JP3416665B6 - 搾乳動物の乳首の後処理方法及び該方法を行うための搾乳動物用器具 - Google Patents
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Description
【0001】
(技術分野)本発明は、乳牛等の搾乳動物用自動器具に関する。より詳しくは、本発明は、動物の自動搾乳器具にて搾乳動物の乳房及び又は乳首を後処理するための方法、及び該方法を行うための搾乳動物用自動器具に関する。
【0002】
(発明の開示)本発明は乳牛等の搾乳動物用器具の乳首カップを自動的に洗浄する方法に関する。衛生上の理由から、又乳に課せられる品質条件の観点から、乳首カップの洗浄が重要である。即ち、乳首カップの外側から、特に動物の乳房と接触する上側から汚れを除去することが大切である。
【0003】
本発明による乳牛等の搾乳動物用器具の乳首カップを洗浄する方法は、動物の搾乳後に動物の乳房から取り外して洗浄装置によって自動洗浄することを特徴とする。乳首カップは、一頭の乳牛を搾乳する毎に汚されるので、本発明によれば一回の搾乳毎に、特に乳首カップの上側に洗浄液を流す。言い換えれば、搾乳毎に乳首カップの外側、特に上側の洗浄を行う。乳首カップの内部とこの乳首カップに連結する搾乳ラインの内部を洗浄するために、基準を相違させている。
【0004】
本発明によれば、搾乳後に次に搾乳すべき動物を搾乳室に入れないで乳首カップ及びこれと連結する搾乳ラインに洗浄液を流す。これによって細菌の繁殖が阻止され、乳首カップ及びこの乳首カップに連結するライン内に残る乳は乾燥しない。乾燥度は外側の温度に左右され、いかなる場合にも、搾乳後約1時間の所定時間内で次に搾乳すべき別の動物を搾乳室に入れる前に乳首カップとそれに連結するラインを洗浄することが望ましい。しかしながらこの所定の時間は、5分のオーダであることが望ましい。本発明の特別な方法によれば、乳首カップの上側又は搾乳ラインを備えた乳首カップ内に分離したチャネルを介してすすぎ液を流す。従ってこれにより、乳首カップ及びそれと連結する搾乳ラインの内部の洗浄作業とは別に乳首カップの外側のすすぎ作業が可能となる。
【0005】
搾乳時、動物によって供給される乳は乳首カップ及びそれと連結する搾乳ラインから乳タンクまで搬送される。搾乳ラインの効果的に選択した場所に三方弁を組み入れ可能であり、これによって乳首カップと乳タンクとの連結が中断されて液材タンクとの連結が可能となる。従ってこの液材タンクから噴射ノズルまで、及びそこからすすぎ液回路に組み入れた乳首力ツプ、それと連結する関連の搾乳ライン及び該三方弁を介して液材タンクまでにすすぎ液を流す事ができる。このように乳首カップ及びこれと連結する搾乳ラインのすすぎ洗いが可能であり、これによって乳首カップ内及びこれと連結する搾乳ライン内に残留する乳が除去される。このようなすすぎラインと搾乳ラインとの組合せシステムはEP-A-0385539号に記載されている。
【0006】
本発明は乳首カップの洗浄方法のみに関するものではなく、乳首カップの洗浄装置を有する搾乳動物用器具にも関し、これによって本発明による方法の実施を可能にするものである。前記器具には噴射ノズルを有するすすぎ液回路を設け、各々の周囲にすすぎ液回路に組み入れた乳首カップの末端部を取り付け可能であり、各噴射ノズルは単数又は複数個の流出孔を有し、該流出孔を介してそれと連結する乳首カップにすすぎ液を流す。
【0007】
しかしながら重要なことは、乳首カップが外側及び動物の乳房と接触する特に上側を洗浄するだけではなく、内側をも洗浄することである。従って本発明による器具は、洗浄装置の各噴射ノズルに単数又は複数個の第1流出孔と第2流出孔とを設け、該第1流出孔によって噴射ノズルへのすすぎ液が噴射ノズルと連結する乳首カップ内を通過可能となり、該第2流出孔によってそれと連結する乳首カップの外側の洗い流しが可能となる。好適実施例の場合、第1及び第2流出孔にすすぎ液を流すために噴射ノズル内に分離ダクトを設けてある。それ故に乳首カップの外側、特に上側のすすぎとは別に乳首カップ内部のすすぎが可能である。更にすすぎ液の流れに異なる圧力を加えることも可能となる。特に乳首カップの上側を適切に洗浄するために第2流出孔は環状であることが望ましい。
【0008】
この状況において、第2流出孔は特に噴射ノズル及びそれと連結する乳首力ツプの長手方向軸線に垂直な面に位置決めされる。好適実施例の場合、乳首カップと噴射ノズルとを連結するために連結乳首カップ内を真空にすると該乳首カップは上方に引っ張られ、第2流出孔に至るダクト内の液圧が少なくとも全くない場合に該流出孔が閉鎖するような高さにおいて噴射ノズル内に第2流出孔を設ける。この場合、乳首カップが連結状態にある時第1流出孔(単数又は複数個)が乳首カップの上縁のすぐ下に位置決めされるような高さにて噴射ノズル内に第1流出孔(単数又は複数個)を設ける。具体例の場合、第1流出孔と第2流出孔との間隔は約5乃至10ミリである。
【0009】
本発明による好適実施例の場合、器具の洗浄装置には噴射ノズルを連結させる担持エレメントを設ける。本発明の別な特徴によれば、前記担持エレメントはダクトを有し、それを介して噴射ノズルにすすぎ液が導入可能となる。本発明の更に別な特徴によれば、担持エレメントに第1ダクト装置を設け、それを介して噴射ノズルの第1流出孔(単数又は複数個)にすすぎ液を導入可能となる。更に本発明の別な特徴によれば、前記担持エレメントに第2ダクト装置を設け、それを介して噴射ノズルの第2流出孔(単数又は複数個)にすすぎ液を導入可能となる。従ってすすぎ液用として2本の供給ラインのみを洗浄装置に接続する必要がある。
【0010】
かくして、噴射ノズルの各流出孔に別個の供給ラインを設ける必要はない。従って洗浄装置を極めてコンパクトな構造で実施可能である。第2流出孔を介して乳首カップの上側を流れるすすぎ液が側方向に過度に噴射されないように、洗浄装置の周囲又は各噴射ノズルの周囲にスクリーンを設けて連結する乳首カップ(単数又は複数個)の上端部を覆うようにする。乳首カップのすすぎは動物の自動搾乳の際に特に重要である。本発明の更に別な特徴によれば、洗浄装置は搾乳動物用器具の一部を形成する搾乳ロボットと連結する。この場合前記洗浄装置は、搾乳ロボットが搾乳中でない時に搾乳ロボットの一部を構成するロボットアームに取り付けた乳首カップがロボットアームの上方運動によって洗浄装置と連結可能な位置において搾乳ロボットに固定される。
【0011】
更に本発明による別の実施例の場合、搾乳すべき動物の乳首を洗浄するために洗浄部材を設ける。その結果、本発明器具は乳首カップと動物の乳首の両方を洗浄可能なので多機能性を有することになる。本発明の別の特徴によれば、本発明器具は洗浄部材を洗浄するための洗浄装置を有する。前記洗浄装置を使用することによって、洗浄部材で乳首を洗浄した後で洗浄部材自体を洗浄可能なので、次の動物は極めて高い殺菌状態下にて作業可能となる。このような状態下にて作業することによって、乳の体細胞総数が比較的低くなり、例えば、動物相互間の乳腺炎による感染の危険が極めて低くなる。
【0012】
本発明の別な特徴によれば、本発明の洗浄装置は、洗浄部材の洗浄エレメントを押し込み可能な開口部を有する箱状ハウジングを包含する。洗浄エレメントによって乳首を洗浄した後で、該洗浄エレメントは箱状ハウジングに保管可能である。本発明の更に別な特徴によれば、箱状ハウジング内には単数又は複数個のすすぎ部材と単数又は複数個のブラシを設け、該部材によって箱状ハウジングにすすぎ液を導入可能にする。箱状ハウジング内における洗浄エレメントの洗浄中、洗浄エレメントにすすぎ液を噴射し、それと同時に洗浄エレメントはブラシに対して回転する。
【0013】
本発明により箱状ハウジング内に洗浄装置及び洗浄部材を適切に位置決めするために、箱状ハウジングにはロックエレメントとしても働く位置決め装置を設ける。前記位置決め装置によって、洗浄装置及び洗浄部材は、箱状ハウジング内に保管される毎に箱状ハウジングに対する予備決定位置に導入されてそこで保持される。かくして、搾乳ロボットに適用する楊合、搾乳ロボットのアームが毎回洗浄装置及び洗浄部材を再追跡して再度同一位置に来るので洗浄装置と洗浄部材の位置は比較的決定しやすい。
【0014】
このような器具はそれの長手方向側部の少なくとも1つに固定フレームを有する搾乳室を備え、該フレームは動物の自動搾乳用搾乳ロボットを取り付ける第1上方フレーム部と、搾乳ロボットが支持され、下側に沿って搾乳ロボットのアームを搾乳室内の動物の下まで移動可能にする第2下方フレーム部とを有し、更に該搾乳ロボットは搾乳ロボットの別の部分用の担持フレームを有し、該担持フレームは該上方フレーム部に沿って移動可能である。この状態において、洗浄装置は搾乳ロボットの担持フレームに固定可能である。特に、搾乳ロボットの別の部分は乳首カップを設けるロボットアームを有し、洗浄装置又は洗浄器は、搾乳ロボットが搾乳中ではない特に乳首カップが上方運動によって洗浄装置と連結可能な場所において担持フレームと連結する。従って本発明の更に別な特徴によれば、乳首カップの相互間隔は洗浄装置の噴射ノズルの相互間隔に等しい。
【0015】
本発明の好適実施例によれば、ロボットアームは搾乳動物の乳房及び又は乳首の後処理のための後処理装置を有する。
【0016】
従って本発明は更に搾乳動物の乳房及び又は乳首を自動的に後処理するための後処理装置を設けることを特徴とする乳牛等の搾乳動物用自動器具に関する。搾乳動物の乳房及び又は乳首の消毒により、動物の感染速度は遅くなる。本発明の更に別の特徴によれば、後処理装置は噴射ノズルと弁を組み込んだ供給ラインとを有する。本発明によれば、噴射ノズル付近に弁を設ける。従って弁の開閉で、噴射ノズルへの液体供給において初期現象及び終期現象がなくなるので、弁の開口のほとんど直後に噴射ノズルによって望ましくはファン型噴射パターンが形成される。本発明の好適実施例の場合、動物の自動搾乳用搾乳ロボットのアームの末端部に噴射ノズルを配置する。本発明によれば、噴射ノズルはロボットアームの末端部に位置する2個の乳首カップ相互間に位置決めされる。かくして、自動搾乳後に、人を介することなく動物の乳房及び又は乳首の消毒が可能となる。
