JP3397134B2 - Al−Mg系合金スラブの連続鋳造におけるポロシティ生成量の予測方法 - Google Patents

Al−Mg系合金スラブの連続鋳造におけるポロシティ生成量の予測方法

Info

Publication number
JP3397134B2
JP3397134B2 JP13405198A JP13405198A JP3397134B2 JP 3397134 B2 JP3397134 B2 JP 3397134B2 JP 13405198 A JP13405198 A JP 13405198A JP 13405198 A JP13405198 A JP 13405198A JP 3397134 B2 JP3397134 B2 JP 3397134B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
porosity
slab
equation
pressure
casting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13405198A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11320034A (ja
Inventor
博文 長海
健 小松
亘保 萩沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Light Metal Co Ltd
Original Assignee
Nippon Light Metal Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Light Metal Co Ltd filed Critical Nippon Light Metal Co Ltd
Priority to JP13405198A priority Critical patent/JP3397134B2/ja
Publication of JPH11320034A publication Critical patent/JPH11320034A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3397134B2 publication Critical patent/JP3397134B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Al−Mg系のア
ルミニウム合金スラブの垂直連続鋳造における鋳造欠陥
であるポロシティ(空孔)生成量の予測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】Al−Mg系合金は、車両用ボデーシー
ト材、缶材、又は厚板等に広く利用されている。係る製
品の表面品質要求水準は、その素材であるAl−Mg系
合金スラブの内部におけるポロシティ生成量は積率で
0.3vol%以下とされている。また、磁気ディスク(M
D)材では0.2vol%以下まで要求される場合もある。
ところが、従来の垂直連続鋳造方法では、初期水素濃
度、鋳造速度等の鋳造条件のパラメータに関する種々の
制約により、当該スラブの内部におけるポロシティ生成
量が0.3%以上になることがあり、ストリークむしれ
の発生や、上記ポロシティに起因する当該スラブの表面
欠陥や、切削時の点状欠陥および膨れ等の問題を生じて
いた。
【0003】
【発明が解決すべき課題】上記問題点を解決し、ポロシ
ティ生成量を例えば0.2vol%以下にするには、上記鋳
造条件のパラメータを実際に変化させ、各Al−Mg系
合金ごとに個別に鋳造して帰納法的に導き出すことも可
能である。しかし、予め各スラブ品質に対し各種の鋳造
条件に応じて垂直連続鋳造を行うことは、コストと時間
を要するため困難という問題がある。本発明は、Al−
Mg系合金の垂直連続鋳造方法において、実装置を用い
ることなく、簡便で且つ確実にスラブ内部のポロシティ
生成量を予測する方法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するため、上記鋳造工程について基礎的な面から実
験的及び解析的な検討を行って得られたものである。即
ち、Al−Mg系合金スラブ内のポロシティ生成量を予
め計算するために、スラブの鋳造工程についての非定常
熱伝導解析において、鋳塊の凝固解析から求めた凝固パ
ラメータを用いて溶湯の表面張力と凝固収縮による局部
相当圧力を計算式として誘導した。従来からの溶湯の表
面張力による圧力の計算においては、ポロシティの曲率
半径は、一般的にDAS(デンドライトアームスペーシ
ング)の1/2と仮定されていた。
【0005】しかし、垂直連続鋳造の場合、上記仮定が
妥当とされる砂型鋳造や金型鋳造等と比べて冷却速度と
温度勾配が大きく且つ凝固時間が短いため、観察による
ポロシティの寸法は、上記金型鋳造等と比較して非常に
小さくなっている。従って、ポロシティの曲率半径をD
AS/2と仮定すると非現実的となる。そこで、種々検
討した結果、画像処理装置等のポロシティ観測装置を用
いてスラブ表層から中心までのポロシティの最長径と面
積を測定し、これらを基に各ポロシティの曲率半径と測
定したDASとの相関関係を回帰分析法にて求めた。こ
の関係を用いて溶湯の表面張力による圧力の計算を行
い、スラブ内の水素の凝固中における固相から液相への
排出による過飽和量を計算可能としたものである。
