JP3412011B2 - Gps及びその補強システムを用いた航法システムにおけるアベイラビリティ取得方法及びその装置 - Google Patents

Gps及びその補強システムを用いた航法システムにおけるアベイラビリティ取得方法及びその装置

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JP3412011B2
JP3412011B2 JP2000225935A JP2000225935A JP3412011B2 JP 3412011 B2 JP3412011 B2 JP 3412011B2 JP 2000225935 A JP2000225935 A JP 2000225935A JP 2000225935 A JP2000225935 A JP 2000225935A JP 3412011 B2 JP3412011 B2 JP 3412011B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、国際民間航空機
関(以下、単にICAOと記す)が中心となって将来の
航法システムとして検討しているGPS及びその補強シ
ステムを用いた航法システムにおいて、ICAOで定義
される航法システムの要求要件を満足するサービスが可
能な確率、即ち、システムの稼働率を示す指標であるア
ベイラビリティの取得方法及びその装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、GPS及びその補強システムを用
いた民間航空機に関する将来の航法システムが、ICA
Oを中心として検討されている。そして、米国FAA
(連邦航空局)の諮問機関であるRTCA(Requiremen
t and Technical Concepts for Aviation)では、米国
の広域補強システム(WAAS:Wide Area Augmentati
onSystem、以下、単にWAASと記す)及び狭域補強シ
ステム(LAAS:LocalArea Augmentation System、
以下、単にLAASと記す)の技術基準を発行してい
る。
【0003】一方、ICAOは、この国際標準である静
止衛星型補強システム(SBAS:Satellite Based Au
gmentation System)及びGBAS(Ground Based Augm
entation System)を中心としたGNSS(Global Navi
gation Satellite System:全地球的航法衛星システ
ム)の国際標準及び勧告方式( SARPs:Internati
onal Standards and Recommended Practices)を策定中
である。
【0004】WAASは、現行のVORに変わるものと
して、主として米国で検討されているシステムで、静止
衛星経由で航空機に主にDGPSの補正情報を与えよう
とするものである。一方、LAASは、現行のILSに
代わるもので、空港毎に設置するVHFのデジタル送信
機により、着陸する航空機にDGPSの補正情報等を与
えるシステムである。
【0005】アベイラビリティは、航法精度、インテグ
リティ(完全性)、コンティニュイティ(連続性)等I
CAOで定義される航法システムにおける要求要件を満
足してサービス可能な割合(99%〜99.999%)
であり、システムの稼働率を示す指標である。そして、
航法システムにおける要求要件とは、下記の表1に示す
ように、飛行のフェーズ毎に航法システムに要求される
要件で、水平・垂直精度、インテグリティ(完全性)等
(以下、単に要求要件と記す)があり、ICAOで検討
中の国際標準案である。
【0006】
【表1】
【0007】そして、これらの補強システム(WAAS
及びLAAS)を検討する目的で、従来から各システム
に対してアベイラビリティが求められている。このアベ
イラビリティの計算概念を図14、図15に示す。
【0008】従来航法システムのアベイラビリティが地
上装置、機上装置及びその冗長系の故障率に依存してい
たのに比べ、将来の航法システムとして考えられている
GPSの補強システムにおけるアベイラビリティは、G
PS衛星及び静止衛星の故障率が支配的である。現在、
GPS衛星は24個及び数個の予備が運用しているの
で、衛星が1個停止した場合にも1日のほとんどの時間
で測位精度などの要求値が満足出来るという意味で、冗
長度が存在する。又、場所と時間により可視衛星の数と
衛星配置は異なるため、測位精度は時間により変化す
る。従って、アベイラビリティは、衛星の運用数や軌道
が変わる毎にシミュレーション計算する必要がある。
【0009】将来航法におけるアベイラビリティのシミ
ュレーション計算は、従来航法のように、設計時に1度
計算すればよい訳ではなく、衛星が寿命により運用を停
止する時、新しい衛星が打ち上げられ運用を開始する時
及び衛星が保守のため一時運用を停止する時、開始する
時等運用数やその軌道が変更される毎に補強システムの
運用者等において再計算する必要があると考えられる。
【0010】図14はアベイラビリティの計算概念を示
すもので、衛星がi個故障する確率をP、その時の要
求要件を満足する確率、即ち、ユーザーの測位誤差をA
とすると、その時のユーザーの測位誤差が要求値kを
満足する確率をAとすると、その時のアベイラビリテ
ィAは、A=Σ(i=0、n)P・Aで表される。
ここで、ユーザー誤差の頻度分布グラフにおいて、横軸
はユーザー測位誤差(m)、縦軸はその発生頻度を示
す。
【0011】図15はユーザーの測位誤差の計算概念を
示すもので、衛星は1恒星日(23時間56分)で必ず
もとの位置(衛星配置)に戻ってくるため、1日分(1
恒星日)をあるステップで計算して、測位誤差の頻度分
布を求める。この時、衛星が1個故障する場合は、以上
の操作を24回故障衛星を変えて行う必要があり、同様
に、i衛星が故障する場合には、24回行う必要が
ある。又、この計算は、ステップ間隔を細かくすればそ
れだけ正確な結果が得られるが、その計算量が増える。
【0012】上記の方法は補強に用いられる静止衛星を
