程で
取出された該金属材料を鋳型に充填し鋳造する鋳造工程
と、次回の交互攪拌半凝固化工程のために該容器1を冷
却する容器冷却工程と、次回の交互攪拌半凝固化工程の
ために該容器1の付着物を除去する付着物除去工程と、
該金属材料取出し工程又は該鋳造工程又は該容器冷却工
程又は該付着物除去工程のうち、少なくとも一つの工程
が実行されている間に、他の該容器1について該供給工
程と容器セット工程と該交互攪拌半凝固化工程とを実行
する半凝固加工を用いた鋳造方法を提供している。
【0015】更に、本発明は、半凝固加工における金属
溶湯4の攪拌を行なうために、該金属溶湯4を保持する
容器1において、該容器1は有底の略円筒形状をなすと
共に、該略円筒形状の軸心を含む平面で分割された第1
の半割部10と第2の半割部20とにより構成され、該
第1の半割部10は、略半円形状の第1の底部12と、
第1の円弧部13Aと第1の仮想の弦部とからなる断面
略半円状の第1周面部13とを有し、該第1周面部13
は、第1の円弧部13Aの外周と第1の弦部との半径方
向の距離が、該第1の円弧部13Aを含む円の半径より
小さい形状をなし、該第2の半割部20は、略半円形状
の第2の底部22と、該第1の円弧部13Aと同一曲率
の第2の円弧部23Aと第2の仮想の弦部とからなる断
面略半円状の第2周面部23とを有し、該第2周面部2
3は、第2の円弧部23Aの外周と第2の弦部との半径
方向の距離が、該第2の円弧部23Aを含む円の半径よ
り小さい形状をなして、該第1の半割部10と略同一形
状をなし、該第1の半割部10と該第2の半割部20と
の合せ面11、21のうち、一方の合せ面11には凸部
11Aが形成され、他方の合せ面21には該凸部11A
と嵌合する凹部21Aが形成されると共に、該第1、第
2周面部13、23の合せ面11、21であって該凹部
21A及び凸部11Aに対して半径方向外方側位置に
は、回動部16、26が設けられ、該第1の半割部10
が該第2の半割部20に対して相対的に回動可能に設け
られ、該容器1は、該容器1の内周面13Bに沿って鉛
直下方に該金属溶湯4が下降され該容器1の中心軸上及
びその周辺付近を上昇される下向き方向への攪拌と、該
容器1の内周面13Bに沿って鉛直上方に該金属溶湯4
が上昇され該容器1の中心軸上及びその周辺付近を下降
される上向き方向への攪拌とが、該金属溶湯4中を通過
する移動磁界により生ずる力によって交互に行なわれ、
該下向き方向への攪拌を行った後に攪拌を終了する半凝
固加工における溶湯の攪拌方法に用いられる、半凝固加
工における金属溶湯の攪拌に用いられる容器を提供して
いる。
【0016】更に、本発明は、半凝固加工における金属
溶湯の攪拌を行うために、該金属溶湯を保持する容器に
おいて、該容器は上端が解放された有底形状であり、
金属溶湯に接する該容器と該金属溶湯との間に空気が流
れ込みやすくするために、該容器は気孔率の高い材料に
より構成されるか、又は、該金属溶湯と接する該容器の
内周面には該金属溶湯と該容器との間に空気が流れ込み
やすくなるようにする材料が塗布されるか、又は、該容
器の底部に穴が形成され該金属溶湯の攪拌時には該穴は
塞がれ半凝固化した該金属溶湯の取出時には該穴は開放
されるか、又は、該容器の該底部には通気可能且つ金属
溶湯は通過不能な焼結ベントが設けられるか、又は該金
属溶湯と接する該容器の該内周面には凹凸が形成され、
該容器は、該容器の内周面に沿って鉛直下方に該金属溶
湯が下降され該容器の中心軸上及びその周辺付近を上昇
される下向き方向への攪拌と、該容器の内周面に沿って
鉛直上方に該金属溶湯が上昇され該容器の中心軸上及び
その周辺付近を下降される上向き方向への攪拌とが、該
金属溶湯中を通過する移動磁界により生ずる力によって
交互に行なわれ、該下向き方向への攪拌を行った後に攪
拌を終了する半凝固加工における溶湯の攪拌方法に用い
られる、半凝固加工における金属溶湯の攪拌に用いられ
る容器を提供している。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態による半凝固
加工における金属溶湯の攪拌方法、半凝固加工を用いた
鋳造方法及び半凝固加工における金属溶湯の攪拌に用い
