JP3387883B2 - 画像処理装置、および画像処理方法 - Google Patents

画像処理装置、および画像処理方法

Info

Publication number
JP3387883B2
JP3387883B2 JP2000065405A JP2000065405A JP3387883B2 JP 3387883 B2 JP3387883 B2 JP 3387883B2 JP 2000065405 A JP2000065405 A JP 2000065405A JP 2000065405 A JP2000065405 A JP 2000065405A JP 3387883 B2 JP3387883 B2 JP 3387883B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
image data
unit
image
image processing
change information
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000065405A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000333131A (ja
Inventor
勉 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2000065405A priority Critical patent/JP3387883B2/ja
Publication of JP2000333131A publication Critical patent/JP2000333131A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3387883B2 publication Critical patent/JP3387883B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Controls And Circuits For Display Device (AREA)
  • Television Signal Processing For Recording (AREA)
  • Compression Or Coding Systems Of Tv Signals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像処理装置、およ
び画像処理方法に関し、特に、画像データと、当該画像
データの時間的変化を示す情報である変化情報とを入力
して、表示用画像データを生成する画像処理装置、およ
び画像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】画像をデジタル化してデジタル画像デー
タを得る技術は、放送、テレビ電話、テレビ会議、及び
コンピュータネットワークシステム等における画像デー
タの表示や伝送等のために重要な技術である。そして、
デジタル画像データの蓄積については、DVD等の大容
量の蓄積媒体が普及しつつあり、これらの媒体には、M
PEG1やMPEG2等に従って圧縮処理をされた符号
化動画像データが蓄積されることが一般的である。
【0003】このような媒体に蓄積されたデータは、例
えば媒体がDVDであればDVDプレーヤを含む再生装
置において再生され、利用されるものとなる。そして、
ネットワークシステム等において伝送されるデータを用
いた再生の場合、元の動画像と同様の画像を表示等する
通常再生が専ら行われるのと比較して、かかる再生装置
における再生の場合には、利用者の便宜のため種々の特
殊再生機能を有するものとなっていることが多い。特殊
再生機能としては、元の動画像とは時系列的に逆方向に
再生する逆再生、元の動画像の動きよりも高速な動きの
ものとして再生する高速再生、高速かつ逆方向の再生を
行う高速逆再生等がある。
【0004】例えばDVDプレーヤを含む再生装置にお
いて、DVDに蓄積された圧縮符号化データを再生する
場合、通常再生を行う場合には、圧縮符号化データを逐
次伸長復号化処理して出力(表示等)するものとなる。
これに対して高速再生を行う場合には、データの一部の
みを出力(表示等)することで、高速な表示等を行うこ
とが一般的である。圧縮符号化された動画像データは、
一般的に一画面、すなわち1フレームを単位として処理
されているものとなるので、通常再生であれば各フレー
ムを逐次処理し表示等するのに対して、高速再生であれ
ば、一部のフレームを間引きするコマ(フレーム)落と
し処理がされることとなる。例えば毎秒25フレームか
ら構成される画像データに対して、25フレーム中1フ
レームのみを処理して出力するものとすれば、25倍速
の再生が行われるものとなる。
【0005】図15は、フレームを単位とする動画像デ
ータに対しての通常再生と高速再生とを説明するための
図である。図示するF1からF13までは、通常再生の
出力画像に含まれるフレームごとの画像であって、これ
らは時系列に従ってこの順に再生されるべきものとなっ
ている。再生装置においてこのデータを通常再生する場
合には、F1からF13までのデータが、NTSCやP
AL等のテレビ信号規格に応じた周期により順に出力さ
れる。
【0006】これに対して、図示する矢印は4倍速の高
速再生の際のフレーム出力順を示すものである。この場
合、F1フレームが出力された後にF5フレームが、次
いで、F9、F13フレームが出力されるものとなり、
4フレームのうち1フレームのみが出力されることで4
倍速の高速再生が行われるものである。
【0007】なお、逆再生の場合時系列と逆順にF13
からF1の順に従って、順次再生が行われるものであ
り、高速逆再生であれば、時系列と逆順にF13、F
9、F5、F1とやはり4フレームのうち1フレームが
出力されることで、4倍速の高速逆再生が行われるもの
となる。
【0008】このような特殊再生機能は、前述のように
再生装置においては一般的なものであるが、画像データ
を伝送する場合にも、低ビットレートでの伝送が必要と
なる場合などにおいては、上記の高速再生と同様にフレ
ームを間引きして出力するデータを伝送することも行わ
れている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術による画像
処理装置においては、上記のようにフレームを間引きし
て出力(表示、伝送等)することで、高速再生を可能と
するものである。しかし、このような処理による場合間
引きの対象となるフレームについては、全く出力の対象
とならないことから、当該間引きの対象となったフレー
ムが有する、動画像の動きについての情報が完全に失わ
れることとなる点が問題となっていた。
【0010】例えば、図15に示す画像データのフレー
ムF2からF7において、ある物体が右から左への動き
を有していたものとする。この画像データに対して、上
述の4倍速の高速再生を行った場合、フレームF5のみ
により伝達される情報によっては、物体の右から左への
動きは全く伝えられることがないものとなる。従って、
高速再生の表示結果を利用する使用者においては、当該
物体がいかなる動きをしていたものか、あるいは動かず
に止まっていたのかについての知見を得ることはできな
い。
【0011】また、従来の技術による画像処理装置にお
いて、フレームを間引きすることにより高速再生を行う
場合には、出力されるフレームが不連続なものとなるこ
とから、使用者にとって違和感のある表示しか得られな
いものとなる点が問題となっていた。
【0012】さらに、従来の技術による画像処理装置に
おいて、フレームを間引きすることにより高速再生を行
う場合には、使用者が表示結果のみからは、通常再生が
行われているか高速再生が行われているかについて、容
易に知見を得ることができない点が問題となっていた。
すなわち、間引きの程度が小さい(比較的低速)場合の
みならず、間引きの程度が大きい(高速)の場合にも、
上述のような違和感のある表示であるにもかかわらず、
それが高速再生であるのか、特殊効果等を奏するような
動画像等が通常再生されているのかを容易に知ることが
できないものとなっていた。そして、低ビットレートで
の伝送に際して、前述のようにフレームを間引きしたデ
ータが伝送される場合にも、伝送先において表示等され
利用される際に同様の現象が生じる点が問題となってい
た。
【0013】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
であり、高速再生を行う場合にも、本来の画像が有する
動きの情報を伝達することが可能な画像処理装置、およ
び画像処理方法を提供することを目的とする。また、本
発明は、高速再生を行う場合にも、不連続な表示による
違和感が少ない良好な表示を行うことが可能な画像処理
装置、および画像処理方法を提供することを目的とす
る。
【0014】また、本発明は、高速再生が行われている
か否かを、表示画面等により容易に知ることが可能な画
像処理装置、および画像処理方法を提供することを目的
とする。また、本発明は、高速再生の場合と同様にフレ
ームを間引きしたデータを伝送する際においても、動き
の情報を伝達し、違和感がなく、しかも、再生状態につ
いて容易に知ることが可能な画像処理装置、および画像
処理方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1にかかる画像処理装置は、画像デ
ータと、当該画像データの時間的変化を示す情報である
変化情報とを入力して、表示用画像データを生成する画
像処理装置であって、予め、単位画像データ毎に付され
た上記変化情報を用いて当該単位画像データを構成する
画素の重み付け加算処理を行ない、表示用画像データを
生成する動き生成部を備えるものである。
【0016】また、請求項2にかかる画像処理装置は、
画像データと、当該画像データの時間的変化を示す情報
である変化情報とを入力して、表示用画像データを生成
する画像処理装置であって、複数の、予め単位画像デー
タ毎に付された上記変化情報に基づいて、当該単位画像
データより小さい単位である処理単位画像データに対応
する変化情報を生成し、上記生成した処理単位画像デー
タに対応する変化情報を用いて当該処理単位画像データ
を構成する画素の重み付け加算処理を行ない、表示用画
像データを生成する動き生成部を備えるものである。
【0017】また、請求項3にかかる画像処理装置は、
請求項1に記載の画像処理装置であって、上記動き生成
部は、上記変化情報から各画素毎に移動量及び重み係数
を決定する移動量重み係数決定部と、上記移動量に基づ
いて処理対象とする画素を決定する処理対象画素決定部
と、上記重み係数を用いて上記処理対象となる画素の画
素データを重み付け加算処理する重み付け加算部とを備
えるものである。
【0018】また、請求項4にかかる画像処理装置は、
請求項2に記載の画像処理装置であって、上記動き生成
部は、単位画像データ毎に付された複数の変化情報に基
づいて、当該単位画像データより小さい単位である処理
単位画像データに対応する変化情報を生成する動きベク
トル補間部と、上記処理単位画像データに対応する変化
情報から各画素毎に移動量及び重み係数を決定する移動
量重み係数決定部と、上記移動量に基づいて処理対象と
する画素を決定する処理対象画素決定部と、上記重み係
数を用いて上記処理対象となる画素の画素データを重み
付け加算処理する重み付け加算部とを備えるものであ
る。
【0019】また、請求項5にかかる画像処理装置は、
請求項1、又は請求項2に記載の画像処理装置であっ
て、上記動き生成部は、変化情報の時間的変化を示す変
化情報遷移情報を取得し、該取得した変化情報遷移情報
に基づいて、画像データを構成する画素の重み付け加算
処理を行ない、表示用画像データを生成するものであ
る。
【0020】また、請求項6にかかる画像処理装置は、
請求項3、又は請求項4に記載の画像処理装置であっ
て、上記移動量重み係数決定部は、入力された変化情報
を格納する変化情報格納部を備え、上記変化情報格納部
に格納された時間が異なる複数の変化情報に基づいて各
画素毎に移動量及び重み係数を決定するものである。
【0021】また、請求項7にかかる画像処理装置は、
請求項1、又は請求項2に記載の画像処理装置であっ
て、上記表示用画像データの表示状態を指示する再生情
報を入力する再生情報入力部をさらに備え、上記動き生
成部は、上記再生情報を用いて表示画像データを生成す
るものである。
【0022】また、請求項8にかかる画像処理装置は、
請求項1、又は請求項2に記載の画像処理装置であっ
て、入力とする変化情報と閾値とを比較し、当該比較結
果に基づいて第2の変化情報を生成する閾値判定処理部
さらに備え、上記動き生成部は、上記第2の変化情報
を用いて表示用画像データを生成するものである。
【0023】また、請求項9にかかる画像処理装置は、
請求項1、又は請求項2に記載の画像処理装置であっ
て、入力とする変化情報の値に予め定める係数を乗じて
第2の変化情報を生成する動きベクトル処理部をさらに
備え、上記動き生成部は、上記第2の変化情報を用いて
表示用画像データを生成するものである。
【0024】また、請求項10にかかる画像処理装置
は、請求項1、又は請求項2に記載の画像処理装置であ
って、処理対象となる画像データの領域を判定する領域
判定部をさらに備えるものである。
【0025】また、請求項11にかかる画像処理方法
は、画像データと、当該画像データの時間的変化を示す
情報である変化情報とを入力して、表示用画像データを
生成する画像処理方法であって、予め、単位画像データ
毎に付された上記変化情報を用いて、当該単位データを
構成する画素の重み付け加算処理を行ない、表示用画像
データを生成するものである。
【0026】また、請求項12にかかる画像処理方法
は、画像データと、当該画像データの時間的変化を示す
情報である変化情報とを入力して、表示用画像データを
生成する画像処理方法であって、複数の、予め単位画像
データ毎に付された上記変化情報に基づいて、当該単位
画像データより小さい単位である処理単位画像データに
対応する変化情報を生成し、上記生成した処理単位画像
データに対応する変化情報を用いて、当該処理単位画像
データを構成する画素の重み付け加算処理を行ない、
示用画像データを生成するものである。
【0027】また、請求項13にかかる画像処理方法