含め、ある観測点でGPS衛星が故障した場合の全ての
組み合わせのGPS衛星の配置から測位誤差を求め、次
いで、要求要件を満足する値を求める方法で、具体的に
は、数式で以下のように表される。
【0013】ある観測点lで複数のGPS衛星故障を含
む全ての衛星配置から決定される精度劣化指数(以下、
DOPと記す)の分布関数を求め、要求される航法誤差
に対応するDOP値kを満たす確率(累積確率)を、ア
ベイラビリティと定義する。
【0014】この場合、航法精度のアベイラビリティA
は、観測点lとDOP値kの関数として、下記の式
(1)で定義される。
【0015】
【式1】
【0016】ここで、Aijは条件付きアベイラビリテ
ィで、24個のGPS衛星中i個、M個の静止衛星中j
個が故障した場合に、DOP値がk以下になる条件付き
確率で、下記の式(2)で示される。この式(2)は条
件付きアベイラビリティの重み平均とも言える。
【0017】
【式2】
【0018】ここで、P GPSは24−i個のGPS
衛星が利用出来る確率、PはM−j個の静止衛星(G
EO:Geostationary Satellite)が利用出来る確率で
ある。又、DOPの水平成分HDOP及び垂直成分VD
OPは、全ての可視衛星から、下記式(3)及び式
(4)で計算される。
【0019】
【式3】
【0020】
【式4】
【0021】ここで、行列Gは、下記式(5)で示さ
れ、行ベクトルgは、下記式(6)でそれぞれ示され
る。
【0022】
【式5】
【0023】
【式6】
【0024】但し、i=1,2,3……,nであり、n
は可視衛星の数である。φ、θは、水平線座標にお
ける可視衛星の仰角、方位角を示している。なお、水平
線座標は、観測点を原点として東方向にx軸の正、北方
向にy軸の正、水平面に垂直上方向にz軸の正をとる直
交座標とする。
【0025】DOPと航法誤差の上界の関係は、北米大
陸上の観測点でモンテカルロシミュレーションにより求
められている。この結果、アベイラビリティが67%以
上では、航法誤差の水平成分HDOP及び垂直成分VD
OPが、2倍のDOP値と擬似距離の誤差の標準偏差σ
ptの積より小さいことが確認されている。
【0026】上記のような方法で求められるアベイラビ
リティに、さらに、瞬時アベイラビリティの概念を用
い、アベイラビリティの定義を再検討する方法が提案さ
れ、この方法を用いてWAASのサービス空域モデル
(SVM:Service volume Model)を作成したものがあ
る。
【0027】以下、瞬時アベイラビリティの概念を導入
してアベイラビリティを求める方法について説明する。
まず、図16に基づいて、瞬時アベイラビリティA
求める方法の概略を説明する。
【0028】ある時刻tにおける瞬時アベイラビリティ
は、A=(P×K/N)+(P×K/N
)+……+(P×K/N )であらわされ、アベ
イラビリティAは、あるステップ間隔で求めた平均値で
ある。
【0029】ここで、P、P、……、Pは、それ
ぞれ衛星が0個、1個、……V個故障する確率である。
又、K、K、……、Kは、それぞれその時の要求
値を満足する数、N、N、……、Nは、故障衛星
の組み合わせの総数である。
【0030】具体的には、この方法では、瞬時アベイラ
ビリティA(R,t)は、ある時刻tに、ある位置で
表1に示す要求要件を満たす確率と定義され、下記式
(7)から求められる。
【0031】
【式7】
【0032】ここで、式(7)において、Kijは式
(8)で示され、GPS衛星と静止衛星が故障した場合
に航法要件が満たされる条件付き確率である。
【0033】
【式8】
【0034】Nij は、式(9)で示すように、i個
のGPS衛星とj個の静止衛星が故障する組み合わせの
総数である。Rは、航法要件が要求値を満足する場合に
真とする。
【0035】
【式9】
【0036】又、bool(R)は、式(10)で示され
る。
【0037】
【式10】
【0038】又、上記式(7)、式(8)における定義
と同様で、下記式(11)、式(12)に示す方法で瞬
時アベイラビリティA(R、t)を求める方法もあ
る。
【0039】
【式11】
【0040】
【式12】
【0041】ここで、VGPS、VGEOは、それぞれ
時刻tにおける可視GPS衛星及び静止衛星の数であ
る。又、W GPS、W GPSは、可視衛星が故障す
る確率であり、下記式(13)及び式(14)で示され
る。
【0042】
【式13】
【0043】
【式14】
【0044】ここで、Nij は可視衛星の組み合わせ
で、下記式(15)で示される。H GPS、H
GEOは、それぞれ不可視のGPS衛星、静止衛星の数
である。
【0045】
【式15】
【0046】式(11)に示す瞬時アベイラビリティか
ら求める方法は、衛星の組み合わせの数で決まる要求要
件を評価する繰り返しの数を示す式(12)が、不可視
の衛星を計算から排除したため、式(8)より極めて少
なくなっているためである。
【0047】ここで、アベイラビリティA(R)は、
日次アベイラビリティ(DAL:Daily Availability L
evel)とすると、時刻tから△T毎の1恒星日の瞬時
アベイラビリティの平均値として、下記式(16)で示
すように定義される。ここで、k=0,1,2,……M
−1、Mはサンプリングの総数を示す。
【0048】
【式16】
【0049】
【発明が解決しようとする問題点】上記のように、第1
のアベイラビリティを求める方法では、推定されたGP
S衛星の故障確率を用い、ある観測点で、ある時刻に、
GPS衛星が故障した場合の全ての組み合わせの衛星配
置から、測位誤差を求め、要求要件を満足する割合が求
められなければならないため、膨大な回数計算する必要
があり、多くの時間を要するという問題がある。その
上、求められたアベイラビリティの値は、衛星配置に起
因するため、観測点に依存する。従って、異なった観測
点では違った値をとるため、要求されるアベイラビリテ
ィを評価するためには、多数の観測点、例えば、日本周
辺の領域全体をある緯度・経度の間隔で格子状に多数回
計算することが必要となり、多くの時間が必要であると
いう問題がある。
【0050】又、第2の瞬時アベイラビリティの概念を
