JP3413536B2 - 液圧駆動型水中音源装置 - Google Patents
液圧駆動型水中音源装置Info
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- JP3413536B2 JP3413536B2 JP15961994A JP15961994A JP3413536B2 JP 3413536 B2 JP3413536 B2 JP 3413536B2 JP 15961994 A JP15961994 A JP 15961994A JP 15961994 A JP15961994 A JP 15961994A JP 3413536 B2 JP3413536 B2 JP 3413536B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ソーナーや通信などの
応用分野において、海などの水中で音波なかでも特に低
周波音を送波する液圧駆動型水中音源装置に関するもの
である。
応用分野において、海などの水中で音波なかでも特に低
周波音を送波する液圧駆動型水中音源装置に関するもの
である。
【0002】
【従来技術】音波は、水中において電波や光に比較して
伝搬中の吸収減衰が少なく、特に低周波音域ではこの傾
向が顕著であり、伝搬距離が数kmから数百kmと遠達性が
高い。そのため、ソーナーや通信などの分野で制御可能
な低周波音源のニーズが高まっている。
伝搬中の吸収減衰が少なく、特に低周波音域ではこの傾
向が顕著であり、伝搬距離が数kmから数百kmと遠達性が
高い。そのため、ソーナーや通信などの分野で制御可能
な低周波音源のニーズが高まっている。
【0003】水中音源装置には、動電型、圧電型、ピス
トン共振型または液圧駆動型などがあるが、波形制御が
可能であること、大出力が可能であること、10〜30
0Hzの広い周波数帯域を持っていること、特に100Hz
以下の低周波音において有効利用できること、30Hz以
下の超低周波音も送信可能であることなどの理由から液
圧駆動型の開発が望まれている。
トン共振型または液圧駆動型などがあるが、波形制御が
可能であること、大出力が可能であること、10〜30
0Hzの広い周波数帯域を持っていること、特に100Hz
以下の低周波音において有効利用できること、30Hz以
下の超低周波音も送信可能であることなどの理由から液
圧駆動型の開発が望まれている。
【0004】液圧駆動型水中音源装置とは、加圧された
液の圧力により振動板を往復動して発生した低周波音を
水中に送波する装置である。液圧制御により振動板を往
復動しているため、振動板のストロークを大きくするこ
とができ、大出力が可能となる。
液の圧力により振動板を往復動して発生した低周波音を
水中に送波する装置である。液圧制御により振動板を往
復動しているため、振動板のストロークを大きくするこ
とができ、大出力が可能となる。
【0005】液圧駆動型水中音源装置には、特開昭55
−9199や特開昭63−91000がある。
−9199や特開昭63−91000がある。
【0006】図6(a)は、特開昭55−9199に示
される液圧駆動型水中音源装置の概略図である。
される液圧駆動型水中音源装置の概略図である。
【0007】ハウジング21には、シール26を介して
振動板22が設けられ、また、駆動ピストン24aによ
り駆動領域28a,28bが構成されている。
振動板22が設けられ、また、駆動ピストン24aによ
り駆動領域28a,28bが構成されている。
【0008】バルブ25から給排される圧液により、駆
動ピストン24aが駆動領域28a,28b内を往復動
すると、駆動ピストン24aに一体に形成されたピスト
ン24と、ピストン24に一体に形成された振動板22
とが連動して振動し、水中に低周波音が送波される。
動ピストン24aが駆動領域28a,28b内を往復動
すると、駆動ピストン24aに一体に形成されたピスト
ン24と、ピストン24に一体に形成された振動板22
とが連動して振動し、水中に低周波音が送波される。
【0009】ハウジング21と振動板22との間には空
洞23が形成されており、空洞23には気体が封入さ
れ、水圧と等しい圧力がかけられている。
洞23が形成されており、空洞23には気体が封入さ
