JP3374873B2 - 粉体状焼却灰成形体の製造方法 - Google Patents
粉体状焼却灰成形体の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、粉体状焼却灰を用い
て成形体を製造する方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】都市ゴミや下水汚泥等の焼却灰あるいは
石炭火力発電所の燃焼ガス中から回収される石炭の焼却
灰としてのフライアッシュ等(以下、単に焼却灰とい
う)は、粉体状であり、従来、これらの焼却灰は、セメ
ント用原料とする以外には産業廃棄物として埋め立て材
料に使用されるにすぎず、それ以外にほとんど有効に利
用されていなかった。 【0003】近年、これらの焼却灰の有効利用が叫ば
れ、一部にこれらの焼却灰を主原料とするブロック等の
成形体を製品化されつつあるが、これらの成形体の形成
は前記焼却灰を加熱することによってセラミック化する
ものであり、あるいは大量にセメントを混入させて成形
するものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、焼却灰を主
原料とする成形体のセラミック製品化は、加熱工程を要
するものであるため、エネルギ経済的に無駄が多く、エ
ネルギコストの点から成形体の価格が高価なものとなっ
ている。 【0005】また、セメントを混入させて得られるセメ
ント成形品では、成形に時間を要し、成形品の大量生産
には不向きである。 【0006】この発明は、このような事情に基づいてな
されたもので、焼却灰を主原料として成形体を製造する
ものでありながら、その成形体の製造に伴うエネルギコ
ストの低減ならびに製造時間の大幅な短縮化を図り、成
形体の価格を安価なものとすることを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、シリカを主成分とする粉体
状焼却灰1重量に、重量比10%から20%の石灰粉
と、重量比10%から30%のセメントとを加え、これ
に重量比30%から50%の水を加えて撹拌混合し、こ
の混合材料を成形型内に充填し、脱水しながら50kgf/
cm2から250kgf/cm2の圧力で加圧することを特徴とす
る粉体状焼却灰成形体の製造方法である。 【0008】 【作用】請求項1記載の製造方法によれば、シリカを主
成分とする粉体状焼却灰を含む所定の混合物に一定の水
を加えて撹拌混合し、この混合材料を成形型内に充填
し、脱水しながら50kgf/cm2から250kgf/cm2の圧力
で加圧するものであるため、エネルギロスが大きくなら
ざるを得ない加熱工程を要さず、成形体の製造に伴うエ
ネルギコストを低減することができる。 【0009】また、同時に混合材料が成形型内で前記の
ように高圧で加圧されるので、混合物の成形型からの脱
型および硬化が迅速化され、製造時間が大幅に短縮化す
ることができる。 【0010】したがって、エネルギコストの低減および
製造時間の短縮が行えるので、成形体の価格を安価なも
のとすることが可能となる。 【0011】 【実施例】以下、実施例を説明するが、まず以下の実施
例において用いる粉体状焼却灰成形体製造用の混合物に
ついて説明を行う。 【0012】この実施例においては、粉体状焼却灰とし
てフライアッシュを用いたものである。 【0013】フライアッシュはシリカを主成分とするも
のであり、シリカはナトリウム,カルシウム等のアルカ
リの存在下においては一ヶ月以上の長時間をかけて固化
する自硬性を有するものであるので、フライアッシュも
自硬性を呈するものである。 【0014】なお、このような性質はシリカを主成分と
して含有する,都市ゴミや下水汚泥等の焼却灰も、前記
フライアッシュと同様である。 【0015】焼却灰としてフライアッシュを用いた本願
実施例の粉体状焼却灰成形体用混合物の配合例は次のよ
うである。 【0016】「配合例」 フライアッシュ 30kg (1重量) 石灰粉 10kg (33%) セメント 6kg (20%) 赤泥 4kg (適宜) 水 13kg (45%) 前記配合例におけるセメントは普通のポルトランドセメ
ントであってその添加量は少量である。 【0017】石灰粉は粒径が2〜3mmの細粒分をも含む
石灰石の粉末である。 【0018】赤泥とはアルミニウムの精錬の際に排出さ
