JP3375055B2 - 公専統合型交換機 - Google Patents

公専統合型交換機

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JP3375055B2 JP08836198A JP8836198A JP3375055B2 JP 3375055 B2 JP3375055 B2 JP 3375055B2 JP 08836198 A JP08836198 A JP 08836198A JP 8836198 A JP8836198 A JP 8836198A JP 3375055 B2 JP3375055 B2 JP 3375055B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電話網などを構成
するディジタル交換機(以下、単に、交換機と記載)に
係わり、特に、公衆(電話)網と専用線網とを統合して
取り扱うのに好適な公専統合型交換機に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の交換機を用いた一般的な公衆(電
話)網を図7を用いて説明する。複数の加入者61a〜
61c(図中、「T」と記載)と複数の加入者62a〜
62c(図中、「T」と記載)間を任意に結ぶ通信網を
構築するためには、全ての加入者間をメッシュ状に接続
しなければならないが、この接続技術は経済的ではな
い。このため、公衆網では、全ての加入者間が常時接続
されていないことを利用し、交換機を用いて集線を行っ
ている。例えば、日本電信電話株式会社(NTT)の公
衆電話網の場合、数万〜10万の加入者単位にD70と
呼ばれる市内交換機63a,63b(加入者交換機)
(図中、「Ex」と記載)を設置している。
【0003】各加入者61a〜61c,62a〜62c
と市内交換機63a,63bは、スター型で接続されて
いる。市内交換機63a,63bは、加入者線を終端
し、音声を64Kbit/sのディジタル信号に変換した
後、交換機内部のスイッチによって集線を行っている。
また、入力してきた各呼の番号を解読し、対地別に編集
し、2M単位にそろえた信号群として出力している。
【0004】市内交換機63a,63bで対地別に2M
単位として編集された信号群は、上位の市外交換機64
a〜64d(中継交換機)(図中、「Ex」と記載)に
渡される。各市外交換機64a〜64dは、メッシュ状
に接続されているので、信号群を目的の市内交換機63
a,63bに渡すことができる。
【0005】図7では、2層の公衆網の例を説明した
が、加入者数が多い場合やサービスエリアが広い場合等
には、3層以上の多層構成を取る場合がある。ディジタ
ルサービスであるISDN(Integrated Services Digi
tal Network)やPHS(Personal Handyphone Syste
m)も、加入者側の交換機に個別装置を付加した公衆網
である。
【0006】近年、例えば「NTT技術ジャーナル19
96年9月号、特集:新ノードシステムNS8000シ
リーズ」に記載のマルチロケーション型と呼ばれる新し
い市内交換機(MHN-S:Multimedia Handling Node-
STM))が提案されている。この技術では、図8に示す
ように、市内交換機の機能が、加入者収容機能(加入者
収容・集線/多重)とサービス処理機能(サービス処理
・分配/中継)に分けられる。そして、全ての市内交換
機に、これら2つの機能を持たせるのでなく、必要な機
能を最適配置するものである。
【0007】このような図8に示すマルチロケーション
型の市内交換機(MHN-S)では、サービス処理機能
などの、一ヶ所に集約できる機能を行う回線処理モジュ
ール(ASM:Architectural STM Module)を広域エリ
アに配置し、多数の加入者収容モジュール(SBM:Su
bscriber Module)を制御する。
【0008】そして、回線処理モジュール(ASM)-加
入者収容モジュール(SBM)間は、標準化されたNNI
(Network Node Interface)と呼ばれる伝送路インタフ