【0017】
更に本発明の特徴によれば、動物の自動搾乳用搾乳ロボットのアームの末端部に対して前方及び上方向きのファン型噴射パターンが得られるように該末端部に、又は該末端部付近に噴射ノズルを配置する。本発明の別な特徴によれば、前記ファン型噴射パターンは前方乳首カップを介して垂直面に対して10乃至50度の角度で延長する。ファン型パターンは前方及び上方に向いているので、乳房及び又は乳首の噴射中に乳首カップ内に液体が落ち入ることはない。
【0018】
更に本発明は動物の自動搾乳器具において、搾乳動物の乳首を後処理する方法に関し、動物の搾乳後に動物の乳首から乳首カップを外し、乳房及び又は乳首に後処理液を自動的に噴射する。かくして、各搾乳作業が人を介さずに実施された後、搾乳動物の乳房及び又は乳首は自動的にに消毒されるので動物の衛生及び健康に好影響を与える。更に本発明は後処理液をファン型パターンに噴射した後で、噴射中に該パターンが乳房の下に沿って該ファン型パターンの面から乳首カップまで延長する方向に相応する方向に移動することを特徴とする方法に関する。このように後処理液で乳房及び又は乳首を処理しても、乳首カップが噴射中に噴射面とは異なる方河に移動するので、ファン型パターン及び又は乳房/乳首からの液体が乳首カップ内に落下することはない。
【0019】
本発明は本文に記載した洗浄装置を備える搾乳動物用器具のみに関するものではなく、前記器具及び又は本文に説明してきた方法に適用される洗浄装置にも関するものである。
【0020】
(発明の実施の形態)本発明をよりよく理解し、又実施方法を示すために本発明の実施例を非制限例として示す添付の図面を参照して以下に詳述する。図1及び図2に図示する器具は、動物の運動の自由を制限する手すり2によって包囲される搾乳室1を有する。前記搾乳室の後方の側部から動物を入れることができ、動物は同様にして前方の側部から出ることが出来る。搾乳室の前端部には飼料を供給するので、乳牛は十分な距離だけ前進し、搾乳しやすい位置に到達できる。入口と出口とを設ける側とは異なる搾乳室の長手方向側部に手すり2の一部を形成する固定フレーム3を設けるが、このフレーム3は第1フレーム部4と第2フレーム部5とを有する。第1フレーム部4は第2フレーム部5に平行で、第2フレーム部5より長い(predominantly over)。
【0021】
この状況において、第1フレーム部4は手すり2の一部を形成する2個の垂直支柱6、7の外側と確実に連結し、第2フレーム部5は前記2本の支柱6、7相互間に確実に欧め込まれる。搾乳動物用の自動搾乳ロボット8は第1フレーム部4に可動連結し、一方、搾乳ロボット8のアームは適当な高さに設けられた第2フレーム部5に対して支持されており、その下限位置で移動して搾乳室にいる乳牛の下方に達することができる。搾乳ロボット8はその付加部分として担持フレーム9を有する。レールとして上方フレーム部4を設けることによって、担持フレーム9及び搾乳ロボット8全体は、このフレーム部に沿って容易に移動可能である。
【0022】
担持フレーム9は、第1フレーム4に平行なビーム10と、これに垂直で下方に延びて固定される支柱11と、2本の筋交い12とで構成される。対をなす支持部材13はビーム10の両端部近傍に設けられる。ローラ部材の対15を形成する2個のローラ16は、支持部材13とー体的に結合する支持板によってほぼ45度の角度で各対の支持部材13と連結し、担持フレーム9が上方フレーム部4に沿って容易に移動可能なように担持フレーム9が上方フレーム部4から懸垂するように配置される。いずれかの側において、担持フレーム9のビーム10には2個の担持体17を設ける。枢動軸18を中心一に移動可能なようにモー夕19を前記担持体に取り付ける。このモータ19は、望ましくはゴム面を有するローラ20を駆動させるが、この場合このローラはばね部材21によって上方フレーム部4に押圧される。ばね部材21はモータ19と担持フレーム9との間にて作動するので、モータ19によって駆動するローラ20は上方フレーム部4に押圧された状態で保持され、従ってモータが駆動すると、上方フレーム4に沿ってローラと共に担持フレーム9の全体が長手方向に移動する。
【0023】
例えばレーザを用いたセンサ22は、搾乳室の方向から見て最も後方側の支持部材13に接続する。このセンサ22によって、搾乳室の長手方向における休止位置から、搾乳ロボットのアームが搾乳室の動物の下まで移動するスタート位置まで搾乳ロボットを移動可能であり、搾乳室にいる動物の長手方向の動きに追従可篭である。このために、センサ22は動物の後側を移動可能な支持部材23と協働する。本実施例の場合四角形、特に平行四辺形構造体24によって構成されるロッドシステムによって、前述の支持部材23は搾乳室床に対して枢動可能なように該構造体上に取り付けられる。前述の2本のロッド25によって、支持部材23には仮26を設けるが、この場合該板はフレーム部4、5の側方向外側に位置し、センサ22によって伝送される信号を反射可能なように配置される。
【0024】
センサ22が反射信号をピックアップした後で、センサは例えば、板26とセンサ22との間の測定距離等の実測値である制御信号を発生し、この制御信号によってモータ19が駆動可能となると、搾乳ロボット8は、板26とセンサ22との間の距離がそれぞれ所定値になってその値に保持されるように搾乳室の長手方向に駆動する。搾乳ロボット8が休止位置にある場合、該ロボットはフレーム部4、5に対して出来るだけ後方に押される位置にあり、この状態において、搾乳ロボット8は接触部材27を介して板26と係合し、出釆るだけ後方に押される位置に支持部材23を保持する。言い換えれば、支持部材23は搾乳ロボット8が休止位置にある時に該ロボットによってロックされる。
【0025】
搾乳ロボットが前記休止位置から搾乳室の長手方向に駆動して開始位置に到ると、搾乳ロボットのアームは搾乳室内の動物の下まで移動し、次いで支持部材23はロックを外され、平行四辺形構造体24と手すり2との間に設けるばねによるぱね作用で搾乳室内にその時にいる乳牛の後側に押し付けられる。乳牛が前方又は後方に移動すると、支持部材23はばね28の圧力で動物の後側に押し付けられ続けるので、板26の位置は長手方向にて搾乳室内の動物の位置に対して決定され、従ってセンサ22によって、板26とセンサ22との間の長手方向距離を保持しながら搾乳ロボットは搾乳室の乳牛の長手方向運動に追従可能となる。
【0026】
本実施例の場合、担持フレーム9の支材11は第2フレーム部5の僅か下方まで垂直方向下方に延長する。前記支材11の底側には水平で後方に延長する帯板29を設け、自由回転可能なローラ部材30を該帯板に設ける。下方フレーム部5はしールによって、特にU字型ビーム形式のレールによって構成され、自由回転可能なローラ部材30は、U字型ビームの2個の直立縁相互間にて移動可能なように配置される。このようにして、搾乳ロボット8は下方フレーム部5に支持され、この状態において、搾乳ロボット8がモータによって第1フレーム部4に沿って移動すると、第2フレーム部5に沿って簡単に移動可能となる。
【0027】
担持フレーム9に加えて搾乳ロボットは、作動シリンダ32によって担持フレーム9に対して垂直方向に主として移動可能なロボットアーム構成体31を有する。ロボットアーム構成体31は四角形構造体33によって担持フレーム9と移動可能に連結する。図示の実施例の場合、前記四角形構造体33の上方アーム34は一定の長さを有するが、その下方アーム35の長さは調節可能である。従ってロボットアーム構成体31の配向を制限範囲内で調節可能となる。前記ロボットアーム構成体31は、主として垂直なロボットアーム36と、主に水平面にて移動可能なロボットアーム37とで構成される。ロボットアーム36は四角形構造体33によって担持フレーム9の支材11と連結する。作動シリング32は担持フレーム9とロボットアーム36との間で作動する。
【0028】
ロボットアーム36の配向は四角形構造体33の下方アーム35によって僅かに調節可能であるから、ロボットアーム36上における作動シリンダ32の接点位置は空間的に十分に確定されない。このために、担持フレーム9のビーム10と連結する担持板38に、少なくとも限定された度合で駆動可能な作動シリング32のハウジングを設ける。前記担持板38には支持体39を取り付け、それら相互間で作動シリンダ32のハウジングは枢動軸方向40を中心に移動可能である。本実施例の場合、前記作動シリンダはサーボエア式位置決めシリングとしてある。すなわちピストンロッド41の下方端にそれと確実に連結する板42によって位置フィードバックロッド43を嵌め込み、これにより、シリンダハウジングに対するピストンロッドの位置を示すポテンショメータによって作動シリンダの部分57に信号が引き出され、このポテンショメータによって供給される該信号によってシリンダハウジングに対するピストンロッド41の位置を所定位置に調節可能である。
【0029】
更に作動シリンダ32には過負荷保護材を設け、これによって搾乳室の動物が、例えば、足で蹴ったりしてロボットアーム構成体31に圧力を加えるとすぐにロボットアーム構成体31がその最下位置まで移動可能となる。図2と図4の場合、搾乳ロボット8は休止位置にあって該ロボットはフレ-ム部4、5に対して出来るだけ後方に移動しており、ロボットアーム構成体31は地面に近い出来るだけ低い位置に来ている。乳牛が搾乳室にいて搾乳工程が開始される場合、搾乳ロボット8は休止位置から開始位置に来る。すなわち搾乳ロボット8のアームが乳牛の下まで移動可能な位置まで調節可能となる。
【0030】