れる赤色泥状の産業廃棄物であり、実施例の成形体を赤
色に着色するために添加したものである。したがって、
赤泥は適宜に添加することとし、不要の場合には添加を
省略してもよい。また、赤泥に限らず、その他の着色剤
を用いたり、その他適宜の添加剤を併用することとして
もよい。 【0019】この配合例において、水はセメント重量の
2倍以上の量が添加されているが、水の添加量は通常セ
メント重量の25%程度とされているので、かなり過剰
な水分を添加した状態である。 【0020】このような配合からなる混合物を撹拌混練
すると、やわらかなスラリー状の混合物が得られる。 【0021】このスラリー状の混合物は、前記のように
余剰水を含んだ状態であるから、その材料取り合い性が
良好であり、工場での機械による取り扱い,連続作業性
や成形型内への注入性,充填性も良好である。 【0022】このようにして用意されたスラリー状の混
合物は、この後成形型4に充填され、図1に示すプレス
装置1により加圧成形が行われる。 【0023】プレス装置1は、テーブル2と昇降可能と
したラム3とを有するものである。 【0024】プレス装置1には、上型5と下型6とから
なる成形型4が装着され、下型6はテーブル2上に進退
可能に設置され、ラム3には上型5が装着されている。 【0025】下型6は前記スラリー状混合物を充填する
キャビテイ7を備え、上型5の全体形状は平板状であっ
て、前記下型6のキャビテイ7上部にまで侵入可能なも
のである。 【0026】この実施例においては、これらの上型5と
下型6とによりスラリー状混合物が加圧されて成形体を
形成する際に、後述するようにスラリー状混合物から脱
水させるので、その排水を確実に行なわせるため前記上
型5は図2および3に示すように構成されている。 【0027】なお、この実施例においては、前記スラリ
ー状混合物からの排水は前記上型5のみから行わせ、下
型6には排水手段を形成したものではないが、排水量が
多量となる場合などには必要に応じて下型6にも排水穴
等の排水手段を形成することとしてもよい。 【0028】前記上型5は、図2に平面図で示すよう
に、矩形状に形成した剛直な枠体8と、その枠体8の内
側に一体に設置された剛直な格子部材9とを有する上型
本体11を備え、その上型本体11の下面に前記格子部
材9のピッチより小さなピッチで形成された金網12を
配設し、その金網12の下面に濾過布13を装着したも
のである。 【0029】この濾過布13は、前記スラリー状混合物
中の水Wの流通は可能であるが、セメントやフライアッ
シュ等の固形分の流通を阻止するものである。 【0030】このようなプレス装置1を用いての前記ス
ラリー状混合物からの成形体の形成は、次のように行わ
れる。 【0031】まず、前記ラム3を上昇させて上型5を下
型6から十分に離間した状態として、下型6をテーブル
2上で水平に移動させて上型5直下の位置から側方に脱
出させ、下型6のキャビテイ7内に前記スラリー状混合
物を所要量だけ充填する。 【0032】この後、前記スラリー状混合物の充填され
た下型6を、前記上型5の直下の位置に戻し、テーブル
2に装備された不図示の振動装置を振動させて下型6に
所要の振動を与え、前記キャビテイ7内に充填されたス
ラリー状混合物中からのエア抜きを行う。 【0033】このエア抜きの後、前記ラム3を下降駆動
させ、前記上型5を前記キャビテイ7に向けて下降さ
せ、キャビテイ7内のスラリー状混合物を所定の圧力で
加圧する。 【0034】この実施例において、その加圧力は、例え
ば100kgf/cm2であり、前記キャビテイ7で30cm×
60cmの平板を成形する場合には全体として180ton
の圧縮力が必要である。 【0035】このような上型5によるスラリー状混合物
の加圧成形に伴って、前記混合物に含有されていた多量
の余剰水Wは、前記上型5の濾過布13の目および金網
12と格子部材9の隙間を経由して排出され、スラリー
状混合物の脱水が同時に行われる。 【0036】前記キャビテイ7内のスラリー状混合物の
加圧成形および脱水が完了した後においては、混合物が
前記のように高圧で加圧されていたため、混合物中にお
いてフライアッシュやセメント等の固形物は空隙が小さ
く密着し緻密な状態となっており、手指で強く押さなけ
れば容易には変形しない程度の偽凝結状態となってい
る。 【0037】したがって、この状態では通常の状態より