【0006】即ち、本発明のAl−Mg系合金スラブの
連続鋳造におけるポロシティ生成量の予測方法(請求項
1)は、Al−Mg系合金スラブの垂直連続鋳造工程に
おいて、初期水素濃度、鋳造速度、鋳造温度、鋳型内の
湯面高さ、冷却水量等をパラメータとして各々の条件値
の組合せによる鋳造スラブ内のポロシティ生成量を事前
に算出し、上記条件値の最適組み合せを設定して予め定
められた目標ポロシティ値(V:%)を前記数式(1)と
同じ下記数式(5)により算出するに際し、鋳造スラブ内
のポロシティの曲率半径R(1×10 −6 m(μm))の
算出に前記数式(2)と同じ数式(6)を用い、係る数式
(6)の曲率半径Rを基に、前記鋳造スラブ内のポロシ
ティ表面が受ける溶湯表面張力による圧力Pσ(N/m
)を前記数式(3)と同じ下記数式(7)により算出し、
係る数式(7)の表面張力Pσと、Al−Mg系合金の溶
湯の凝固収縮による局部圧力P′を加算した前記数式
(4)と同じ下記数式(8)による局部相当圧力P*(N/m
)を用いる、ことを特徴とする。
【0007】
【数5】V=(Φ・R・T・ρ)/(M・P*)
【0008】上記数式(5)でV(×100%)は鋳造ス
ラブ内のポロシティ生成量、Φは鋳造スラブ内の水素の
過飽和量(1×10 −6 /1×10 −1 kg(cc/
100g))、Rは気体定数( m/mol K(J/mo
l・K))、Tは凝固最終段階の温度(K)、ρはAl−M
g系合金の密度(kg/m)、Mは水素ガスのモル体積
(m/mol)、P*は局部相当圧力(N/m)であ
る。また、下記記数式(6)でDASはデンドライトアー
ムスペーシング(1×10 −6 m(μm))、即ち樹枝状結
晶同士の中心間距離である。
【0009】
【数6】 =0.14×DAS−2
【0010】
【数7】Pσ=2σ/( ×10 −6 )
【0012】尚、上記数式(7)中のσは、溶湯の表面張
力(N/m)を示す。
【0011】
【数8】P*=P σ +P′
【0013】これによれば、Al−Mg系合金の垂直連
続鋳造工程に即したスラブ内のポロシティの曲率半径R
を用いることにより 目標とするポロシティ値に近似
したポロシティ生成量を精度良く予測することが可能と
なる。
【0014】また、本発明には、前記数式(2)又は(6)
が、予め鋳造スラブの表層から中心に至る複数のポロシ
ティの最長径と面積を例えば画像処理装置等のポロシテ
ィ観測装置によって測定し 前記曲率半径R を測定し
た各面積を各最長径で除した値の半分として、例えば1
cm 断面当たり 5〜100個の範囲内における特定
個数のポロシティの平均値を求めると共に、これら平均
値を用いて上記スラブの表層から中心までの曲率半径R
と測定したDAS(デンドライトアームスペーシン
グ)の相関関係を回帰分析法によって求めたものであ
る、Al−Mg系合金スラブの連続鋳造におけるポロシ
ティ生成量の予測方法(請求項2)も含まれる。
【0015】これにより、スラブの垂直連続鋳造工程に
即したポロシティの曲率半径R を用いることにより、
高い精度でポロシティ生成量を予測することができる。
【0016】以上の各方法によれば、垂直連続鋳造によ
るAl−Mg系合金スラブの目標ポロシティ値に近似さ
せたポロシティ生成量を一層精度良く且つ簡便に予測す
ることが可能となる。従って、品質の安定したスラブを
過不足なく鋳造できると共に、垂直連続鋳造工程におけ
る生産性を向上させることも可能である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の実施に用
いる解析方法について説明する。ポロシティの生成と分
布に大きな影響を与える因子は、局部相当圧力と合金内
のガス過飽和量である。上記局部相当圧力は、凝固収縮
による溶湯補給流れ中の粘性抵抗増加により生じる負
圧、溶湯の表面張力による圧力、及び、外部大気圧とヘ
ッド圧力からなる。このうち、外部大気圧とヘッド圧力
は、湯面から鋳造方向に沿った一定の場所であれば略一
定と考えられる。従って、局部圧力のうち一定の高さレ
ベルにおいてスラブの表層から中心まで変化するのは、
凝固収縮による圧力と表面張力による圧力である。
【0018】先ず、凝固収縮による圧力の計算方法につ
いて説明する。凝固収縮による圧力低下の計算におい
て、デントライト(初晶樹枝形結晶)凝固の場合、樹枝間
の残留液相の流れはダルジー定理に従う。従って、係る
液相の流速Vと圧力Pの関係は数式(9)により示され
る。
【0019】
【数9】V=(−K/(μ・f))・(▽P−ρ・g)
【0020】上記で、Vは樹枝間液体の流速(m/s)、μ
は樹枝間液体の粘性係数(N・s/m)、fは凝固最終
段階の液相率、ρはAl−Mg系合金の密度(kg/
)、Pは圧力(N/m)、Kは透過率(m)、gは重
力加速度(m/s)である。ここで、透過率Kの算出に
は下記数式(10)を使用する。
【0021】
【数10】K=3.75×10−4・f ・d
【0022】上記で、dはデンドライトアームスぺー
シング(DAS)である。フレミングの理論によると、デ
ンドライトアームスぺーシングと局部凝固時間との関係
は数式(11)によって計算される。
【0023】
【数11】d=C・t
【0024】上記でCとnはAl−Mg系合金の定数
で、tは局部凝固時間である。垂直連続鋳造の定常部
における凝固方向は、サンプ(凝固界面)の法線方向に沿
って変化していくと仮定する。従って、前記数式(9)を
X方向とY方向に分解し、整理すると数式(12),(1
3)が得られる。
