JP3390492B2 - 宇宙機の制御装置、およびそのスラスタ制御方法 - Google Patents
宇宙機の制御装置、およびそのスラスタ制御方法Info
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Landscapes
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Description
を制御する必要のある人工衛星などの宇宙機を制御する
宇宙機の制御装置、およびそのスラスタ制御方法に関す
るものである。
主催の第8回誘導制御シンポジウム資料(1991年1
月25日発行)の第41〜49頁「宇宙用自由飛行テレ
ロボットの研究−地上実験モデルによる誘導制御とマニ
ピュレーション−」(戸田義継他)に示された従来の宇
宙機制御装置を示すブロック図である。図において、1
は人工衛星等の宇宙機の宇宙機本体であり、2は宇宙機
本体1の位置を検出する位置検出器、3は位置の目標値
を発生する位置目標値発生部、4は位置制御の演算を行
う位置制御演算部である。5は宇宙機本体1の姿勢を検
出する姿勢検出器、6は姿勢の目標値を発生する姿勢目
標値発生部であり、7は姿勢制御の演算を行う姿勢制御
演算部である。14は宇宙機本体1の質量中心位置を求
める質量中心位置演算部であり、15は宇宙機本体1の
ダイナミクス上の慣性力を求める慣性力演算部である。
の位置および姿勢をそれぞれ位置検出器2と姿勢検出器
5で検出する。位置検出器2にはたとえば加速度センサ
などの慣性センサやターゲットに対する距離を測定する
カメラタイプのセンサ(以下、近傍センサという)など
が用いられる。また姿勢検出器5にはジャイロや地球セ
ンサなどが用いられる。位置検出器2は必ずしも宇宙機
本体1の質量中心位置を検出するわけではないので、位
置検出器2の出力と姿勢検出器5の出力から質量中心位
置演算部14によって宇宙機本体1の質量中心位置を計
算する。このように質量中心位置が重要となるのは、質
量中心位置を用いると位置と姿勢がダイナミクス上干渉
しないので、位置制御と姿勢制御を独立に実行できるた
めである。位置目標値発生部3では質量中心位置の目標
値を出力し、位置制御演算部4では位置目標値発生部3
の出力と質量中心位置演算部14の出力(実際の質量中
心位置)との偏差から位置制御の操作量を求める。慣性
力演算部15は質量中心位置の表現に極座標を用いたこ
とで生じる慣性力を求め、位置制御演算部4の出力に加
えることで慣性力を補償する。位置制御演算部4と慣性
力演算部15の出力の和は宇宙機本体1に入力され、ス
ラスタ等の位置制御用のアクチュエータによって位置制
御が行われる。一方、姿勢についても位置制御と同様に
制御が行われる。まず姿勢検出器5で宇宙機本体1の姿
勢を検出し、姿勢目標値発生部6では姿勢の目標値を発
生する。この両者の偏差が姿勢制御演算部7に入力され
姿勢制御の操作量が求められる。この操作量は位置制御
の操作量とは独立に宇宙機本体1に入力されスラスタ等
の姿勢制御用のアクチュエータによって姿勢制御が行わ
れる。
00号公報に示された従来の宇宙機のスラスタ制御方法
を示す構成図であり、図25はそのスラスタ配置を示す
斜視図である。これら図24および図25において、1
は宇宙機本体であり、18aは第1のスラスタ、18b
は第2のスラスタ、18cは第3のスラスタ、18dは
第4のスラスタである。16はスラスタ選択則に従って
スラスタ分配を行う演算回路によるスラスタ選択部であ
り、17は駆動回路を含んだスラスタモジュレータであ
る。20はこのスラスタモジュレータ17によって開閉
されるスラスタの弁であり、21はスラスタの弁20に
接続された推薬配管、22は推薬タンクである。
たピッチ、ヨーおよびロールの各3軸に関する姿勢の外
乱の信号Aをスラスタ選択部16に入力して姿勢外乱ベ
クトルを合成し、この合成したベクトルに対応するスラ
スタ18a〜18dを選定するとともに、それぞれのス
ラスタ18a〜18dの制御量を演算する。図26に各
制御軸に対応するスラスタ18a〜18dの噴射状態を
示す。表において○印はスラスタの噴射を表し、○印の
スラスタを同時噴射することによって、制御する軸に関
する推力のみが発生し、他の2軸の推力は打ち消され
る。上記のようにスラスタ選択部16のスラスタ制御信
号をスラスタモジュレータ17に入力しスラスタ弁20
を作動させ、推薬タンク22から推薬配管21を流れる
推薬が制御量に応じてスラスタ18a〜18dに供給さ
れ噴射する。
置は以上のように構成されているので、位置と姿勢を独
立に制御させるためには、位置制御量(制御したい量)
として宇宙機本体の質量中心位置を用いなければなら
ず、位置制御の制御量を自由に選ぶことが困難であり、
さらに質量中心位置を求める上で検出器の誤差の影響も
うけやすく制御誤差が大きくなるという問題点があっ
た。また慣性力補償は行われているものの目標値に対す
るフィードフォワード補償がないので、目標値の変化が
速い場合には目標値に対する追従特性が劣化するなどの
問題点があった。
チ軸のみ、ヨー軸のみ、あるいはロール軸のみについて
制御する場合に対してスラスタ18a〜18dの噴射ロ
ジックが構成されており、複数軸について同時に制御す
る場合は個々の軸についてのロジックの足し合わせで制
御していた。しかしながら、個々の軸成分のみについて
制御する場合には合計噴射量が少なくなるなどの意味で
最適な噴射ロジックであっても、複数軸成分を同時に制
御する場合には個々の軸成分についてのロジックの足し
合わせが必ずしも最適にはならず、結果的に合計噴射量
が多くなり貴重な推薬を無駄にするという問題点があっ
た。この問題点は、スラスタ18a〜18dの配置を単
純にしても回避することはできなかった。最も単純なス
ラスタ配置として、1軸方向のみの力すなわち純力と、
1軸まわりのみのトルクすなわち純トルクを発生するよ
うにスラスタ18a〜18dを配置することが考えられ
る。純トルクをスラスタで発生するためには、偶力を利
用するので必ずスラスタ18a〜18dが2本必要であ
る。そして偶力とは、2本のスラスタの並進力を相殺し
回転力のみ取り出すことである。スラスタ18a〜18
dの噴射量の点から考えると並進力を相殺することは得
策ではない。すなわち、力とトルクの両方を生成するこ
とが求められる場合、純力と純トルクを足し合わせて実
現するよりも、純トルクを構成している2本のスラスタ
の噴射量の割合を変化させて実現する方が、合計噴射量
が少なくなると考えられる。この例からも明らかなよう
に、一般に力とトルクの両方をスラスタ18a〜18d
を用いて発生する必要がある場合、スラスタ18a〜1
8dの配置によらず、個々の軸についてのロジックの足
し合わせを用いると推薬が無駄になるという問題点があ
った。一方、線形計画法のような一般的な解法を用いれ
ば、合計噴射量を最小にするという意味で最適解を得る
ことができるが、現状の宇宙機の搭載計算機の能力を大
幅に越えており、6軸成分について実時間で線形計画法
を用いて解くことは実用上不可能であるという問題点が
あった。さらに、太陽電池パドル、アンテナ、アームな
ど衛星外面に搭載される機器が大型化し種類も増えるに
つれ、スラスタ18a〜18dの噴射ガスがこれらの機
器に当たらないようにする要求が高まってきており、そ
のためにスラスタ18a〜18dの配置が大きな制約を
受け、冗長性の確保も考慮すると、衛星外面には10〜
20本のスラスタがさまざまな位置・向きに配置される
のが通常である。その結果、各軸成分におけるスラスタ
18a〜18dの最適な組み合わせを直感的に把握する
ことが困難になり、設計者が試行錯誤的に求めざるを得
ないという問題点があった。
消するためになされたもので、位置制御と姿勢制御を独
立に実行することが可能で、しかも位置制御の目標値を
自由に選ぶことができ、その結果として制御誤差も改善
できる宇宙機の制御装置を得ることを目的とする。