も化学的反応が促進されやすく、かつ、混合物を直ちに
下型6から脱型することが可能である。 【0038】すなわち、この実施例においては、下型6
からの混合物の脱型までの時間を短縮することができ、
同時にその混合物の硬化が迅速化してセメントの強度発
現のための養生期間の短縮されるので、成形体の製造を
迅速にできるとともに、その成形体の養生ヤードを小さ
くすることも可能となる。 【0039】このようにして得られた成形体の物理試験
値は次のようである。 【0040】密度 1.85〜1.90g/cm3 圧縮強度 178kgf/cm2 (28日) 229kgf/cm2 (7ケ月) 曲げ強度 30kgf/cm2 (28日) 42kgf/cm2 (7ケ月) これらの数値から見ると、前記成形体の密度は通常のコ
ンクリートと軽量コンクリートとの中間で凝灰岩と同程
度であり、圧縮強度は一般コンクリートの中位である
が、曲げ強度は一般コンクリートが70kgf/cm2であるの
で若干小さい値である。 【0041】しかし、成形体の用途とされることの多い
舗装平板において要求される曲げ強度は40kgf/cm2であ
るので、前記混合物により得られる成形体を舗装平板と
して実用するうえでは何等の支障もない。 【0042】また、より大きな曲げ強度等が必要な場合
には、例えばセメントの配合割合を高めることとすれば
よい。 【0043】以上のようにして得られる粉体状焼却灰成
形体は、前記舗装平板の他、歩道ブロック,平板,建築
用ブロック,漁礁あるいは道路下層路盤材等の用途にも
使用することができる。 【0044】その場合、各用途により要求される成形体
の圧縮強度や曲げ強度は、混合物の配合割合を、粉体状
焼却灰1重量に対し、石灰粉は重量比10%から20%
の範囲で、セメントは重量比10%から30%の範囲で
調整すればよい。 【0045】また、水の添加量は粉体状焼却灰1重量に
対して重量比30%から50%の範囲で調整すればよ
く、また、加圧力は50kgf/cm2から250kgf/cm2の範
囲で調整することができる。 【0046】これらの範囲内においては、前記実施例と
同様の利点を維持したまま成形体を形成することが可能
である。 【0047】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の製
造方法によれば、シリカを主成分とする粉体状焼却灰を
含む所定の混合物に一定の水を加えて撹拌混合し、この
混合材料を成形型内に充填し、脱水しながら50kgf/cm
2から250kgf/cm2の圧力で加圧するものであるため、
エネルギロスが大きくならざるを得ない加熱工程を要さ
ず、成形体の製造に伴うエネルギコストを低減すること
ができる。 【0048】また、同時に混合材料が成形型内で前記の
ように高圧で加圧されるので、混合物の成形型からの脱
型および硬化が迅速化され、製造時間が大幅に短縮化す
ることができる。 【0049】したがって、エネルギコストの低減および
製造時間の短縮が行えるので、成形体の価格を安価なも
のとすることが可能となる。
て成形体を製造する方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】都市ゴミや下水汚泥等の焼却灰あるいは
石炭火力発電所の燃焼ガス中から回収される石炭の焼却
灰としてのフライアッシュ等(以下、単に焼却灰とい
う)は、粉体状であり、従来、これらの焼却灰は、セメ
ント用原料とする以外には産業廃棄物として埋め立て材
料に使用されるにすぎず、それ以外にほとんど有効に利
用されていなかった。 【0003】近年、これらの焼却灰の有効利用が叫ば
れ、一部にこれらの焼却灰を主原料とするブロック等の
成形体を製品化されつつあるが、これらの成形体の形成
は前記焼却灰を加熱することによってセラミック化する
ものであり、あるいは大量にセメントを混入させて成形
するものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】ところで、焼却灰を主
原料とする成形体のセラミック製品化は、加熱工程を要
するものであるため、エネルギ経済的に無駄が多く、エ
ネルギコストの点から成形体の価格が高価なものとなっ
ている。 【0005】また、セメントを混入させて得られるセメ
ント成形品では、成形に時間を要し、成形品の大量生産