は、請求項11、又は請求項12に記載の画像処理方法
であって、変化情報の時間的変化を示す変化情報遷移情
報を取得し、該取得した変化情報遷移情報に基づいて、
画像データを構成する画素の重み付け加算処理を行な
い、表示用画像データを生成するものである。
【0028】また、請求項14にかかる画像処理方法
は、請求項11、又は請求項12に記載の画像処理方法
であって、上記表示用画像データの表示状態を指示する
再生情報を入力し、上記再生情報を用いて表示用画像デ
ータを生成するものである。
【0029】また、請求項15にかかる画像処理方法
は、請求項11、又は請求項12に記載の画像処理方法
であって、入力とする変化情報と閾値とを比較し、当該
比較結果に基づいて生成した第2の変化情報を用いて表
示用画像データを生成するものである。
【0030】また、請求項16にかかる画像処理方法
は、請求項11、又は請求項12に記載の画像処理方法
であって、入力とする変化情報の値に予め定める係数を
乗じて生成した第2の変化情報を用いて表示用画像デー
タを生成するものである。
【0031】また、請求項17にかかる画像処理方法
は、請求項11、又は請求項12に記載の画像処理方法
であって、処理対象とする画像データの領域を判定し、
当該判定結果を用いて表示用画像データを生成するもの
である。
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
【発明の実施の形態】実施の形態1.本発明の実施の形
態1による画像処理装置は、マクロブロックごとの動き
ベクトルに基づいて動き情報を生成し、画像データに付
与するものである。図1は、本発明の実施の形態1によ
る画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。図
示するように、本実施の形態1の画像処理装置は、画像
伸長部101、第1フレームメモリ102、動き生成部
103、及び第2フレームメモリ104を備えており、
当該画像処理装置の装置入力として、DVD等の蓄積媒
体より圧縮符号化されたデジタル動画像データを入力
し、当該画像処理装置の装置出力として表示データを表
示用モニタ等に出力する。また、当該画像処理装置の装
置の入出力は、ネットワーク等により伝送されるものと
することもできる。
【0036】画像伸長部101は、装置入力である符号
化画像データに対して、圧縮符号化処理の逆処理である
伸長復号化処理を行うことにより、伸長画像データを生
成する。第1フレームメモリ102は、画像伸長部10
1が生成した伸長画像データを格納する。第1フレーム
メモリ102としては、DRAMメモリ等の記憶媒体を
用いることができる。
【0037】動き生成部103は、第1フレームメモリ
102に格納された伸長画像データに対し、画像の動き
を伝達する情報(以下、動き情報と称する。)を付与す
る動き生成・付与処理を行い動き情報付き画像データを
生成する。第2フレームメモリ104は、動き生成部1
03による動き生成・付与処理を行うための作業領域と
して用いられる一時記憶媒体であり、また、動き生成部
103が生成した動き情報付き画像データを表示用画像
データとして格納する。第2フレームメモリ104とし
ては、第1フレームメモリ102と同様にDRAMメモ
リ等の記憶媒体を用いることができる。
【0038】なお、本実施の形態1の画像処理装置で
は、画像データを構成する単位画像データであるマクロ
ブロック(後述する)ごとに付された動きベクトルを用
いて、当該マクロブロックを構成する画素の重み付け加
算処理を行なうものである。
【0039】図2は、図1に示す動き生成部103の内
部構成を示すブロック図である。図示するように動き生
成部103は、移動量重み係数決定部201と、処理対
象画素決定部205として機能する第1アドレス生成部
202および第2アドレス生成部203と、重み付け加
算部204とを備えており、重み付け加算部204は、
第1の乗算器210、第2の乗算器211、第3の乗算
器212、第4の乗算器213、および加算器214を
備えている。
【0040】動き生成部103には、画像伸長部101
(図1)から変化情報である動きベクトル(X,Y)、
およびこの動きベクトルに対応したマクロブロック識別
データが入力される。
【0041】移動量重み係数決定部201は、動きベク
トルを入力し、これに基づいて、伸長画像データに含ま
れる処理対象となる画素ごとに、動き生成処理に用いる
移動量(dx,dy)と、重み係数(w0〜w3)とを
生成する。第1アドレス生成部202は、マクロブロッ
ク識別データを入力し、これに基づいて画像データを第
2フレームメモリ104に格納する際の、画素ごとの格
納アドレス(adr)を生成する。第2アドレス生成部
203は、第1アドレス生成部202が生成した格納ア
ドレスと、移動量重み係数決定部201が生成した移動
量(dx,dy)とを入力し、これらに基づいて画像デ
ータを第1フレームメモリ102から読み出す際の、4
つの画素の格納アドレス(adr0〜adr3)を生成
する。
【0042】重み付け加算部204は、移動量重み係数
決定部201が生成した重み係数(w0〜w3)を入力
し、第2アドレス生成部203が生成したアドレスを用
いて第1フレームメモリ102から読み出した4つの画
素の画素データ(pixel0からpixel3)に対
しての重み付け加算処理を行う。重み付け加算処理は重
み付け加算部204が備える第1から第4の乗算器21
0〜213による、画素データに対して重み量を乗算処
理する重み付け処理と、これら乗算処理により得られる
4つの重み付け結果に対する加算器214における加算
処理とからなるものである。
【0043】図3から図7は、本実施の形態1の画像処
理装置における処理を説明するための図である。以下
に、図1、および図2を参照しつつ、図3から図7を用
いて、本実施の形態1の画像処理装置が、蓄積媒体等か
ら入力した画像データを処理する際の動作を説明する。
【0044】本実施の形態1の画像処理装置が備える画
像伸長部101に、蓄積媒体から符号化画像データが入
力される。ここで符号化画像データは、一般的な圧縮符
号化規格であるMPEG1やMPEG2に従って符号化
されているものとする。このような符号化においては、
複数の画素を含むマクロブロックを処理単位として圧縮
符号化処理が行われるものであり、デジタル画像データ
の1フレーム(一画面)内における相関関係、すなわち
空間的相関関係に基づくフレーム内符号化処理を行うと
ともに、デジタル画像データの、時系列的に近接するフ
レーム間における相関関係、すなわち時間的相関関係に
基づくフレーム間符号化処理を行うことで、高い圧縮率
が得られるものとなる。
【0045】すなわち、フレーム内処理においては画素
そのものが処理対象となるのに比較して、フレーム間処
理においては、処理対象とするマクロブロック(単位画
素領域)につき、時系列的に近接するフレーム間におい
てどれだけの動きがあったかを検出し、動きを示す動き
ベクトルを生成することで、高い圧縮率を実現するもの
である。
【0046】一般的な圧縮符号化の処理手順に従って、
ここでは1つのマクロブロックは6個の画素ブロック
(8×8画素等、一定の画素で構成される。)からなる
ものであり、マクロブロックを構成する6個の画素ブロ
ックのうち4つが輝度信号を、2つが色差信号を示すも
のである。以下に、図3を用いて、本実施の形態1の画
像処理装置における処理対象の輝度信号についてのみ説
明するが、色差信号についても同様の処理が行われるも
のとなる。
【0047】図3は、本実施の形態1の画像処理装置に
おいて、第1フレームメモリ102に格納されることと
なる伸長画像データと、動きベクトルとを説明するため
の図である。なお、ここでの動きベクトルは、順方向に
再生する場合に動くことが予想されている方向を示すも
のである。以下も断りがない限り同様とする。
【0048】同図は、第1フレームメモリ102に格納
された伸長画像データの一部を示す概念図であり、ここ
では、第1〜第4の4つのマクロブロック301〜30
4が格納されていることを示している。各マクロブロッ
クは16×16画素の構成を有するものとする。
【0049】これらのマクロブロックは時系列的に近接
するマクロブロックとの間において検出された動きベク
トルが付加されているものであり、同図に示す311〜
314は、第1〜第4のマクロブロック301〜304
にそれぞれ付加された動きベクトルを示すものである。
第1〜第4のマクロブロック301〜304に付加され
た動きベクトル311〜314は、本実施の形態1にお
いて、画像伸長部101(図1)による伸長処理の際に
抽出され、画像伸長部101から動き生成部103が備
える移動量重み係数決定部201(図2)に入力され
る。
【0050】ここで、図3に示す311〜314は、便
宜上各マクロブロック301〜304の中心から、動き
の方向を示すベクトルとなっている。又、これら動きベ
クトル311〜314は再生時間方向に対するものであ
るため、各マクロブロック301〜304は、時間の経
過に伴い各動きベクトル311〜314の方向に動きを
示すものと予想されることとなる。
【0051】図1に示す動き生成部103は、図3に示
すマクロブロック301〜304(第1フレームメモリ
102に格納されている)を対象として、同図に示す動
きベクトル311〜314に基づいて、各マクロブロッ
クに含まれる画素に対する重み付け加算処理を行い、第
2フレームメモリ104(図1)に格納する。
【0052】図4は、動き生成部103における、重み
付け加算処理において処理に用いる画素の決定方法を説
明するための図である。図示するマクロブロック301
と、動きベクトル311とは、図3と同等のものであ
り、マクロブロック301は動きベクトル311によっ
て示される方向に動くものと予想される。図4に示す4
01は基準画素であり、402〜404は第1〜第3の
移動画素である。基準画素401は、重み付け加算処理
の処理対象となる画素であり、マクロブロック301の
領域の任意の画素を選択することができる。また、基準
画素の位置は座標位置(x0,y0) で示されるものであり、
この座標位置は後述するように第1アドレス生成部20
2が生成するアドレスによって指定される。
【0053】図2を用いて説明したように、動き生成部
103においては、移動量重み係数決定部201が、動
きベクトル(X,Y) を用いて、移動画素の決定に用いられ
る移動量(dx,dy) を生成する。本実施の形態1における
移動量重み係数決定部201は、任意の数k を用いて、 (dx,dy) = (X,Y) * k として生成するものである。図2に示すように、移動量
重み係数決定部201が生成した移動量は第2アドレス
生成部203に出力される。
【0054】一方、やはり図2に示すように、画像伸長
部101から、動きベクトルに対応したマクロブロック
識別データが第1アドレス生成部202に対して入力さ
れ、第1アドレス生成部202では、このマクロブロッ
ク識別データに基づいて、基準画素401の第1フレー
ムメモリ102における格納位置を示す基準画素の格納
アドレス(adr)が生成され、格納アドレスは第2ア
ドレス生成部203に出力されるとともに、第2フレー
ムメモリ104における格納位置の指定に用いられるも
のとなる。
【0055】第2アドレス生成部203においては、第
1アドレス生成部202から入力された基準画素の格納
アドレス(adr)と、移動量重み係数決定部201か
ら入力される移動量とによって、第1〜第3の移動画素
の格納位置を指定する3つの画素の格納アドレス(ad
r1〜adr3)を生成する。これらと基準画素の格納
位置を示すadr0(adrと同じ)は、処理に用いる
4つの画素の格納位置を示す格納アドレス(adr)と
なる。
【0056】動き生成部103における移動画素の決定
は、以下のようにして図4に示すように行われる。ま
ず、第1の移動画素402は、基準画素401の座標位
置を元にして、移動量により示される分だけ動いた位置
の画素として決定される。すなわち、基準画素401の
座標位置(x0,y0) と、移動量(dx,dy) とから、第1の移
動画素402の座標位置は、 (x1,y1) = (x0,y0) + (dx,dy) * 1 として決定される。同様にして、移動量(dx,dy) を用い
て、第2、および第3の移動画素403、および404
は、座標位置をそれぞれ(x2,y2) 、(x3,y3) として、 (x2,y2) = (x0,y0) + (dx,dy) * 2 (x3,y3) = (x0,y0) + (dx,dy) * 3 として決定される。
【0057】図2に示す第2アドレス生成部203によ
り生成された4つの格納アドレスadr0〜adr3
は、それぞれ(x0,y0),(x1,y1),(x2,y2),(x3,y3)とな
る。図1において動き生成部103は、第1フレームメ
モリ102に格納された伸長画像データより、これらの
アドレスで指定される格納位置をアクセスし、4つの画
素の画素値(pixel0〜pixel3)が取得さ
れ、これらは図2に示すように重み付け加算部204に
入力される。なお、図4に示すように第3の移動画素4
04は、当該マクロブロックの領域外に存在するものと
なるので、このような場合には他のマクロブロックから
該当する画素の画素値が取得される。
【0058】図2に示すように、動き生成部103にお
いては、移動量重み係数決定部201が、処理に用いる
各画素データの貢献度を示す重み係数(w0〜w3)を
決定し、これを重み付け加算部204に出力する。ここ
では、移動量重み係数決定部201が、基準画素401
(図4)、および第1〜第3の移動画素402〜404
に対しての重み係数w0〜w3として、1/2、1/
4、1/8、1/8を生成して出力するものである。こ
こで重み係数w0〜w3は、それぞれの画素の画素値
(各画素の輝度を示す)に乗算されることにより重みを
与えるものとなるのであり、本実施の形態1ではこれら
の総和を1とすることにより、処理によって画像の輝度
が変化することを防止するものである。
【0059】図2に示す重み付け加算部204において
は、その内包する第1〜第4の乗算器210〜213に
それぞれ、基準画素401(図4)、および第1〜第3
の移動画素402〜404に対しての重み係数w0〜w
3が入力される。又、第1〜第4の乗算器210〜21
3にはそれぞれ、基準画素401、および第1〜第3の