対するフィードフォワード補償を加えて、目標値に対す
る追従特性も向上させることのできる宇宙機の制御装置
を得ることを目的とする。
慣性空間の対する姿勢を一定に保ちながら、ターゲット
の方を向いてターゲットに近接するような制御を精度よ
く実行可能な宇宙機の制御装置を得ることを目的とす
る。
ップテーブルで得られた噴射パターン中の無駄な部分を
パターンマッチングによって検出し、相殺・置換噴射ロ
ジックで取り除いたり置き換えたりして、燃料噴射量の
合計がより少ない効率的なスラスタ制御方法を得ること
を目的とする。
ーンの成分に符号を付与し、またスケーリングすること
により、請求項5に記載した発明におけるパターンマッ
チングを容易にすることを目的とする。
に記載した発明における置換噴射パターンを拡張するこ
とで、スラスタの故障に対して機能冗長性を確保するこ
とを目的とする。
る計算量を減らした上でオンボードで線形計画法を解い
て、燃料噴射量の合計が最も少なくなるようなスラスタ
の組み合わせを求めることのできるスラスタ制御方法を
得ることを目的とする。
の故障に対してソフトウェアによる機能冗長性を確保す
ることを目的とする。
の冗長性を確保しながら配備するスラスタの総重量を減
らすことを目的とする。
係る宇宙機の制御装置は、位置目標値と位置検出器出力
の偏差から位置制御系を構成し、同様に姿勢目標値と姿
勢検出器出力の偏差から姿勢制御系を構成し、両者の操
作量のダイナミクス上の干渉を非干渉化演算により取り
除くようにしたものである。
の制御装置は、さらに目標値および検出器出力を用いた
フィードフォワード演算により、目標値のもつ加速度分
やダイナミクス上発生する慣性力を補償するようにした
ものである。
の制御装置は、位置検出器に宇宙機とターゲットとの間
の距離(以下、レンジという)および宇宙機がターゲッ
トを見込む角(以下、LOS角という)を検出するセン
サを用い、姿勢検出器に宇宙機の慣性空間に対する姿勢
を検出するセンサを用い、宇宙機とターゲットとの間の
レンジおよびLOS角と宇宙機の慣性空間における姿勢
とを独立に制御するようにしたものである。
の制御装置は、ルックアップテーブル方式で求めた噴射
パターンの中で無駄が生じるパターンを、用意した相殺
噴射パターンや置換噴射パターンとマッチングすること
で検出し、その無駄なパターンを相殺・置換噴射ロジッ
クを適用することで取り除き、結果的に噴射量の合計が
少なくなるようにしたものである。
タ制御方法は、さらに参照パターンの成分について、相
殺噴射パターンの場合は同符号を、置換噴射パターンの
場合には異符号を付与し、また各パターンについてスケ
ーリングを行ったものである。
タ制御方法は、置換噴射パターンの中で1つのスラスタ
を他のスラスタで置き換えるパターンを、故障時対応置
換噴射パターンとするものである。
タ制御方法は、オンボードで線形計画法を実行できるよ
うに、6軸成分を同時に解くのではなく3軸成分+3軸
成分に分けて計算量を減らして解くようにしたものであ
る。
タ制御方法は、通常のルックアップテーブルの他にスラ
スタ故障時に対応したルックアップテーブルを用意した
ものである。
タ制御方法は、各スラスタについて他の残りのスラスタ
で置き換えることの難易度を指標にして、スラスタの冗
長本数に大小を設けたものである。
置は、位置目標値と位置検出器の出力との偏差から位置
制御系を構成することにより、位置は宇宙機の質量中心
位置である必要をなくし、また姿勢についても同様に、
姿勢目標値と姿勢検出器出力との偏差から姿勢制御系を
構成することにより、位置制御系が宇宙機の質量中心位
置を制御しない場合には位置制御の操作量と姿勢制御の
操作量はダイナミクス上干渉するが、位置制御系と姿勢
制御系はその干渉を無視して独立に構成し、干渉分は非
干渉化演算によって取り除くようにし、このことで質量
中心位置を対象とする場合でなくても位置制御系と姿勢
制御系を独立に構成することができ、位置制御系の制御
量を選ぶ自由度が増すとともに制御量に対する検出器誤
差の影響も少なくすることを可能とする。
機の制御装置は、さらに目標値の変化分やダイナミクス
上に発生する慣性力の影響をフィードフォワード演算部
で補償することにより、目標値に対する追従特性など制
御系の特性を改善する。
機の制御装置は、位置検出器に宇宙機とターゲットとの
間のレンジおよびLOS角を検出するセンサを用い、姿
勢検出器に宇宙機の慣性空間に対する姿勢を検出するセ
ンサを用いて、宇宙機のターゲットに対するLOS角を
位置検出器の出力とすることにより、宇宙機の慣性空間
に対する姿勢とターゲットに対するレンジおよびLOS
角を独立に制御できるようにし、例えば宇宙機が慣性空
間に対する姿勢を一定に保ちながら、ターゲットの方を
向いてターゲットに接近するような制御を可能にする。
機の制御装置は、テーブルルックアップ方式で求めたス
ラスタ分配の中で無駄な部分を相殺・置換噴射ロジック
で減らしていくことにより、比較的少ない計算量で効率
的なスラスタ分配を実現する方法を提供する。
スタ選択則は、テーブルルックアップ方式で求められた
噴射パターンに対して複数の相殺噴射パターンあるいは
置換噴射パターンを順次マッチングし、参照パターンの
符号に含まれている相殺と置換の区別に従って適合度を
求めることにより、同じアルゴリズムで適合度を求める
ことを可能とする。なお、各パターンが適切にスケーリ
ングされているので、適合度がそのまま合計噴射量の減
少の大小等を表す。
スタ選択則は、スラスタ故障時に故障したスラスタに対
して置換噴射ロジックを優先的に適用し、置換後は故障
したスラスタを含まない相殺・置換噴射ロジックも適用
することにより、スラスタの合計噴射量を削減する。
スタ選択則は、6軸成分を3軸成分+3軸成分に分けて
計算量を減らすことにより、オンボードでの線形計画法
の実行を可能にする。
スタ選択則は、通常のルックアップテーブルの他に故障
時のルックアップテーブルを備えることにより、スラス
タの故障に対してソフトウェアによるスラスタの機能冗
長性を確保する。
スタ制御方法は、各スラスタについて他の残りのスラス
タと置き換えることができない場合にはスラスタ冗長本
数を優先的に割り当て、逆に、あるスラスタについて他
の残りのスラスタで置き換えたときに合計噴射量の増加
量が少ない場合には、そのスラスタの冗長本数の割り当
てを必要に応じて減少させ、必要度に応じたスラスタの
冗長構成を行うことにより、スラスタの冗長性を確保し
ながら、配備するスラスタの総重量を削減する。
はこの発明の一実施例を示すブロック図である。図にお
いて、1は宇宙機本体、2は位置検出器、3は位置目標
値発生部、4は位置制御演算部、5は姿勢検出器、6は
姿勢目標値発生部、7は姿勢制御演算部であり、図23
に同一符号を付した従来のそれらと同一、もしくは相当
部分であるため詳細な説明は省略する。また、8は位置
制御演算部4の出力である位置制御操作量と姿勢制御演
算部7の出力である姿勢制御操作量とのダイナミクス上
の干渉を取り除く非干渉化演算部であり、9は位置目標
値発生部3や姿勢目標値発生部6の出力に基づいて目標
値の加速度に対する補償量を求め、また位置検出器2や
姿勢検出器5の出力に基づいて慣性力の補償量を求める
フィードフォワード演算部である。なお、宇宙機本体1
は、図24に示したスラスタ選択部16、スラスタモジ
ュレータ17およびスラスタ18と、宇宙機ダイナミク
ス19とによって構成されている。
本体1の運動方程式を次の(1)式で表す。
列、xは3つの位置変数と3つの姿勢変数からなる6次
の変数、**は時間に関する2階微分を示す記号、dは
遠心力やコリオリ力などの慣性力項、uは宇宙機に対す
るスラスタなどの制御入力であり、これらx,dおよび
uはベクトル量である。いまxにおける位置変数を宇宙
機本体1のターゲットなどに対する質量中心位置にとれ
ば、Mは次の(2)式で示すブロック対角行列となる。
干渉化されるので、位置と姿勢を容易に独立に制御する