用いてアベイラビリティを求める方法では、式(12)
で示すように、衛星の組み合わせの数で決まる要求要件
を評価する繰り返しの数Nij からみると、不可視の
衛星を排除することが出来る。従って、Kij は、可
視衛星についてのみ求めればよいので、第1の方法と比
較した場合、効率が良いが、やはり、上記したように、
多数の観測点における計算が必要であり、又、所定の時
刻間隔で求めた瞬時アベイラビリティを1恒星日にわた
り求める必要があり、そのため、アベイラビリティを求
めるのに多くの時間が必要である等の問題がある。
【0051】
【課題を解決するための手段】請求項1に係わる発明
は、ある観測位置で所定のマスク角における前記全GP
S衛星の出没時刻γを求め、等間隔△hのサンプリン
グ時刻に出没時刻γを併合した不等間隔のサンプリン
グ時刻tにおいて、i個の衛星が故障する確率と、そ
の時の航法システムにおける要求要件Rを満足する数と
i個の衛星が故障する組み合わせの総数とから時刻t
の瞬時アベイラビリティA(R,t)を求め、t
i+1とtとの差を△T、サンプリングの総数を
M'Tとして求めるアベイラビリティAを瞬時アベイラビ
リティA(R,t)の△Tによる重み付け平均と
して求め、アベイラビリティAを、下記式より求めるよ
うにしたものである。
【式17】
【0052】請求項2に係わる発明は、GPS衛星から
送信される航法メッセージに含まれる軌道暦(アルマナ
ック)から求め、この軌道パラメータから全GPS衛星
の出没時刻γを求めるようにしたものである。
【0053】請求項3に係わる発明は、粗いサンプリン
グ間隔△Hで、サンプリング時刻t からサンプリング
時刻(t+T)迄、観測位置からのGPS衛星の仰角
の微分値を求め、仰角の微分値の正負の変化によりGP
S衛星の仰角の極大値及び極小値付近の時刻α、…
…、αを求め、時刻αと時刻α−△Hを初期値と
して2分割法によりGPS衛星の極大値及び極小値とな
る時刻β、……、βを求め、時刻β、……、β
における仰角の最大値を求めて、この時刻を極大時刻β
とし、この極大時刻βにおける仰角がマスク角以上
の場合には、極大時刻βとその前後の時刻βi−1
はβi+1を初期値と設定して、セカント法によりGP
S衛星の出没時刻γ、γを求め、GPS衛星の仰角
が極大となる第2の時刻βi−2又はβi+2における
仰角がマスク角より大の場合には、第2の時刻βi−2
又はβi+2の前後の時刻(βi−1又はβi−3)又
は(βi+1又はβi+3)の時刻を初期値と設定し
て、セカント法によりGPS衛星の出没時刻γ、γ
を求めるようにしたものである。
【0054】請求項4に係わる発明は、軌道パラメータ
からある観測位置を中心とする水平面座標におけるGP
S衛星の位置を求め、可視GPS衛星の故障確率W
求め、可視GPS衛星数の中でi個のGPS衛星が故障
する組み合わせの総数Nを求め、マスク角以上の仰角
を持つ可視GPS衛星数Vを求め、故障GPS衛星数が
i個の場合の航法システムにおける要求要件Rを満足す
る条件付き確率Kを求め、瞬時アベイラビリティを、
Σ(i=0、V)W・Kとして求めるものである。
【0055】請求項5に係わる発明は、観測位置及び衛
星軌道パラメータから求めた観測位置を中心とする水平
面座標での全GPS衛星位置から衛星仰角を取得する手
段を有するGPS測位部と、ある観測位置で所定のマス
ク角における1恒星日Tの全GPS衛星の出没時刻γ
を求める機能と、等間隔△hのサンプリング時刻に出没
時刻γを併合した不等間隔のサンプリング時刻t
おいて、i個の衛星が故障する確率を求める機能と、そ
の時の航法システムにおける要求要件Rを満足する数を
求める機能と、i個の衛星が故障する組み合わせの総数
を求める機能と、この時刻tの衛星位置における前記
航法システムの前記要求要件を満たす確率として表され
る瞬時アベイラビリティA(R、t)を求める機能
と、t +1とtとの差を△T、サンプリングの総
数をM'Tとして、求めるアベイラビリティAを瞬時アベ
イラビリティA(R、t)の△Tによる重み付き
平均として求める機能と、アベイラビリティAを、下記
式より求める機能とを有する演算部と、
【式17】 を備えたGPS及びその補強システムを用いた航法シス
テムにおけるアベイラビリティ取得装置である。
【0056】請求項6に係わる発明は、観測位置及び衛
星軌道パラメータから求めた観測位置を中心とする水平
面座標での全GPS衛星位置から衛星仰角を取得する手
段を有するGPS測位部と、取得したGPS衛星の仰角
の微分値を演算する機能と、仰角の微分値の正負の変化
する時刻、即ち、GPS衛星の仰角の極大値及び極小値
付近の時刻α、……、αを比較演算する機能と、時
刻αと時刻α−△Hを初期値として2分割法により
GPS衛星の極大値及び極小値となる時刻β、……、
βを演算する機能と、時刻β、……、βにおける
仰角の最大値を演算する機能と、時刻β(極大時刻)
における仰角がマスク角以上の場合には、極大時刻β
とその前後の時刻βi−1又はβi+1の時刻を初期値
として設定保存する機能と、セカント法により前記GP
S衛星の出没時刻γ、γを演算する機能と、GPS
衛星の仰角が極大となる第2の時刻βi−2又はβ
i+2における仰角がマスク角より大の場合には、第2
の時刻βi−2又はβi+2の前後の時刻(βi−1
はβi−3)又は(βi+1又はβi+3)の時刻を初
期値として設定保存する機能と、セカント法によりGP
S衛星の出没時刻γ、γを演算する機能と、可視G
PS衛星の故障確率Wを演算する機能と、可視GPS
衛星数の中でi個のGPS衛星が故障する組み合わせの
総数Nを演算する機能と、マスク角における可視GP
S衛星数Vを演算する機能と、故障GPS衛星数がi個
の場合、航法システムにおける要求要件Rを満足する条
件付き確率Kを演算する機能と、瞬時アベイラビリテ
ィを、Σ(i=0、V)W・Kとして演算する機能
と、求めた瞬時アベイラビリティの値からアベイラビリ
ティを演算する機能とを有する演算部とを備えたアベイ
ラビリティ取得装置である。
【0057】
【発明の実施の形態】
【実施例1】この発明の実施例を、図1〜図11に基づ