本実施例の場合、搾乳室にはこのためにアーム44,45,46を設ける。アーム44,45は互いに90度の固定角で設ける。従ってアーム44,45は、特にロボットアーム36に固定した支持板48と2本のアーム44,45相互間に設ける連結部材49との間に設ける作動シリング47によって連動する。2本のアーム44,45は支持板48と支持板50との間にて主として垂直な枢動軸方向を中心に回転可能であり、該支持板50も特に底側にてロボットアーム36と確実に連結する。アーム45に対してアーム46は主として垂直な枢動軸方向51を中心に回転可能で、連結部材49の近くに位置するアーム45の末端部とアーム46との間に設けた作動シリング52によって前記軸51に対して回転する。
【0031】
乳牛の乳首と連結可能な乳首力ツブ53、54をァーム46の末端部付近に設ける。アーム46に沿って移動可能なスライドを2個の乳首カップ54相互間に設けるが、該スライド上には、扇形逐次走査運動によって乳首の位置を正確に決定可能なセンサ55を設け、これによって作動シリング32,47,及び52は、乳首カップが適切な方法で乳首と連結可能なようにコンピューター制御可能である。ロボットアーム44乃至46が乳牛の下まで移動する時、後アームは比較的低い位置にあるが、この位置においてセンサ55はまだ乳首を探知してはいない。
【0032】
作動シリンダ32を使用してロボットアーム44乃至46はセンサ55が単数又は複数個の動物の乳首を捜し当てるまで段階的に上昇する。この上方移動中、この場合センサ55の上側に設けるスイッチ56によって乳牛の腹部にセンサ55の上縁が押し付けられるような高さまでロボットアーム44乃至46が上昇すると、ロボットアームは再度下方に移動可能となり、この後でセンサ55によってロボットアームを徐々に上昇させて乳首の位置決定の綴り返しを可能とする。
【0033】
前文に記載のように、本発明による器具は乳首カップ53,54用の洗浄装置57を更に有する。前記洗浄装置57は下向き支材11と確実に連結する。洗浄装置57は4価の下向き噴射ノズル58を有する。各噴射ノズル58の各々は2本の別個の洗浄液用ダクト59,60を有する。ダクト59は噴射ノズルの頂部から底部を介して中央に延長し、該ダクトの下端付近には側方向向きの第1流出孔61を設けるが、これは乳首カップが関連の噴射ノズルと連結する時、乳首カップの上縁下付近にて終了している。
【0034】
第2ダクト60は、噴射ノズルの第1ダクト59とほぼ同心に設けられ、底側には噴射ノズルとそれに連結する乳首カップの長手一方同軸線に垂直な面に位置する環状の第2流出孔62を有する。各噴射ノズル58の第1ダクト59は、洗浄液供給ライン63と連結する。各噴射ノズルの第2ダクトはパイプ部64と連結し、各噴射ノズルのパイプ部64は洗浄液供給ライン66と連結するディストリビュータ部材65となって終結する。洗浄液供給ライン63はポンプを介して洗浄液タンクと連結可能である(該ポンプ及び該洗浄液タンクは図示せず)。
【0035】
搾乳ロボットが搾乳のために作動しない時が図1に示す状態であり、この場合乳首カップ53,54は噴射ノズル58のすぐ下にあるので、乳首カップを担持するロボットアームの上方運動によって該乳首力ツプは関連の噴射ノズル58と連結可能でぁる。図2は、乳首カップが洗浄装置の噴射ノズルのすぐ下へくるまでロボットアームがまだ移動していない状態を示すものである。
【0036】
異なる動物の搾乳作業相互間にて、或いは動物の搾乳後に乳首カップ及びそれと連結する搾乳ラインを洗浄する必要がある場合、乳首カップを担持するロボットアーム(robot arm cum teat cups)は噴射ノズルの下まで移動し、噴射ノズルが乳首カップの上側の孔と係合するまで上方へ移動する。この位置において、第1流出孔61は乳首カップの上縁のほぼすぐ下の位置にあり、第2流出孔62は乳首カップの上縁のほぼすぐ上の位置にある。この後でライン63、66を介して洗浄液を供給することによって、該洗浄液は一方では乳首カップの上側を通過し、他方では洗浄液は乳首カップ内に導入される。
【0037】
洗浄時において、乳首カップと連結する搾乳ラインを中央に位置決めする乳タンクと搾乳中に連結させる三方弁を使用して乳首カップと乳タンクとの間の連結が中断し、例えば、洗浄液タンクとが連結する。このように作動すると、前記液体は供給ライン63と噴射ノズルのダクト59を介してポンプによって液体が循環可能となり、この後で乳首カップとそれに連結する搾乳ラインを介してタンクに洗浄液が搬送される。ライン66とダクト60を介して乳首カップの上側を通過する洗浄液が地面に落ちて溝を介してそこから排出される故に、乳首カップ及び関連の搾乳ラインを介して液体が循環する洗浄液供給ライン66は洗浄液タンクと連結しないことが重要である。従ってライン66は給水せんと直接連結するか又は例えば、特殊な洗浄剤又は殺菌剤を同時に加えることができる部材を介して間接的に連結する。洗浄後、洗浄液を関連の搾乳ラインから吸い込まなければならない。
【0038】
乳首カップが噴射ノズルと連結する時、乳首カップ内は真空となる。この結果、乳首カップは関連の噴射ノズルの下端部の僅か上方に持ち上げられ、各噴射ノズルの第2流出孔62はこの場合は閉鎖される。第1流出孔61と第2流出孔62との間の間隔は従って比較的小さい。前記間隔は例えば、5乃至10ミリの範囲内であり、具体例には7ミリの間隔を選択した。ダクト60を通過してパイプ部64を介して洗浄液が増加圧で供給されると、第2流出孔62から出る液体は第2流出孔62の下縁と関連の乳首カップの僅かに弾性の上縁との間に押し入り、側方向に噴射される。この場合洗浄装置の周囲又は各噴射ノズルの周囲にスクリーン67を連結状態にある乳首カップ(単数又は複数個の)の上端部にかかるように設ける。
【0039】
本発明はここに記載した実施例のみに限定されるものではなく、添付の請求の範囲の請求項1を保護する範図を逸脱することのない洗浄装置のあらゆる別型に適応されるものである。更に本発明は乳首カップ自体の洗浄装置のみに限定されるものではなく、休止位置にある搾乳ロボットの乳首カップが洗浄装置と簡単に連結可能となる効果的な方法で洗浄装置を包含する器具にも関するものである。
【0040】
図5は洗浄装置68の第2実施例を示すものである。この代替可能な洗浄装置68は、4個の下向き噴射ノズル58を上に取り付けた担持面69を有する。図7に示すように、各噴射ノズル58は2本の別個の洗浄液ダクト59,60を有する。先の実施例に記載のように、洗浄液ダクト59、60はそれぞれ第1流出孔61と第2流出孔62となる。担持面69において、噴射ノズル58は第1部分70と第2部分71との間に留められる。図6に示すように、第1部分の表面には第1ダクト装置72を設ける。第1部分70はアルミニウム板であることが望ましく、第1ダクト装置のパターンのものを設ける。第1ダクト装置72の4個の末端部73乃至76は噴射ノズル58の4個の洗浄液ダクト59となる。更に担持面69は、第2ダクト装置77を設けた第2部分71で構成される(図8)。担持面69の第2部分71には噴射ノズル58を押し入れる4個の孔78を設ける。
【0041】
更に第2部分71には側部から4個の中ぐり部79を設ける。中ぐり部79は、各々が孔78の中心を介して延長するように配置され(図8)、共に第2部分71に設ける第1垂直中ぐり部80になる。担持面69の第2部分71に中ぐり部79を設ける前に第1連通ニップル81を第1垂直中ぐり部80に設ける。中ぐり部T9を設ける場合、第1連通ニップル81を穿孔する。中ぐり部79を設けた後、第2部分71の縁に密閉キャップ82によって該中ぐり部を密閉する。
【0042】
更に第2部分71には、第2連結ニップル82Aを位置決めする第2垂直中ぐり部80Aを設ける。担持面69の第1部分70及び第2部分71はボルト83によって共に留められ、これによって第1部分70は第1及び第2垂直中ぐり部80,80A用の密閉板を構成する。第2中ぐり部80Aは第1部分70に設ける第1ダクト装置72となって終結する。担持面69の第2部分71は、締め付け状態にあるその表面と共に、第1部分70の表面に設ける第1ダクト装置72用の密閉板を構成する。
【0043】
図9は担持面69の平面図であり、第1ダクト装置72と第2ダクト装置77を2個の部分70、71に配置するパターンを示すものである。締め付け合わせた部分70、71を適当に密閉するためには、第2部分71を比較的軟質のプラスチック材で、又第1部分70をアルミニウムで形成することが望ましい。
【0044】
図10による更に別の実施例の場合、前記洗浄装置57は搾乳動物の乳首洗浄用の洗浄部材84を有する。洗浄部材84は、軸線に歯車箱86内に回転可能に支持される形材(profiled)ローラ85の形式の2個の隣接洗浄部材を有する。形材ローラ85は歯車箱86の側部に取り付けた電気モータ87によって駆動する。洗浄部材84は2本のボルト83によって担持面69上の歯車箱86とボルト止めされる。歯車箱86と担持面69との間にはスペーサリング88を設ける。
【0045】
搾乳すべき動物の乳首洗浄が望ましい場合、担持面69は搾乳ロボット8のアーム45上にて乳首カップ54を介して吸引される(図11)。この後でセンサ55によって搾乳動物の乳首の位置が決定され、ローラ85が単数又は複数個の乳首に到達可能となる。ローラ85の位置決め後、乳首は対向位置にて回転する形材ローラ相互間に入るので、ローラ85と乳首相互間の摩擦により乳首から汚れが確実に除去される。乳首の洗浄と出来れば乳首カップ54のすすぎの後、担持面69がロボットアーム45から外される。次に担持面69は図示しない担持体等に保管される。
【0046】
前記器具は更に洗浄部材84を洗浄するための洗浄装置89を有する。洗浄装置89は、L字型箱型帯板93によって担持フレーム9のビーム11に取り付けた箱状ハウジング90を包含する(図11)。箱状ハウジング90の隣接する両側部に開口部91を設ける。開口部91は一列のブラシ毛92によって被覆される。開口部91の幅は、形材ローラ85の直径を延長させるように選択される。かくして、ロボットアーム37によって箱状ハウジング90に形材ローラ85を配置可能である。