ことができる。一方、xにおける位置変数が宇宙機本体
1の質量中心位置でなければMはこのようなブロック対
角行列ではなく、位置と姿勢が干渉する。たとえば姿勢
制御の操作量が位置制御の制御量に影響を与えるような
ことがおこる。
代わりに仮想的な入力vを考えて、それを次の(3)式
とおく。なお、この仮想的な入力vもベクトル量であ
る。
(4)式となって、仮想的な入力vのもとでは位置と姿
勢は非干渉化されている。
ダイナミクスに対して位置と姿勢の制御系を独立に構成
し、得られた仮想的な制御入力vに対して実際の制御入
力uを求めればよい。いま変数xに対する目標値をxh
(ベクトル量)とすれば、仮想的な制御入力vはたとえ
ば次の(5)式のように与えればよい。
kd は速度制御ゲイン、kp は位置制御ゲインである。
この(5)式を(3)式に代入すれば、実際の制御入力
uは次の(6)式で与えられる。
のが位置検出器2であり、位置変数に対する目標値を発
生するのが位置目標値発生部3である。位置制御演算部
4では位置目標値と位置検出器2の出力との偏差から、
(4)式のような2次積分系のダイナミクスを対象に仮
想的な制御入力vの位置制御に関する3成分を定める。
この位置制御演算部4の働きは数式上は例えば(6)式
の{ }内の演算に相当する。なお、このことは姿勢に
ついてもまったく同様である。図1においてxの姿勢変
数を検出するのが姿勢検出器5であり、姿勢変数に対す
る目標値を発生するのが姿勢目標値発生部6である。姿
勢制御演算部7では姿勢目標値と姿勢検出器5との偏差
から(4)式のような2次積分系のダイナミクスを対象
に仮想的な制御入力vの姿勢制御に関する3成分を定め
る。この姿勢制御演算部7の働きは数式上は例えば
(6)式の{ }内の演算に相当する。
出力と姿勢制御演算部7の出力をダイナミクス上非干渉
化させる働きをする。これは(6)式において{ }内
の演算量に対して質量行列Mを左からかける操作に対応
している。さらにフィードフォワード演算部9では位置
目標値発生部3や姿勢目標値発生部6の出力から目標値
の加速度分にともなう補償項を求める。この演算は
(6)式におけるM・**xh の演算に対応している。
またフィードフォワード演算部9では位置検出器2や姿
勢検出器5の出力からダイナミクス上の慣性力項も求め
る。この演算は(6)式におけるdの計算に対応してい
る。すなわちフィードフォワード演算部9では(6)式
の右辺第二項を求める。
質量中心位置を用いない場合にも、位置と姿勢を独立に
制御することが可能になる。なお高周波域での制御ゲイ
ンを低減するために、得られた実際の制御入力uをロー
パスフィルタに通してもよい。また宇宙機本体1や目標
値の動きがあまり速くない場合にはフィードフォワード
演算部9を省略することもできる。
はこの発明の一実施例を示すブロック図であり、図1と
対応する部分については同一符号を付してその説明を省
略する。図2において、10はターゲットに対する相対
位置あるいは相対姿勢を検出する近傍センサであり、1
1は宇宙機本体1の角速度を検出するジャイロである。
はターゲットに対する相対位置および相対姿勢を近傍セ
ンサ10によって検出する。位置制御演算部4と姿勢制
御演算部7はそれぞれ位置目標値発生部3と姿勢目標値
発生部6から得られる位置と姿勢の目標値に対してたと
えばPID(比例・微分・積分)制御を行う。各演算部
4,7,8,9ではそれぞれ相対位置と相対姿勢の時間
微分値が必要となるが、これは擬似微分などで近似的に
求めることができる。
ットに対する相対位置は宇宙機本体1の質量中心の相対
位置ではなく近傍センサ10の取付点におけるものであ
る。したがって相対位置および相対姿勢で表現される宇
宙機本体1のダイナミクスは相互に干渉したものとなっ
ている。この干渉は前記の通り位置制御演算部4と姿勢
制御演算部6の出力を非干渉化演算部8に入力すること
で取り除くことができる。
で検出してこれをフィードフォワード演算部9に入力す
る。この値はダイナミクス上の慣性力を求めるのに用い
られる。さらにフィードフォワード演算部9には近傍セ
ンサ10の出力と位置目標値発生部3および姿勢目標値
発生部6の出力を入力し、目標値のもつ加速度分やダイ
ナミクス上の慣性力を補償する演算を行う。この結果を
非干渉化演算部8の出力と加えあわせることで、宇宙機
本体1に対する制御入力が得られる。
する相対位置および相対姿勢を精度よく制御できる。た
とえば宇宙機本体1はターゲットに精度よく追従する。
このような制御は宇宙機本体1がターゲットにランデブ
ドッキングする際に必要となるものである。なお、高周
波域での制御ゲインを低減するために、得られた宇宙機
本体1に対する制御入力をローパスフィルタに通しても
よい。またターゲットの動きがあまり速くない場合には
フィードフォワード演算部9を省略することもできる。
はこの発明の一実施例を示すブロック図であり、図2と
対応する部分については同一符号を付してその説明を省
略する。図3において、12は近傍センサ10とジャイ
ロ11の出力からターゲットに対する相対姿勢とターゲ
ットの角速度を推定する推定器である。
近傍センサ10の出力であるターゲットに対する相対姿
勢(ただしノイズを含んでいる)とジャイロ11の出力
である宇宙機本体1の角速度からターゲットに対する相
対姿勢とターゲットの角速度を推定するものであるが、
これは次のような原理に基づいている。すなわち、もし
もターゲットが自由運動をしているとすればターゲット
の角速度はほぼ一定値とみなすことができる。いま簡単
のために姿勢の1自由度を対象にして近傍センサの出力
である相対姿勢をq1 、ターゲットの角速度をq2 、ジ
ャイロ出力をug とする。相対姿勢の時間微分にターゲ
ットの角速度を加えると宇宙機本体1の角速度が得られ
るので次の(7)式が成り立つ。
ほぼ一定なので近似的に次の(8)式が成り立つ。
式となる。
0の出力として既知なので、上記(9)式に対する出力
方程式として次の(10)式が得られる。
は省略している。(9),(10)式は可観測となるの
で、この(10)式をもとにオブザーバやカルマンフィ
ルタを構成することができる。いまq1 ,q2 をまとめ
てqとおいて次の(11)式とする。なお、この場合q
はベクトル量、A,B,Cはそれぞれ行列である。
る。
Eはオブザーバゲインの行列であり、A−E・Cが安定
行列となるように選ぶ。qは上記のようにターゲットに
対する相対姿勢q1 とターゲット角速度q2 から構成さ
れるので、(12)式のzによって相対姿勢とターゲッ
ト角速度を推定することができる。これが推定器12の
働きである。
対姿勢は、近傍センサ10の出力に含まれるノイズの影
響を軽減したものとなっている。またターゲットの角速
度が推定できるので、この推定値とジャイロ11の出力
から相対姿勢の時間微分値を推定することもできる。
力は姿勢制御演算部7とフィードフォワード演算部9に
入力される。姿勢制御演算部7では、姿勢目標値発生部
6の出力である姿勢目標値とこれらの量から姿勢制御の
フィードバック制御演算を行う。位置制御に関しては前
記実施例2の場合と同様に、位置目標値発生部3の出力
と近傍センサ10の相対位置出力との偏差から位置制御
演算部4でフィードバック制御演算を行う。位置制御演
算部4の出力と姿勢制御演算部7の出力は非干渉化演算
部8に入力されダイナミクス上の干渉が取り除かれる。
て目標値のもつ加速度分やダイナミクス上の慣性力を補
償する演算を行い、この結果を非干渉化演算部8の出力
と加えあわせることで、宇宙機本体1に対する制御入力
を得る。この場合には上記実施例2と比べて、近傍セン
サ10のノイズが問題になる場合には、ターゲットに対
する相対姿勢やターゲット角速度の推定精度が向上する
ので、最終的な制御精度も向上させることができる。な
お高周波域での制御ゲインを低減するために、得られた
宇宙機本体1に対する制御入力をローパスフィルタに通
してもよい。またターゲットの動きがあまり速くない場