られる容器について図1乃至図13に基づき説明する。
【0018】先ず、半凝固加工における金属溶湯の攪拌
に用いられる容器について、図1乃至図8に基づき説明
する。
【0019】半凝固加工における金属溶湯の攪拌に用い
られる容器1は、電極に用いられる純度の高い黒鉛、ま
たはステンレスなどの非磁性の金属材料からなり、有底
の略円筒形状をなしている。この容器1は、図1乃至図
8に示されるように、該略円筒形状の軸心を含む平面で
分割された第1の半割部10と第2の半割部20とによ
り構成される。第1の半割部10は該第2の半割部に対
して、回動部16を軸として相対的に回動可能に連結さ
れており、第1の半割部10の合せ面11と第2の半割
部20の合せ面21とが相互に当接しているときに、第
1の半割部10と第2の半割部20とが略円筒形状の容
器1を形成する。
【0020】第1の半割部10は、図1の上面図及び図
3の底面図に示されるように、略半円形状の第1の底部
12と、第1の円弧部13Aと第1の仮想の弦部とから
なる断面略半円状の第1周面部13とを有している。
【0021】第1周面部13は、第1の円弧部13Aの
内周と第1の弦部との半径方向の距離Rが、第1の円弧
部13Aの内周を含む円の半径より小さい形状をなして
いる。このため、図1に示されるように、合せ面におけ
る円弧部13Aの内周の接線Tと第1の弦部とのなす角
θは鋭角となっている。結果として、容器1の内周断面
は真円ではない形状となっている。
【0022】第1周面部13は、図2及び図4に示され
るように、鉛直上下方向に長い第1筒部14と第1筒部
14よりも鉛直上下方向の長さが短い第1冠部15とか
ら構成されている。第1筒部14、第1冠部15共に断
面略半円形状であるが、断面における半径方向の厚さが
異なっている。このため、第1筒部14の内周面13B
と第1冠部15の内周面とは面一であるが、第1筒部1
4よりも第1冠部15の方が、断面半径方向外側に突出
した形状となっている。
【0023】第1の底部12は、図2に示されるよう
に、内周面12Aが球面の一部をなす形状であり、内周
面12Aと第1周面部13の内周面13Bとで容器の内
周面を形成する。第1の底部12の外周部12Bは、図
2及び図3に示されるように略円筒形状の容器の軸心を
中心とする複数の同心半円であって鉛直下方の略半円ほ
ど半径が短くなる略半円からなり、容器を上下動するテ
ーブルに設置でき、容器が開くことを防止するため階段
状の形状をなしている。第1の底部12の鉛直方向の上
端部と第1筒部14の鉛直方向の下端部、及び第1筒部
14の鉛直方向の上端部と第1冠部15の鉛直方向の下
端部とはそれぞれ溶接され、一体となっている。
【0024】合わせ面11は、図2に示されるように、
第1の底部12、第1筒部14及び第1冠部15がそれ
ぞれ第2の半割部20と当接する部分であり、面一とな
っている。合わせ面11には、第1の半割部10と当接
する第2の半割部20の方向に均一に突出した凸部11
Aが、第1の半割部の内周面に沿って内周部の一部をな
す形状で形成されている。
【0025】回動部16、16は、第1周面部13の合
せ面であって凸部11Aに対して半径方向外方側位置に
形成された突部であり、図1及び図3に示されるよう
に、鉛直上下方向に貫通穴部16a、16aが形成され
ている。この貫通穴部16a、16aと図5及び図6に
示された第2の半割部20の回動部26の貫通穴部26
aとが、図示せぬピンで回動可能に貫通され、第1の半
割部10は該第2の半割部に対して、回動部16、26
のピンを軸として相対的に回動可能に連結される。
【0026】第2の半割部20は、略半円形状の第2の
底部22と、第1の円弧部13Aと同一曲率の第2の円
弧部23Aと第2の仮想の弦部とからなる断面略半円状
の第2周面部23とを有し、第2周面部23は、第2の
円弧部23Aの外周と第2の弦部との半径方向の距離
が、第2の円弧部23Aを含む円の半径より小さい形状
をなして、該第1の半割部10と略同一形状をなしてい
る。第2の半割部20は、合わせ面の一部と回動部とを
除いて同一形状である。
【0027】第2の半割部20の合せ面21は、第1の
半割部の凸部11Aが一様に嵌合可能な凹部21Aが形