れ、水圧と等しい圧力がかけられている。
【0010】図6(b)は、特開昭63−91000に
示される液圧駆動型水中音源装置の概略図である。
示される液圧駆動型水中音源装置の概略図である。
【0011】ハウジング31は空洞33を有し、空洞3
3には大径部35aを有する駆動ピストン35および放
射板32に連結されたピストン34が摺動可能に設けら
れている。また、ハウジング31は環状溝37を有し、
大径部35aにより環状溝37a,37bに分けられて
いる。
3には大径部35aを有する駆動ピストン35および放
射板32に連結されたピストン34が摺動可能に設けら
れている。また、ハウジング31は環状溝37を有し、
大径部35aにより環状溝37a,37bに分けられて
いる。
【0012】ハウジング31、放射板32、バルブ36
により音響部38が構成され、音響部38は図示しない
ハウジング内に設置されている。ここで、放射板32は
この図示しないハウジングに屈曲し得るように取り付け
られる。
により音響部38が構成され、音響部38は図示しない
ハウジング内に設置されている。ここで、放射板32は
この図示しないハウジングに屈曲し得るように取り付け
られる。
【0013】バルブ36から給排される圧液により、大
径部35aを有する駆動ピストン35が往復動し、その
往復動により発生した圧力は空洞33を介してピストン
34に伝えられて放射板32が振動し、水中に低周波音
が送波される。
径部35aを有する駆動ピストン35が往復動し、その
往復動により発生した圧力は空洞33を介してピストン
34に伝えられて放射板32が振動し、水中に低周波音
が送波される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】図6(a)に示す従来
例は、振動板22が直接水に振動を与えることにより、
水中に低周波音を送波する液圧駆動型水中音源装置であ
り、図6(b)に示す従来例は、水中に低周波音を送波
する放射板32と放射板32に振動振幅を伝えるピスト
ン34が一体に連結されている液圧駆動型水中音源装置
である。
例は、振動板22が直接水に振動を与えることにより、
水中に低周波音を送波する液圧駆動型水中音源装置であ
り、図6(b)に示す従来例は、水中に低周波音を送波
する放射板32と放射板32に振動振幅を伝えるピスト
ン34が一体に連結されている液圧駆動型水中音源装置
である。
【0015】これらの従来例は、振動板22または放射
板32の振動を直接水に伝えて音波を送波するものであ
る。
板32の振動を直接水に伝えて音波を送波するものであ
る。
【0016】図6(a)に示す従来例では、シール性の
問題がある。シール26とハウジング21内面との間に
海中の泥などが侵入したり、ハウジング21内面の摺動
部が海水で腐食されると、振動板22がスムーズに摺動
できなくなり、有効な低周波音を送波することができな
くなる。
問題がある。シール26とハウジング21内面との間に
海中の泥などが侵入したり、ハウジング21内面の摺動
部が海水で腐食されると、振動板22がスムーズに摺動
できなくなり、有効な低周波音を送波することができな
くなる。
【0017】また、図6(b)に示す従来例では、放射
板32は、大きな水圧に耐えるため板厚を大きくする必
要があるが、放射板32の周辺部はハウジング21に固
定されているため、放射板32の振幅を大きくしようと
すると、ピストン34の駆動に大きな力が必要になると
ともに、放射板32に大きな曲げ応力が発生し、疲労破
壊が発生しやすい。
板32は、大きな水圧に耐えるため板厚を大きくする必
要があるが、放射板32の周辺部はハウジング21に固
定されているため、放射板32の振幅を大きくしようと
すると、ピストン34の駆動に大きな力が必要になると
ともに、放射板32に大きな曲げ応力が発生し、疲労破
壊が発生しやすい。
【0018】さらに、放射板32の撓み分しか振幅でき
ないため、ピストン34のストロークを大きく取ること
ができる液圧駆動型水中音源装置の利点を有効に使って
いないなどの欠点を有している。
ないため、ピストン34のストロークを大きく取ること
ができる液圧駆動型水中音源装置の利点を有効に使って
いないなどの欠点を有している。
【0019】そこで、本発明の目的は、液圧駆動型水中