合にはフィードフォワード演算部9を省略することもで
きる。
はこの発明の一実施例を示すブロック図であり、図2と
対応する部分については同一符号を付してその説明を省
略する。図4において、13はジャイロ11の出力から
宇宙機本体1の慣性空間に対する姿勢を推定する姿勢推
定器である。
0ではターゲットまでの相対距離(レンジ)とターゲッ
トを見込む角(LOS角と呼ばれ2成分をもつ)を検出
する。これらの量を位置制御量とみなして位置制御系を
構成する。すなわち位置目標値発生部3でこれらの制御
量に対する目標値を発生し、目標値との偏差から位置制
御演算部4でフィードバック制御の演算を行う。
性空間に対する姿勢を制御する。慣性空間に対する姿勢
と上記の位置制御量とは独立なのでこのような制御も可
能である。そのためジャイロ11の出力(宇宙機本体1
の角速度)を姿勢推定器13に入力して慣性空間に対す
る姿勢を推定する。この推定は原理的には次の通りであ
る。いま宇宙機本体1の慣性空間に対する3×3方向余
弦行列をUとし、宇宙機本体1の角速度をωとする。U
の時間微分*Uとωとの間には次の(13)式の関係が
あるので、この(13)式をもとに慣性空間に対する姿
勢を想定することができる。なお、ωはベクトル量であ
り、(13)式中の“×”は各列ごとにベクトル積演算
を行うことを意味している。
れば、それらと姿勢目標値発生部6の出力との偏差から
姿勢制御演算部7でフィードバック制御の演算を行う。
7の出力は非干渉化演算部8に入力されダイナミクス上
の干渉が取り除かれる。さらにフィードフォワード演算
部9において目標値のもつ加速度分やダイナミクス上の
慣性力を補償する演算を行い、この結果を非干渉化演算
部8の出力と加えあわせることで、宇宙機本体1に対す
る制御入力を得る。
するレンジおよびLOS角と慣性空間に対する姿勢を精
度よく制御できることになる。このような制御は宇宙機
本体1がターゲットに比較的遠方から接近する場合や、
ターゲットのまわりを周回飛行する際に必要となるもの
である。
るレンジとLOS角を近傍センサ10で検出する場合を
示したが、別のセンサ(例えばランデブレーダ)によっ
てこれらの量を検出してもよい。また慣性空間に対する
姿勢をジャイロ11の出力から推定する場合を示した
が、地球センサや太陽センサで慣性空間に対する姿勢を
直接検出してもよい。また高周波域での制御ゲインを低
減するために、得られた宇宙機本体1に対する制御入力
をローパスフィルタに通してもよい。またターゲットの
動きがあまり速くない場合にはフィードフォワード演算
部9を省略することもできる。
はこの発明の一実施例を示すもので、上記実施例4にお
いて、宇宙機本体1が慣性空間のある面の上でターゲッ
トのまわりを周回飛行するときの姿勢目標値発生部6
を、計算機内部でソフトウェアによって実現するときの
フローチャートである。
ST1で宇宙機本体1の目標角速度(これをωd とす
る)の値を設定する。この目標角速度ωd はベクトル量
で、慣性空間において一定値となるように設定すればよ
い。次にステップST2で宇宙機本体1の目標姿勢(こ
れをUd とする)の初期値を設定する。この目標姿勢U
d は宇宙機本体1の姿勢Uと同様の行列で、その初期値
には例えば、その時点における宇宙機本体1の慣性空間
における姿勢を用いる。次にステップST3で宇宙機本
体1の目標姿勢Ud を更新する。この更新には(13)
式と同様の次の(14)式で示す関係式を用いる。
姿勢Ud を出力する。Ud は9つの成分があるが、姿勢
制御演算部7では宇宙機本体1の目標姿勢Ud と宇宙機
本体1の姿勢Uから3成分の独立な姿勢偏差を求めて姿
勢制御の演算を行うことになる。次にステップST5で
時間を更新してステップST3に戻る。
体1の目標角速度と目標姿勢を出力すれば、姿勢制御系
の働きによって、宇宙機本体1は慣性空間に対してその
姿勢が一定角速度で回転するように制御される。一方、
位置目標値発生部3では宇宙機本体1のターゲットに対
するレンジおよびLOS角が一定になるように目標値を
発生し、位置制御系によりフィードバック制御を行う。
に対する距離と向きを一定に保ったまま、慣性空間のあ
る面の上でターゲットのまわりを周回するという制御が
実現できる。その際、宇宙機本体1の慣性空間における
位置を検出するようなセンサ(例えば加速度センサとそ
の積分器)などは必要としない。
はこの発明の一実施例を示すもので、前記実施例4にお
いて、宇宙機本体1がターゲットのまわりを周回飛行し
て、しかもその周回面が慣性空間上で回転するように制
御するときの姿勢目標値発生部6を、計算機内部でソフ
トウェアによって実現するときのフローチャートであ
る。
ST6で宇宙機本体1の周回面の回転角速度(これをω
r とする)を設定する。この周回面の回転角速度ωr は
ベクトル量で、慣性空間において一定値となるように設
定すればよい。次にステップST7で宇宙機本体1の目
標角速度(これをωd とする)の初期値を設定する。こ
の目標角速度ωd もベクトル量で、その初期値には例え
ば、その時点における宇宙機本体1の角速度を用いる。
次にステップST8で宇宙機本体1の目標姿勢(これを
Ud とする)の初期値を設定する。この目標姿勢Ud は
宇宙機本体1の姿勢Uと同様の行列で、その初期値には
例えば、その時点における宇宙機本体1の慣性空間にお
ける姿勢を用いる。次にステップST9で宇宙機本体1
の目標角速度ωd を更新する。この更新には次の(1
5)式を用いる。
における時間微分を表し、×は両者のベクトル積を意味
している。次にステップST10で宇宙機本体1の目標
姿勢Ud を更新する。この更新には上記実施例5で説明
した(14)式を用いる。次にステップST11で宇宙
機本体1の目標角速度ωd を出力し、ステップST12
で宇宙機本体1の目標姿勢Ud を出力する。Ud は9つ
の成分があるが、姿勢制御演算部7では宇宙機本体1の
目標姿勢Ud と宇宙機本体1の姿勢Uから3成分の独立
な姿勢偏差を求めて姿勢制御の演算を行うことになる。
次にステップST13で時間を更新してステップST9
に戻る。
本体1の目標角速度と目標姿勢を出力すれば、姿勢制御
系の働きによって、宇宙機本体1はその角速度が慣性空
間で回転するように制御される。一方、位置目標値発生
部3では宇宙機本体1のターゲットに対するレンジおよ
びLOS角が一定になるように目標値を発生し、位置制
御系によりフィードバック制御を行う。
に対する距離と向きを一定に保ったまま、ターゲットの
まわりを周回し、その周回面が慣性空間において一定角
速度で回転するという制御が実現できる。すなわち宇宙
機本体1はターゲットのまわりをくまなく周回すること
ができる。その際宇宙機本体1の慣性空間における位置
を検出するようなセンサ(たとえば加速度センサとその
積分器)などは必要としない。
はこの発明の一実施例によるスラスタ制御方法を示す構
成図で、相当部分には図1と同一符号を付してその説明
を省略する。図において、23は図1に示した、位置目
標値発生部3、位置制御演算部4、姿勢目標値発生部
6、姿勢制御演算部7、非干渉化演算部8、フィードフ
ォワード演算部9を含み、制御則を実行する制御部であ
り、24は図1の位置検出器2や姿勢検出器5などの、
近傍センサ10等による航法センサである。また、図8
はスラスタ選択部16にてスラスタ分配を行う際のスラ
スタ選択則を示す説明図であり、この場合、相殺・置換
噴射パターンを適用したパターンマッチングが用いられ
ている。
4は近傍センサ10などを用いて宇宙機本体1の位置、
姿勢、速度、角速度を推定し、その推定結果を航法信号
として出力する。制御部23はこの航法センサ24から
受け取った航法信号を誘導信号と比較して、宇宙機本体
1の位置、姿勢、速度、角速度が所望の値をとるために
必要な制御力・トルクを制御則に従って算出し、それを
制御信号bとしてスラスタ選択部16に出力する。な
お、この制御信号bはベクトル量である。スラスタ選択