いて詳細に説明する。図1〜図5はこの発明の実施例を
示すもので、図1はアベイラビリティAを求めるための
メイン・フローチャート、図2はGPS衛星の出没時刻
を求めるためのフローチャート、図3は瞬時アベイラビ
リティA(t)を求めるためのフローチャート、図4は
アベイラビリティAを求めるにあたってのサンプリング
間隔を説明するための図である。図5はこの発明の実施
例を示す要部構成図である。
【0058】図6は瞬時アベイラビリティの時間的変化
を示す図、図7は可視衛星数と時間変化を示す図、図8
は図6の拡大図、図9は図7の拡大図、図10は衛星仰
角と出没時刻との関係を示す図、図11はサンプリング
間隔と求める瞬時アベイラビリティの誤差との関係を示
す図である。図12及び図13は、測定条件を変えてそ
れぞれ求めた日本周辺におけるLAASの日次アベイラ
ビリティの分布を示す図である。
【0059】図5において、1はGPS衛星、2は観測
位置及びGPS衛星の仰角を取得する手段を有するGP
S測位部、3はアベイラビリティの演算部で、入出力部
4が備えられている。GPS測位部2は観測位置、GP
S衛星1の衛星配置、衛星仰角、可視衛星数を測定する
手段を有している。
【0060】演算部3は、観測位置及び衛星軌道パラメ
ータから求めた観測位置を中心とする水平面座標での全
GPS衛星位置から衛星仰角を取得する手段を有するG
PS測位部と、ある観測位置で所定のマスク角における
1恒星日Tの全GPS衛星の出没時刻γを求める機能
と、等間隔△hのサンプリング時刻に出没時刻γを併
合した不等間隔のサンプリング時刻tにおいて、i個
の衛星が故障する確率を求める機能と、その時の航法シ
ステムにおける要求要件Rを満足する数を求める機能
と、i個の衛星が故障する組み合わせの総数を求める機
能と、この時刻t の衛星位置における前記航法システ
ムの前記要求要件を満たす確率として表される瞬時アベ
イラビリティA(R、t)を求める機能と、t
i+1とtとの差を△T、サンプリングの総数を
M'Tとして、求めるアベイラビリティAを瞬時アベイラ
ビリティA(R、t)の△Tによる重み付き平均
として求める機能と、アベイラビリティAを、下記式よ
り求める機能とを有している。
【0061】
【式17】
【0062】さらに、演算部3は、観測位置からのGP
S衛星の仰角の微分値を演算する機能と、仰角の微分値
の正負の変化する時刻、即ち、GPS衛星の仰角の極大
値及び極小値付近の時刻α、……、αを比較演算す
る機能と、時刻αと時刻α −△Hを初期値として2
分割法によりGPS衛星の極大値及び極小値となる時刻
β、……、βを演算する機能と、時刻β、……、
βにおける仰角の最大値を演算する機能と、時刻β
(極大時刻)における仰角がマスク角以上の場合には、
極大時刻βとその前後の時刻βi−1又はβi+1
時刻を初期値として設定保存する機能と、セカント法に
よりGPS衛星の出没時刻γ、γを演算する機能
と、GPS衛星の仰角が極大となる第2の時刻βi−2
又はβi+ における仰角がマスク角より大の場合に
は、第2の時刻βi−2又はβi+2の前後の時刻(β
i−1又はβi−3)又は(βi+1又はβi+3)の
時刻を初期値として設定保存する機能と、セカント法に
よりGPS衛星の出没時刻γ、γを演算する機能
と、可視GPS衛星の故障確率Wを演算する機能と、
可視GPS衛星数の中でi個のGPS衛星が故障する組
み合わせの総数Nを演算する機能と、マスク角におけ
る可視GPS衛星数Vを演算する機能と、故障GPS衛
星数がi個の場合、航法システムにおける要求要件Rを
満足する条件付き確率Kを演算する機能と、瞬時アベ
イラビリティを、Σ(i=0、V)W・K として演
算する機能と、求めた瞬時アベイラビリティの値からア
ベイラビリティを演算する機能とを有している。
【0063】まず、発明者は、瞬時アベイラビリティA
(t)の概念を用いて、アベイラビリティAを定義する
後者の方法を採用して、アベイラビリティAを求める概
略方法を、図1に基づいて簡単に説明する。
【0064】軌道パラメータから衛星配置を求め(ステ
ップ40)、全GPS衛星の出没時刻を求め(ステップ
41)、ある時刻tから時刻tM’T―1、瞬時アベ
イラビリティA(t)を求める(ステップ42)。次
いで、サンプリングの間隔△Tを乗じて(ステップ4
3)、時刻tを更新して(ステップ44、45)総和
を求め、1恒星日Tの平均としてアベイラビリティAを
求める(ステップ46)。
【0065】そこで、まず、発明者は、瞬時アベイラビ
リティA(t)の概念を用いて、アベイラビリティAを
定義する後者の方法を採用し、瞬時アベイラビリティA
(t)を求めた。
【0066】瞬時アベイラビリティを求めるための測定
条件としては、観測位置は三鷹、24個のGPS衛星の
標準軌道で、仰角5度以上のGPS衛星を用い、6分間
隔で1恒星日分の瞬時アベイラビリティA(t)を求め
た。なお、時刻は相対GPS時刻(秒)である。その結
果は、図6及び図7に示されている。
【0067】図6はアベイラビリティの時間的変化、即
ち、ある時刻における瞬時アベイラビリティを示し、横
軸は相対GPS時刻(秒)、縦軸はアベイラビリティ
(%)である。図7は可視衛星数の時間的変化を示して
おり、横軸は相対GPS時刻(秒)、縦軸は可視衛星数
(個)を示している。図8及び図9は、それぞれ図6及
び図7に示す同時刻における拡大図である。
【0068】発明者は、図6及び図7における結果か
ら、瞬時アベイラビリティと可視衛星数との間には、あ
る相関関係があることを見い出した。即ち、可視衛星数
が少ない場合には、瞬時アベイラビリティは悪くなり、
可視衛星数が多い場合には、瞬時アベイラビリティは良
くなる。これは、可視衛星数とその配置により観測位置
の航法誤差が決まるためである。
【0069】可視衛星数が増減する時刻、即ち、GPS
衛星の出没時刻と瞬時アベイラビリティの増減する時刻
との間には、時間差があることを見いだした。これは、
出没時刻とサンプリング時刻に最大でサンプリング時間
間隔未満の差が生じるためである。従って、サンプリン
グ間隔を広くして瞬時アベイラビリティを求めると、衛