ェースが使用される。このNNIとしては、約50Mbi
t/sのVC3(バーチャルコンテナ3)と呼ばれる信号
フレームにネットワーク用の保守バイトを付加したST
M-0、または、VC3を3つ束ねたSTM−1、ある
いは、このSTM−1(約156Mbit/s)を4倍した
STM−4(約600Mbit/s)などがある。
【0009】次に、図9を用いて、専用線網を説明す
る。専用線網においても多数の加入者(図中、「T」と
記載)81a〜81c,82a〜82cが、回線終端装
置(図中、「LT」と記載)83a,83bとスター構
成で接続され、回線終端装置83a,83bが接続され
た上位の回線接続装置(専用線クロスコネクト)(図
中、「XC」と記載)84a〜84dは、メッシュ構成
で各々接続されている。
【0010】専用線サービスには、大別してアナログ専
用線とディジタル専用線に分けられる。アナログ専用線
では、ネットワークで数KHzの信号帯域を保障してお
り、また、ディジタル専用線では、ネットワークで64
Kbit/s〜150Mbit/sなどの伝送ビットレートを保障
している。
【0011】例えば、日本電信電話株式会社(NTT)
のアナログ専用線のサービス例としては、3.4KHz
がある。このアナログ伝送路を利用した2400,48
00,9600bit/sのアナログ専用線もある。また、
ディジタル専用線としては、64K,128K,192
K,256K,384K,512K,768K,1M,
1.5M,3M,4.5M,6M,50M,150Mbit/
sがある。
【0012】さらに、最近では、ATM(Asynchronous
Transfer Mode:非同期転送モード)伝送技術を利用し
て、1Mbit/s単位で帯域を設定できるATM専用線も
ある。このように、専用線サービスには多くのメニュー
があるため、公衆網と異なり、そのネットワーク構築に
は、多数の装置、多数の装置構成用品が必要であり、図
9に示した専用線網が複数存在することとなる。日本電
信電話株式会社(NTT)の場合も、低速専用線用、Y
インタフェース高速ディジタル用、Iインタフェース高
速ディジタル用、ATM用などの専用線網が存在してい
る。
【0013】このような公衆網と専用線網をネットワー
ク側から見た違いを図10に示す。図10(a)に示す
ように、交換機による公衆網では、必要なときのみ、加
入者(図中、「T」と記載)間が接続される。また、図
10(b)に示すように、専用線装置を用いた専用線サ
ービスは、PPP(point to point)のサービスであ
り、契約している加入者間を常時接続している。料金に
ついては、公衆網が、使用した時間に従って支払う従量
制であるのに対して、専用線は、加入者が収容されたビ
ル間等の距離で決まる定額制である。
【0014】以上のように、通信事業者のネットワーク
内では、公衆網と複数の専用線が存在している。このた
め、多数の装置、多数の装置構成用品が必要になってい
る。通信サービスのコストダウンを図るためには、この
ような装置および構成用品の種類を減らすような、統合
型装置を導入するのが効果的である。この装置の統合に
より、単に、必要な装置および構成用品が減るばかりで
なく、個々の購人数量が増えるので、まとめ買いによる
価格低減も期待できる。
【0015】公衆網と専用線網に関しても、それぞれを
統合して、1つの交換機で実現すれば、装置コスト、伝
送路コストは大幅に削減できる。しかし、公衆網と専用
線網を1つの交換機で効率的に統合することに関しての
従来技術は開示されていない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、従来の技術では、公衆網での接続制御と専用線網
での接続制御を1つの交換機で統合して行なうことがで
きない点である。本発明の目的は、これら従来技術の課
題を解決し、公衆網と専用線網を統合して、構成装置の
種類を減らし、コストダウンを可能とした公専統合型交
換機を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の公専統合型交換機は、公衆線と専用線とを