音源装置の利点を有効に使いつつ、装置の小型化やシー
ル性の向上を図り、安定した有効な低周波を送波するこ
とができる液圧駆動型水中音源装置を提供することにあ
る。
音源装置の利点を有効に使いつつ、装置の小型化やシー
ル性の向上を図り、安定した有効な低周波を送波するこ
とができる液圧駆動型水中音源装置を提供することにあ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、水中に配置され内部に密閉空間を形成する
スピ−カボックスと、スピ−カボックスの少なくとも一
面に穿設された開口部を覆うように配設されその音響イ
ンピーダンスが水に近い弾性膜と、弾性膜と仕切部材に
より区画形成される液体室と、仕切部材と連設され内部
が液体室と連通するガイドチューブと、ガイドチューブ
内で摺動自在に設けられた放射板と、放射板に連結され
たピストンロッドと、ピストンロッドを往復動自在に支
承する液圧シリンダと、ピストンロッドを往復駆動させ
る圧液を液圧シリンダに給排するコントロールバルブと
からなるものである。
に本発明は、水中に配置され内部に密閉空間を形成する
スピ−カボックスと、スピ−カボックスの少なくとも一
面に穿設された開口部を覆うように配設されその音響イ
ンピーダンスが水に近い弾性膜と、弾性膜と仕切部材に
より区画形成される液体室と、仕切部材と連設され内部
が液体室と連通するガイドチューブと、ガイドチューブ
内で摺動自在に設けられた放射板と、放射板に連結され
たピストンロッドと、ピストンロッドを往復動自在に支
承する液圧シリンダと、ピストンロッドを往復駆動させ
る圧液を液圧シリンダに給排するコントロールバルブと
からなるものである。
【0021】また、本発明は、前記弾性膜をスピ−カボ
ックスの相対する面に設けるようにしてもよい。
ックスの相対する面に設けるようにしてもよい。
【0022】
【作用】本発明によれば、コントロールバルブにより制
御されて液圧シリンダに給排される圧液によりピストン
ロッドが往復駆動されると、ピストンロッドに連結され
た放射板がガイドチューブ内で摺動して、液体室に充填
された液体に音波を送信する。スピ−カボックスの開口
部に覆うように設けられた弾性膜の音響インピーダンス
は水に近いので、液体室中の音波は弾性膜を透過し水中
に送波される。
御されて液圧シリンダに給排される圧液によりピストン
ロッドが往復駆動されると、ピストンロッドに連結され
た放射板がガイドチューブ内で摺動して、液体室に充填
された液体に音波を送信する。スピ−カボックスの開口
部に覆うように設けられた弾性膜の音響インピーダンス
は水に近いので、液体室中の音波は弾性膜を透過し水中
に送波される。
【0023】また、スピ−カボックスの相対する面に一
対の前記弾性膜が設けられた場合も同様にして一対の前
記弾性膜を通して、同期して水中に音波が送波される。
対の前記弾性膜が設けられた場合も同様にして一対の前
記弾性膜を通して、同期して水中に音波が送波される。
【0024】ここで、音響インピーダンスとは、無限に
広い媒質内を伝播する平面波における音圧と粒子速度と
の比で、密度ρと音速cとの積に等しい。
広い媒質内を伝播する平面波における音圧と粒子速度と
の比で、密度ρと音速cとの積に等しい。
【0025】したがって、音響インピーダンスの大きく
異なる媒質には、音波は反射または吸収されてしまい、
音波が伝わりにくいが、音響インピーダンスの近い媒質
には、反射または吸収が少なく、音波が伝わり易い。
異なる媒質には、音波は反射または吸収されてしまい、
音波が伝わりにくいが、音響インピーダンスの近い媒質
には、反射または吸収が少なく、音波が伝わり易い。
【0026】本発明は、この音波の性質を利用しようと
するものである。
するものである。
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て詳述する。
て詳述する。
【0027】図1は、本発明の液圧駆動型水中音源装置
の一実施例の側面断面図である。
の一実施例の側面断面図である。
【0028】まず、図1に基づいて本実施例の構成を述
べる。
べる。
【0029】図1において、液圧駆動型水中音源装置1
6は、スピーカボックス1と、弾性膜2および液体室3
からなる音響伝達部17と、放射板6、ピストンロッド