【0025】
【数12】 V=(−K/(μ・f))・((∂P/∂X)−ρ・g)
【0026】
【数13】 V=(−K/(μ・f))・((∂P/∂Y)−ρ・g)
【0027】実際にはX方向においてはgが存在して
いない。また、Y方向においては重力加速度gをgに
直せば、流速Vと圧力Pの関係は数式(14),(15)で
表される。
【0028】
【数14】V=(−K/(μ・f))・(∂P/∂X)
【0029】
【数15】 V=(−K/(μ・f))・((∂P/∂Y)−ρ・g)
【0030】数式(14),(15)の流速V,Vは、凝
固の進行速度と凝固収縮率との積、即ち−V・βで置
き換えられる。また、局部圧力低下は固液共存域の最終
凝固部、即ち固相線付近で最大となるため、Lは近似的
に凝固温度範囲ΔTと温度勾配Gとの比、即ちΔT/G
は(T−T)/Gと仮定する。更に、凝固最終段階の
微少領域内において、∂P/∂XはdP/dXと、ま
た、∂P/∂YはdP/dYで近似的に表される。以上
の仮定の基に整理するとX方向とY方向の圧力減少は数
式(16),(17)によって表される。
【0031】
【数16】
【0032】
【数17】
【0033】上記で、αは求める点におけるサンプの法
線方向とX軸との角度である。また、凝固収縮による圧
力減少ΔPは数式(18)によって求められる。
【0034】
【数18】
【0035】一方、固相線近傍の圧力差ΔPは数式(1
9)によって求められる。
【0036】
【数19】ΔP=P+ρgh−P′
【0037】上記でPは外部大気圧でρghはヘッド
圧である。この数式(19)から、凝固収縮による局部圧
力P′が数式(20)で求められる。
【0038】
【数20】P′=P+ρgh−ΔP
【0039】次に、溶湯の表面張力による圧力の計算方
法について説明する。一般的に、ポロシティ表面が受け
る溶湯の表面張力による圧力Pσは、前記数式(),
()と同じ数式(21)によって求められる。
【0040】
【数21】Pσ=2σ/( ×10 −6 )
【0041】上記でPσは表面張力による圧力(N/
)、σは溶湯の表面張力(N/m)、Rはポロシティ
の曲率半径(μm)である。ところで、Al−Mg系合金
の表面張力σは、Jacques Eらの近似計算式である数式
(22)によって求められる。
【0042】
【数22】
【0043】上記でωは1個の原子が占める面積で、数
式(23)によって計算される。
【0044】
【数23】
【0045】数式(22),(23)で、Wは合金溶融時
のモル体積(10.468×10−9/kg)、Wはモル体積
(1.122×10−5/mol)、kはボルツマン定数(1.380
66×10−23J/K)、EはAl−Mg系合金の純化エネ
ルギ(2.8035×10J/(m・mol))、Rは気体定数(8.31451
J/(mol・K))、Nはアボガドロ定数(6.022137×1023mo
l−1)、fは係数(0.083)である。
【0046】ところで、ポロシティの曲率半径Rにつ
いて、従来ではDAS(デンドライトアームスペーシン
グ)の2分の1と仮定するのが鋳物業界では一般的であ
った。しかし、本発明の対象である垂直連続鋳造では、
砂型鋳造や金型鋳造等と比べて、冷却速度と温度勾配が
大きく且つ凝固時間が短いため、観察によるポロシティ
の寸法は、上記金型鋳造等と比較して非常に小さくなっ
ている。このため、ポロシティの曲率半径をDAS/2
と仮定すると非現実的となる。そこで、種々検討した結
果、リアルタイム画像処理解析装置(入力画像の計測、定
量、解析を行う)を用いてスラブの表層から中心までのポ
ロシティの最長径と面積を測定した。
【0047】ポロシティの曲率半径Rは、DAS(デン
ドライトアームスペーシング)と比例するので、測定し
た面積を最長径で除した値の半分とし、1カ所、例えば
1cm当りにおいて測定したn=40個のポロシティ
の平均値から求めることにした。即ち、n=5個では回
帰式の信頼度が10%以下となり、実用に供せない。一
方、n=100個超ではそれらの平均値の変動が10%
以下となり、n数を増やしても有効でない。そこで、n
=約40個とすれば約95%以上の信頼度となる。これ
らを用いて、各ポロシティの曲率半径R(μm)と、測
定したDASとの相関関係を回帰分析法により求めた。
具体的には、この関係を前記数式(),()と同じ数式
(24)によって、より好ましくは数式(25)にて表すこ
とができる。
【0048】
【数24】R=0.14×DAS−2
【0049】
【数25】R=0.1381×DAS−2.1
【0050】係る現実に即したポロシティの曲率半径R
を用いることにより、後述する本発明のスラブ内のポ
ロシティ生成量の算出を正確に行うことが可能である。
また、数式(24)を前記数式(21)に代入すると数式
(26)が得られる。
【0051】
【数26】Pσ=2σ/(0.14×DAS−2)
【0052】尚、数式(25)を前記数式(21)に代入す
ると、より望ましい数式(27)が得られる。
【数27】Pσ=2σ/(0.1381×DAS−2.1)
【0053】更に、Al−Mg系合金中の水素ガスの過
飽和量の計算について説明する。一般に、アルミニウム
合金中のガスの大半は水素であり、それ以外のガスは酸
化アルミニウムの形で含まれる酸素を除き事実上無視で
きる。しかも、全ガス量の略95%以上が水素ガスであ
り、実際的に問題となるのは水素のみである。Al−M
g系合金中の凝固過程において、凝固の進行に伴い固相