扱う交換機であって、交換処理用のスイッチを公衆線処
理と専用線処理で共用し、このスイッチにおいて、公衆
線と専用線を振り分け、公衆線は番号解読により対地編
集を行って出力し、また、専用線は個別の処理回路を経
由した後に対地編集を行なって出力する構成とし、公衆
線と専用線とを統合して取り扱う。さらに、公衆線と専
用線を集線する手段(集線スイッチ)と、公衆線と専用
線で個別の加入者回路とを具備した加入者収容部を複数
配置して市内用の公専統合型交換機を構成し、この市内
用の公専統合型交換機を、1以上の中継用の公専統合型
交換機にスター型に接続する。また、交換処理用のスイ
ッチの入出力を64Kbit/s単位で多重化したSDH(S
ynchronous Digital Hierarchy:同期ディジタル・ハイ
アラーキ、専用線に関するITU-T標準の世界統一イ
ンタフェース)信号で伝送する構成とし、例えば、マル
チロケーション型の市内交換機における加入者収容部と
サービス処理(分配/中継)部との間や、市内交換機と
市外(中継用)交換機との間をSDH信号でやり取り
し、VC(バーチャルコンテナ)-3,4,11,1
2,VC-4-Xcなどの中に公衆線データと専用線デー
タとを64Kbit/s単位に多重化する構成とする。ま
た、交換機ソフトウェアがリスタートしても専用線デー
タが通過する交換処理用のスイッチや集線スイッチの接
点状態を保持し、専用線の主信号疎通に影響を及ぼさな
い構成とする。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を、図面に
より詳細に説明する。図1は、本発明の公専統合型交換
機の本発明に係る構成の一実施例を示すブロック図であ
り、図11は、図1における公専統合型交換機で解決す
べき課題を示す説明図である。まず、図11を用いて、
公衆網と専用線網を1つの交換機で統合するための課題
を説明する。
【0019】まず、第1の課題(図中の「課題1」)に
ついて説明する。上述の従来技術で説明したように、公
衆線と専用線では、加入者から入ってくるデータ形式が
異なり、装置内の信号処理が異なる。すなわち、公衆線
の64Kbit/s単位のデータと専用線の数K〜Mbit/sの
データでは、それぞれの装置内での処理が違うのはもち
ろんのこと、装置間での信号フレーム構成も大きく異な
っている。従って、公衆網と専用線網を統合する公専統
合型交換機においては、できる限り、公衆線用の処理を
行う装置と専用線用の処理を行う装置の共通化を図るこ
とが課題となる。
【0020】次に、第2の課題(図中の「課題2」)に
ついて説明する。一般に、交換機ソフトウェアは、装置
内でプログラムとハードウェア設定との不一致等の異常
が発生すると、プログラムのリスタート、リセットを始
め、一度、ハードウェア設定を初期化し、その後、記録
しておいたデータを読み込む。つまり、異常発生時に
は、公衆線は「断」となる場合がある。
【0021】これに対して、専用線装置では、装置内の
プログラムのリスタートやリセットがあっても、主信号
疎通に関係するハードウェア設定は変更せず、サービス
断とならないようにしている。公専統合型交換機を構成
するには、ソフトウェアのリスタート時においても、サ
ービス断とならないようにする仕組みを用意しなければ
ならない。
【0022】最後に第3の課題(図中の「課題3」)に
ついて説明する。マルチロケーション型の市内交換機で
は、回線処理モジュール(ASM)(図中の「サービス
処理部」)と加入者収容モジュール(SBM)(図中の
「加入者収容部」)がNNI伝送路インタフェースでス
ター型に接続される。一般に公衆線データと専用線デー
タをNNIで伝送する場合、1.5MのVC11信号毎
に公衆線データと専用線データを分離し、それらを束ね
て、50MのVC3へ多重する。そして、VC3は、S
TM-0かSTM-1(155.52Mbit/s)へと多重
する。
【0023】この技術を回線処理モジュール(ASM)
−加入者収容モジュール(SBM)間に使用すると、も
し、64Kの専用線が1本あっても、1つのVC11を
必要とすることになる。この専用線用のVC11空き部
分に公衆線データを収容することはできない。これは、
集約機能を要求される市内交換機において、非常に効率
の悪い伝送路インタフェースとなってしまう。公専統合
するマルチロケーション型の市内交換機では、このよう
な問題に対応した効率の良い多重技術が必要である。
【0024】以下、このような課題に対処した構成の図
1に示す公専統合型交換機の説明を行なう。図1におい
て、1は市内交換機としての公専統合型交換機、2は市
外交換機としての公専統合型交換機であり、公専統合型
交換機1は、マルチロケーション型の例を示しており、
加入者収容モジュールとしての複数の加入者収容部(S
BM)3〜6と、回線処理モジュールとしてのサービス
処理部(ASM)7から構成されている。
【0025】公専統合型交換機1における加入者収容部
(SBM)3は、複数の公衆線加入者回路3aと複数の
専用線加入者回路3b、および、集線スイッチ部3c、
伝送インタフェース(図中「伝送IF」と記載)3dか
らなり、各加入者収容部(SBM)4〜6も同様な構成
である。また、サービス処理部(ASM)7は、交換機
ソフトウェア7a、伝送インタフェース(図中「伝送I
F」と記載)7b,7f、分配スイッチ部7c、公衆線
処理部(課金、番号展開)7d、専用線処理部7eから
なる。
【0026】市外交換機としての公専統合型交換機2
は、公専統合型交換機1におけるサービス処理部(AS
M)7と同様の構成であり、交換機ソフトウェア8a、
伝送インタフェース(図中「伝送IF」と記載)8b,
8f、分配スイッチ部8c、公衆線処理部(方面振り分
け)8d、専用線処理部8eからなる。このような構成
により、公専統合型交換機1,2では、上記第1の課題
を解決し、できる限り、公衆線と専用線での装置の共通
化を図っている。
【0027】すなわち、公専統合型交換機1,2は、オ
ぺレーションシステム(OpS)とのインタフェースを持
ち、装置内でのサービス処理プログラムやソフトウェア
設定データを有する処理部を、公衆と専用で共通化して
いる。当然、ユニット・キャビネットなども共通であ
る。さらに、交換機間のインタフェースとして、NNI
を用いる。これによって、公専統合型交換機1,2間に
伝送装置が不要であり、公衆専用の伝送インタフェース
と専用線用の伝送インタフェースを共用することができ
る。
【0028】公衆線用と専用線用とで、交換処理用のス
イッチを共用するためには、スイッチ内を通過する信号
速度が同一でなければならない。一般の交換機は、公衆
線データの64Kbit/sに合わせてスイッチを用意して
いる。これに対して専用線データの速度は、様々(64
K〜150Mbit/s)である。しかし、実際の装置内部
では、高速の信号は多重分離され、LSI等で処理され
ていることに注目する。
【0029】すなわち、各専用線データを64Kbit/s
単位に分離して処理すれば、公衆線データのスイッチ
(分配スイッチ7c,8c)を共用できる。例えば、1
92Kbit/sの専用データは、3本の64Kbit/sとして
扱えば良い。この場合、3本の64Kbit/sが連続した
データであると公専統合型交換機1,2が認識し、分配
スイッチ7c,8cではTSSI(Time Slot Sequence
Integrity:時間順序保存)を保証することになる。
【0030】また、専用線データには、専用線処理部が
必要である。このため、本例の公専統合型交換機1,2
に、専用線処理部7e,8eを設けている。また、公専
統合型交換機1,2に入力されてくる公専統合の信号群
を、分配スイッチ7c,8cにおいて、公専の振り分け
を行い、専用線データを専用線処理部7e,8eへ導
く。分配スイッチ7c,8cは、公衆データと専用デー
タの対地別方路編集(対地編集)を行うものであるが、
このように、公専の振り分けも行う。
【0031】次に、公専統合型交換機1,2における、
上記第2の課題を解決するための構成について説明す
る。一般に、交換機内のスイッチは、呼処理により、設
定・解除される。つまり、スイッチの接続状況は常に変
化している。ここで、交換機ソフトウェア7a,8aの