7、液圧シリンダ10およびコントロールバルブ8から
なる液圧駆動部18とから構成される。
6は、スピーカボックス1と、弾性膜2および液体室3
からなる音響伝達部17と、放射板6、ピストンロッド
7、液圧シリンダ10およびコントロールバルブ8から
なる液圧駆動部18とから構成される。
【0030】密閉空間を形成するスピーカボックス1の
一面には、シール部9を介して弾性膜2が張設されてい
る。
一面には、シール部9を介して弾性膜2が張設されてい
る。
【0031】スピーカボックス1には、チタン材やステ
ンレス材など海中で腐食しにくい材質が使用またはコー
ティングされている。
ンレス材など海中で腐食しにくい材質が使用またはコー
ティングされている。
【0032】弾性膜2には、ゴムやビニールなど音響イ
ンピーダンスが水(特に海水)に近い材質が使用されて
いる。
ンピーダンスが水(特に海水)に近い材質が使用されて
いる。
【0033】液体室3は、弾性膜2と仕切部材4により
区画形成されている。
区画形成されている。
【0034】また、液体室3と内部が連通するようにガ
イドチューブ5が仕切部材4に連設され、ガイドチュー
ブ5内に放射板6が摺動自在に設けられている。
イドチューブ5が仕切部材4に連設され、ガイドチュー
ブ5内に放射板6が摺動自在に設けられている。
【0035】液体室3には、放射板6がガイドチューブ
5内で滑らかに摺動するように油やシリコン油などの潤
滑性を有する液体が充填されている。
5内で滑らかに摺動するように油やシリコン油などの潤
滑性を有する液体が充填されている。
【0036】ピストンロッド7は、放射板6に連結され
ているとともに液圧シリンダ10により支承されてい
る。
ているとともに液圧シリンダ10により支承されてい
る。
【0037】ピストンロッド7は大径部7cを有し、大
径部7cは液圧シリンダ10の内壁に摺接し、液圧シリ
ンダ10は、この大径部7cにより前後のシリンダ室1
0a,10bに分割されている。
径部7cは液圧シリンダ10の内壁に摺接し、液圧シリ
ンダ10は、この大径部7cにより前後のシリンダ室1
0a,10bに分割されている。
【0038】これら前後のシリンダ室10a,10bへ
の圧液の流入出をコントロールバルブ8により調節す
る。
の圧液の流入出をコントロールバルブ8により調節す
る。
【0039】また、液圧駆動部18は、支持台18aに
よりスピーカボックス1内に支持されている。
よりスピーカボックス1内に支持されている。
【0040】また、本装置16を実際に水中で使用する
場合、図には示していないが、放射板2の反力により本
装置16が動かないようポール等に強固に固定される。
場合、図には示していないが、放射板2の反力により本
装置16が動かないようポール等に強固に固定される。
【0041】図5はシール部9の側面断面図である。
【0042】図5に示すように、スピーカボックス1は
ボルト12aにより仕切部材4に連結され、さらに弾性
膜2は仕切部材4とリング状の押え金物11とにより挟
持され、リング状の押え金物11はボルト12bによ
り、弾性膜2の孔14aを通して仕切部材4に止着され
ている。
ボルト12aにより仕切部材4に連結され、さらに弾性
膜2は仕切部材4とリング状の押え金物11とにより挟
持され、リング状の押え金物11はボルト12bによ
り、弾性膜2の孔14aを通して仕切部材4に止着され
ている。
【0043】また、リング状の押え金物11と弾性膜2
との接触面に凸部を設けてもよい。
との接触面に凸部を設けてもよい。
【0044】スピーカボックス1と仕切部材4との接触
面および弾性膜2と仕切部材4との接触面にはOリング
13a,13bが設けられてシールされる。
面および弾性膜2と仕切部材4との接触面にはOリング
13a,13bが設けられてシールされる。
【0045】弾性膜2に穿設された孔14bには、弾性
膜2の振動による弾性膜2のズレを抑えるためのピン1
5が、その先端部が仕切部材4に嵌着するように挿入さ
れている。
膜2の振動による弾性膜2のズレを抑えるためのピン1
5が、その先端部が仕切部材4に嵌着するように挿入さ
れている。
【0046】次に本実施例の作用について述べる。
【0047】コントロールバルブ8により圧液の流入出