移動画素402〜404の画素値pixel0〜pix
el3が入力され、第1〜第4の乗算器210〜213
は、それぞれ、入力された重み係数と画素値とを乗算処
理し、得られた乗算結果を加算器214に出力する。加
算器214では、4つの乗算結果が加算処理され、動き
生成・付与処理がされた画素値(pixel)が生成さ
れて第2フレームメモリ104(図1)に出力される。
【0060】前述のように、動き生成部103の第1ア
ドレス生成部202(図2)で生成されたアドレス(a
dr)は、第2フレームメモリ104における格納位置
の指定にも用いられるので、この格納位置(adr)、
すなわち第1フレームメモリにおける基準画素401
(図4)の格納位置に相当する格納位置に、処理された
画素値(pixel)が格納されることとなる。
【0061】図3に示すマクロブロック301に含まれ
る全ての画素を基準画素として、以上の処理が行われる
ことにより、当該マクロブロック301に含まれる全て
の画素に相当する処理済みの画素が第2フレームメモリ
104(図1)に格納されることとなる。さらに、図3
に示す他のマクロブロック302等に対しても同様の処
理が行われ、第1フレームメモリ102に格納された全
ての画像データに対応する動き生成・付与処理のされた
データが第2フレームメモリ104に格納されることと
なる。第2フレームメモリ104に格納された画像デー
タは、当該画像処理装置の装置出力として表示等される
ものとなり、当該画像処理装置に対して蓄積媒体等から
後続の装置入力があれば、画像伸長部101の処理以降
が繰り返されるものとなる。
【0062】図5は、以上のように行われる本実施の形
態1の画像処理装置における動き生成・付与処理を説明
するための図、図6は、かかる処理による効果を示す概
念図である。これらを用いて、本実施の形態1における
動き生成・付与処理についてさらに説明する。
【0063】図5は重み付け加算処理の説明を単純化す
るため、図4に示す座標位置(二次元で示される)を一
次元の水平座標として示し、垂直座標に画素値を示すも
のである。同図(a) は、重み付け加算処理前の状態を示
し、座標位置520を有する処理対象画素(図4の基準
画素401に相当する。)が、画素値pvを有するもの
となっている。また、座標位置521〜523を有する
画素(図4の移動画素402〜404に相当する。)
は、いずれも画素値が0となっている。又、図中のベク
トル501は、図3、および図4の動きベクトル311
に相当するものであり、動きの方向を一次元的に示すベ
クトルである。
【0064】図5(b) は、図2に示す重み係数w0〜w
3を示すものである。図において、水平座標は同図(a)
と同様の一次元の座標位置を示すものであり、垂直座標
は重み係数の値を示すものである。図示するように、座
標位置520(図4の基準画素401に相当する。)、
および521〜523(図4の移動画素402〜404
に相当する。)を有する画素は、それぞれ重み係数が1
/2、1/4、1/8、1/8となっている。
【0065】重み付け加算処理は、図5(a) に示す座標
位置520〜523の画素の画素値に対して、同図(b)
に示す座標位置520〜523に対する重み係数をそれ
ぞれ乗算し、それら乗算結果の総和が、処理済みの画素
値となるものである。このような処理を図5(a) の水平
座標により示される全ての画素に対して、同図(b) の重
み係数を用いて実行することで本実施の形態1における
動き生成・付与処理は行われる。
【0066】また、図中の画素551や552の処理に
あたって、画素520が移動画素として用いられた場合
には、画素520が有する画素値pvに設定された重み
付けがされて用いられることとなる。例えば画素551
と552とがともに画素値0を有するものであり、画素
520以外の移動画素521〜523も画素値が0であ
った場合、画素551を基準画素とした処理において、
画素520が第2移動画素として用いられたならば、画
素551は画素値pv/4となり、画素552を基準画
素とした処理において画素520が第1移動画素として
用いられたならば、画素552は画素値pv/2とな
る。
【0067】図5(c) および同図(d) は、かかる動き生
成・付与処理の結果を示す図である。これらの図では、
同図(a) と同様に、水平座標は一次元の座標位置を、垂
直座標は画素値を示すものである。同図(c) において
は、750で示す狭い領域にのみ画素値を有する画素が
存在する状態を示しており、751は同図(a) と同様に
動きの方向を示すベクトルである。この状態に対して、
重み付け加算処理(動き生成・付与処理)を行って得ら
れる同図(d) に示す状態では、同図(c) と比較してベク
トル751が示す向きに動き情報が付与されたものとな
っている。
【0068】図6は、本実施の形態1の画像処理装置の
装置出力を表示する場合の効果を示す概念図である。同
図(a) は、動き生成・付与処理を行わない場合の表示状
態を、同図(b) は行った場合の表示状態を示すものであ
り、同図(b) においては、動きのある画像を時間方向に
積分したと同等の表示結果が得られるものとなってい
る。従って、本実施の形態1の画像処理装置により動き
生成・付与処理を行った場合には、同図(a) のような表
示しかされ得ない従来の技術による画像処理装置と比較
して、同図(b) に示すような動き感のある表示ができ、
動きについての情報を提供することが可能となるもので
ある。
【0069】このように、本実施の形態1の画像処理装
置によれば、画像伸長部101、第1フレームメモリ1
02、動き生成部103、及び第2フレームメモリ10
4を備え、第1フレームメモリ102に格納された伸長
画像データに対して、動き生成部103が、画像伸長部
101から取得する動きベクトルを用いて動き生成・付
与処理を行い、該処理の結果得られた画像データを第2
フレームメモリ104に格納するので、当該画像処理装
置の装置出力として表示等される画像は動き情報を伴う
ものであって、動き感を有する表示結果を得ることが可
能となる。従って、従来の技術による画像処理装置より
も、違和感の少ない表示を行い得るものであり、動き情
報が付与されていることによって、使用者が再生状態を
容易に知ることが可能となるものである。また、本実施
の形態1の画像処理装置における装置入力が、フレーム
を間引きして低ビットレートにおいて伝送される画像デ
ータである場合にも、同様に処理をすることで同様の効
果が得られる。
【0070】なお、本実施の形態1では、動き生成部1
03の処理について、図4に示すように基準画素に対す
る移動画素の決定は、移動量を用いて線形処理を行うこ
と、すなわち移動量に対して1、2、3を乗じて移動画
素を決定することとしているが、これは一例にすぎず、
これら以外の数値を用いて線形処理により行われるもの
とすること、あるいは非線形処理により行われるものと
することも可能であり、同様の動き生成・付与処理を行
い、上記の効果を得ることができる。
【0071】図7は、移動画素の決定にあたり非線形処
理を行う場合を説明するための図である。同図において
マクロブロック301、および動きベクトル311は、
図3、および図4と同等のものを示している。また、基
準画素401は、図4に示す実施の形態1と同様に選定
された処理対象の画素である。
【0072】図7に示す場合において、第1〜第3の移
動画素402〜404は、座標位置(x1',y1') 、(x2',y
2') 、(x3',y3') で指定されるものであり、これらは、 (x1',y1') = (x0,y0) + (dx,dy) * 1 (x2',y2') = (x0,y0) + (dx,dy) * 4 (x3',y3') = (x0,y0) + (dx,dy) * 8 で決定されるものとなっている。このような非線形処理
により決定される移動画素を用いる場合にも、実施の形
態1と同様の動き生成・付与処理を行うことが可能であ
る。
【0073】また、本実施の形態1では、動き生成部1
03(図1)が備える移動量重み係数決定部201(図
2)は、重み係数w0〜w3として、1/2、1/4、
1/8、1/8を生成して出力するものとしているが、
この数値も一例であり、他の係数を用いて処理を行うこ
とも設定により可能である。さらに、前述のように、本
実施の形態1では、重み係数の総和を1となるようにし
て輝度(色差の場合も同様)の変化を防止しているが、
特殊効果を得たい場合などにおいて輝度を変更するので
あれば、設定により総和が1とならないような係数を用
いることも可能である。
【0074】実施の形態2.本発明の実施の形態2によ
る画像処理装置は、実施の形態1と同様に、動きベクト
ルに基づいて動き情報を生成し、画像データに付与する
が、複数の動きベクトルが示す画像の状態と、再生状態
とに基づいて動き情報を生成し、画像データに付与する
ものである。
【0075】図8は、本発明の実施の形態2による画像
処理装置の全体構成を示すブロック図である。図示する
ように、本実施の形態2の画像処理装置は、画像伸長部
101、第1フレームメモリ102、動き生成部80
3、第2フレームメモリ104、および再生情報入力部
805を備えており、実施の形態1の画像処理装置の全
体構成(図1)に再生情報入力部805を追加した構成
となっている。そして、実施の形態1の画像処理装置と
同様に、当該画像処理装置の装置入力として、DVD等
の蓄積媒体より圧縮符号化されたデジタル動画像データ
を入力し、当該画像処理装置の装置出力として表示デー
タを表示用モニタ等に出力する。
【0076】再生情報入力部805は、当該画像処理装
置が用いる再生情報を外部より入力する。ここで再生情
報は、再生方向、再生速度等を指示する情報である。な
お、画像伸長部101、第1フレームメモリ102、お
よび第2フレームメモリ104は、前述した実施の形態
1と同様であるため同一の番号を付し、説明を省略す
る。
【0077】動き生成部803は、実施の形態1におけ
る103と同様に、図2に示す内部構成を有し、動き生
成・付与処理を行うものであるが、本実施の形態2の装
置における動き生成部803では、移動量重み係数決定
部201の構成、及び動作が上述した実施の形態1のも
のとは異なるものとなっている。
【0078】図9は、本実施の形態2の画像処理装置が
備える移動量重み係数決定部201の内部構成を示す図
である。図示するように移動量重み係数決定部201
は、変化情報格納部として機能する第1〜第4の動きベ
クトル格納部901〜904と、動きベクトル決定部9
05とを備えている。変化情報格納部として機能する第
1〜第4の動きベクトル格納部901〜904は、画像
伸長部101(図8)から入力される変化情報たる動き
ベクトルを格納する。第1〜第4の動きベクトル格納部
901〜904には、異なる時刻に相当する画像データ
の動きベクトルが格納されるものとなっている。
【0079】動きベクトル決定部905は、再生情報入
力部805(図8)から入力する再生情報に対応して、
第1〜第4の動きベクトル格納部901〜904に格納
された動きベクトルから動きベクトルの時間的変化を示
す変化情報遷移情報を取得し、当該取得した変化情報遷
移情報に基づいて、移動量と重み係数を生成する。すな
わち、実施の形態1では、単一の時刻の動きベクトルに
基づいて処理が行われたのに対して、本実施の形態2で
は、時刻が異なる複数の動きベクトルに基づいて処理が
行われるものである。
【0080】このように本実施の形態2において、動き
生成部803は、変化情報として入力する動きベクトル
の時間的変化である変化情報遷移情報に基づいて、表示
用画像データを生成するものである。また、画像データ
の表示状態を指定する再生情報を入力する再生情報入力
手段として再生情報入力部805を備え、後述するよう
に、再生情報に対応して表示用画像データを生成するも
のである。
【0081】図10から図12は、本実施の形態2の画
像処理装置における処理を説明するための図である。以
下に、図8、および図9を参照しつつ、図10から図1
2を用いて、本実施の形態2の画像処理装置が、蓄積媒
体等から入力した画像データを処理する際の動作を説明
する。
【0082】本実施の形態2の画像処理装置が備える画
像伸長部101に、蓄積媒体から符号化画像データが入
力される。符号化画像データは実施の形態1の場合と同
様に一般的なフレーム間処理を含む圧縮符号化処理によ
って生成されたものであり、動きベクトルが付与された
ものであるとする。画像伸長部101は、実施の形態1
の画像伸長部101と同様に圧縮符号化処理の逆処理で
ある伸長復号化処理を行い、得られた伸長画像データを
第1フレームメモリ102に出力し、また動きベクトル
を動き生成部803に出力する。
【0083】動き生成部803は入力された動きベクト
ルをいずれかの動きベクトル格納部に格納する。画像伸
長部101が後続の符号化データを処理して、動きベク
トルを動き生成部803に出力した際には、この動きベ
クトルは前段において動きベクトルが格納されたものと
は異なる動きベクトル格納部に格納される。これによ
り、動き生成部803が備える第1〜第4の動きベクト
ル格納部901〜904には、時刻の異なる画像データ
に対応した動きベクトルが格納されるものとなる。ここ
では、それぞれ時刻(T−3)(T−2)、(T−
1)、およびTの動きベクトルを格納したものとする。
【0084】本実施の形態2では、このように時刻の異
なる動きベクトルを複数保持することによって、動きベ
クトルの変化を示す情報を取得し、時間的な幅を持つ動
き情報を付与するものである。図10は、動きベクトル
の変化を説明するための図である。同図において、10
01〜1004は、特定のマクロブロックに着目した場
合における、時刻(T−3)(T−2)、(T−1)、
およびTの動きベクトルを示すものであり、同図は上記
特定のマクロブロックにおける動きベクトルの大きさ
(スカラー値)の時間的変化を示す図である。これらの
時刻は時系列的にこの順に並ぶものであって、動きベク
トルは図示するような遷移状態をとるものである。
【0085】本実施の形態2の動き生成部803におい
ては、これら4つの動きベクトルが第1〜第4の動きベ
クトル格納部901〜904に格納される。そして、動
きベクトル決定部905は、第1〜第4の動きベクトル
格納部901〜904に格納された動きベクトルから、
時系列に沿った動きベクトルの変化の状態を示す変化情
報遷移情報を取得し、該取得した変化情報遷移情報に対