データとハードウェア設定の不一致があると、プログラ
ムのリスタートが始まり、ハードウェア設定の初期化に
より公衆線は断となる可能性がある。
【0032】専用線データが通過するスイッチ接続状態
を、プログラムのリスタート時に保持するためには、ス
イッチの接続状態を、2ヶ所のデータに分離し、一方を
公衆線データ、他方を専用線データとすれば良い。そこ
で、本例の公専統合型交換機1,2では、それぞれ交換
機ソフトウェア7a,8aにおいて、リスタート時に初
期化対象のデータと対象外のデータとに分けて保持す
る。このことにより、公衆線に関わるリスタートでは、
専用線データを初期化しない。
【0033】また、分配スイッチ部7c,8cにおい
て、専用線が通過するスイッチ接続点は、公衆線が通過
するスイッチ接続点と異なり、常に変化しない半固定的
な接続とする。このようにすることで、交換機ソフトウ
ェア7a,8aのリスタートによる専用線のサービス断
を防ぐことができる。
【0034】次に、公専統合型交換機1,2における、
上記第3の課題を解決するための構成について説明す
る。通常であれば、公衆線用と専用線用とで個別の信号
フレーム構造を用意し、それを利用して各機能部間のデ
ータ伝送を行い、伝送路インタフェースにおいて、公・
専の個別のフレームを束ねることになる。
【0035】しかし、本例の公専統合型交換機1,2に
おいては、公衆線と専用線を64Kbit/s単位に扱い、
交換処理用のスイッチ(分配スイッチ部7c,8c)を
共用化しているので、これを利用して、NNI伝送路イ
ンタフェース3d,7b,7f,8b,8f上に、公衆
線と専用線を分離する特別なフレームを用意せずに、V
C3などに64Kbit/s単位で公衆線データと専用線デ
ータを混在して多重化する。
【0036】すなわち、専用線データは、様々(64K
〜150Mbit/s)であるが、64Kbit/sを1タイムス
ロット(TS)とすると、複数のTSとして管理すれば
良い。当然、交換機ソフトウェア7a,8aは、TS毎
に公衆線と専用線の管理を行うことになる。このように
して、本例では、公衆線と専用線を統合して扱う経済的
な交換機(公専統合型交換機1,2)を実現している。
【0037】次に、公専統合型交換機1の構成につい
て、図2を用いて説明する。図2は、マルチロケーショ
ン型の公専統合型交換機の構成例を示すブロック図であ
る。図2において、20はマルチロケーション型の市内
交換機としての公専統合交換機(図中、「MHN-S」
と記載)、21,22は加入者収容モジュールとしての
加入者収容部(図中、「SBM」、「他のSBM」と記
載)、22は回線処理モジュールとしてのサービス処理
部(図中、「ASM」と記載)である。
【0038】加入者収容部21では、専用線と公衆線
(アナログ/ISDN/PHS)の収容を行う加入者終
端回路(それぞれ、「他のアクセスシステム接続部」、
「公衆回線収容部」、「専用回線収容部」と記載)21
a〜21cと、集線スイッチ21dを有している。そし
て、集線スイッチ21dでは、公衆線を集線すると共
に、専用線と64Kbit/s単位の多重化を行う。
【0039】このように、64Kbit/s単位に公専統合
されたデータは、SDH(Synchronous Dugutal Hierar
chy:同期ディジタル・ハイアラーキ)による信号伝送
制御を行う伝送インタフェース(図中、「SDH-I
F」と記載)21eを介して、NNIフォーマットによ
ってサービス処理部(ASM)23へ運ばれる。サービ
ス処理部(ASM)23は、加入者収容部21からの公
・専統合のNNIフォーマットを、伝送インタフェース
(図中、「SDH-IF」と記載)23aを介して受け
取り、スイッチ(分配段)23cにより方面別に、公衆
線と専用線に分離・編集した後、伝送インタフェース
(図中、「SDH-IF」と記載)23fを介して、市
外の中継交換機または専用線終端装置に送出する。
【0040】このような、データの集線・分配動作を、
図3を用いて説明する。図3は、図2における公専統合
型交換機によるデータの集線・分配動作例を示す説明図
である。ディジタル専用端末からの専用線データは、加