星の出没時刻との間に時間差が出来、誤差が大きくな
る。
【0070】そこで、発明者は、出没時刻をあらかじめ
短時間で求めることが出来るならば、これをサンプリン
グ時刻に追加すれば、アベイラビリティの精度向上が見
込めるのではないかとの見地から、図10に示すよう
に、全衛星について衛星仰角とから出没時刻を求めた。
【0071】以下、出没時刻を求める方法について説明
する。衛星仰角には、必ず2回極大と極小があり、これ
は、衛星が上る時刻と沈む時刻である。即ち、衛星の出
没は、観測点における各衛星の仰角がマスク角に一致し
た時刻に発生する。そこで、発明者は、所定のマスク角
における衛星の出没時刻を、図2に示す手順で求めた。
【0072】図2に示すように、まず、時刻tから粗
いサンプリング間隔△H(△H=3600秒とする)
で、t+Tまで衛星仰角の微分値を求め(ステップ5
0)、1つ手前の時刻と比べて符号が変化する時刻
α、……、α(衛星仰角の極大値と極小値付近の時
刻)を求め、これを初期値とする(ステップ51)。
【0073】次いで、ステップ51で求めた時刻α
α−△Hを初期値として2分割法で、微分値が0とな
る時刻(衛星仰角が極大または極小となる時刻)β
……、βを求める(ステップ52)。次いで、β
……、βが極大の時刻か又は極小の時刻であるかを調
べるために、時刻β、……、βにおける仰角の最大
値を求め、それを極大の時刻βとする(ステップ5
3)。
【0074】極大の時刻βにおける仰角がマスク角よ
り大の場合には、極大の時刻(最大値)βとその前の
βi−1又は次のβi+1の時刻(極小値)を初期値と
し、セカント法で出没時刻γ、γを求める(ステッ
プ54)。
【0075】次いで、仰角が極大となる第2の時刻β
i−2又はβi+2における仰角が、マスク角より大な
らば、その時刻βi−2又はβi+2(第2の最大値)
とその前又は次の時刻(極小値)を初期値として、セカ
ント法により出没時刻γ、γ を求める(ステップ5
5)。
【0076】このようにして、全ての衛星について4つ
の出没時刻の解γ、γ、γ、γを求める(ステ
ップ56)。但し、衛星仰角がマスク角に達しない場合
は、出没時刻は、2つ(又は0)になる場合がある。な
お、全ての衛星の出没時刻は、昇順に並べ替えておく。
【0077】このようにして求めた結果、即ち、衛星仰
角と出没時刻との関係は、図10に示されている。図1
0において、横軸は相対GPS時刻(秒)、縦軸は衛星
仰角(度)を示している。
【0078】上記のようにして、衛星の出没時刻を求め
た後、上記式(11)で示す瞬時アベイラビリティを、
式(12)〜式(15)に従って、図3に示す手順に基
づいて求める。以下、簡単に説明する。
【0079】まず、図2に示すGPS測位部2により観
測位置から全GPS衛星1の位置を地球固定座標に変換
し、次いで、水平面座標に変換する(ステップ60)。
なお、インターネット上に軌道暦(アルマナック)が開
示されているので、この値を利用してGPS衛星の位置
を求めても良い。
【0080】次いで、可視衛星の故障確率Wを求める
(ステップ61)。なお、GPS衛星の故障確率は、衛
星の長期と短期の平均故障間隔(MTBF)、長期と短
期の平均修理時間(MTTR)とハウスキーピングマヌ
ーバの周期と期間からマルコフ課程を用いた修理系の故
障モデルを考え、遷移方程式を解くことにより計算され
る。ここで、長期の故障とは、衛星の打ち上げが必要な
致命的な衛星故障で、短期の故障とは、予備装置への切
替で復旧する故障と定義されている。
【0081】例えば、これらの衛星故障のパラメータ
は、下記表2に示されている。これらのパラメータから
衛星故障の確率を求めた結果が下記表3に示されてお
り、これらの値はすでに発表されている。
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】表2及び表3から、24個のGPS衛星が
1つも故障せず運用される確率は、70%程度、1個故
障する確率は、25%程度であること等が明らかであ
る。
【0085】次いで、可視衛星数の中で、i個の衛星が
故障する組み合わせの総数Nを求め(ステップ6
2)、あるマスク角(この実施例の場合には、マスク角
5度)における可視衛星数Vを求める(ステップ6
3)。
【0086】次いで、故障衛星数0個から故障衛星数
(V−4)個までについて(ステップ64)、衛星が故
障している状態における要求要件R(垂直・水平のUN
E、プロテクションレベル)を満足する条件付き確率K
を求める(ステップ65)。
【0087】ここで、UNEはユーザー誤差(User Nav
igation Error)で、式(1)〜式(4)のDOP(精
度劣化指数)と置換される重み付きDOPである。この
ようにしてそれぞれ求めた故障確率W及びi個衛星が
故障している状態で要求要件Rを満足する条件付き確率
から、可視衛星数Vについて故障衛星数iの瞬時ア
ベイラビリティA(t)を求める(ステップ66)。瞬
時アベイラビリティは、故障衛星数iが可視衛星数(V
―4)と等しい又はより少ないとの条件(ステップ6
7)を満足するまでこの方法で繰り返し求められる。
【0088】このような手順で、等間隔△hのサンプリ
ング時刻にGPS衛星の出時刻及び没時刻γを併合し
た不等間隔のtをサンプリング時刻とすると、アベイ
ラビリティは、下記式(17)で表される。そして、瞬
時アベイラビリティの重み付き平均値として日次アベイ
ラビリティを求めた。
【0089】
【式17】
【0090】ここで、△Tはti+1とtとの差、
M'はサンプリングの総数、Tは1恒星日の時間であ
る。ここで、発明者の導いた式(17)から、ある程度
広いサンプリング間隔でもアベイラビリティの精度向上
が期待出来ることを確認するために、発明者は、以下の
実験を行った。
【0091】1秒毎に瞬時アベイラビリティを求め、こ
の値を真の瞬時アベイラビリティの値とみなして、従来
法と発明者の方法とを比較するために、図4に示すよう
に、サンプリング間隔△hを変えて求めた場合の日次ア
ベイラビリティの誤差が、図11に示されている。な
お、日次アベイラビリティの誤差は、1秒毎の瞬時アベ