成され、合せ面21の凹部21A以外の部分と合せ面1
1の凸部11A以外の部分とが一様に当接する。また、
第2の半割部20の回動部26が形成されている位置
は、第1の半割部10の回動部16が形成されている位
置とは若干異なっている。合せ面11と合せ面21が一
様に当接しているときに、第1の半割部10の回動部1
6に形成された貫通穴部16aと第2の半割部20の回
動部26に形成された貫通穴部26aとが鉛直上下方向
に同軸的な位置関係となるように、回動部26は回動部
16の形成されている位置よりも鉛直上方に形成されて
いる。
【0028】半凝固加工における金属溶湯の攪拌に用い
られる容器を略円筒形状とし、略円筒形状の軸心を含む
平面で2分割された第1及び第2の半割部から容器が構
成されるようにし、第1及び第2の半割部の第1、第2
それぞれの周面部を、円弧部の外周と仮想の弦部との半
径方向の距離が円弧部を含む円の半径より小さい形状と
した。このため、合せ面における円弧部の接線と第1の
弦部とのなす角θは鋭角となり、第2の半割部20を第
1の半割部10に対して開いたとき、開口部が広がる方
向となるので、攪拌冷却された金属材料の固相率が0.
4以上と比較的高い場合に固まりの状態で金属材料が生
成されても、金属材料を容器から極めて容易に取出すこ
とができる。また、合せ面の一部で凸部と凹部が嵌合す
るようにしたため、半凝固加工で金属溶湯を上下方向に
攪拌したときに、容器の合せ面から金属溶湯が漏出るこ
とを防止できる。
【0029】次に、半凝固加工における金属溶湯の攪拌
方法について図9乃至図13に基づき説明する。
【0030】半凝固加工における金属溶湯4の攪拌は、
図9に示されるような攪拌装置2によって行われる。攪
拌装置2は上述した電磁攪拌機を備えており、電磁攪拌
機によって金属溶湯4の攪拌が行われる。
【0031】図9に示されるように、攪拌装置2内に
は、アルミニウム合金の金属溶湯4が供給された容器1
を支持するために、略円筒形状の穴部2Aが形成され、
また、図示せぬエアシリンダに接続された支持部材5が
設けられ、容器1は穴部2A及び支持部材5に支持され
ている。容器1の第1及び第2周面部13、23に対向
する攪拌装置2の内部には、容器1の第1及び第2の周
面部13、23を取巻くようにして、鉛直上下方向に合
計6個のコイルが設けられ、電磁攪拌機をなす多相コイ
ル3が構成されている。
【0032】金属溶湯4の攪拌は、電磁攪拌機を構成す
る多相コイル3によって容器1内の金属溶湯4中に移動
磁界が発生し、金属溶湯4が移動されることによって行
われる。攪拌について順を追って説明すると、先ず、容
器の内周面に沿って鉛直下方に金属溶湯4が下降され容
器の中心軸上及びその周辺付近を上昇される下向き方向
への攪拌が行われる。図9の矢印B及び図10(a)の
矢印は、下向き方向への攪拌が行われているときの金属
溶湯4の移動方向が示されている。次に、多相コイル3
の磁界が変化され、容器の内周面に沿って鉛直上方に金
属溶湯4が上昇され容器の中心軸上及びその周辺付近を
下降される上向き方向への攪拌が行われる。図10
(b)の矢印は上向き方向が行われているときの金属溶
湯4の移動方向が示されている。そして、下向き方向へ
の攪拌及び上向き方向への攪拌が少なくとも一回以上そ
れぞれ同じ回数で行われた後に、下向き方向への攪拌が
行われる。この下向き攪拌が行われた後に、攪拌が終了
される。攪拌が終了した後に、図示せぬエアシリンダに
より支持部材5が鉛直上方に付勢されることによって容
器1が鉛直上方に持上げられ、攪拌装置2から容器1が
取出される。
【0033】図11乃至図13には、本発明による半凝
固加工における金属溶湯の攪拌方法と、他の方法による
半凝固加工における金属溶湯の攪拌方法とによって生成
された半凝固状態の金属材料の断面写真が示されてい
る。半凝固加工に用いられた金属材料は、JIS規格に
よるダイカスト用ADC10合金である。
【0034】図11は、本発明による半凝固加工におけ
る金属溶湯の攪拌方法によって生成された半凝固状態の
金属材料の断面写真である。攪拌に費やされた時間は、
118秒である。図12は、下向き方向の攪拌のみを行
うことによって得られた、半凝固状態の金属材料の断面