入者収容部(図中、「SBM」と記載)31の集線スイ
ッチから、サービス処理部(図中、「ASM」と記載)
32の伝送インタフェース(図中、「IF」と記載)3
2a、分配スイッチ(図中、「STM−SW」と記載)
32b、専用線終端部32e、再び分配スイッチ32b
の経路を順次通過する。
【0041】この時、加入者収容部31とサービス処理
部32間は、64Kbit/s単位に公・専を統合したフォ
ーマット(図中、「転送フォーマット」と記載)を利用
する。サービス処理部32において、分配スイッチ32
bを、公・専の振り分け機能と方面別の分配機能として
使用するため、専用線データは、分配スイッチ32bを
2回通過させている。
【0042】サービス処理部32と市外中継器(市外交
換機)間では、伝送インタフェース(図中、「IF」と
記載)32c,32dにより、既存の交換機や専用線装
置と同様に、NNIで1.5M(VC11)単位に、公
衆と専用のパスを設定する。分配スイッチ32bは、公
衆線と専用線とを分離し、専用線データのTSSIを保
証する。
【0043】また、分配スイッチ32bの接続情報は、
交換機ソフトウェアのデータとして、サービス処理部3
2が保持する。そして、分配スイッチ32bのリスター
ト時には、サービス処理部32と加入者収容部31の専
用線が通過する接続情報は、変更させないので、サービ
ス断を起こすことがない。また、専用線では、ユーザ間
に専用線を設定・解除する時のみ、分配スイッチ32b
の接続を変更することになる。これは、加入者収容部3
1における集線スイッチも同様である。
【0044】次に、図4、図5を用いて、公衆線データ
と専用線データの多重化技術について説明する。図4お
よび図5は、本発明の公専統合型交換機による公衆線デ
ータと専用線データとの多重化動作例を示す説明図であ
る。本例では、図3におけるサービス処理部32と加入
者収容部31間に用いる公・専統合のNNIフォーマッ
トを2種示している。尚、ここでは、NNIとして、S
TM-1の例を示している。
【0045】図4(a)では、STM-1が有する3個
のVC3内に、64Kbit/s単位で多重化した状態を示
している。さらに、図4(b)では、それぞれのVC3
が有するVC11内に、64Kbit/s単位で多重化した
状態を示している。図5では、VC3の中の64Kbit/
sを24個づつ管理するVC11相当を設定し、それら
を専用線データ用か公衆データ用に使用する例である。
【0046】VC3としては、公専を多重しているの
が、それぞれのVC11相当の中には、専用線データま
たは公衆線データを64Kbit/s単位で多重化する。既
に述べたように、プログラムのリスタート対応するため
には、スイッチの接続状態を2ヶ所のデータに分離し、
一方を公衆線データとし、他方を専用線データとする。
【0047】図5に示す技術では、図4(a),(b)
に示す技術に比べて収容効率が低下するが、スイッチの
接続状態を24個単位で管理するので、交換機ソフトウ
ェアの規模を小さくすることができる。尚、管理単位は
24個以外でも良い。以上の技術は、STM-N(N=
2、3、・・・)の場合も同様に使うことが可能であ
る。また、STM-N内のVCサイズは、VC-4、VC
12、VC-4-4cなどに64Kbit/s単位で多重化し
ても良い。
【0048】次に、サービス処理部32と加入者収容部
31間に必要な監視制御チャネルを説明する。従来の専
用線装置では、装置間で特別の専用線フレームを利用し
てデータを送受信していた。この専用線フレームは、主
信号とは異なる付加ビットを有しており、ネットワーク
障害を通知できる(警報転送)。例えば、回線断などが
発生した場合、警報を下流装置へ転送している。
【0049】本例の公専統合型交換機では、サービス処
理部32の交換機ソフトウェアが、オペレーションシス
テム(OsP)とのインタフェースを持つため、加入者収
容部31で検出した専用線としての警報を、サービス処
理部32に通知する手段を備える必要がある。また、オ
ペレーションシステムからサービス処理部32を経由し