イラビリティ(存在しない場合は最新のサンプリングの
値)とその真値の差の絶対値の和として評価する。
【0092】図11において、横軸はサンプリング総
数、縦軸は求められた瞬時アベイラビリティの誤差の累
積値を示しており、点線は従来法で求めた場合、実線は
発明者の方法により求めた場合を示している。この図1
1から明らかなように、従来法に比べ、発明者の方法に
よる誤差が少ないことが明らかである。
【0093】例えば、図11から明らかであるように、
従来法では、サンプリング間隔60秒(サンプリング総
数1500)における日次アベイラビリティの誤差の累
積値は、約10である。一方、発明者の方法では、同様
な誤差の累積値=10の場合のサンプリング総数は、約
750個である。従って、同様の誤差を達成するための
演算時間を約1/2に短縮することが出来る。
【0094】図12は、発明者の方法により求めた日本
周辺におけるLAASの日次アベイラビリティの分布を
示すもので、ICAOの基準として表1に示すように、
B/4C(航空機上のGPS受信機の能力はB、地上のG
PS受信機の能力はCで受信機数は4)、CAT3(Cat
egory3)、標準の24衛星配置、静止衛星なしとの条
件のもとで、日本周辺を1度毎に格子状(25×25=
625点)に測定したものである。図12から明らかで
あるように、日次アベイラビリティは、99.2〜9
9.94の値である。
【0095】図13は、図12と同様に、発明者の方法
により求めた日本周辺におけるLAASの日次アベイラ
ビリティの分布を示すもので、B/4C(航空機上のGP
S受信機の能力はB、地上のGPS受信機の能力はCで
受信機数は4)、CAT3(Category3)、標準の24
衛星配置、静止衛星3個配置との条件のもとで、日本周
辺を1度毎に格子状(25×25=625点)に測定し
たものである。図13から明らかであるように、日次ア
ベイラビリティは、99.2〜99.98の値となり、
静止衛星を3個追加した場合には、日次アベイラビリテ
ィが向上することが明らかである。
【0096】
【発明の効果】請求項1に係わる発明は、ある観測位置
で所定のマスク角における1恒星日Tの全GPS衛星の
出没時刻γを求め、等間隔△hのサンプリング時刻に
出没時刻γを併合した不等間隔のサンプリング時刻t
において、i個の衛星が故障する確率と、その時の航
法システムにおける要求要件Rを満足する数とi個の衛
星が故障する組み合わせの総数とから、この時刻t
衛星位置における前記航法システムの前記要求要件を満
たす確率として表される瞬時アベイラビリティA
(R,t)を求め、ti+1とtとの差を△
、サンプリングの総数をM'Tとして、求めるアベイ
ラビリティAを瞬時アベイラビリティA(R、t
の△Tによる重み付き平均として求め、アベイラビリ
ティAを、下記式より求めるようにしたので、
【式17】 従来法により求めたアベイラビリティより発明者の方法
により求めたアベイラビリティのほうが誤差が少ない。
【0097】さらに、同一誤差では、従来法によるサン
プリング間隔に比べて、発明者の方法ではサンプリング
間隔を大きくとることが出来るので、アベイラビリティ
を求める時間を大幅に節約することが出来る。
【0098】又、広域補強システム及び擬似衛星を用い
た場合の狭域補強システムなどの種々のアベイラビリテ
ィを求める場合に適用することが出来る。
【0099】請求項2に係わる発明は、GPS衛星から
送信される航法メッセージに含まれる軌道暦から全GP
S衛星の出没時刻γを求めるようにしたので、24個
の衛星についてその出没時刻を求めるための時間は、瞬
時アベイラビリティを求めるための時間に比較して無視
出来る程度に小さい。従って、全可視衛星の出没時刻を
サンプリング時刻に追加して、不等間隔で瞬時アベイラ
ビリティを求めることが出来るとともに、その期待値を
さらに正確に求めることが出来る。
【0100】請求項3に係わる発明は、粗いサンプリン
グ間隔△Hで、サンプリング時刻t からサンプリング
時刻(t+T)迄、観測位置からのGPS衛星の仰角
の微分値を求め、仰角の微分値の正負の変化により、G
PS衛星の仰角の極大値及び極小値付近の時刻α、…
…、αを求め、時刻αと時刻α−△Hを初期値と
して2分割法によりGPS衛星の極大値及び極小値とな
る時刻β、……、β を求め、時刻β、……、β
における仰角の最大値を求めて、この時刻を極大時刻β
とし、この極大時刻βにおける仰角がマスク角以上
の場合には、極大時刻βとその前後の時刻βi−1
はβi+1を初期値と設定して、セカント法によりGP
S衛星の出没時刻γ、γを求め、GPS衛星の仰角
が極大となる第2の時刻βi−2又はβi+2における
仰角がマスク角より大の場合には、第2の時刻βi−2
又はβi+2の前後の時刻(βi−1又はβi−3)又
は(βi+1又はβi+3)の時刻を初期値と設定し
て、セカント法によりGPS衛星の出没時刻γ、γ
を求めるようにしたので、上記請求項2に係わる発明と
同様な効果がある。
【0101】請求項4に係わる発明は、軌道パラメータ
からある観測位置を中心とする水平面座標におけるGP
S衛星の位置を求め、可視GPS衛星の故障確率W
求め、可視GPS衛星数の中でi個のGPS衛星が故障
する組み合わせの総数Nを求め、マスク角以上の仰角
を持つ前記可視GPS衛星数Vを求め、故障GPS衛星
数がi個の場合の航法システムにおける要求要件Rを満
足する条件付き確率K を求め、瞬時アベイラビリティ
を、Σ(i=0、V)W・Kとして求めるようにし
たので、従来法に比べて不可視衛星数を排除出来るの
で、それだけアベイラビリティを求める時間を短縮する
ことが出来る。
【0102】請求項5に係わる発明は、観測位置及び衛
星軌道パラメータから求めた観測位置を中心とする水平
面座標での全GPS衛星位置から衛星仰角を取得する手
段を有するGPS測位部と、ある観測位置で所定のマス
ク角における1恒星日Tの全GPS衛星の出没時刻γ
を求める機能と、等間隔△hのサンプリング時刻に出没
時刻γを併合した不等間隔のサンプリング時刻t
おいて、i個の衛星が故障する確率を求める機能と、そ
の時の航法システムにおける要求要件Rを満足する数を