部16は制御部23から制御信号bを受け取ると、必要
な制御力・トルクを合力として生成するように、スラス
タ選択則に従ってスラスタ分配を行い、デューティー比
ベクトルxをスラスタモジュレータ17に出力する。こ
こで、各スラスタ18はパルス的な力しか発生できない
ので、スラスタモジュレータ17はスラスタ18の噴射
間隔の粗密をスラスタ弁の開閉で調整し、デューティー
比ベクトルxに相当するスラスタ量を生成する。
について説明する。まず、制御部23から制御信号bを
受け取り、ルックアップテーブルに従ってデューティー
比ベクトルxを求める。このxが「ルール適用前のx」
である。
パターンを適用する。相殺噴射パターンがxの中に含ま
れる場合には、図8において右下がりハッチングで示す
ように、マッチングできる部分を削除する(=相殺噴射
ロジック)。置換噴射パターンがxの中に含まれる場合
には、図8において左下がりハッチングで示すように、
マッチングできる部分をより噴射量の少ない別のパター
ンで置き換える(=置換噴射ロジック)。このような手
順を、当てはまるパターンがなくなるまで、あるいは適
当な回数繰り返した後、得られるxが「ルール適用後の
x」である。
8の本数を14本とし、パターンマッチングを2回行っ
ているが、スラスタ18の本数やパターンマッチングの
回数は特に限定されるものではない。またここでは「ル
ール適用前のx」を求めるのにルックアップテーブルを
用いているが、「ルール適用前のx」を求める方法も特
に限定されるものではない。
はこの発明の一実施例によるスラスタ制御方法におけ
る、相殺・置換噴射パターンをマッチングするアルゴリ
ズムを示すフローチャートである。ステップST21か
らステップST33はフローチャートにおける各ブロッ
クで、ステップST21が始点、ステップST33が終
点である。
はパターンの総数をm、スラスタ18の本数をnとす
る。まず、ステップST21において初期設定が行わ
れ、マッチングを行うパターン番号kを0とする。次に
ステップST22でそのパターン番号kを1増やす。ス
テップST23では、すべてのパターンについてマッチ
ングの適否を試みたかどうか判定する。k>mならばス
テップST31に、k≦mならばステップST24に進
む。ステップST24では、k番目の相殺・置換噴射パ
ターンλk がxに適用できるかどうかチェックするため
の初期値設定を行う。すなわち、λk のxへの適合度α
k とマッチングを行う要素jを0とする。なお、このλ
k はベクトル量である。
グを行う要素番号jを1増やした後、ステップST26
に進んでλk のすべての要素についてマッチングを行っ
たかどうか判定する。j≦nならステップST27に進
み、j>nならステップST22に戻る。ステップST
27では、λk のj番目の要素λk (j)について正か
否かを判定する。正であればk番目の相殺・置換噴射パ
ターンλk を適用するにはxのj番目の要素についても
正であることが必要になるので、それを判定するために
ステップST28に進み、それ以外はステップST25
に戻る。ステップST28では、xのj番目の要素x
(j)について正か否かを判定する。正であればステッ
プST29に進み、正でなければk番目の相殺・置換噴
射パターンλk をxにマッチングすることはできないの
で次のルールを試すためにステップST22に戻る。
て、k番目の相殺・置換噴射パターンλk のxへの適合
度αk を求める。αk は、x−αk λk を計算したとき
にすべての要素が非ゼロを満たす最も大きな正数であ
る。アルゴリズム上、λk (j)≠0を満たす全てのj
についてx(j)とλk (j)の比を求めたときにその
最小値をαk とおくことと等価である。また、λ
k (j)のjを1からnまで加算した値が1となるよう
にスケーリングを行っているので、適合度αk の値は相
殺・置換噴射パターンλk をxに適用した場合に期待さ
れる合計噴射量の減少分に等しい。
最大値を与えるk=kmax を求める。これは合計噴射量
の減少分を最大にするパターンを求めることに相当す
る。次にステップST32において、kmax 番目の相殺
・置換噴射パターンをxに適用し合計噴射量を削減して
いる。その後、ステップST33に進んで一連の処理を
終了する。
置換の2通り存在するが、パターンを記述するときに符
号を利用して相殺と置換の2つのパターンを区別してい
るので、パターンマッチングを行うときには、相殺と置
換の計算上の区別無く同じように実行することができ
る。なお、図9において説明上パターンマッチングを1
回行ったが、回数に制限を加えるものではない。計算機
負荷などを考慮して、例えば2〜3回のように回数を固
定してパターンマッチングを行う方法、期待される合計
噴射量の減少量がある閾値以下になるまでパターンマッ
チングを行う方法などがこの実施例8の変形である。
0はこの発明の一実施例によるスラスタ制御方法におけ
る、相殺・置換噴射パターンを抽出するアルゴリズムを
示すフローチャートである。ステップST41からステ
ップST55は流れ図における各ブロックで、ステップ
ST41が始点、ステップST55が終点である。
スタ18の本数をnとする。まずステップST41にて
スラスタ18の組み合わせ本数mの初期値設定を行う。
次にステップST42でn本のスラスタ18の中からm
本のスラスタ18の組み合わせを考える場合の初期値設
定を行い、パターン番号kを0とした後、ステップST
43でn本のスラスタ18の中から重複を許さないでm
本の組み合わせを作る。なお、選択されたスラスタ18
の番号を{i1 ,i2 ,・・・,im }とする。
ST43で選択したスラスタ18の組{i1 ,i2 ,・
・・,im }の中に、すでに相殺・置換噴射パターンと
してリストに登録されたスラスタ18の組を含んでいる
かどうかを調べる。含む場合はステップST52へ、含
まない場合はステップST45にそれぞれ進む。ステッ
プST45では、各スラスタ{i1 ,i2 ,・・・,i
m }が生成する制御力・トルクを表すベクトルai1,a
i2,・・・,aimを並べてスラスタ行列Am を構成す
る。なお、このスラスタ行列Am の次元は6×mであ
る。
行列Am の固有値を求めた後、ステップST47に進
む。ステップST47では、ステップST46で求めた
Am の固有値のなかに0が存在するかどうかを判定す
る。0が存在するならばステップST48へ、0が存在
しないならばステップST52へ進む。ステップST4
8では、0固有値に対応する固有ベクトルλ0 を求め
る。
「無駄」があるということは、その「無駄」なスラスタ
18の組が新たな制御力・トルク成分を生じていないと
いうことと等価であり、そのようなスラスタ18の組み
合わせが1次従属の関係にあるということである。従っ
てスラスタ18が1次従属の関係にあるとき、次の(1
6)式となるような係数ベクトルe(e1 ,e2 ,・・
・,em )が存在する。
噴射パターンを表すデューティー比ベクトルである。一
方、これは0固有ベクトルの定義でもある。すなわちス
ラスタ行列Am の0固有ベクトルλ0 について次の(1
7)式が成り立つ。
式が得られ、従って0固有ベクトルとeとはスケーリン
グを除けば同じものである。
分の符号で、固有ベクトルλ0 が相殺噴射パターンに対
応するか、置換噴射パターンに対応するかを判別する。
λ0の非ゼロ成分がすべて同符号である場合はステップ
ST50に、同符号ではない場合はステップST51に
進む。このステップST50,ST51では次の(1
9)式によりλ0 をスケーリングする。
m本選ぶ場合の組み合わせnCm通りをすべてチェック
したかどうかを判定する。チェックを終えた場合はステ
ップST53に進み、終えていない場合はステップST
43に戻る。ステップST53では、スラスタ18の組
み合わせ本数mを1本増やした後、ステップST54に
進む。ステップST54では、スラスタ18の組み合わ
せ本数mと成分数6との大小関係を比較し、mが6以下