応して移動量と重み係数とを生成する。
【0086】図11は、本実施の形態2による、動きベ
クトルの変化状態に対応した重み係数の選択を説明する
ための図である。同図は移動量と重み係数との関係を示
す図であり、同図(a) 〜(d) における水平座標は画素座
標(移動量)を、垂直座標は重み係数の値を示すもので
ある。動きベクトル決定部905は、動きベクトルの変
化の状態に応じて、図11(a) 〜(d) のいずれかの関係
を示す関数を用いて重み係数を決定するものである。決
定は、動きベクトルの大きさと、動きベクトルの変化の
大きさとに基づいて行われる。
【0087】動きベクトルが大きな場合は、処理対象と
なっている画像の動きが大きなものであることを示すの
で、動き情報の生成にあたっては、より広範囲の画素を
重み付け加算処理において用いることが望ましいものと
なる。従って、広範囲の画素座標に対して、重み係数が
設定されている図11(b) や、図11(d) の関係を示す
関数を用いて決定が行われることとする。これに対し
て、動きベクトルが小さな場合、すなわち画像の動きが
小さなものである場合は、動き情報の生成にあたり、比
較的狭い範囲の画素を重み付け加算処理に用いることが
望ましく、比較的狭い範囲の画素座標に対して、重み係
数が設定されている図11(a) や、図11(c) の関係を
示す関数を用いて決定が行われることとする。
【0088】動きベクトルの変化が緩やかである場合に
は、処理対象(基準画素)の近傍の画素の影響を大きな
ものとすることが望ましいので、このような画素に重み
をかける図11(c) や、図11(d) の関係を示す関数を
用いて決定が行われることとする。これに対して、動き
ベクトルの変化が激しい場合には、基準画素から比較的
離れた位置の画素の影響も考慮することが望ましいもの
となることから、図11(a) や、図11(b) の関係を示
す関数を用いて決定が行われることとする。
【0089】以上より、動きベクトルが小さく、動きの
変化が激しい場合には同図(a) の関係を示す関数を、動
きベクトルが大きく、動きの変化が激しい場合には同図
(b)の関係を示す関数を、動きベクトルが小さく、動き
の変化が緩やかである場合には同図(c) の関係を示す関
数を、動きベクトルが大きいく、動きの変化が緩やかで
ある場合には同図(d) の関係を示す関数を用いるものと
なる。これにより、画像の状態に適切に対応した重み付
け加算処理を行うことが可能となる。
【0090】本実施の形態2の画像処理装置では、図8
に示す再生情報入力部805より、再生の速度と、再生
の方向すなわち順方向の再生が行われるか、逆方向の再
生が行われるかを示す再生情報が、動き生成部803が
内包する移動量重み係数決定部201(図2)に入力さ
れ、この再生情報は移動量重み係数決定部201内部に
おいて、動きベクトル決定部905に入力され、上記の
ような動きベクトルに関する情報とともに、移動量と重
み係数との決定に用いられるものである。
【0091】再生情報のうち、再生の速度を示す情報
は、上記の動きベクトルの大小と同様に扱われる。即ち
再生の速度が大きなものである場合、動きベクトルが大
きな場合と同様に、広範囲の画素を処理に用いることと
するため、図11(b) や、図11(d) の関係を示す関数
が用いられる。これに対して再生の速度が小さなもので
ある場合、動きベクトルが小さな場合と同様に、比較的
狭い範囲の画素を処理に用いることとするため、図11
(a) や、図11(c) の関係を示す関数が用いられる。
【0092】又、再生情報のうち、再生方向を示す情報
は次のように用いられる。図12は、図11と同様に、
再生方向に対応した重み係数の選択を説明するための図
であり、移動量と重み係数との関係を示す図である。水
平・垂直両座標は図11と同様のものである。順方向の
再生、すなわち時系列に従った再生が行われる場合、図
12(a) に示す前方向(動きの方向)に重み係数が設定
された関係を示す関数が用いられる。これに対して、逆
方向の再生、すなわち時系列と反対方向に再生が行われ
る場合、同図(b) に示す後方向(動きと逆の方向)に重
み係数が設定された関係を示す関数が用いられる。
【0093】以上のように、適応的に選択された関数を
用いて、移動量と重み係数とが、移動量重み決定部20
1(図2)において生成されたならば、以降の処理は実
施の形態1と同様に実行され、第2フレームメモリ10
4(図8)には動き生成・付与処理のなされた画像デー
タが格納されるものとなる。従って、この画像データは
実施の形態1の場合と同様に、動き情報を伴うものであ
って、動き感を有する表示結果を得ることが可能とな
る。そして、付与された動き情報は、実施の形態1の場
合よりも、画像の状態に適合したものとなっている。
【0094】このように、本実施の形態2の画像処理装
置によれば、画像伸長部101、第1フレームメモリ1
02、動き生成部803、第2フレームメモリ104、
および再生情報入力部805を備え、第1フレームメモ
リ102に格納された伸長画像データに対して、動き生
成部803が、画像伸長部101から取得する動きベク
トルを用いて動き生成・付与処理を行い、該処理の結果
得られた画像データを第2フレームメモリ104に格納
するので、当該画像処理装置の装置出力として表示等さ
れる画像は動き情報を伴い、動き感を有する表示結果を
得ることが可能となる。そして、動き生成部803が備
える移動量重み係数決定部201は、第1〜第4の動き
ベクトル格納部901〜904を備えて、時刻の異なる
動きベクトルを保持し、動きベクトル決定部905を備
えて、動きベクトルの状態と再生情報とに対応した移動
量と重み係数との決定を行うので、より画像の状態に適
切に対応した動き情報を付与することが可能となる。ま
た、本実施の形態2の画像処理装置において、フレーム
を間引きして低ビットレートにおいて伝送される画像デ
ータを装置入力とする場合にも、同様に処理をすること
で同様の効果が得られる。
【0095】なお、本実施の形態2では、移動量重み係
数決定部201は第1〜第4の動きベクトル格納部90
1〜904を備え、動きベクトル決定部905は4つの
動きベクトルに基づいて処理を行うものとしているが、
これに限定されるものではなく、より小さな数として回
路規模の小型化と、処理の簡素化とを図ることも、より
大きな数として、より適切な処理を行うものとすること
も可能である。
【0096】実施の形態3.本発明の実施の形態3によ
る画像処理装置は、実施の形態1と同様に、動きベクト
ルに基づいて動き情報を生成し、画像データに付与する
が、処理対象とする画素ごとに生成した動きベクトルに
基づいて動き情報を生成し、画像データに付与するもの
である。
【0097】なお、本実施の形態3による画像処理装置
の全体構成は、実施の形態1と同様であり、説明には図
1を用いる。また、本実施の形態3の画像処理装置も、
実施の形態1の画像処理装置と同様に、図2に示す内部
構成の動き生成部103を備え、動き生成・付与処理を
行うものであるが、本実施の形態3の装置における動き
生成部は、移動量重み係数の決定部201と、処理対象
画素決定部として機能する第1アドレス生成部202お
よび第2アドレス生成部203と、重み付け加算部20
4とに加え、さらに動きベクトル補完部1301を備え
る。なお、移動量重み係数の決定部201、第1アドレ
ス生成部202、第2アドレス生成部203、重み付け
加算部204は、上述した実施の形態1のものと同様で
あるため、同一の番号を付し、説明を省略する。
【0098】図13は、本実施の形態3の画像処理装置
が備える動き生成部103の内部構成を示す図である。
図示するように動きベクトル補間部1301は、第1〜
第4の乗算器1310〜1313と、第5〜第8の乗算
器1320〜1323と、加算器1330とを備えてい
る。ここで動きベクトル補間部1301が内包する第5
〜第8の乗算器1320〜1323と、加算器1330
とはベクトル演算用の乗算器、および加算器であり、二
組の乗算、および加算処理をすることが可能なものであ
る。
【0099】動きベクトル補間部1301は、4つの動
きベクトルと、4つの位置情報とに基づいて補間処理を
行い、処理対象とする処理単位画像データに対応した動
きベクトルを生成する。なお、以下に説明する本実施の
形態3による補間処理では、処理単位画像データが画素
データであり、当該処理対象とする画素に対応した動き
ベクトルを生成するものについて説明する。
【0100】すなわち、本実施の形態3の画像処理装置
が備える動き生成部103は、変化情報として入力する
動きベクトルの複数に基づいて、処理対象とする処理単
位画像データである画素に対応して、単位変化情報とな
る画素ごとの動きベクトルを生成し、生成した動きベク
トルに基づいて、表示用画像データを生成する。
【0101】図14は、本実施の形態3の動きベクトル
補間部1301による処理を説明するための図である。
同図(a) は、図3と同様に第1フレームメモリ102
(図1)に格納された伸長画像データと、画像データに
おける動きベクトルとを示す図であり、301〜304
は図3と同様に16×16画素で構成されるマクロブロ
ックであり、311〜314は図3と同様に各マクロブ
ロック301〜304の中心から、動きの方向を示すベ
クトルである。同図の1401は、補間対象画素であ
り、補間処理によって動きベクトルを生成する処理対象
の画素である。1402は、マクロブロック301〜3
04のそれぞれの中心点を囲んで得られ、補間対象画素
1401を含む領域であり、補間処理に用いる補間領域
である。1403は、補間領域1402において設定さ
れる基準点となる補間基準画素であり、ここでは、補間
領域1402中、図(a)に示す原点に最も近い画素を
基準画素として設定するものとしている。1404は、
補間処理によって補間対象画素に対して生成される動き
ベクトルである。
【0102】同図(b) は、補間領域1402における、
補間対象画素1401と補間基準画素1403との位置
関係を示す画素位置情報を説明するための図である。こ
こで、補間対象画素1401の座標を(x,y) と、補間基
準画素1403の座標を(x0,y0) とする。同図(b) に示
す画素位置情報(p,q,1-p,1-q) は、 p = (x-x0)/16 q = (y-y0)/16 1-p = 1-(x-x0)/16 1-q = 1-(y-y0)/16 と表されるものであるとする。
【0103】本実施の形態3の動きベクトル補間部13
01は、画素位置情報に基づいて、当該マクロブロック
の動きベクトル311と、近傍に位置するマクロブロッ
クの動きベクトル312〜314とから、補間対象画素
1403に対しての動きベクトル1404を生成する補
間処理を行うものである。
【0104】ここで、動きベクトル311〜314を、
(X0,Y0),(X1,Y1),(X2,Y2),(X3,Y3),であるものとする
と、補間対象画素1403に対しての動きベクトル14
04(X,Y) は次式に従って生成されるものとなる。 (X,Y) = (1-p) * (1-q) * (X0,Y0)+(1-p) * q * (X
3,Y3)+ p * (1-q) * (X1,Y1)+ p * q * (X2,
Y2)
【0105】従って、動きベクトル補間部1301は、
その内包する第1〜第4の乗算器1310〜1313
と、第5〜第8の乗算器1320〜1323と、加算器
1330とによって、上記の演算処理を行い動きベクト
ル1404(X,Y) を生成するものである。
【0106】まず、動きベクトル補間部1301におい
ては、画素位置情報(p,q,1-p,1-q)を構成する各項のp,
q,1-p,1-q をそれぞれ図13に示すように第1〜第4の
乗算器1310〜1313に入力する。すなわち、第1
項p は第1、および第2の乗算器1310、および13
11に、第2項q は第1、および第3の乗算器131
0、および1312に、第3項1-p は第3、および第4
の乗算器1312、および1313に、第4項1-q は
第2、および第4の乗算器1311、および1313に
入力され、それぞれの乗算器は入力された各項を乗算処
理する。これにより、第1〜第4の乗算器1310〜1
313ではそれぞれ、p*q,p*(1-q),(1-p)*q,(1-p)*(1-
q) が生成され、第1〜第4の乗算器1310〜131
3はこれらの乗算結果を図13に示すように、第5〜第
8の乗算器1320〜1323に出力する。従って、第
5の乗算器1320には乗算結果(1-p)*(1-q) が、第6
の乗算器1321には乗算結果(1-p)*q が、第7の乗算
器1322には乗算結果p*(1-q) が、そして第8の乗算
器1323には乗算結果p*q が入力される。
【0107】一方、動きベクトル補間部1301におい
ては、動きベクトル311〜314が入力され、これら
の動きベクトルは、図13に示すように、第5〜第8の
乗算器1320〜1323に入力される。すなわち、第
5の乗算器1320には(X0,Y0) である動きベクトル3
11が、第6の乗算器1321には(X1,Y1) である動き
ベクトル312が、第7の乗算器1322には(X2,Y2)
である動きベクトル313が、そして第8の乗算器13
23には(X3,Y3) である動きベクトル314が入力され
る。
【0108】第5〜第8の乗算器1320〜1323
は、前述の通りベクトル演算用の乗算器であって、それ
ぞれ入力された乗算結果と動きベクトルとの二組の乗算
処理を行う。例えば第5の乗算器1320は、(1-p)*(1
-q)*X0の乗算処理と、(1-p)*(1-q)*Y0の乗算処理とを行
うものとなる。従って、上記動きベクトル1404(X,
Y) を生成する演算式の第1項から第4項までは、第5
〜第8の乗算器1320〜1323においてそれぞれベ
クトル乗算処理により生成されることとなる。第5〜第
8の乗算器1320〜1323はそれぞれ生成した乗算
結果を加算器1330に出力する。前述の通り加算器1
330はベクトル演算用の加算器であって、二組の加算
処理を実行するので、加算器1330においてこれら乗
算結果が加算処理されることによって、上記動きベクト
ル(X,Y) が生成され、図13に示すように移動量重み係
数決定部201に出力される。
【0109】処理単位画像データである画素、すなわち
図14に示す補間対象画素1401に対しての動きベク
トル1404が移動量重み係数決定部201に出力され