【0047】
箱状ハウジング90にローラ85を配置するためには、アーム45によって開口部91の高さでその正面にローラを到達させなければならない。水平面にてアーム45を開口部91の方に移動させることによって、ローラ85は次に箱状ハウジング90に導入される。この場合歯車箱86及び担持面69は箱状ハウジング90の外側にとどまる。図12乃至図15には箱状ハウジング90内にローラ85を位置決めする方法を示す。ローラ85を箱状ハウジング90内に配置した後、乳首カップ54内の下圧は除去され、従ってロボットアーム45は担持面69の噴射ノズル58から外される。
【0048】
担持面69の底側にはロック及び位置決め装置94を設け、これによって担持面69は箱状ハウジング90に対して固定位置に配置可能となる。ロック及び位置決め装置94は、担持面69の縁と同様な形式の2個のU字型帯板95を有する。U字型帯板95は箱状ハウジング90のいずれかの側に配置される。第1U字型帯板95は開口部91の反対側で、箱状ハウジング90の底側に位置決めされ、支持体96Aによって箱状ハウジング90に設けるL字型帯板93に確実に固定される。第2U字型帯板95は箱状ハゥジング90の底側の開口部91付近に配置される。第2U字型帯板95は枢動軸96を中心に駆動可能である。シリンダ98のピストン棒の末端部に取り付けるレバー97を垂直軸96に連結させる。シリング98の他端は垂直軸99と連結する。垂直軸99は2本の水平なスペーサー帯板100相互間に締め付けられる。帯板100はL字型箱形帯板93に取り付けた箱形材101と確実に連結する。
【0049】
図13乃至図15は、ロック及び位置決め装置94によって担持面69が箱状ハウジング90内に保持される状態を示すものである。担持面69の縁はシリンダ98の通電後に2個のU字型帯板95相互間にてロックされるので、担持面69は常時箱状ハゥジング90に対して同一位置にある。シリンダ98を再度通電することによって担持面69のロック外しが可能なので、第2U字型帯板95はビーム11の方向に枢動する(図15)。第2U字型帯板95が枢動し終わると、担持面69は水平面にて開口部91の方向まで自由に回転可能であり、従ってロボットアーム45によって形材ローラ85は次の乳首洗浄のために箱状ハウジング90から取り出すことが出来る。シリンダ98は空気シリンダであることが望ましい。
【0050】
形材ローラ85によって動物の乳首を洗浄した後で、該ローラはロボットアーム45によって箱状ハウジング90内に保管される。図14は箱状ハウジング90内に形材ローラ85を位置決めする方法を示す断面図である。形材ローラ85を洗浄するために箱状ハウジング90の上側に2個の噴射部材102を配置する。前述の噴射部材102は多孔管を有し、その一端は閉鎖されて他端はラインと連結する。該ラインを介して、形材ローラ85の洗浄中に噴射部材102に洗浄液を供給する。噴射部材102の穿孔は、洗浄液が形材ローラ85に噴出するように実施される。箱状ハウジング90の上側には、形材ローラ85まで延長するー列のブラシ毛103を各形材ローラ85の上方に設ける。形材ローラ85の洗浄中、噴射部材102を介して洗浄液を、ブラシ毛103に抗して回転するローラ85に噴出させる。箱状ハウジング90の下側に孔104を設け、排出ラインと該孔とを連結する。洗浄中、噴射部材102からの洗浄液は排出ラインを介して排出される。箱状ハウジング90の底部は、洗浄液が排出孔104の方向に流れるような角度で傾斜するのが望ましい。
【0051】
本発明の更に別の実施例によれば、ロボットアーム45は搾乳後の動物の乳房及び又は乳首を消毒するために後処理装置105を有する。後処理婆道105は、洗浄/消毒液を内部に入れた加圧容器106と、噴射ノズル108に液体を侠給するライン107とを有する(図16)。別のライン109は加圧容器106と連結し、これによって加圧容器106内は過圧伏態となる。加圧容器106内の過圧は3気圧であるのが望ましい。噴射ノズル108への供給ライン107には弁110を組み込み、これによって噴射ノズル108までの液流は開閉可能となる。弁110は電磁弁でもよい。
【0052】
本発明の好適実施例の場合、弁は噴射ノズル108付近に配置されるので、弁110と噴射ノズル108との間のライン片は比較的短い。従って弁110が開口した後、ライン107の加圧液体は噴射ノズル108までの比較的短い通路を被覆するだけでよい。液体がこのように比較的短い通路を被覆する利点は、弁の開口後に噴射ノズル108によってほぼ即座にファン型に噴射されることである。従って弁110の開閉と同時に、噴射ノズル108により、ファン型噴射パターンが形成される時に初期及び終期現象が生じることがない。
【0053】
図12に示すように、噴射ノズル108は、2個の前方乳首カップ53相互間のロボットアーム45の末端部に位置する。図17にはロボットアーム45の末端部に噴射ノズル108を配置する方法を示す。噴射ノズル108は乳首カップ53を載置する担持面111の下方に位置する。噴射ノズル108は、担持面111に垂直な板113と連結するホルダ112内に位置決めされる。噴射ノズル108がホルダ112内に位置決めされるので、ファン型噴射パターンはロボットアーム45の末端部に対して前方及び後方向きとなる。これに関して、ファン型噴射ノズルパターンは板113に対して約20度の角度を有する。担持面111には孔114を設け、該孔を介して噴射ノズルの噴射液を噴射する。
【0054】
後処理装置105は以下のように作動する。搾乳工程終了後、乳首から外した乳首カップ53をロボットアーム45まで後退させ、そこで担持面111に支持する。次に、噴射ノズル108からのファン型噴射パターンが確実に搾乳動物の乳房の後側と接触するようにロボットアーム45を位置決めする。ロボットアーム45の位置決めは、センサ56によって及び又は予めロボットアーム45の制御コンピューターに供給される動物に対応する同種のものによって実施される。ロボットアーム45の位置決め後、弁110は開口し、同時にロボットアームは水平面上を動物の正面側の方向に移動する。
【0055】
かくして、乳房全体にファン型噴射パターンが噴射される。ファン型噴射パターンはロボットアーム45の末端部に対して前方及び上方向きであり、又乳房の噴射が乳房正面の方向にて後方から実施されるので、乳房及び又はファン型噴射パターンからの噴射液が乳首カップ53内に落下することが回避される。水平面にてロボットアーム45によって被覆されるべき通路及び動物の乳房にあてる噴射ノズル108の高さは、動物に応じてロボットアーム45の制機コンピューターに予め供給される。同様にセンサ56が決定すべき高さ及び距離も供給可能である。
【0056】
当然のことながら洗浄装置及び後処理装置の前記実施例は搾乳動物用(自動)器具と組み合わせて、或いは単独で適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による洗浄装置を有する動物の自動搾乳器具の側面図である。
【図2】図1の器具の一部を示す平面図で、本発明による洗浄装置を平面図で示すものである。
【図3】本発明による洗浄装置の噴射ノズルの側面図である。
【図4】乳首カップと連結する噴射ノズルの横断面図である。
【図5】本発明による噴射ノズルを有する代替可能な洗浄装置の側面図である。
【図6】代替可能な洗浄装置の一部を示す図5の矢印VI−VIにおける断面図である。
【図7】図5の矢印VII−VIIにおける断面図である。
【図8】図5の代替可能な洗浄装置の一部を示す矢印VIII−VIIIの方向から見た図である。
【図9】図5の代替可能な洗浄装置の平面図である。
【図10】洗浄装贋と搾乳されるべき動物の乳房の乳首を洗浄するための洗浄部材を備える本発明による器具の別の実施例を示す側面図である。
【図11】図1の器具のロボットアーム上にある図10の器具と図10の洗浄部材を洗浄するための洗浄装置とを示すものである。
【図12】図11による器具の平面図である。
【図13】図12に示す器具の一部の線XIII−XIIIによる側面図である。
【図14】図13の線XIV−XIVによる断面図である。
【図15】図13による器具の平面図である。
【図16】動物の搾乳後の乳房及び又は乳首を後処理するための後処理器具の組み込み方を概略で示す図である。
【図17】図12の器具に細み込んだ図16の後処理器具を図12の線XVII−XVIIにおいて拡大図で示すものである。
【符号の説明】
8 搾乳ロボット
45 ロボットアーム
53、54 乳首カップ
105 後処理装置
107 供給ライン
108 噴射ノズル
110 弁
111 担持面
(技術分野)本発明は、乳牛等の搾乳動物用自動器具に関する。より詳しくは、本発明は、動物の自動搾乳器具にて搾乳動物の乳房及び又は乳首を後処理するための方法、及び該方法を行うための搾乳動物用自動器具に関する。
【0002】
(発明の開示)本発明は乳牛等の搾乳動物用器具の乳首カップを自動的に洗浄する方法に関する。衛生上の理由から、又乳に課せられる品質条件の観点から、乳首カップの洗浄が重要である。即ち、乳首カップの外側から、特に動物の乳房と接触する上側から汚れを除去することが大切である。
【0003】
本発明による乳牛等の搾乳動物用器具の乳首カップを洗浄する方法は、動物の搾乳後に動物の乳房から取り外して洗浄装置によって自動洗浄することを特徴とする。乳首カップは、一頭の乳牛を搾乳する毎に汚されるので、本発明によれば一回の搾乳毎に、特に乳首カップの上側に洗浄液を流す。言い換えれば、搾乳毎に乳首カップの外側、特に上側の洗浄を行う。乳首カップの内部とこの乳首カップに連結する搾乳ラインの内部を洗浄するために、基準を相違させている。
【0004】