の間はステップST42に戻ってパターンのチェックを
続ける。mが6を越えたときはステップST55に進み
一連の処理を終了する。
11はこの発明の他の実施例によるスラスタ制御方法に
おける、相殺・置換噴射パターンをマッチングするアル
ゴリズムを示すフローチャートである。ステップST2
1〜ST30、およびステップST32〜ST35はフ
ローチャートにおける各ブロックで、ステップST21
が始点、ステップST33が終点である。なお、ステッ
プST35は、残燃料・噴射ガスによるターゲットへの
外乱や汚染などを考慮にいれた噴射パターン毎の重み付
けwのデータベースである。
と共通する部分の説明は省略する。ステップST34で
は、wk ×αk の最大値を与えるとk=kmax を求め
る。このような重み付けwk を用いることで、単に合計
噴射量だけでなく残燃料や噴射ガスによるターゲットへ
の外乱や汚染などを考慮しつつより望ましいスラスタ1
8の分配を実現することができる。wk の作成方法とし
ては、例えば#13と#14のスラスタ18の使用がタ
ーゲットへの外乱を大きくするという意味で好ましくな
いとき、#13と#14のスラスタ18の噴射量を減少
するような相殺・置換ルールの重みwk を大きくすると
いうことが考えられる。
12はこの発明の一実施例によるスラスタ制御方法にお
けるスラスタ選択部16のスラスタ選択則を示す説明図
である。この実施例11におけるスラスタ選択部16
は、スラスタ18の故障時に置換噴射パターンを適用す
る機能冗長性を特徴とする、図12に示したスラスタ選
択則に従ってスラスタ分配を行うものである。
部16は、制御部23から受け取った制御信号bに対し
て、ルックアップテーブルを参照してデューティー比ベ
クトルxを生成する。これが「ルール適用前のx」であ
る。ここで説明上、#13のスラスタが故障して使えな
いとする。「ルール適用前のx」のままでは、#13の
スラスタの使用を前提としているため、まず故障時の置
換噴射パターンを適用する。すなわち、#13のスラス
タに分配された制御力・トルクと合力として同じものを
生成するスラスタ分配で置き換える。図12において
は、#9のスラスタと#12のスラスタで#13のスラ
スタの代替をする。こうして得られた「故障時の置換噴
射パターンの適用後のx」について、#13のスラスタ
を含まない「相殺・置換噴射パターン」を適用し合計噴
射量を減少させる。最終的に得られるxを、「ルール適
用後のx」としてスラスタモジュレータ17に出力す
る。
13はこの発明の一実施例によるスラスタ制御方法にお
ける、故障時の置換噴射パターンを設計時に構成するア
ルゴリズムを示すフローチャートである。ステップST
61からステップST69は流れ図における各ブロック
で、ステップST61が始点、ステップST69が終点
である。また、図14はステップST63における行列
Ai の作成の概念を示す説明図である。
ST61において、スラスタ18の番号iを1に初期値
設定する。なお、この場合もスラスタ18の本数をnと
する。また、各スラスタ18の最大推力の大きさに比例
して重み付けベクトルcの値を設定する。次にステップ
ST62に進んで、i番目のスラスタ18をデューティ
ー比1で噴射したときに生成される制御力・トルクai
を、目標制御力・トルクbに代入する。次に、ステップ
ST63において、スラスタ行列Aの#iのスラスタに
対応する要素ai を、図14に示すようにすべて0に置
き換えて行列Ai を作る。この操作は、#iのスラスタ
が故障したとき制御力・トルクを発生できないことに対
応する。
スタと同じ制御力・トルクを合力として生成するような
他のスラスタの組み合わせの中で、最も合計噴射量の小
さい解μi を線形計画法により求める。なお、このμi
はベクトル量である。次にステップST65において、
請求項9に記載した発明に係る置換・相殺噴射パターン
と同じデータ形式にするために、符号を反転し、μi の
i番目の要素に1を代入する。次にステップST66で
iをインクリメントして、次の#(i+1)のスラスタ
に移る。ステップST67では、すべてのスラスタ18
について故障時の置換噴射パターンを求めたかどうか判
定し、i≦nの場合にはステップST62に戻り、i>
nの場合にはステップST68に進む。ステップST6
8では、得られた故障時の置換噴射パターン{μ1 ,・
・・,μn }をテーブル化した後、ステップST69で
終了する。
た#iのスラスタのデューティー比1の噴射量に対応し
ているが、ステップST68において次の(20)式の
ようにスケーリングする方法もある。
15はこの発明の一実施例によるスラスタ制御方法にお
けるスラスタ選択則を示す説明図であり、図16はその
ベクトルbとスラスタ行列Aの分割を示す説明図であ
る。この実施例13におけるスラスタ選択部16は、線
形計画法を運用時に用いることを特徴とする、図15に
示したスラスタ選択則に従ってスラスタ18の分配を行
うものである。
部16は制御部23から受け取った制御信号bをまず2
つのベクトルb1 とb2 に分割する。なお説明上、b1
を制御力3成分、b2 を制御トルク3成分とする。この
ベクトルbの分割に対応して、スラスタ行列AもA1 と
A2 の2つの3×n次元の部分行列に分割する。次に、
b1 =A1 x1 ,b2 =A2 x2 のそれぞれの場合につ
いてデューティー比が0以上という拘束のもとに、それ
ぞれ合計噴射量が最小になるように線形計画法を実行す
る。このようにして得られた解x1 とx2 を足し合わせ
て最終的なデューティー比ベクトルxを得る。
各成分の絶対値の大きい順に3つ選んでb1 としその残
りをb2 とする方法や、bの各成分に対して求められる
制御精度の逆数を乗じて重み付けしてから絶対値の大き
い順に3つ選んでb1 としその残りをb2 とする方法も
ある。また、主要な3成分をb1 として線形計画法でx
1 を求め、残りの3成分をb2 としてテーブルルックア
ップでx2 を求め、これらを合わせるという方法もあ
る。これらの場合、図16に示したように、ベクトルb
に合わせてスラスタ行列Aも分割する。
17はこの発明の他の実施例によるスラスタ制御方法に
おけるスラスタ選択則を示す説明図であり、図18はそ
のベクトルbとスラスタ行列Aの分割を示す説明図であ
る。この実施例14におけるスラスタ選択部16は、線
形計画法を運用時にスラスタが故障した場合に用いるこ
とを特徴とする、図17に示したスラスタ選択則に従っ
てスラスタ18の分配を行うものである。
部16は制御部23から受け取った制御信号bをまず2
つのベクトルb1 とb2 に分割する。このベクトルbの
分割に対応して、スラスタ行列AもA1 とA2 の2つの
3×n次元の部分行列に分割する。ただし、ここでのA
は図18に示すように、故障した#iのスラスタに対応
する要素ai をすべて0に置き換えた修正後のスラスタ
行列Aを用いる。
それぞれの場合についてデューティー比が0以上という
拘束のもとに、それぞれの合計噴射量が最小になるよう
に線形計画法を実行する。このようにして得られた解x
1 とx2 を足し合わせて最終的なデューティー比ベクト
ルxを得る。従って、この実施例14では前記実施例1
3と同様の構成で、スラスタ故障時の場合にも合計噴射
量を準最適にするようなスラスタ18の分配を求めるこ
とができる。
19はこの発明の一実施例によるスラスタ選択部16が
内蔵する噴射パターンデータベースを示す説明図であ
る。この実施例15におけるスラスタ選択部16は運用
時においてスラスタ18が故障した場合に、スラスタ故
障時対応のルックアップテーブルに従って所望の制御力
・トルクを生成するための、図19に示した噴射パター
ンデータベースを備え、それをスラスタ選択則としてス
ラスタ分配を行うものである。
タに故障が発生して使えない場合、スラスタ選択部16
は、制御部23から受け取った制御信号bに対して内蔵
する噴射パターンデータベースの中から#iのスラスタ