たならば、移動量重み係数決定部201は当該動きベク
トルに基づいて移動量と重み係数とを生成する。以降の
処理は実施の形態1と同様に実行され、動き情報が生成
され、付与された画像データが第2フレームメモリ10
4(図1)に格納され、当該画像処理装置の装置出力と
して表示等されることとなる。
【0110】MPEG1やMPEG2等の圧縮符号化方
法では、実施の形態1や本実施の形態3に示したよう
に、マクロブロック単位等で動きベクトルを付与するこ
とがなされることが一般的であり、又、物体ごとの符号
化を行うオブジェクト符号化では、オブジェクトを単位
として動きベクトルを付与することがなされることもあ
る。しかし、画素ごとに動きベクトルが付与された符号
化データを生成するような符号化方法は一般的なものと
は言えない。従って、実施の形態1の場合には、あるマ
クロブロックに含まれる画素の処理にあたっては、当該
マクロブロックに対して付与された動きベクトルを用い
ることとして動き生成・付与処理を実行しているが、本
実施の形態3の場合、マクロブロックを単位として付与
された動きベクトルを用いて、画素ごとの動きベクトル
を生成し、これに基づいて動き生成・付与処理を行うこ
とから、処理負担の増大は伴うものの、より精度の高い
動き情報を付与することが可能となる。
【0111】このように、本実施の形態3の画像処理装
置によれば、画像伸長部101、第1フレームメモリ1
02、動き生成部103、第2フレームメモリ104、
および再生情報入力部105を備え、第1フレームメモ
リ102に格納された伸長画像データに対して、動き生
成部103が、画像伸長部101から取得する動きベク
トルを用いて動き生成・付与処理を行い、該処理の結果
得られた画像データを第2フレームメモリ104に格納
するので、当該画像処理装置の装置出力として表示等さ
れる画像は動き情報を伴い、動き感を有する表示結果を
得ることが可能となる。そして、動き生成部103が備
える移動量重み係数決定部201は、動きベクトル補間
部1301を備えて、画素ごとに補間処理によって動き
ベクトルを生成し、当該生成した動きベクトルに基づい
て移動量と重み係数との決定を行うので、より画像の状
態に適切に対応した動き情報を付与することが可能とな
る。また、本実施の形態3の画像処理装置において、フ
レームを間引きして低ビットレートにおいて伝送される
画像データを装置入力とする場合にも、同様に処理をす
ることで同様の効果が得られる。
【0112】なお、本実施の形態3では、図14を用い
て説明したように4つのマクロブロックに付与された動
きベクトルを用いて補間処理により動きベクトルを生成
するものとしているが、これに限定されるものではな
く、例えばマクロブロック9個、あるいは16個に付与
された動きベクトルを用いることとして、一層の精度向
上を図ることも可能となる。
【0113】また、本実施の形態3では、複数(4つ)
の動きベクトルを線形処理することにより、画素ごとの
動きベクトルを生成するものとしているが、非線形の補
間処理を行うものとすることも可能である。例えば上記
のようにより多数のマクロブロックに付与された動きベ
クトルを用いる場合に、動きベクトル補間部1301内
部において、一部の動きベクトルに対しては設定された
係数を乗じることで、近接するマクロブロックの動きベ
クトルについては貢献度を高めること等が可能となる。
【0114】また、本発明の実施の形態3では、処理単
位画像データを画素データとして画素ごとの動きベクト
ルを求めて処理するものについて説明したが、動きベク
トルが付された画像データよりも小さい単位である処理
単位画像データ毎に動きベクトルを求め、処理するもの
であればよく、例えば、オブジェクト毎に動きベクトル
が付与されているものであれば当該オブジェクトを構成
するマクロブロック毎の動きベクトルを求め、求めた動
きベクトルを用いて動き情報を生成するもの等がある。
【0115】また、本実施の形態3では、動きベクトル
が付された画像データよりも小さい単位である処理単位
画像データ毎に動きベクトルを求め処理するものについ
て説明したが、動きベクトルが付された画像データより
も大きい単位である処理単位画像データの動きベクトル
を逆補間することにより求め、処理するものであっても
良い。なお、この場合においては、動き情報の精度が落
ちるものの、動き生成部103の処理負担の軽減を図る
ことができる。
【0116】実施の形態4.本発明の実施の形態4によ
る画像処理装置は、実施の形態1と同様に、動きベクト
ルに基づいて動き情報を生成し、画像データに付与する
が、マクロブロックごとの動きベクトルの値と閾値を比
較し、当該比較結果に基づいて動き情報を生成し、画像
データに付与するものである。
【0117】図16は、本実施の形態4による画像処理
装置の全体構成を示すブロック図である。図示するよう
に、本実施の形態4の画像処理装置は、画像伸長部10
1、第1フレームメモリ102、動き生成部103、第
2フレームメモリ104、および閾値判定処理部160
1を備えており、実施の形態1の画像処理装置の全体構
成(図1)に閾値判定処理部1601を追加した構成と
なっている。なお、本実施の形態4による画像処理装置
における、画像伸長部101、第1フレームメモリ10
2、動き生成部103、および第2フレームメモリ10
4は、上述した実施の形態1と同様であるため、同一の
番号を付し、説明を省略する。
【0118】閾値判定処理部1601は、画像伸長部1
01からの動きベクトル(x,y)と、この動きベクト
ルに対応したマクロブロック識別データとを入力とし、
動き生成部103で生成する画像データのための第2の
動きベクトル(x’,y’)と、この動きベクトルに対応
したマクロブロック識別データを生成し、出力するもの
である。
【0119】すなわち、本実施の形態4による閾値判定
処理部1601は、画像伸長部101から動きベクトル
(x,y)の入力があると、当該動きベクトル(x,y)
と予め定められた閾値とを比較する。この時、動きベク
トル(x,y)が閾値以下であれば、対象マクロブロッ
クに動きがなかったものとし第2の動きベクトルとして
(x’,y’)=(0,0)を出力する。一方、動きベクト
ル(x,y)が閾値より大きければ、対象マクロブロッ
クに動きがあったものとし第2の動きベクトルとして
(x’,y’)=(x,y)を出力する。
【0120】これにより、動き生成部103は、閾値判
定処理部1601から出力された第2の動きベクトル
(x’,y’)を用いて、動き成分を付与した画像を第2
フレームメモリ104に生成することになり、第2フレ
ームメモリ104には、動きベクトルが小さいマクロブ
ロックや物体に対して動き成分が付与されていない画像
を生成することができる。すなわち、蓄積媒体に蓄積さ
れた画像にカメラの手ぶれなどが含まれていた場合に、
その手ぶれ画像を画像の動きとして誤ることを排除する
ことができる。
【0121】このように、本実施の形態4によれば、閾
値判定処理部1602を設けることにより、動きベクト
ルの大きさが閾値以下の場合には、画像に動きベクトル
を付与しないようにすることが可能になる。したがっ
て、上述した実施の形態1の効果に加え、動きベクトル
が微少であるようなカメラの手ぶれや動きベクトルがほ
とんどないような画像や物体が含まれている場合には、
動き情報を付与しないこととなり、その手ぶれ画像を画
像の動きとして誤ることを排除することができる。
【0122】これにより、不必要な動き情報を画像に与
えないことにより、画像本来の動きを伝達し、違和感や
不快感の少ない良好な画像を得ることが可能な画像処理
装置を実現することができる。
【0123】また、動き生成部103に第2の動きベク
トルとして(x’,y’)=(0,0)が入力された場合に
は、動き生成部103は重み付け加算処理を行なう必要
がなく、第1フレームメモリ102に格納されている画
素を、そのまま第2フレームメモリ104に格納すれば
よい。このため、動き生成部103において重み付け加
算処理を行なう重み付け加算部204の処理量を低減す
ることができ、処理速度の向上を実現することが可能と
なる。
【0124】なお、本発明の実施の形態4における画像
処理装置は、前述した実施の形態1における画像処理装
置に閾値判定処理部1601を加えたものについて説明
したが、上述した実施の形態2、および実施の形態3に
かかる画像処理装置に閾値判定処理部1601を加えた
ものであっても同様の効果を得ることができる。
【0125】なお、本実施の形態4による画像処理装置
における閾値判定処理部1601は、入力する変化情報
が閾値より大きいか否かにより動き成分を付与するか否
かを決定するものについて説明したが、これに限定され
ず、入力する変化情報が閾値より大きいか否かの比較結
果に基づいて、入力された動きベクトルに異なる処理を
行なうものであれば良い。
【0126】実施の形態5.本発明の実施の形態5によ
る画像処理装置は、実施の形態1と同様に、動きベクト
ルに基づいて動き情報を生成し、画像データに付与する
が、マクロブロックごとの動きベクトルの値に予め定め
る係数を乗じて、動き情報を生成し、画像データに付与
するものである。
【0127】図17は、本実施の形態5による画像処理
装置の全体構成を示すブロック図である。図示するよう
に、本実施の形態5の画像処理装置は、画像伸長部10
1、第1フレームメモリ102、動き生成部103、第
2フレームメモリ104、および動きベクトル処理部1
701を備えており、実施の形態1の画像処理装置の全
体構成(図1)に動きベクトル処理部1701を追加し
た構成となっている。なお、本実施の形態5による画像
処理装置における、画像伸長部101、第1フレームメ
モリ102、動き生成部103、および第2フレームメ
モリ104は、上述した実施の形態1と同様であるた
め、同一の番号を付し、説明を省略する。
【0128】動きベクトル処理部1701は、画像伸長
部101からの動きベクトル(x,y)と、この動きベ
クトルに対応したマクロブロック識別データとを入力と
し、動き生成部103で生成する画像データのための第
2の動きベクトル(x’,y’)と、この動きベクトルに
対応したマクロブロック識別データを生成し、出力する
ものである。
【0129】すなわち、本実施の形態5による動きベク
トル量処理部1701は、入力される動きベクトル
(x,y)に予め定められた係数を乗じ、第2の動きベ
クトル(x’,y’)を動き生成部103に出力する。動
き生成部103は、当該第2の動きベクトル(x’,
y’)を用いて表示用画像データを生成する。
【0130】図18(a)は、入力される動きベクトル
(x,y)の大きさと、一定の係数を乗じた第2の動き
ベクトル(x’,y’)の大きさとの関係を示す図であ
る。図18(a)において、破線1801は、係数を乗
じない場合の入出力ベクトルの大きさの関係を示したも
のである。実線1802は、1より大きい係数を乗じた
場合の入出力ベクトルの大きさの関係を示したもので、
実線1803は、1より小さい係数を乗じた場合の入出
力ベクトルの大きさの関係を示したものである。
【0131】例えば、実線1802に示す、1より大き
い係数を乗じた場合には、係数を乗じない場合(破線1
801)に比べ、出力される第2の動きベクトル(x’,
y’)の値が大きくなる。すなわち、動き生成部103
により、当該第2の動きベクトル(x’,y’)を用いて
画像に動き情報を与えた場合には、第2フレームメモリ
104に生成される画像は、係数を乗じない場合に比
べ、その動きが強調された画像となる。
【0132】一方、実線1803に示す、1より小さい
係数を乗じた場合には、係数を乗じない場合(破線18
01)に比べ、出力される第2の動きベクトル(x’,
y’)の値が小さくなる。すなわち、動き生成部103
により、当該第2の動きベクトル(x’,y’)を用いて
画像に動き情報を与えた場合には、第2フレームメモリ
104に生成される画像は、係数を乗じない場合に比
べ、その動きを抑えた画像となる。
【0133】また、図18(b)は、入力される動きベ
クトル(x,y)の大きさに応じて乗じる係数を変化さ
せた場合の入出力される動きベクトルの大きさの関係の
一例を示した図である。
【0134】図18(b)において、破線1801は、
係数を乗じない場合の入出力ベクトルの大きさの関係を
示したものである。実線1804は、入力される動きベ
クトル(x,y)の大きさにより乗じる係数を1から徐
々に大きくした場合の入出力ベクトルの大きさの関係を
示したものであり、実線1805は、入力される動きベ
クトル(x,y)の大きさにより乗じる係数を1から徐
々に小さくした場合の入出力ベクトルの大きさの関係を
示したものである。
【0135】例えば、実線1802に示す、入力される
動きベクトル(x,y)の大きさにより乗じる係数を1
から徐々に大きくした場合には、係数を乗じない場合
(破線1801)に比べ、出力される第2の動きベクト
ル(x’,y’)の値が大きくなる。すなわち、動き生成
部103により、当該第2の動きベクトル(x’,y’)
を用いて画像に動き情報を与えた場合には、第2フレー
ムメモリ104に生成される画像は、係数を乗じない場
合に比べ、その動きが強調された画像となる。
【0136】一方、実線1803に示す、入力される動
きベクトル(x,y)の大きさにより乗じる係数を1か
ら徐々に小さくした場合には、係数を乗じない場合(破
線1801)に比べ、出力される第2の動きベクトル
(x’,y’)の値が小さくなる。すなわち、動き生成部
103により、当該第2の動きベクトル(x’,y’)を
用いて画像に動き情報を与えた場合には、第2フレーム
メモリ104に生成される画像は、係数を乗じない場合
に比べ、その動きを抑えた画像となる。
【0137】このように、本実施の形態5によれば、動
きベクトル処理部1701を設けることにより、動き生
成部103に入力される動きベクトルの大きさを変化さ
せることができ、強調または抑制した動き情報を画像に
付与することを実現することができる。
【0138】したがって、上述した実施の形態1の効果
に加え、強調した動き情報を付与した画像を生成するこ
とや、またその逆に抑制した動き情報を付与した画像を
生成することが可能となる。これにより、よりダイナミ
ックな臨場感を与えたり、臨場感を抑えつつ動き情報を
付与した画像を生成表示する画像処理装置を実現するこ
とができる。
【0139】なお、本発明の実施の形態5における画像