写真である。攪拌に費やされた時間は、130秒であ
る。図13は、上向き方向の攪拌のみを行うことによっ
て得られた、半凝固状態の金属材料の断面写真である。
攪拌に費やされた時間は、138秒である。
【0035】図11乃至図13の写真から明らかなよう
に、本発明による攪拌方法で半凝固状態とされた金属材
料中には巣が発生しておらず、また、攪拌に費やされた
時間も他の方法による攪拌方法と比較して大きく短縮さ
れている。上向き方向の攪拌のみを行った場合は、図1
3より明らかなように、金属材料の下部に巣が発生して
おり、攪拌に要した時間もかなり長い。下向き方向の攪
拌のみを行った場合は、図12に示されるように、金属
材料中に巣は発生していないものの、攪拌に要する時間
は本発明の方法と比較するとかなり長い。
【0036】下向き方向及び上向き方向への交互の攪拌
が行われた後に、最後に下向きの攪拌を行うことによっ
て攪拌が終了されるため、攪拌の効果が十分に期待で
き、いわゆる「巣」を発生することなく半凝固状態の金
属材料を生成することができる。最後に下向きの攪拌を
行うことによって、上向き方向への攪拌によって生じた
溶湯中心部の空隙部に溶湯を補給できるからである。さ
らに、攪拌に要していた時間を大幅に短縮することがで
き、半凝固状態の金属材料をその後鋳造して製品を製造
するときの製造効率を大きく改善することができる。
【0037】次に、半凝固加工を用いた鋳造方法につい
て説明する。本発明による半凝固加工を用いた鋳造方法
では、従来の半凝固加工を用いた鋳造方法における攪拌
方法に代えて、本発明による半凝固加工における金属溶
湯の攪拌方法を行う。半凝固を用いた鋳造方法は次の通
りである。
【0038】金属溶湯の攪拌に用いられる容器1が複数
用意され、その複数の容器1の内の1の容器に金属溶湯
が供給される(供給工程)。次に、金属溶湯が供給され
た容器1が攪拌装置2にセットされる(容器セット工
程)。攪拌装置2内で、金属溶湯4が冷却されながら、
容器1の内周面に沿って鉛直下方に金属溶湯4が下降さ
れ容器1の中心軸上及びその周辺付近を上昇される下向
き方向への攪拌と、容器1の内周面13Bに沿って鉛直
上方に金属溶湯4が上昇され容器1の中心軸上及びその
周辺付近を下降される上向き方向への攪拌とが、金属溶
湯4中を通過する移動磁界により生ずる力によって交互
に行なわれ、下向き方向への攪拌を行った後に攪拌を終
了し、半凝固状態の金属材料4が生成される(交互攪拌
半凝固化工程)。次に、攪拌装置2から容器1が抜脱さ
れ、抜脱された容器1から、半凝固状態の金属材料4が
取出される(金属材料取出し工程)。次に、取出された
金属材料4が鋳型に充填され鋳造が実行される(鋳造工
程)。次に、次回の交互攪拌半凝固化工程のために、容
器1が冷却され(容器冷却工程)、容器1の付着物がエ
アブロー又は振動によって除去される(付着物除去工
程)。
【0039】一の容器について上述した金属材料取出し
工程が実行されている間に、他の容器について上述した
供給工程と容器セット工程と交互攪拌半凝固化工程とが
実行される。換言すれば、一の容器が交互攪拌半凝固化
工程に使用されていないときに、他の容器が交互攪拌半
凝固化工程に使用される。
【0040】従来の半凝固加工を用いた鋳造方法に、本
発明の半凝固加工における金属溶湯の攪拌方法を用いた
ため、攪拌の効果が十分に期待でき、いわゆる「巣」を
発生することなく半凝固状態の金属材料を生成すること
ができる。また、容器が複数用意され、一の容器が交互
攪拌半凝固化工程で使用されている間に、交互攪拌半凝
固化工程に使用されていない他の容器は冷却され付着物
の除去が行われ、次の交互攪拌半凝固化工程に使用され
るための準備がなされるため、冷却効果の向上及び生産
性の向上に寄与することができる。更に、交互攪拌半凝
固化工程に使用した容器を冷却し、その後に容器の付着
物を除去するので、付着物も冷却されるため付着物の除
去を極めて容易に行うことができる。
【0041】本発明による半凝固加工における金属溶湯
の攪拌方法、半凝固加工を用いた鋳造方法及び半凝固加
工における金属溶湯の攪拌に用いられる容器は上述した
実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した範