故障時のルックアップテーブルを選択し、所望の合力・
合トルクを生成するようなスラスタ18の分配を行う。
また、図19においては、説明の都合上スラスタ毎に故
障時のルックアップテーブルを用意する方法を説明した
が、実装する場合、正常時のルックアップテーブルと比
較して異なる部分のみテーブルとして用意すればよく、
この手法を用いれば必要メモリ容量が大幅に増加すると
いうことはない。
20は前記実施例15における噴射パターンデータベー
スの各スラスタ故障時対応のルックアップテーブルを作
成するアルゴリズムを示す説明図である。
のため、#kのスラスタ故障時対応のルックアップテー
ブルを作成するアルゴリズムを示す。なお、この場合も
スラスタ本数をnとする。まずiを1に初期設定して、
制御信号bのi番目の要素のみ1を代入し、1軸につい
て正の方向に単位量の力あるいはトルクを生成するよう
なスラスタ18の分配の中で、合計噴射量が最小になる
ように線形計画法によりデューティー比ベクトルμi を
求める。Aはスラスタ行列で6×nのサイズであり、A
のj番目の列ベクトルaj は、j番目のスラスタがデュ
ーティー比1で噴射した時に生成する制御力と制御トル
クの6成分から成る。この場合、#kのスラスタが故障
したときのスラスタ行列の修正として示すように、#k
のスラスタに対応する要素ak をすべて0に置き換え
る。また、重み付けベクトルcはn次元ベクトルでここ
では説明のため全成分1とする。
を代入し、1軸について負の方向に単位量の力あるいは
トルクを生成するようなスラスタ分配の中で、合計噴射
量が最小になるように線形計画法によりデューティー比
ベクトルηi を求める。このようにデューティー比ベク
トルμi を求める操作の他にデューティー比ベクトルη
i を求める操作が必要になるのは、スラスタ18の噴射
方向が双方向ではなく片方向であるためである。また片
方向のため、0≦μi ,0≦ηi が拘束条件である。
(符号を考慮すると12成分)であるため、iをインク
リメントしながら各軸について上記処理を実行する。全
ての軸に対する処理が終了すると、適当なスケーリング
を行った後μi とηi を並べてルックアップテーブルS
を作成する。このスケーリングの方法として、生成され
る制御力・トルクが単位量になるようにスケーリングす
ることが考えられる。なお、各スラスタ18の最大推力
が等しい場合には、重み付けベクトルcは全て1でよい
が、最大推力が異なる場合には最大推力に比例した大き
さでベクトルcを重み付けをする。
21はこの発明の他の実施例におけるスラスタ制御方法
におけるスラスタ選択則を示す説明図である。この実施
例17におけるスラスタ選択部16は、運用時において
スラスタ18が故障した場合に、スラスタ故障時対応の
ルックアップテーブルに従って所望の制御力・トルクを
生成することを特徴とする、図21に示したスラスタ選
択則に従ってスラスタ分配を行うものである。
部16は、制御部23から受け取った制御信号bに対し
て、正常時のルックアップテーブルを参照してデューテ
ィー比ベクトルxを生成する。これが「置換前のx」で
ある。なお説明上、#13のスラスタが故障して使えな
いものとする。この「置換前のx」のままでは#13の
スラスタの使用を前提としているため、#13のスラス
タ故障時の置換テーブル(ルックアップテーブル)を参
照し、#13のスラスタに分配された制御力・トルクと
合力として同じものを生成するスラスタ18の分配で置
き換える。こうして得られた「置換後のx」をスラスタ
モジュレータ17に出力する。
最適化をあきらめる代わりに必要メモリ容量および演算
量を最低限に抑えることを実現する方法であり、実施例
11において「相殺・置換噴射パターン」を適用しない
場合に該当する。
2はこの発明の一実施例によるスラスタ制御方法におけ
るスラスタ18の冗長本数を配置箇所によって増減する
アルゴリズムを示すフローチャートである。ステップS
T71からステップST80はフローチャートにおける
各ブロックで、ステップST71が始点、ステップST
80が終点である。
ST71でiを1に初期値設定する。なお、この場合も
スラスタ18の本数をnとする。また、各スラスタ18
の最大推力の大きさに比例して重み付けベクトルcの値
を設定する。次にステップST72に進んで、i番目の
スラスタがデューティー比1で噴射したときに生成する
制御力・トルクai を、目標制御力・トルクbに代入す
る。次にステップST73において、スラスタ行列Aに
おいて#iのスラスタに対応する要素ai を、図14に
示すようにすべて0に置き換えて行列Ai を作る。この
操作は#iのスラスタが故障したとき制御力・トルクを
発生できないことに対応する。
スタと同じ制御力・トルクを合力として生成するような
他のスラスタの組み合わせの中で、最も合計噴射量の小
さい解μi を線形計画法により求める。次にステップS
T75において、請求項9に記載した発明に係る置換・
相殺噴射パターンと同じデータ形式にするために、符号
を反転し、μi のi番目の要素に1を代入する。次にス
テップST76でiをインクリメントして次のスラスタ
18に移る。ステップST77では、すべてのスラスタ
18について故障時の置換噴射パターンを求めたかどう
か判定し、i≦nの場合にはステップST72に戻り、
i>nの場合にはステップST78に進む。
長本数を定める指標として2つのパラメータを算出す
る。すなわち、「合計噴射量の増分」と「置き換えに必
要なスラスタ本数」である。この合計噴射量の増分はμ
i (j)のjを1からnまで合算した値として、また置
き換えに必要なスラスタ本数はμi (j)>0を満たす
1〜nの中のjの個数として与えられる。次にステップ
ST79では、ステップST78で求めた指標の大きい
順に冗長本数を優先的に割り当てて、その後ステップS
T80で一連の処理を終了する。
プST78で得られる難しさがスラスタ18によってば
らつきが少ないことを、スラスタ18の配置の良否の判
断指標に用いる方法がある。
よれば、位置目標値と位置検出器の偏差から位置制御系
を構成し、同様に姿勢目標値と姿勢検出器の偏差から姿
勢制御系を構成し、両者の操作量のダイナミクス上の干
渉を非干渉化演算により取り除き、さらに目標値および
検出器出力からフィードフォワード演算により、目標値
のもつ加速度分やダイナミクス上発生する慣性力を補償
するように構成したので、位置制御系の制御量が質量中
心位置でなくても位置制御系と姿勢制御系を独立に構成
することができ、位置制御系の制御量を選ぶ自由度が増
すとともに制御量に対する検出器誤差の影響も少なくす
ることができるという効果がある。
らにフィードフォワード演算によって、ダイナミクス上
の慣性力をあらかじめ補償するように構成したので、目
標値に対する追従特性など制御系の特性を向上させるこ
とができるという効果がある。
置検出器に宇宙機とターゲットとの間の距離(レンジ)
および宇宙機がターゲットを見込む角(LOS角)を検
出するセンサを用い、姿勢検出器に宇宙機の慣性空間に
対する姿勢を検出するセンサを用い、宇宙機とターゲッ
トとの間のレンジおよびLOS角と宇宙機の慣性空間に
おける姿勢とを独立に制御するように構成したので、宇
宙機が慣性空間に対する姿勢を一定に保ちながら、ター
ゲットの方を向いてターゲットに接近するような制御を
精度よく実行できるという効果がある。
ラスタ制御方法におけるスラスタ選択問題において相殺
・置換噴射パターンをマッチングさせて合計噴射量を減
少する方向にデューティー比ベクトルxを修正するよう
に構成したので、比較的少ない計算量で効率的なスラス
タ分配を実現できる効果がある。
ラスタ制御方法におけるスラスタ選択の相殺・置換噴射
パターンを符号で区別しかつ適切なスケーリングを行う
ように構成したので、デューティー比ベクトルとxとパ
ターンのマッチングが容易になる効果がある。
ラスタ制御方法におけるスラスタ選択則に、スラスタ故