処理装置は、前述した実施の形態1における画像処理装
置に動きベクトル処理部1701を加えたものについて
説明したが、上述した実施の形態2、および実施の形態
3にかかる画像処理装置に動きベクトル処理部1701
を加えたものであっても同様の効果を得ることができ
る。
【0140】また、さらに本実施の形態5による画像処
理装置は、上述した実施の形態4による画像処理装置の
閾値判定処理部1601と組み合わせることができ、入
力される動きベクトルが閾値以上か否かに基づいて、動
きベクトルに予め定める係数を乗ずるか否かを決定した
り、動きベクトルに乗ずる係数の値を変化させたりする
ことができる。
【0141】実施の形態6.本発明の実施の形態6によ
る画像処理装置は、実施の形態1と同様に、動きベクト
ルに基づいて動き情報を生成し、画像データに付与する
が、処理対象とする画像データの領域を判定し、当該判
定結果に基づいて動き情報を生成し、画像データに付与
するものである。
【0142】図19は、本実施の形態6による画像処理
装置の全体構成を示すブロック図である。図示するよう
に、本実施の形態6の画像処理装置は、画像伸長部10
1、第1フレームメモリ102、動き生成部103、第
2フレームメモリ104、および領域判定処理部190
1を備えており、実施の形態1の画像処理装置の全体構
成(図1)に領域判定処理部1901を追加した構成と
なっている。なお、本実施の形態6による画像処理装置
における、画像伸長部101、第1フレームメモリ10
2、動き生成部103、および第2フレームメモリ10
4は、上述した実施の形態1と同様であるため、同一の
番号を付し、説明を省略する。
【0143】領域判定処理部1901は、画像伸長部1
01からの動きベクトル(x,y)と、この動きベクト
ルに対応したマクロブロック識別データとを入力とし、
動き生成部103で生成する画像データのための第2の
動きベクトル(x’,y’)と、この第2の動きベクトル
に対応したマクロブロック識別データを生成し、出力す
るものである。すなわち、領域判定処理部1901は、
処理対象とする画像データの領域を判定するものであ
り、当該処理対象とする領域毎に出力する第2の動きベ
クトルを決定する。
【0144】図20は、第1フレームメモリ102に格
納されている画像データを構成するマクロブロックを示
したものである。なお、図20に示す画像データは、横
方向にU個、縦方向にV個のマクロブロックにより構成
されており、図示するように横方向をu、縦方向をvと
する座標を用いてマクロブロックの位置を示すものとす
る。
【0145】領域判定処理部1901は、入力されたマ
クロブロックの位置を表わす情報(u,v)であるマク
ロブロック識別データから、処理対象とするマクロブロ
ックの位置を決定する。例えば、生成する表示用画像デ
ータの周辺部分に動き情報を付与しない場合には、処理
対象とする領域の判定条件を、 2≦u<U−2、かつ2≦v<V−2 とし、当該条件を満たすマクロブロックに対応する動き
ベクトルについては、入力する動きベクトル(x,y)
と、出力する第2の動きベクトル(x’,y’)を同一の
値とする。一方、条件を満たさないマクロブロックに対
応する動きベクトルについては、出力する第2の動きベ
クトル(x’,y’)を(0,0)とする。なお、上述し
た領域の判定条件は、例えば、画像データの内容(映像
と文字)等から定めることができる。
【0146】これにより、動き生成部103では、領域
判定処理部1901から出力されたる第2の動きベクト
ル(x’,y’)を用いて、動き成分を付与した画像を第
2フレームメモリ104に生成することになり、第2フ
レームメモリ104には、画像周辺部に、動き情報を付
加してない生成画像を得ることができる。
【0147】したがって、本実施の形態6によれば、領
域判定処理部1901を設けることにより、動き情報を
付加する領域を任意に設定することが可能になり、上述
した実施の形態1の効果に加え、提供する画像データに
応じて、ダイナミックな臨場感を与える部分と、そうで
ない部分を分けることができる。例えば、字幕を有する
映画等の場合には、字幕部分には字幕部分を読みやすく
するために動き情報を付与しないで画像を生成し、映像
部分には動き情報を与え、臨場感ある画像を生成する。
【0148】また、動き生成部103に第2の動きベク
トルとして(x’,y’)=(0,0)が入力された場合に
は、動き生成部103は重み付け加算処理を行なう必要
がなく、第1フレームメモリ102に格納されている画
素を、そのまま第2フレームメモリ104に格納すれば
よい。このため、動き生成部103において重み付け加
算処理を行なう重み付け加算部204の処理量を低減す
ることができ、処理速度の向上を実現することが可能と
なる。
【0149】なお、本実施の形態6による画像処理装置
の領域判定処理部1901は、処理を行なう領域か、処
理を行なわない領域かを判定するものについて説明した
が、これに限定されず、領域判定処理部1901が処理
対象とする領域を判定し、当該判定された領域毎に異な
った処理を行なうものであればよい。
【0150】また、本発明の実施の形態6における画像
処理装置は、前述した実施の形態1における画像処理装
置に領域判定処理部1901を加えたものについて説明
したが、上述した実施の形態2、および実施の形態3に
かかる画像処理装置に領域判定処理部1901を加えた
ものであっても同様の効果を得ることができる。
【0151】また、さらに本実施の形態6による画像処
理装置は、上述した実施の形態4、5により説明したも
のとの組み合わせによっても実施することができ、本実
施の形態6による画像処理装置の効果に加え、上述した
本実施の形態4、および5による画像処理装置の効果を
得ることができる。
【0152】また、実施の形態1から6において、符号
化画像データはマクロブロックごとに動きベクトルが付
与されているものとしているが、例えばフレームごと
に、あるいはオブジェクトごとに等種々の処理単位に対
して付与された動きベクトルを用いて、実施の形態1か
ら6に示す画像処理を行うことが可能であり、同様の効
果が得られるものとなる。
【0153】また、画像データに対してフレーム間符号
化を行う場合にも、一部のフレームの画像データについ
てはフレーム内符号化を行い、当該フレーム内符号化を
行ったフレーム(Iフレーム)に基づいて、時系列的に
近接するフレーム(Pフレーム、又はBフレーム)をフ
レーム間符号化し、差分のみを処理することで圧縮率を
大きくすることが多いので、フレーム間符号化が行われ
たPフレームやBフレームの符号化データには動きベク
トルが付与されているが、Iフレームについては動きベ
クトルが付与されていないものとなっている。このよう
なIフレームの画像データを処理する場合には、時系列
的に近接するPフレームやBフレームの画像データに付
与された動きベクトルを用いて処理するものとして、同
様の効果が得られるものとなる。これはそもそもフレー
ム間符号化は、時系列的に近接する画像データが有する
相関性に基づくものであって、相関性の高い画像データ
の動きベクトルを用いることとしても、良好な動き情報
を得ることが可能なものとなるからである。
【0154】
【発明の効果】本発明の画像処理装置、または画像処理
方法によれば、予め、単位画像データ毎に付された変化
情報である動きベクトルに基づいて上記画像データを構
成する画素の重み付け加算処理を行ない、表示用画像デ
ータを生成することにより、表示用画像データは動き情
報を伴い、動き感を有する表示結果を得ることが可能と
なる。したがって、従来の技術による画像処理装置、ま
たは画像処理方法よりも、違和感の少ない表示を行ない
得るものであり、動き情報が付加されていることによっ
て、使用者が再生状態を容易に知ることが可能となるも
のである。
【0155】また、本発明の画像処理装置、または画像
処理方法によれば、変化情報である動きベクトルの時間
的変化を示す変化情報遷移情報を取得し、当該取得した
変化情報遷移情報に基づいて、画像データを構成する画
素の重み付け加算処理を行ない、表示用画像データを生
成することにより、より画像の状態に適切に対応した表
示画像を得ることができる。
【0156】また、本発明の画像処理装置、または画像
処理方法によれば、表示用画像データの表示状態を指示
する再生情報を入力し、上記再生情報を用いて表示画像
データを生成することにより、より画像の状態に適切に
対応した表示画像を得ることができる。
【0157】また、本発明の画像処理装置、または画像
処理方法によれば、複数の,予め単位画像データ毎に付
された変化情報に基づいて、当該単位画像データより小
さい単位である処理単位画像データに対応する変化情報
を生成し、上記生成した処理単位画像データに対応する
変化情報を用いて、当該処理単位画像データを構成する
画素の重み付け加算処理を行なうことにより、より画像
の状態に適切に対応した表示画像を得ることができる。
【0158】また、本発明の画像処理装置、または画像
処理方法によれば、入力とする変化情報である動きベク
トルと閾値とを比較し、当該比較結果に基づいて生成し
た第2の変化情報を用いて表示用画像データを生成する
ことにより、例えば、動きベクトルが微少であるような
カメラの手ぶれや動きベクトルがほとんどないような画
像や物体が含まれている場合には、動き情報を付与しな
いこととなり、その手ぶれ画像を画像の動きと誤ること
を排除することができ、不必要な動き情報を画像に与え
ないことにより、画像本来の動きを伝達し、違和感や不
快感の少ない良好な画像を得ることが可能な画像処理装
置を実現することができる。
【0159】また、本発明の画像処理装置、または画像
処理方法によれば、入力とする変化情報である動き情報
の値に、予め定める係数を乗じて生成した第2の変化情
報を用いて表示用画像データを生成することにより、強
調した動き情報を付与した画像を生成することや、また
その逆に抑制した動き情報を付与した画像を生成するこ
とが可能となり、よりダイナミックな臨場感を与えた
り、臨場感を抑えつつ動き情報を付与した画像を生成表
示する画像処理装置を実現することができる。
【0160】また、本発明の画像処理装置、または画像
処理方法によれば、処理対象とする画像データの領域を
判定し、当該判定結果を用いて表示用画像データを生成
することにより、動き情報を付加する領域を任意に設定
することが可能になり、提供する画像データに応じて、
ダイナミックな臨場感を与える部分と、そうでない部分
を分けることができる。
【0161】また、本発明の画像処理装置、または画像
処理方法によれば、低ビットレートにおいて画像を送信
する場合にも、画像本来の動きを伝達することで、上記
のような再生時と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による画像処理装置の全
体の構成を示すブロック図である。
【図2】同実施の形態の装置が備える動き生成部の内部
構成と機能とを説明するための図である。
【図3】同実施の形態の装置が処理対象とする画像デー
タを構成するマクロブロックと動きベクトルとを説明す
るための図である。
【図4】同実施の形態の装置が備える動き生成部による
動き生成・付与処理を説明するための図である。
【図5】同実施の形態の装置が備える動き生成部による
重み付け加算処理を説明するための図である。
【図6】同実施の形態の装置による動き生成・付与処理
がされた画像データの表示状態を説明するための図であ
る。
【図7】同実施の形態の装置が備える動き生成部による
動き生成・付与処理を非線形処理として行う場合の処理
を説明するための図である。
【図8】本発明の実施の形態2による画像処理装置の全
体の構成を示すブロック図である。
【図9】同実施の形態の装置が備える動き生成部の内部
構成と機能とを説明するための図である。
【図10】同実施の形態の装置が処理対象とする動きベ
クトルの変化状態(遷移状態)を説明するための図であ
る。
【図11】同実施の形態の装置による、動きベクトルの
大きさと遷移状態とに対応した重み付け加算処理を説明
するための図である。
【図12】同実施の形態の装置による、再生方向を示す
情報に対応した重み付け加算処理を説明するための図で
ある。
【図13】本発明の実施の形態3による画像処理装置が
備える動き生成部の内部構成と機能とを説明するための
図である。
【図14】同実施の形態の装置が備えるベクトル補間部
による、動きベクトル補間処理を説明するための図であ
る。
【図15】画像データのフレームと、高速再生処理とを
説明するための図である。
【図16】本発明の実施の形態4による画像処理装置の
全体の構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の実施の形態5による画像処理装置の
全体の構成を示すブロック図である。
【図18】動きベクトル処理部における処理を説明する
ための図である。
【図19】本発明の実施の形態6による画像処理装置の
全体の構成を示すブロック図である。
【図20】同実施の形態の装置が備える第1フレームメ
モリに格納されている画像データを構成するマクロブロ
ックを示す図である。
【符号の説明】
101 画像伸長部 102 第1フレームメモリ 103 動き生成部 104 第2フレームメモリ 201 移動量重み係数決定部 202 第1アドレス生成部 203 第2アドレス生成部 204 重み付け加算部 205 処理対象画素決定部 210,211,212,213 乗算器 214 加算器 301,302,303,304 マクロブロック 311,312,313,314 動きベクトル(マ
クロブロックごとの) 401 基準画素 402,403,404 移動画素 501,751 動きベクトル(一次元) 520 座標位置(基準画素) 521,522,523 座標位置(移動画素) 551,552 座標位置 751 画素値を有する領域 805 再生情報入力部 901,902,903,904 動きベクトル格納
部 905 動きベクトル決定部 906 変化情報格納部 1301 動きベクトル補間部 1310,1311,1312,1313,1320,
1321,1322,1323 乗算器 1330 加算器 1401 補間対象画素 1402 補間領域 1403 補間基準画素 1404 動きベクトル(補間対象画素) 1601 閾値判定処理部 1701 動きベクトル処理部 1901 領域判定処理部