求める機能と、i個の衛星が故障する組み合わせの総数
を求める機能と、この時刻tの衛星位置における前記
航法システムの前記要求要件を満たす確率として表され
る瞬時アベイラビリティA(R、t)を求める機能
と、t +1とtとの差を△T、サンプリングの総
数をM'Tとして、求めるアベイラビリティAを瞬時アベ
イラビリティA(R、t)の△Tによる重み付き
平均として求める機能と、アベイラビリティAを、下記
式より求める機能とを有する演算部と、
【式17】 を備えたので、上記請求項1に係わる発明と同様な効果
がある。
【0103】請求項6に係わる発明は、観測位置及び衛
星軌道パラメータから求めた観測位置を中心とする水平
面座標での全GPS衛星位置から衛星仰角を取得する手
段を有するGPS測位部と、取得したGPS衛星の仰角
の微分値を演算する機能と、仰角の微分値の正負の変化
する時刻、即ち、GPS衛星の仰角の極大値及び極小値
付近の時刻α、……、αを比較演算する機能と、時
刻αと時刻α−△Hを初期値として2分割法により
GPS衛星の極大値及び極小値となる時刻β、……、
βを演算する機能と、時刻β、……、βにおける
仰角の最大値を演算する機能と、時刻β(極大時刻)
における仰角がマスク角以上の場合には、極大時刻β
とその前後の時刻βi−1又はβi+1の時刻を初期値
として設定保存する機能と、セカント法によりGPS衛
星の出没時刻γ、γを演算する機能と、GPS衛星
の仰角が極大となる第2の時刻βi−2又はβi+2
おける仰角がマスク角より大の場合には、第2の時刻β
i−2又はβi+2の前後の時刻(βi−1又はβ
i−3)又は(βi+1又はβi+3)の時刻を初期値
として設定保存する機能と、セカント法によりGPS衛
星の出没時刻γ、γを演算する機能と、可視GPS
衛星の故障確率Wを演算する機能と、可視GPS衛星
数の中でi個のGPS衛星が故障する組み合わせの総数
を演算する機能と、マスク角における可視GPS衛
星数Vを演算する機能と、故障GPS衛星数がi個の場
合、航法システムにおける要求要件Rを満足する条件付
き確率Kを演算する機能と、瞬時アベイラビリティ
を、Σ(i=0、V)W・Kとして演算する機能
と、求めた瞬時アベイラビリティの値からアベイラビリ
ティを演算する機能とを有する演算部を備えたので、上
記請求項1に係わる発明と同様な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示すフローチャートであ
る。
【図2】この発明の実施例を示すもので、GPS衛星の
出没時刻を求めるためのフローチャートである。
【図3】瞬時アベイラビリティA(t)を求めるための
フローチャートである。
【図4】瞬時アベイラビリティA(t)を求めるにあた
っての不等間隔となるサンプリング時刻のタイミングを
説明するための図である。
【図5】この発明の実施例を示す要部構成図である。
【図6】アベイラビリティの時刻による変化を示す図で
ある。
【図7】可視衛星数と時刻変化との関係を示す図であ
る。
【図8】図6の要部拡大図である。
【図9】図7の要部拡大図である。
【図10】衛星仰角と出没時刻との関係を示す図であ
る。
【図11】サンプリング間隔と求める誤差との関係を示
す図である。
【図12】静止衛星を考慮しない場合の日本周辺におけ
るLAASの日次アベイラビリティの分布を示す図であ
る。
【図13】静止衛星3個追加した場合の日本周辺におけ
るLAASの日次アベイラビリティの分布を示す図であ
る。
【図14】従来法で、アベイラビリティを求める説明図
である。
【図15】従来法で、要求値を満たす確率を求める説明
図である。
【図16】従来法で、瞬時アベイラビリティを求める説
明図である。
【符号の説明】
1 GPS衛星 2 GPS測位部 3 演算部 4 入出力部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−171071(JP,A) 米国特許5623414(US,A) 坂井丈泰、惟村和宣,GPS精密進入 における衛星系のコンティニュイティと アベイラビリティの考察,電子情報通信 学会1998年総合大会講演論文集,日本, (社)電子情報通信学会,1998年 3月 30日,通信1,197 福島荘之介,衛星の出没時刻を用いた 高速GPSアベイラビリティ計算法,電 子情報通信学会技術研究報告(SANE 2000 37−46),日本,(社)電子情報 通信学会,2000年 7月28日,Vol. 100,No.244,41−47,ISSN 0913−5685 福島荘之介,GPS及び補強システム のアベイラビリティ,電子情報通信学会 技術研究報告(SSS2000 20−26), 日本,(社)電子情報通信学会,2000年 10月17日,Vol.100,No.390,13 −16 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 5/00 - 5/14 G01C 21/00 - 21/24 G01C 23/00 - 25/00 JICSTファイル(JOIS) WPI(DIALOG)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ある観測位置で所定のマスク角における
    1恒星日Tの全GPS衛星の出没時刻γを求め、 等間隔△hのサンプリング時刻に出没時刻γを併合し
    た不等間隔のサンプリング時刻tにおいて、i個の衛
    星が故障する確率と、その時の航法システムにおける要
    求要件Rを満足する数とi個の衛星が故障する組み合わ
    せの総数とから、この時刻tの衛星位置における前記
    航法システムの前記要求要件を満たす確率として表され
    る瞬時アベイラビリティA(R、t)を求め、 ti+1とtとの差を△T、サンプリングの総数を
    M'Tとして、求めるアベイラビリティAを瞬時アベイラ
    ビリティA(R、t)の△Tによる重み付き平均
    として求め、 前記アベイラビリティAを、下記式より求めること 【式17】 を特徴とするGPS及びその補強システムを用いた航法