本発明によれば、搾乳後に次に搾乳すべき動物を搾乳室に入れないで乳首カップ及びこれと連結する搾乳ラインに洗浄液を流す。これによって細菌の繁殖が阻止され、乳首カップ及びこの乳首カップに連結するライン内に残る乳は乾燥しない。乾燥度は外側の温度に左右され、いかなる場合にも、搾乳後約1時間の所定時間内で次に搾乳すべき別の動物を搾乳室に入れる前に乳首カップとそれに連結するラインを洗浄することが望ましい。しかしながらこの所定の時間は、5分のオーダであることが望ましい。本発明の特別な方法によれば、乳首カップの上側又は搾乳ラインを備えた乳首カップ内に分離したチャネルを介してすすぎ液を流す。従ってこれにより、乳首カップ及びそれと連結する搾乳ラインの内部の洗浄作業とは別に乳首カップの外側のすすぎ作業が可能となる。
【0005】
搾乳時、動物によって供給される乳は乳首カップ及びそれと連結する搾乳ラインから乳タンクまで搬送される。搾乳ラインの効果的に選択した場所に三方弁を組み入れ可能であり、これによって乳首カップと乳タンクとの連結が中断されて液材タンクとの連結が可能となる。従ってこの液材タンクから噴射ノズルまで、及びそこからすすぎ液回路に組み入れた乳首力ツプ、それと連結する関連の搾乳ライン及び該三方弁を介して液材タンクまでにすすぎ液を流す事ができる。このように乳首カップ及びこれと連結する搾乳ラインのすすぎ洗いが可能であり、これによって乳首カップ内及びこれと連結する搾乳ライン内に残留する乳が除去される。このようなすすぎラインと搾乳ラインとの組合せシステムはEP-A-0385539号に記載されている。
【0006】
本発明は乳首カップの洗浄方法のみに関するものではなく、乳首カップの洗浄装置を有する搾乳動物用器具にも関し、これによって本発明による方法の実施を可能にするものである。前記器具には噴射ノズルを有するすすぎ液回路を設け、各々の周囲にすすぎ液回路に組み入れた乳首カップの末端部を取り付け可能であり、各噴射ノズルは単数又は複数個の流出孔を有し、該流出孔を介してそれと連結する乳首カップにすすぎ液を流す。
【0007】
しかしながら重要なことは、乳首カップが外側及び動物の乳房と接触する特に上側を洗浄するだけではなく、内側をも洗浄することである。従って本発明による器具は、洗浄装置の各噴射ノズルに単数又は複数個の第1流出孔と第2流出孔とを設け、該第1流出孔によって噴射ノズルへのすすぎ液が噴射ノズルと連結する乳首カップ内を通過可能となり、該第2流出孔によってそれと連結する乳首カップの外側の洗い流しが可能となる。好適実施例の場合、第1及び第2流出孔にすすぎ液を流すために噴射ノズル内に分離ダクトを設けてある。それ故に乳首カップの外側、特に上側のすすぎとは別に乳首カップ内部のすすぎが可能である。更にすすぎ液の流れに異なる圧力を加えることも可能となる。特に乳首カップの上側を適切に洗浄するために第2流出孔は環状であることが望ましい。
【0008】
この状況において、第2流出孔は特に噴射ノズル及びそれと連結する乳首力ツプの長手方向軸線に垂直な面に位置決めされる。好適実施例の場合、乳首カップと噴射ノズルとを連結するために連結乳首カップ内を真空にすると該乳首カップは上方に引っ張られ、第2流出孔に至るダクト内の液圧が少なくとも全くない場合に該流出孔が閉鎖するような高さにおいて噴射ノズル内に第2流出孔を設ける。この場合、乳首カップが連結状態にある時第1流出孔(単数又は複数個)が乳首カップの上縁のすぐ下に位置決めされるような高さにて噴射ノズル内に第1流出孔(単数又は複数個)を設ける。具体例の場合、第1流出孔と第2流出孔との間隔は約5乃至10ミリである。
【0009】
本発明による好適実施例の場合、器具の洗浄装置には噴射ノズルを連結させる担持エレメントを設ける。本発明の別な特徴によれば、前記担持エレメントはダクトを有し、それを介して噴射ノズルにすすぎ液が導入可能となる。本発明の更に別な特徴によれば、担持エレメントに第1ダクト装置を設け、それを介して噴射ノズルの第1流出孔(単数又は複数個)にすすぎ液を導入可能となる。更に本発明の別な特徴によれば、前記担持エレメントに第2ダクト装置を設け、それを介して噴射ノズルの第2流出孔(単数又は複数個)にすすぎ液を導入可能となる。従ってすすぎ液用として2本の供給ラインのみを洗浄装置に接続する必要がある。
【0010】
かくして、噴射ノズルの各流出孔に別個の供給ラインを設ける必要はない。従って洗浄装置を極めてコンパクトな構造で実施可能である。第2流出孔を介して乳首カップの上側を流れるすすぎ液が側方向に過度に噴射されないように、洗浄装置の周囲又は各噴射ノズルの周囲にスクリーンを設けて連結する乳首カップ(単数又は複数個)の上端部を覆うようにする。乳首カップのすすぎは動物の自動搾乳の際に特に重要である。本発明の更に別な特徴によれば、洗浄装置は搾乳動物用器具の一部を形成する搾乳ロボットと連結する。この場合前記洗浄装置は、搾乳ロボットが搾乳中でない時に搾乳ロボットの一部を構成するロボットアームに取り付けた乳首カップがロボットアームの上方運動によって洗浄装置と連結可能な位置において搾乳ロボットに固定される。
【0011】
更に本発明による別の実施例の場合、搾乳すべき動物の乳首を洗浄するために洗浄部材を設ける。その結果、本発明器具は乳首カップと動物の乳首の両方を洗浄可能なので多機能性を有することになる。本発明の別の特徴によれば、本発明器具は洗浄部材を洗浄するための洗浄装置を有する。前記洗浄装置を使用することによって、洗浄部材で乳首を洗浄した後で洗浄部材自体を洗浄可能なので、次の動物は極めて高い殺菌状態下にて作業可能となる。このような状態下にて作業することによって、乳の体細胞総数が比較的低くなり、例えば、動物相互間の乳腺炎による感染の危険が極めて低くなる。
【0012】
本発明の別な特徴によれば、本発明の洗浄装置は、洗浄部材の洗浄エレメントを押し込み可能な開口部を有する箱状ハウジングを包含する。洗浄エレメントによって乳首を洗浄した後で、該洗浄エレメントは箱状ハウジングに保管可能である。本発明の更に別な特徴によれば、箱状ハウジング内には単数又は複数個のすすぎ部材と単数又は複数個のブラシを設け、該部材によって箱状ハウジングにすすぎ液を導入可能にする。箱状ハウジング内における洗浄エレメントの洗浄中、洗浄エレメントにすすぎ液を噴射し、それと同時に洗浄エレメントはブラシに対して回転する。
【0013】
本発明により箱状ハウジング内に洗浄装置及び洗浄部材を適切に位置決めするために、箱状ハウジングにはロックエレメントとしても働く位置決め装置を設ける。前記位置決め装置によって、洗浄装置及び洗浄部材は、箱状ハウジング内に保管される毎に箱状ハウジングに対する予備決定位置に導入されてそこで保持される。かくして、搾乳ロボットに適用する楊合、搾乳ロボットのアームが毎回洗浄装置及び洗浄部材を再追跡して再度同一位置に来るので洗浄装置と洗浄部材の位置は比較的決定しやすい。
【0014】
このような器具はそれの長手方向側部の少なくとも1つに固定フレームを有する搾乳室を備え、該フレームは動物の自動搾乳用搾乳ロボットを取り付ける第1上方フレーム部と、搾乳ロボットが支持され、下側に沿って搾乳ロボットのアームを搾乳室内の動物の下まで移動可能にする第2下方フレーム部とを有し、更に該搾乳ロボットは搾乳ロボットの別の部分用の担持フレームを有し、該担持フレームは該上方フレーム部に沿って移動可能である。この状態において、洗浄装置は搾乳ロボットの担持フレームに固定可能である。特に、搾乳ロボットの別の部分は乳首カップを設けるロボットアームを有し、洗浄装置又は洗浄器は、搾乳ロボットが搾乳中ではない特に乳首カップが上方運動によって洗浄装置と連結可能な場所において担持フレームと連結する。従って本発明の更に別な特徴によれば、乳首カップの相互間隔は洗浄装置の噴射ノズルの相互間隔に等しい。
【0015】
本発明の好適実施例によれば、ロボットアームは搾乳動物の乳房及び又は乳首の後処理のための後処理装置を有する。
【0016】
従って本発明は更に搾乳動物の乳房及び又は乳首を自動的に後処理するための後処理装置を設けることを特徴とする乳牛等の搾乳動物用自動器具に関する。搾乳動物の乳房及び又は乳首の消毒により、動物の感染速度は遅くなる。本発明の更に別の特徴によれば、後処理装置は噴射ノズルと弁を組み込んだ供給ラインとを有する。本発明によれば、噴射ノズル付近に弁を設ける。従って弁の開閉で、噴射ノズルへの液体供給において初期現象及び終期現象がなくなるので、弁の開口のほとんど直後に噴射ノズルによって望ましくはファン型噴射パターンが形成される。本発明の好適実施例の場合、動物の自動搾乳用搾乳ロボットのアームの末端部に噴射ノズルを配置する。本発明によれば、噴射ノズルはロボットアームの末端部に位置する2個の乳首カップ相互間に位置決めされる。かくして、自動搾乳後に、人を介することなく動物の乳房及び又は乳首の消毒が可能となる。
【0017】
更に本発明の特徴によれば、動物の自動搾乳用搾乳ロボットのアームの末端部に対して前方及び上方向きのファン型噴射パターンが得られるように該末端部に、又は該末端部付近に噴射ノズルを配置する。本発明の別な特徴によれば、前記ファン型噴射パターンは前方乳首カップを介して垂直面に対して10乃至50度の角度で延長する。ファン型パターンは前方及び上方に向いているので、乳房及び又は乳首の噴射中に乳首カップ内に液体が落ち入ることはない。
【0018】
更に本発明は動物の自動搾乳器具において、搾乳動物の乳首を後処理する方法に関し、動物の搾乳後に動物の乳首から乳首カップを外し、乳房及び又は乳首に後処理液を自動的に噴射する。かくして、各搾乳作業が人を介さずに実施された後、搾乳動物の乳房及び又は乳首は自動的にに消毒されるので動物の衛生及び健康に好影響を与える。更に本発明は後処理液をファン型パターンに噴射した後で、噴射中に該パターンが乳房の下に沿って該ファン型パターンの面から乳首カップまで延長する方向に相応する方向に移動することを特徴とする方法に関する。このように後処理液で乳房及び又は乳首を処理しても、乳首カップが噴射中に噴射面とは異なる方河に移動するので、ファン型パターン及び又は乳房/乳首からの液体が乳首カップ内に落下することはない。
【0019】