障時の置換噴射ロジックを適用するように構成したの
で、ソフトウェアでスラスタの機能冗長性を確保しかつ
合計噴射量の増加を最低限に抑えることができる効果が
ある。
ラスタ制御方法におけるスラスタ選択問題において6軸
成分を同時に解くのではなく3軸成分+3軸成分に分け
て解くように構成したので、オンボードで線形計画法を
実行することが可能となり、その結果として合計噴射量
が小さいという意味でほぼ最適な解が得られる効果があ
る。
ラスタ制御方法におけるスラスタ選択則に、正常時のル
ックアップテーブルの他にスラスタ故障時対応のテーブ
ルも用意するように構成したので、スラスタ故障時にも
故障していないスラスタを用いて所望の合力・合トルク
が少量の計算で容易に得られる効果がある。
のスラスタで置き換えることの難しいスラスタに優先的
に冗長本数を割り当てるように構成したので、スラスタ
の冗長性を確保しながら配備するスラスタの総重量を減
らすことができる効果がある。
を示すブロック図である。
を示すブロック図である。
を示すブロック図である。
を示すブロック図である。
の処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。
の処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。
を示す構成図である。
明図である。
ターンのマッチングのアルゴリズムを示すフローチャー
トである。
パターンの抽出のアルゴリズムを示すフローチャートで
ある。
射パターンのマッチングのアルゴリズムを示すフローチ
ャートである。
部におけるスラスタ選択則を示す説明図である。
噴射パターンの抽出のアルゴリズムを示すフローチャー
トである。
示す説明図である。
部におけるスラスタ選択則を示す説明図である。
行列Aの分割を示す説明図である。
部におけるスラスタ選択則を示す説明図である。
行列Aの分割を示す説明図である。
部が内蔵する噴射パターンデータベースを示す説明図で
ある。
データベースのルックアップテーブルの抽出方法を示す
説明図である。
部におけるスラスタ選択則を示す説明図である。
配置のアルゴリズムを示すフローチャートである。
である。
る。
態を示す説明図である。
部、4 位置制御演算部、5 姿勢検出器、6 姿勢目
標値発生部、7 姿勢制御演算部、8 非干渉化演算
部、9 フィードフォワード演算部、10 カメラタイ
プのセンサ(近傍センサ)、11 ジャイロ、12 推
定器、13 姿勢推定器、16 スラスタ選択部、17
スラスタモジュレータ、18 スラスタ、19 宇宙
機ダイナミクス。
Claims (9)
- 【請求項1】 位置と姿勢の6自由度を制御される宇宙
機の位置を検出する位置検出器と、前記宇宙機の位置の
目標値を発生する位置目標値発生部と、前記位置検出器
と位置目標値発生部の出力の偏差に基づいて、前記宇宙
機の位置を制御する演算を行う位置制御演算部と、前記
宇宙機の姿勢を検出する姿勢検出器と、前記宇宙機の姿
勢の目標値を発生する姿勢目標値発生部と、前記姿勢検
出器と姿勢目標値発生部の出力の偏差に基づいて、前記
宇宙機の姿勢を制御する演算を行う姿勢制御演算部と、
前記位置制御演算部および姿勢制御演算部の演算結果よ
りダイナミクス上の干渉を取り除く非干渉化演算部とを
備えた宇宙機の制御装置。 - 【請求項2】 前記位置検出器、位置目標値発生部、姿
勢検出器および姿勢目標値発生部の出力に基づいて、前
記宇宙機の位置と姿勢の目標値の加速度およびダイナミ
クス上の慣性力をあらかじめ補償するフィードフォワー
ド演算部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の宇
宙機の制御装置。 - 【請求項3】 前記位置検出器が、前記宇宙機とターゲ
ットとの距離および前記宇宙機がターゲットを見込む角
を検出するものであり、前記姿勢検出器が、前記宇宙機
の慣性空間における姿勢を検出するものであることを特
徴とする請求項1または2に記載の宇宙機の制御装置。 - 【請求項4】 制御演算によって求められた制御力・ト
ルクを生成するために、宇宙機に設けられている位置・
姿勢制御用のスラスタの選択、および噴射量の分配を行
って、その駆動を行うスラスタ制御方法において、まず
前記スラスタの選択と噴射量の分配をルックアップテー
ブルに基づいて行い、次に前記選択された各スラスタの
噴射による合力および合トルクが0となるような相殺噴
射パターンを取り除く相殺噴射ロジックや、同じ合力お
よび合トルクを生成するが合計噴射量が少なくて済むス
ラスタの噴射組合せに置き換える置換噴射ロジックを適
用して、より効率的な前記スラスタの噴射分配を行うこ
とを特徴とするスラスタ制御方法。 - 【請求項5】 前記相殺噴射ロジックおよび置換噴射ロ
ジックを適用する際に、マッチングする相殺噴射パター
ンと置換噴射パターンの成分について、互いに反対の符
号で記述するとともに、前記符号に基づいて適切なスケ
ーリングを施すことを特徴とする請求項4に記載のスラ
スタ制御方法。 - 【請求項6】 前記置換噴射ロジックにおいて、生成す
る合力・合トルクが等しいという意味で各スラスタを他
の残りのスラスタで置き換える、故障時置換噴射パター
ンを作成しておき、スラスタの故障時には前記故障時置
換噴射パターンに従って、故障したスラスタを正常なス
ラスタに置き換えることを特徴とする請求項4に記載の
スラスタ制御方法。 - 【請求項7】 制御演算によって求められた制御力・ト
ルクを生成するために、宇宙機に設けられている位置・
姿勢制御用のスラスタの選択、および噴射量の分配を行
って、その駆動を行うスラスタ制御方法において、生成
すべき前記制御力・トルクを表す6軸成分を3軸成分と
3軸成分に分割して、オンボードで線形計画法を用いて
前記スラスタの噴射配分を求めることを特徴とするスラ
スタ制御方法。 - 【請求項8】 前記スラスタの選択および噴射量の分配
のためのルックアップテーブルの他に、スラスタ故障時
対応のルックアップテーブルも用意し、前記スラスタの
故障時には前記スラスタ故障時対応のルックアップテー
ブルを参照し、正常なスラスタを用いて所望の合力・合
トルクを得ることを特徴とする請求項4に記載のスラス
タ制御方法。 - 【請求項9】 制御演算によって求められた制御力・ト
ルクを生成するために、宇宙機に設けられている位置・
姿勢制御用のスラスタの選択、および噴射量の分配を行
って、その駆動を行うスラスタ制御方法において、前記
各スラスタについて、他の残りのスラスタと置き換える
場合の合計噴射量を算出し、その度合の大きいスラスタ
について優先的に冗長本数を割り当てることを特徴とす
るスラスタ制御方法。
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JP17709893A JP3390492B2 (ja) | 1993-07-16 | 1993-07-16 | 宇宙機の制御装置、およびそのスラスタ制御方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP17709893A JP3390492B2 (ja) | 1993-07-16 | 1993-07-16 | 宇宙機の制御装置、およびそのスラスタ制御方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0733095A JPH0733095A (ja) | 1995-02-03 |
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JP17709893A Expired - Fee Related JP3390492B2 (ja) | 1993-07-16 | 1993-07-16 | 宇宙機の制御装置、およびそのスラスタ制御方法 |
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