から液相に放出される水素ガスは、凝固界面前方の残留
液相内の水素ガスを濃化させるので、残留液相内のガス
平衡溶解度以上になると水素ガスは過飽和となる。そこ
で、水素ガスが液相内で完全混合すると仮定すると、ポ
ロシティが形成される前の液相及び固相内における水素
ガス濃度は、FangとGrangerの計算式によ
り、数式(28),(29)として求められる。
【0054】
【数28】H=H/(1−(1−k)・f)
【0055】
【数29】H=k・H
【0056】上記にてKは水素平衡分配係数(0.052)、
は液相中の水素濃度(cc/100g)、Hは固相中H
の水素濃度(cc/100g)、Hは溶湯中の初期水素濃度、
fsは固相率である。上記数式(28)に示すように、残
留液相中の水素濃度Hは溶湯中の初期水素濃度H
比例する。また、液相中の水素の平衡溶解度HはSi
evertsの法則に従うものとし、数式(30)が成立
する。
【0057】
【数30】
【0058】上記でKは水素溶解反応の平衡定数(0.0
6cc/100g・atm1/2)である。そこで、残留液相中の
水素濃度Hと平衡溶解度Hとの差を、液相中の水素
過飽和量Φと仮定すると、これは数式(31)により求め
られる。
【0059】
【数31】Φ=H−H
【0060】この数式(31)に示すように、液相中の水
素過飽和量Φは、上記HとHとの差で示される。
【0061】ここで、Al−Mg系合金におけるポロシ
ティの形成形態について説明する。図1(A)に模式的に
示すように、一般的にポロシティの核1は樹枝晶2,2
間のルートに生成し易い。樹枝晶2,2間の圧力の減少
及び水素ガスの過飽和に伴って、ポロシティの核1が成
長し、最終的に3種類のポロシティに分類される。尚、
図1(A)中にデンドライトアームスペーシング(DAS)
を示す。第1種のポロシティは、図1(B)に示すよう
に、凝固過程における樹枝晶2,2間の圧力が減少する
ことによりポロシティの核1は成長するが、樹枝晶2(デ
ンドライトアーム)の成長によって核1は成長が抑制さ
れるため、最終的にかなり細長いポロシティ4となる。
【0062】また、第2種のポロシティは、樹枝晶2,
2間の圧力の減少が更に大きくなると、その間における
ポロシティサイズが大きくなり、浮力と樹枝晶2,2間
の対流の影響で樹枝晶2,2間のルートから上昇し、図
1(C)に示すように、やや太径のポロシティ6となる。
更に、第3種のポロシティは凝固の最終段階において、
圧力の減少が著しくなり、且つ凝固進行速度が大きくな
るため、図1(D)に示すように、互いに隣接する樹枝晶
2同士が衝突し始める。その結果、溶湯の補給が困難と
なるため、典型的なシュリンケージポロシティ8とな
る。実際のスラブ内には、以上の3種類のポロシティ
4,6,8が混在している。
【0063】次いで、ポロシティの生成条件とその生成
量の計算について説明する。ポロシティの生成は、ポロ
シティの核内のガス圧Pと、その核に加わる収縮負圧
との差が、気泡の表面張力よりも大きいか否かによって
定まるとされている。即ち、下記数式(32)を満たすと
ポロシティは安定して形成され、これを満たさないとポ
ロシティが形成されても負圧によって押し潰されてしま
い、固溶体として残存する。
【0064】
【数32】P≧P′+Pσ≒P
【0065】上記でPは核内のガス圧(N/m)、P
は凝固収縮による圧力P′(前記数式(20)により算
出)と表面張力による圧力Pσの和である局部相当圧力
である。この局部相当圧力Pは前記数式(21)を代入
することにより、数式(33)のように表すこともでき
る。
【0066】
【数33】P=P′+Pσ=P′+2σ/R
【0067】尚、ポロシティの生成は残留液相中の水素
濃度にも大きく影響される。そこで、Kao,Chan
gの仮定によると、ポロシティの生成量V(×100
%)は前記数式(1),(5)と同じ下記数式(34)により
計算される。
【0068】
【数34】V=(Φ・R・T・ρ)/(M・P*)
【0069】上記Rは気体定数、Tは凝固最終段階の温
度、Mは水素ガスのモル体積(m/mol)である。数式(3
4)に示すように、スラブ内のポロシティの生成量V
ガス過飽和量Φに比例し、局部相当圧力Pに反比例す
る。具体的な解析手順としては、非定常熱凝固解析を行
った後、その凝固解析で得られた凝固パラメータ(温度
勾配、冷却速度、凝固進行速度、凝固時間、デンドライ
トアームスペーシング、冷却水量等)を用いて、前記数式
(20)により凝固収縮による局部圧力P′を、数式(2
1)により表面張力による圧力Pσを計算する。これら
を合計すると数式(33)による局部相当圧力Pが算出
される。次いで前記数式(31)により水素の過飽和量Φ
を算出し、これを上記のP値と共に数式(34)に代入
すると、ポロシティの生成量Vを算出することができ
る。
【0070】
【実施例】以下において本発明の具体的な実施例を説明
する。先ず、Al−4.4wt%MgのAl-Mg系合金を
通常の垂直連続鋳造方法に従って、横406mmのスラブ
に鋳造した。この場合の鋳造条件は、鋳型内の湯面高さ
(H)が62mm、鋳造速度(V)が58mm/分、鋳込み温度
(T)が730℃、冷却水量が400リットル/分、溶湯中の
初期水素濃度(H)は0.4cc/100gであった。先ず、
熱分析のため、鋳込み開始から垂直方向で約1メートルの位
置に13本の熱電対を鋳込まれたスラブにセットし、そ
の表層から中心(203mm)までの13ヶ所(5,10,15,20,30,
40,60,80,100,125,150,175,203mm)で、0.5秒毎に温度
履歴を測定した。尚、各熱電対の挿入位置を確認するた
め、鋳造後にスラブを切断し、X線によってそれらの位
置の特定を行った。
【0071】次に、上記スラブのミクロ観察は、鋳込み
から1メートルの位置において、当該スラブの長辺側面中央
付近における表層部から中心までのサンプルを切り出
し、サンプルにおけるスラブの横断面をバフ研磨で鏡面
としたその面を観察した。また、ポロシティの観察は、
上記研磨した各サンプルを腐食処理しないで、リアルタ
イム画像処理解析装置(商品名;LUZEX)を用いて、
スラブの表層から中心までのミクロ組織で観察された円
相当径(直径)6μm以上の各ポロシティの形状、サイ
ズ、及び面積率を測定した。面積率の最終的な測定値
は、1個のサンプルについて測定したn=10個の値の
平均値とした。
【0072】更に、定量的にスラブの内部欠陥を評価す
るため、スラブの表層から中心までの密度を測定した。
標準サンプルの密度と比較することによって、各ポロシ
ティの生成量を算出した。上記密度の測定には、アルキ
メデス法を用いた。また、デンドライトアームスペーシ
ング(DAS)の測定は、2次枝法を用いて各サンプルの
面を100倍に拡大撮影した写真から行なった。且つ、
ガス含有量の測定は、スラブの長辺側面の表層から中心
(203mm)までの13ヶ所(5,10,15,20,25,30,35,40,60,8
0,125,175,203mm)の位置で、ランズレー法により測定し
た。
【0073】その結果、スラブの表層から中心までのポ
ロシティの生成状況は、概略次の通りであった。表層付
近(表層から60mmまで)では、各ポロシティのサイズは
約数10μm程度と非常に小さく、殆んど2次デンドラ
イトアームの間隔内に存在していた。即ち、デンドライ
トアームの成長に抑制され、細長いポロシティとなっ
た。これは、表層部の冷却速度と温度勾配が大きく、且
つ樹枝間の圧力損失が少ないため、生成するポロシティ
が小さくなったものと考えられる。また、中間層部分(8
0mm〜140mm)では、樹枝間の圧力減少が大きくなるた
め、各ポロシティのサイズは上記よりも大きくなり、数
量も多くなっていた。それらの大部分は2次デンドライ
トアームの間隔内に存在し、一部分は結晶粒界に沿って
分布していた。更に、中心層部分(160mm〜203mm)では、
樹枝間の圧力減少が著しくなり、各ポロシティのサイズ
は更に大きくなって、2次デンドライトアームの間隔内
だけでなく1次デンドライトアームの間隔内にも多量が
存在していた。係るポロシティの形状は不規則で且つ典
型的なシュリンケージポロシティであった。
【0074】図2の各グラフは、前記画像処理解析装置
を用いて、スラブの表層から中心まで測定した円相当径
6μm以上のポロシティの数及び面積率の分布を示す。
スラブの表層近辺(40mmまで,図2(A)に例示)では、円相
当径6〜15μmの微細なポロシティが大部分のため、
ポロシティの数と面積率とが対応し、数が多い所は面積
率も大きくなっている。また、中間層(60mm〜120mm,図
2(B)に例示)では、ポロシティの数は上記表層近辺より
も多くなり、15μm以上のポロシティも認められ始め
た。数量的には、円相当径6〜15μmの微細なポロシ
ティが全体の約75%を占めていたが、それら全体の面
積率は半分以下であった。更に、中心層部分(140mm〜20
3mm,図2(C)に例示)では、ポロシティの数が急激に増加
し、且つ円相当径40μm以上の粗大なポロシティが目
立っていた。
【0075】図3のグラフは、上記各データを基にした
単位面積当りの円相当径6μm以上のポロシティの数及
び平均面積率の分布を示す。これによると、スラブの表
層から中心にかけてポロシティの生成数の分布は面積率
の分布と対応していることが判る。即ち、両者とも表層
から20mmまで一旦減少し、その後180mmまで増大し
ていき、これを超え203mm(中心)に向って減少してい
く傾向を示した。これは、表層から40mmまでは微細な
ポロシティが大部分のため、面積率が極めて小さく約
0.1%以下であった。表層から20mmで面積率は最小
の0.038%である。60mm〜120mmの間(中間部)
では、円相当径15μm以上のポロシティが出始めるた
め、面積率も緩やかに増大している。120mm〜203m
m(中心部)の間では、ポロシティの面積率が急激に増加
し、180mmで最大の1.0%となった。上記中心部の平
均面積率は、上記中間部の平均面積率の0.3%から平
均0.85%以上となっていた。
【0076】ここで、非定常熱凝固解析で計算したスラ
ブ内のDASサイズの分布と、前記測定値との比較を図
4のグラフに示す。このグラフの通り各計算値と各測定
値は良く一致している。何れもスラブの表層から20mm
付近でDASサイズが最小となり、中心(203mm)に向
って増加していき、計算値では約160mmで、且つ測定
値では約175mmで最大となる。これらを過ぎると何れ
も再び減少となる。次に、前記数式(33),(21),(2
0)に基づいて計算した局部相当圧力(P)、表面張力に
よる圧力(Pσ)、及び凝固収縮による圧力(P′)のスラ
ブの表層から中心までの分布を図5に示した。これによ
り凝固収縮による圧力(P′)は表面張力による圧力(P
σ)に比較して非常に小さいため、局部相当圧力(P)
に対する影響は中心部を除くと無視することが可能であ
る。従って、表面張力による圧力(Pσ)が大きく影響す
ると考えられる。また、局部相当圧力(P)は、表層近
辺(5mm)で一旦減少した後、30mmまで増加しそこで最
大となる。これを過ぎると上記圧力(P)は緩やかに減
少していき、180mmで最小となった後、それから中心
部に向けて再度増加していく傾向を示している。
【0077】更に、表面張力による圧力(Pσ)に影響す
るDASサイズと局部相当圧力(P)との関係を図6の
グラフに示した。これによると、DASサイズの増加に
連れて上記圧力(P)が減少していく。これは、前記数
式(24)で示したように、DASサイズがポロシティの
曲率半径(R)に比例し、DASサイズが増加するとポ
ロシティの曲率半径(R)も増加するため、表面張力に
よる圧力(Pσ)が減少し、局部相当圧力(P)も減少す
るためである。また、図示のようにDASサイズが大き
くなるに連れて、圧力の減少する勾配が減少していく傾
向も見られる。また、スラブの凝固過程における残留液
相内の水素過飽和量(Φ)のスラブ内の分布を図7のグラ
フに示す。前記数式(31)に示すように、過飽和量(Φ)
は液相中の平衡溶解度(H)と反比例する。しかし、合
金中の平衡溶解度(H)は、圧力と比例し、該圧力が小
さい場所では溶解度(H)も小さくなるため、過飽和量
(Φ)が逆に大きくなる。従って、このグラフに示すよう
に、水素過飽和量(Φ)の分布は局部相当圧力(P)に反
比例し、DASサイズの分布に対応することが判る。
【0078】そして、スラブの表層から中心までのポロ
シティ生成量(V)の計算値と前記測定値との比較を図
8のグラフに示した。図示のようにスラブの表層近辺
(〜20mm)を除くと、各計算値と各測定値とは極めて良く
一致している。両者ともスラブの表層から中心に向けて
ポロシティ生成量(V)が増加していき、測定値では17
0mm〜180mmの間で最大(0.4%)、計算値では約180mmで
最大(0.37%)となった。これは前記図5のグラフで示
したように、局部相当圧力(P)は30mm以降減少して
いくと共に、図7のグラフで示したように残留液相内の
水素過飽和量(Φ)が増加していくためである。スラブの
表層から180mmを過ぎると、局部相当圧力(P)の増
加と水素過飽和量(Φ)の減少によって、ポロシティ生成
量(V)は減少していく。図8のグラフによって、本発
明によるポロシティ生成量(V)の予測方法が有効であ
ることが裏付けられた。
【0079】従って、目標として設定した凝固パラメー
タ(温度勾配、冷却速度、凝固進行速度、凝固時間、DAS
等)を用いて、前記数式(20)で凝固収縮による局部圧力
(P′)を、また前記数式(24)で算出したポロシティの
曲率半径Rを数式(21)に代入して表面張力による圧
力(Pσ)をそれぞれ計算し、これらの値を合計して前記
数式(33)により局部相当圧力(P)を算出する。次
に、前記数式(31)により水素の過飽和量(Φ)を算出し、
これを上記の(P)値と共に前記数式(34)に代入し
て、スラブ表層からの距離ごとのポロシティの生成量
(V)を算出することにより、連続鋳造を行う前に予め
ポロシティの生成量(V)を正確に予測できる。即ち、
目標値に近付けるような凝固パラメータを適宜選定する
ことにより、最適条件値に基づき、目標とするポロシテ
ィ値に近似したポロシティの生成量(V)を内部に有す
るAl−Mg系合金スラブを正確に連続鋳造することが
できる。
【0080】尚、前記数式(9)〜(34)とこれらの計算
順序を予めコンピュータのROMに記憶させ、且つ上記
コンピュータのRAMに記録した各鋳造条件値を適宜選
択して入力することにより、自動的にポロシティ生成量
を算出することもできる。
【0081】
【発明の効果】本発明によれば、Al−Mg系のアルミ
ニウム合金スラブを予め鋳造条件値を最適に組み合せて
所望のポロシティ値を簡便に予測することができると共
に、目標とするポロシティ値を有する品質の安定したス
ラブを正確に連続鋳造することができる。しかも、この
スラブを用いた鋳物製品を効率良く確実に提供すること
も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)乃至(D)はポロシティの一般的な形成形態
を模式的に示す概略図。
【図2】(A)乃至(C)は共に実施例のスラブ中のポロシ
ティの数と面積率の分布を示すグラフ。
【図3】実施例のスラブ中のポロシティの数と平均面積
率の分布を示すグラフ。
【図4】実施例のスラブ中のDASサイズの測定値と計
算値の分布を示すグラフ。
【図5】本発明によって計算された局部相当圧力、表面
張力による圧力、及び凝固収縮による圧力をスラブの表
層から中心に向けて分布したグラフ。
【図6】測定したDASサイズと計算した局部相当圧力
との関係を示すグラフ。
【図7】スラブ内における残留液相内の水素過飽和量の
分布を示すグラフ。
【図8】スラブ中におけるポロシティ生成量の測定値と
計算値の分布を示すグラフ。
【符号の説明】 4,6,8…ポロシティ DAS……デンドライトアームスぺーシング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 萩沢 亘保 静岡県庵原郡蒲原町蒲原1丁目34番1号 日本軽金属株式会社グループ技術セン ター内 (56)参考文献 特開 平10−68038(JP,A) 特開 昭64−39339(JP,A) 特開 昭59−143039(JP,A) 特開 昭59−94555(JP,A) 特開 平8−33952(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 11/00 B22D 11/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Al−Mg系合金スラブの垂直連続鋳造工
    程において、初期水素濃度、鋳造速度、鋳造温度、鋳型
    内の湯面高さ、冷却水量等をパラメータとして各々の条
    件値の組合せによる鋳造スラブ内のポロシティ生成量を
    事前に算出し、上記条件値の最適組み合せを設定して予
    め定められた連続鋳造スラブ内における目標ポロシティ
    値(V:%)を下記数式(1)により算出するに際し、ス
    ラブ内のポロシティの曲率半径R(1×10 −6 m)の
    算出に下記数式(2)を用い、上記数式(2)の曲率半径R
    を基に、前記鋳造スラブ内のポロシティ表面が受ける
    溶湯表面張力による圧力Pσ(N/m)を下記数式(3)
    により算出し、 上記数式(3)の表面張力Pσと、Al−Mg系合金の溶
    湯の凝固収縮による局部圧力P′を加算した下記数式
    (4)による局部相当圧力P*(N/m)を用いる、ことを
    特徴とするAl−Mg系合金スラブの連続鋳造における
    ポロシティ生成量の予測方法。 【数1】V=(Φ・R・T・ρ)/(M・P*) 上記でV(×100%)は鋳造スラブ内のポロシティ生
    成量、Φは鋳造スラブ内の水素の過飽和量(1×10
    −6 1×10 −1 g)、Rは気体定数(
    mol・)、Tは凝固最終段階の温度(K)、ρはAl−
    Mg系合金の密度(kg/m)、Mは水素ガスのモル体
    積(m/mol)、P*は局部相当圧力 【数2】R=0.14×DAS−2 上記でDASはデンドライトアームスペーシング(1×
    10 −6 m) 【数3】Pσ=2σ/( ×10 −6 ) 上記でσは溶湯の表面張力(N/m) 【数4】P*=Pσ+P′
  2. 【請求項2】前記数式(2)が、予め鋳造スラブの表層か
    ら中心に至る複数のポロシティの最長径と面積を測定
    し、前記曲率半径Rを測定した各面積を各最長径で除
    した値の半分として、一カ所5〜100個の範囲内にお
    ける特定個数のポロシティの平均値を求めると共に、こ
    れら平均値を用いて上記スラブの表層から中心までの曲
    率半径Rと測定したDASの相関関係を回帰分析法に
    よって求めたものである、 ことを特徴とする請求項1に記載のAl−Mg系合金ス
    ラブの連続鋳造におけるポロシティ生成量の予測方法。
JP13405198A 1998-05-15 1998-05-15 Al−Mg系合金スラブの連続鋳造におけるポロシティ生成量の予測方法 Expired - Fee Related JP3397134B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13405198A JP3397134B2 (ja) 1998-05-15 1998-05-15 Al−Mg系合金スラブの連続鋳造におけるポロシティ生成量の予測方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13405198A JP3397134B2 (ja) 1998-05-15 1998-05-15 Al−Mg系合金スラブの連続鋳造におけるポロシティ生成量の予測方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11320034A JPH11320034A (ja) 1999-11-24
JP3397134B2 true JP3397134B2 (ja) 2003-04-14

Family

ID=15119229

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13405198A Expired - Fee Related JP3397134B2 (ja) 1998-05-15 1998-05-15 Al−Mg系合金スラブの連続鋳造におけるポロシティ生成量の予測方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3397134B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6626025B2 (ja) * 2017-03-03 2019-12-25 株式会社Uacj アルミニウム合金厚板
KR102302492B1 (ko) * 2017-03-03 2021-09-15 가부시키가이샤 유에이씨제이 알루미늄 합금 후판
JP6626030B2 (ja) * 2017-03-27 2019-12-25 株式会社Uacj アルミニウム合金厚板

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11320034A (ja) 1999-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Pollock et al. The breakdown of single-crystal solidification in high refractory nickel-base alloys
Atwood et al. Diffusion-controlled growth of hydrogen pores in aluminium–silicon castings: in situ observation and modelling
Wang et al. Hot tearing susceptibility of binary Mg–Y alloy castings
Conley et al. Modeling the effects of cooling rate, hydrogen content, grain refiner and modifier on microporosity formation in Al A356 alloys
Uludağ et al. On the interpretation of melt quality assessment of A356 aluminum alloy by the reduced pressure test: the bifilm index and its physical meaning
BRPI0921211A2 (pt) ligas de alumínio resistentes à corrosão tendo quantidades elevadas de magnésio e processos de obtenção das mesmas.
Poirier et al. Permeabilities for flow of interdendritic liquid in equiaxial structures
Talamantes-Silva et al. Characterization of an Al–Cu cast alloy
CN110851997B (zh) 一种测量和预测结晶器内真实初凝坯壳厚度的系统和方法
Kozieł et al. Cooling rate evaluation during solidification in the suction casting process
Nagaumi Prediction of porosity contents and examination of porosity formation in Al–4.4% Mg DC slab
Timelli et al. Effect of superheat and oxide inclusions on the fluidity of A356 alloy
JP3397134B2 (ja) Al−Mg系合金スラブの連続鋳造におけるポロシティ生成量の予測方法
Campbell Solidification modelling: Current limitations and future potential
US6269321B1 (en) Method for optimizing mechanical strength of a casting using microstructure predictions
Guo et al. Influence of Cu addition on hot tearing susceptibility and fluidity of Al-Li-Cu alloys: Experimental investigation, criterion prediction and simulation assessment
Li et al. An approach to studying the hot tearing mechanism of alloying elements in ternary Mg-Zn-Al alloys
Guo et al. Modeling of alloy casting solidification
Guo et al. Effect of Li Content on Hot-Tearing Susceptibility of Ternary Al-Cu-Li Alloys: Experimental Investigation, Criterion Prediction, and Simulation Assessment
Spittle et al. The Niyama function and its proposed application to microporosity prediction
Yao et al. A quantitative study of microsegregation in aluminum–copper alloys
Li et al. Influence of mold temperature on microstructure and shrinkage porosity of the A357 alloys in gravity die casting
La-Orchan Quantification of the reduced pressure test
JP5287679B2 (ja) 連続鋳造によって製造される薄膜素材の材料設計方法及び材料設計装置
Dahle et al. Effect of grain refinement on the fluidity of some binary Al—Cu and Al—Mg alloys

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20030114

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees