JP3415034B2 - 旋光度測定方法、濃度判定方法および濃度制御方法並びに旋光計 - Google Patents

旋光度測定方法、濃度判定方法および濃度制御方法並びに旋光計

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JP3415034B2 JP21789198A JP21789198A JP3415034B2 JP 3415034 B2 JP3415034 B2 JP 3415034B2 JP 21789198 A JP21789198 A JP 21789198A JP 21789198 A JP21789198 A JP 21789198A JP 3415034 B2 JP3415034 B2 JP 3415034B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶液における溶質
の同定、純度検定、濃度決定等に用いる旋光度測定に関
するものであって、例えば、果糖、ショ糖、グルコース
等の水溶液の濃度を測定する糖度計に適用可能である。
また、この旋光度測定方法を用いた溶液の濃度判定方法
および濃度制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の旋光計の一例を図13に示す。ナ
トリウムランプ、バンドパスフィルタ、レンズ、スリッ
ト等によって構成される光源41は、波長589nmの
ナトリウムのD線からなる略平行光を投射する。偏光子
42は、光源41の投射光のうち特定の振動面を有する
成分のみを透過させる。被検試料を保持するサンプルセ
ル43は、対向した一対の透明な透過面を有し、光源4
1を透過した光が内部を透過するように配されている。
直線検光子44は、サンプルセル43を透過した光のう
ち特定の振動面を有する成分のみを透過させる。ここ
で、偏光子42の透過軸および直線検光子44の透過軸
のなす相対角度Θは、π/2に固定されている。光セン
サ45は、直線検光子44を透過した略平行光を検出す
る。光変調器46は、信号発生器50の出力した変調信
号およびコンピュータ49の出力した制御信号に基づい
て、光源41の投射した光の振動面を変調しかつ制御す
る。光変調器46は、駆動器47により駆動する。ロッ
クインアンプ48は、信号発生器50の出力した変調信
号を参照信号として、光センサ45の出力信号を位相敏
感検波する。コンピュータ49は、制御信号とロックイ
ンアンプ48の出力信号に基づいて、サンプルセル43
に収容された被検試料による旋光角を算出する。
【0003】以下、この従来の旋光計の原理を説明す
る。光変調器46は、光源41より投射され、偏光子4
2を透過した光の振動面を振幅=δ、角周波数=ωで変
調する。この時、光センサ45に到達する光の強度Iは
式(1)で表される。
【0004】 I=T×I0×{cos[Θ−α+β+δ×sin(ω×t)]}2 (1) ここで、 T :被検試料の透過率 I0 :被検試料への入射光強度 Θ :偏光子42の透過軸と直線検光子44の透過軸の
相対角度 α :被検試料による旋光角 β :光変調器49による光の回転角度 t :時間 なお、サンプルセル43および直線検光子44の透過損
失および参照損失は無視している。
【0005】ここで、偏光子42の透過軸と直線検光子
44の透過軸の相対角度Θはπ/2であるので、式
(1)より以下の式(2)が導出される。 I=T×I0×{sin[β−α+δ×sin(ω×t)]}2 (2) β−α=0のとき、すなわち被検試料による旋光角を光
変調器46による回転角度が補償したときには、式
(2)は以下の式(3)で表される。
【0006】 I=(1/2)×T×I0×{1−cos[2×δ×sin(ω×t)]} =(1/2)×T×I0×{1−[J0(2×δ) +2×J2(2×δ)×cos(2×ω×t) +・・・・]} (3) ここで、Jn(x)はn次のベッセル関数である。
【0007】被検試料による旋光角および変調の振幅を
小さく、すなわち|β−α|≪1、かつδ≪1とする
と、式(3)は以下の式(4)に近似される。
【0008】 I≒T×I0×(β−α+δ×sin(ω×t))2 =T×I0×{(β−α)2+2×(β−α)×δ×sin(ω×t) +[δ×sin(ω×t)]P2} =T×I0×{(β−α)2+2×(β−α)×δ×sin(ω×t) +{δ2/2×[1−cos(2×ω×t)]}} (4)
【0009】これより、光センサ45の出力信号Iに
は、角周波数0(直流)、ω、および2×ωの各信号成
分が含まれることがわかる。変調信号を参照信号として
このIをロックインアンプ48で位相敏感検波すると、
角周波数ω成分、すなわち以下の式(5)で表されるS
を取り出すことができる。 S=T×I0×2×(β−α)×δ (5) このSは、β=αの時のみ、ゼロになる。この点が消光
点である。光変調器46によって光の振動面を回転させ
る、すなわちβを掃引して、Sがゼロになるときのβ
が、旋光角αである。式(3)で考えた場合も同様で、
Iを位相敏感検波すると、β=αのときに光センサ45
の出力信号がゼロになる。以上の様に、光の振動面の角
度を変調することによって、この変調周波数成分の信号
のみを光源強度、電源の揺らぎ、輻射等のノイズから分
離して、選択的に取り出すことができ、S/Nの高い信
号Sを得ることができる。このSから、正確に消光点を
見いだすことができ、旋光角αを高精度で測定すること
ができる。同時に、振動面の角度を掃引することで、大
規模な装置は不要になる。
【0010】しかしながら、上記のような方式は、以下
のような問題点を有する。従来、偏光子42および直線
検光子44の透過軸の相対角度Θは、π/2に固定され
ている。従って、被検試料による旋光角αが大きく、β
が小さい時、即ち|β−α|が大きいと、式(2)より
明らかなように、Iが大きくなる。Iが大きくなりすぎ
ると、光センサ45の出力またはこれのプリアンプの出
力は飽和してしまって、変調成分δを検出することがで
きない。これにより、ロックインアンプ48の出力信号
はゼロに固定されてしまい、消光点を見出せなくなり、
旋光角を測定できなくなる場合もある。また、光の振動
面の角度を変調せず、ロックインアンプ48を使用しな
い場合でも、Iが飽和してしまうと、消光点を検出する
ために、βを増加させるべきか減少させるべきかの判定
ができなくなる。たとえば、連続的に被検試料の濃度を
監視する必要がある場合には、光センサ45等の出力が
飽和して上記のような事態が発生すると、極めて不都合
である。光源41の強度を下げるか、または光センサ4
5の感度もしくはこれのプリアンプのゲインを下げる
と、Iの飽和を防ぐことはできるが、これにより信号の
S/Nが低下して、結果的に測定精度が低下してしま
う。
【0011】更に、ファラデーセル等の光変調器46に
よって光の偏光方向を回転させることから、βが大きく
なると光変調器46に供給する電流が大きくなる。これ
によって、駆動器の容量を大きくする必要がある。ま
た、大電流を供給すると光変調器46の発熱が大きくな
るため、冷却を必要とする場合も生じる。したがって、
旋光計の規模が大きくならざるを得なかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上の問題
点を解決し、被検試料の示す旋光角が大きい場合や、被
検試料の濃度を連続的に監視する場合に適した小型で信
頼性の高い旋光計を、安価で提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の旋光度測定方法
は、被検試料内の旋光性物質に起因した旋光角を直線検
光子を用いて求める旋光度測定方法において、被検試料
による旋光を見越して、被検試料に入射させる偏光の振
動面の法線に対して直線検光子の透過軸をあらかじめ傾
斜させる。この方法は、たとえば被検試料による旋光を
被検試料の後段に配した直線検光子を透過する光の強度
から求める方法や、被検試料に磁場を印加することによ
り補償する方法、すなわち被検試料中の旋光性物質によ
る旋光を光ファラデー効果によって打ち消し、このとき
の磁場の強さから旋光角を求める方法に有用である。ま
た、直線検光子に代えて偏光分離素子を用いる場合に
は、それを透過する光の強度とそれより反射する光の強
度が等しくなる軸を、被検試料に入射させる旋光の振動
面に対して傾斜させる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の旋光度測定方法は、被検
試料に振動面が既知の光を入射させ、被検試料を透過し
た光の振動面を直線検光子を用いて検出することによ
り、被検試料による光の旋光角を求める旋光度測定方法
であって、直線検光子の透過軸が被検試料に入射させる
光の振動面の法線に対して所定の傾斜角度をもって固定
されていて、直線検光子を透過した光の強度と傾斜角度
とを用いて被検試料に起因した旋光角を算出する。
【0015】本発明の他の旋光度測定方法は、被検試料
に振動面が既知の光を入射させ、被検試料を透過した光
の振動面を直線検光子を用いて検出することにより、被
検試料による光の旋光角を求める旋光度測定方法であっ
て、直線検光子の透過軸が被検試料に入射させる光の振
動面の法線に対して所定の傾斜角度をもって固定されて
いて、光の振動面を回転させることにより被検試料に起
因した光の回転を補償し、その補償値と所定角度とを用
いて被検試料に起因した旋光角を算出する。たとえば、
旋光子と直線検光子を、いわゆる直交ニコルの状態から
回転させておいて、被検試料により現れる旋光角の一部
をこの回転角によりあらかじめ補償しておく。これによ
り、光の振動面を回転させる手段の容量を小さくするこ
とができるため、装置の小型化が可能になる。
【0016】上記の直線検光子の透過軸と被検試料に入
射させる光の振動面の法線との角度は、光が被検試料を
透過するときの旋光角の最大値および最小値が既知また
は予測可能であれば、これらを両端とする範囲内に設定
することが望ましい。好ましくは、被検試料として基準
試料を用いたときに基準試料が示す旋光角をこの角度に
設定する。これにより、補償値の正負によって被検試料
の旋光性物質濃度の濃淡を基準試料の旋光性物質濃度と
比較することができる。また、このような方法は、被検
試料の旋光性物質濃度を調整しながら、基準試料と同じ
旋光性物質濃度の溶液を調製するときにも有用である。
【0017】本発明のさらに他の旋光度測定方法は、被
検試料に振動面が既知の光を入射させ、被検試料を透過
した光を、特定の振動面を有する成分のみを透過しかつ
それと垂直な振動面を有する成分のみを反射する偏光分
離素子に入射させて、偏光分離素子より反射する光の強
度と偏光分離素子を透過する光の強度とを用いて被検試
料に起因した旋光角を求める旋光度測定方法であって、
偏光分離素子は、入射光のうちそれより反射する光の強
度とそれを透過する光の強度が等しくなる軸が、被検試
料に入射させる光の振動面に対して傾斜して固定され
る。検光子として直線検光子に代えて偏光分離素子を用
いる場合には、反射光の強度と透過光の強度を比較し
て、両者が等しくなったときを基準にして旋光角を求め
る。このとき、偏光分離素子を、光が被検試料を透過す
る際に予測される旋光角の最大値および最小値を両端と
する範囲内において、偏光分離素子より反射する光の強
度と偏光分離素子を透過する光の強度が等しくなるよう
に配置することが望ましい。また、所定の旋光角を示す
基準試料を基準試料に用いたときに、偏光分離素子より
反射する光の強度と偏光分離素子を透過する光の強度が
等しくなるようにしてもよい。
【0018】上記のような基準試料は、その旋光角が、
測定しようとする被検試料を用いたときに予測される旋
光角の最大値および最小値の中間値になるように設定す
ることが望ましい。この場合も、同様に、偏光分離素子
より反射する光の強度と偏光分離素子を透過する光の強
度の差の正負により被検試料の旋光性物質濃度の濃淡を
基準試料の旋光性物質濃度と比較することができる。
【0019】本発明の旋光計は、略平行光を投射する単
色光源と、略平行光のうち特定の振動面を有する成分の
みを透過する偏光子と、偏光子を透過した略平行光が被
検試料を透過するように被検試料を保持するサンプルセ
ルと、被検試料を透過した略平行光のうち特定方向の振
動面を有する成分のみを透過する直線検光子と、直線検
光子を透過した略平行光を検出する光センサを備え、所
定の旋光角を示す基準試料を被検試料に用いたときに直
線検光子を透過する略平行光が最小になるように、偏光
子の透過軸と直線検光子の透過軸の相対角度が固定され
ている。
【0020】本発明の旋光計の好ましい態様において、
偏光子を透過し、被検試料に入射しようとする略平行光
の振動面を回転させる光変調手段と、光変調手段へ制御
信号を出力する光変調制御手段と、制御信号および光セ
ンサの出力信号に基づいて被検試料による旋光角を算出
する演算手段とをさらに備え、偏光子の透過軸と直線検
光子の透過軸の相対角度が、基準試料を被検試料に用い
かつ光変調手段により略平行光の振動面を回転させない
ときに直線検光子を透過する略平行光が最小になるよう
に設定する。本発明の旋光計の他の好ましい態様におい
て、被検試料に磁場を印加する磁場印加手段と、磁場印
加手段へ制御信号を出力する磁場制御手段と、制御信号
および光センサの出力信号に基づいて被検試料による旋
光角を算出する演算手段とをさらに備え、偏光子の透過
軸と直線検光子の透過軸の相対角度が、基準試料を被検
試料に用いかつ磁場を印加しないときに直線検光子を透
過する略平行光が最小になるように設定する。偏光した
略平行光は、被検試料への入射に先だってファラデーセ
ル等の光変調手段を透過して、その振動面が回転され
る。また、被検試料に磁場を印加して、被検試料中を伝
搬している略平行光の振動面を回転させてもよい。
【0021】さらに、制御信号を変調する変調信号を出
力する信号発生器、および変調信号を参照信号として光
センサの出力信号を位相敏感検波するロックインアンプ
を設け、演算手段が、制御信号およびロックインアンプ
の出力信号に基づいて被検試料による旋光角を算出する
と、より精度よく旋光度の測定が可能になる。また、光
センサの出力信号を変調信号の2倍の周波数の信号を参
照信号にして位相敏感検波する他のロックインアンプを
さらに設け、演算手段が、このロックインアンプの出力
信号で先のロックインアンプの出力信号を規格化する
と、さらに高精度で旋光度の測定が可能になる。偏光子
の透過軸と直線検光子の透過軸の相対角度は、たとえば
先のロックインアンプの出力信号がゼロになるようにし
て設定される。
【0022】本発明のさらに他の旋光計は、略平行光を
投射する単色光源と、略平行光のうち特定の振動面を有
する成分のみを透過する偏光子と、偏光子を透過した略
平行光が被検試料を透過するように被検試料を保持する
サンプルセルと、被検試料を透過した略平行光のうち特
定の振動面を有する成分のみを透過しかつそれと垂直な
振動面を有する成分のみを反射する偏光分離素子と、偏
光分離素子を透過した略平行光を検知する第一の光セン
サと、偏光分離素子より反射した略平行光を検知する第
二の光センサと、第一および第二の光センサの出力信号
の差に基づいて被検試料による旋光角を算出する演算手
段とを備え、偏光子の透過軸と偏光分離素子の透過軸の
相対角度が、所定の旋光角を示す基準試料を被検試料に
用いたときに、偏光分離素子を透過する略平行光の強度
と反射する略平行光の強度が等しくなるように固定され
る。
【0023】本発明の旋光計の好ましい態様において、
被検試料に入射しようとする略平行光の強度を変調する
光変調手段と、この変調信号を参照信号として第一およ
び第二の光センサの出力信号の差を位相敏感検波するロ
ックインアンプとをさらに具備し、演算手段が、ロック
インアンプの出力信号に基づいて被検試料による旋光角
を算出する。本発明の旋光計の他の好ましい態様におい
て、ロックインアンプの出力信号がゼロになるように相
対角度を調整することで、偏光分離素子を透過および反
射する略平行光の強度が等しくなるように偏光子と偏光
分離素子の相対角度が設定される。
【0024】上記のような旋光度測定方法および旋光計
は、特に、食品、医薬品生産プラント、医療処置現場等
における、溶液中の旋光性物質の濃度の検査、管理およ
び制御に用いる場合、連続測定が可能なため極めて有効
である。さらに、サンプリング操作が不要で、かつ試薬
等と接触することない測定が可能であることから、汚染
等の恐れがなく、極めて安全性が高い。また、高信頼
性、小型、低価格等の特徴から実用性も高い。
【0025】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を用い
て詳細に説明する。
【0026】《実施例1》本実施例の旋光計の構成の概
略を図1に示す。半導体レーザモジュール1は、波長が
780nmで、強度が3.0mWの略平行光を投射す
る。偏光子3は、半導体レーザモジュール1が投射した
光のうち、その透過軸に一致した振動面を有する特定の
偏光成分たとえば紙面に平行な振動面を有する成分のみ
を透過する。偏光子3の後段には、ファラデーセル4が
配されている。ファラデーセル4は、たとえばフリント
ガラスからなる光透過性の芯材と、芯材を伝搬する光の
進行方向に磁場を発生させるソレノイドコイルを備え
る。
【0027】ファラデーセルドライバ9は、ファラデー
セル4に磁場を発生させるための制御信号および発生し
た磁場を変調するための変調信号を、ファラデーセル4
に出力する。ファラデーセル4は、ファラデーセルドラ
イバ9からの信号によって磁場を発生させ、透過する光
の振動面を光ファラデー効果によって回転させる。被検
試料を収容するサンプルセル5は、半導体レーザモジュ
ール1より投射され、偏光子3およびファラデーセル4
を透過した光がその内部を透過するように配置されてい
る。サンプルセル5の実質光路長は、50mmである。
直線検光子6は、投射光の進行方向に沿った軸により回
転可能であって、その角度を任意の値に設定できるよう
になっている。光センサ7は、直線検光子6を透過した
光を検出する。
【0028】プリアンプ8は、光センサ7の出力を増幅
する。信号発生器10は、ファラデーセルドライバ9に
変調信号を出力する。ロックインアンプ11は、ファラ
デーセル4に出力した変調信号を参照信号として、プリ
アンプ8の出力信号を位相敏感検波する。コンピュータ
12は、ロックインアンプ11の出力がゼロになるよう
に、ファラデーセルドライバ9に制御信号を出力する。
本旋光計では、ロックインアンプ11の出力がゼロにな
るときの制御信号すなわち補償電流の大きさに基づい
て、旋光角を算出する。以上の構成により、約10-3
の精度を達成している。
【0029】実際に、種々のグルコース水溶液を調製
し、それらの旋光角を以下のようにして測定した。濃度
が約5000mg/dlのグルコース水溶液を複数調製
した。実際に得られたグルコース水溶液の濃度は、49
50〜5050mg/dlの範囲でばらついた。なお、
これらの平均濃度は目標濃度である5000mg/dl
であった。まず、ファラデーセル4に、振幅が0.00
1Aで、周波数が1.3kHzの変調信号のみを出力
し、制御信号はゼロに固定した。そして、濃度が目標で
ある5000mg/dlであることが確認されたグルコ
ース水溶液をサンプルセル5に注入し、ロックインアン
プ11の出力がゼロになるように直線検光子6の角度を
設定した。次に、濃度の下限である4950mg/dl
および上限である5050mg/dlのグルコース水溶
液を、それぞれサンプルセル5に入れ、光センサ7の出
力、プリアンプ8の出力およびロックインアンプ11の
出力がそれぞれ飽和していないことを確認した。ここ
で、ロックインアンプ11の出力の絶対値が最大になる
ように、プリアンプ8またはロックインアンプ11のゲ
インを調整することが望ましい。
【0030】上記のように、直線検光子6の角度を初期
設定して、各ゲインを調整した後、検量線作成用に、濃
度が4950、4960、4970、4980、499
0、5000、5010、5020、5030、504
0および5050mg/dlのグルコース水溶液をそれ
ぞれ調製し、これらを被検試料に用いたときの補償電流
を測定した。その結果を図2に黒丸で示す。図2より、
グルコース濃度と補償電流は高い直線関係にあることが
わかる。図中直線は、得られた補償電流量より算出した
回帰直線である。この直線によると、濃度5000mg
/dlのグルコース水溶液に対する補償電流はゼロ、濃
度4950mg/dlのグルコース水溶液に対する補償
電流は−0.05A、濃度5050mg/dlのグルコ
ース水溶液に対する補償電流は0.05Aになる。この
回帰直線を検量線にして、4950〜5050mg/d
lの範囲のグルコース水溶液の濃度を測定することがで
きる。また、たとえば、5000mg/dlを境界値と
して試料の濃淡を判定する場合、本実施例のように、5
000mg/dlの水溶液を用いたときに直線検光子6
を透過する光の強度が最小になるように直線検光子6の
回転角を設定すると、補償電流の正負で、被検試料の濃
淡を判定することができる。
【0031】なお、検量線を作成する際に、必ずしも、
ロックインアンプ11の出力信号がゼロになる点を直接
求める必要はない。ファラデーセル4に供給する電流を
掃引しながら任意の点において補償電流を測定し、得ら
れた回帰直線より内挿もしくは外挿して求めることもで
きる。この場合も、直線検光子6の角度は上記と同様に
設定する。ただし、測定しようとする被検試料の濃度の
上限および下限が既知または予測可能であれば、これら
濃度が境界値にある試料を用い、ファラデーセル4に供
給する掃引電流が最大および最小の時に、光センサ7の
出力、プリアンプ8の出力およびロックインアンプ11
の出力が飽和していないことを確認することが望まし
い。より望ましくは、ロックインアンプ11の出力の絶
対値が最大になるように、プリアンプ8またはロックイ
ンアンプ11のゲインを調整する。
【0032】以上のように、本実施例によれば、濃度が
高い溶液を被検試料に用いた場合にも、旋光角を連続的
に精度よく測定することができる。なお、精度がそれほ
ど要求されない場合は、ファラデーセル4に変調電流は
供給せず、すなわちロックインアンプ11を使用せず、
プリアンプ8の出力信号を確認しながら、出力信号がゼ
ロになるときにファラデーセル4に供給する電流を補償
電流としてもよい。また、更に精度が要求されない場合
は、ファラデーセル4を使用せずに、プリアンプ8の出
力信号のみから旋光角を求めてもよい。この場合、式
(1)においてIがプリアンプ8の出力信号に相当し、
β=0、δ=0およびΘ=π/2+(初期設定角度)と
したことになり、この式(1)に基づいて旋光角αを算
出することができる。
【0033】《実施例2》本実施例では、被検試料の濃
度を連続的に測定する一例について説明する。本実施例
では、ショ糖水溶液をその濃度を制御しながら調製す
る。本実施例で用いるショ糖水溶液の製造装置の概略を
図3に示す。本製造装置では、実施例1で用いたものと
同様の旋光計を用いる。ただし、ファラデーセル4に代
えて、サンプルセル13に直接設けられたソレノイドコ
イル13aによって光を回転させる。なお、図中、実施
例1で用いたものと同一のものには同一の符号を附して
いる。
【0034】サンプルセル13は、被検試料を収容する
ための筒状の中空部を有する。中空部はその軸方向に光
が透過するようになっていて、その実質光路長は50m
mである。ソレノイドコイル13aは、サンプルセル1
3に収容された被検試料に、光の伝搬方向に磁場を印加
する。コイルドライバ14は、ソレノイドコイル13a
に電流を供給し、ソレノイドコイルコイル13aは、実
施例1で用いたファラデーセル4と同様に、光ファラデ
ー効果によって略平行光の振動面を変調しながら制御す
る。なお、ここで用いるコイルドライバ14は、ファラ
デーセルドライバ9と異なり、電流を供給する方向が一
定のいわゆる単極性である。このように、被検試料自身
のファラデー効果によって、旋光角を測定する方式の基
本原理は、特開平9−145605号公報に記載されて
いる。
【0035】本実施例では、濃度10000mg/dl
のショ糖水溶液原液とショ糖粉末を用いて濃度1100
0mg/dlのショ糖水溶液を製造する方法について説
明する。あらかじめ調製された濃度10000mg/d
lのショ糖水溶液原液は、流体投入口19より調整タン
ク15に投入される。また、ショ糖粉末は、粉末投入口
20より調整タンク15に投入される。撹拌プロペラ2
1は、調整タンク15内のショ糖水溶液を撹拌する。調
整タンク15内のショ糖水溶液は、ポンプ18によって
配管16を通じてサンプルセル13に供給される。サン
プルセル13に供給されたショ糖水溶液は、配管17を
通じて調整タンク15へ戻ってくる。コンピュータ12
は、実施例1と同様に、ロックインアンプ11の出力が
ゼロになるように、コイルドライバ14に制御信号を出
力する。これによって、ロックインアンプ11の出力が
ゼロになるときの制御信号の大きさすなわち補償電流量
に基づいて旋光角を算出する。
【0036】コンピュータ12は、旋光角を測定しなが
ら、その都度、得られた旋光角に基づいて、流体投入口
19からのショ糖水溶液原液の供給量および粉末投入口
20からのショ糖粉末の供給量を調整して、調整タンク
15内のショ糖水溶液の濃度を制御する。すなわち、制
御目標濃度より、調整タンク15内のショ糖水溶液の濃
度が低い場合、粉末投入口20よりショ糖粉末を投入し
て、調整タンク15内のショ糖水溶液の濃度を高める。
また、制御目標濃度より高い場合は、流体投入口19よ
りショ糖水溶液原液を投入して、調整タンク15内のシ
ョ糖水溶液の濃度を低下させる。このようにして、調整
タンク15内のショ糖水溶液の濃度が制御目標濃度にな
ったことを確認すると、バルブ23を開放し、調整タン
ク15内のショ糖水溶液を、配管22を通じて次工程に
供給する。
【0037】以下、本製造装置における旋光角の測定手
順を説明する。まず、コイルドライバ14に供給する変
調信号の振幅を0.1A、その周波数を270Hzと
し、制御信号を変調信号の振幅すなわち0.1Aで一定
にする。これは、コイルドライバ14は単極性であるた
め、変調度を維持するためには、制御信号を変調信号の
振幅より小さく設定できないからである。濃度1000
0mg/dlのショ糖原料水溶液のみで、調整タンク1
5を満たした状態でロックインアンプ11の出力がゼロ
になるように、直線検光子6の角度を設定する。次に、
調整タンク15にショ糖粉末を投入して、濃度を120
00mg/dlまで上げ、光センサ7の出力、プリアン
プ8の出力およびロックインアンプ11の出力がそれぞ
れ飽和していないことを確認する。ここで、望ましく
は、ロックインアンプ11の出力の絶対値が最大になる
ように、プリアンプ8またはロックインアンプ11のゲ
インを調整する。
【0038】上記の様に、直線検光子6の角度を初期設
定して、各ゲインを調整した後、調整タンク15を、濃
度が10000、11000および12000mg/d
lのショ糖水溶液で満たし、それぞれ補償電流を測定し
た。この結果を図4に黒丸で示す。得られた補償電流量
より、図中直線で表された回帰直線が得られる。得られ
た回帰直線によると、補償電流量が2.1Aになるよう
に制御すれば、制御目標濃度11000mg/dlのシ
ョ糖水溶液を製造することができる。また、得られた回
帰直線によると、濃度9950mg/dlのショ糖水溶
液に対する補償電流量がゼロになる。すなわち、制御信
号がゼロで、濃度が9950mg/dlのときに直線検
光子6を透過する光が最小になるように、直線検光子6
の角度を設定したことになる。
【0039】本実施例によると、あらかじめ被検試料に
入射させる光の振動面の法線に対して直線検光子の透過
軸を傾斜させておくことで、補償電流の絶対値を小さく
することができる。本実施例に用いたものと同様の旋光
計において、従来の旋光度測定のように、濃度=0、す
なわち純水を入れた時に、直線検光子6を透過する光が
最小になる様に直線検光子6の角度を設定したとすれ
ば、補償電流は約20A程度に達するため、コイルドラ
イバの容量を大きくする必要があり、同時にコイルの発
熱対策も必要になる。ひいては、装置の大型化も招く。
これに対して、本実施例によると、補償電流量はわずか
でよく、コイルドライバの容量を小さくすることができ
る。したがって、小型な装置で、濃度が高い溶液の旋光
角(すなわち旋光度)を、精度よく連続的に測定するこ
とができる。
【0040】《実施例3》本実施例では、実施例2と同
様に、ショ糖水溶液をその濃度を制御しながら製造する
他の例について説明する。本実施例では、あらかじめ用
意された濃度の異なる2種類のショ糖水溶液原液を混合
して濃度11000mg/dlのショ糖水溶液を製造す
る。本実施例で用いるショ糖水溶液の製造装置の概略を
図5に示す。本製造装置では、実施例2で用いたものと
同様の旋光計を用いた。ただし、コイルドライバ24
は、コイルドライバ14と異なり、電流を双方向に供給
できるいわゆる両極性である。コイルドライバ24は、
実施例2におけるコイルドライバ14と同様に、変調信
号および制御信号をサンプルセル13のソレノイドコイ
ル13aに供給する。なお、図中、上記実施例で用いた
ものと同一のものには同一の符号を附している。
【0041】あらかじめ調製された濃度約10000m
g/dlのショ糖水溶液原液は、流体投入口19より調
整タンク15に投入される。同様に、あらかじめ調製さ
れた濃度約12000mg/dlのショ糖水溶液は、流
体投入口25より調整タンク15に投入される。また、
コンピュータ12は、ロックインアンプ11の出力がゼ
ロになるように、コイルドライバ24に制御信号を出力
する。これによって、ロックインアンプ11の出力がゼ
ロになる制御信号の大きさすなわち補償電流量を見いだ
し、旋光角を算出する。さらにコンピュータ12は、得
られた旋光角に基づいて、流体投入口19および流体投
入口25からの各原液の供給を調整して、調整タンク1
5内のショ糖水溶液の濃度を制御する。調整タンク15
内のショ糖水溶液の濃度が所定の濃度になったことを確
認すると、バルブ23を開放し、調整タンク15内のシ
ョ糖水溶液を、配管22を通じて次工程に供給する。
【0042】本実施例では、上記実施例と同様に濃度1
1000mg/dlのショ糖水溶液の製造装置について
説明する。まず、コイルドライバ24に制御信号は出力
せず、振幅が0.1Aの変調信号のみを出力する。濃度
が10000mg/dlであることが確認されたショ糖
水溶液のみで、調整タンク15を満たした状態で、ロッ
クインアンプ11の出力がゼロになるように直線検光子
6の角度を設定する。次に、調整タンク15に濃度12
000mg/dlまたは10000mg/dlであるこ
とが確認されたショ糖水溶液のいずれか一方で、調整タ
ンク15を満たした状態で、光センサ7の出力、プリア
ンプ8の出力およびロックインアンプ11の出力が飽和
していないことを確認する。ここで、望ましくは、ロッ
クインアンプ11の出力の絶対値が最大になるように、
プリアンプ8またはロックインアンプ10のゲインを調
整する。
【0043】上記の様に、直線検光子6の角度を初期設
定して、各ゲインを調整した後、濃度が10000、1
1000、12000mg/dlのショ糖水溶液で、そ
れぞれ調整タンク15を満たし、これらを被検試料に用
いたときの補償電流量を求めた。この結果を図6に黒丸
で示す。図中、直線は、得られた補償電流量より求めた
回帰直線である。この回帰直線を検量線に用いて、補償
電流がゼロになるようにすれば、制御目標である濃度1
1000mg/dlのショ糖水溶液を製造することがで
きる。
【0044】本実施例では、制御信号がゼロで、水溶液
が制御目標濃度すなわち11000mg/dlのとき
に、直線検光子6を透過する光が最小になるように、直
線検光子6の角度を設定した。これは、制御目標濃度に
対応するように直線検光子6の角度を設定したことにな
る。従って、この制御目標濃度付近では、補償電流が小
さくてよい。通常、製造中すなわち旋光角の測定中にお
いて、水溶液のショ糖濃度がこの制御目標濃度付近にあ
る時間がもっとも長いため、結果的に発熱量を低減でき
る。更に、水溶液が示しうる最高濃度(=12000m
g/dl)と、最低濃度(=10000mg/dl)の
中間値が基準になるように直線検光子6の角度を設定す
ることで、プリアンプ8またはロックインアンプ11の
ゲインを最大に設定できるため、測定精度を最も高める
ことができる。なお、精度がそれほど要求されない場合
は、ソレノイドコイル13aに変調信号は供給せず、す
なわちロックインアンプ11を使用せずに、プリアンプ
8の出力信号を確認しながら、その出力がゼロになると
きのソレノイドコイル13aに出力している制御信号を
補償電流としてもよい。以上のように、本実施例の旋光
計は、小型であって、濃度が高い溶液の旋光角を精度よ
く連続的に測定することができる。特に、長時間の連続
製造においても、コイルの発熱量が小さいため、実施例
2で用いた旋光計と比べても更に安定して使用すること
ができる。
【0045】《実施例4》本実施例では、実施例3と同
様に、ショ糖水溶液をその濃度を制御しながら製造する
さらに他の例について説明する。本実施例のショ糖水溶
液の製造装置の概略を図7に示す。なお、図中、上記実
施例で用いたものと同一のものには同一の符号を附して
いる。サンプルセル26は、試料を収容するための筒状
の中空部を有する。中空部はその軸方向に光が透過する
ようになっていて、その実質光路長は50mmである。
調整タンク15内のショ糖水溶液は、配管16を通じて
サンプルセル26に供給される。サンプルセル26に供
給されたショ糖水溶液は、配管17を通じて調整タンク
15へ戻るようになっている。サンプルセル26の後段
には、偏光分離機能をもつ偏光ビームスプリッタ27が
配されている。偏光ビームスプリッタ27は、サンプル
セル26を透過した光を特定の偏光成分に分離する。た
とえば紙面に平行な振動面を有する成分は透過し、さら
に、紙面に垂直な振動面を有する成分は反射する。偏光
子28は、入射光の伝搬方向に沿った軸で回転可能であ
る。ここで、サンプルセル26内の溶液による旋光がな
く、偏光子28の透過軸の角度を紙面より45度傾斜し
た状態に設定すると、偏光ビームスプリッタ27を透過
する略平行光と、反射する略平行光の強度は等しくな
る。また、サンプルセル26内の溶液の旋光角に応じ
て、この透過光と反射光の差は大きくなる。光センサ2
9および30は、これら透過光および反射光をそれぞれ
検出する。差動アンプ31は、光センサ29および30
の出力差を増幅する。従って、この差動アンプ31の出
力信号の大きさが溶液の旋光角の大きさに対応する。
【0046】流体投入口19からは、濃度約10000
mg/dlのショ糖水溶液原液が調整タンク15に投入
される。流体投入口25からは濃度約12000mg/
dlのショ糖水溶液原液が調整タンク15に投入され
る。コンピュータ32は、差動アンプ31の出力に応じ
て、流体投入口19および流体投入口25からのショ糖
水溶液原液の供給量を調整して、調整タンク15内のシ
ョ糖水溶液の濃度を制御する。調整タンク15内のショ
糖水溶液の濃度が目標濃度になったことを確認すると、
バルブ23を開放して、配管22を通じて調整タンク1
5内のショ糖水溶液を、次工程に流す。
【0047】本実施例では、制御目標濃度を11000
mg/dlに設定する場合について説明する。まず、濃
度10000mg/dlであることが確認されたショ糖
水溶液のみで調整タンク15を満たした状態で、差動ア
ンプ31の出力がゼロになる様に偏光子28の角度を設
定する。次に、調整タンク15に濃度12000mg/
dlまたは10000mg/dlであることが確認され
たショ糖水溶液のみで調整タンク15を満たした状態
で、光センサ29および30の出力と、差動アンプ31
の出力がそれぞれ飽和していないことを確認する。ここ
で、望ましくは、差動アンプ31の出力の絶対値が最大
になるように、差動アンプ31のゲインを調整する。
【0048】上記の様に、偏光子28の角度を初期設定
して、各ゲインを調整した後、濃度が10000、11
000および12000mg/dlのショ糖水溶液を用
いて検量線を作成する。これらの水溶液で、それぞれ調
整タンク15を満たし、差動アンプ31の出力を測定し
た。この結果を図8に黒丸で示す。図8に示す直線は、
これらの測定データから得られた回帰直線である。この
直線に基づいて、差動アンプ31の出力信号がゼロにな
るようにすれば、制御目標である濃度11000mg/
dlのショ糖水溶液を製造することができる。本実施例
の場合、差動アンプ31の出力信号がゼロで、水溶液の
ショ糖濃度が制御目標濃度すなわち11000mg/d
lのときに偏光分離素子すなわち偏光ビームスプリッタ
27を透過する光の強度と反射する光の強度が等しくな
るよう、偏光子28の角度を設定した。これは、制御目
標濃度に対応するように偏光子28の初期角度を設定し
たことになる。これにより、この制御目標濃度を挟んで
差動アンプ31の出力信号の正負が反転するので、コン
ピュータ32において、この出力信号の正負に基づいて
試料の濃度を制御すればよい。特に、基準となる制御目
標濃度を、試料が示しうる最高濃度(=12000mg
/dl)と、最低濃度(=10000mg/dl)の中
間値に設定することで、差動アンプ31のゲインを最大
に設定できるため、精度を最も高めることができる。以
上のように本実施例によれば、小型で簡単な構成で、濃
度が高い溶液の旋光角を、連続的に高精度に測定するこ
とができる。
【0049】《実施例5》本実施例では、ショ糖水溶液
をその濃度を制御しながら製造するさらに他の例につい
て、説明する。本実施例のショ糖水溶液の製造装置の概
略を図9に示す。本実施例においては、実施例4で用い
た製造装置と同様に、偏光ビームスプリッタ27を用い
て試料の旋光角を測定する。なお、図中、上記実施例で
用いたものと同一のものには同じ符号を附している。光
チョッパ33は、光源である半導体レーザモジュール1
より投射された略平行光の強度を270Hzの周波数で
変調する。信号発生器34は、光チョッパ33に変調信
号を出力する。ロックインアンプ35は、光チョッパ3
3への変調信号を参照信号として、差動アンプ31の出
力信号を位相敏感検波する。
【0050】本実施例では、実施例4と同様に、それぞ
れ濃度が10000mg/dlおよび12000mg/
dlであるショ糖水溶液原液を混合して濃度11000
mg/dlのショ糖水溶液を製造する場合について説明
する。まず、濃度が10000mg/dlであることが
確認されたショ糖水溶液原液のみで、調整タンク15を
満たした状態で、ロックインアンプ35の出力がゼロに
なる様に偏光子28の角度を設定する。次に、調整タン
ク15に濃度が10000mg/dlのショ糖水溶液原
液および濃度が12000mg/dlであることが確認
されたショ糖水溶液原液のそれぞれで調整タンク15を
満たした状態で、光センサ29および30の出力、差動
アンプ31の出力信号、ロックインアンプ35の出力信
号が飽和していないことを確認する。ここで、望ましく
は、ロックインアンプ35の出力の絶対値が最大になる
ように、差動アンプ31のゲインまたはロックインアン
プ35のゲインを調整する。
【0051】上記の様に、偏光子28の角度を初期設定
して、各ゲインを調整した後、濃度が10000、11
000および12000mg/dlのショ糖水溶液を用
いて検量線を作成する。これらの水溶液で、それぞれ調
整タンク15を満たし、ロックインアンプ35の出力信
号を測定した。この結果を図10に黒丸で示す。図10
に示す直線は、これらの測定データから得られた回帰直
線である。この直線を検量線として、ロックインアンプ
の出力信号がゼロになるようにすれば、制御目標である
濃度11000mg/dlのショ糖水溶液を製造するこ
とができる。基準となる濃度を、水溶液が示しうる最高
濃度(=12000mg/dl)と、最低濃度(=10
000mg/dl)の中間値に設定したことで、差動ア
ンプ31またはロックインアンプ35のゲインを最大に
設定できるため、精度を最も高めることができる。更
に、実施例4と異なり、光チョッパで変調するので、ド
リフトや各種輻射ノイズ等の影響を受け難く、より精度
が高い。以上のように本実施例によれば、濃度が高い溶
液の旋光角を、連続的により高精度に測定することがで
きる。
【0052】《実施例6》本実施例のショ糖水溶液の製
造装置の概略を図11に示す。本実施例では、実施例2
で用いたものと同様の製造装置を用いる。なお、図中、
上記実施例で用いたものと同一のものには同じ符号を附
している。ロックインアンプ36は、いわゆる2Fモー
ドで動作し、信号発生器10の変調信号の2倍の周波数
の信号を参照信号として、プリアンプ8の出力信号を位
相敏感検波する。即ち、式(4)における2×ω成分を
取り出している。コイルドライバ37は、振幅が0.0
5Aで、周波数が1.3kHzの変調信号のみをサンプ
ルセル13のソレノイドコイル13aに供給する。コン
ピュータ38は、ロックインアンプ11の出力信号をロ
ックインアンプ36の出力信号で規格化することによっ
て、旋光角を算出している。この原理を以下に述べる。
【0053】ロックインアンプ11の出力信号は、式
(5)に示されたSに相当する。このSは、本実施例の
ようにβを固定した場合、T、I0およびδを一定とす
ると旋光角αのみの関数になるので、Sからαを一意的
に算出できる。ただし、実際は、被検試料の透過率の違
い、サンプルセルの透過窓の汚れ等によりTは変化す
る。また、同時に光源強度のゆらぎからI0も変化する
ことから、このSのみからは、高精度で旋光角を測定す
ることは不可能である。そこで、ロックインアンプ36
の出力信号を利用する。ロックインアンプ36の出力信
号をS’とすると次の式(6)のようになる。 S’=T×I0×δ2/2 (6) この式(6)で式(5)を除して規格化すると、次に式
(7)に示すXが得られる。 X=4/δ×(β−α) (7) このXはTおよびI0を含まないため、これから高精度
に旋光角αを決定することができる。
【0054】濃度が約5000mg/dlのグルコース
水溶液を複数調製した。実際に得られたグルコース水溶
液の濃度は、4950〜5050mg/dlの範囲でば
らついた。なお、これらの平均濃度は目標濃度である5
000mg/dlであった。まず、サンプルセル13
に、振幅が0.05Aで、周波数が1.3kHzの変調
信号を出力した。そして、濃度が目標である5000m
g/dlであることが確認されたグルコース水溶液をサ
ンプルセル13に入れ、ロックインアンプ11の出力が
ゼロになるように直線検光子6の角度を設定した。次
に、濃度の下限である4950mg/dl、または上限
である5050mg/dlのグルコース水溶液をサンプ
ルセル5に入れ、光センサ7の出力、プリアンプ8の出
力およびロックインアンプ11の出力がそれぞれ飽和し
ていないことを確認した。ここで、ロックインアンプ1
1およびロックインアンプ36の出力の絶対値が最大に
なるように、プリアンプ8またはロックインアンプ11
と、ロックインアンプ36のゲインを調整することが望
ましい。
【0055】上記の様に、直線検光子6の角度を初期設
定して、各ゲインを調整した後、検量線作成用に、濃度
が4950、4960、4970、4980、499
0、5000、5010、5020、5030、504
0、5050mg/dlのグルコース水溶液を調製し、
これらを用いて式(7)に示されたXを求めた。この結
果を図12に黒丸で示す。図中直線は、得られた測定デ
ータより算出した回帰直線である。得られた回帰直線に
よると、濃度5000mg/dlのグルコース水溶液に
対するXはゼロになる。また、濃度4950mg/dl
のグルコース水溶液に対するXは−1.0に、濃度50
50mg/dlのグルコース水溶液に対するXは1.0
になる。濃度5000mg/dlのグルコース水溶液に
対して、(β−α)がゼロになる。ここで、βは、グル
コース水溶液の濃度が5000mg/dlのときの旋光
角である。以上のようにして得られた直線を検量線にし
て旋光角すなわちグルコース濃度を測定することができ
る。
【0056】以上のように本実施例によれば、被検試料
に磁場を印加し、その磁場を変調し、光センサ7の出力
信号の変調周波数成分を、その変調周波数の2倍に周波
数成分で規格化することにより、高精度、高信頼性、小
型、低価格の旋光計を実現できる。また、本実施例は、
実施例2と異なり、コイルドライバ37は、ソレノイド
コイルに供給する電流を制御する必要ない。従って、ソ
レノイドコイル13aに、適当な抵抗を介して100V
の商用交流電源に接続することによって、コイルドライ
バ37が実現できる。すなわち、ソレノイドコイル13
aに供給する電流を商用交流電源の周波数で変調するこ
とができる。なお、本実施例によると、ロックインアン
プが2つ必要になるが、コイルドライバ37を大幅に簡
素化することが可能なため、コイルドライバ37とロッ
クインアンプ11および36のコストによっては、実施
例2よりも低価格で旋光計を提供できる場合もある。本
実施例においては、実施例2と同様に、被検試料に磁場
を印加してこれのファラデー効果を利用して偏光を変調
していたが、実施例1のようにファラデーセルを使用し
てもよい。
【0057】
【発明の効果】本発明によると、濃度が高い溶液の旋光
角を連続的に高精度に測定することができる。また、こ
の方法によって、溶液の濃淡を容易に判定することがで
きる。したがって、連続的な旋光度測定に適した信頼性
が高く小型の旋光計を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に用いた旋光計の構成を示す
概略図である。
【図2】グルコース水溶液の濃度と同旋光計を用いて得
られた補償電流量との関係を示す特性図である。
【図3】本発明の他の実施例で用いたショ糖水溶液の製
造装置の構成を示す概略図である。
【図4】グルコース水溶液の濃度と同製造装置の旋光計
を用いて得られた補償電流量との関係を示す特性図であ
る。
【図5】本発明のさらに他の実施例で用いたショ糖水溶
液の製造装置の構成を示す概略図である。
【図6】グルコース水溶液の濃度と同製造装置の旋光計
を用いて得られた補償電流量との関係を示す特性図であ
る。
【図7】本発明のさらに他の実施例で用いたショ糖水溶
液の製造装置の構成を示す概略図である。
【図8】グルコース水溶液の濃度と同製造装置の差動ア
ンプの出力との関係を示す特性図である。
【図9】本発明のさらに他の実施例で用いたショ糖水溶
液の製造装置の構成を示す概略図である。
【図10】ショ糖水溶液の濃度と同製造装置のロックイ
ンアンプの出力との関係を示す特性図である。
【図11】本発明のさらに他の実施例で用いた旋光計の
構成を示す概略図である。
【図12】ショ糖水溶液の濃度とXの関係を示す特性図
である。
【図13】従来の旋光計の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザモジュール 3、28、42 偏光子 4 ファラデーセル 5、13、26、43 サンプルセル 6、44 直線検光子 7、29、30、45 光センサ 8 プリアンプ 9 ファラデーセルドライバ 10、34、50 信号発生器 11、35、36、48 ロックインアンプ 12、32、38、49 コンピュータ 13a ソレノイドコイル 14、24、37 コイルドライバ 15 調整タンク 16、17、22 配管 18 ポンプ 19、25 流体供給口 20 粉末供給口 21 攪拌プロペラ 23 バルブ 27 偏光ビームスプリッタ 31 差動アンプ 33 光チョッパ 41 光源 46 光変調器 47 駆動器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/61 G01J 4/00 - 4/04 PATOLIS

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検試料に振動面が既知の光を入射さ
    せ、前記被検試料を透過した前記光の振動面を直線検光
    子を用いて検出することにより、前記被検試料による前
    記光の旋光角を求める旋光度測定方法であって、 前記直線検光子の透過軸が前記被検試料に入射させる
    光の振動面の法線に対して、前記被検試料として基準試
    料を用いたときに前記基準試料が示す旋光角に設定され
    傾斜角度をもって固定されていて、前記光の振動面を
    回転させることにより前記被検試料に起因した前記光の
    回転を補償し、その補償値と前記傾斜角度とを用いて前
    記被検試料に起因した旋光角を算出する旋光度測定方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項記載の旋光度測定方法を用い、
    前記補償値の正負により、前記被検試料の旋光性物質濃
    度の濃淡を前記基準試料の旋光性物質濃度と比較する濃
    度判定方法。
  3. 【請求項3】 請求項記載の旋光度測定方法を用い、
    前記補償値の正負により前記被検試料の旋光性物質濃
    度を前記基準試料の旋光性物質濃度と比較しながら、前
    記被検試料の旋光性物質濃度を調整する濃度制御方法。
  4. 【請求項4】 被検試料に振動面が既知の光を入射さ
    せ、前記被検試料を透過した前記光を、特定の振動面を
    有する成分のみを透過しかつそれと垂直な振動面を有す
    る成分のみを反射する偏光分離素子に入射させて、前記
    偏光分離素子より反射する光の強度と前記偏光分離素子
    を透過する光の強度とを用いて前記被検試料による前記
    光の旋光角を求める旋光度測定方法であって、 前記偏光分離素子入射する光のうち反射する光の強度
    と透過する光の強度が等しくなる軸が、前記被検試料に
    入射させる前記光の振動面に対して傾斜するように、前
    記偏光分離素子を固定し、かつ 前記偏光分離素子を、前記光が前記被検試料を透過する
    際に予測される旋光角の最大値および最小値を両端とす
    る範囲内において、所定の旋光角を示す基準試料を前記
    被検試料に用いたときに前記偏光分離素子より反射する
    光の強度と透過する光の強度が等しくなるように配置す
    旋光度測定方法。
  5. 【請求項5】 前記基準試料の旋光角が、前記光が前記
    被検試料を透過する際に予測される旋光角の最大値およ
    び最小値の中間値である請求項または記載の旋光度
    測定方法。
  6. 【請求項6】 請求項記載の旋光度測定方法を用い、
    前記偏光分離素子より反射する光の強度と前記偏光分離
    素子を透過する光の強度の差の正負により、前記被検試
    料の旋光性物質濃度の濃淡を前記基準試料の旋光性物質
    濃度と比較する濃度判定方法。
  7. 【請求項7】 請求項記載の旋光度測定方法を用い、
    前記偏光分離素子より反射する光の強度と前記偏光分離
    素子を透過する光の強度の差の正負により前記被検試
    料の旋光性物質濃度を前記基準試料の旋光性物質濃度と
    比較しながら、前記被検試料の旋光性物質濃度を調整す
    る濃度制御方法。
  8. 【請求項8】 略平行光を投射する単色光源と、前記略
    平行光のうち特定の振動面を有する成分のみを透過する
    偏光子と、前記偏光子を透過した前記略平行光が被検試
    料を透過するように前記被検試料を保持するサンプルセ
    ルと、前記被検試料を透過した前記略平行光のうち特定
    方向の振動面を有する成分のみを透過する直線検光子
    と、前記直線検光子を透過した前記略平行光を検出する
    光センサを備え、所定の旋光角を示す基準試料を前記被
    検試料に用いたときに前記直線検光子を透過する前記略
    平行光が最小になるように、前記偏光子の透過軸と前記
    直線検光子の透過軸の相対角度が固定されている旋光
    計。
  9. 【請求項9】 前記偏光子を透過し、前記被検試料に入
    射しようとする前記略平行光の振動面を回転させる光変
    調手段と、前記光変調手段へ制御信号を出力する光変調
    制御手段と、前記制御信号および前記光センサの出力信
    号に基づいて前記被検試料による旋光角を算出する演算
    手段とをさらに備え、前記偏光子の透過軸と前記直線検
    光子の透過軸の相対角度が、前記基準試料を前記被検試
    料に用いかつ前記光変調手段により前記略平行光の振動
    面を回転させないときに前記直線検光子を透過する前記
    略平行光が最小になるように設定された請求項記載の
    旋光計。
  10. 【請求項10】 前記被検試料に磁場を印加する磁場印
    加手段と、前記磁場印加手段へ制御信号を出力する磁場
    制御手段と、前記制御信号および前記光センサの出力信
    号に基づいて前記被検試料による旋光角を算出する演算
    手段とをさらに備え、前記偏光子の透過軸と前記直線検
    光子の透過軸の相対角度が、前記基準試料を前記被検試
    料に用いかつ前記磁場を印加しないときに前記直線検光
    子を透過する前記略平行光が最小になるように設定され
    た請求項記載の旋光計。
  11. 【請求項11】 前記制御信号を変調する変調信号を出
    力する信号発生手段、および前記変調信号を参照信号と
    して前記光センサの出力信号を位相敏感検波するロック
    インアンプをさらに具備し、前記演算手段が、前記制御
    信号および前記ロックインアンプの出力信号に基づいて
    前記被検試料による旋光角を算出する請求項または
    記載の旋光計。
  12. 【請求項12】 前記制御信号を変調する変調信号を出
    力する信号発生手段と、前記変調信号を参照信号として
    前記光センサの出力信号を位相敏感検波するロックイン
    アンプと、前記光センサの出力信号を前記変調信号の2
    倍の周波数の信号を参照信号にして位相敏感検波する規
    格化用ロックインアンプをさらに具備し、前記演算手段
    が、前記規格化用ロックインアンプの出力信号で前記ロ
    ックインアンプの出力信号を規格化する請求項または
    10記載の旋光計。
  13. 【請求項13】 前記ロックインアンプの出力信号がゼ
    ロになるように、前記偏光子の透過軸と前記直線検光子
    の透過軸の相対角度が設定された請求項11または12
    記載の旋光計。
  14. 【請求項14】 略平行光を投射する単色光源と、前記
    略平行光のうち特定の振動面を有する成分のみを透過す
    る偏光子と、前記偏光子を透過した前記略平行光が被検
    試料を透過するように前記被検試料を保持するサンプル
    セルと、前記被検試料を透過した前記略平行光のうち特
    定方向の振動面を有する成分のみを透過しかつそれと垂
    直な振動面を有する成分のみを反射する偏光分離素子
    と、前記偏光分離素子を透過した前記略平行光を検知す
    る第一の光センサと、前記偏光分離素子より反射した前
    記略平行光を検知する第二の光センサと、前記第一およ
    び第二の光センサの出力信号の差に基づいて前記被検試
    料による旋光角を算出する演算手段とを備え、前記偏光
    子の透過軸と前記偏光分離素子の透過軸の相対角度が、
    所定の旋光角を示す基準試料を前記被検試料に用いたと
    きに、前記偏光分離素子を透過する前記略平行光の強度
    と反射する前記略平行光の強度が等しくなるように固定
    されており、かつ前記偏光分離素子に入射する光のうち
    反射する光の強度と透過する光の強度が等しくなる軸
    が、前記被検試料に入射させる前記光の振動面に対して
    傾斜するように、前記偏光分離素子が固定されている
    光計。
  15. 【請求項15】 前記被検試料に入射しようとする前記
    略平行光の強度を変調する光変調手段と、前記光変調手
    段の変調信号を参照信号として前記第一および第二の光
    センサの出力信号の差を位相敏感検波するロックインア
    ンプとをさらに具備し、前記演算手段が、前記ロックイ
    ンアンプの出力信号に基づいて前記被検試料による旋光
    角を算出する請求項14記載の旋光計。
  16. 【請求項16】 前記ロックインアンプの出力信号がゼ
    ロになるように、前記相対角度を調整することで、前記
    偏光分離素子を透過および反射する略平行光の強度が等
    しくなるように前記偏光子と前記偏光分離素子の相対角
    度が設定されている請求項14記載の旋光計
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