囲で種々の変形や改良が可能である。例えば、本実施例
中では、半凝固状態となった金属材料を取出す際に容器
を2分割して取出せるように、第1及び第2の半割部か
ら構成したが、取出す際に容器を上下逆転し、重力によ
って金属材料を取出すような略るつぼ形状としてもよ
い。この場合には、略るつぼ状の容器自体に通気性を持
たせることによって金属材料の取出しを容易にするため
に、気孔率の高い黒鉛るつぼを用いてもよい。また、容
器と金属材料との間に空気が流込むようにすることによ
って金属材料の取出しを容易にするために、カオリン等
を略るつぼ形状の内周面に塗布しても良い。また、強制
的に容器と金属材料との間に外気を導入して金属材料の
取出しを容易にするために、略るつぼ形状の容器底部に
穴を形成し、金属溶湯の攪拌時にはこの穴を蓋で塞いで
おき、金属材料を取出す際に蓋を外すようにしてもよ
い。この構成の場合、金属材料の固相率が低い場合から
高い場合にまで広く使用できる。また、略るつぼ形状の
容器の底部に、金属溶湯は通過できないが通気可能な焼
結ベントを設置して、容器内部に外気を導入できるよう
にしてもよい。また、略るつぼ形状の容器の内周面に凹
凸を形成してもよい。
【0042】また、一の容器について鋳造工程が行われ
ている間に、他の容器について供給工程と容器セット工
程と交互攪拌半凝固化工程とが行われてもよい。また、
一の容器について容器冷却工程が行われている間に、他
の容器について供給工程と容器セット工程と交互攪拌半
凝固化工程とが行われてもよい。また、一の容器につい
て付着物除去工程が行われている間に、他の容器につい
て供給工程と容器セット工程と交互攪拌半凝固化工程と
が行われてもよい。いずれにせよ、金属材料取出し工程
又は鋳造工程又は容器冷却工程又は付着物除去工程のう
ち、少なくとも一つの工程が実行されている間に、他の
容器について供給工程と容器セット工程と交互攪拌半凝
固化工程とを実行すればよい。
【0043】
【発明の効果】請求項1記載の半凝固加工における溶湯
の攪拌方法によれば、下向き方向及び上向き方向への交
互の攪拌が行われた後に、最後に下向きの攪拌を行うこ
とによって攪拌が終了されるため、いわゆる「巣」を発
生することなく半凝固状態の金属材料を生成することが
でき、攪拌に要していた時間を大幅に短縮することがで
きる。
【0044】請求項2記載の半凝固加工を用いた鋳造方
法によれば、半凝固加工を用いた鋳造方法に本発明の半
凝固加工における金属溶湯の攪拌方法を用いたため、い
わゆる「巣」を発生することなく半凝固状態の金属材料
を生成することができる。また、容器が複数用意され、
一の容器が交互攪拌半凝固化工程で使用されている間
に、交互攪拌半凝固化工程に使用されていない他の容器
は冷却され付着物の除去が行われ、次の交互攪拌半凝固
化工程に使用されるための準備がなされるため、冷却効
果の向上及び生産性の向上に寄与することができる。更
に、交互攪拌半凝固化工程に使用した容器を冷却した後
に容器の付着物を除去するので、付着物も冷却されるた
め付着物の除去を極めて容易に行うことができる。
【0045】請求項3記載の半凝固加工における金属溶
湯の攪拌に用いられる容器によれば、半凝固加工におけ
る金属溶湯の攪拌に用いられる容器を略円筒形状とし、
略円筒形状の軸心を含む平面で2分割された第1及び第
2の半割部から容器が構成されるようにし、第1及び第
2の半割部の第1、第2それぞれの周面部を、円弧部の
外周と仮想の弦部との半径方向の距離が円弧部を含む円
の半径より小さい形状としたため、生成される金属材料
を容器から極めて容易に取出すことができる。また、合
せ面において凸部と凹部が嵌合するようにしたため、半
凝固加工で金属溶湯を上下方向に攪拌したときに、容器
の合せ面から金属溶湯が漏出ることを防止することがで
きる。
【0046】請求項4記載の半凝固加工における金属溶
湯の攪拌に用いられる容器によれば、金属溶湯に接する
容器と金属溶湯との間に空気が流れ込みやすくなってい
るため、金属材料を容器から極めて容易に取出すことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による半凝固加工における
金属溶湯の攪拌に用いられる容器の、第1の半割部を示
す上面図。
【図2】本発明の実施の形態による半凝固加工における
金属溶湯の攪拌に用いられる容器の、第1の半割部を示
す正面図。
【図3】本発明の実施の形態による半凝固加工における
金属溶湯の攪拌に用いられる容器、の第1の半割部を示
す底面図。
【図4】本発明の実施の形態による半凝固加工における
金属溶湯の攪拌に用いられる容器の、第1の半割部を示
す側面図。
【図5】本発明の実施の形態による半凝固加工における
金属溶湯の攪拌に用いられる容器の、第2の半割部を示
す上面図。
【図6】本発明の実施の形態による半凝固加工における
金属溶湯の攪拌に用いられる容器の、第2の半割部を示
す正面図。
【図7】本発明の実施の形態による半凝固加工における
金属溶湯の攪拌に用いられる容器の、第2の半割部を示
す底面図。
【図8】本発明の実施の形態による半凝固加工における
金属溶湯の攪拌に用いられる容器の、第2の半割部を示
す側面図。
【図9】本発明の実施の形態による半凝固加工における
金属溶湯の攪拌方法に用いられる、攪拌装置を示す断面
図。
【図10】本発明の実施の形態による半凝固加工におけ
る金属溶湯の攪拌方法で、金属溶湯が攪拌される方向を
示し、(a)は下向き方向の攪拌時の金属溶湯の移動方
向を示す概略図、(b)は上向き方向の攪拌時の金属溶
湯の移動方向を示す概略断面図。
【図11】本発明の実施の形態による半凝固加工におけ
る金属溶湯の攪拌方法によって凝固状態となった金属材
料を示す断面写真。
【図12】下向き方向の金属溶湯の攪拌方法によって凝
固状態となった金属材料を示す断面写真。
【図13】上向き方向の金属溶湯の攪拌方法によって凝
固状態となった金属材料を示す断面写真。
【符号の説明】
1 容器 2 攪拌装置 4 金属溶湯 10 第1の半割部 11 合せ面 11A 凸部 12 第1の底部 13 第1周面部 13A 第1の円弧部 13B 内周面 16 回動部 20 第2の半割部 21 合せ面 21A 凹部 22 第2の底部 23 第2周面部 23A 第2の円弧部 26 回動部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 1/00 B22D 17/00 B22D 41/005

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容器内に供給された金属溶湯が、冷却さ
    れながら攪拌される、半凝固加工における金属溶湯の攪
    拌方法において、 該容器の内周面に沿って鉛直下方に該金属溶湯が下降さ
    れ該容器の中心軸上及びその周辺付近を上昇される下向
    き方向への攪拌と、該容器の内周面に沿って鉛直上方に
    該金属溶湯が上昇され該容器の中心軸上及びその周辺付
    近を下降される上向き方向への攪拌とが、該金属溶湯中
    を通過する移動磁界により生ずる力によって交互に行な
    われ、該下向き方向への攪拌を行った後に攪拌を終了す
    ることを特徴とする半凝固加工における溶湯の攪拌方
    法。
  2. 【請求項2】 複数の容器の一の容器に金属溶湯を供給
    する供給工程と、 該金属溶湯が供給された容器を攪拌装置にセットする容
    器セット工程と、 該攪拌装置内で、該金属溶湯が冷却されながら、該容器
    の内周面に沿って鉛直下方に該金属溶湯が下降され該容
    器の中心軸上及びその周辺付近を上昇される下向き方向
    への攪拌と、該容器の内周面に沿って鉛直上方に該金属
    溶湯が上昇され該容器の中心軸上及びその周辺付近を下
    降される上向き方向への攪拌とが、該金属溶湯中を通過
    する移動磁界により生ずる力によって交互に行なわれ、
    該下向き方向への攪拌を行った後に攪拌を終了し、半凝
    固状態の金属材料が生成される交互攪拌半凝固化工程
    と、 該攪拌装置から該容器を抜脱する容器抜脱工程と、 該容器抜脱工程で該攪拌装置から抜脱された該容器か
    ら、該金属材料を取出す金属材料取出し工程と、 該金属材料取出し工程で取出された該金属材料を鋳型に
    充填し鋳造する鋳造工程と、 次回の交互攪拌半凝固化工程のために該容器を冷却する
    容器冷却工程と、 次回の交互攪拌半凝固化工程のために該容器の付着物を
    除去する付着物除去工程と、 該金属材料取出し工程又は該鋳造工程又は該容器冷却工
    程又は該付着物除去工程のうち、少なくとも一つの工程
    が実行されている間に、他の該容器について該供給工程
    と容器セット工程と該交互攪拌半凝固化工程とを実行す
    ることを特徴とする半凝固加工を用いた鋳造方法。
  3. 【請求項3】 半凝固加工における金属溶湯の攪拌を行
    なうために、該金属溶湯を保持する容器において、 該容器は有底の略円筒形状をなすと共に、該略円筒形状
    の軸心を含む平面で分割された第1の半割部と第2の半
    割部とにより構成され、 該第1の半割部は、略半円形状の第1の底部と、第1の
    円弧部と第1の仮想の弦部とからなる断面略半円状の第
    1周面部とを有し、該第1周面部は、第1の円弧部の外
    周と第1の弦部との半径方向の距離が、該第1の円弧部
    を含む円の半径より小さい形状をなし、 該第2の半割部は、略半円形状の第2の底部と、該第1
    の円弧部と同一曲率の第2の円弧部と第2の仮想の弦部
    とからなる断面略半円状の第2周面部とを有し、該第2
    周面部は、第2の円弧部の外周と第2の弦部との半径方
    向の距離が、該第2の円弧部を含む円の半径より小さい
    形状をなして、該第1の半割部と略同一形状をなし、 該第1の半割部と該第2の半割部との合せ面のうち、一
    方の合せ面には凸部が形成され、他方の合せ面には該凸
    部と嵌合する凹部が形成されると共に、該第1、第2周
    面部の合せ面であって該凹部及び凸部に対して半径方向
    外方側位置には、回動部が設けられ、該第1の半割部が
    該第2の半割部に対して相対的に回動可能に設けられ、 該容器は、該容器の内周面に沿って鉛直下方に該金属溶
    湯が下降され該容器の中心軸上及びその周辺付近を上昇
    される下向き方向への攪拌と、該容器の内周面に沿って
    鉛直上方に該金属溶湯が上昇され該容器の中心軸上及び
    その周辺付近を下降される上向き方向への攪拌とが、該
    金属溶湯中を通過する移動磁界により生ずる力によって
    交互に行なわれ、該下向き方向への攪拌を行った後に攪
    拌を終了する半凝固加工における溶湯の攪拌方法に用い
    られることを特徴とする半凝固加工における金属溶湯の
    攪拌に用いられる容器。
  4. 【請求項4】 半凝固加工における金属溶湯の攪拌を行
    うために、該金属溶湯を保持する容器において、 該容器は上端が解放された有底形状であり、該金属溶湯に接する該容器と該金属溶湯との間に空気が
    流れ込みやすくするために、該容器は気孔率の高い材料
    により構成されるか、又は、該金属溶湯と接する該容器
    の内周面には該金属溶湯と該容器との間に空気が流れ込
    みやすくなるようにする材料が塗布されるか、又は、該
    容器の底部に穴が形成され該金属溶湯の攪拌時には該穴
    は塞がれ半凝固化した該金属溶湯の取出時には該穴は開
    放されるか、又は、該容器の該底部には通気可能且つ金
    属溶湯は通過不能な焼結ベントが設けられるか、又は該
    金属溶湯と接する該容器の該内周面には凹凸が形成さ
    れ、 該容器は、該容器の内周面に沿って鉛直下方に該金属溶
    湯が下降され該容器の中心軸上及びその周辺付近を上昇
    される下向き方向への攪拌と、該容器の内周面に沿って
    鉛直上方に該金属溶湯が上昇され該容器の中心軸上及び
    その周辺付近を下降される上向き方向への攪拌とが、該
    金属溶湯中を通過する移動磁界により生ずる力によって
    交互に行なわれ、該下向き方向への攪拌を行った後に攪
    拌を終了する半凝固加工における溶湯の攪拌方法に用い
    られることを特徴とする半凝固加工における金属溶湯の
    攪拌に用いられる容器。
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