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像データと、当該画像データの時間的
    変化を示す情報である変化情報とを入力して、表示用画
    像データを生成する画像処理装置であって、予め、単位画像データ毎に付された上記変化情報を用い
    て当該単位 画像データを構成する画素の重み付け加算処
    理を行ない、表示用画像データを生成する動き生成部を
    備えた、 ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 画像データと、当該画像データの時間的
    変化を示す情報である変化情報とを入力して、表示用画
    像データを生成する画像処理装置であって、複数の、
    め単位画像データ毎に付された上記変化情報に基づい
    て、当該単位画像データより小さい単位である処理単位
    画像データに対応する変化情報を生成し、上記生成した
    処理単位画像データに対応する変化情報を用いて当該処
    理単位画像データを構成する画素の重み付け加算処理を
    行ない、表示用画像データを生成する動き生成部を備え
    た、 ことを特徴とする画像処理装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の画像処理装置であっ
    て、 上記動き生成部は、上記変化情報から各画素毎に移動量
    及び重み係数を決定する移動量重み係数決定部と、 上記移動量に基づいて処理対象とする画素を決定する処
    理対象画素決定部と、 上記重み係数を用いて上記処理対
    象となる画素の画素データを重み付け加算処理する重み
    付け加算部とを備えた、 ことを特徴とする画像処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の画像処理装置であっ
    て、 上記動き生成部は、単位画像データ毎に付された複数
    の、変化情報に基づいて、当該単位画像データより小さ
    い単位である処理単位画像データに対応する変化情報を
    生成する動きベクトル補間部と、 上記処理単位画像データに対応する 変化情報から各画素
    毎に移動量及び重み係数を決定する移動量重み係数決定
    部と、 上記移動量に基づいて処理対象とする画素を決定する処
    理対象画素決定部と、上記重み係数を用いて上記処理対
    象となる画素の画素データを重み付け加算処理する重み
    付け加算部とを備えた、 ことを特徴とする画像処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項1、又は請求項2に記載の画像処
    理装置であって、 上記動き生成部は、変化情報の時間的変化を示す変化情
    報遷移情報を取得し、該取得した変化情報遷移情報に基
    づいて、画像データを構成する画素の重み付け加算処理
    を行ない、表示用画像データを生成する、 ことを特徴とする画像処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項3、又は請求項に記載の画像処
    理装置であって、上記移動量重み係数決定部は、 入力された変化情報を格納する変化情報格納部を備え、 上記変化情報格納部に格納された時間が異なる複数の、
    変化情報に基づいて各画素毎に移動量及び重み係数を決
    定する、 ことを特徴とする画像処理装置。
  7. 【請求項7】 請求項、又は請求項に記載の画像処
    理装置であって、 上記表示用画像データの表示状態を指示する再生情報を
    入力する再生情報入力部をさらに備え、 上記動き生成部は、上記再生情報を用いて表示画像デー
    タを生成する、 ことを特徴とする画像処理装置。
  8. 【請求項8】 請求項1、又は請求項に記載の画像処
    理装置であって、入力とする変化情報と閾値とを比較し、当該比較結果に
    基づいて第2の変化情報を生成する閾値判定処理部 をさ
    らに備え、 上記動き生成部は、上記第2の変化情報を用いて表示用
    画像データを生成する ことを特徴とする画像処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項1、又は請求項に記載の画像処
    理装置であって、 入力とする変化情報の値に予め定める係数を乗じて第2
    の変化情報を生成する動きベクトル処理部をさらに備
    え、 上記動き生成部は、上記第2の変化情報を用いて表示用
    画像データを生成する、 ことを特徴とする画像処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項1、又は請求項に記載の画像
    処理装置であって、処理対象となる画像データの領域を判定する領域判定部
    をさらに備えた、 ことを特徴とする画像処理装置。
  11. 【請求項11】 画像データと、当該画像データの時間
    的変化を示す情報である変化情報とを入力して、表示用
    画像データを生成する画像処理方法であって、 予め、単位画像データ毎に付された上記変化情報を用い
    て、当該単位データを構成する画素の重み付け加算処理
    を行ない、表示用画像データを生成する、 ことを特徴とする画像処理方法
  12. 【請求項12】 画像データと、当該画像データの時間
    的変化を示す情報である変化情報とを入力して、表示用
    画像データを生成する画像処理方法であって、複数の、予め単位画像データ毎に付された上記変化情報
    に基づいて、当該単位画像データより小さい単位である
    処理単位画像データに対応する変化情報を生成し、 上記生成した処理単位画像データに対応する変化情報を
    用いて、当該処理単位画像データを構成する画素の重み
    付け加算処理を行ない、 表示用画像データを生成する、 ことを特徴とする画像処理方法。
  13. 【請求項13】 請求項11、又は請求項12に記載の
    画像処理方法であって、変化情報の時間的変化を示す変化情報遷移情報を取得
    し、 該取得した変化情報遷移情報に基づいて、画像データを
    構成する画素の重み付け加算処理を行ない、表示用画像
    データを生成する、 ことを特徴とする画像処理方法。
  14. 【請求項14】 請求項11、又は請求項12に記載の
    画像処理方法であって、上記表示用画像データの表示状態を指示する再生情報を
    入力し、上記再生情報を用いて表示用画像データを生成
    する、 ことを特徴とする画像処理方法。
  15. 【請求項15】 請求項11、又は請求項12に記載の
    画像処理方法であって、入力とする変化情報と閾値とを比較し、当該比較結果に
    基づいて生成した第2の変化情報を用いて表示用画像デ
    ータを生成する、 ことを特徴とする画像処理方法。
  16. 【請求項16】 請求項11、又は請求項12に記載の
    画像処理方法であって、入力とする変化情報の値に予め定める係数を乗じて生成
    した第2の変化情報 を用いて表示用画像データを生成す
    る、 ことを特徴とする画像処理方法。
  17. 【請求項17】 請求項11、又は請求項12に記載の
    画像処理方法であって、処理対象とする画像データの領域を判定し、当該判定結
    果を 用いて表示用画像データを生成する、 ことを特徴とする画像処理方法。
JP2000065405A 1999-03-16 2000-03-09 画像処理装置、および画像処理方法 Expired - Fee Related JP3387883B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000065405A JP3387883B2 (ja) 1999-03-16 2000-03-09 画像処理装置、および画像処理方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7036899 1999-03-16
JP11-70368 1999-03-16
JP2000065405A JP3387883B2 (ja) 1999-03-16 2000-03-09 画像処理装置、および画像処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000333131A JP2000333131A (ja) 2000-11-30
JP3387883B2 true JP3387883B2 (ja) 2003-03-17