には不向きである。 【0006】この発明は、このような事情に基づいてな
されたもので、焼却灰を主原料として成形体を製造する
ものでありながら、その成形体の製造に伴うエネルギコ
ストの低減ならびに製造時間の大幅な短縮化を図り、成
形体の価格を安価なものとすることを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、シリカを主成分とする粉体
状焼却灰1重量に、重量比10%から20%の石灰粉
と、重量比10%から30%のセメントとを加え、これ
に重量比30%から50%の水を加えて撹拌混合し、こ
の混合材料を成形型内に充填し、脱水しながら50kgf/
cm2から250kgf/cm2の圧力で加圧することを特徴とす
る粉体状焼却灰成形体の製造方法である。 【0008】 【作用】請求項1記載の製造方法によれば、シリカを主
成分とする粉体状焼却灰を含む所定の混合物に一定の水
を加えて撹拌混合し、この混合材料を成形型内に充填
し、脱水しながら50kgf/cm2から250kgf/cm2の圧力
で加圧するものであるため、エネルギロスが大きくなら
ざるを得ない加熱工程を要さず、成形体の製造に伴うエ
ネルギコストを低減することができる。 【0009】また、同時に混合材料が成形型内で前記の
ように高圧で加圧されるので、混合物の成形型からの脱
型および硬化が迅速化され、製造時間が大幅に短縮化す
ることができる。 【0010】したがって、エネルギコストの低減および
製造時間の短縮が行えるので、成形体の価格を安価なも
のとすることが可能となる。 【0011】 【実施例】以下、実施例を説明するが、まず以下の実施
例において用いる粉体状焼却灰成形体製造用の混合物に
ついて説明を行う。 【0012】この実施例においては、粉体状焼却灰とし
てフライアッシュを用いたものである。 【0013】フライアッシュはシリカを主成分とするも
のであり、シリカはナトリウム,カルシウム等のアルカ
リの存在下においては一ヶ月以上の長時間をかけて固化
する自硬性を有するものであるので、フライアッシュも
自硬性を呈するものである。 【0014】なお、このような性質はシリカを主成分と
して含有する,都市ゴミや下水汚泥等の焼却灰も、前記
フライアッシュと同様である。 【0015】焼却灰としてフライアッシュを用いた本願
実施例の粉体状焼却灰成形体用混合物の配合例は次のよ
うである。 【0016】「配合例」 フライアッシュ 30kg (1重量) 石灰粉 10kg (33%) セメント 6kg (20%) 赤泥 4kg (適宜) 水 13kg (45%) 前記配合例におけるセメントは普通のポルトランドセメ
ントであってその添加量は少量である。 【0017】石灰粉は粒径が2〜3mmの細粒分をも含む
石灰石の粉末である。 【0018】赤泥とはアルミニウムの精錬の際に排出さ
れる赤色泥状の産業廃棄物であり、実施例の成形体を赤
色に着色するために添加したものである。したがって、
赤泥は適宜に添加することとし、不要の場合には添加を
省略してもよい。また、赤泥に限らず、その他の着色剤
を用いたり、その他適宜の添加剤を併用することとして
もよい。 【0019】この配合例において、水はセメント重量の
2倍以上の量が添加されているが、水の添加量は通常セ
メント重量の25%程度とされているので、かなり過剰
な水分を添加した状態である。 【0020】このような配合からなる混合物を撹拌混練
すると、やわらかなスラリー状の混合物が得られる。 【0021】このスラリー状の混合物は、前記のように
余剰水を含んだ状態であるから、その材料取り合い性が
良好であり、工場での機械による取り扱い,連続作業性
や成形型内への注入性,充填性も良好である。 【0022】このようにして用意されたスラリー状の混
合物は、この後成形型4に充填され、図1に示すプレス
装置1により加圧成形が行われる。 【0023】プレス装置1は、テーブル2と昇降可能と
したラム3とを有するものである。 【0024】プレス装置1には、上型5と下型6とから
なる成形型4が装着され、下型6はテーブル2上に進退
可能に設置され、ラム3には上型5が装着されている。 【0025】下型6は前記スラリー状混合物を充填する
キャビテイ7を備え、上型5の全体形状は平板状であっ
て、前記下型6のキャビテイ7上部にまで侵入可能なも
のである。 【0026】この実施例においては、これらの上型5と