て、加入者収容部31の設定・制御を行うためにも、サ
ービス処理部32と加入者収容部31間にチャネルが必
要である。
【0050】図6は、図1の公専統合型交換機における
サービス処理部と加入者収容部間の監視制御チャネル例
を示す説明図である。加入者収容部(図中、「SBM」
と記載)51には、制御ソフトウェア(図中、「SBM
制御ソフトウェア」と記載)51aを搭載し、サービス
処理部(図中、「ASM」と記載)52内の交換機ソフ
トウェア52aと、監視制御チャネル53を介して、メ
ッセージの送受を行う。
【0051】この監視制御チャネル53は、サービス処
理部52と加入者収容部51間のNNI内に設け、公衆
線としてサービス処理部52と加入者収容部51間に必
要なメッセージ送受に使用することも可能である。ま
た、上述したサービス処理部52は、市外交換機として
使用することも可能である。この場合、市内交換機と市
外交換機の2層構造(加入者収容部を考慮すれば3層と
も言える)を実現することができる。
【0052】以上、図1〜図6を用いて説明したよう
に、本実施例によれば、経済的で信頼性の高い専用線を
サポートできる公・専統合型の市内交換機及び市外交換
機を実現することができる。尚、本発明は、図1〜図6
を用いて説明した実施例に限定されるものではなく、そ
の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、1つの交換機で公衆網
と専用線網を統合でき、構成装置の種類が減り、装置コ
ストと伝送路コストを大幅に削減でき、通信サービスの
コストダウンを図ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の公専統合型交換機の本発明に係る構成
の一実施例を示すブロック図である。
【図2】マルチロケーション型の公専統合型交換機の構
成例を示すブロック図である。
【図3】図2における公専統合型交換機によるデータの
集線・分配動作例を示す説明図である。
【図4】本発明の公専統合型交換機による公衆線データ
と専用線データとの多重化動作例を示す説明図である。
【図5】本発明の公専統合型交換機による公衆線データ
と専用線データとの多重化動作の他の例を示す説明図で
ある。
【図6】図1の公専統合型交換機におけるサービス処理
部と加入者収容部間の監視制御チャネル例を示す説明図
である。
【図7】従来の交換機を用いた一般的な公衆(電話)網
の構成例を示すブロック図である。
【図8】従来の一般的な交換機を用いた公衆(電話)網
の構成例と従来のマルチロケーション型市内交換機を用
いた公衆(電話)網の構成例との比較を示す説明図であ
る。
【図9】従来の一般的な専用線網の構成例を示すブロッ
ク図である。
【図10】従来の公衆網と専用線網との相違を示す説明
図である。
【図11】図1における公専統合型交換機で解決すべき
課題を示す説明図である。
【符号の説明】
1:公専統合型交換機(市内交換機)、2:公専統合型
交換機(市外交換機)、3〜6:加入者収容部(SB
M)、3a:公衆線加入者回路、3b:専用線加入者回
路、3c:集線スイッチ部、3d:伝送インタフェース
(伝送IF)、4〜6:加入者収容部(SBM)、7:
サービス処理部(ASM)、7a:交換機ソフトウェ
ア、7b,7f:伝送インタフェース(伝送IF)、7
c:分配スイッチ部、7d:公衆線処理部(課金、番号
展開)、7e:専用線処理部、8a:交換機ソフトウェ
ア、8b,8f:伝送インタフェース(伝送IF)、8
c:分配スイッチ部、8d:公衆線処理部、8e:専用
線処理部(方面振り分け)、20:公・専統合市内交換
機(マルチロケーション型、MHN-S)、21,2
2:加入者収容部(SBM)、21a:加入者終端回路
(他のアクセスシステム接続部)、21b:加入者終端
回路(公衆回線収容部)、21c:加入者終端回路(専
用回線収容部)、21d:集線スイッチ、21e:伝送
インタフェース(SDH-IF)、21f:試験装置、
21g:制御部、23:サービス処理部(ASM)、2
3a,23b,23f:伝送インタフェース(SDH-
IF)、23c:スイッチ(分配段)、23d:制御