本発明は本文に記載した洗浄装置を備える搾乳動物用器具のみに関するものではなく、前記器具及び又は本文に説明してきた方法に適用される洗浄装置にも関するものである。
【0020】
(発明の実施の形態)本発明をよりよく理解し、又実施方法を示すために本発明の実施例を非制限例として示す添付の図面を参照して以下に詳述する。図1及び図2に図示する器具は、動物の運動の自由を制限する手すり2によって包囲される搾乳室1を有する。前記搾乳室の後方の側部から動物を入れることができ、動物は同様にして前方の側部から出ることが出来る。搾乳室の前端部には飼料を供給するので、乳牛は十分な距離だけ前進し、搾乳しやすい位置に到達できる。入口と出口とを設ける側とは異なる搾乳室の長手方向側部に手すり2の一部を形成する固定フレーム3を設けるが、このフレーム3は第1フレーム部4と第2フレーム部5とを有する。第1フレーム部4は第2フレーム部5に平行で、第2フレーム部5より長い(predominantly over)。
【0021】
この状況において、第1フレーム部4は手すり2の一部を形成する2個の垂直支柱6、7の外側と確実に連結し、第2フレーム部5は前記2本の支柱6、7相互間に確実に欧め込まれる。搾乳動物用の自動搾乳ロボット8は第1フレーム部4に可動連結し、一方、搾乳ロボット8のアームは適当な高さに設けられた第2フレーム部5に対して支持されており、その下限位置で移動して搾乳室にいる乳牛の下方に達することができる。搾乳ロボット8はその付加部分として担持フレーム9を有する。レールとして上方フレーム部4を設けることによって、担持フレーム9及び搾乳ロボット8全体は、このフレーム部に沿って容易に移動可能である。
【0022】
担持フレーム9は、第1フレーム4に平行なビーム10と、これに垂直で下方に延びて固定される支柱11と、2本の筋交い12とで構成される。対をなす支持部材13はビーム10の両端部近傍に設けられる。ローラ部材の対15を形成する2個のローラ16は、支持部材13とー体的に結合する支持板によってほぼ45度の角度で各対の支持部材13と連結し、担持フレーム9が上方フレーム部4に沿って容易に移動可能なように担持フレーム9が上方フレーム部4から懸垂するように配置される。いずれかの側において、担持フレーム9のビーム10には2個の担持体17を設ける。枢動軸18を中心一に移動可能なようにモー夕19を前記担持体に取り付ける。このモータ19は、望ましくはゴム面を有するローラ20を駆動させるが、この場合このローラはばね部材21によって上方フレーム部4に押圧される。ばね部材21はモータ19と担持フレーム9との間にて作動するので、モータ19によって駆動するローラ20は上方フレーム部4に押圧された状態で保持され、従ってモータが駆動すると、上方フレーム4に沿ってローラと共に担持フレーム9の全体が長手方向に移動する。
【0023】
例えばレーザを用いたセンサ22は、搾乳室の方向から見て最も後方側の支持部材13に接続する。このセンサ22によって、搾乳室の長手方向における休止位置から、搾乳ロボットのアームが搾乳室の動物の下まで移動するスタート位置まで搾乳ロボットを移動可能であり、搾乳室にいる動物の長手方向の動きに追従可篭である。このために、センサ22は動物の後側を移動可能な支持部材23と協働する。本実施例の場合四角形、特に平行四辺形構造体24によって構成されるロッドシステムによって、前述の支持部材23は搾乳室床に対して枢動可能なように該構造体上に取り付けられる。前述の2本のロッド25によって、支持部材23には仮26を設けるが、この場合該板はフレーム部4、5の側方向外側に位置し、センサ22によって伝送される信号を反射可能なように配置される。
【0024】
センサ22が反射信号をピックアップした後で、センサは例えば、板26とセンサ22との間の測定距離等の実測値である制御信号を発生し、この制御信号によってモータ19が駆動可能となると、搾乳ロボット8は、板26とセンサ22との間の距離がそれぞれ所定値になってその値に保持されるように搾乳室の長手方向に駆動する。搾乳ロボット8が休止位置にある場合、該ロボットはフレーム部4、5に対して出来るだけ後方に押される位置にあり、この状態において、搾乳ロボット8は接触部材27を介して板26と係合し、出釆るだけ後方に押される位置に支持部材23を保持する。言い換えれば、支持部材23は搾乳ロボット8が休止位置にある時に該ロボットによってロックされる。
【0025】
搾乳ロボットが前記休止位置から搾乳室の長手方向に駆動して開始位置に到ると、搾乳ロボットのアームは搾乳室内の動物の下まで移動し、次いで支持部材23はロックを外され、平行四辺形構造体24と手すり2との間に設けるばねによるぱね作用で搾乳室内にその時にいる乳牛の後側に押し付けられる。乳牛が前方又は後方に移動すると、支持部材23はばね28の圧力で動物の後側に押し付けられ続けるので、板26の位置は長手方向にて搾乳室内の動物の位置に対して決定され、従ってセンサ22によって、板26とセンサ22との間の長手方向距離を保持しながら搾乳ロボットは搾乳室の乳牛の長手方向運動に追従可能となる。
【0026】
本実施例の場合、担持フレーム9の支材11は第2フレーム部5の僅か下方まで垂直方向下方に延長する。前記支材11の底側には水平で後方に延長する帯板29を設け、自由回転可能なローラ部材30を該帯板に設ける。下方フレーム部5はしールによって、特にU字型ビーム形式のレールによって構成され、自由回転可能なローラ部材30は、U字型ビームの2個の直立縁相互間にて移動可能なように配置される。このようにして、搾乳ロボット8は下方フレーム部5に支持され、この状態において、搾乳ロボット8がモータによって第1フレーム部4に沿って移動すると、第2フレーム部5に沿って簡単に移動可能となる。
【0027】
担持フレーム9に加えて搾乳ロボットは、作動シリンダ32によって担持フレーム9に対して垂直方向に主として移動可能なロボットアーム構成体31を有する。ロボットアーム構成体31は四角形構造体33によって担持フレーム9と移動可能に連結する。図示の実施例の場合、前記四角形構造体33の上方アーム34は一定の長さを有するが、その下方アーム35の長さは調節可能である。従ってロボットアーム構成体31の配向を制限範囲内で調節可能となる。前記ロボットアーム構成体31は、主として垂直なロボットアーム36と、主に水平面にて移動可能なロボットアーム37とで構成される。ロボットアーム36は四角形構造体33によって担持フレーム9の支材11と連結する。作動シリング32は担持フレーム9とロボットアーム36との間で作動する。
【0028】
ロボットアーム36の配向は四角形構造体33の下方アーム35によって僅かに調節可能であるから、ロボットアーム36上における作動シリンダ32の接点位置は空間的に十分に確定されない。このために、担持フレーム9のビーム10と連結する担持板38に、少なくとも限定された度合で駆動可能な作動シリング32のハウジングを設ける。前記担持板38には支持体39を取り付け、それら相互間で作動シリンダ32のハウジングは枢動軸方向40を中心に移動可能である。本実施例の場合、前記作動シリンダはサーボエア式位置決めシリングとしてある。すなわちピストンロッド41の下方端にそれと確実に連結する板42によって位置フィードバックロッド43を嵌め込み、これにより、シリンダハウジングに対するピストンロッドの位置を示すポテンショメータによって作動シリンダの部分57に信号が引き出され、このポテンショメータによって供給される該信号によってシリンダハウジングに対するピストンロッド41の位置を所定位置に調節可能である。
【0029】
更に作動シリンダ32には過負荷保護材を設け、これによって搾乳室の動物が、例えば、足で蹴ったりしてロボットアーム構成体31に圧力を加えるとすぐにロボットアーム構成体31がその最下位置まで移動可能となる。図2と図4の場合、搾乳ロボット8は休止位置にあって該ロボットはフレ-ム部4、5に対して出来るだけ後方に移動しており、ロボットアーム構成体31は地面に近い出来るだけ低い位置に来ている。乳牛が搾乳室にいて搾乳工程が開始される場合、搾乳ロボット8は休止位置から開始位置に来る。すなわち搾乳ロボット8のアームが乳牛の下まで移動可能な位置まで調節可能となる。
【0030】
本実施例の場合、搾乳室にはこのためにアーム44,45,46を設ける。アーム44,45は互いに90度の固定角で設ける。従ってアーム44,45は、特にロボットアーム36に固定した支持板48と2本のアーム44,45相互間に設ける連結部材49との間に設ける作動シリング47によって連動する。2本のアーム44,45は支持板48と支持板50との間にて主として垂直な枢動軸方向を中心に回転可能であり、該支持板50も特に底側にてロボットアーム36と確実に連結する。アーム45に対してアーム46は主として垂直な枢動軸方向51を中心に回転可能で、連結部材49の近くに位置するアーム45の末端部とアーム46との間に設けた作動シリング52によって前記軸51に対して回転する。
【0031】
乳牛の乳首と連結可能な乳首力ツブ53、54をァーム46の末端部付近に設ける。アーム46に沿って移動可能なスライドを2個の乳首カップ54相互間に設けるが、該スライド上には、扇形逐次走査運動によって乳首の位置を正確に決定可能なセンサ55を設け、これによって作動シリング32,47,及び52は、乳首カップが適切な方法で乳首と連結可能なようにコンピューター制御可能である。ロボットアーム44乃至46が乳牛の下まで移動する時、後アームは比較的低い位置にあるが、この位置においてセンサ55はまだ乳首を探知してはいない。
【0032】
作動シリンダ32を使用してロボットアーム44乃至46はセンサ55が単数又は複数個の動物の乳首を捜し当てるまで段階的に上昇する。この上方移動中、この場合センサ55の上側に設けるスイッチ56によって乳牛の腹部にセンサ55の上縁が押し付けられるような高さまでロボットアーム44乃至46が上昇すると、ロボットアームは再度下方に移動可能となり、この後でセンサ55によってロボットアームを徐々に上昇させて乳首の位置決定の綴り返しを可能とする。
【0033】
前文に記載のように、本発明による器具は乳首カップ53,54用の洗浄装置57を更に有する。前記洗浄装置57は下向き支材11と確実に連結する。洗浄装置57は4価の下向き噴射ノズル58を有する。各噴射ノズル58の各々は2本の別個の洗浄液用ダクト59,60を有する。ダクト59は噴射ノズルの頂部から底部を介して中央に延長し、該ダクトの下端付近には側方向向きの第1流出孔61を設けるが、これは乳首カップが関連の噴射ノズルと連結する時、乳首カップの上縁下付近にて終了している。
【0034】
第2ダクト60は、噴射ノズルの第1ダクト59とほぼ同心に設けられ、底側には噴射ノズルとそれに連結する乳首カップの長手一方同軸線に垂直な面に位置する環状の第2流出孔62を有する。各噴射ノズル58の第1ダクト59は、洗浄液供給ライン63と連結する。各噴射ノズルの第2ダクトはパイプ部64と連結し、各噴射ノズルのパイプ部64は洗浄液供給ライン66と連結するディストリビュータ部材65となって終結する。洗浄液供給ライン63はポンプを介して洗浄液タンクと連結可能である(該ポンプ及び該洗浄液タンクは図示せず)。
【0035】
搾乳ロボットが搾乳のために作動しない時が図1に示す状態であり、この場合乳首カップ53,54は噴射ノズル58のすぐ下にあるので、乳首カップを担持するロボットアームの上方運動によって該乳首力ツプは関連の噴射ノズル58と連結可能でぁる。図2は、乳首カップが洗浄装置の噴射ノズルのすぐ下へくるまでロボットアームがまだ移動していない状態を示すものである。
【0036】
異なる動物の搾乳作業相互間にて、或いは動物の搾乳後に乳首カップ及びそれと連結する搾乳ラインを洗浄する必要がある場合、乳首カップを担持するロボットアーム(robot arm cum teat cups)は噴射ノズルの下まで移動し、噴射ノズルが乳首カップの上側の孔と係合するまで上方へ移動する。この位置において、第1流出孔61は乳首カップの上縁のほぼすぐ下の位置にあり、第2流出孔62は乳首カップの上縁のほぼすぐ上の位置にある。この後でライン63、66を介して洗浄液を供給することによって、該洗浄液は一方では乳首カップの上側を通過し、他方では洗浄液は乳首カップ内に導入される。
【0037】
洗浄時において、乳首カップと連結する搾乳ラインを中央に位置決めする乳タンクと搾乳中に連結させる三方弁を使用して乳首カップと乳タンクとの間の連結が中断し、例えば、洗浄液タンクとが連結する。このように作動すると、前記液体は供給ライン63と噴射ノズルのダクト59を介してポンプによって液体が循環可能となり、この後で乳首カップとそれに連結する搾乳ラインを介してタンクに洗浄液が搬送される。ライン66とダクト60を介して乳首カップの上側を通過する洗浄液が地面に落ちて溝を介してそこから排出される故に、乳首カップ及び関連の搾乳ラインを介して液体が循環する洗浄液供給ライン66は洗浄液タンクと連結しないことが重要である。従ってライン66は給水せんと直接連結するか又は例えば、特殊な洗浄剤又は殺菌剤を同時に加えることができる部材を介して間接的に連結する。洗浄後、洗浄液を関連の搾乳ラインから吸い込まなければならない。
【0038】
乳首カップが噴射ノズルと連結する時、乳首カップ内は真空となる。この結果、乳首カップは関連の噴射ノズルの下端部の僅か上方に持ち上げられ、各噴射ノズルの第2流出孔62はこの場合は閉鎖される。第1流出孔61と第2流出孔62との間の間隔は従って比較的小さい。前記間隔は例えば、5乃至10ミリの範囲内であり、具体例には7ミリの間隔を選択した。ダクト60を通過してパイプ部64を介して洗浄液が増加圧で供給されると、第2流出孔62から出る液体は第2流出孔62の下縁と関連の乳首カップの僅かに弾性の上縁との間に押し入り、側方向に噴射される。この場合洗浄装置の周囲又は各噴射ノズルの周囲にスクリーン67を連結状態にある乳首カップ(単数又は複数個の)の上端部にかかるように設ける。
【0039】
本発明はここに記載した実施例のみに限定されるものではなく、添付の請求の範囲の請求項1を保護する範図を逸脱することのない洗浄装置のあらゆる別型に適応されるものである。更に本発明は乳首カップ自体の洗浄装置のみに限定されるものではなく、休止位置にある搾乳ロボットの乳首カップが洗浄装置と簡単に連結可能となる効果的な方法で洗浄装置を包含する器具にも関するものである。
【0040】
図5は洗浄装置68の第2実施例を示すものである。この代替可能な洗浄装置68は、4個の下向き噴射ノズル58を上に取り付けた担持面69を有する。図7に示すように、各噴射ノズル58は2本の別個の洗浄液ダクト59,60を有する。先の実施例に記載のように、洗浄液ダクト59、60はそれぞれ第1流出孔61と第2流出孔62となる。担持面69において、噴射ノズル58は第1部分70と第2部分71との間に留められる。図6に示すように、第1部分の表面には第1ダクト装置72を設ける。第1部分70はアルミニウム板であることが望ましく、第1ダクト装置のパターンのものを設ける。第1ダクト装置72の4個の末端部73乃至76は噴射ノズル58の4個の洗浄液ダクト59となる。更に担持面69は、第2ダクト装置77を設けた第2部分71で構成される(図8)。担持面69の第2部分71には噴射ノズル58を押し入れる4個の孔78を設ける。
【0041】
更に第2部分71には側部から4個の中ぐり部79を設ける。中ぐり部79は、各々が孔78の中心を介して延長するように配置され(図8)、共に第2部分71に設ける第1垂直中ぐり部80になる。担持面69の第2部分71に中ぐり部79を設ける前に第1連通ニップル81を第1垂直中ぐり部80に設ける。中ぐり部T9を設ける場合、第1連通ニップル81を穿孔する。中ぐり部79を設けた後、第2部分71の縁に密閉キャップ82によって該中ぐり部を密閉する。
【0042】
更に第2部分71には、第2連結ニップル82Aを位置決めする第2垂直中ぐり部80Aを設ける。担持面69の第1部分70及び第2部分71はボルト83によって共に留められ、これによって第1部分70は第1及び第2垂直中ぐり部80,80A用の密閉板を構成する。第2中ぐり部80Aは第1部分70に設ける第1ダクト装置72となって終結する。担持面69の第2部分71は、締め付け状態にあるその表面と共に、第1部分70の表面に設ける第1ダクト装置72用の密閉板を構成する。
【0043】
図9は担持面69の平面図であり、第1ダクト装置72と第2ダクト装置77を2個の部分70、71に配置するパターンを示すものである。締め付け合わせた部分70、71を適当に密閉するためには、第2部分71を比較的軟質のプラスチック材で、又第1部分70をアルミニウムで形成することが望ましい。
【0044】
図10による更に別の実施例の場合、前記洗浄装置57は搾乳動物の乳首洗浄用の洗浄部材84を有する。洗浄部材84は、軸線に歯車箱86内に回転可能に支持される形材(profiled)ローラ85の形式の2個の隣接洗浄部材を有する。形材ローラ85は歯車箱86の側部に取り付けた電気モータ87によって駆動する。洗浄部材84は2本のボルト83によって担持面69上の歯車箱86とボルト止めされる。歯車箱86と担持面69との間にはスペーサリング88を設ける。
【0045】
搾乳すべき動物の乳首洗浄が望ましい場合、担持面69は搾乳ロボット8のアーム45上にて乳首カップ54を介して吸引される(図11)。この後でセンサ55によって搾乳動物の乳首の位置が決定され、ローラ85が単数又は複数個の乳首に到達可能となる。ローラ85の位置決め後、乳首は対向位置にて回転する形材ローラ相互間に入るので、ローラ85と乳首相互間の摩擦により乳首から汚れが確実に除去される。乳首の洗浄と出来れば乳首カップ54のすすぎの後、担持面69がロボットアーム45から外される。次に担持面69は図示しない担持体等に保管される。
【0046】
前記器具は更に洗浄部材84を洗浄するための洗浄装置89を有する。洗浄装置89は、L字型箱型帯板93によって担持フレーム9のビーム11に取り付けた箱状ハウジング90を包含する(図11)。箱状ハウジング90の隣接する両側部に開口部91を設ける。開口部91は一列のブラシ毛92によって被覆される。開口部91の幅は、形材ローラ85の直径を延長させるように選択される。かくして、ロボットアーム37によって箱状ハウジング90に形材ローラ85を配置可能である。
【0047】
箱状ハウジング90にローラ85を配置するためには、アーム45によって開口部91の高さでその正面にローラを到達させなければならない。水平面にてアーム45を開口部91の方に移動させることによって、ローラ85は次に箱状ハウジング90に導入される。この場合歯車箱86及び担持面69は箱状ハウジング90の外側にとどまる。図12乃至図15には箱状ハウジング90内にローラ85を位置決めする方法を示す。ローラ85を箱状ハウジング90内に配置した後、乳首カップ54内の下圧は除去され、従ってロボットアーム45は担持面69の噴射ノズル58から外される。
【0048】
担持面69の底側にはロック及び位置決め装置94を設け、これによって担持面69は箱状ハウジング90に対して固定位置に配置可能となる。ロック及び位置決め装置94は、担持面69の縁と同様な形式の2個のU字型帯板95を有する。U字型帯板95は箱状ハウジング90のいずれかの側に配置される。第1U字型帯板95は開口部91の反対側で、箱状ハウジング90の底側に位置決めされ、支持体96Aによって箱状ハウジング90に設けるL字型帯板93に確実に固定される。第2U字型帯板95は箱状ハゥジング90の底側の開口部91付近に配置される。第2U字型帯板95は枢動軸96を中心に駆動可能である。シリンダ98のピストン棒の末端部に取り付けるレバー97を垂直軸96に連結させる。シリング98の他端は垂直軸99と連結する。垂直軸99は2本の水平なスペーサー帯板100相互間に締め付けられる。帯板100はL字型箱形帯板93に取り付けた箱形材101と確実に連結する。