Family

ID=26411529

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000065405A Expired - Fee Related JP3387883B2 (ja) 1999-03-16 2000-03-09 画像処理装置、および画像処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3387883B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4344534B2 (ja) * 2003-04-30 2009-10-14 セコム株式会社 画像処理システム
JP4629415B2 (ja) * 2004-11-26 2011-02-09 株式会社日立メディコ 画像表示システム、画像表示方法及び画像表示プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000333131A (ja) 2000-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR20000075603A (ko) 고해상도 정지 화상의 생성 방법 및 장치
US9083982B2 (en) Image combining and encoding method, image combining and encoding device, and imaging system
JP3676525B2 (ja) 動画像符号化復号化装置及びその方法
JP3604732B2 (ja) 映像システム
JP2006148615A (ja) 復号化装置および符号化方法をコンピュータに実行させるためのプログラム
JP3387883B2 (ja) 画像処理装置、および画像処理方法
US6507673B1 (en) Method and apparatus for video encoding decision
US6735374B1 (en) Picture processing apparatus and method
JP4235209B2 (ja) 動きベクトル検出装置および動きベクトル検出方法
JP2007158703A (ja) 動画生成装置、動画生成方法、及びプログラム
JP6221820B2 (ja) 符号化装置、符号化方法および符号化プログラム
US7050494B1 (en) Frame display method and apparatus using single field data
JPH11155129A (ja) Mpeg画像再生装置およびmpeg画像再生方法
JP2004015700A (ja) プログレッシブ変換方法、プログレッシブ変換装置、シーケンス検出方法、シーケンス検出装置および映像データ処理装置
JP4470324B2 (ja) 画像信号変換装置および方法
JP3784086B2 (ja) 映像信号符号化・復号化装置及び符号化・復号化方法
US6038345A (en) Apparatus for encoding/decoding image data
JP3312456B2 (ja) 映像信号処理装置
JPH0522700A (ja) 画像データ復号装置
JP3653287B2 (ja) 画像情報変換装置及び画像情報変換方法
JPH06178277A (ja) 画像情報変換装置
JP3186406B2 (ja) 画像合成符号化方法及び画像合成装置
JP4062326B2 (ja) 係数生成装置および方法
JP3907623B2 (ja) 映像信号符号化・復号化装置及び符号化・復号化方法
JPH07336689A (ja) 動き補償回路

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080110

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090110

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090110

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100110

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110110

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110110

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120110

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees