JP3375115B2 - Method for producing fluororesin molded article - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、帯電防止性を有す
るフッ素樹脂成形体の新規な製造方法に関する。詳しく
は、イオン交換基を実質的に有さないフッ素樹脂成形体
の表層に、該フッ素樹脂固有の特性を維持しながら良好
な帯電防止効果を有する帯電防止層を、表面汚染性の極
めて少ない方法により、効率的に形成することが可能
な、帯電防止性を有するフッ素樹脂成形体の製造方法で
ある。
【0002】
【従来の技術】フッ素樹脂は耐薬品性、耐熱性、電気的
絶縁特性、耐汚染性に優れており、広い産業分野におい
て使用されている。ところが、フッ素樹脂の表面抵抗は
極めて高いために静電気を帯電し易いという大きな欠点
を有する。
【0003】例えば、半導体製造工程に用いられるフッ
素樹脂製のウエハーキャリアーは、フッ素樹脂の有する
帯電性により、雰囲気中の微粒子を吸着し易く、その結
果、ウエハーキャリアーに吸着した微粒子が、これに保
持されるウエハーを汚染し、該ウエハーを使用して得ら
れる製品の不良率を高くするといった問題を有する。
【0004】また、可燃性液体を移送するパイプにおい
ては、該パイプ内を可燃性液体が通過することによる摩
擦で静電気が発生し、これによる着火の危険性がある。
【0005】従来、フッ素樹脂成形体に帯電防止性を付
与することを目的として、フッ素樹脂に導電性粉末を配
合した樹脂組成物および該組成物より成る成形体が知ら
れている。例えば、特開昭61−37842号公報、特
開昭62−223255号公報、特開平2−25575
1号公報には、テトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂
に炭素粉末と炭素繊維粉末、繊維状導電性酸化チタンと
酸化亜鉛などの導電性粉末を混合した樹脂組成物により
成形体を得る方法が開示されている。
【0006】また、特開平8−59864号公報には、
フッ素樹脂成形体の表層をプラズマ処理することによ
り、C−F結合を切断したC=C結合とすることによ
り、表面を導電性としたフッ素樹脂成形体の製造方法が
開示されている。
【0007】また、フッ素樹脂成形体に親水性を付与す
ることを目的として、特開平1−98641号公報に
は、放射線照射により、イオン交換基を含有する親水性
モノマーをフッ素樹脂の多孔質チューブの表面にグラフ
ト重合させる方法が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
うち、導電性粉末を混合した樹脂組成物により得られる
成形体は、帯電防止能を付与するために多量の導電性粉
末を混合することが必要であり、そのため、得られるフ
ッ素樹脂成形体より導伝性粉末又はそれに含まれる不純
物が溶出するといった問題を有する。かかる問題は、該
成形体と接触する物質を汚染するという現象を招き、特
に、該フッ素樹脂成形体をウエハーキャリアーに使用し
た場合、該溶出した導電性粉末に起因するパーティクル
等により、該ウエハーキャリアーに保持されるウエハー
が汚染されるという現象を招く。また、流体の移送用パ
イプの用途においては、該流体の汚染という現象を招く
おそれがある。
【0009】また、成形体の全体が該導電性粉末を含む
フッ素樹脂で構成されることにより、フッ素樹脂の特性
である電気的特性、耐汚染性が損なわれ、かかる特性が
要求される用途において使用が制限される。
【0010】一方、親水性を付与する目的で、親水性モ
ノマーをグラフト反応によって導入する方法の場合、フ
ッ素樹脂は本来このような反応においては分解型の樹脂
に属し、モノマー等を定量的に且つ大量に導入すること
が難しく、表面より数百オングストローム程度の極薄い
厚さでイオン交換基が付与されるに止まる。また、フッ
素樹脂成形体の表面を放射線照射することにより、分解
した樹脂がパーティクル発生の原因となることも懸念さ
れる。
【0011】その結果、上記製造方法によって得られる
フッ素樹脂成形体は、表面抵抗が十分に低下せず、帯電
防止効果、汚染性等において未だ改良の余地があった。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題に関し、本発明
者らは鋭意研究をおこなった。その結果、イオン交換基
に変換できる基を有するフッ素樹脂を少なくとも表層の
一部に有するフッ素樹脂成形体において、イオン交換基
に変換できる基を有機水酸化第4アンモニウム水溶液に
より加水分解し、イオン交換基に変換して帯電防止層を
形成することにより、フッ素樹脂の元来有する電気的絶
縁特性を維持しながら、良好な帯電防止効果を発揮する
フッ素樹脂成形体を効率よく得ることができると共に、
該加水分解時に帯電防止層の表面を高純度に維持し得る
ことを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0013】即ち、本発明は、イオン交換基を実質的に
有さないフッ素樹脂成形体の少なくとも表層にイオン交
換基に変換できる基を有するフッ素樹脂を存在せしめ、
該表層に存在するイオン交換基に変換できる基を有機水
酸化第4アンモニウム水溶液によって加水分解してイオ
ン交換基に変換することを特徴とする、帯電防止性を有
するフッ素樹脂成形体の製造方法である。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明において、成形体を形成す
る、イオン交換基を実質的に有さないフッ素樹脂として
は、フッ素樹脂固有の特性、特に、電気絶縁特性を有す
るものが使用される。具体的には、イオン交換基或いは
導電性物質を実質的に含有しない公知のフッ素樹脂、例
えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエ
チレンとアルキルビニルエーテルとの共重合体、テトラ
フルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとの共重
合体、ポリモノクロロトリフルオロエチレン、テトラフ
ルオロエチレンとパーフルオロジメチルジオキソールと
の共重合体、ポリパーフルオロアルケニルビニルエーテ
ル等が挙げられる。
【0015】上記アルキルビニルエーテルは、パーフル
オロアルキルビニルエーテルまたは一部に水素原子を有
するポリフルオロアルキルビニルエーテルである。具体
的には、一般式、
Rf(CH2)lOCF=CF2
(但し、Rfはパーフルオロアルキル基、lは0または
1である。)
該アルキルビニルエーテルは、得られる共重合体中に占
める水素原子の割合が0.2重量%以下、好ましくは、
0.15重量%以下の範囲で使用することが好ましい。
【0016】また、イオン交換基を実質的に有さないフ
ッ素樹脂として、後記のイオン交換基に変換できる基を
有するフッ素樹脂を単独或いは上記フッ素樹脂と混合し
て使用することも可能である。
【0017】また、本発明においては、上記イオン交換
基を実質的に有さないフッ素樹脂成形体は、イオン交換
基が完全に存在しない態様に限定されるものではなく、
フッ素樹脂中に不可避的に存在するイオン交換基は、許
容するものである。かかる許容量は、用途によって要求
される寸法安定性や吸着、透過性が異なるため、一概に
限定することはできないが、一般には、イオン交換基を
含む単量体に換算して0.2モル%未満、特に、0.1
モル%以下が好適である。
【0018】尚、本明細書において、フッ素樹脂中に含
まれるイオン交換基の量は、イオン交換基の全モノマー
の単量体単位に対する組成で表す。また、フッ素樹脂中
に含まれるイオン交換基に変換できる基の量は、イオン
交換基に変換できる基の全モノマーの単量体単位に対す
る組成で表す。
【0019】本発明において用いられるイオン交換基に
変換できる基を有するフッ素樹脂は、公知のものが特に
制限無く使用される。例えば、テトラフルオロエチレン
とイオン交換基に変換できる基を有するモノマーとの共
重合体が好適に使用される。
【0020】この場合、共重合体の成形性、物性の改善
の目的でテトラフルオロエチレンに対して30モル%以
下のヘキサフルオロプロピレン、下記一般式
CF2=CFO(CH2)aCbF2b+1
(但し、aは0又は1であり、bは1〜10の整数であ
る。)で示されるアルキルビニルエーテル類、またはモ
ノクロロトリフルオロエチレン等の含フッ素モノマーを
混合して使用することができる。
【0021】また、イオン交換基に変換できる基を有す
るモノマーとしてはパーフルオロスルホン酸イオン交換
基に変換できる基を有するモノマーとして下記一般式
CF2=CFO〔CF2CF(CF3)O〕oCF2CFRF
SO2X
(但し、XはF又はClであり、RFはF又はCF3であ
り、oは1〜3の整数である。)で示されるモノマー
が、又パーフルオロカルボン酸イオン交換基に変換でき
る基を有するモノマーとしては、下記一般式
CF2=CFO〔CF2CF(CF3)O〕p(CF2)qY
(但し、YはCO2R(但しRは低級アルキル基であ
る。)、CN、COF、COClであり、pは1〜3の
整数であり、qは2〜8の整数である。)
又は、
CF2=CFO(CF2)rOCF(CF3)Y
(但し、YはCO2R(但しRは低級アルキル基であ
る。)、CN、COF、COClあり、rは2〜8の整
数である。)で示されるモノマーが好適に用いられる。
【0022】これらイオン交換基に変換できる基を有す
るモノマーを具体的に例示すれば、
CF2=CFOCF2CF2SO2F、
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO
2F、
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF(C
F3)OCF2CF2SO2F、
CF2=CFOCF2CF(CF3)SO2F、
CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF(C
F3)SO2F、
CF2=CFO(CF2)3-8CO2CH3、
CF2=CFOCF2CF2OCF2CF(CF3)CO2C
H3
が挙げられる。
【0023】更に、これらのモノマーは単独で用いても
良く、また混合して用いても何等差し支え無い。
【0024】上記のテトラフルオロエチレンとイオン交
換基に変換できる基を有するモノマーとの共重合は公知
の方法を何等制限なく用いることができる。即ち、溶液
重合法、懸濁重合法、及び乳化重合法のうち共重合性等
の条件を考慮して最適な重合方法を選択すれば良い。
【0025】何れの場合もイオン交換基に変換できる基
を有するモノマーの分散液又は溶液にテトラフルオロエ
チレンを加圧下に溶解させて共重合がおこなわれるが、
イオン交換基に変換できる基を有するモノマーやテトラ
フルオロエチレンに加えて他のモノマーを用いる場合、
そのモノマーがヘキサフルオロプロピレン等の気体であ
ればテトラフルオロエチレンに混合して、また、アルキ
ルビニルエーテル等の液体であればイオン交換基に変換
できる基を有するモノマーへ混合して重合すれば良い。
【0026】乳化重合或いは有機溶媒を使用しない懸濁
重合の場合、分散媒としては水が好適である。一方、溶
液重合或いは有機溶媒を使用する懸濁重合の場合、有機
溶媒が連鎖移動剤として作用し、重合体の分子量を低下
させ、その結果得られた共重合体の物性が劣ることがあ
るため、用いる溶媒はフッ素系の液体が好ましい。
【0027】かかるフッ素系の液体としては、具体的に
は、パーフルオロブタン、パーフルオロペンタン、パー
フルオロヘキサン、パーフルオロヘプタン、パーフルオ
ロオクタン等のパーフルオロアルカン類、パーフルオロ
シクロブタン、パーフルオロシクロヘキサン等のパーフ
ルオロシクロアルカン類、パーフルオロエーテル類、パ
ーフルオロトリブチルアミン等のパーフルオロ3級アミ
ン類、パーフルオロモルホリン類、トリフルオロモノク
ロロエタン等のクロロフルオロエタン類等が好適に用い
られる。
【0028】重合開始剤としては乳化重合の場合過硫酸
アンモニウム等の過硫酸塩が好適に用いられ、また溶液
重合、懸濁重合の場合は公知の有機系ラジカル発生剤が
用いられるが、得られる共重合体の耐熱性を考慮する
と、フッ素系のジアシルパーオキシド類が好適に用いら
れ、具体的には次のものが挙げられる。
【0029】(CF3CF2CO2)2、(HCF2CF2C
O2)2、(ClCF2CF2CO2)2、(CF3CF2CF
2CO2)2、(CF3CF2CF2OCF(CF3)CO2)
2また、重合時のフルオロオレフィンの圧力はモノマー
組成、重合温度により一概には決定できないが、1〜3
0kg/cm2−Gが好ましい。また重合温度は用いる
重合開始剤の分解温度によって異なるため、一概には決
定できないが通常0〜100℃であり、重合開始剤とし
てフッ素系のジアシルパーオキシドを用いた場合は0〜
50℃が好ましい。
【0030】本発明において、イオン交換基に変換でき
る基を有するフッ素樹脂を少なくとも表層の一部に有す
るフッ素樹脂成形体(以下、前駆成形体と略称する。)
の製造方法は特に制限されない。代表的な製造方法を例
示すれば下記の方法が挙げられる。
【0031】すなわち、イオン交換基に変換できる基を
有するフッ素樹脂単独或いは該フッ素樹脂とイオン交換
基を実質的に有さないフッ素樹脂との混合物(以下、こ
れらを前駆体樹脂と総称する。)を溶融成形などの成形
方法によって成形体全体にイオン交換基に変換できる基
が存在する成形体を製造する方法(前駆成形体の製造例
1)が挙げられる。
【0032】上記方法において、イオン交換基に変換で
きる基を有するフッ素樹脂とイオン交換基を実質的に有
さないフッ素樹脂との混合には、公知の混合方法が何等
制限無く採用されるが、例示すると、ヘンシェルミキサ
ー、ニーダブラベンダー等が挙げられる。
【0033】また、前駆成形体の他の製造方法として、
イオン交換基を実質的に有さないフッ素樹脂成形体の少
なくとも一部の表層に前駆体樹脂を融着して、表層にイ
オン交換基に変換できる基が存在する成形体を製造する
方法(前駆成形体の製造例2)が挙げられる。
【0034】上記方法を具体的に示せば、金型内面に前
駆体樹脂を層状に存在させた後に、イオン交換基を実質
的に有さないフッ素樹脂を射出成形、或いはブロー成形
することによって表層を形成することにより前駆成形体
を製造する方法(前駆成形体の製造例2−1)、予めイ
オン交換基に変換できる基を実質的に有さないフッ素樹
脂成形体を成形し、次いで、該成形体の表面、或いは成
形体の形状に加工した金型内面に、前駆体樹脂を存在さ
せた後、該金型に挿入し、金型を閉じ加熱し融着するこ
とにより前駆成形体を製造する方法(前駆成形体の製造
例2−2)、前駆体樹脂よりなる層と、イオン交換基に
変換できる基を実質的に有さないフッ素樹脂よりなる層
とを少なくとも一層含む樹脂による多層押出成形、或い
は多層ブロー成形することにより前駆成形体を製造する
による方法(前駆成形体の製造例2−3)等が挙げられ
る。
【0035】上記した前駆成形体の製造方法の中で金型
を用いた方法の場合、金型内面への前駆体樹脂を存在さ
せる方法は、その目的にあった公知の方法を適宜採用す
れば良いが、例示すれば、粉体静電スプレー法、懸濁液
での塗布による方法が好適であり、また、フィルムで存
在させる方法も好適である。さらに、フッ素樹脂成形体
の表面への前駆体樹脂を存在させる方法も特に制限され
ないが、懸濁液での塗布による方法が好適である。
【0036】本発明にかかるフッ素樹脂成形体の具体的
形状は特に制限されるものではない。例えば、図1に示
した構造のウエハーキャリアーのような構造体、チュー
ブ、パイプ等の管状体、シート、フィルム等の薄物成形
体などが挙げられる。これら成形体の成形方法は、製造
しようとする構造体によって射出成形、押出成形、トラ
ンスファー成形、圧縮成形、ブロー成形等の公知の方法
から適宜選択すれば良い。
【0037】本発明の帯電防止能を有するフッ素樹脂成
形体は、前駆成形体中の少なくとも表層の一部に存在す
るイオン交換基に変換できる基をイオン交換基に変換し
て、帯電防止層を形成することによって製造される。
【0038】本発明の特徴は、かかるイオン交換基に変
換できる基をイオン交換基に変換する加水分解反応に、
有機水酸化第4アンモニウム水溶液を用いることにあ
る。
【0039】ここで、加水分解反応にNaOH、KOH
等のアルカリ金属水酸化物やCa(OH)2等のアルカ
リ土類金属水酸化物を用いた場合、イオン交換基への変
換は達成されるが、加水分解反応時にアルカリ金属塩や
アルカリ土類金属塩が副生し、帯電防止層中に残留す
る。このため、その後の成形体使用時にこれら金属塩が
徐々に溶出することがあり、好ましくない。
【0040】これに対して、加水分解反応に、有機水酸
化第4アンモニウム水溶液を用いる方法によって製造し
た帯電防止能を有するフッ素樹脂成形体は、アルカリ金
属イオン、アルカリ土類金属イオンが成形体内に含まれ
ておらず、従って、使用時に、かかる金属イオンが無い
ため金属イオンによる汚染を嫌う半導体製造工程におい
て好適に用いられる。
【0041】本発明における加水分解後の陽イオン交換
基の対イオンは、アンモニウムイオンとなっているが、
水素イオン、他のアンモニウムイオンへの変換は公知の
方法がなんら問題なく採用される。
【0042】加水分解反応は、数〜数十重量%の有機水
酸化第4アンモニウム水溶液に成形体を浸漬し、数分〜
百数十時間、室温〜150℃で加熱すれば良いが、より
好ましくは、5〜40重量%の有機水酸化第4アンモニ
ウム水溶液を用い、1〜12時間、50〜150℃で加
水分解反応を行えば良い。ここで有機水酸化第4アンモ
ニウムであれば特に制限は無いが、より好ましくはテト
ラアルキルアンモニウムハイドロオキシドが用いられ
る。この加水分解反応を促進する為に、メチルアルコー
ル(以下MeOHと略称する。)、エチルアルコール
(以下EtOHと略称する。)、ジメチルスルホキシド
(以下DMSOと略称する。)等の有機溶媒を添加する
ことは有効である。
【0043】なお、有機水酸化第4アンモニウム水溶液
に含まれるアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオ
ン等の濃度は少ないほど好ましいが、具体的には10p
pb以下である。
【0044】上記方法によって付与されるイオン交換基
は、前駆成形体に存在するイオン交換基に変換し得る基
の種類によって決定される。例えば、パーフルオロスル
ホン酸基、またはパーフルオロカルボン酸基が挙げら
れ、これらのイオン交換基はパーフルオロ炭素鎖又はパ
ーフルオロエーテル鎖を介して化学的にフッ素樹脂に結
合している。
【0045】これらイオン交換基を更に詳しく説明すれ
ば、パーフルオロスルホン酸基は下記一般式
−CFRFSO3M
(但し、RFはF又はCF3であり、Mは水素原子、又は
NR'4で示される基(但しR'は水素原子又は低級アル
キル基である。)である。)で示され、又パーフルオロ
カルボン酸基は、下記一般式
−CFRFCO2M
(但し、RF及びMは前記と同じである。)で示される
ものである。
【0046】これらイオン交換基のうち、パーフルオロ
スルホン酸基は、パーフルオロカルボン酸基に対して耐
熱性が良く、結合する対イオンが水素イオンの場合、パ
ーフルオロカルボン酸基に比べて帯電防止能が高いため
好適である。
【0047】本発明において、フッ素樹脂成形体の表層
に形成される帯電防止層は、イオン交換基を存在させる
ことによって、一般に、表面抵抗率が1013Ω未満、好
ましくは、1010Ω以下の表面抵抗を示す。尚、本発明
において、表面抵抗率は、JIS K−6911に記載
の方法に準じて行った。
【0048】本発明において、上記帯電防止層のイオン
交換基の濃度は0.25モル%以上、好ましくは0.2
5〜20モル%、更に好ましくは0.25〜18モル%
とすることが良好な帯電防止性を付与するために好まし
い。即ち、前記した前駆成形体の製造例において用いる
前駆体樹脂におけるイオン交換基に変換できる基の濃度
を、0.25モル%以上、好ましくは0.25〜20モ
ル%、更に好ましくは0.25〜18モル%に調整する
ことが好ましい。
【0049】また、イオン交換基を有する表層の厚みが
1〜500μmで、かつ、成形体の厚みの80%以下と
なるように成形条件の設定、及び前記イオン交換基への
変換を実施することが好ましい。具体的には、該帯電防
止層の厚みの上限は、成形体の厚みに対して80%以
下、好ましくは40%以下、更に好ましくは30%以下
である。特に該層の上限は絶対的な厚みで500μm以
下とすることが更に好ましい。
【0050】本発明においては帯電防止層の厚みは、前
記したように、本発明の効果を発現する上で重要であ
る。帯電防止層の厚みは、加水分解条件と前駆体樹脂層
の形成の方法および条件によって調整される。
【0051】即ち、前述した前駆成形体の製造例1では
加水分解条件によって、帯電防止層の厚さが制御され
る。即ち、加水分解反応の条件においては、用いる水酸
化第4アンモニウム水溶液の濃度、温度、有機溶媒の種
類、量、イオン交換基に変換できる基の存在量、樹脂の
組成等によって一概には決定できない。従って、予め加
水分解条件と加水分解によって生成する帯電防止層の厚
さ方向での濃度を測定しておけば、本発明の範囲に帯電
防止層の厚みを調節することができる。
【0052】また、前駆成形体の製造例2−1〜3では
成形の方法および条件によって調整される。即ち、成形
時に前駆体樹脂層の厚さを制御し、該層を加水分解する
ことにより、帯電防止層の厚さを制御することができ
る。更に具体的には、金型内部もしくはフッ素樹脂成形
体へ、前駆体樹脂粉体を存在させる方法において、塗布
量の制御を、粉体静電スプレー法では、印加電圧、フィ
ードガス流量、パターンガス流量、ノズル部の形状等で
制御をおこない、また懸濁液の塗布方法の一つとして
の、懸濁液スプレー法では溶剤、樹脂濃度、スプレーガ
ス流量等の制御をおこない、前駆体樹脂層の厚みを制御
することができる。また、フィルムによって存在させる
方法においては挟み込むフィルムの厚さ調整によって前
駆体樹脂層の厚みを制御することができる。また、前記
した前駆成形体の製造方法2−2に示したような方法の
場合は、成形体の外寸法と金型の内寸法による間隙によ
っても厚みを制御することができる。また、多層押出成
形による方法においては、ノズル形状,押出量比,引き
取り速度等の制御によって前駆体樹脂層の厚みを制御す
ることができる。
【0053】各種の条件によっては、表面がイオン交換
基の濃度が高く、厚み方向にイオン交換基の濃度が低く
なる濃度勾配が形成されるが、イオン交換基の濃度が
0.25モル%以上の濃度である層の厚みが1μm以上
であるのがよく、この帯電防止層の下にはイオン交換基
の濃度が0.2モル%未満、特に0.1モル%以下の基
体が存在すべきである。もちろん、帯電防止層と基体と
の間には、イオン交換基の濃度がそれらの中間にある遷
移層が存在していても何ら差し支えない。
【0054】加水分解はフッ素樹脂成形体の全表面でお
こなうことが好ましいが、用途によっては片面、または
一部の加水分解をおこなっても良い。また、用途によっ
ては前駆体樹脂層全てを加水分解しなくても良い。この
場合は、加水分解条件によって帯電防止層の厚さを制御
することができる。
【0055】また、フッ素樹脂成形体を後記のフィル
ム、シートなどの薄物、チューブ、パイプ等の用途に使
用する場合、フッ素樹脂の有する絶縁性、イオンの不透
過性、耐薬品性等の特性を十分発揮するため、基体であ
るイオン交換基を実質的に有さない部分の厚みを10μ
m以上確保するように該層の厚みの上限を制御すること
が好ましい。
【0056】本発明において、帯電防止層は成形体の全
表面に存在させるのが一般的であるが、用途によっては
成形体表面の一部に存在させても良い。
【0057】例えば、フィルム、シート等々の薄物の片
面、チューブ、パイプ状物の内面または外面に帯電防止
層を有し、他の面には帯電防止層を有さない構造となっ
ていても良い。例えば、フッ素樹脂成形体の片面で静電
気が問題とされ、他面では静電気が問題とされないとい
った用途に対しては充分使用することができる。
【0058】本発明の帯電防止層の厚み、イオン交換基
の存在量及び基体の厚みは例えば赤外吸収スペクトル
(以下IRスペクトルと略称する。)を測定することに
よって知ることができる。即ち、本発明のフッ素樹脂成
形体の表面から垂直に数十〜数百μmの厚みでフィルム
を切り出し、IRスペクトルを表面より、数μmの間隔
で透過、又は反射スペクトルを測定することにより、或
いは本発明のフッ素樹脂成形体の表面から数〜数十μm
で削りその切削面の反射スペクトルを測定するすること
により、帯電防止層、及び基体の厚みが算出される。
【0059】かかる帯電防止層をイオン交換基を実質的
に有さないフッ素樹脂よりなる基体の表面に存在させ、
表面抵抗率を下げることにより、従来の導電性物質を添
加して帯電防止性を付与する手段に対して、その表面か
らのパーティクルの発生が極めて少なく、ウエハーキャ
リアー等のこれに接触する物品に対する汚染性が問題と
される用途において、有用である。また、基体となるフ
ッ素樹脂に多量の添加物を含有しないため、フッ素樹脂
成形体の強度も十分あり、上記ウエハーキャリアー等の
物理的負荷のかかる用途に対して最適である。また、全
体にイオン交換基を有するイオン交換樹脂に比べて、不
純物イオンが内部まで浸透しないため、不純物イオンの
吸着量が少なく、得られるフッ素樹脂成形体に接触する
物品に対する不純物イオンの汚染性が極めて少ない。
【0060】本発明のフッ素樹脂成形体について、後述
する方法で測定した薬液吸着量は、50ppb/cm2以下、
特に10ppb/cm2以下である。
【0061】このことからも、本発明の方法によって得
られたフッ素樹脂成形体が前記ウエハーキャリアーのよ
うに汚染性が問題とされる用途に最適であることが理解
される。
【0062】本発明において、得られるフッ素樹脂成形
体の帯電防止効果は、電圧減衰率によって確認すること
ができ、一般に、10kVの電圧を1分間かけ、その後
1秒後の電圧減衰率が70%以上、好ましくは、90%
以上のものが好適である。
【0063】上記の本発明の方法によって製造されたフ
ッ素樹脂成形体は、表層を除いて実質的にイオン交換基
を含有しない部分が存在するため、従来のフッ素樹脂と
同等に扱うことができ、成形体内部の全体にわたってイ
オン交換基が存在するフッ素樹脂成形体に見られる下記
の問題をほとんど回避することができる。
【0064】即ち、イオン交換膜のように、全体にイオ
ン交換基を有する樹脂を使用した成形体は、溶剤や薬液
等に浸漬した場合、成形体の膨潤による寸法変化が生じ
たり、イオンや無機物、或いは有機物を吸着、透過する
という現象が生じる。そのため、ウエハーキャリアーの
用途に使用した場合、これに接触するウエハーの汚染の
問題が生じる虞がある。例えば、基体にイオン交換基を
有するフッ素樹脂として、フッ素系のイオン交換膜やイ
オン交換樹脂が知られているが、これらの樹脂はイオン
の透過、吸着を目的としたものであり、通常イオン交換
基を十数モル%程度含有している。そのため、上記ウエ
ハーキャリアーのようにフッ素樹脂の特徴である耐汚染
性が要求される分野においては、フッ素系のイオン交換
膜やイオン交換樹脂が有する、有機物やイオン等の吸着
特性は好ましくない。また、帯電防止能が要求されるフ
ッ素樹脂よりなるフィルム、チューブの成形体の用途に
おいても、イオン、水等の無機物、アルコール等の有機
物を透過、吸着させるという問題を有する。
【0065】
【発明の効果】以上の説明により理解されるように、本
発明の方法によれば、フッ素樹脂成形体の表層にイオン
交換基を有する層を付与することができ、該フッ素樹脂
成形体の元来有する電気絶縁性を維持し、帯電防止層を
高純度に維持しながら良好な帯電防止効果を発揮するフ
ッ素樹脂成形体を得ることができる。
【0066】即ち、この帯電防止能を有したフッ素樹脂
成形体は、有機水酸化第4アンモニウム水溶液によって
加水分解することにより、該フッ素樹脂成形体の使用時
に金属イオンの溶出が無いため、金属イオンによる汚染
を嫌う半導体製造工程において好適に用いられる。
【0067】また、通常のフッ素樹脂は1016Ω以上の
表面抵抗を有し、1時間後の電圧減衰率は数%であるの
に対し、本発明の方法によれば、フッ素樹脂成形体の表
面抵抗は1013Ω未満であり、また電圧減衰率は数秒以
内にほぼ100%となり、実質的にほとんど帯電しない
フッ素樹脂成形体を得ることが可能である。
【0068】従って、本発明によって製造される帯電防
止層を有したフッ素樹脂成形体は、現状のフッ素樹脂と
異なり静電気の発生がほとんど無く、また、静電気が発
生した場合の失散も速い。また、本発明によって製造さ
れるフッ素樹脂成形体は、基体に実質的にイオン交換基
を有していないので、薬液に浸漬した場合、イオンや無
機物又は有機物の吸着、透過が無いため、薬液からの汚
染が無く、また、このフッ素樹脂成形体を他の薬液や水
に移動した時にこれらの薬液や水を必要以上に汚染する
ことも無く、更には成形体の寸法変化も無いなど、フッ
素樹脂が本来有している優れた物性を保持することがで
きる。
【0069】以上のことより、本発明の方法によって得
られたフッ素樹脂成形体は、半導体製造工業、食品工
業、化学工業、或いは一般の理化学分野等での静電気の
発生、及び、金属イオンの溶出を嫌う分野において好適
に用いることができる。
【0070】具体的には、静電気による埃等の付着が無
いため、半導体製造時の周辺部品として、薬液移送チュ
ーブ、継ぎ手、バルブ、チェッキ弁、ストレーナー、薬
液容器、真空ピンセット、真空ピンセット用チップ、パ
ッキン、Oリング、ガスケット、シート、ライニング
材、コーティング材、ピンセット、トング、ディッパ
ー、ホールダー、ストレーナー、フラッシャー、ファン
ネル、メスシリンダー、バスケット、攪拌棒、ビーカ
ー、ワイプクリーナー、タンク、ボルト、ナット、ボト
ル、スノコ、トレー、プレートヒーター等に好適に用い
ることができる。
【0071】また、ウエハーキャリアー等の治具として
ウエハーキャリアー、ウエハーキャリアー用ハンドル、
ウエハーキャリアー用ボックス、リテーナー、プロセス
トレー、ウエハー用プロテクター、ウエハーボード、L
CDバスケット、LCDキャリアー、ウエハートレー、
ウエハートレー用カバー、ウエハートレー用スプリン
グ、ウエハーパック、ウエハーシッパー、マスクキャリ
アー、マスクキャリアー用ボックス、マスクキャリアー
用ハンドル、マスクパック、マスクケース、デバイスキ
ャリアー、デバイスキャリアー用ハンドル、サイドレー
ル、チップトレー、チップトレー用カバー、チップトレ
ー用ケース、チップ移し替えトレー、チップ洗浄用キャ
リアー、チップ洗浄器、チップトレー用ボックス等に好
適に用いることができる。特に本発明のフッ素樹脂成形
体より成るウエハーキャリアーは、帯電防止性に優れる
ため、静電気による使用雰囲気中の微粒子のウエハーへ
の付着が十分効果的に抑えられるばかりでなく、パーテ
ィクルの発生、不純イオンによる汚染、及び、金属イオ
ンによる汚染等の問題もなく、その結果、ウエハーの不
良率を低く抑えることができるといった効果をもたら
す。
【0072】また、本発明のチューブ(パイプを含む)
を用いて可燃性液体を移送した場合、帯電防止の効果に
よって静電気の発生、蓄積が防止され、従って着火の危
険性を防止することができるばかりでなく、パーティク
ルの発生、移送液体による膨潤、さらには移送液体の透
過の問題もなく、極めて有用である。
【0073】更に、食品製造分野においては本発明の成
形体を用いることにより、衛生上問題となる埃の付着を
防ぐことができることから、食品製造において使用され
る機器類の表面コーティング、例えば混合器の容器及び
攪拌翼、またチューブ、トレイ、ベルト等に好適に使用
できる。
【0074】
【実施例】以下、本発明を詳細に説明するために実施例
を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0075】尚、フッ素樹脂成形体の表面抵抗率、電圧
減衰率、薬液吸着量、及びNa+,K+イオン溶出量は次
のようにして求めた。
【0076】(1)表面抵抗率
JIS K−6911に準じて測定し、次の式によって
表面抵抗率を算出した。
【0077】
【数1】
【0078】
ここで、 ρS:表面抵抗率(Ω)
d :表面電極の内円の外径(cm)
D :表面の環状電極の内径(cm)
RS:表面抵抗(Ω)
電圧 500V 測定時間 30秒 3回平均
(2)電圧減衰率
スタティック−ホネストメーター S−5109(宍戸
商会製)を用いて、電圧10kVを1分間かけ、電圧を
切ってからの電圧を測定した。
【0079】樹脂サイズ:40×40×0.25mm
減衰率=(初期電圧−t時間後の電圧)/初期電圧(単
位:%)
(3)Na+,K+イオン溶出量
試験片を超純水で20分間リンスした後、試験片を超純
水500mlに入れ、80℃で加熱した。一定時間ごと
に超純水をサンプリングし、誘導結合プラズマ質量分析
法(ICP−MS)で分析し、該超純水に含まれるNa
+,K+イオンの量を試験片表面積1cm2当たりで算出
した。
【0080】(4)薬液吸着量
試験片を超純水で20分間リンスした後、試験片を洗浄
済み1lの石英容器にいれ、電子工業用硫酸500ml
を加え、室温で10分間保持して硫酸を該試験片に吸着
させた。
【0081】次いで、試験片を取り出し、超純水で20
分間リンスした後、超純水500mlに入れ、80℃で
加熱した。2時間経過後、超純水をサンプリングし、イ
オンクロマトで分析し、該超純水に含まれる硫酸の量を
試験片表面積1cm2当たりで算出し、薬液の吸着量と
した。
【0082】参考例1
攪拌機を有したステンレス製の500ml反応器に予め
蒸留により精製した1,1,2-トリクロロトリフルオロエタ
ン320gを入れた後、内部を脱気し、その後、窒素ガ
スで大気圧とした。反応器内にMeOH0.039g及
び、33.5gのCF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2Fを入れ
た後、攪拌モーターの回転数を800回転とし、テトラ
フルオロエチレンを導入し圧力を4kg/cm2−Gに
した。
【0083】次いで、反応器内を25℃に保ちつつ、ビ
ス(ヘプタフルオロブチリル)ペルオキシドの1,1,2-ト
リクロロトリフルオロエタン溶液(5重量%)1.77
gを導入して重合を開始した。重合中、重合温度は25
℃に保った。反応開始120分後、反応器内の圧力を放
出し、反応器を冷却トラップを介し、真空ポンプに接続
し攪拌しつつ減圧にし、溶媒、未反応モノマー等の低沸
点成分をトラップ内に回収した。留出後、反応器を解体
し、共重合体を取り出し、150℃で12時間真空乾燥
したところ24gの共重合体が得られた。
【0084】核磁気共鳴スペクトル、赤外吸収スペクト
ルの測定結果より、上記共重合体中に、テトラフルオロ
エチレンに基づく単量体単位が95.7モル%、CF2=CF
OCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2Fに基づく単量体単位が4.3モ
ル%共重合したものであることが確認された。また、こ
の共重合体の372℃での比溶融粘度は、4.6×10
6ポアズであった。
【0085】実施例1
参考例1で得られた共重合体を厚さ0.25mmのフィ
ルムに溶融成形し、次いで、水酸化テトラメチルアンモ
ニウム(以下TMAHと略記する)/MeOH/H2O
=15/25/60wt%の水溶液に浸漬し、100℃で
3時間加水分解を行って帯電防止層を形成した。このフ
ィルムのイオン交換基の存在量を調べたところ表面では
約4.3モル%、表面から20μmのところでは約0.
28モル%であり、表面から30μm、及び中心付近で
は0.08モル%、0.02モル%であった。従って、
帯電防止層におけるイオン交換基の濃度が0.25モル
%以上である層の厚みは20μmである。
【0086】次に、このフィルムの表面抵抗率を測定し
たところ3.4×108Ωであり、電圧減衰率を測定し
たところ1秒で100%減衰した。また、このフィルム
の薬液吸着量を測定したところ1.0μg/cm2であ
った。このフィルムをイオン交換水中に一夜浸漬したと
ころ膨潤による伸びは観測されなかった。また、Na+
イオン溶出量は溶出開始から1時間後、3時間後、5時
間後の溶出量が0.8μg/cm2以下、0.8μg/
cm2以下、0.8μg/cm2以下であり、K+イオン
溶出量は溶出開始から1時間後、3時間後、5時間後の
溶出量が0.4μg/cm2以下、0.4μg/cm2以
下、0.4μg/cm2以下であった。
【0087】また、上記の方法によって得られた0.2
5mmのフィルムについて、パーティクルの発生テスト
を実施した。即ち、先ず、該フィルムを5cm×10c
mのサンプルに切り出し、クラス1000のクリーンル
ーム内で超純水で10分間リンスした。その後、容器に
電子工業用イソプロピルアルコールを入れ、5分間振と
う後放置した。1日後電子工業用イソプロピルアルコー
ルを入れ替え、5分間振とう後放置した。同様な入れ替
え操作を繰り返し1日後、7日後、14日後のイソプロ
ピルアルコールに含まれる0.3〜2μmのパーティク
ル数をパーティクルカウンター(リオン社製、KL−2
2)を用いて測定したところ。1日後で750個/m
l、7日後で90個/ml、14日後で45個/mlの
パーティクルが観測された。
【0088】なお、この実験でもちいた電子工業用イソ
プロピルアルコールに含まれるパーティクルは20〜4
0個/mlであった。
【0089】実施例2〜3
実施例1のフィルムを用い、加水分解温度を変えた以外
は実施例1と同様にして加水分解を行って帯電防止層を
形成した。
【0090】表1に、加水分解温度、帯電防止層におけ
るイオン交換基の濃度が0.25モル%以上の層の厚
み、表面抵抗率、1秒後の電圧減衰率及び、Na+、K+
イオン溶出量(溶出開始から5時間後)を測定した結果
を示した。
【0091】
【表1】
【0092】実施例4〜8
実施例1のフィルムを用い、TMAH水溶液の濃度を変
えた以外は実施例1と同様にして加水分解を行って帯電
防止層を形成した。
【0093】表2に、加水分解液濃度と、帯電防止層に
おけるイオン交換基の濃度が0.25モル%以上の層の
厚み、表面抵抗率、1秒後の電圧減衰率及び、Na+、
K+イオン溶出量(溶出開始から5時間後)を測定した
結果を示した。
【0094】
【表2】
【0095】実施例9〜10
実施例1のフィルムを用い、加水分解時間を変えた以外
は実施例1と同様にして加水分解を行って帯電防止層を
形成した。
【0096】表3に、加水分解時間と、帯電防止層にお
けるイオン交換基の濃度が0.25モル%以上の層の厚
み、表面抵抗率、1秒後の電圧減衰率及び、Na+、K+
イオン溶出量(溶出開始から5時間後)を測定した結果
を示した。
【0097】
【表3】
【0098】比較例1〜2
実施例1のフィルムを用い、水酸化物としてTMAHの
代わりにNaOH、もしくはKOHを用いた以外は実施
例1と同様にして加水分解を行って帯電防止層を形成し
た。
【0099】表4に、水酸化物の種類と、帯電防止層に
おけるイオン交換基の濃度が0.25モル%以上の層の
厚み、表面抵抗率、1秒後の電圧減衰率及び、Na+,
K+イオンの溶出量(溶出開始から1時間後、3時間
後、5時間後)を測定した結果を示した。
【0100】
【表4】
【0101】実施例11〜12
実施例1のフィルムを用い、加水分解に用いる有機溶媒
を変えた以外は実施例1と同様にして加水分解を行って
帯電防止層を形成した。
【0102】表5に、加水分解液組成と、帯電防止層に
おけるイオン交換基の濃度が0.25モル%以上の層の
厚み、表面抵抗率、1秒後の電圧減衰率及び、Na+、
K+イオン溶出量(溶出開始から5時間後)を測定した
結果を示した。
【0103】
【表5】 DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[0001]
TECHNICAL FIELD The present invention has an antistatic property.
A novel method for producing a fluororesin molded article. In detail
Is a fluororesin molded article having substantially no ion exchange group
Good while maintaining the unique characteristics of the fluororesin on the surface layer of
An antistatic layer that has an effective antistatic effect
Efficient formation can be achieved with a minimum number of methods
A method for producing a fluororesin molded article having antistatic properties
is there.
[0002]
2. Description of the Related Art Fluororesins are chemically resistant, heat resistant, and electrically resistant.
Excellent insulation properties and contamination resistance, suitable for a wide range of industrial fields
Has been used. However, the surface resistance of fluororesin is
The major disadvantage is that it is very high and is easily charged with static electricity
Having.
[0003] For example, a foot used in a semiconductor manufacturing process.
Silicon resin wafer carrier has fluororesin
Due to the chargeability, it is easy to adsorb fine particles in the atmosphere,
As a result, fine particles adsorbed on the wafer carrier are
Contaminates the wafer being carried and
There is a problem that the defective rate of a product to be manufactured is increased.
In addition, a pipe for transferring a flammable liquid is
The friction caused by the passage of flammable liquid through the pipe.
Rubbing generates static electricity, which can cause ignition.
Conventionally, a fluororesin molded article is provided with an antistatic property.
Conductive powder to fluororesin for the purpose of giving
Known resin compositions and molded articles comprising the compositions are known.
Have been. For example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 61-37842,
JP-A-62-223255, JP-A-2-25575
No. 1 discloses a fluorine resin such as tetrafluoroethylene.
With carbon powder and carbon fiber powder, fibrous conductive titanium oxide
Resin composition mixed with conductive powder such as zinc oxide
A method for obtaining a molded body is disclosed.
Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-59864 discloses that
By subjecting the surface layer of the fluororesin molded body to plasma treatment
By converting the CF bond into a C = C bond,
The method for producing a fluororesin molded body having a conductive surface
It has been disclosed.
Further, it imparts hydrophilicity to the fluororesin molding.
Japanese Patent Application Laid-Open No. 1-98641 for the purpose of
Is hydrophilic containing ion exchange groups upon irradiation
Monomers are graphed on the surface of a fluororesin porous tube
A method for polymerization is disclosed.
[0008]
SUMMARY OF THE INVENTION
Among them, obtained by resin composition mixed with conductive powder
The molded body is made of a large amount of conductive powder to impart antistatic ability.
It is necessary to mix the powder, so that the resulting
Conductive powder or impurities contained in it
There is a problem that substances are eluted. Such a problem is
It causes the phenomenon of contaminating the substance that comes in contact with the compact,
Then, using the fluororesin molded body as a wafer carrier
In the case, the particles caused by the eluted conductive powder
Wafer held by the wafer carrier
Causes the phenomenon of contamination. In addition, the fluid transfer
In the use of IP, it causes the phenomenon of contamination of the fluid.
There is a risk.
Further, the whole molded body contains the conductive powder.
By being composed of fluororesin, the characteristics of fluororesin
The electrical properties and contamination resistance are impaired,
Limited use in required applications.
On the other hand, for the purpose of imparting hydrophilicity, hydrophilic
In the case of the method of introducing the
Nitrogen resin is originally a decomposition type resin in such a reaction.
And quantitatively and quantitatively introduce monomers
Difficult, very thin, about a few hundred angstroms below the surface
Only the ion-exchange groups are provided at the thickness. Also,
Decomposition by irradiating the surface of the plastic molding
There is also concern that the resin may cause particle generation
It is.
As a result, it is obtained by the above manufacturing method.
Fluororesin moldings do not sufficiently reduce surface resistance and charge
There is still room for improvement in the prevention effect, contamination, etc.
[0012]
SUMMARY OF THE INVENTION In view of the above-mentioned problems, the present invention has been developed.
They conducted intensive research. As a result, the ion exchange group
A fluororesin having a group that can be converted into at least a surface layer
In some fluororesin moldings, ion-exchange groups
Group that can be converted to organic quaternary ammonium hydroxide solution
Hydrolyzes and converts to an ion exchange group to form an antistatic layer.
By forming, the electrical insulation inherent in fluororesin
Demonstrate good antistatic effect while maintaining edge characteristics
Along with efficiently obtaining a fluororesin molded body,
During the hydrolysis, the surface of the antistatic layer can be maintained at a high purity.
This led to the completion of the present invention.
That is, the present invention substantially comprises an ion exchange group.
Ion exchange on at least the surface layer of
A fluororesin having a group that can be converted to a substituted group,
A group that can be converted to an ion exchange group present in the surface layer is
Hydrolysis with quaternary ammonium oxide aqueous solution
Has antistatic properties, characterized by conversion to an ion exchange group.
This is a method for producing a fluororesin molded article.
[0014]
DESCRIPTION OF THE PREFERRED EMBODIMENTS In the present invention, a molded article is formed.
As a fluororesin having substantially no ion exchange groups
Has properties inherent to fluoroplastics, especially electrical insulation properties
Is used. Specifically, an ion exchange group or
A known fluororesin which does not substantially contain a conductive substance, for example
For example, polytetrafluoroethylene, tetrafluoroethylene
Copolymer of ethylene and alkyl vinyl ether, tetra
Co-polymerization of fluoroethylene and hexafluoropropylene
Coalescence, polymonochlorotrifluoroethylene, tetraf
Fluoroethylene and perfluorodimethyldioxol
Copolymer of polyperfluoroalkenyl vinyl ether
And the like.
[0015] The above alkyl vinyl ether is
Oroalkyl vinyl ether or partially has a hydrogen atom
Is a polyfluoroalkyl vinyl ether. Concrete
Generally, the general formula,
Rf(CHTwo)lOCF = CFTwo
(However, RfIs a perfluoroalkyl group, l is 0 or
It is one. )
The alkyl vinyl ether occupies in the obtained copolymer.
Is less than 0.2% by weight, preferably
It is preferable to use it in the range of 0.15% by weight or less.
[0016] In addition, a primer having substantially no ion exchange group is used.
A group that can be converted to an ion exchange group
Having a fluororesin alone or mixed with the above fluororesin
It is also possible to use.
Further, in the present invention, the above ion exchange
Fluororesin moldings having substantially no groups can be ion-exchanged.
It is not limited to an embodiment in which the group is completely absent,
Ion exchange groups inevitably present in fluoroplastics are
It is forgiving. Such an allowance is required depending on the application.
Dimensional stability, adsorption and permeability are different.
Although it is not possible to limit the ion exchange group,
Less than 0.2 mol%, especially 0.1%
Molar percent or less is preferred.
Incidentally, in the present specification, the fluorine resin
The amount of ion-exchange groups included depends on the total monomers of the ion-exchange groups.
Of the monomer unit. In addition, in fluorine resin
The amount of groups that can be converted to ion exchange groups contained in
Of the group that can be converted to an exchange group
The composition is expressed as follows:
The ion exchange group used in the present invention
Known fluororesins having a group that can be converted are particularly known.
Used without restrictions. For example, tetrafluoroethylene
And a monomer having a group that can be converted to an ion exchange group.
Polymers are preferably used.
In this case, the moldability and physical properties of the copolymer are improved.
30 mol% or less based on tetrafluoroethylene for the purpose of
Hexafluoropropylene below, general formula below
CFTwo= CFO (CHTwo)aCbF2b + 1
(Where a is 0 or 1 and b is an integer of 1 to 10)
You. Alkyl vinyl ethers represented by
Fluorine-containing monomers such as nochlorotrifluoroethylene
It can be mixed and used.
It also has a group that can be converted to an ion exchange group.
Perfluorosulfonic acid ion exchange
As a monomer having a group that can be converted to a group,
CFTwo= CFO [CFTwoCF (CFThree) O]oCFTwoCFRF
SOTwoX
(Where X is F or Cl, RFIs F or CFThreeIn
And o is an integer of 1 to 3. ) Monomer
Can also be converted to a perfluorocarboxylic acid ion exchange group
The monomer having a group represented by the following general formula
CFTwo= CFO [CFTwoCF (CFThree) O]p(CFTwo)qY
(However, Y is COTwoR (where R is a lower alkyl group)
You. ), CN, COF, COCl, and p is 1 to 3.
Is an integer, and q is an integer of 2 to 8. )
Or
CFTwo= CFO (CFTwo)rOCF (CFThree) Y
(However, Y is COTwoR (where R is a lower alkyl group)
You. ), CN, COF, COCl, and r is an integer of 2 to 8.
Is a number. ) Are suitably used.
It has a group which can be converted into these ion exchange groups.
Specific examples of such monomers include:
CFTwo= CFOCFTwoCFTwoSOTwoF,
CFTwo= CFOCFTwoCF (CFThree) OCFTwoCFTwoSO
TwoF,
CFTwo= CFOCFTwoCF (CFThree) OCFTwoCF (C
FThree) OCFTwoCFTwoSOTwoF,
CFTwo= CFOCFTwoCF (CFThree) SOTwoF,
CFTwo= CFOCFTwoCF (CFThree) OCFTwoCF (C
FThree) SOTwoF,
CFTwo= CFO (CFTwo)3-8COTwoCHThree,
CFTwo= CFOCFTwoCFTwoOCFTwoCF (CFThree) COTwoC
HThree
Is mentioned.
Further, these monomers may be used alone.
It is good, and there is no problem if it is mixed and used.
Ion exchange with the above tetrafluoroethylene
Copolymerization with a monomer having a group that can be converted to a substituent is known.
Can be used without any limitation. That is, the solution
Polymerization method among suspension polymerization method and emulsion polymerization method
The optimum polymerization method may be selected in consideration of the above conditions.
In any case, a group that can be converted to an ion exchange group
Tetrafluoroethylene in a dispersion or solution of a monomer having
Copolymerization is carried out by dissolving Tylene under pressure,
Monomers or tetramers with groups that can be converted to ion exchange groups
When using other monomers in addition to fluoroethylene,
The monomer is a gas such as hexafluoropropylene.
If mixed with tetrafluoroethylene,
If it is a liquid such as vinyl ether, it is converted to an ion exchange group
What is necessary is just to mix and polymerize with the monomer which has the group which can be formed.
Emulsion polymerization or suspension without using organic solvent
In the case of polymerization, water is suitable as a dispersion medium. On the other hand,
In the case of liquid polymerization or suspension polymerization using an organic solvent, organic
Solvent acts as a chain transfer agent, reducing the molecular weight of the polymer
Physical properties of the resulting copolymer may be inferior.
Therefore, the solvent used is preferably a fluorine-based liquid.
As such a fluorine-based liquid, specifically,
Is perfluorobutane, perfluoropentane, par
Fluorohexane, perfluoroheptane, perfluoro
Perfluoroalkanes such as looctane, perfluoro
Perf such as cyclobutane and perfluorocyclohexane
Fluorocycloalkanes, perfluoroethers,
Perfluorotertiary amines such as -fluorotributylamine
, Perfluoromorpholines, trifluoromonoc
Chlorofluoroethanes such as loroethane are preferably used.
Can be
As a polymerization initiator, in the case of emulsion polymerization, persulfuric acid is used.
Persulfates such as ammonium are preferably used, and
In the case of polymerization or suspension polymerization, a known organic radical generator is used.
Used, but consider the heat resistance of the resulting copolymer
And fluorine-based diacyl peroxides are preferably used.
Specifically, the following can be mentioned.
(CFThreeCFTwoCOTwo)Two, (HCFTwoCFTwoC
OTwo)Two, (ClCFTwoCFTwoCOTwo)Two, (CFThreeCFTwoCF
TwoCOTwo)Two, (CFThreeCFTwoCFTwoOCF (CFThree) COTwo)
TwoThe pressure of the fluoroolefin during polymerization is
Although it cannot be unconditionally determined by the composition and the polymerization temperature,
0kg / cmTwo-G is preferred. Also use the polymerization temperature
Since it depends on the decomposition temperature of the polymerization initiator,
Although it cannot be determined, it is usually 0 to 100 ° C, and is used as a polymerization initiator.
When a fluorine-based diacyl peroxide is used,
50 ° C. is preferred.
In the present invention, it can be converted into an ion exchange group.
At least part of the surface layer has a fluororesin having a group
(Hereinafter abbreviated as a precursor molded body)
Is not particularly limited. Examples of typical manufacturing methods
The following method is mentioned if it shows.
That is, a group that can be converted to an ion exchange group is
Ion exchange with a fluororesin alone or with the fluororesin
A mixture with a fluororesin having substantially no groups (hereinafter referred to as
These are collectively referred to as precursor resins. ) Molding and molding
A group that can be converted into ion-exchange groups throughout the molded body by the method
For producing a molded article having a presence (Example of production of a precursor molded article)
1).
In the above method, conversion to an ion exchange group
Fluoro-resin having a group that can be
Any known mixing method can be used for mixing with the fluororesin
Adopted without limitation, but for example, Henschel mixer
And kneader brabenders.
Further, as another method for producing the precursor molded body,
A small number of fluororesin moldings having substantially no ion exchange groups
At least part of the surface layer is fused with the precursor resin,
Manufacture molded products with groups that can be converted to on-exchange groups
Method (Preparation molded article production example 2).
If the above method is specifically described, the front of the mold
After the precursor resin is present in a layer, the ion-exchange groups are
Injection molding or blow molding of fluorocarbon resin
Forming a surface layer by forming a precursor molded body
(Production example 2-1 of precursor molded body)
Fluorine trees that have virtually no groups that can be converted to on-exchange groups
A resin molded body is formed, and then the surface of the formed body or
Precursor resin is present on the inner surface of the mold
After that, insert into the mold, close the mold, and heat and fuse.
(Preparation of Precursor Molded Article)
Example 2-2), a layer made of a precursor resin and an ion exchange group
Layer made of fluororesin having substantially no convertible group
Multi-layer extrusion with a resin containing at least one
Manufactures precursor moldings by multi-layer blow molding
(Preparation molded article production example 2-3) and the like.
You.
In the method for producing a precursor molded article described above, a mold
In the case of using the method, the presence of the precursor resin on the inner surface of the mold
A known method suitable for the purpose is appropriately adopted.
For example, powder electrostatic spraying, suspension
It is preferable to use a method of coating with
The method of causing the presence of the arsenal is also suitable. Furthermore, a fluororesin molded body
The method of causing the precursor resin to exist on the surface of the resin is also particularly limited.
However, a method by application with a suspension is preferred.
Specific examples of the fluororesin molding according to the present invention
The shape is not particularly limited. For example, as shown in FIG.
Structure, such as a wafer carrier with
Of thin objects such as tubes, pipes, etc., sheets, films, etc.
Body and the like. The molding method of these molded articles
Injection molding, extrusion molding,
Known methods such as transfer molding, compression molding, and blow molding
May be selected as appropriate.
The fluororesin composition having antistatic ability of the present invention
The feature is present on at least a part of the surface layer in the precursor molded body.
A group that can be converted to an ion-exchange group
Then, it is manufactured by forming an antistatic layer.
The feature of the present invention is that the ion exchange group is
In a hydrolysis reaction that converts a replaceable group into an ion exchange group,
To use organic quaternary ammonium hydroxide aqueous solution
You.
Here, NaOH, KOH
Alkali metal hydroxide and Ca (OH)TwoEtc. Arca
When using earth metal hydroxide, conversion to ion exchange groups
Exchange is achieved, but alkali metal salts or
Alkaline earth metal salts are by-produced and remain in the antistatic layer.
You. Therefore, these metal salts will be
It may elute slowly, which is not preferable.
On the other hand, in the hydrolysis reaction, an organic hydroxyl is used.
Prepared by a method using an aqueous solution of quaternary ammonium fluoride.
Fluororesin moldings with antistatic properties
Group ions and alkaline earth metal ions are contained in the molded body
No metal ions when in use
In the semiconductor manufacturing process, which dislikes contamination by metal ions
It is preferably used.
Cation exchange after hydrolysis in the present invention
The counter ion of the group is ammonium ion,
Conversion to hydrogen ions and other ammonium ions is known.
The method is adopted without any problems.
In the hydrolysis reaction, several to several tens of weight% of organic water is used.
The molded body is immersed in a quaternary ammonium oxide aqueous solution for several minutes to
It may be heated at room temperature to 150 ° C for more than a hundred and ten hours, but more
Preferably, 5 to 40% by weight of an organic hydroxylated quaternary ammonium salt
For 1-12 hours at 50-150 ° C.
A water splitting reaction may be performed. Here is the organic ammonium hydroxide
There is no particular limitation as long as it is nickel, but more preferably tet
Laalkyl ammonium hydroxide is used
You. To accelerate this hydrolysis reaction, methyl alcohol
(Hereinafter abbreviated as MeOH), ethyl alcohol
(Hereinafter abbreviated as EtOH), dimethyl sulfoxide
(Hereinafter abbreviated as DMSO).
That is valid.
It should be noted that an aqueous quaternary ammonium hydroxide solution is used.
Metal ions and alkaline earth metal ions contained in
It is preferable that the concentration of
pb or less.
Ion exchange group provided by the above method
Is a group that can be converted to an ion exchange group present in the precursor molded body
Is determined by the type. For example, perfluorosulfur
A phonic acid group or a perfluorocarboxylic acid group;
And these ion exchange groups are perfluorocarbon chains or
-Chemically bonded to fluororesin via fluoroether chain
I agree.
These ion exchange groups will be described in more detail.
For example, the perfluorosulfonic acid group has the following general formula
-CFRFSOThreeM
(However, RFIs F or CFThreeAnd M is a hydrogen atom, or
NR 'FourWherein R 'is a hydrogen atom or lower
It is a kill group. ). ) And also perfluoro
The carboxylic acid group has the following general formula
-CFRFCOTwoM
(However, RFAnd M are the same as above. )
Things.
Of these ion exchange groups, perfluoro
Sulfonic acid groups are resistant to perfluorocarboxylic acid groups.
When heat is good and the counter ion to bind is hydrogen ion,
-Higher antistatic ability than fluorocarboxylic acid groups
It is suitable.
In the present invention, the surface layer of the fluororesin molded article
Antistatic layer formed in the presence of ion exchange groups
This generally results in a surface resistivity of 1013Less than Ω, good
Preferably 10TenIndicates a surface resistance of Ω or less. Incidentally, the present invention
, The surface resistivity is described in JIS K-6911
Was carried out according to the method described above.
In the present invention, the ions of the above antistatic layer
The concentration of the exchange group is 0.25 mol% or more, preferably 0.25 mol%.
5 to 20 mol%, more preferably 0.25 to 18 mol%
Is preferred to impart good antistatic properties
No. That is, used in the production example of the precursor molded body described above
Concentration of groups that can be converted to ion exchange groups in the precursor resin
With 0.25 mol% or more, preferably 0.25 to 20
%, More preferably 0.25 to 18 mol%
Is preferred.
The thickness of the surface layer having an ion exchange group is
1 to 500 μm and 80% or less of the thickness of the molded body
Setting of the molding conditions so that
Preferably, a conversion is performed. Specifically, the antistatic
The upper limit of the thickness of the stop layer is 80% or less of the thickness of the molded body.
Below, preferably 40% or less, more preferably 30% or less
It is. Particularly, the upper limit of the layer is 500 μm or less in absolute thickness.
More preferably, it is below.
In the present invention, the thickness of the antistatic layer is
As described above, it is important for achieving the effects of the present invention.
You. The thickness of the antistatic layer depends on the hydrolysis conditions and the precursor resin layer.
It is adjusted by the method and conditions of formation of.
That is, in the production example 1 of the precursor molded body described above,
Hydrolysis conditions control the thickness of the antistatic layer
You. That is, under the conditions of the hydrolysis reaction,
Of quaternary ammonium fluoride aqueous solution, temperature, species of organic solvent
Type, amount, abundance of groups that can be converted to ion exchange groups,
It cannot be determined unconditionally depending on the composition and the like. Therefore,
Hydrolysis conditions and thickness of antistatic layer formed by hydrolysis
If the density in the vertical direction is measured, it will be charged within the range of the present invention.
The thickness of the prevention layer can be adjusted.
In Production Examples 2-1 to 3-3 of the precursor molded body,
It is adjusted according to the molding method and conditions. That is, molding
Sometimes controls the thickness of the precursor resin layer and hydrolyzes the layer
By controlling the thickness of the antistatic layer
You. More specifically, mold inside or fluororesin molding
In the method of making the precursor resin powder exist on the body,
In the case of the powder electrostatic spraying method,
Depending on the flow gas flow rate, pattern gas flow rate, nozzle shape, etc.
Control and as one of the suspension application methods
However, in the suspension spray method, the solvent, resin concentration, spray gas
Control the thickness of the precursor resin layer by controlling the flow rate
can do. Also be present by film
Method by adjusting the thickness of the sandwiched film
The thickness of the precursor resin layer can be controlled. In addition,
Of a method as shown in Manufacturing Method 2-2 of
In this case, the gap is determined by the outer dimensions of the compact and the inner dimensions of the mold.
Even so, the thickness can be controlled. Also, multi-layer extrusion
In the method based on the shape, the nozzle shape, extrusion rate ratio, pull
Control the thickness of the precursor resin layer by controlling the removal speed, etc.
Can be
Depending on various conditions, the surface is ion-exchanged.
High concentration of groups, low concentration of ion exchange groups in the thickness direction
Concentration gradient is formed, but the ion exchange group concentration is
The thickness of the layer having a concentration of 0.25 mol% or more is 1 μm or more
It is preferable that an ion exchange group is provided below the antistatic layer.
With a concentration of less than 0.2 mol%, especially 0.1 mol% or less
The body should be there. Of course, the antistatic layer and the substrate
Between the transitions where the ion exchange group concentration is in between
It does not matter if there is a shift.
Hydrolysis is carried out on the entire surface of the fluororesin molding.
It is preferable to do this, but depending on the application, one side, or
Partial hydrolysis may be performed. Also, depending on the application
It is not necessary to hydrolyze the entire precursor resin layer. this
In case, control the thickness of antistatic layer by hydrolysis condition
can do.
Further, a fluororesin molded body was filled with
Used for thin objects such as
When used, the insulation and ion impermeability of fluororesin
To sufficiently exhibit properties such as transient properties and chemical resistance,
The thickness of the portion having substantially no ion exchange group is 10 μm.
controlling the upper limit of the thickness of the layer so as to secure at least m
Is preferred.
In the present invention, the antistatic layer comprises
It is generally present on the surface, but depending on the application,
You may make it exist in a part of molded object surface.
For example, thin pieces such as films, sheets, etc.
Antistatic on the inner or outer surface of surfaces, tubes and pipes
Structure with no antistatic layer on the other side
May be. For example, one side of a fluororesin molding
That static electricity is not an issue on the other side.
It can be used satisfactorily for other uses.
Thickness of antistatic layer of the present invention, ion exchange group
Abundance and substrate thickness are, for example, infrared absorption spectra
(Hereinafter simply referred to as IR spectrum)
So you can know. That is, the fluororesin composition of the present invention
A film with a thickness of several tens to several hundreds of micrometers vertically from the surface of the feature
And the IR spectrum is separated from the surface by several μm
By measuring the transmission or reflection spectrum at
Or several to several tens μm from the surface of the fluororesin molding of the present invention.
To measure the reflection spectrum of the cut surface
Thereby, the thicknesses of the antistatic layer and the base are calculated.
Such an antistatic layer is substantially free of ion-exchange groups.
Present on the surface of a substrate made of fluororesin not having
By lowering the surface resistivity, conventional conductive materials can be added.
To provide antistatic properties by applying
Particle generation is extremely low
There is a problem with contamination such as rear
It is useful in applications where In addition, the substrate
Since fluorine resin does not contain a large amount of additives, fluororesin
The strength of the molded body is also sufficient,
Ideal for physically demanding applications. Also, all
Compared to ion exchange resins that have ion exchange groups in the body
Since pure ions do not penetrate into the interior, impurity ions
Small amount of adsorption, contacting the obtained fluororesin molding
Extremely low contamination of impurity ions to the article.
The fluororesin molding of the present invention will be described later.
The adsorption amount of the drug solution measured by the method described above is 50 ppb / cmTwoLess than,
Especially 10ppb / cmTwoIt is as follows.
From this, it can be obtained by the method of the present invention.
The obtained fluororesin molding is the same as the wafer carrier.
Best for applications where contamination is an issue
Is done.
In the present invention, the obtained fluororesin molding
The antistatic effect of the body should be confirmed by the voltage decay rate
In general, a voltage of 10 kV is applied for 1 minute, and then
The voltage decay rate after one second is 70% or more, preferably 90%
The above is preferred.
The file manufactured by the method of the present invention described above.
Except for the surface layer, the nitrogen resin molded body
Because there is a portion that does not contain
They can be treated equally, and
The following which is seen in the fluororesin molded body where the on-exchange group exists
Problem can be almost avoided.
That is, like an ion exchange membrane,
Molded products using resins having exchange groups
Dimensional change due to swelling of the molded body
And adsorbs and permeates ions, inorganic substances, or organic substances
Phenomenon occurs. Therefore, the wafer carrier
If used in applications, contamination of wafers that come into contact with it
Problems may arise. For example, an ion exchange group
Fluorine-based ion exchange membranes and
On-exchange resins are known, but these resins
It is intended for permeation and adsorption of
About 10 mol% of the group. Therefore, the above wafer
Stain resistance, a characteristic of fluoroplastics like Harrier
Fluorine-based ion exchange
Adsorption of organic substances and ions, etc., possessed by membranes and ion exchange resins
Characteristics are not favorable. In addition, filters that require antistatic capability
For use in films and tubes made of fluorine resin
Inorganic substances such as ions and water, and organic substances such as alcohol
There is a problem that a substance is transmitted and adsorbed.
[0065]
As will be understood from the above description, the present invention
According to the method of the invention, the ion is added to the surface layer of the fluororesin molded body.
A layer having an exchange group can be provided;
Maintains the original electrical insulation of the molded body and provides an antistatic layer.
A fan that exhibits a good antistatic effect while maintaining high purity
A nitrogen resin molded article can be obtained.
That is, the fluorine resin having the antistatic ability
The molded body is treated with an aqueous quaternary ammonium hydroxide solution.
By hydrolyzing, when the fluororesin molded article is used
No metal ions are eluted, so contamination by metal ions
It is suitably used in a semiconductor manufacturing process that dislikes the above.
The usual fluororesin is 1016Ω or more
It has surface resistance and the voltage decay rate after one hour is several percent
On the other hand, according to the method of the present invention,
The sheet resistance is 1013Ω, and the voltage decay rate is less than several seconds.
Within 100% and practically no charge
It is possible to obtain a fluororesin molding.
Therefore, the antistatic prepared by the present invention
Fluororesin moldings with a stop layer are compatible with current fluororesins.
Unlikely, static electricity is hardly generated and static electricity is generated.
Dispersion when born is fast. Also manufactured by the present invention
Fluororesin molded articles have substantially ion-exchange groups on the substrate.
When immersed in a chemical solution, ions and
Because there is no adsorption or permeation of organic or organic substances, contamination from chemicals
There is no dyeing, and this fluororesin molded body is
Contaminated these chemicals and water more than necessary when moving to
And no dimensional change of the molded body.
It retains the excellent physical properties inherent in the base resin.
Wear.
From the above, it can be obtained by the method of the present invention.
Fluororesin moldings are used in the semiconductor manufacturing industry,
Industry, the chemical industry, or general physics and chemistry fields
Suitable in fields where generation and dissolution of metal ions are disliked
Can be used.
Specifically, there is no adhesion of dust and the like due to static electricity.
As a peripheral component during semiconductor manufacturing,
Valves, fittings, valves, check valves, strainers, drugs
Liquid container, vacuum tweezers, vacuum tweezers tips,
Packing, O-ring, gasket, seat, lining
Material, coating material, tweezers, tongs, dipper
ー, holder, strainer, flasher, fan
Flannel, measuring cylinder, basket, stir bar, beaker
ー, wipe cleaner, tank, bolt, nut, bottom
Suitable for tools, snowboards, trays, plate heaters, etc.
Can be
As a jig for a wafer carrier or the like,
Wafer carrier, handle for wafer carrier,
Boxes, retainers and processes for wafer carriers
Tray, protector for wafer, wafer board, L
CD basket, LCD carrier, wafer tray,
Cover for wafer tray, spring for wafer tray
Wafer, wafer pack, wafer shipper, mask carrier
Box, mask carrier box, mask carrier
Handle, mask pack, mask case, device key
Carrier, handle for device carrier, side rail
Chip tray, chip tray cover, chip tray
Case, chip transfer tray, chip cleaning cap
Suitable for rear, chip washer, chip tray box, etc.
It can be used appropriately. Especially the fluororesin molding of the present invention
Wafer carrier made of body has excellent antistatic properties
Therefore, due to static electricity, fine particles in the operating atmosphere
Not only can the adhesion of
Generation, contamination by impurity ions, and metal ions
No problems such as contamination due to wafers
It has the effect of keeping the pass rate low.
You.
The tubes (including pipes) of the present invention
Transfer of flammable liquids using the
This prevents the generation and accumulation of static electricity, and thus the danger of ignition.
In addition to preventing ruggedness,
Generation, swelling due to the transfer liquid, and the permeability of the transfer liquid
It is extremely useful without undue problems.
Further, in the field of food production, the present invention
By using the shape, adhesion of dust which is a hygiene problem
Used in food production because it can prevent
Surface coatings on equipment such as mixer vessels and
Suitable for stirring blades, tubes, trays, belts, etc.
it can.