を制御して、液圧シリンダ10のシリンダ室10a,1
0bに給排することでピストンロッド7の往復駆動が制
御される。
を制御して、液圧シリンダ10のシリンダ室10a,1
0bに給排することでピストンロッド7の往復駆動が制
御される。
【0048】ピストンロッド7が往復駆動すると、ピス
トンロッド7に連結された放射板6が、ガイドチューブ
5内で摺動し、液体室3に充填された液体に音波を放射
する。
トンロッド7に連結された放射板6が、ガイドチューブ
5内で摺動し、液体室3に充填された液体に音波を放射
する。
【0049】液体室3に充填された液体は、その音響イ
ンピーダンスが水(特に海水)に近いため、放射板6の
振動により放射される音波を透過させる。
ンピーダンスが水(特に海水)に近いため、放射板6の
振動により放射される音波を透過させる。
【0050】弾性膜2は、その音響インピーダンスが液
体室3に充填された液体および水(特に海水)に近い
め、液体室3に充填された液体を透過した音波を水中に
透過させる。
体室3に充填された液体および水(特に海水)に近い
め、液体室3に充填された液体を透過した音波を水中に
透過させる。
【0051】ここで、液体室3に充填された液体を例え
ばシリコン油とすると、その音響インピーダンスρ1c
1は、0.97×106 N・s・m-3である。
ばシリコン油とすると、その音響インピーダンスρ1c
1は、0.97×106 N・s・m-3である。
【0052】また、弾性膜2を例えば合成ゴムとすれ
ば、その音響インピーダンスρ2c2は1.60×10
6 N・s・m-3である。
ば、その音響インピーダンスρ2c2は1.60×10
6 N・s・m-3である。
【0053】海水(ここでは塩分を3%含む海水)の音
響インピーダンスρcは1.54×106 N・s・m-3
である。
響インピーダンスρcは1.54×106 N・s・m-3
である。
【0054】このように、音響インピーダンスρ1c
1,ρ2c2,ρcが非常に近い値であれば、放射板6
により液体室3に充填された液体に放射される音波は、
あたかも直接水に放射されたかのように水中に送波され
る。
1,ρ2c2,ρcが非常に近い値であれば、放射板6
により液体室3に充填された液体に放射される音波は、
あたかも直接水に放射されたかのように水中に送波され
る。
【0055】ちなみに、乾燥空気の音響インピーダンス
は、428.6N・s・m-3であり、塩分を3%含む海
水の音響インピーダンスρcと略10-4倍も異なるた
め、空気と海水の間では、音波は反射される割合が高く
非常に伝わりにくい。
は、428.6N・s・m-3であり、塩分を3%含む海
水の音響インピーダンスρcと略10-4倍も異なるた
め、空気と海水の間では、音波は反射される割合が高く
非常に伝わりにくい。
【0056】また、ステンレスなどのように耐蝕性があ
り、かつその音響インピーダンスが音響インピーダンス
ρ1c1,ρcと一桁違う程度であれば、弾性膜2とし
て金属板を用いることも可能である。例えばステンレス
の音響インピーダンスは、45.7×106 N・s・m
-3である。
り、かつその音響インピーダンスが音響インピーダンス
ρ1c1,ρcと一桁違う程度であれば、弾性膜2とし
て金属板を用いることも可能である。例えばステンレス
の音響インピーダンスは、45.7×106 N・s・m
-3である。
【0057】ただし、弾性膜2の代りに金属板を用いる
場合には、その透過損失,剛性および共振点などを考慮
してその厚さを選定する必要がある。
場合には、その透過損失,剛性および共振点などを考慮
してその厚さを選定する必要がある。
【0058】図2は本発明の他の実施例の側面断面図で
ある。
ある。
【0059】なお、図1と同様の部材には共通の符号を
用いており、その説明は省略する。
用いており、その説明は省略する。
【0060】図2に示した実施例は、スピーカボックス
1の相対する面に一対の弾性膜2a,2bを設け、それ
ぞれの弾性膜2a,2bに液体室3a,3bおよび液圧
駆動部を設けたものである。
1の相対する面に一対の弾性膜2a,2bを設け、それ
ぞれの弾性膜2a,2bに液体室3a,3bおよび液圧
駆動部を設けたものである。
【0061】この場合、ピストンロッド7a,7bはコ
ントロールバルブ8a,8bにより同期して往復駆動す
るように制御される。
ントロールバルブ8a,8bにより同期して往復駆動す
るように制御される。
【0062】図3(a),(b)は本発明の他の実施例
の側面断面図である。
の側面断面図である。
【0063】なお、図1と同様の部材には共通の符号を
用いており、その説明は省略する。
用いており、その説明は省略する。
【0064】図3(a)に示した実施例は、スピーカボ
ックス1の相対する面に一対の弾性膜2a,2bを設
け、仕切部材4により区画形成される液体室3を共有す
るものである。
ックス1の相対する面に一対の弾性膜2a,2bを設
け、仕切部材4により区画形成される液体室3を共有す
るものである。
【0065】液体室3の略中央部にガイドチューブ5が
液体室3と連通するよう仕切部材4に連設され、ガイド
チューブ5内に放射板6を摺動自在に設けることにより
液圧駆動部18が形成される。
液体室3と連通するよう仕切部材4に連設され、ガイド
チューブ5内に放射板6を摺動自在に設けることにより
液圧駆動部18が形成される。
【0066】液体室3には、その音響インピーダンスが
海水の音響インピーダンスρcに近い液体が充填されて
いるため、放射板6の振動により放射される音波は、そ
の音響インピーダンスが海水の音響インピーダンスρc
に近い弾性膜2a,2bを透過して、同期して水中に送
波される。
海水の音響インピーダンスρcに近い液体が充填されて
いるため、放射板6の振動により放射される音波は、そ
の音響インピーダンスが海水の音響インピーダンスρc
に近い弾性膜2a,2bを透過して、同期して水中に送
波される。
【0067】なお、液圧駆動部18は、図示しない支持
台により支持されている。
台により支持されている。
【0068】また、図3(b)のように、二つの液圧駆
動部18の間に仕切板19を設けて、液体室3を二つの
液体室3a,3bに分けるようにしてもよい。
動部18の間に仕切板19を設けて、液体室3を二つの
液体室3a,3bに分けるようにしてもよい。
【0069】図3(a)および図3(b)では、液圧駆
動部18が二つ設けられているが、液圧駆動部18を一
つにしてもよい。
動部18が二つ設けられているが、液圧駆動部18を一
つにしてもよい。
【0070】図4は、本発明の他の実施例の外観を示し
た鳥瞰図である。
た鳥瞰図である。
【0071】なお、図1と同様の部材には共通の符号を
用いており、その説明は省略する。
用いており、その説明は省略する。
【0072】図4において、スピーカボックス1の三対
の相対する面のうち、いずれか二対の相対する面にそれ
ぞれ一対の弾性膜2a〜2d(計四枚)が設けられてお
り、その側面断面図は、図2,図3(a)または図3
(b)に示す実施例と同様なものとなる。
の相対する面のうち、いずれか二対の相対する面にそれ
ぞれ一対の弾性膜2a〜2d(計四枚)が設けられてお
り、その側面断面図は、図2,図3(a)または図3
(b)に示す実施例と同様なものとなる。
【0073】液体室3には、その音響インピーダンスが
海水の音響インピーダンスρcに近い液体が充填されて
いるため、放射板6の振動により放射される音波は、そ
の音響インピーダンスが海水の音響インピーダンスρc
に近い弾性膜2a〜2dを透過して、同期して水中に送
波される。
海水の音響インピーダンスρcに近い液体が充填されて
いるため、放射板6の振動により放射される音波は、そ
の音響インピーダンスが海水の音響インピーダンスρc
に近い弾性膜2a〜2dを透過して、同期して水中に送
波される。
【0074】液圧駆動部18は、図2,図3(a)また
は図3(b)に示されるように二つ設けてもよいし、一
つにしてもよい。また、弾性膜の枚数と同数設けるよう
にしてもよい。
は図3(b)に示されるように二つ設けてもよいし、一
つにしてもよい。また、弾性膜の枚数と同数設けるよう
にしてもよい。
【0075】なお、本発明の液圧駆動型水中音源装置
は、上述の実施例のみに限定されるものではなく、本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を加え得る
ことは勿論である。
は、上述の実施例のみに限定されるものではなく、本発
明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更を加え得る
ことは勿論である。
【0076】
【発明の効果】以上本発明によれば、液圧駆動型水中音
源装置16は、スピーカボックス1と、弾性膜2および
液体室3からなる音響伝達部17と、振動板6、ピスト
ンロッド7、液圧シリンダ10、コントロールバルブ8
からなる液圧駆動部18とからなり、液体室3には、そ
の音響インピーダンスが水の音響インピーダンスに近い
液体が充填され、弾性膜2には、その音響インピーダン
スが水の音響インピーダンスに近い材質が使用されてい
るため、次のような優れた効果を発揮する。
源装置16は、スピーカボックス1と、弾性膜2および
液体室3からなる音響伝達部17と、振動板6、ピスト
ンロッド7、液圧シリンダ10、コントロールバルブ8
からなる液圧駆動部18とからなり、液体室3には、そ
の音響インピーダンスが水の音響インピーダンスに近い
液体が充填され、弾性膜2には、その音響インピーダン
スが水の音響インピーダンスに近い材質が使用されてい
るため、次のような優れた効果を発揮する。
【0077】請求項1記載の発明においては、
(1)放射板6により放射される音波をあたかも直接水
に放射したかのように、安定した音波として送波でき
る。 (2)弾性膜2の柔軟性が高いため、放射板6のストロ
ークを大きく取ることができ、大出力が可能となるなど
の液圧駆動型の利点を有効に利用できる。
に放射したかのように、安定した音波として送波でき
る。 (2)弾性膜2の柔軟性が高いため、放射板6のストロ
ークを大きく取ることができ、大出力が可能となるなど
の液圧駆動型の利点を有効に利用できる。
【0078】また、請求項2によれば、上記(1)およ
び(2)に加えて、 (3)スピーカボックス1の相対する面に音響伝達部1
7を設けたことにより、放射板6の反力を打消すことが
できる。 (4)したがって、ポール等に強固に固定する必要がな
くなり本装置の実施が容易になる。 (7)より球状音源に近付けることができ、安定した音
響的な出力を得ることができる。
び(2)に加えて、 (3)スピーカボックス1の相対する面に音響伝達部1
7を設けたことにより、放射板6の反力を打消すことが
できる。 (4)したがって、ポール等に強固に固定する必要がな
くなり本装置の実施が容易になる。 (7)より球状音源に近付けることができ、安定した音
響的な出力を得ることができる。
【図1】本発明の液圧駆動型水中音源装置の一実施例を
示す側面断面図である。
示す側面断面図である。
【図2】本発明の液圧駆動型水中音源装置の他の実施例
を示す側面断面図である。
を示す側面断面図である。
【図3】(a)は、本発明の液圧駆動型水中音源装置の
他の実施例を示す側面断面図である。(b)は、図3
(a)に示す実施例の他の実施例を示す側面断面図であ
る。
他の実施例を示す側面断面図である。(b)は、図3
(a)に示す実施例の他の実施例を示す側面断面図であ
る。
【図4】本発明の液圧駆動型水中音源装置の他の実施例
の外観を示した鳥瞰図である。
の外観を示した鳥瞰図である。
【図5】本発明の液圧駆動型水中音源装置に用いるシー
ル部の側面断面図である。
ル部の側面断面図である。
【図6】(a)は、従来の液圧駆動型水中音源装置を示
す概略図である。(b)は、従来の液圧駆動型水中音源
装置を示す概略図である。
す概略図である。(b)は、従来の液圧駆動型水中音源
装置を示す概略図である。
1 スピーカボックス
2 弾性膜
3 液体室
4 仕切部材
5 ガイドチューブ
6 放射板
7 ピストンロッド
8 コントロールバルブ
10 液圧シリンダ
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 神戸 喜一郎
東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川
島播磨重工業株式会社 東2テクニカル
センタ−内
(56)参考文献 特開 平6−121391(JP,A)
特開 昭49−24693(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H04R 23/00 330
H04R 1/44 310
H04R 1/44 330
Claims (2)