下型6とによりスラリー状混合物が加圧されて成形体を
形成する際に、後述するようにスラリー状混合物から脱
水させるので、その排水を確実に行なわせるため前記上
型5は図2および3に示すように構成されている。 【0027】なお、この実施例においては、前記スラリ
ー状混合物からの排水は前記上型5のみから行わせ、下
型6には排水手段を形成したものではないが、排水量が
多量となる場合などには必要に応じて下型6にも排水穴
等の排水手段を形成することとしてもよい。 【0028】前記上型5は、図2に平面図で示すよう
に、矩形状に形成した剛直な枠体8と、その枠体8の内
側に一体に設置された剛直な格子部材9とを有する上型
本体11を備え、その上型本体11の下面に前記格子部
材9のピッチより小さなピッチで形成された金網12を
配設し、その金網12の下面に濾過布13を装着したも
のである。 【0029】この濾過布13は、前記スラリー状混合物
中の水Wの流通は可能であるが、セメントやフライアッ
シュ等の固形分の流通を阻止するものである。 【0030】このようなプレス装置1を用いての前記ス
ラリー状混合物からの成形体の形成は、次のように行わ
れる。 【0031】まず、前記ラム3を上昇させて上型5を下
型6から十分に離間した状態として、下型6をテーブル
2上で水平に移動させて上型5直下の位置から側方に脱
出させ、下型6のキャビテイ7内に前記スラリー状混合
物を所要量だけ充填する。 【0032】この後、前記スラリー状混合物の充填され
た下型6を、前記上型5の直下の位置に戻し、テーブル
2に装備された不図示の振動装置を振動させて下型6に
所要の振動を与え、前記キャビテイ7内に充填されたス
ラリー状混合物中からのエア抜きを行う。 【0033】このエア抜きの後、前記ラム3を下降駆動
させ、前記上型5を前記キャビテイ7に向けて下降さ
せ、キャビテイ7内のスラリー状混合物を所定の圧力で
加圧する。 【0034】この実施例において、その加圧力は、例え
ば100kgf/cm2であり、前記キャビテイ7で30cm×
60cmの平板を成形する場合には全体として180ton
の圧縮力が必要である。 【0035】このような上型5によるスラリー状混合物
の加圧成形に伴って、前記混合物に含有されていた多量
の余剰水Wは、前記上型5の濾過布13の目および金網
12と格子部材9の隙間を経由して排出され、スラリー
状混合物の脱水が同時に行われる。 【0036】前記キャビテイ7内のスラリー状混合物の
加圧成形および脱水が完了した後においては、混合物が
前記のように高圧で加圧されていたため、混合物中にお
いてフライアッシュやセメント等の固形物は空隙が小さ
く密着し緻密な状態となっており、手指で強く押さなけ
れば容易には変形しない程度の偽凝結状態となってい
る。 【0037】したがって、この状態では通常の状態より
も化学的反応が促進されやすく、かつ、混合物を直ちに
下型6から脱型することが可能である。 【0038】すなわち、この実施例においては、下型6
からの混合物の脱型までの時間を短縮することができ、
同時にその混合物の硬化が迅速化してセメントの強度発
現のための養生期間の短縮されるので、成形体の製造を
迅速にできるとともに、その成形体の養生ヤードを小さ
くすることも可能となる。 【0039】このようにして得られた成形体の物理試験
値は次のようである。 【0040】密度 1.85〜1.90g/cm3 圧縮強度 178kgf/cm2 (28日) 229kgf/cm2 (7ケ月) 曲げ強度 30kgf/cm2 (28日) 42kgf/cm2 (7ケ月) これらの数値から見ると、前記成形体の密度は通常のコ
ンクリートと軽量コンクリートとの中間で凝灰岩と同程
度であり、圧縮強度は一般コンクリートの中位である
が、曲げ強度は一般コンクリートが70kgf/cm2であるの
で若干小さい値である。 【0041】しかし、成形体の用途とされることの多い
舗装平板において要求される曲げ強度は40kgf/cm2であ
るので、前記混合物により得られる成形体を舗装平板と
して実用するうえでは何等の支障もない。 【0042】また、より大きな曲げ強度等が必要な場合
には、例えばセメントの配合割合を高めることとすれば
よい。 【0043】以上のようにして得られる粉体状焼却灰成
形体は、前記舗装平板の他、歩道ブロック,平板,建築
用ブロック,漁礁あるいは道路下層路盤材等の用途にも
使用することができる。 【0044】その場合、各用途により要求される成形体
の圧縮強度や曲げ強度は、混合物の配合割合を、粉体状
焼却灰1重量に対し、石灰粉は重量比10%から20%
の範囲で、セメントは重量比10%から30%の範囲で
調整すればよい。 【0045】また、水の添加量は粉体状焼却灰1重量に
対して重量比30%から50%の範囲で調整すればよ
く、また、加圧力は50kgf/cm2から250kgf/cm2の範
囲で調整することができる。 【0046】これらの範囲内においては、前記実施例と
同様の利点を維持したまま成形体を形成することが可能
である。 【0047】 【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の製
造方法によれば、シリカを主成分とする粉体状焼却灰を
含む所定の混合物に一定の水を加えて撹拌混合し、この
混合材料を成形型内に充填し、脱水しながら50kgf/cm
2から250kgf/cm2の圧力で加圧するものであるため、
エネルギロスが大きくならざるを得ない加熱工程を要さ
ず、成形体の製造に伴うエネルギコストを低減すること
ができる。 【0048】また、同時に混合材料が成形型内で前記の
ように高圧で加圧されるので、混合物の成形型からの脱
型および硬化が迅速化され、製造時間が大幅に短縮化す
ることができる。 【0049】したがって、エネルギコストの低減および
製造時間の短縮が行えるので、成形体の価格を安価なも
のとすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の製造方法に用いるプレス装置の概略
説明図である。 【図2】上型の上面図である。 【図3】図2のA−A線に沿う断面における部分拡大図
である。 【符号の説明】 1 プレス装置 4 成形型 5 上型 6 下型 7 キャビティ
説明図である。 【図2】上型の上面図である。 【図3】図2のA−A線に沿う断面における部分拡大図
である。 【符号の説明】 1 プレス装置 4 成形型 5 上型 6 下型 7 キャビティ
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C04B 18/00 - 18/30
B28B 3/02
C04B 7/26 - 7/28
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 シリカを主成分とする粉体状焼却灰1重
量に、重量比10%から20%の石灰粉と、重量比10
%から30%のセメントとを加え、これに重量比30%
から50%の水を加えて撹拌混合し、この混合材料を成
形型内に充填し、脱水しながら50kgf/cm2から250k
gf/cm2の圧力で加圧することを特徴とする粉体状焼却灰
成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5238294A JP3374873B2 (ja) | 1994-03-24 | 1994-03-24 | 粉体状焼却灰成形体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP5238294A JP3374873B2 (ja) | 1994-03-24 | 1994-03-24 | 粉体状焼却灰成形体の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH07267716A JPH07267716A (ja) | 1995-10-17 |
JP3374873B2 true JP3374873B2 (ja) | 2003-02-10 |
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JP2006167941A (ja) * | 2004-12-13 | 2006-06-29 | Maeda Corp | 擬石の製造方法 |
-
1994
- 1994-03-24 JP JP5238294A patent/JP3374873B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH07267716A (ja) | 1995-10-17 |
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