    システムにおけるアベイラビリティ取得方法。
  2. 【請求項2】 GPS衛星から送信される航法メッセー
    ジに含まれる軌道暦(アルマナック)から前記全GPS
    衛星の出没時刻γを求めることを特徴とする請求項1
    に記載のGPS及びその補強システムを用いた航法シス
    テムにおけるアベイラビリティ取得方法。
  3. 【請求項3】 粗いサンプリング間隔△Hで、サンプリ
    ング時刻tからサンプリング時刻(t+T)迄、観
    測位置からのGPS衛星の仰角の微分値を求め、 仰角の微分値の正負の変化により、GPS衛星の仰角の
    極大値及び極小値付近の時刻α、……、αを求め、 時刻αと時刻α−△Hを初期値として2分割法によ
    り前記GPS衛星の極大値及び極小値となる時刻β
    ……、βを求め、 時刻β、……、βにおける仰角の最大値を求めて、
    この時刻を極大時刻β とし、 この極大時刻βにおける仰角が前記マスク角以上の場
    合には、前記極大時刻βとその前後の時刻βi−1
    はβi+1を初期値と設定して、セカント法により前記
    GPS衛星の出没時刻γ、γを求め、 前記GPS衛星の仰角が極大となる第2の時刻βi−2
    又はβi+2における前記仰角が前記マスク角より大の
    場合には、前記第2の時刻βi−2又はβi+ の前後
    の時刻(βi−1又はβi−3)又は(βi+1又はβ
    i+3)の時刻を初期値と設定して、セカント法により
    前記GPS衛星の出没時刻γ、γを求めることを特
    徴とする請求項1あるいは請求項2に記載のGPS及び
    その補強システムを用いた航法システムにおけるアベイ
    ラビリティ取得方法。
  4. 【請求項4】 軌道パラメータからある観測位置を中心
    とする水平面座標におけるGPS衛星の位置を求め、 可視GPS衛星の故障確率Wを求め、 前記可視GPS衛星数の中でi個のGPS衛星が故障す
    る組み合わせの総数N を求め、 前記マスク角以上の仰角を持つ前記可視GPS衛星数V
    を求め、 故障GPS衛星数がi個の場合の航法システムにおける
    要求要件Rを満足する条件付き確率Kを求め、 前記瞬時アベイラビリティを、Σ(i=0、V)W
    として求めることを特徴とする請求項2〜請求項3
    にそれぞれ記載のGPS及びその補強システムを用いた
    航法システムにおけるアベイラビリティ取得方法。
  5. 【請求項5】 観測位置及び衛星軌道パラメータから求
    めた前記観測位置を中心とする水平面座標での全GPS
    衛星位置から衛星仰角を取得する手段を有するGPS測
    位部と、 ある観測位置で所定のマスク角における1恒星日Tの全
    GPS衛星の出没時刻γを求める機能と、等間隔△h
    のサンプリング時刻に出没時刻γを併合した不等間隔
    のサンプリング時刻tにおいて、i個の衛星が故障す
    る確率を求める機能と、その時の航法システムにおける
    要求要件Rを満足する数を求める機能と、この機能によ
    り求めた要求要件Rを満足する数とi個の衛星が故障す
    る組み合わせの総数を求める機能と、この時刻tの衛
    星位置における前記航法システムの前記要求要件を満た
    す確率として表される瞬時アベイラビリティA(R、
    )を求める機能と、ti+1とtとの差を△
    、サンプリングの総数をM'Tとして、求めるアベイ
    ラビリティAを瞬時アベイラビリティA(R、t
    の△Tによる重み付き平均として求める機能と、前記
    アベイラビリティAを、下記式より求める機能とを有す
    る演算部と、 【式17】 を備えたことを特徴とするGPS及びその補強システム
    を用いた航法システムにおけるアベイラビリティ取得装
    置。
  6. 【請求項6】 観測位置及び衛星軌道パラメータから求
    めた前記観測位置を中心とする水平面座標での全GPS
    衛星位置から衛星仰角を取得する手段を有するGPS測
    位部と、 前記演算部は、前記取得したGPS衛星の仰角の微分値
    を演算する機能と、前記仰角の微分値の正負の変化する
    時刻、即ち、GPS衛星の仰角の極大値及び極小値付近
    の時刻α、……、αを比較演算する機能と、時刻α
    と時刻α−△Hを初期値として2分割法により前記
    GPS衛星の極大値及び極小値となる時刻β、……、
    βを演算する機能と、時刻β、……、βにおける
    仰角の最大値を演算する機能と、前記時刻β(極大時
    刻)における仰角がマスク角以上の場合には、前記極大
    時刻βとその前後の時刻βi−1又はβi+1の時刻
    を初期値として設定保存する機能と、セカント法により
    前記GPS衛星の出没時刻γ、γを演算する機能
    と、前記GPS衛星の仰角が極大となる第2の時刻β
    i−2又はβi+2における前記仰角が前記マスク角よ
    り大の場合には、第2の時刻βi−2又はβi+2の前
    後の時刻(βi−1又はβi−3)又は(βi+ 又は
    βi+3)の時刻を初期値として設定保存する機能と、
    前記セカント法によりGPS衛星の出没時刻γ、γ
    を演算する機能と、可視GPS衛星の故障確率Wを演
    算する機能と、可視GPS衛星数の中でi個のGPS衛
    星が故障する組み合わせの総数Nを演算する機能と、
    前記マスク角における前記可視GPS衛星数Vを演算す
    る機能と、故障GPS衛星数がi個の場合、航法システ
    ムにおける要求要件Rを満足する条件付き確率Kを演
    算する機能と、瞬時アベイラビリティを、Σ(i=0、
    V)W・Kとして演算する機能と、前記求めた瞬時
    アベイラビリティの値からアベイラビリティを演算する
    機能とを有することを特徴とするGPS及びその補強シ
    ステムを用いた航法システムにおけるアベイラビリティ
    取得装置。
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