[0074]
The present invention will now be described in detail with reference to Examples.
However, the present invention is limited to these examples.
There is no.
The surface resistivity and voltage of the fluororesin molding were
Decay rate, amount of drug solution adsorbed, and Na+, K+The ion elution amount is as follows
I asked as follows.
(1) Surface resistivity
Measured according to JIS K-6911, and by the following formula
The surface resistivity was calculated.
[0077]
(Equation 1)
[0078]
Where ρS: Surface resistivity (Ω)
d: Outer diameter of inner circle of surface electrode (cm)
D: inside diameter of the ring electrode on the surface (cm)
RS: Surface resistance (Ω)
Voltage 500V Measurement time 30 seconds Average 3 times
(2) Voltage decay rate
Static Honest Meter S-5109 (Shishido
Using a voltage of 10 kV for 1 minute,
The voltage after turning off was measured.
Resin size: 40 × 40 × 0.25 mm
Decay rate = (initial voltage−voltage after t time) / initial voltage (unit
Rank:%)
(3) Na+, K+Ion elution amount
After rinsing the test piece with ultrapure water for 20 minutes,
It was put into 500 ml of water and heated at 80 ° C. Every fixed time
Coupled ultrapure water sampling and inductively coupled plasma mass spectrometry
Analysis (ICP-MS) and the Na contained in the ultrapure water was analyzed.
+, K+The amount of ions is measured by the test piece surface areaTwoCalculated per hit
did.
(4) Amount of chemical solution adsorbed
After rinsing the test piece with ultrapure water for 20 minutes, wash the test piece
500l sulfuric acid for electronics industry
And hold at room temperature for 10 minutes to adsorb sulfuric acid on the test piece.
I let it.
Next, the test piece was taken out, and the test piece was treated with ultrapure water for 20 minutes.
After rinsing for minutes, put in 500 ml of ultrapure water and
Heated. After 2 hours, sample ultrapure water and
Analyze by on-chromatography and determine the amount of sulfuric acid contained in the ultrapure water.
Specimen surface area 1cmTwoPer unit, and the amount of drug solution adsorbed
did.
Reference Example 1
In a stainless steel 500 ml reactor equipped with a stirrer
1,1,2-Trichlorotrifluoroethane purified by distillation
After charging 320 g of gas, the inside is evacuated and then nitrogen
To atmospheric pressure. 0.039 g of MeOH
And 33.5 g of CFTwo= CFOCFTwoCF (CFThree) OCFTwoCFTwoSOTwoPut F
After that, the rotation speed of the stirring motor was set to 800,
Introduce fluoroethylene and increase pressure to 4kg / cmTwo-G
did.
Next, while maintaining the inside of the reactor at 25 ° C.,
1,1,2-tris (septafluorobutyryl) peroxide
1.77 Lichlorotrifluoroethane solution (5% by weight)
g was introduced to initiate polymerization. During the polymerization, the polymerization temperature is 25
C. 120 minutes after the start of the reaction, the pressure in the reactor was released.
And connect the reactor to a vacuum pump via a cooling trap
And reduce the pressure while stirring to reduce the boiling point of the solvent, unreacted monomers, etc.
Point components were collected in the trap. After distillation, dismantle reactor
Then, the copolymer is taken out and vacuum dried at 150 ° C. for 12 hours.
As a result, 24 g of a copolymer was obtained.
Nuclear magnetic resonance spectrum, infrared absorption spectrum
According to the measurement results of
95.7 mol% of monomer units based on ethylene, CFTwo= CF
OCFTwoCF (CFThree) OCFTwoCFTwoSOTwo4.3 monomer units based on F
% Of the copolymer. Also,
The specific melt viscosity of the copolymer at 372 ° C. was 4.6 × 10
6Poise.
Embodiment 1
The copolymer obtained in Reference Example 1 was coated with a 0.25 mm thick filter.
Melt-molded, and then tetramethylammonium hydroxide
(Hereinafter abbreviated as TMAH) / MeOH / HTwoO
= 15/25 / 60wt% aqueous solution at 100 ° C
Hydrolysis was performed for 3 hours to form an antistatic layer. This file
When the abundance of ion-exchange groups in the film was examined,
Approximately 4.3 mol%, approximately 0.2 μm from the surface.
28 mol%, 30 μm from the surface, and near the center
Was 0.08 mol% and 0.02 mol%. Therefore,
The concentration of ion exchange groups in the antistatic layer is 0.25 mol
% Or more has a thickness of 20 μm.
Next, the surface resistivity of this film was measured.
3.4 × 108Ω, and measure the voltage decay rate.
Then, it attenuated 100% in one second. Also this film
1.0 μg / cmTwoIn
Was. When this film was immersed in ion exchange water overnight
No elongation due to roller swelling was observed. Na+
Ion elution amount 1 hour, 3 hours, 5:00
0.8 μg / cmTwoHereinafter, 0.8 μg /
cmTwoBelow, 0.8 μg / cmTwoLess than, K+ion
The elution amount was 1 hour, 3 hours, and 5 hours after the start of elution.
The elution amount is 0.4 μg / cmTwoHereinafter, 0.4 μg / cmTwoLess than
Lower, 0.4 μg / cmTwoIt was below.
Further, 0.2% obtained by the above method was obtained.
Particle generation test for 5mm film
Was carried out. That is, first, the film is 5 cm × 10 c
Cut out into m samples, class 1000 cleanle
Rinse with ultrapure water for 10 minutes in the room. Then, in the container
Add isopropyl alcohol for electronics industry and shake for 5 minutes
And then left. One day later, isopropyl alcohol for electronics industry
Were replaced and shaken for 5 minutes and then left. Similar replacement
The procedure was repeated 1 day, 7 days, and 14 days later.
0.3-2μm particles contained in pill alcohol
The number of particles by a particle counter (KL-2, manufactured by Rion)
Measured using 2). 750 pieces / m after one day
1, 90 cells / ml after 7 days, 45 cells / ml after 14 days
Particles were observed.
Note that the isoelectric for electronic industry used in this experiment was used.
Particles contained in propyl alcohol are 20-4
It was 0 / ml.
Examples 2-3
Except that the hydrolysis temperature was changed using the film of Example 1.
Performs hydrolysis in the same manner as in Example 1 to form an antistatic layer.
Formed.
Table 1 shows the hydrolysis temperature and the antistatic layer
Thickness of the layer having an ion exchange group concentration of 0.25 mol% or more
Surface resistivity, voltage decay rate after 1 second, and Na+, K+
The result of measuring the ion elution amount (5 hours after the start of elution)
showed that.
[0091]
[Table 1]
Examples 4 to 8
Using the film of Example 1, the concentration of the TMAH aqueous solution was changed.
Hydrolysis is carried out in the same manner as in Example 1 except that
An prevention layer was formed.
Table 2 shows the concentration of the hydrolyzate and the amount of the antistatic layer.
Layer having a concentration of ion exchange groups in the layer of 0.25 mol% or more
Thickness, surface resistivity, voltage decay rate after 1 second, and Na+,
K+The ion elution amount (5 hours after the start of elution) was measured.
The results are shown.
[0094]
[Table 2]
Examples 9 to 10
Except for using the film of Example 1 and changing the hydrolysis time
Performs hydrolysis in the same manner as in Example 1 to form an antistatic layer.
Formed.
Table 3 shows the hydrolysis time and the antistatic layer.
Thickness of the layer having an ion exchange group concentration of 0.25 mol% or more
Surface resistivity, voltage decay rate after 1 second, and Na+, K+
The result of measuring the ion elution amount (5 hours after the start of elution)
showed that.
[0097]
[Table 3]
Comparative Examples 1 and 2
Using the film of Example 1, TMAH was used as the hydroxide.
Performed except that NaOH or KOH was used instead
Hydrolysis was performed in the same manner as in Example 1 to form an antistatic layer.
Was.
Table 4 shows the types of the hydroxides and the antistatic layers.
Layer having a concentration of ion exchange groups in the layer of 0.25 mol% or more
Thickness, surface resistivity, voltage decay rate after 1 second, and Na+,
K+Ion elution amount (1 hour after the start of elution, 3 hours
And after 5 hours).
[0100]
[Table 4]
Examples 11 to 12
Organic solvent used for hydrolysis using the film of Example 1
Hydrolysis was carried out in the same manner as in Example 1 except that
An antistatic layer was formed.
Table 5 shows the hydrolyzate composition and the antistatic layer
Layer having a concentration of ion exchange groups in the layer of 0.25 mol% or more
Thickness, surface resistivity, voltage decay rate after 1 second, and Na+,
K+The ion elution amount (5 hours after the start of elution) was measured.
The results are shown.
[0103]
[Table 5]
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフッ素樹脂成形体によって構成され
るウエハーキャリアーの代表的な構造を示す斜視図
【符号の説明】
1 ウエハーキャリアー本体
2 ウエハー保持用の溝BRIEF DESCRIPTION OF THE DRAWINGS FIG. 1 is a perspective view showing a typical structure of a wafer carrier constituted by a fluororesin molded article of the present invention. DESCRIPTION OF REFERENCE NUMERALS 1 Wafer carrier main body 2 Wafer holding groove
Claims (1)
樹脂成形体の少なくとも表層にイオン交換基に変換でき
る基を有するフッ素樹脂を存在せしめ、該表層に存在す
るイオン交換基に変換できる基を有機水酸化第4アンモ
ニウム水溶液によって加水分解してイオン交換基に変換
することを特徴とする、帯電防止性を有するフッ素樹脂
成形体の製造方法。(57) [Claim 1] A fluororesin having a group that can be converted to an ion exchange group is present on at least the surface layer of a fluororesin molded article having substantially no ion exchange group, A method for producing a fluororesin molded article having antistatic properties, comprising hydrolyzing an existing group that can be converted into an ion exchange group with an aqueous quaternary ammonium hydroxide solution to convert it into an ion exchange group.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00967897A JP3375115B2 (en) | 1997-01-22 | 1997-01-22 | Method for producing fluororesin molded article |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00967897A JP3375115B2 (en) | 1997-01-22 | 1997-01-22 | Method for producing fluororesin molded article |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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