- 【請求項1】 水中に配置され内部に密閉空間を形成す
るスピ−カボックスと、スピ−カボックスの少なくとも
一面に穿設された開口部を覆うように配設されその音響
インピーダンスが水に近い弾性膜と、弾性膜と仕切部材
により区画形成される液体室と、仕切部材と連設され内
部が液体室と連通するガイドチューブと、ガイドチュー
ブ内で摺動自在に設けられた放射板と、放射板に連結さ
れたピストンロッドと、ピストンロッドを往復動自在に
支承する液圧シリンダと、ピストンロッドを往復駆動さ
せる圧液を液圧シリンダに給排するコントロールバルブ
とからなることを特徴とする液圧駆動型水中音源装置。 - 【請求項2】 前記弾性膜がスピ−カボックスの相対す
る面に配設されたことを特徴とする請求項1記載の液圧
駆動型水中音源装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15961994A JP3413536B2 (ja) | 1994-06-20 | 1994-06-20 | 液圧駆動型水中音源装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15961994A JP3413536B2 (ja) | 1994-06-20 | 1994-06-20 | 液圧駆動型水中音源装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH089487A JPH089487A (ja) | 1996-01-12 |
JP3413536B2 true JP3413536B2 (ja) | 2003-06-03 |
Family
ID=15697680
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15961994A Expired - Fee Related JP3413536B2 (ja) | 1994-06-20 | 1994-06-20 | 液圧駆動型水中音源装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3413536B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107995570A (zh) * | 2017-11-23 | 2018-05-04 | 苏州逸巛声学科技有限公司 | 一种受话器 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4614181B2 (ja) * | 2001-08-09 | 2011-01-19 | 株式会社Ihi | 液圧直動アクチエータと液圧駆動スピーカ |
US7820855B2 (en) | 2008-04-29 | 2010-10-26 | Celanese International Corporation | Method and apparatus for carbonylating methanol with acetic acid enriched flash stream |
JP5434153B2 (ja) * | 2009-03-09 | 2014-03-05 | 日本電気株式会社 | 立体配列型送受波器、及び、立体配列型送受波器を備えた装置 |
-
1994
- 1994-06-20 JP JP15961994A patent/JP3413536B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107995570A (zh) * | 2017-11-23 | 2018-05-04 | 苏州逸巛声学科技有限公司 | 一种受话器 |
CN107995570B (zh) * | 2017-11-23 | 2024-06-07 | 苏州逸巛科技有限公司 | 一种受话器 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH089487A (ja) | 1996-01-12 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
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