部、23e:専用線終端部、31:加入者収容部(SB
M)、32:サービス処理部(ASM)、32a:伝送
インタフェース(IF)、32b:分配スイッチ(ST
M−SW)、32c,32d:伝送インタフェース(I
F)、32e:専用線終端部、51:加入者収容部(S
BM)、51a:制御ソフトウェア(SBM制御ソフト
ウェア)、51b:専用回線収容部、51c:スイッ
チ、52:サービス処理部(ASM)、52a:交換機
ソフトウェア、52b:スイッチ、52c:専用回線終
端部、53:監視制御チャネル、61a〜61c,62
a〜62c:加入者(T)、63a,63b:市内交換
機(加入者交換機、Ex)、64a〜64d:市外交換
機(中継交換機、Ex)、81a〜81c,82a〜8
2c:加入者(T)、83a,83b:回線終端装置
(LT)、84a〜84d:回線接続装置(専用線クロ
スコネクト、XC)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 良明 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 堀内 敏宏 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−50858(JP,A) 特開 平4−158659(JP,A) 特開 昭64−10757(JP,A) 特開 平10−65643(JP,A) 特開 昭63−220695(JP,A) 特開 平10−13529(JP,A) 特開 平8−70348(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H04M 3/00 H04M 3/16 - 3/20 H04M 3/38 - 3/40 H04M 7/00 - 7/16 H04Q 11/00 - 11/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 公衆線と専用線とを扱う公専統合型交換
    機であって、上記専用線からの信号に対して、該専用線
    に固有の処理を行なう専用線処理手段と、上記公衆線か
    らの信号に対しては番号解読により対地編集を行い、上
    記専用線からの信号に対しては上記専用線処理手段を経
    由させた後に対地編集を行うスイッチ手段とを有するこ
    とを特徴とする公専統合型交換機。
  2. 【請求項2】 公衆線と専用線とを扱う公専統合型交換
    機であって、上記公衆線を収容する公衆線加入者回路
    と、上記専用線を収容する専用線加入者回路と、該専用
    線加入者回路で収容した上記専用線からの信号と上記公
    衆線加入者回路で収容した上記公衆線からの信号とを多
    重化する集線手段と、上記専用線からの信号に対して、
    該専用線に固有の処理を行なう専用線処理手段と、上記
    集線手段で多重化した上記公衆線からの信号と上記専用
    線からの信号とを振り分け、上記公衆線からの信号に対
    しては番号解読により対地編集を行い、上記専用線から
    の信号に対しては上記専用線処理手段を経由させた後に
    対地編集を行うスイッチ手段とを有することを特徴とす
    る公専統合型交換機。
  3. 【請求項3】 請求項1、もしくは、請求項2のいずれ
    かに記載の公専統合型交換機において、上記スイッチ手
    段への入力信号および上記スイッチ手段からの出力信号
    を、64Kbit/s単位で多重化したSDH信号で伝送す
    る手段を設けることを特徴とする公専統合型交換機。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3のいずれかに記載
    の公専統合型交換機において、交換機ソフトウェアのリ
    スタート時においても、上記スイッチ手段の上記専用線
    からの信号が通過する接点をオン状態に保持する手段を
    設けることを特徴とした公専統合型交換機。
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