【0049】
図13乃至図15は、ロック及び位置決め装置94によって担持面69が箱状ハウジング90内に保持される状態を示すものである。担持面69の縁はシリンダ98の通電後に2個のU字型帯板95相互間にてロックされるので、担持面69は常時箱状ハゥジング90に対して同一位置にある。シリンダ98を再度通電することによって担持面69のロック外しが可能なので、第2U字型帯板95はビーム11の方向に枢動する(図15)。第2U字型帯板95が枢動し終わると、担持面69は水平面にて開口部91の方向まで自由に回転可能であり、従ってロボットアーム45によって形材ローラ85は次の乳首洗浄のために箱状ハウジング90から取り出すことが出来る。シリンダ98は空気シリンダであることが望ましい。
【0050】
形材ローラ85によって動物の乳首を洗浄した後で、該ローラはロボットアーム45によって箱状ハウジング90内に保管される。図14は箱状ハウジング90内に形材ローラ85を位置決めする方法を示す断面図である。形材ローラ85を洗浄するために箱状ハウジング90の上側に2個の噴射部材102を配置する。前述の噴射部材102は多孔管を有し、その一端は閉鎖されて他端はラインと連結する。該ラインを介して、形材ローラ85の洗浄中に噴射部材102に洗浄液を供給する。噴射部材102の穿孔は、洗浄液が形材ローラ85に噴出するように実施される。箱状ハウジング90の上側には、形材ローラ85まで延長するー列のブラシ毛103を各形材ローラ85の上方に設ける。形材ローラ85の洗浄中、噴射部材102を介して洗浄液を、ブラシ毛103に抗して回転するローラ85に噴出させる。箱状ハウジング90の下側に孔104を設け、排出ラインと該孔とを連結する。洗浄中、噴射部材102からの洗浄液は排出ラインを介して排出される。箱状ハウジング90の底部は、洗浄液が排出孔104の方向に流れるような角度で傾斜するのが望ましい。
【0051】
本発明の更に別の実施例によれば、ロボットアーム45は搾乳後の動物の乳房及び又は乳首を消毒するために後処理装置105を有する。後処理婆道105は、洗浄/消毒液を内部に入れた加圧容器106と、噴射ノズル108に液体を侠給するライン107とを有する(図16)。別のライン109は加圧容器106と連結し、これによって加圧容器106内は過圧伏態となる。加圧容器106内の過圧は3気圧であるのが望ましい。噴射ノズル108への供給ライン107には弁110を組み込み、これによって噴射ノズル108までの液流は開閉可能となる。弁110は電磁弁でもよい。
【0052】
本発明の好適実施例の場合、弁は噴射ノズル108付近に配置されるので、弁110と噴射ノズル108との間のライン片は比較的短い。従って弁110が開口した後、ライン107の加圧液体は噴射ノズル108までの比較的短い通路を被覆するだけでよい。液体がこのように比較的短い通路を被覆する利点は、弁の開口後に噴射ノズル108によってほぼ即座にファン型に噴射されることである。従って弁110の開閉と同時に、噴射ノズル108により、ファン型噴射パターンが形成される時に初期及び終期現象が生じることがない。
【0053】
図12に示すように、噴射ノズル108は、2個の前方乳首カップ53相互間のロボットアーム45の末端部に位置する。図17にはロボットアーム45の末端部に噴射ノズル108を配置する方法を示す。噴射ノズル108は乳首カップ53を載置する担持面111の下方に位置する。噴射ノズル108は、担持面111に垂直な板113と連結するホルダ112内に位置決めされる。噴射ノズル108がホルダ112内に位置決めされるので、ファン型噴射パターンはロボットアーム45の末端部に対して前方及び後方向きとなる。これに関して、ファン型噴射ノズルパターンは板113に対して約20度の角度を有する。担持面111には孔114を設け、該孔を介して噴射ノズルの噴射液を噴射する。
【0054】
後処理装置105は以下のように作動する。搾乳工程終了後、乳首から外した乳首カップ53をロボットアーム45まで後退させ、そこで担持面111に支持する。次に、噴射ノズル108からのファン型噴射パターンが確実に搾乳動物の乳房の後側と接触するようにロボットアーム45を位置決めする。ロボットアーム45の位置決めは、センサ56によって及び又は予めロボットアーム45の制御コンピューターに供給される動物に対応する同種のものによって実施される。ロボットアーム45の位置決め後、弁110は開口し、同時にロボットアームは水平面上を動物の正面側の方向に移動する。
【0055】
かくして、乳房全体にファン型噴射パターンが噴射される。ファン型噴射パターンはロボットアーム45の末端部に対して前方及び上方向きであり、又乳房の噴射が乳房正面の方向にて後方から実施されるので、乳房及び又はファン型噴射パターンからの噴射液が乳首カップ53内に落下することが回避される。水平面にてロボットアーム45によって被覆されるべき通路及び動物の乳房にあてる噴射ノズル108の高さは、動物に応じてロボットアーム45の制機コンピューターに予め供給される。同様にセンサ56が決定すべき高さ及び距離も供給可能である。
【0056】
当然のことながら洗浄装置及び後処理装置の前記実施例は搾乳動物用(自動)器具と組み合わせて、或いは単独で適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による洗浄装置を有する動物の自動搾乳器具の側面図である。
【図2】図1の器具の一部を示す平面図で、本発明による洗浄装置を平面図で示すものである。
【図3】本発明による洗浄装置の噴射ノズルの側面図である。
【図4】乳首カップと連結する噴射ノズルの横断面図である。
【図5】本発明による噴射ノズルを有する代替可能な洗浄装置の側面図である。
【図6】代替可能な洗浄装置の一部を示す図5の矢印VI−VIにおける断面図である。
【図7】図5の矢印VII−VIIにおける断面図である。
【図8】図5の代替可能な洗浄装置の一部を示す矢印VIII−VIIIの方向から見た図である。
【図9】図5の代替可能な洗浄装置の平面図である。
【図10】洗浄装贋と搾乳されるべき動物の乳房の乳首を洗浄するための洗浄部材を備える本発明による器具の別の実施例を示す側面図である。
【図11】図1の器具のロボットアーム上にある図10の器具と図10の洗浄部材を洗浄するための洗浄装置とを示すものである。
【図12】図11による器具の平面図である。
【図13】図12に示す器具の一部の線XIII−XIIIによる側面図である。
【図14】図13の線XIV−XIVによる断面図である。
【図15】図13による器具の平面図である。
【図16】動物の搾乳後の乳房及び又は乳首を後処理するための後処理器具の組み込み方を概略で示す図である。
【図17】図12の器具に細み込んだ図16の後処理器具を図12の線XVII−XVIIにおいて拡大図で示すものである。
【符号の説明】
8 搾乳ロボット
45 ロボットアーム
53、54 乳首カップ
105 後処理装置
107 供給ライン
108 噴射ノズル
110 弁
111 担持面
Claims (14)
- 搾乳前に動物の乳首を洗浄するための自 動的に操作可能な洗浄部材(84)と、乳首カップ(5 3,54)を動物の乳首に連結させるためのアーム(4 5)付きの搾乳ロボット(8)とを備え、前記アーム (45)は、搾乳動物の乳房及び/又は乳首を後処理す るための自動的に操作可能な後処理装置(105)を有 することを特徴とする乳牛等の搾乳動物用自動器具。
- 後処理装置(105)が噴射ノズル(108)及び弁(110)を組み入れた供給ライン(107)を有することを特徴とする請求項1記載の器具。
- 噴射ノズル(108)付近に弁(110)を配置することを特徴とする請求項2記載の器具。
- 動物の自動搾乳用の搾乳ロボット(8)のアーム(45)の末端部に噴射ノズル(108)を配置することを特徴とする請求項2又は3記載の器具。
- 噴射ノズル(108)をロボットアーム(45)の末端部に位置する2個の乳首カップ(53)相互間に位置決めすることを特徴とする請求頃4記載の器具。
- 噴射ノズル(108)を乳首カップ(53,54)を支持するロボットアーム(45)の担侍面(111)の下に位置決めすることを特徴とする請求項5記載の器具。
- アーム(45)の末端部に対して前方及び上方向きのファン型噴射パターンを取るように動物の自動搾乳用搾乳ロボ ット(8)のアーム(45)の末端部に又は末端部付近に噴射ノズル(108)を設けることを特徴とする請求項2〜6のうちいずれか1項に記載の器具。
- 前記ファン型噴射パターンが、10乃至50度の範囲内の角度で前方乳首カップ(53)を介して垂直面に対して延長することを特徴とする請求項7記載の器具。
- 噴射ノズル(108)によって得られるファン型噴射パターンの頂角がほぼ45度であることを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか1項に記載の器具。
- 後処理液が殺菌剤を含有することを特徴とする請求項1〜9のうちいずれか1項に記載の器具。
- 動物の搾乳後、動物の乳首から乳首カップを取り外し、乳房及び又は乳首に後処理液を自動的に噴射することを特徴とする動物の自動搾乳器具にて搾乳動物の乳首を後処理するための方法。
- 後処理液がファン型パターンで噴射され、噴射中、ファン型パターンの面から乳首カップまで延長する方向において、乳房の下に沿って該パターンが移動することを特徴とする請求項11記載の方法。
- 動物の搾乳毎に乳房の後側からその前側へ後処理液を噴射することを特徴とする請求項12記載の方法。
- 乳首カップを取り外した後で乳房及び又は乳首に噴射する以前にロボットアームがファン型噴射パターンの面が乳房と正確に接触するか又は正確に僅か外側にくるような位置に導入されることを特徴とする請求項12又は13記載の方法。
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